JP5315811B2 - 耐硫酸腐食性に優れたフェライト系ステンレス鋼板 - Google Patents

耐硫酸腐食性に優れたフェライト系ステンレス鋼板 Download PDF

Info

Publication number
JP5315811B2
JP5315811B2 JP2008162871A JP2008162871A JP5315811B2 JP 5315811 B2 JP5315811 B2 JP 5315811B2 JP 2008162871 A JP2008162871 A JP 2008162871A JP 2008162871 A JP2008162871 A JP 2008162871A JP 5315811 B2 JP5315811 B2 JP 5315811B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
less
stainless steel
ferritic stainless
steel sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008162871A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009035813A (ja
Inventor
知洋 石井
雅之 太田
義正 船川
工 宇城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2008162871A priority Critical patent/JP5315811B2/ja
Publication of JP2009035813A publication Critical patent/JP2009035813A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5315811B2 publication Critical patent/JP5315811B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/18Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium
    • C22C38/40Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel
    • C22C38/48Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel with niobium or tantalum
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D8/00Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
    • C21D8/02Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips
    • C21D8/0205Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips of ferrous alloys
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D9/00Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor
    • C21D9/46Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor for sheet metals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/001Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing N
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/02Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing silicon
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/04Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing manganese
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/18Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium
    • C22C38/40Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel
    • C22C38/42Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel with copper
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/18Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium
    • C22C38/40Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel
    • C22C38/44Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel with molybdenum or tungsten
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/18Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium
    • C22C38/40Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel
    • C22C38/50Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel with titanium or zirconium
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D2211/00Microstructure comprising significant phases
    • C21D2211/005Ferrite

Description

本発明は、硫酸に対して優れた耐食性を有するフェライト系ステンレス鋼板に関するものである。さらに、本発明は、上記に加えて90°以上の曲げ加工を行なった曲げ部の肌荒れが少ないフェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法に関するものである。
石油や石炭のような化石燃料には、硫黄(以下、Sと記す)が含まれている。したがって化石燃料が燃焼すれば、Sが酸化してSO2 等の硫黄酸化物(いわゆるSOX)が排ガスに混入する。化石燃料を燃焼させる機器(たとえば産業用ボイラー等)に付属して設置される煙道,煙突や排煙脱硫装置等の配管内で排ガスの温度が低下すると、このSOXが排ガス中の水分と反応して硫酸となり、配管の内面に結露する。この結露した硫酸が配管の腐食(以下、硫酸腐食という)を進行させる。
硫酸腐食を防止する技術は従来から種々検討されており、たとえば排ガスの配管を低合金鋼で構成する、あるいは排ガスの温度を150℃以上にする等の技術が採用されている。
しかしこれらの技術では、硫酸腐食を軽減することは可能であっても、硫酸腐食の進行を止めることは困難である。
近年、アジアにおける自動車市場の拡大に伴って、鉄鋼の需要が増加しており、製鉄業の高炉や熱処理炉等における化石燃料の消費量が増大している。そのため、製鉄業では硫酸腐食を防止する技術の開発が急務となっている。またガソリンにはSが含まれており、自動車のエンジンから排出される排ガスの配管にも硫酸腐食が発生する。したがって、自動車の排ガス配管も硫酸腐食を防止する技術が求められている。また、これらの配管には厳しい曲げ加工が施されるものが少なくない。
高炉,熱処理炉や自動車の排ガス配管では、高温の排ガスが流通するので、高温酸化を防止する観点から低合金鋼を使用せず、フェライト系ステンレス鋼が多く使用されている。そのため、フェライト系ステンレス鋼の硫酸腐食に対する耐食性(以下、耐硫酸腐食性という)を高める技術が種々検討されている。
たとえば特開昭56-146857号公報には、フェライト系ステンレス鋼のS含有量を0.005質量%以下に低減することによって、耐酸性を向上する技術が開示されている。しかし特開昭56-146857号公報では沸騰塩酸に浸漬して耐酸性を調査しており、耐硫酸腐食性については明らかではない。
特開平7-188866号公報には、フェライト系ステンレス鋼のC,Nの含有量を低減するとともにMn,Ni,Bの含有量を規定することによって、硝酸による粒界腐食を抑制する技術が開示されている。しかし硝酸による粒界腐食の発生機構は、硝酸イオンが存在するために環境の電位が貴となりステンレス鋼の不動態皮膜の破壊挙動や腐食生成物の安定性が硫酸腐食とは異なるので、特開平7-188866号公報に開示された技術を硫酸腐食の防止に適用するためには、さらなる研究が必要である。
以上のような理由によって、高温の環境においても優れた耐硫酸腐食性を有するフェライト系ステンレス鋼板が求められている。さらにフェライト系ステンレス鋼板に、90°以上の曲げ加工を行なった曲げ部の肌荒れを抑制する技術の必要性が高まっている。
フェライト系ステンレス鋼板の成形性を向上するために、素材となる溶鋼の精錬工程でC,Nを大幅に低減する技術、あるいは溶鋼にTiやNbを添加して炭化物,窒化物を形成させることによってC,Nを安定化させる技術が検討されている。その結果、オーステナイト系ステンレス鋼板より優れた深絞り性を有するフェライト系ステンレス鋼板が開発されている。ただし、従来の深絞り性に優れたフェライト系ステンレス鋼板は、ランクフォード値(いわゆるr値)で評価されるような、深絞り加工における成形性を向上させたものである。
また、張り出し加工における曲げ部の肌荒れ(いわゆるオレンジピール)を抑制するためには、従来からフェライト系ステンレス鋼板を所定の形状に成形するための成形方法を改善する技術(たとえば特開2005-139533号公報参照)が検討されている。しかし曲げ部の肌荒れは張り出し加工のみならず、曲げ加工等による曲げ部にも発生するものであり、フェライト系ステンレス鋼板の成分や製造方法を改善することによって曲げ部の肌荒れを抑制する技術に関する研究は、十分になされていない。
肌荒れは種々の表面欠陥の総称であるが、フェライト系ステンレス鋼板ではリジングと呼ばれる肌荒れが頻繁に発生する。リジングとは、圧延によって生じた圧延方向に平行な集合組織が加工を受けた際に、集合組織ごとに変形に差が生じることによって発生する表面欠陥である。リジングの発生を抑制した鋼は多くの報告があるが、これらの鋼を用いても曲げ部の肌荒れが顕著な場合がある。したがって、リジングと曲げ部の肌荒れは発生機構が異なっていると考えられ、それぞれ適した対策が必要である。特に90°以上の曲げ加工を行なった場合に、肌荒れが顕著に発生する。
特開昭56-146857号公報 特開平7-188866号公報 特開2005-139533号公報
本発明は、高温の環境においても優れた耐硫酸腐食性を有し、さらに、90°以上の曲げ加工を行なった曲げ部の肌荒れが少ないフェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
発明者らは、フェライト系ステンレス鋼の硫酸腐食の発生機構について鋭意検討した。Sを含む析出物(以下、含S析出物という)が硫酸腐食の起点となることは従来から知られている。しかし、その含S析出物は硫酸と接触することによって溶解するので、硫酸腐食が生じた部位にて含S析出物が観察されることは少ない。そこで発明者らは、硫酸腐食が生じる前の含S析出物に着目し、含S析出物の粒径が硫酸腐食の進行に及ぼす影響を調査した。
その結果、硫酸腐食を防止するためには
(a)S含有量を低減して含S析出物の析出を抑制する、
(b)Nb含有量を好適範囲に維持することによって微細なNbCを分散して析出させ、そこに含S析出物(たとえばMnS等)を付着させることによって、含S析出物を微細化する、
(c)Cu含有量を好適範囲に維持することによって不動態皮膜を改質し、地鉄の溶解を抑制することが有効であるという知見を得た。
また、発明者らは、フェライト系ステンレス鋼板に曲げ加工を施して、肌荒れ(リジングとは異なる)が曲げ部に発生するメカニズムについて検討した。その結果、曲げ部のフェライト結晶粒の平均粒径と肌荒れの深さとの相関関係を見出した。つまり曲げ部のフェライト結晶粒の平均粒径が小さいほど、曲げ部の肌荒れが浅くなることが判明した。
また、微細なNbC粒子を分散させることによって、曲げ加工による転位の動きを阻害して曲げ部に加工硬化を起こせば、曲げ部が均一に加工され、肌荒れが軽減されることが判明した。
本発明は、これらの知見に基づいてなされたものである。
すなわち本発明は、C:0.001〜0.02質量%,Si:0.05〜0.8質量%,Mn:0.5質量%以下,P:0.04質量%以下,S:0.010質量%以下,Al:0.10質量%以下,Cr:20〜24質量%,Cu:0.3〜0.8質量%,Ni:0.5質量%以下,Nb:0.20〜0.55質量%,N:0.001〜0.02質量%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成と、Sを含有する析出物の最大粒径が5μm以下、フェライト結晶粒の平均粒径が30.0μm以下、析出したNbC粒子の最大径が1μm以下である組織とを有するフェライト系ステンレス鋼板である。
本発明のフェライト系ステンレス鋼板は、前記組成において、さらに、Ni:0.3質量%以下,Nb:0.20〜0.50質量%であるフェライト系ステンレス鋼板である。
また、本発明のフェライト系ステンレス鋼板は、前記組成に加えて、Ti:0.005〜0.5質量%,Zr:0.5質量%以下およびMo:1.0質量%以下の中から選ばれる1種または2種以上を含有するフェライト系ステンレス鋼板である。
また、本発明は上記のフェライト系ステンレス鋼板の製造方法であって、C:0.001〜0.02質量%,Si:0.05〜0.8質量%,Mn:0.5質量%以下,P:0.04質量%以下,S:0.010質量%以下,Al:0.10質量%以下,Cr:20〜24質量%,Cu:0.3〜0.8質量%,Ni:0.5質量%以下,Nb:0.20〜0.55質量%,N:0.001〜0.02質量%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋳片または鋼塊に、仕上げ温度700〜950℃、で熱間圧延を行い、仕上げ温度から巻き取り温度まで20℃/秒以上の平均冷却速度で冷却し、かつ巻き取り温度600℃以下で巻き取り、熱間圧延で得られた熱延鋼板を900〜1200℃で焼鈍し、酸洗、冷間圧延後、1050℃未満の焼鈍温度で焼鈍するフェライト系ステンレス鋼板の製造方法である。
また、本発明は、前記において、仕上げ温度700〜900℃で、巻き取り温度570℃以下で、巻き取りするフェライト系ステンレス鋼板の製造方法である。
また、本発明は、前記において、熱延鋼板を900〜1100℃で焼鈍し、酸洗、冷間圧延後、900℃未満の焼鈍温度で焼鈍するフェライト系ステンレス鋼板の製造方法である
また本発明は、上記のフェライト系ステンレス鋼板の製造方法であって、C:0.001〜0.02質量%,Si:0.05〜0.3質量%,Mn:0.5質量%以下,P:0.04質量%以下,S:0.01質量%以下,Al:0.10質量%以下,Cr:20〜24質量%,Cu:0.3〜0.8質量%,Ni:0.5質量%以下,Nb:0.20〜0.55質量%,N:0.001〜0.02質量%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋳片または鋼塊に、仕上げ温度770℃以下で熱間圧延を行い、仕上げ温度から巻き取り温度まで20℃/秒以上の平均冷却速度で冷却し、かつ巻き取り温度450℃以下の熱間圧延を施し、熱間圧延で得られた熱延鋼板を900〜1100℃で焼鈍、酸洗、さらに圧下率50%以上の冷間圧延を施すフェライト系ステンレス鋼板の製造方法である。
本発明によれば、高温の環境においても優れた耐硫酸腐食性を有するフェライト系ステンレス鋼板を得ることができる。
また、本発明によれば、上記の特性に加えてさらに90°以上の曲げ加工を行なった曲げ部の肌荒れが少ないフェライト系ステンレス鋼板を得ることができる。
まず、本発明のフェライト系ステンレス鋼板の成分の限定理由を説明する。
C:0.001〜0.02質量
Cは、フェライト系ステンレス鋼板の強度を高める作用を有する元素である。その効果を得るために、0.001質量%以上とする。しかしC含有量が0.02質量%を超えると、フェライト系ステンレス鋼板が硬化して、プレス成形性が低下するばかりでなく、後述するNbやNと結合して粗大なNb炭窒化物が析出して耐硫酸腐食性が低下する。したがって、Cは0.02質量%以下とする。より好ましくは0.015質量%以下である。
また、曲げ部の肌荒れの観点から、Cの含有量が0.001質量%未満では、フェライト結晶粒の生成核となるNbCの析出を妨げる。一方、0.02質量%を超えると、成形性、耐食性が劣化するばかりでなく、NbCが粗大化する。したがって、Cは0.001〜0.02質量%の範囲内とする。より好ましくは0.002〜0.015質量%である。
Si:0.05〜0.8質量%
Siは、フェライト系ステンレス鋼の溶製段階で脱酸剤として用いられる。Si含有量が0.05質量%未満では、十分な脱酸効果が得られない。そのため、製造されたフェライト系ステンレス鋼板に多量の酸化物が析出し、溶接性,プレス成形性が低下する。一方、0.8質量%を超えると、フェライト系ステンレス鋼板が硬化して加工性が損なわれ、フェライト系ステンレス鋼板の製造に支障をきたす。したがって、Siは0.05〜0.8質量%の範囲内とする。より好ましくは0.05〜0.3質量%である。さらに好ましくは0.06〜0.28質量%である。
Mn:0.5質量%以下
Mnは、フェライト系ステンレス鋼の溶製段階で脱酸剤として用いられる。その効果を得るためには、0.01質量%以上が好ましい。Mn含有量が0.5質量%を超えると、固溶強化によってフェライト系ステンレス鋼板の加工性が損なわれる。しかも、後述するSと結合してMnSの析出が促進され、耐硫酸腐食性が低下する。したがって、Mnは0.5質量%以下とする。より好ましくは0.3質量%以下である。
P:0.04質量%以下
Pは、硫酸腐食に関連はないが、種々の腐食を生起させる元素であるから、その含有量を低減する必要がある。特にP含有量が0.04質量%を超えると、腐食の問題に加えて、Pが結晶粒界に偏析してフェライト系ステンレス鋼板の加工性が損なわれる。その結果、フェライト系ステンレス鋼板の製造に支障をきたす。したがって、Pは0.04質量%以下とする。より好ましくは0.03質量%以下である。
S:0.010質量%以下
Sは、Mn等と結合して含S析出物(たとえばMnS等)を生成する元素である。そのため、S含有量は低いほど望ましいが、0.0005質量%以下にすると脱硫が困難となり、製造負荷が増大する。したがって、その含有量は0.0005質量%以上が好ましい。含S析出物が硫酸と接触して溶解すると、硫化水素が発生し、局所的にpHが低下する。フェライト系ステンレス鋼板の表面に析出した含S析出物の直下では不動態皮膜は形成されておらず、含S析出物が溶解した後も、pHが低いために不動態皮膜は形成されない。その結果、地鉄が硫酸に曝され、硫酸腐食が進行する。S含有量が0.010質量%を超えると、含S析出物が多量に析出して硫酸腐食が顕著になる。したがって、Sは0.010質量%以下とする。より好ましくは0.008質量%以下である。
Al:0.10質量%以下
Alは、フェライト系ステンレス鋼の溶製段階で脱酸剤として用いられる。また、本発明では、Alを添加することによって、鋼中のNをNb炭窒化物より高温で析出するAlNとして析出させ、Nbと結合するN量を低減することで、粗大なNb炭窒化物の析出を抑制している。そのため、Nbは微細なNbCとして析出し、フェライト結晶粒の微細化、ならびに、含S析出物の粗大化抑止に効果を及ぼしている。また、析出したAlNはきわめて微細であるため、曲げ加工時の転位の運動を阻害して鋼の加工硬化を促進し、曲げ部の均一な変形が行われる効果も果たしている。その効果を得るためには、0.005質量%以上が好ましい。しかし、Al含有量が0.10質量%を超えると、Al系の非金属介在物が増加し、フェライト系ステンレス鋼板の表面傷等の表面欠陥の原因ともなり、加工性も損なわれる。したがって、Alは0.10質量%以下とする。より好ましくは0.08質量%以下である。
Cr:20〜24質量%
Crは、フェライト系ステンレス鋼板の耐硫酸腐食性を高める元素である。Cr含有量が20質量%未満では、十分な耐硫酸腐食性が得られない。一方、24質量%を超えると、σ相が生成され易くなり、フェライト系ステンレス鋼板のプレス成形性が低下する。したがって、Crは20〜24質量%の範囲内とする。より好ましくは20.5〜23.0質量%である。
Cu:0.3〜0.8質量%
Cuは、フェライト系ステンレス鋼板に硫酸腐食が生じた後、アノード反応による地鉄の溶解を低減する作用を有する。また、含S析出物の周辺の不動態皮膜を改質する作用を有する。発明者らの研究によれば、含S析出物の近傍に存在するCuは地鉄の結晶格子に歪みを生じさせる。歪みを生じた結晶格子に形成される不動態皮膜は、正常な結晶格子に形成される不動態皮膜に比べて緻密になる。このようにして不動態皮膜が改質されることによって、フェライト系ステンレス鋼板の耐硫酸腐食性が向上する。Cu含有量が0.3質量%未満では、この効果は得られない。一方、0.8質量%を超えると、Cuが硫酸によって腐食され、それを起点としてフェライト系ステンレス鋼板の硫酸腐食が進行する。また、熱間加工性が劣化するのでフェライト系ステンレス鋼板の製造に支障を来たす。したがって、Cuは0.3〜0.8質量%の範囲内とする。より好ましくは0.3〜0.6質量%である。
Ni:0.5質量%以下
Niは、硫酸によるアノード反応を抑制し、pHが低下しても不動態皮膜を保持する作用を有する。その効果を得るためには、0.05質量%以上が好ましい。しかしNi含有量が0.5質量%を超えると、フェライト系ステンレス鋼板が硬化してプレス成形性が損なわれる。したがって、Niは0.5質量%以下とする。より好ましくは0.3質量%以下である。さらに好ましくは0.2質量%以下である。
Nb:0.20〜0.55質量%
Nbは、C、Nを固定してCr炭窒化物による腐食に対する鋭敏化を防ぐ作用を有する。また、フェライト系ステンレス鋼板の耐高温酸化性を向上させる効果もある。本発明では、これらの効果に加えて、微細な析出物(すなわちNbC)を分散させることによって、フェライト結晶粒を微細化させる重要な元素である。NbCは、冷間圧延したフェライト系ステンレス鋼板に焼鈍を施す際に再結晶粒の生成核となる。したがってNbCが分散して析出することによって、微細なフェライト結晶粒が生成する。さらに、NbCはフェライト結晶粒の生成過程で粒界の移動を阻害してフェライト結晶粒の成長を妨げ、微細なフェライト結晶粒を維持する効果がある。つまり微細なNbCを分散させると、フェライト結晶粒の微細化を達成できる。しかも、フェライト系ステンレス鋼板に分散して析出した微細なNbCは、曲げ加工による転位の移動を阻害し、曲げ部の加工硬化を生起する。その結果、曲げ加工による変形が、変形抵抗の少ない領域へ順次移動して行くので、曲げ部が均一に加工され、肌荒れが軽減される。また、発明者らの研究によれば、微細なNbCを分散して析出させることによって、含S析出物がNbCに付着して析出し、含S析出物の粒径が小さくなる。小さくなった含S析出物は、硫酸中において溶解しても、pHの低下が抑えられるため、周辺の溶液はステンレス鋼が不動態皮膜を形成できる下限のpH以上を維持でき、含S析出物溶解直後に含S析出物直下のステンレス鋼の再不動態化が可能となる。したがって、含S析出物の溶解が腐食発生の起点とならず、耐硫酸腐食性が向上する。Nbの含有量が0.20質量%未満では、この効果は得られない。一方、0.55質量%を超えると、NbCが粗大化し、フェライト結晶粒、ならびに、含S析出物も粗大化する。したがって、Nbは0.20〜0.55質量%の範囲内とする。より好ましくは0.20〜0.5質量%である。さらに好ましくは0.25〜0.45質量%である。
N:0.001〜0.02質量
Nは、フェライト系ステンレス鋼板に固溶して、耐硫酸腐食性を向上させる作用を有する。その効果を得るために、0.001質量%以上とする。しかし過剰に含有すると、Cと同様に、粗大なNb炭窒化物の析出を促進し、フェライト系ステンレス鋼板の耐硫酸腐食性が低下するとともに曲げ部の肌荒れを悪化させる。特にN含有量が0.02質量%を超えると、硫酸腐食の問題に加えて、フェライト系ステンレス鋼板のプレス成形性が損なわれる。したがって、Nは0.02質量%以下とする。より好ましくは0.015質量%以下である。
さらに本発明のフェライト系ステンレス鋼板では、Ti,ZrおよびMoの中から選ばれる1種または2種以上を含有することが好ましい。
Ti:0.005〜0.5質量%
Tiは、C,Nと結合してTi炭窒化物を形成することによってC,Nを固定し、Cr炭窒化物による腐食に対する鋭敏化を防止する作用を有する。そのため、Tiを添加することによって、耐硫酸腐食性を一層高めることができる。Ti含有量が0.005質量%未満では、その効果は得られない。一方、0.5質量%を超えると、フェライト系ステンレス鋼板が硬化してプレス成形性が損なわれる。したがってTiを添加する場合は、Ti含有量は0.005〜0.5質量%の範囲内が好ましい。より好ましくは0.1〜0.4質量%である。
Zr:0.5質量%以下
Zrは、Tiと同様に、C,Nと結合してZr炭窒化物を形成することによってC,Nを固定し、Cr炭窒化物による腐食に対する鋭敏化を防止する作用を有する。その効果を得るためには、0.01質量%以上が好ましい。そのため、Zrを添加することによって、耐硫酸腐食性を一層高めることができる。しかしTi含有量が0.5質量%を超えると、Zr酸化物(すなわちZrO2等)を多量に生成するので、フェライト系ステンレス鋼板の表面清浄が損なわれる。したがってZrを添加する場合は、Zr含有量は0.5質量%以下が好ましい。より好ましくは0.4質量%以下である。
Mo:1.0質量%以下
Moは、耐硫酸腐食性を高める作用を有する。その効果を得るためには、0.1質量%以上が好ましい。しかしMo含有量が1.0質量%を超えると、その効果は飽和する。つまり1.0質量%を超えて添加しても、その添加量に見合う耐硫酸腐食性の向上は期待できず、むしろ高価なMoを多量に使用することによって、フェライト系ステンレス鋼板の製造コストが上昇する。したがってMoを添加する場合は、Mo含有量は1.0質量%以下が好ましい。より好ましくは 0.8質量%以下である。
なお、Mgは、本発明に寄与しないので、低ければ低いほど望ましく、不可避的不純物レベル以下である。
上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。
次に、本発明のフェライト系ステンレス鋼板の組織を説明する。
含S析出物の最大粒径:5μm以下
発明者らは、種々の成分のフェライト系ステンレス鋼板を製造して、含S析出物の大きさと硫酸腐食の進行との関係を調査した。その調査方法と調査結果について述べる。
表1に示す成分のフェライト系ステンレス鋼を溶製し、さらに鋼片とした後、1170℃に加熱して熱間圧延(仕上げ温度:800℃,巻取り温度:450℃,板厚:4mm)を行ない、熱延鋼板とした。仕上げ圧延から巻取りまで(すなわち800℃から450℃まで)の平均冷却速度は20℃/秒とした。
Figure 0005315811
得られた熱延鋼板を900〜1200℃,30〜300秒で焼鈍し、さらに酸洗を行なった。次いで冷間圧延を行なった後、970℃,30〜300秒で焼鈍し、さらに酸洗を施してフェライト系ステンレス鋼板(板厚:0.8mm)とした。
このようにして得られたフェライト系ステンレス鋼板から切り出した試験片(幅30mm,長さ50mm)の両面を600番の研磨紙で研磨して、走査型電子顕微鏡(いわゆるSEM)で観察した。Nb炭窒化物の粒径は数μm程度、Nb炭化物の粒径は1μm程度であった。また、Nb炭窒化物やNb炭化物の周囲には含S析出物(たとえばMnS等)が付着して析出しているのが認められた。任意の1つの視野の10mm角内にある含S析出物全ての粒径を測定した。粒径は、長軸の最大長さとした。測定した含S析出物のうち最大のものの粒径を最大粒径とした。
その後、試験片を硫酸(濃度:10質量%,温度:50℃)に1時間浸漬して、その表面をSEMで観察した。浸漬前に観察されたNb炭窒化物やNb炭化物は含S析出物とともに溶解しており、その位置には地鉄が溶出したと思われる窪みが生じていた。一部に析出物が残留していたが、それらの析出物からSは検出されなかった。
このようにして、硫酸に浸漬する前の含S析出物の粒径と浸漬による地鉄の溶解確率との関係を調査した。その結果を図1に示す。なお溶解確率(%)は、浸漬前に、ある所定の大きさを有する析出物が存在した場所で浸漬後に地鉄の溶解が確認された数Mを、浸漬前に、その所定の大きさを有する析出物の総数Nで除した値(=100×M/N)である。
図1から明らかなように、含S析出物の最大粒径が5μm以下であれば、地鉄の溶解確率が著しく減少する。これは、含S析出物の最大粒径が5μm以下であれば硫酸腐食を防止できることを意味する。したがって、含S析出物の最大粒径は5μm以下とする。
次に、本発明の曲げ加工における曲げ部の肌荒れが少ないフェライト系ステンレス鋼板の組織について説明する。
フェライト結晶粒の平均粒径:30.0μm以下
曲げ加工における曲げ部の肌荒れの深さは、フェライト結晶粒の平均粒径と相関関係を有する。曲げ加工によってフェライト結晶粒は引張応力を受けて偏平な楕円球状の形状になり、隣接するフェライト結晶粒の間に隙間が生じることによって肌荒れが発生する。一定量の曲げ加工を行なった場合、楕円球状に変形したフェライト結晶粒の長径と短径の比は、曲げ加工を施す前のほぼ球形のフェライト結晶粒の大きさに関わらず一定である。肌荒れの深さは楕円球状のフェライト結晶粒の短径に比例し、その短径は曲げ加工前のフェライト結晶粒の大きさに比例する。つまり、フェライト結晶粒の平均粒径が小さいほど、肌荒れが浅くなる。発明者らの研究によれば、フェライト結晶粒の平均粒径が30.0μm以下であれば、90°以上の曲げ加工を行なっても、曲げ部の肌荒れは問題のないレベルに抑制される。したがって、フェライト結晶粒の平均粒径は30.0μm以下とする。好ましくは20.0μm以下である。なお、フェライト結晶粒の平均粒径は、ASTM E112に従い、切断法によって任意の3視野のフェライト結晶粒の粒径を測定し、その平均値を算出した。
NbC粒子の最大径:1μm以下
上記で説明した通り、フェライト系ステンレス鋼板に微細なNbCが分散すると、フェライト結晶粒の再結晶を促進し、かつフェライト結晶粒の成長を阻害するので、フェライト結晶粒の微細化が達成される。発明者らの研究によれば、析出するNbCの最大径が1μmを超えると、その効果は得られない。また、NbCが粗大化すると、曲げ加工における応力の集中を招き、局所的な変形が生じ易くなる。したがって、NbC粒子の最大径は1μm以下とする。任意の1つの視野の10mm角内にあるNbC析出物の中から最大のものの粒径を測定した。最大粒径は、長軸の最大長さとした。
以下に本発明のフェライト系ステンレス鋼板の好適な製造方法の一例を説明する。
所定の成分を有するフェライト系ステンレス鋼を溶製し、さらに鋼片とした後、1100〜1200℃に加熱して熱間圧延(仕上げ温度:700〜950℃、より好ましくは900℃以下、さらに好ましくは770℃以下,巻取り温度:600℃以下より好ましくは570℃以下、さらに好ましくは450℃以下,板厚:2.5〜6mm)を行ない、熱延鋼板とする。仕上げ圧延から巻取りまでの間に含S析出物およびフェライト結晶粒が粗大化するのを防止するために、仕上げ温度から巻取り温度まで20℃/秒以上の平均冷却速度で冷却する。
巻取り後の冷却速度は特に限定しない。ただし熱延鋼板の靭性が475℃付近で低下(いわゆる475℃脆性)するので、525〜425℃の温度領域は100℃/時間以上の平均冷却速度が好ましい。
次いで熱延鋼板を900〜1200℃、より好ましくは、900〜1100℃,30〜240秒で焼鈍し、さらに酸洗を行なう。さらに、冷間圧延(好ましくは圧下率50%以上)を行なった後、焼鈍と酸洗を施してフェライト系ステンレス鋼板とする。冷間圧延の後の焼鈍は、含S析出物の粗大化を防止するために、1050℃未満、より好ましくは、900℃未満,10〜240秒の条件で行なうことが好ましい。焼鈍の温度が900℃以上になる場合は、900℃以上に加熱される時間を1分以下にすることが好ましい。
以上に説明した本発明のフェライト系ステンレス鋼板は、高温の環境において優れた耐食性を有するというフェライト系ステンレス鋼本来の特性と、上記の(a)〜(c)に記載した本発明の固有の特性との相乗効果によって、高温の環境においても優れた耐硫酸腐食性を発揮する。さらに、フェライト結晶粒が微細であるから、90°以上の曲げ加工を行なっても、隣接するフェライト結晶粒の隙間は問題のないレベルに抑制され、肌荒れが抑制される。
<実施例1>
表1に示す成分のフェライト系ステンレス鋼を溶製し、さらに鋼片とした後、1170℃に加熱して熱間圧延(仕上げ温度:800℃,巻取り温度:450℃,板厚:4mm)を行ない、熱延鋼板とした。仕上げ圧延から巻取りまで(すなわち800℃から450℃まで)の平均冷却速度は20℃/秒とした。
得られた熱延鋼板を900〜1200℃、30〜300秒で焼鈍し、さらに酸洗を行なった。次いで冷間圧延を行なった後、970℃、30〜300秒で焼鈍し、さらに酸洗(pickling)を施してフェライト系ステンレス鋼板(板厚:0.8mm)とした。
このようにして得られたフェライト系ステンレス鋼板を幅30mm,長さ50mmに切断し、両面を600番の研磨紙で研磨して試験片とした。その試験片を走査型電子顕微鏡(いわゆるSEM)で観察して、任意の1つの視野の10mm角内にある含S析出物全ての粒径を測定した。粒径は、長軸の最大長さとした。測定した含S析出物のうち最大のものの粒径を最大粒径とした。その結果を表2に示す。さらに試験片の質量を測定した。
次に、試験片を硫酸(濃度:10質量%,温度:50℃)に48時間浸漬した後、試験片の質量を測定して耐硫酸腐食性を調査した。耐硫酸腐食性は、浸漬前後の試験片の質量変化を算出し、その質量変化が浸漬前の質量に対して10%未満のものを良(○)とし、10%以上のもの不可(×)として評価した。その結果を表2に示す。
Figure 0005315811
表2のA1〜A4は、Cu含有量を変化させた例である。本発明の範囲を満足するA2およびA3では、優れた耐硫酸腐食性が得られた。表2のB1〜B4は、S含有量を変化させた例である。本発明の範囲を満足するB1〜B3では、優れた耐硫酸腐食性が得られた。表2のC1〜C5は、Nb含有量を変化させた例である。本発明の範囲を満足するC2〜C4では、優れた耐硫酸腐食性が得られた。表2のD1〜Dは、含S析出物の最大粒径を変化させた例である。本発明の範囲を満足するD1およびD2では、優れた耐硫酸腐食性が得られた。表2のE1〜E7は、さらに追加元素として、Ti,Zr,Moの一種以上を添加した例である。本発明の範囲を満足するE1〜E7では、優れた耐硫酸腐食性が得られた。
一方、表2のA1およびA4は、Cu含有量が本発明の範囲を外れた比較例である。B4は、S含有量が本発明の範囲を外れた比較例である。C1およびC5は、Nb含有量が本発明の範囲を外れた比較例である。また、E8〜E10は、Al,Cr,Nb,Nの含有量のいずれか1つ以上が、本発明の範囲を外れた比較例である。本発明の範囲を外れた比較例では、優れた耐硫酸腐食性を得ることができなかった。
<実施例2>
耐硫酸腐食性の効果の確認に加えて、さらに、90°以上の曲げ加工を行なった曲げ部の肌荒れの効果を確認した。
表3に示す成分を有するフェライト系ステンレス鋼を溶製して連続鋳造を行ない、得られた鋳片を1170℃に加熱して熱間圧延を行なった。仕上げ温度と巻き取り温度は表4に示す通りである。なお表3に示すNo.1〜29の鋳片のうち、No.1およびNo.5はNb含有量が本発明の範囲を外れる例、No.13はCu含有量が本発明の範囲を外れる例、No.28はC含有量が本発明の範囲を外れる例であり、その他は全て成分が本発明の範囲を満足する。
Figure 0005315811
得られた熱延鋼板を熱間圧延の仕上げ温度から巻き取り温度まで、平均冷却速度25℃/秒で冷却した。得られた熱延鋼板を900〜1100℃で焼鈍(ただしNo.9のみ1150℃で焼鈍)し、さらに酸洗してスケールを除去した。その後、冷間圧延を行ない、さらに焼鈍(加熱温度970℃,加熱時間90秒)および酸洗してフェライト系ステンレス鋼板(厚さ0.8mm)とした。熱間圧延の仕上げ温度、巻き取り温度および冷間圧延の圧下率は表4に示す通りである。No.9, No.17, No.21, No.25およびNo.29は、熱間圧延の仕上げ温度,巻き取り温度,熱延板焼鈍温度および冷間圧延の圧下率のいずれか1つ以上が、本発明の範囲を外れる例である。
フェライト系ステンレス鋼板の任意の断面を希王水でエッチングし、ASTM E112に従い、切断法によって任意の3視野のフェライト結晶粒の粒径を測定し、その平均値を算出した。その結果を表4に示す。
Figure 0005315811
また、フェライト系ステンレス鋼板の任意の断面を走査型電子顕微鏡(いわゆるSEM)で観察し、析出したNbCの最大径を測定した。任意の1つの視野の10mm角内にあるNbC析出物の中から最大のものの粒径を測定した。最大粒径は、長軸の最大長さとした。その結果を表4に示す。
さらに、フェライト系ステンレス鋼板から幅20mm,長さ70mmの試料を切り出し、両面を600番の研磨紙で研磨して、曲げ加工に供した。曲げ加工は、半径10mmのポンチを用いて試料の中央をプレスし、180°の曲げ加工を行なった。
曲げ加工の後、曲げ部の断面を任意の3視野を観察して肌荒れの深さを測定した。肌荒れ深さの測定方法を図2に図示する。肌荒れの深さは、曲げ部の断面を光学顕微鏡で1000倍に拡大して写真に撮り、図2に示すように、観察した曲げ部の断面の肌荒れの隣り合う凸部と凹部の凹凸差の最も大きい長さを肌荒れの深さとした。肌荒れの深さが30μm以下のものを良(○)とし、30μmを超えるものを不良(×)として評価した。その結果を表4に示す。
表4から明らかなように、発明例は、いずれも肌荒れの深さが30μm以下であったのに対して、比較例は、深さが30μmを超えた。
なお、ここでは記載していないが、耐硫酸腐食性の効果も確認したが、実施例1とほぼ同様な効果が確認できた。
含S析出物の粒径と地鉄の溶解確率との関係を示すグラフである。 曲げ部の肌荒れ深さの測定方法を示した模式図である。
符号の説明
1 試験片

Claims (7)

  1. C:0.001〜0.02質量%、Si:0.05〜0.8質量%、Mn:0.5質量%以下、P:0.04質量%以下、S:0.010質量%以下、Al:0.10質量%以下、Cr:20〜24質量%、Cu:0.3〜0.8質量%、Ni:0.5質量%以下、Nb:0.20〜0.55質量%、N:0.001〜0.02質量%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成と、Sを含有する析出物の最大粒径が5μm以下、フェライト結晶粒の平均粒径が30.0μm以下、析出したNbC粒子の最大径が1μm以下である組織とを有することを特徴とするフェライト系ステンレス鋼板。
  2. 前記組成に加えて、Ni:0.3質量%以下、Nb:0.20〜0.5質量%を含有することを特徴とする請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼板。
  3. 前記組成に加えて、Ti:0.005〜0.5質量%、Zr:0.5質量%以下およびMo:1.0質量%以下の中から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のフェライト系ステンレス鋼板。
  4. 請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼板の製造方法であって、C:0.001〜0.02質量%、Si:0.05〜0.8質量%、Mn:0.5質量%以下、P:0.04質量%以下、S:0.010質量%以下、Al:0.10質量%以下、Cr:20〜24質量%、Cu:0.3〜0.8質量%、Ni:0.5質量%以下、Nb:0.20〜0.55質量%、N:0.001〜0.02質量%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋳片または鋼塊に、仕上げ温度700〜950℃で熱間圧延を行い、仕上げ温度から巻き取り温度まで20℃/秒以上の平均冷却速度で冷却し、かつ巻き取り温度600℃以下で巻き取り、前記熱間圧延で得られた熱延鋼板を900〜1200℃で焼鈍し、酸洗、冷間圧延後、1050℃未満の焼鈍温度で焼鈍することを特徴とするフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
  5. 前記仕上げ温度を700〜900℃とし、前記巻き取り温度を570℃以下として巻き取ることを特徴とする請求項に記載のフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
  6. 記熱延鋼板を900〜1100℃で焼鈍し、酸洗、冷間圧延後、900℃未満の焼鈍温度で焼鈍することを特徴とする請求項またはに記載のフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
  7. 請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼板の製造方法であって、C:0.001〜0.02質量%、Si:0.05〜0.3質量%、Mn:0.5質量%以下、P:0.04質量%以下、S:0.01質量%以下、Al:0.1質量%以下、Cr:20〜24質量%、Cu:0.3〜0.8質量%、Ni:0.5質量%以下、Nb:0.20〜0.55質量%、N:0.001〜0.02質量%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋳片または鋼塊に、仕上げ温度770℃以下で熱間圧延を行い、仕上げ温度から巻き取り温度まで20℃/秒以上の平均冷却速度で冷却し、かつ巻き取り温度450℃以下の熱間圧延を施し、前記熱間圧延で得られた熱延鋼板を900〜1100℃で焼鈍、酸洗、さらに圧下率50%以上の冷間圧延を施すことを特徴とするフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
JP2008162871A 2007-06-21 2008-06-23 耐硫酸腐食性に優れたフェライト系ステンレス鋼板 Active JP5315811B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008162871A JP5315811B2 (ja) 2007-06-21 2008-06-23 耐硫酸腐食性に優れたフェライト系ステンレス鋼板

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007163418 2007-06-21
JP2007163418 2007-06-21
JP2007178097 2007-07-06
JP2007178097 2007-07-06
JP2008162871A JP5315811B2 (ja) 2007-06-21 2008-06-23 耐硫酸腐食性に優れたフェライト系ステンレス鋼板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009035813A JP2009035813A (ja) 2009-02-19
JP5315811B2 true JP5315811B2 (ja) 2013-10-16

Family

ID=40156349

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008162871A Active JP5315811B2 (ja) 2007-06-21 2008-06-23 耐硫酸腐食性に優れたフェライト系ステンレス鋼板

Country Status (7)

Country Link
US (1) US8152937B2 (ja)
EP (1) EP2163658B9 (ja)
JP (1) JP5315811B2 (ja)
CN (1) CN101680066B (ja)
ES (1) ES2802413T3 (ja)
TW (1) TWI390048B (ja)
WO (1) WO2008156195A1 (ja)

Families Citing this family (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2100983B1 (en) * 2007-01-12 2012-10-31 JFE Steel Corporation Ferritic stainless steel sheet for water heater excellent in corrosion resistance at welded part and steel sheet toughness
EP2460900B1 (en) * 2009-07-30 2015-04-15 JFE Steel Corporation Stainless steel for fuel cell separators which has excellent electrical conductivity and ductility, and process for production thereof
JP2012012005A (ja) * 2010-06-03 2012-01-19 Nippon Steel & Sumikin Stainless Steel Corp 給油管およびその製造方法
CN103348023B (zh) * 2011-02-08 2015-11-25 新日铁住金不锈钢株式会社 铁素体系不锈钢热轧钢板及其制造方法、以及铁素体系不锈钢板的制造方法
BR112013020903B1 (pt) * 2011-02-17 2019-07-02 Nippon Steel & Sumikin Stainless Steel Corporation Chapa de aço inoxidável ferrítico e processo para produção da mesma
US9574092B2 (en) 2011-04-17 2017-02-21 Brightsource Industries (Israel), Ltd. Solar-radiation-absorbing formulations and related apparatus and methods
JP5865775B2 (ja) * 2012-03-16 2016-02-17 新日鐵住金株式会社 焼結排ガス集塵機用ステンレス鋼および焼結排ガス集塵機
UA111115C2 (uk) * 2012-04-02 2016-03-25 Ейкей Стіл Пропертіс, Інк. Рентабельна феритна нержавіюча сталь
FI124995B (fi) 2012-11-20 2015-04-15 Outokumpu Oy Ferriittinen ruostumaton teräs
CN106414784B (zh) * 2014-03-28 2018-11-16 日新制钢株式会社 耐酸露点腐蚀性优异的钢板及制造方法以及排气流路构成部件
EP3153599B1 (en) * 2014-09-02 2019-02-20 JFE Steel Corporation Ferritic stainless steel sheet for urea-scr casing
KR101659185B1 (ko) * 2014-12-26 2016-09-23 주식회사 포스코 페라이트계 스테인리스강
CN105714208B (zh) * 2015-12-21 2017-12-29 浙江宣达特种合金流程装备股份有限公司 一种耐蚀高铬铁素体不锈钢及其制备方法与应用
JP6385507B2 (ja) * 2016-03-30 2018-09-05 日新製鋼株式会社 Nb含有フェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法
JP6274370B1 (ja) * 2016-06-27 2018-02-07 Jfeスチール株式会社 フェライト系ステンレス鋼板
CN109642297A (zh) * 2017-03-20 2019-04-16 苹果公司 钢组合物及其不锈钢的固溶渗氮
CN107475491B (zh) * 2017-06-27 2020-04-14 鹰普(中国)有限公司 一种铁素体不锈钢的热处理工艺
SI3670692T1 (sl) 2018-12-21 2022-11-30 Outokumpu Oyj, Feritno nerjavno jeklo
JP7014754B2 (ja) * 2019-07-09 2022-02-01 Jfeスチール株式会社 硫化物系固体電池の集電体用のフェライト系ステンレス鋼板

Family Cites Families (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5952226B2 (ja) 1980-04-11 1984-12-18 住友金属工業株式会社 耐銹性及び耐酸性にすぐれたフエライト系ステンレス鋼
US4360381A (en) * 1980-04-11 1982-11-23 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Ferritic stainless steel having good corrosion resistance
EP0547626B1 (en) * 1991-12-19 1997-07-23 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Exhaust manifold
JP3263469B2 (ja) * 1992-03-27 2002-03-04 日新製鋼株式会社 排ガス流路部材用フェライト系ステンレス鋼及び製造方法
JPH06228710A (ja) * 1993-01-29 1994-08-16 Nippon Steel Corp 耐食性の優れたジーゼル排気系用ステンレス鋼
JPH07188866A (ja) 1993-12-27 1995-07-25 Nkk Corp 耐硝酸腐食性に優れた高純度フェライト系ステンレス鋼
JPH08199314A (ja) * 1995-01-30 1996-08-06 Sumitomo Metal Ind Ltd フェライト系ステンレス鋼及びその製造方法
JP3064871B2 (ja) * 1995-06-22 2000-07-12 川崎製鉄株式会社 成形加工後の耐肌あれ性および高温疲労特性に優れるフェライト系ステンレス熱延鋼板
JP3422878B2 (ja) * 1995-07-28 2003-06-30 新日本製鐵株式会社 大気中での耐食性に優れたフェライト系ステンレス鋼およびその製造方法
JPH10102212A (ja) * 1996-09-30 1998-04-21 Kawasaki Steel Corp 溶接溶け込み性に優れるフェライト系ステンレス鋼板
JPH10298720A (ja) * 1997-04-24 1998-11-10 Nippon Steel Corp 深絞り成形後の耐二次加工脆性に優れた高純クロム鋼板
JP3398591B2 (ja) * 1998-03-16 2003-04-21 川崎製鉄株式会社 抗菌性に優れたステンレス鋼材およびその製造方法
JP3477113B2 (ja) * 1999-06-23 2003-12-10 新日本製鐵株式会社 深絞り成形後の耐二次加工脆性に優れた高純度フェライト系ステンレス鋼板
JP3446667B2 (ja) * 1999-07-07 2003-09-16 住友金属工業株式会社 加工性と靱性に優れたフェライト系ステンレス鋼、フェライト系ステンレス鋼鋼塊及びその製造方法
JP2001181808A (ja) * 1999-12-17 2001-07-03 Nippon Steel Corp リジング特性と深絞り性に優れたフェライト系ステンレス鋼板及びその製造方法
JP3448537B2 (ja) * 2000-03-10 2003-09-22 新日本製鐵株式会社 溶接性に優れたフェライト系ステンレス鋼
JP2001293990A (ja) * 2000-04-11 2001-10-23 Sakurai Takehisa Kenchiku Sekkei Kenkyusho:Kk 文房具ファイル
JP3448541B2 (ja) 2000-04-12 2003-09-22 新日本製鐵株式会社 延性に優れたフェライト系ステンレス鋼板
JP2002020845A (ja) * 2000-07-07 2002-01-23 Sumitomo Metal Ind Ltd 耐熱フェライト系ステンレス鋼およびそれを用いた自動車排気マニホールド
JP4562280B2 (ja) 2000-12-25 2010-10-13 日新製鋼株式会社 加工性に優れ面内異方性の小さいフェライト系ステンレス鋼及びその製造方法
DE60105955T2 (de) * 2000-12-25 2005-10-06 Nisshin Steel Co., Ltd. Ferritisches rostfreies Stahlblech mit einer guten Verarbeitbarkeit und Verfahren zu dessen Herstellung
JP2005139533A (ja) 2003-11-10 2005-06-02 Nippon Steel & Sumikin Stainless Steel Corp 肌荒れの少ないフェライト系ステンレス鋼板の成形方法
JP4974542B2 (ja) 2005-09-02 2012-07-11 日新製鋼株式会社 自動車用排ガス流路部材

Also Published As

Publication number Publication date
US20100139818A1 (en) 2010-06-10
EP2163658A4 (en) 2012-04-18
US8152937B2 (en) 2012-04-10
CN101680066A (zh) 2010-03-24
JP2009035813A (ja) 2009-02-19
ES2802413T3 (es) 2021-01-19
WO2008156195A1 (ja) 2008-12-24
EP2163658A1 (en) 2010-03-17
TW200918675A (en) 2009-05-01
CN101680066B (zh) 2011-09-28
EP2163658B1 (en) 2020-05-06
EP2163658B9 (en) 2020-10-28
TWI390048B (zh) 2013-03-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5315811B2 (ja) 耐硫酸腐食性に優れたフェライト系ステンレス鋼板
EP3124635B1 (en) Rolled ferritic stainless steel sheet, method for producing the same, and flange part
JP3886933B2 (ja) プレス成形性,二次加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼板及びその製造方法
JP5156293B2 (ja) 耐食性と加工性に優れたフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼およびその製造方法
TWI654320B (zh) 剪切端面之耐蝕性優異的肥粒鐵-沃斯田鐵系不鏽鋼板
WO2013099136A1 (ja) 高強度熱延鋼板およびその製造方法
WO2011111871A1 (ja) 耐酸化性に優れたフェライト系ステンレス鋼板並びに耐熱性に優れたフェライト系ステンレス鋼板及びその製造方法
JP2006193771A (ja) 加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法
WO2019188094A1 (ja) フェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法
EP3604596A1 (en) Ferrite-based stainless steel sheet having low specific gravity and production method therefor
WO2017002148A1 (ja) ステンレス冷延鋼板用素材およびその製造方法、ならびに冷延鋼板
CN114502760B (zh) 铁素体系不锈钢钢板及其制造方法、以及铁素体系不锈钢构件
JP6746035B1 (ja) オーステナイト系ステンレス鋼板
JP3932020B2 (ja) 深絞り性に優れ面内異方性の小さいフェライト系ステンレス鋼及びその製造方法
JP2022045505A (ja) フェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法ならびに排気部品
JP2021055141A (ja) フェライト系ステンレス鋼
JP6879877B2 (ja) 耐熱性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板及びその製造方法
JP2010137344A (ja) せん断端面の耐食性に優れるフェライト系ステンレス鋼板のせん断方法
JP6986135B2 (ja) フェライト系ステンレス鋼板、およびその製造方法ならびにフェライト系ステンレス部材
JP6895864B2 (ja) せん断加工面の耐食性に優れた二相ステンレス鋼、二相ステンレス鋼板及び二相ステンレス線状鋼材
JP5375069B2 (ja) せん断端面の耐食性に優れるフェライト系ステンレス鋼板
JP7269470B2 (ja) 二相ステンレス鋼およびその製造方法
CA3114743C (en) Hot-rolled and annealed ferritic stainless steel sheet and method for producing the same
JP2023113375A (ja) 二相ステンレス形鋼およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110421

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130409

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130515

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130611

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130624

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5315811

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250