JP5351690B2 - キッチンペーパー - Google Patents

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Description

本発明は、キッチンペーパーに関する。
キッチンペーパーの用途は、食品の包装、煮物の落とし蓋、鮮魚等のドリップ吸収材、水きり、油漉し、台所周りの拭き掃除など多岐に渡るが、その一つに、皿やトレーの上にキッチンペーパーを敷いて、その上に揚げた揚げ物や茹でた物を置き、揚げ物等の過剰油分や水分の吸収するための用途がある。この揚げ物等の過剰油分等の吸収用途においては、揚げ物の衣などを傷つけない、揚げ物等からの蒸気や油によって揚げ物等がベタついたりしないように素早く油や水を吸収する、さらにその一旦吸収した油等が揚げ物等に戻らないようにする機能が求められる。
従来のキッチンペーパーは、エンボス加工を施した衛生薄葉紙を適宜枚数積層したものが良く知られるが、この従来のキッチンペーパーは、エンボスの凹凸によって紙面と揚げ物等との接触面積が小さく、また、シート繊維間の空隙による毛細管現象を主たる吸液機構として各シートのエンボス間の空隙に水分、油分等を取り込み保持するようにすることで、揚げ物等の過剰油分等の吸収用途における機能性が確保されている。
しかしながら、上述のエンボス加工を施した従来キッチンペーパーは、揚げ物を載せた際に、その荷重や油分、水分の吸液による繊維のほぐれによって、エンボスが潰れることがあり、エンボスによる吸液性を十分に発揮できない場合があった。
この問題は、エンボス付与時のエンボス圧を高め、エンボスを紙にしっかりと付与することによりある程度は改善されるが、過度のエンボス圧は紙の破断の原因となり、また、しっかりとしたエンボスは紙を硬くすることがあり、製造上或いは拭き取り用途などキッチンペーパーが必要とする柔らかさやしなやかさを低下させるという別の問題を引き起こす。
そこで、本発明者らは、キッチンペーパーの拭き取り性等の主要機能を低下することなく、揚げ物の過剰油分の吸収性能を高めるべく、下記特許文献1及び2に開示される発泡インキに着目した。これらの発泡インキは、主に装飾性、意匠性を高めるべく用いられるものであるが、その発泡性のメカニズムがキッチンペーパーに有用に利用できることを知見し本発明を完成するに至った。
特開2002−254588 特開平9−41296
本発明の主たる課題は、通常のキッチンペーパーとしての機能を有しつつも、特に揚げ物の過剰油分の吸収する用途において、特に適するキッチンペーパーを提供することにある。
上記課題を解決した本発明及び作用効果は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
2枚のクレープ紙の少なくとも一方がエンボスを有し、それらクレープ紙がエンボス凸部に付与された接着剤を介して積層一体化され、かつ、その接着剤中に、熱によって発泡して膨張し膨張後に硬化する発泡性硬化物質を未発泡の状態で含有することを特徴とするキッチンペーパー。
(作用効果)
本発明は、2枚のクレープ紙同士を接着する接着剤中に熱を加えることにより発泡して膨張し膨張後に硬化する発泡性硬化物質を含有させたので、トレー、バット、皿等に敷いて、その上に揚げ物等を載せたときに、その揚げ物の有する熱によって前記発泡インキが発泡する。そして、発泡性硬化物質は、発泡後にその発泡状態が維持され、弾性、剛性、或いは剛弾性のある硬化した状態に変化するので、発泡性硬化物質の発泡により、本発明のキッチンペーパーは、クレープ紙間の間隔が広がるとともに、2枚のクレープ紙間に揚げ物等からの油分等を吸収保持する空隙が形成され、それが維持される。
特に、本発明では、エンボスの凸部に付与された接着剤の中に発泡性硬化物質を含有させるので、その接着剤部分が多数の柱、壁柱となって揚げ物を支えるように作用する。
また、発泡性硬化物質を含む接着剤は、クレープ紙への塗布、印刷等の付与の際、クレープ紙の紙層(2枚のクレープ紙の間隔ではなくクレープ紙の内部)にも浸透するため、当該接着剤付与部分は、紙のみで形成されるエンボス凸部と比較すれば極めて高い形状保持性を有し、当該空隙が、揚げ物等による荷重でも潰れることなく保持される。
他方、キッチンペーパーは、一般的にロール状、束状として販売されるため過度に嵩高であると輸送上の問題があるが、本発明では、接着剤中に発泡性硬化物質を未発泡の状態で含有させることとしているため、輸送時などの未使用時における取り扱いについて従来のキッチンペーパーに劣ることもない。
また、本発明では、エンボス凸部に配する接着剤中に発泡インキを未発泡の状態で含有させることとしたため、水、汚れ、塵などの拭き取り用途等のキッチンペーパーの他の使用時においては、従来のエンボス付与のキッチンペーパーと変わりなく、その機能について劣ることがない。
さらに、本発明ではクレープを有するクレープ紙を用い、しかも接着剤をエンボス凸部に配置させることとしている。これにより、揚げ物等の熱源に触れた一部分の発泡性硬化物質が発泡したとしても、接着剤が付与されていない部分のクレープ及びエンボスが伸びるので、発泡性硬化物質が紙面の一部分で発泡したとしてもキッチンペーパーが破れることがない。
<請求項2記載の発明>
前記発泡性硬化物質は90〜200℃において発泡し、その発泡により紙厚が発泡前と比較して100μm以上増加する請求項1記載のキッチンペーパー。
(作用効果)
揚げ物の揚げるときの一般的な油の温度は180℃前後であり、本発明者らは、この温度の油から揚げ物を取り出した場合に、揚げ物の温度が100〜120℃程度に低下することを知見している。従って、本発明のように発泡性硬化物質が90〜200℃において発泡するものとすると、揚げ物の過剰油分の吸収用途において特に適したものとなる。
他方で、キッチンペーパーは、揚げ物の過剰油分の吸収用途以外においては90℃以上の油・水に接する機会が極めて少なく、この範囲とすると、その他の用途に使用する際に発泡インキが意図せず発泡することなく、拭き取り時等においては従来キッチンペーパーとなんら変わりなく取り扱うことができる。
<請求項3記載の発明>
キッチンペーパー全体としての紙厚が700μm以上であり、各クレープ紙の坪量が10〜42g/m2、密度は2.5×104〜4.2×105g/m3である請求項1又は2記載のキッチンペーパー。
(作用効果)
上記のキッチンペーパーの紙厚の範囲で、各クレープ紙の坪量、密度を上記範囲とすると、さらに、発泡性硬化物質の発泡によって空隙が形成された際の吸液速度において優れ、しかもしなやかで柔らかさがあり、しかもしっかりと拭き取りができるものとなる。
<請求項4記載の発明>
一つの接着剤付与部分の面積が1.0〜4.0mm2であり、かつ、それら接着剤付与部分間の距離が1.0〜5.0mmである請求項1〜3の何れか1項に記載のキッチンペーパー。
(作用効果)
本発明の範囲とすると、発泡性硬化物質が発泡した際にクレープ紙間に空隙が十分に確保される。また、揚げ物を載せたときに、これに接して発泡した発泡インキにより形成される発泡接着部分が十分な散在密度となる。これにより揚げ物を十分に支えることができ、もって空隙が確実に潰れないものとなる。
さらに、上記の範囲とすると、キッチンペーパー全体としての柔らかさやしなやかさを十分に確保できる。
<請求項5記載の発明>
一方紙面に対する接着剤付与部分の総面積の割合が5〜30%である請求項1〜4の何れか1項に記載のキッチンペーパー。
(作用効果)
請求項4と同様の効果を奏する。
<請求項6記載の発明>
2枚の各クレープ紙の何れかの面に、炭化水素、流動パラフィン、トリグリセリド、脂肪酸アマイド、アクリル酸エステル共重合体、ショ糖エステル、イソステアリン酸エステルのいずれかである親油性油剤が、クレープ紙2枚あたり1〜20重量%担持されている請求項1〜5の何れか1項に記載のキッチンペーパー。
(作用効果)
親油性油剤を担持させることで、油とクレープ紙との親和性が向上し、もって、吸油速度が向上する。
<請求項7記載の発明>
前記クレープ紙が帯状であり、かつ、長手方向に所定間隔で幅方向にわたる切り取り用ミシン目線が配された帯状の前記クレープ紙がロール状に巻かれている請求項1〜6の何れか1項に記載のキッチンペーパー。
(作用効果)
クレープ紙がロール状に巻かれているキッチンペーパーは、製造が容易である。また、本発明のキッチンペーパーは、発泡性硬化物質が未発泡の状態で含有されているので、従来のエンボス付与のキッチンペーパーと同等の巻き長さとすることができながらも、揚げ物等の過剰油分等を吸収する際に嵩高でクレープ紙間に広範な空隙が形成できる利点がある。すなわち、輸送性については従来キッチンペーパーと同等でありながらも、過剰油分等の吸収に用いる際には従来キッチンペーパーよりも優れたものとなる利点がある。
以上のとおり本発明によれば、通常のキッチンペーパーとしての機能を有しつつも、特に揚げ物の過剰油分の吸収する用途において、特に適するキッチンペーパーが提供される。
本発明のキッチンペーパーX1を説明するための斜視図である。 本発明のキッチンペーパーX1の断面図である。 本発明のキッチンペーパーX1の他の断面図である。 本発明のキッチンペーパーX1のロール形態の斜視図である。
次に、本発明のキッチンペーパーの実施の形態を説明する。図1〜4に、本実施の形態のキッチンペーパーX1を示す。
このキッチンペーパーX1は、図1〜図3に示されるようにエンボスE,E…を有する2枚のクレープ紙1,2がエンボス凸部Et,Et…に付与された接着剤3,3…を介して積層一体化されているものである。その接着剤中には、熱によって発泡して膨張し、膨張後に硬化する発泡性硬化物質が未発泡の状態で含有されている。なお、図示の形態では、各クレープ紙1,2にエンボスが付与されているが、本発明においては、何れか一方にエンボスが付与されているものであってもよい。但し、好ましくは、図示例のように双方にエンボスを有する形態である。
本発明における接着剤3,3…の付与態様は、上述のとおりエンボス凸部Et,Et…に接着剤3,3…を配置している。これにより、発泡性硬化物質の発泡によるクレープ紙間の空隙形成を可能としつつ、しかもその形成された空隙が十分な吸液量を示すものとなる。なお、本発明のキッチンペーパーにおいては、好ましくは、すべてのエンボス凸部Et,Et…に接着剤3,3…が付与されている形態であるが、これに限定されない。一部のエンボス凸部Et,Etのみに接着剤3,3…が付与されていてもよい。
本発明における接着剤3,3…の付与態様では、発泡性硬化物質の発泡によってクレープ紙1,2間の間隔が広がることにより、エンボスによって形成される空隙が広くなり、吸液量が向上される。
ここで、一つの接着剤付与部分の形状は、限定されない。もちろん、一つのエンボス凸部Etの全部(全面)に接着剤3を付与するのであれば、一つのエンボス凸部Etの形状に依存することになるが、エンボス凸部Et,Etの形状と、接着剤付与部分の形状は必ずしも一致している必要はない。一つの接着剤付与部分3の形状は、エンボス凸部Etの形状に限らず、短線状、正方形、長方形、三角形、多角形、円形、楕円形、星形等適宜の形状とすることができる。ただし、一つの接着剤付与部分の面積は、1.0〜4.0mm2であるのが望ましい。もちろん、一つのエンボス凸部Etの全部(全面)に接着するのであれば、当該面積は一つのエンボス凸部の面積と同一となる。
また、上述の一つの接着剤付与部分の面積とする場合においては、隣り合う接着剤付与部分間の距離L1が1.0〜5.0mmであるのが望ましい。なお、この隣り合う接着剤付与部分間の距離L1とは、隣合う接着剤付与部分間のうち最も近い距離を意味する。一つの接着剤付与面積が1.0mm2未満であると、クレープ紙同士の接着が不十分となるとともに発泡インキを十分に含有できず発泡性硬化物質の発泡による効果が不十分となり、4.0mm2を超えると、吸液性に劣るようになる。隣り合う接着剤付与部分間の距離L1が1.0mm未満とするのは、技術的に塗布自体が難しく、反対に5.0mmを超えると接着剤付与部分間が離れすぎて、発泡性硬化物質により形成される空隙の保持性が悪化する。
さらに、接着剤の付与態様は、一方紙面に対する接着剤付与部分の総面積の割合が5〜30%であるのが望ましい。5%未満であると、クレープ紙同士の接着が不十分となり、30%を超えると接着部分が広すぎて、キッチンペーパーが硬くなるとともに、吸液性が不十分となる。
他方、接着剤中に含有される発泡性硬化物質は90〜200℃において発泡するものが望ましく、本発明では、その発泡により紙厚L2が発泡前と比較して100μm以上増加するものとするのが望ましい。
ここで、本発明のキッチンペーパーX1は、従来のキッチンペーパーと同程度の紙厚L2が700μm以上であるのが望ましい。これにより、従来のエンボス付与キッチンペーパーと同程度の拭き取り性、強度が確保できる。
上記の点を整理すると、本発明のキッチンペーパーX1における発泡性硬化物質と紙厚の関係は、発泡前において700μm以上であり、発泡性硬化物質の発泡により、紙厚L3が800μmを超えるようになるのが特に好ましい形態である。
紙厚の測定方法としては、JIS P 8111の条件下で、ダイヤルシックネスゲージ(厚み測定器)例えば「PEACOCK G型」(尾崎製作所製)を用いて測定する。具体的には、プランジャーと測定台の間にゴミ、チリ等がないことを確認してプランジャーを測定台の上におろし、前記ダイヤルシックネスゲージのメモリを移動させてゼロ点を合わせ、次いで、プランジャーを上げて試料を試験台の上におき、プランジャーをゆっくりと下ろしそのときのゲージを読み取る。ここで、資料を試験台の上に置く前に、75g(底面平坦かつ底面積30cm2)の錘を60秒間載せて加重をかけておくこととする。このとき、プランジャーをのせるだけとする。なお、厚さは測定を10回行って得られる平均値とする。
ここで、発泡性硬化物質が90〜200℃で発泡するについては、キッチンペーパーとした状態で接着剤部分の外部環境が90〜200℃に到達したとき、より具体的には、紙面の接着剤部分に90〜200℃の物体が接触したとき、或いは、キッチンペーパー自体が90〜120℃の環境下に置かれたときに発泡性硬化物質が発泡することを意味する。但し、これは発泡性硬化物質自体の発泡温度に依存するので発泡性硬化物質が90〜200℃で発泡するものであれば十分に達成される。
さらに、本発明のキッチンペーパーX1のより望ましい発泡性硬化物質の発泡による紙厚の増加は、少なくとも2.5g/cm2の加重下で紙厚さが100μm増加することである。整理すれば、本発明におけるキッチンペーパーの最も好ましい例は、紙厚が700μm以上、好ましくは500μm以下で、2.5g/cm2の加重下で90〜200℃において発泡性硬化物質が発泡して、その紙厚が800μmを超えるものとなるものである。
ここで、2.5g/cm2の加重下における紙厚の増加は、具体的には、揚げ物を乗せた際を想定して、図3に示すようにキッチンペーパーを水平台Gの上に置き、その上に90〜200℃の75g(底面平坦かつ底面積30cm2)の錘10を載せ、60秒後に錘を取り外した際の紙厚の増加、又は、75g(底面平坦かつ底面積30cm2)の錘を載せ、そのまま恒温槽にて90〜200℃の環境下で60秒放置し、その後に恒温槽から取り出し、錘を取り外して測定したときの紙厚の増加、のいずれかを満たせばよいと定義できる。
<クレープ紙>
本発明のクレープ紙1,2は、既知のキッチンペーパーと同様に原料パルプを主成分とする抄紙原料を、ワイヤパート、プレスパート、ドライヤパート、クレープ加工パート等を経る公知のクレープ紙の抄紙技術により製造できる。
なお、本発明のクレープ紙はドライクレープ紙であっても、ウェットクレープ紙であってもよいが、好ましくドライクレープ法によるクレープ紙である。
クレープ紙1,2は、好ましくは、繊維原料が100%パルプ原料であり、その原料パルプ種としては、既知のクレープ紙製造に用いられるパルプ種が用いられる。また、原料パルプが、晒し、未晒しであるかは問わない。但し、晒しパルプと呼ばれる漂白パルプが望ましい。パルプ原料のなかでも、LBKP(広葉樹クラフトパルプ)、NBKP(針葉樹クラフトパルプ)を適宜の比率で配合したものが望ましい。LBKPとNBKPとを用いる場合には、その配合比率としては、LBKP:NBKPが0:100〜50:50であるのが望ましい。
また、本発明のクレープ紙1,2は、坪量が、10〜42g/m2であり、密度は2.5×104〜4.2×105g/m3であるのが望ましい。厚さは、100〜350μmの範囲にあるのが望ましい。なお、本発明及び明細書中における坪量及び目付量とは、JIS P 8113に基づいて測定した値を言う。また、密度は、坪量を厚さで除した数値である。クレープ紙の紙厚の測定方法も、上述のキッチンペーパーの測定方法と同様であり、JIS P 8111の条件下で、ダイヤルシックネスゲージ(厚み測定器)、例えば「PEACOCK G型」(尾崎製作所製)を用いて測定する。
坪量が10g/m2未満であると、キッチンペーパーとしての最低限の紙力や吸収量を保つことが困難となり、42g/m2を超えると硬くなり使用感が低下することとなる。また、密度が2.5×104g/m3を未満であると水、油の吸収速度及び吸収量が十分ではなくなり、4.2×105g/m3を超えると硬くなり、拭き取り性の悪化、トレー、皿、バット等に敷くときの取り扱い性も悪化する。
なお、本発明のキッチンペーパーX1では、クレープ紙1,2のクレープ率が13〜35%であるのがよい。なお、本発明におけるクレープ率とは、(((製紙時のドライヤーの周速)−(リール周速))/(製紙時のドライヤーの周速)×100)により算出することができる。
なお、本発明においては2枚のクレープ紙は同様の構成である必要はない。本発明の範囲で適宜異なる構成であってもよい。
<エンボス>
他方、クレープ紙1,2に対するエンボス加工は、一対のエンボスロール間に各クレープ原紙を通すことにより行う既知の方法を採用できる。一対のエンボスロールは、一方をゴムなどからなる弾性ロールとし、他方をエンボス付与凸部を有する金属ロールとするのが好ましい。弾性ロール及び金属ロールの組み合わせが好ましいのは、ロールのクリアランス調整の問題や、ロールに紙粉等が詰まるなどの不具合が生じないためである。
一方、エンボス付与するにあたっては、一対のエンボスロールが両方又は一方のエンボスロールを加熱した状態で行うことができる。エンボスロールが加熱されていると、エンボスがより鮮明・明瞭に付与されるようになる。
加熱されているエンボスロールは、弾性ロールであってもよいが、金属ロールである方が、好ましい。これは、金属ロールの方が、熱伝導率がよく効果的に加熱による効果が発揮されるということのほか、金属ロールが加熱されていると、エンボスの形状に対応した形で、クレープ原紙に熱が与えられることになり、付与されるエンボスが、より鮮明・明瞭になるためである。
この場合、加熱ロールの表面温度は、適宜の温度とすることができる。但し、加熱温度が高すぎると、エネルギーロスとなるほか、発泡インキを含む接着剤を付与したときに意図せず発泡インキが発泡するので、これについては留意する。また、加熱温度が高すぎると、クレープ原紙が焼き付くおそれや、製造されるクレープ紙が固くなるおそれがある。
ここで、エンボス加工は、前記一対のエンボスロール間のエンボス圧が、5〜30kg/cm、好ましくは10〜25kg/cm、より好ましくは15〜20kg/cmとなるように行う。エンボス圧が低すぎると、エンボスが鮮明になるとの効果が、十分に発揮されないおそれがある。他方、エンボス圧が高すぎると、クレープ原紙がちぎれてしまうおそれがある。
一対のエンボスロールを、弾性ロールと金属ロールとの組み合せとする場合、弾性ロールは、その表面のショア硬度(Shore hardness)が、40〜70であるのが好ましい。ショア硬度が低すぎると、つまり弾性ロール表面がやわらかすぎると、シート又はシート地が破断するおそれがある。他方、ショア硬度が高すぎると、つまり弾性ロール表面が硬すぎると、エンボスが入らなくなるおそれがある。
ここで、本形態のキッチンペーパーX1は、特に図2、3に示されるように、各クレープ紙1,2に付与されたエンボスE,Eの位置関係が、一方のクレープ紙1の一つのエンボス底部Ebに対して、他方のクレープ紙2のエンボス凸部Etが対面して臨む関係にある、いわゆるネステッド形式が望ましい。
一方のクレープ紙のエンボス凸部と他方のクレープ紙のエンボス凸部とが対面する所謂ティップトゥティップ形式であってもよいが、揚げ物を置いたときに、ティップトゥティップ形式よりもネステッド形式のほうが、接着剤付与部分と揚げ物との距離が近くなるため、揚げ物或いはそれから流出する油等の熱源との距離が近くなり、発泡性硬化物質の発泡性がより良好となる。
また、ネステッド形式であると、清拭時にも空隙に油分などが効果的に保持されるようになり、吸液した油等が迅速にシート間空間に移動されるという利点もある。
なお、本発明におけるエンボス凸部Etとは対面するクレープ紙からみて接近するように突出する凸部の頂面、前記エンボス底部Ebとは対面するクレープ紙からみて離間するように凹む凹部の底面のことである。
ここで、一つのエンボスの具体的形状やそれら一つのエンボスにより描かれるエンボス模様は、適宜の設計事項である。具体例としては、一つのエンボスとしては、正方形や円形のほか、菱形、楕円形、多角形などのドット形状とすることができ、エンボス模様としては、花柄、蔦柄、幾何学模様柄など適宜の模様とすることができる。
ここで、クレープ紙1,2における一つのエンボス凸部の平面視における面積は、上述の接着剤の付与の点を考慮すれば、0.1〜40mm2、より好ましくは0.25〜4.0mm2、特に好ましくは0.5〜2.0mm2である。一つのエンボス凸部Etの面積が小さすぎると、クレープ紙1,2相互の十分な接着強度を得ることができなくなる。他方、一つのエンボス凸部Etの面積が広すぎると、エンボスによる吸収空間の容積が小さくなるため、十分な吸収能力を得ることができなくなる。なお、エンボスの深さDは適宜の設計事項であるが、概ね0.5〜2.0mmとするのが望ましい。
また、本形態のキッチンペーパーX1では、キッチンペーパーの一方面積に対する単位エンボス凸部の面積の総和は、接着剤付与部分との関係から5〜30%とするのが望ましい。5%未満であるとエンボスによる効果が小さくなるとともにクレープ紙1,2の接着が不十分となり、30%を超えると食材の設置面積が小さくなり、吸収効果が小さくなる。
ここで、各クレープ紙1,2の接着は、エンボス付与した後又はエンボス付与するとともに両クレープ紙1,2を接着剤により貼り合せる既知の方法を採ることができる。
<接着剤>
クレープ紙1,2を接着する接着剤3は発泡性硬化物質を未発泡の状態で含有する。発泡性硬化物質以外の接着剤の主体は、既知の接着基材を用いることができ、具体例としては、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、酢酸ビニル−エチレン共重合樹脂、ウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂などが挙げられる。
クレープ紙に対する接着剤の付与は、既知のパターン印刷技術、パターン塗布技術が利用でき、具体的には、グラビア印刷、フレキソ印刷等によって付与できる。
<発泡性硬化物質>
発泡性硬化物質は、既知の発泡インキ等に用いられているものが利用できる。なお、予め調製された発泡インキそのものを接着基材に混合して含有させてもよいし、接着基材を用いずに、発泡インキ中のバインダー成分を接着基材として機能させ、発泡インキそのものを発泡性硬化物質を含む接着剤として使用してもよい。
発泡性硬化物質は、具体的には、熱によって膨張する特性を有する芯物質を熱可塑性高分子材料の被膜あるいは殻に内包させたマイクロカプセルが例示できる。マイクロカプセルの粒子径等は、マイクロカプセルの発泡性、用いる印刷機等により適宜選択することができ、特に限定されないが、概ね10〜50μmの粒径である。
この種の発泡性硬化物質は、適当な温度となると芯物質が膨張するとともに被膜又は殻が拡張することで膨張状態が維持される。なお、本発明では、この膨張状態、すなわち硬化状態が少なくとも1時間程度維持されればよい。好適には硬化した状態が永久的に維持されるものである。なお、本発明における硬化とは弾性、剛性、剛弾性の状態を含む意味である。
ここで、本発明の発泡性硬化物質は、90〜120℃において発泡するものが望ましい。これは、上述のとおり、揚げ物の揚げるときの一般的な油の温度は180℃前後であり、この温度の油から揚げ物を取り出した場合に、揚げ物の温度が100〜120℃程度に低下するため、揚げ物の過剰油分の吸収用途において特に適するからである。
なお、マイクロカプセルの被膜あるいは殻を形成する熱可塑性高分子材料の具体例としては、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル等のアクリル系樹脂、塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリブタジエン、ウレタン系樹脂、スチレン系樹脂などから選ばれる熱可塑性高分子材料、あるいはこれらを混合した熱可塑性高分子材料などが挙げられ、また、熱によって膨張硬化する特性を有する芯物質の具体例としては、ブタンやイソブタン等の炭化水素系化合物、その他の有機溶剤や重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、アジド化合物、ヒドラジド化合物等の炭酸ガス、窒素ガス等の分解ガスを発生する有機物質、無機物質が挙げられる。
より具体的な発泡性硬化物質を例示すれば、Expancel社製 のExpancelシリーズ、松本油脂製薬株式会社製のマイクロスフェアー等が例示できる。
なお、発泡性硬化物質の配合割合は、発泡性硬化物質の発泡性、接着基材の接着性を考慮して適宜調整できる。概ね接着剤基材20〜60重量部に対して3〜20重量部である。
<親油性油剤
他方、キッチンペーパーX1は、吸油速度の向上のため、クレープ紙1,2に親油性油剤が担持せしめられているのが望ましい。2枚の各クレープ紙1,2の何れに担持させるか、またいずれの面に親油性油剤を担持されるかは限定されない。2枚の双方に担持させてもよいし、1枚のみに担持させてもよい。また、各クレープ紙1,2の一方面のみに担持させてもよいし、双方の面に担持させてもよい。ただし、好適には、2枚のクレープ紙1,2の対向面に塗布などによって部分的にあるいは全面的に担持させるのがよい。油がクレープ紙に移行しやすく、また一旦吸収された油分が保持されやすくなるとともに、空隙内に油が保持されやすくなる。
親油性油剤の具体例としては、炭化水素、流動パラフィン、トリグリセリド、脂肪酸アマイド、アクリル酸エステル共重合体、ショ糖エステル、イソステアリン酸エステルが挙げられる。なかでも流動パラフィン、トリグリセリドが適する。流動パラフィンは、酸化安定性の点で優れ、特に好適に用いられる。また、トリグリセリドのなかでも炭素数6〜12の飽和脂肪酸からなるもの、特には中鎖脂肪酸が特に好適である。飽和であることで酸化安定性に優れ、炭素数が6〜12とすることで適度な分子量でシート地への浸透性が良好となる。また、単純な直鎖脂肪酸よりトリグリセリドの形態のほうが油の拡散・浸透性を高める効果に優れる。
親油性油剤の含有量は、クレープ紙1,2枚あたりその重量の1〜20重量%が好適である。1重量%未満では十分な効果が発現されないことがあり、20重量%を超えると親和性が良好となり、クレープ紙1,2の表裏面で油がとどまり、2枚のクレープ紙間の空隙への油の移動が遅くなることがある。
親油性油剤をクレープ紙1,2に担持せしめる方法は、内添、外添のいずれの方法によってもよい。例えば、内添するのであれば、原料パルプ、又は原料パルプスラリーに親油性油剤を添加したものを抄紙する方法を採ることができ、外添するのであれば、クレープ紙原紙の形成後に、親油性油剤を、散布、塗布、塗工する方法を採ることができる。散布する場合には、クレープ紙原紙に対して薬剤を散布する既知のスプレー装置を用いることができ、塗工するのであれば、既知の塗工機又は印刷機を用いることができる。
<ロール形態>
次いで、ロール形態の本発明のキッチンペーパーについて図4を参照しながら説明する(なお、図4中において接着剤付与部分及びエンボスは省略する)。
本発明のキッチンペーパーは、帯状の2枚のクレープ紙1,2を上記接着剤により積層一体化し、これをクレープ紙1,2の短手方向の紙幅と実質的に同幅の管芯5に巻くなどしてロール形態であるのが望ましい(以下、帯状の2枚のクレープ紙1,2を接着剤により積層一体化した状態のキッチンペーパーは単にシート12という)。
管芯5は、この種のキッチンペーパーに用いられている既知のものが利用できる。一般例を示せば、その外径(巻き直径)L4は30〜50mm、幅Hは100〜250mm程度である。
シート12の巻長さは8.8〜30mとすることができ、上記管芯5を用いた場合には、キッチンペーパーX2の外径は90〜130mmとなる。これは、市販のキッチンペーパーよりも長い。
他方、特に図4に示すように、本形態のシート12は、シート長手方向の所定間隔L5おきにシート幅方向に亘るミシン目線6を設けるのが望ましい。このミシン目線6,6…によって、シート12が切断し易くなる。所定間隔L5は、48〜250mm程度とするのがよい。48mm未満であると、実使用には小さすぎることとなり、250mmを超えると食器などと比べて大きくなることから使い勝手が゛悪くなる。
前記ミシン目線6は、既知のパーフォレーションロール(ミシン刃ロール)設備によって形成することができる。すなわち、管芯5に巻き取る前段において、シート12の幅より幅広のロール上に、多数の刃を幅方向に沿って配設して刃列を形成し、この刃列を所定間隔L5と同じピッチでロールの円周方向に複数設けたパーフォレーションロールを回転させつつ、走行するシート12に当接させることにより、シート12の幅方向に亘るミシン目線6を、長手方向の所定間隔L5おきに形成することができる。
なお、本形態のキッチンペーパーX2は、図示例の如くミシン目線6が二重線以上であるのが好適である。複数重のミシン目線を形成するにあたっては、複数重の適宜の刃列のパーフォレーションロールを備えるパーフォレーションロール設備により形成すればよい。なお、この場合のミシン目線6は、シート幅方向全体にわたって二重に形成されている必要はなく、例えば、シート12の幅方向側部のみが二重に形成されていてもよい。
さらに、ミシン目線6を二重とする場合において、特開2003−276936号公報などを参考に、例えば、カット部分を千鳥状としたり、あるいは一方のミシン目線のカット部分の端部とこのカット部分の端部に最も近接した他方のミシン目線のカット部分の端部とを結ぶ直線に対する、ミシン目線のなす角を直角又は鋭角としたりして、切断の容易化などを図ることもできる。
ここで、本形態のキッチンペーパーX2は、好適にはミシン目線6におけるシート長手方向の引張り強さが100〜500cNであるのがよい。ミシン目線6におけるシート長手方向の引張り強さが100cN以上であると、シート巻出し時におけるミシン目線6での不本意な分断が確実に防止される。他方、ミシン目線6におけるシート長手方向の引張り強さが500cN以下であると、切断したい所望のミシン目線6にて確実かつ容易にシート12を切断することができる。
ここで「引張り強さ」とは、JIS P 8113に規定される引張り特性試験方法に準拠して測定される乾燥時引張り強さを意味する。シート12自体、つまりミシン目線6のないシート12の引張り強さではなく、ミシン目線6のあるシート12を対象とし、ミシン目線6を跨いで測定した引張り強度を意味する。
このミシン目線6における長手方向の引張り強さの調節は、ミシン目線6における接続部であるタイ長さと、同分断部であるカット長さとを調節することにより、あるいはこのタイ長さとカット長さとの比であるタイカット比を調節することにより、行うことができる。より具体的には、所望のタイカット長さ及びタイカット比の刃列を具備するパーフォレーションロールに交換することにより調節することができる。また、この引張り強さの調節は、パーフォレーションロールのシート12への押付け線圧(シート単位幅当たりのシート12への押付け力(kgf/cm))の調節や、ワインダー速度(シート12の巻取り速度)の調節によっても調節することができる。
他方、本形態のキッチンペーパーX2は、シート12自体のシート長手方向の引張り強さに対する、ミシン目線6におけるシート長手方向の引張り強さの比率が、1.0〜50%(好ましくは2.0〜10%)であると好適である。引張り強さの比率が50%以下であると、ミシン目線6のないシート部分の引張り強さが相対的に高くなるので、シート12の切断時に、ミシン目線6以外のシート部分で、シート12が分断されてしまうことが抑制され、ミシン目線6にて確実に切断することができる。他方、引張り強さの比率が1.0%以上であると、相対的にミシン目線6の引張り強さが高くなるので、ミシン目線6の間隔を短くしたことにより、ミシン目線6が増えたとしても、シート巻出し時におけるミシン目線6での不本意な分断を確実に防ぐことができる。
ここでシート12自体の長手方向の引張り強さも、前述JIS P 8113に規定される引張り特性試験方法に準拠して測定されるものである。もちろんミシン目線6のないシート部分の乾燥時引張り強さである。
なお、ミシン目線6におけるシート長手方向の引張り強さを10〜200cNに設定し、引張り強さの比率を、1.0〜50%に設定するためには、ミシン目線6のタイ長さを0.9〜2.5mmに、カット長さを0.9〜37.5mmにするとともに、タイカット比(タイ:カット)を1:15〜1:1に設定すればよい。
<試験例>
次いで、本発明のキッチンペーパーにかかる特に好ましい形態に関する試験例を以下に示す。
まず、下記表1にロール形態のキッチンペーパーにおける紙厚と発泡性と吸油量に関する試験の結果を表1及び表2に示す。なお、表1はネステッド形式のエンボスを付与した試料、表2はティップトゥティップ形式のエンボスを付与した例である。なお、一般的に市販されているエンボス付与のキッチンペーパー(クレープ紙2枚接着)の紙厚は約700μmである。ここで、発泡後の紙厚増加の調整(50μm、100μm、300μm、500μm)は、接着剤中の発泡性硬化物質濃度及び、エンボス凸部への盛り量の調整により行った。
この試験で用いた試料の坪量は、21g/m2及び、28g/m2のものを用いた。また、親油性油剤を塗布した場合、油の拡散速度が速くなるが、巻き長さや紙厚、絶対吸油量には影響を与えないため、本試験例では親油性油剤の塗布は行っていない。
なお、吸油量は、100mm四方に裁断した乾燥試料の重量を測定した後、当該試料をサラダ油(日清オイリオグループ株式会社製)の中に15秒間浸漬させ、その後に引き上げて25秒後の重量を測定し、その測定値から前記乾燥試料の重量を差し引いた値とした。
Figure 0005351690
Figure 0005351690
表1、表2より50μmの発泡では吸液量の向上は少ないが、100μm以上発泡することとすると吸液量が格段に向上する。また、キッチンペーパー(クレープ紙2枚接着)の紙厚が720μmの市販品(従来製品)における吸油量は、680g/m2である。このことから、発泡前の紙厚を市販品と同程度の700μm以上のものとして輸送性、取り扱い性については従来品と同様としつつ、100μm以上発泡するものとするのが望ましいといえる。
次に本発明のキッチンペーパーにおける接着面積率と吸液性の関係を下記表3に示す。なお、この試験で用いた試料は、発泡前の紙厚が2枚で720μmであり、発泡性硬化物質により100μm紙厚を増加するものとした。また、クレープ紙は、表3にも示されるとおり、21g/m2、28g/m2のものを用いた。吸油量の試験は上述の紙厚と発泡性に関する試験と同様である。また、エンボスはネステッド形式とした。
Figure 0005351690
表3より、本発明のキッチンペーパーでは、発泡前においては接着面積率の差にともなう吸油量の差は小さいが、発泡後においては、接着面積率が3〜35%、特に5〜15%において顕著に吸油量について良好となる傾向がある。従って、本発明における好適な接着面積率は3〜35%、特に好適な接着面積率は5〜15%といえる。
次に、本発明のキッチンペーパーにおける米坪、密度、クレープ紙の紙厚との関係ついての試験結果を下記表4に示す。なお、ここで用いたクレープ紙は、キッチンペーパーとした後、接着された各クレープ紙を強制的に剥離して得たものである。従って、クレープ紙には接着剤が塗布されている。
また、表中の吸収速度は、紙面に1ccの油を滴下した後、その光沢が消滅するまでの時間である。消滅したか否かは目視により判断した。評価としては60秒以下であると好ましいといえる。
破れやすさは、20名の被験者に、試料を用いて実際に拭き取り用途に使用してもらい、その際に破れやすいと感じたか否かで判断した。評価は、10名以上が破れそうであると感じたものを△とした。
Figure 0005351690
坪量が10g/m2、17g/m2のものは、使用時に破れそうであるという被験者が多く、密度が2.17×105g/m3、2.67×105g/m3のものは吸液速度が遅くなる傾向にある。従って、本発明のキッチンペーパーにおける坪量は好ましくは、21〜32g/m2であり、密度は好ましくは、0.83×105〜1.94×105g/m3である。表4から、本発明のキッチンペーパーにおける特に好適な坪量及び密度は、これら双方を満たす、坪量が21〜32g/m2であり、かつ、密度が1.22×105〜1.94×105g/m3である。
1…、2…クレープ紙、3…接着剤付与部分(接着剤)、4…空隙、5…管芯、6…ミシン目線、10…錘(食材等)12…シート、E…エンボス、Et…エンボス凸部、Eb…エンボス底部、L1…接着剤付与部分間の距離、L2…発泡性硬化物質未発泡状態の紙厚、L3…発泡性硬化物質発泡状態の紙厚、L4…外径(巻き直径)、L5…ミシン目線間隔、G…水平台、X1,X2…キッチンペーパー。

Claims (7)

  1. 2枚のクレープ紙の少なくとも一方がエンボスを有し、それらクレープ紙がエンボス凸部に付与された接着剤を介して積層一体化され、かつ、その接着剤中に、熱によって発泡して膨張し膨張後に硬化する発泡性硬化物質を未発泡の状態で含有することを特徴とするキッチンペーパー。
  2. 前記発泡性硬化物質は90〜200℃において発泡し、その発泡により紙厚が発泡前と比較して100μm以上増加する請求項1記載のキッチンペーパー。
  3. キッチンペーパー全体としての紙厚が700μm以上であり、各クレープ紙の坪量が10〜42g/m2、密度は2.5×104〜4.2×105g/m3である請求項1又は2記載のキッチンペーパー。
  4. 一つの接着剤付与部分の面積が1.0〜4.0mm2であり、かつ、それら接着剤付与部分間の距離が1.0〜5.0mmである請求項1〜3の何れか1項に記載のキッチンペーパー。
  5. 一方紙面に対する接着剤付与部分の総面積の割合が5〜30%である請求項1〜4の何れか1項に記載のキッチンペーパー。
  6. 2枚の各クレープ紙の何れかの面に、炭化水素、流動パラフィン、トリグリセリド、脂肪酸アマイド、アクリル酸エステル共重合体、ショ糖エステル、イソステアリン酸エステルのいずれかである親油性油剤が、クレープ紙2枚あたり1〜20重量%担持されている請求項1〜5の何れか1項に記載のキッチンペーパー。
  7. 前記クレープ紙が帯状であり、かつ、長手方向に所定間隔で幅方向にわたる切り取り用ミシン目線が配された帯状の前記クレープ紙がロール状に巻かれている請求項1〜6の何れか1項に記載のキッチンペーパー。
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