JP4714290B2 - キッチンペーパー - Google Patents

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本発明は、キッチンペーパーに関し、特に、油分の吸収性に優れるキッチンペーパーに関する。
台所、調理場等においては、紙や不織布等からなる、いわゆるキッチンペーパーが広く使用されている。キッチンペーパーの用途は、食品の包装、煮物の落とし蓋、鮮魚等のドリップ吸収材、水きり、油漉し、揚げ物の過剰油分の吸収用途、台所周りの拭き掃除など多岐に渡るが、液吸収性は求められる重要な機能であり、従って、キッチンペーパーは、一般的に、エンボス加工を施したクレープ紙や不織布等のシートを適宜枚数積層して形成され、シート繊維間の空隙による毛管現象を主たる吸液機構として各シートのエンボス間の空隙に水分、油分等を取り込み保持するように構成される。
特開2001−146665号公報 特開2005−132710号公報
しかし、従来製品は粘度の低い水の吸収速度については十分な場合が多いが、水と比較して粘度が高い油の吸収速度については、十分ではない場合が少なくない。例えば、揚げ物を行う際に、余分な油を吸収すべく、揚げ物の取り上げるパッド等にキッチンペーパーを敷くことがあるが、そのさい吸油速度が足らず、揚げ物からの油がシート上に溜まることが多々見られる。
そこで、本発明の主たる課題は、シート面での油の拡散性に優れ、シートの広範囲で油分を保持でき、もって油吸収量が多く、しかも、油がシート間空隙に迅速に移動される、キッチンペーパーを提供することにある。
上記課題を解決した本発明及び作用効果は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
複数のシートを積層してなるキッチンペーパーであって、
表裏面を構成するシートがパルプを原料とする薄用紙或いはクレープ紙であり、
表面を構成するシートは、エンボス加工されているとともに、坪量が20〜40g/m2、シート密度が0.01g/cm3以上0.14g/cm3未満、縦方向の乾燥引張強度が2500cN以下、横方向の乾燥引張強さが700cN以下であり、
裏面を構成するシートは、坪量が20〜50g/m2、シート密度が0.14g/cm3以上0.50g/cm3以下である、
ことを特徴とするキッチンペーパー。
<請求項2記載の発明>
表裏面を構成するシートにエンボス加工がされ、各シートに施されたエンボスの天部同士が接着されている、請求項1記載のキッチンペーパー。
<請求項3記載の発明>
表裏面を構成するシートにエンボス加工がされ、各シートに施されたエンボスの天部と底部とが接着されている、請求項1記載のキッチンペーパー。
<請求項4記載の発明>
表面シートと裏面シートとの接着面積率が、3〜20%である請求項1〜3の何れか1項に記載のキッチンペーパー。
本発明は、表面を構成するシートをエンボス加工し、さらに坪量を20〜40g/m2、シート密度を0.01g/cm3以上0.14g/cm3未満とし、裏面を構成するシートの坪量を20〜50g/m2、シート密度を0.14g/cm3以上0.50g/cm3以下でとしたことで、吸油量の向上と、油のシート間空隙への迅速な移動と、当該空隙での油の保持性とが高まる。また、裏面を構成するシートよりもシート密度が低く構成されていることで、表面シート側での良好な吸油性能を確保しつつ、油の裏抜け防止性が高められる。
また、本発明は、縦方向の乾燥引張強度が2500cN以下、横方向の乾燥引張強さが700cN以下とすることで、確実な空隙への油の移動性と油及び水の保持性が向上される。
さらに、表裏面を構成するシートをパルプ原料としたため、低コストで製造できる。
表裏面を構成するシートにエンボス加工を行い、さらに各シートのエンボス同士の関係を、各シートに施されたエンボスの天部同士を接着する、いわゆる「Tip to Tip」の形式又は各シートに施されたエンボスの天部と底部とを接着する、いわゆる「Nested」の形式とすると、シート間に確実に空隙が形成され、油の保持性が一層良好になる。
表面シートと裏面シートとを接着するにあたっては、その接着面積率は、3〜20%であると、シート同士を確実な接着でき、また接着部による液体の吸収性阻害の影響も小さいので望ましい。また、接着剤による硬質化の影響が小さくエンボス加工による柔らかさが十分に確保でき、また、接着部による油吸収性の阻害の影響も小さい。
以上のとおり本発明によれば、シート面での油の拡散性に優れ、シートの広範囲で油分を保持でき、もって油吸収量が多く、しかも、油がシート間空隙に迅速に移動される、キッチンペーパーが提供される。
本発明のキッチンペーパーの断面拡大図である。
次いで、本発明の実施の形態を図面を参照しながら以下に詳述する。図1は、本形態のキッチンペーパーX1の断面拡大図である。
本形態のキッチンペーパーX1は、複数のシート1,2を積層してなり、表裏面を構成するシートがパルプを原料とするシートであり、ともにエンボスが付与されている。なお、図示の本形態X1では、表面シート1と裏面シート2のみの二層構造を採っているが、本発明においては、表裏面シートの間に適当数の中間層を介在させることもできる。また、裏面を構成するシートは必ずしもエンボス加工されている必要はない。
このキッチンペーパーの各構成素材は、限定されないが揚げ物などの過剰油分の吸収、高温の油の油こし等への利用を考慮して、200℃程度の高温の油分と接触しても、溶融・変性・変質することのない素材とするのが望ましい。
前記表裏面を構成するシート1,2は、パルプを原料とするクレープ紙のシートである。もちろん、シートの設計は本願発明の構成に基づくものにする。
なお、表裏面シート1,2は同素材とする必要はなく、適宜、必要に応じて異なるシート種を組み合わせた構成も採り得る。
キッチンペーパーX1全体としての坪量は、柔軟性及び強度の点から30g/m2以上120g/m2以下であることが好ましい。更に好ましくは50g/m2以上100g/m2以下である。坪量が小さすぎると、強度不足となるとともにエンボスの効果が発現し難く、液保持性が低下する。他方、坪量が大きすぎると柔軟性が低下する。
本形態のキッチンペーパーX1は、表面シートの坪量、裏面を構成するシートとのシート密度の関係において特徴的である。まず、表面シート1の坪量(目付け)は、キッチンペーパーの一層としては比較的高い坪量を有する。具体的には、20g/m2以上40g/m2以下である。坪量が小さすぎると、エンボスe,e…を鮮明・明瞭に付与したとしても崩れやすくなり、液保持性が低下する。他方、坪量が大きすぎると柔軟性が低下したり、折り曲げたりする時に剛度が大きく取り扱いにくくなる。
次に、表面シートのシート密度は、裏面を構成するシートのシート密度よりも低く構成される。これにより表面シート表面から油を迅速に受け入れてシート間の空隙内に移動されるとともに、移動された油が空隙内に保持されるようになる。
そして、具体的な表面シートのシート密度については、キッチンペーパー一層としては比較的低い0.14g/cm3未満である。シート密度が0.14g/cm3を超える高いと油の拡散性が得られず、吸収速度が低下する。なお、シート密度の下限値は、強度を考慮して0.01g/cm3以上とする。
上記表面シートの坪量、シート密度の構成を採ることで、これまでにない油の吸収速度と、油保持性を有するキッチンペーパーが得られる。
ここで、特には、表面シートは、乾燥引張強さがキッチンペーパーの一層としては比較的高い引張り強さとするのがよく、具体的には、縦方向の乾燥引張強度が2500cN以下、横方向の乾燥引張強さが700cN以下とする。乾燥引張強度が過度に高いと柔軟性が低下する。また、過度に低いとエンボスの形状保持性が低下し、例えば、吸油時にエンボスが崩れるおそれが高まる。かかる引張強さとすることで、確実な空隙への油の移動性と油及び水の保持性が向上される。なお、本発明の乾燥引張り強さは、JIS P 8113に基づくものである。
一方、裏面シートは、坪量については20g/m2以上50g/m2以下とする。
裏面シートのシート密度については、表面シートよりも高く、すなわち0.14g/cm3以上である。なお、シート密度の上限値は、柔らかさ等を考慮して0.50g/cm3以下とする。
かかる裏面シートの坪量及びシート密度とすることで、前記表面シートとの関係により、裏抜け防止性が効果的に発現する。また、エンボスe,e…を鮮明・明瞭に付与でき、また崩れ難いものとなる。
また、各シートの紙厚は、表面シートについては200μm以上300μm未満程度、裏面シートについては、100μm以上200μm未満とするのがよい。
他方、各シートの原料パルプは、例えば、木材パルプ、非木材パルプ、合成パルプ、古紙パルプ、などから、より具体的には、砕木パルプ(GP)、ストーングランドパルプ(SGP)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、加圧式砕木パルプ(PGW)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ブリーチドケミサーモメカニカルパルプ(BCTMP)等の機械パルプ(MP)、化学的機械パルプ(CGP)、半化学的パルプ(SCP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)等のクラフトパルプ(KP)、ソーダパルプ(AP)、サルファイトパルプ(SP)、溶解パルプ(DP)等の化学的パルプ(CP)、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、ポリビニルアルコール(PVA)等を原料とする合成パルプ、かすパルプ(TP)、木綿、アマ、麻、黄麻、マニラ麻、ラミー等を原料とするぼろパルプ、わらパルプ、エスパルトパルプ、バガスパルプ、竹パルプ、ケナフパルプ等の茎稈パルプ、靭皮パルプ等の補助パルプなどから、一種又は数種を適宜選択して使用することができる。
これらの原料パルプを、例えば、公知の抄紙技術に基づき、具体的には、ワイヤパート、プレスパート、ドライヤパート、クレープ加工パート、サイズプレス、カレンダパート等を経るなどして、エンボス付与前のシートとする。
抄紙に際しては、例えば、分散剤、苛性ソーダ、アンモニア水等のpH調整剤、消泡剤、防腐剤、蛍光染料、離型剤、耐水化剤、流動変性剤、歩留まり向上剤などの適宜の薬品を添加することができる。
ここで、上述の特徴的な表面シートを製造するにあたっては、原料パルプスラリーのフリーネス(CSF)600cc以上に調整し、さらに柔軟剤を添加した抄紙原料を用いれば達成することが可能である。このフリーネスの値は、一般的なキッチンペーパー用シートの抄紙原料と比較して極めて低叩解度である。かかるフリーネスとすると、表面シートを上記示した坪量、シート密度、乾燥引張強さに設計することが可能である。また、前記柔軟剤としては、既知の界面活性剤などの柔軟剤を用い得るが、特にカチオン性界面活性剤、なかでも脂肪酸エステル、脂肪酸アミドが適する。
他方、表面層を構成するシートには、炭素数6〜12かつ飽和のトリグリセリドが塗布又は含浸するのが望ましい。これにより表面シート1に一層の油の拡散性・吸収速度の向上効果が付与される。トリグリセリドを不織布シートに含有せしめる方法は、シートに薬剤を内添、外添する既知の方法を用いることができる。例えば、内添するのであれば、原料パルプ、又は原料パルプスラリーにトリグリセリドを添加したものを抄紙する方法を採ることができる。外添であれば、シートの形成後に、トリグリセリドを、散布、塗布、塗工する方法を採ることができる。散布するのであれば、シートに対して薬剤を散布する既知のスプレー装置を用いることができ、塗工するのであれば、既知の塗工機又は印刷機を用いることができる。
各シート1,2の積層接着方法は、特に限定されないが、好適にはシートにエンボス付与した後又はエンボス付与するとともに、対面するシートにこれを積層しつつ接着剤で貼り合せる方法を採ることができる。シート間の接着に用いるは、例えば、PVA(ポリビニールアルコール)、CMC(カルボキシルメチルセルロース)、デンプン等が好適である。
ここで、表面シートと裏面シートとの接着面積率は、すなわちシート面積(片面)に対する接着部分の面積の割合は3〜20%の範囲とするのがよい。この範囲であれば、接着剤による硬質化の影響が小さくエンボス加工による柔らかさが十分に確保でき、また、接着部による油吸収性の阻害の影響も小さい。
接着剤3の塗布方法は、散布、塗布、塗工する方法を採ることができる。散布するのであれば、シートに対して薬剤を散布する既知のスプレー装置を用いることができ、塗工するのであれば、既知の塗工機又は印刷機を用いることができる。
ここで、本形態においては、両シートのエンボスの関係は、図及び先の説明から明らかなように、表裏面シート1,2のエンボスe,e…の天部t,t…同士が対面する所謂「Tip to Tip」の形態を採っているが、これに限らず、表面シートのエンボスの天部と裏面シートの底部とが接着される所謂「Nested」の形態を採ることも可能である。特に空隙が大きく油保持性が高い点で「Tip to Tip」の形態が優れ、油の拡散性の点では「Nested」の形態が優れる。なお、天部tとは対面するシートからみて接近するように突出する凸部の頂面、底部とは対面するシートからみて離間するように凹む凹部の底面である。
シートに対して行うエンボス加工は、例えば、一対のエンボスロール間に被エンボス加工シートを通すことにより行うことができる。一対のエンボスロールは、両方とも金属ロールとすることもできるが、一方をゴムなどからなる弾性ロールとし、他方をエンボス付与凸部を有する金属ロールとするのが好まし。弾性ロール及び金属ロールの組み合わせが好ましいのは、ロールのクリアランス調整の問題や、ロールに紙粉等が詰まるなどの不具合が生じないためである。
一方、エンボス付与するにあたっては、一対のエンボスロールが両方又は一方のエンボスロールを加熱した状態で行うことができる。エンボスロールが加熱されていると、エンボスがより鮮明・明瞭に付与されるようになる。
加熱されているエンボスロールは、弾性ロールであってもよいが、金属ロールである方が、好ましい。これは、金属ロールの方が、熱伝導率がよく効果的に加熱による効果が発揮されるということのほか、金属ロールが加熱されていると、エンボスの形状に対応したかたちで、シートに熱が与えられることになり、付与されるエンボスが、より鮮明・明瞭になるためである。
この場合、加熱ロールの表面温度は、一対のエンボスロールが、両方とも金属ロールであるか、弾性ロールと金属ロールとの組み合わせであるか、弾性ロール及び金属ロールのいずれが加熱されているか、などに関わらず、40〜140℃、好ましくは60〜120℃、より好ましくは80〜100℃とされる。加熱温度が低すぎると、エンボスが鮮明になるとの効果が、十分に発揮されないおそれがある。他方、加熱温度が高すぎると、エネルギーロスとなるほか、シートが焼き付くおそれや、製造されるシートが固くなるおそれがある。
エンボスの付与は、一対のエンボスロール間のエンボス圧が、5〜30kg/cm、好ましくは10〜25kg/cm、より好ましくは15〜20kg/cmとなるように行う。エンボス圧が低すぎると、エンボスが鮮明になるとの効果が、十分に発揮されないおそれがある。他方、エンボス圧が高すぎると、被加工原紙がちぎれてしまうおそれがある。
一対のエンボスロールを、弾性ロールと金属ロールとの組み合せとする場合、弾性ロールは、その表面のショア硬度(Shore hardness)が、40〜70であるのが好ましい。ショア硬度が低すぎると、つまり弾性ロール表面がやわらかすぎると、シート又はシート地が破断するおそれがある。他方、ショア硬度が高すぎると、つまり弾性ロール表面が硬すぎると、エンボスが入らなくなるおそれがある。
他方、エンボスの具体的形状は、適宜の設計事項である。図示の本形態のエンボスは、天部の形状を正方形とし、隣接する天部間の凹部の形状が台形型のエンボスとしている。天部の形状は、正方形のほか、菱形、円形、楕円形、多角形などでもよい。
また、天部は、各シートを接着剤により接着するのであれば平坦とするのが好ましい。天部の面積は、0.1〜40mm2、より好ましくは0.25〜4.0mm2、特に好ましくは0.5〜2.0mm2である。天部の面積が狭すぎる、シート相互の十分な接着強度を得ることができなくなる。他方、天部の面積が広すぎると、エンボスによる吸収空間の容積が小さくなるため、十分な吸収能力を得ることができなくなる。
エンボスe,e…の深さDも適宜の設計事項であるが、概ね1.0mm以上、好適には1.3mm以上とするのがよい。
多数のエンボスe,e…により形成されるエンボスパターンもまた適宜の設計事項であり、審美性、機能性を考慮して従来既知のエンボスパターンを適宜採用できる。
以上説明の形態X1では、表裏面シート1,2のみの二層構造であるが、三層以上の多層構造とすることができ、この場合、表裏面を構成するシート間に中間層としてパルプ層を設けるのが好適である。パルプ層はパルプシートを表裏面シートの間に介在させることで形成できる。パルプ層が設けられていると、液保持性が高まる。パルプ層を設ける場合、それを構成するパルプは限定されないが、填料を含まない純パルプとするのが望ましく、特に、LBKPよりもNBKPを多く含むものを用いるのが望ましい。すなわち、NBKP:LBKPの割合を50:50〜100:0にする。好適には、70:30〜100:0とする。LBKPよりもNBKPのほうが、繊維太さが太い傾向にあるため、NBKPが多いほうが嵩高となる。そして、表裏面シートに付着した水分や油分の吸収速度が早くなるとともに、保持量も多くなる。特に、前記LBKPの繊維長を0.8〜1.8mm、繊維太さを1.0〜2.0dtexとし、かつ、前記NBKPの繊維長を2.5〜4.5mm、繊維太さを3.0〜4.0dtexとしたパルプを用いるのが好適である。NBKPの繊維長を2.5〜4.5mmとすし、繊維太さを3.0〜4.0dtexとすると嵩高となるとともに吸水速度および吸油速度がより向上する。また、LBKPの繊維長を0.8〜1.8mm、繊維太さを1.0〜2.0dtexとすると、NBKP繊維と適度に交絡するとともにNBKP繊維の間隙を埋めるように配置され、柔らかさが良好なものとなるとともに水分、油分の保持力がより良好となる。
以上詳述の本発明のキッチンペーパーは、表面シート面で油が十分にかつ迅速に拡散されるとともにシート間空隙に迅速に移動され、さらに裏面シートによる裏抜け防止性によって空隙間に油が効果的に保持され、極めて油吸収性能に優れるものとなる。
本願発明の実施例、従来例(従来製品)、比較例について、油吸収量、油裏抜け量、吸油速度、及び吸水量について試験した。
油吸収量は、まず、未使用乾燥状態のキッチンペーパーの重量を測定したのち、そのキッチンペーパーをバット上に敷き、その敷いたキッチンペーパー上に170℃のサラダ油(日清オイリオグループ株式会社製)で5分間揚げた揚げ物(市販冷凍コロッケ;イオン株式会社販売「TOPVALU 男爵コロッケ」)を取り上げて1分間載置した。その後に揚げ物を取り除きキッチンペーパーの重量を測定し、この測定値から先の未使用乾燥状態の重量を引いた値を油吸収量とした。なお、各例は表面シートが上側になるようにバット上に敷き、揚げ物は表面シート上に取り上げた。
油の裏抜け量は、キッチンペーパーを載置する前のバットの重量を測定しておき、油吸収量の試験で揚げ物及びキッチンペーパーを取り除いた後、再度そのバットの重量を測定した。このバット重量から先のキッチンペーパー載置前のバット重量を引いた値を油裏抜け量とした。
吸油速度は、キッチンペーパーの表面シート側面に、1ccのサラダ油(日清オイリオグループ株式会社製)を滴下し、そのときの目視観察に基づいて3段階で評価した。評価基準は、滴下した油による光沢感(てかり)がシート面から消失した視識できるまでの時間が、1分以上のものを1(悪い)、30秒〜1分のものを2(普通)、30秒未満のものを3(良い)と評価した。
吸水量は、100mm四方に裁断した乾燥状態の紙試料の重量を測定したのち紙試料を純水中に十分に浸漬させ、次いで、純水中から引き上げて30秒後の重量を測定し、その測定値から乾燥状態時の重量を引いた値を吸水量とした。
なお、各例にかかるキッチンペーパーは比較例3を除き、すべて表裏シートを接着剤で貼り合わせた二層構造とした。実施例、従来例における接着剤はPVAである。また、シート地は比較例3を除き表裏ともに薄葉紙とし、エンボス形状はすべての例で方形とした。
トリグリセリドは炭素数8〜10の中鎖脂肪酸を用い、米量はJIS P 8124に基づき、乾燥引張強さは、JIS P 8113に基づいて測定した。
その他、各例のキッチンペーパーの構成及び試験結果は表1に示すとおりである。
Figure 0004714290
表1の結果からも明らかであるように、本発明の実施例は、比較例、従来例と比較して、吸油量が多いことが認められる。
また、油の裏抜け量については、従来例、比較例と比較して極めて少ない結果となっている。このことから、本実施例の構成により、不織布による表面シートで迅速に油が空隙内に移動され、かつ空隙内で油が効果的に保持されると考えられる。
吸油速度についても、本発明の実施例は、比較例3を除く比較例、従来例よりも優れることが認められる。なお、比較例3については、吸油量、吸油速度は早いものの、油が空隙内で保持されていないせいか表面のべたつき感が認められた。
他方、吸水量については、比較例、従来例を比較して高い吸水量を有する。また、湿潤時の強度も十分である。比較例3については、吸水量は多いものの保持力があまりなく測定後にも水の滴りが認められた。
してみると、本願発明の実施例については、吸水性について従来例と同等又は優れる性能を有し、吸油性能については各段に優れた性能であることが示されたといえる。
以上、詳述のとおり、本発明によれば、油吸収性に優れるキッチンペーパーが提供される。
本発明はキッチンペーパーのほか、油分の拭き取りを目的とするシート状物に利用可能である。
1…表面シート、2…裏面シート、e…エンボス、t…エンボスの天部、X1…キッチンペーパー。

Claims (4)

  1. 複数のシートを積層してなるキッチンペーパーであって、
    表裏面を構成するシートがパルプを原料とするクレープ紙であり、
    表面を構成するシートは、エンボス加工されているとともに、坪量が20〜40g/m2、シート密度が0.01g/cm3以上0.14g/cm3未満、縦方向の乾燥引張強度が2500cN以下、横方向の乾燥引張強さが700cN以下であり、
    裏面を構成するシートは、坪量が20〜50g/m2、シート密度が0.14g/cm3以上0.50g/cm3以下である、
    ことを特徴とするキッチンペーパー。
  2. 表裏面を構成するシートにエンボス加工がされ、各シートに施されたエンボスの天部同士が接着されている、請求項1記載のキッチンペーパー。
  3. 表裏面を構成するシートにエンボス加工がされ、各シートに施されたエンボスの天部と底部とが接着されている、請求項1記載のキッチンペーパー。
  4. 表面シートと裏面シートとの接着面積率が、3〜20%である請求項1〜3の何れか1項に記載のキッチンペーパー。
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