JP2001181808A - リジング特性と深絞り性に優れたフェライト系ステンレス鋼板及びその製造方法 - Google Patents

リジング特性と深絞り性に優れたフェライト系ステンレス鋼板及びその製造方法

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JP2001181808A
JP2001181808A JP35850499A JP35850499A JP2001181808A JP 2001181808 A JP2001181808 A JP 2001181808A JP 35850499 A JP35850499 A JP 35850499A JP 35850499 A JP35850499 A JP 35850499A JP 2001181808 A JP2001181808 A JP 2001181808A
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Ken Kimura
謙 木村
Masayuki Tento
雅之 天藤
Masayuki Abe
阿部  雅之
Masao Kikuchi
正夫 菊池
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷間圧延を行うことなく、リジング特性と深
絞り性の両特性を確保するフェライト系ステンレス鋼及
びその製造方法の提供。 【解決手段】mass%で、C:0.0005〜0.08
%、Si:0.01〜1%、Mn:0.01〜2%、
P:0.04%未満、S:0.0001〜0.01%、
Cr:10〜25%、N:0.0005〜0.08%、
Mg:0.0005〜0.01%を含有し、残部が鉄及
び不可避不純物からなり、最大径が0.05〜2μmの
Mg系介在物が20個/mm2 以上の密度で鋼中に存在
し、熱延ままの状態で、板面に垂直な方向の{111}
面X線強度のランダム強度比が1以上であることを特徴
とするリジング特性と深絞り性に優れたフェライト系ス
テンレス鋼板。また、熱間圧延において圧延率80%以
上のタンデム圧延を行うことを特徴とするその製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リジング特性と深
絞り性に優れたフェライト系ステンレス鋼及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フェライト系ステンレス鋼は室内環境で
の耐食性に優れており、多くの用途に用いられている。
近年では成形加工を行う箇所にも用いられてきている。
一方、フェライト系ステンレス鋼の成形加工時の問題と
してリジングがある。リジングとは、成形加工時に認め
られる圧延方向に平行な凹凸であり、これが発生すると
表面の美麗性を損ねたり、それを回復させるための研磨
工程を困難にするという問題が生じる。リジングは一般
に成形加工度が大きいほど発生しやすい傾向にあり、成
形加工性とリジング特性の両者を満足させることがフェ
ライト系ステンレス鋼の大きな課題といえる。
【0003】リジングの成因は必ずしも明確になってい
るわけではないが、次のように考えられている。リジン
グはプレス成形や引張加工時に結晶粒毎の塑性異方性に
起因する。フェライト系ステンレス鋼の場合、α→γ完
全変態(組織が100%γ相になること)がないため、
凝固後の結晶粒が粗大である。この粗大組織は熱延中あ
るいは焼鈍での再結晶により微細で結晶粒方位が変化し
た組織となる。しかし、結晶粒の微細化や方位の変化
(ランダム化)が不十分であると、初期の粗大粒が圧延
方向に展伸した場合と類似の組織となるため、圧延方向
に平行な凹凸が生じることになる。
【0004】これまでリジング特性の改善策として、下
記のような対策がとられてきた。 凝固組織の微細化、ランダム方位化 製造工程中での粗大粒の微細化 製造工程中での粗大粒のランダム方位化 がそれである。
【0005】は、リジングの成因となる粗大粒を初期
から細かくしておく考え方に基づくものである。この具
体的対策としては特開昭50−123294号公報など
のように、粗大柱状晶の等軸微細化、方位ランダム化を
目的とした電磁攪拌、凝固核の接種、鋳造温度の低下な
どがある。
【0006】は、製造工程により、再結晶を促進さ
せ、粗大粒を破壊する考え方に基づくものである。この
具体的対策としては特開昭52−47513号公報、特
開昭52−717号公報などのように、熱間圧延条件、
焼鈍条件の適正化や冷延−焼鈍の繰り返しなどがある。
【0007】は、フェライト母相と硬度の異なる第2
相を活用して結晶粒の方位を変化させる考え方に基づく
ものである。この具体的対策としては特開平1−111
816号公報などのように、γ相あるいはマルテンサイ
ト相を活用した冷間圧延集合組織の方位ランダム化があ
る。
【0008】但し上記,の方法では次のような問題
が生じることがあった。はリジング特性には有効な方
法ではあるが、工程付加等で製造コストの増加をもたら
す。は、リジング特性には有効であるが、集合組織が
ランダムとなるために深絞り性は向上しない。なお、
は成形加工性を損なうことなくリジング特性を向上させ
る方法と考えられる。
【0009】一方、成形加工性の中でも、フェライト系
ステンレス鋼で重要視される「深絞り性」を向上させる
には、集合組織制御が必要である。手法としては下記の
方法が有効である。 Ti,Nb等の添加による固溶C,Nの低下 冷間圧延率の増加(適正化) 冷延−焼鈍の繰り返し 等が有効であるが、,の方法はリジング特性を劣化
させることになり、の方法は製造コストの増加を招く
という問題があった。
【0010】上記の中でリジング特性と深絞り性の両特
性を考慮すると、リジング特性向上には凝固組織の微細
化が最も有効である。但しこの対策のみでは深絞り性を
十分向上させることは出来ない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、製造コスト
の大幅な増加無く、リジング特性と深絞り性の両特性を
確保するフェライト系ステンレス鋼及びその製造方法を
提供することを目的としたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】発明者らは、Mg介在物
を活用した凝固組織微細化法に加えて熱間圧延条件を適
正化することにより、冷間圧延を行うことなく深絞り性
を向上させる手法を確立した。すなわち、最大径が0.
05〜2μmのMg系介在物が20個/mm2 以上存在
すれば、特定の熱延条件と組み合わせることのよりND
//{111}方位の集積度を高めることができ、冷延
することなく熱延ままの状態でリジング特性と深絞り性
の両方に優れたフェライト系ステンレス鋼板を得られる
ことを見出し、本発明に至った。
【0013】すなわち、本発明がその要旨とするところ
は以下の通りである。 (1) mass%で、 C :0.0005〜0.08%、 Si:0.01〜1%、 Mn:0.01〜2%、 P :0.04%未満、 S :0.0001〜0.01%、 Cr:10〜25%、 N :0.0005〜0.08%、 Mg:0.0005〜0.01% を含有し、残部が鉄及び不可避不純物からなり、かつ、
最大径が0.05〜2μmのMg系介在物が20個/m
2 以上の密度で鋼中に存在し、さらに、熱延ままの状
態で、板面に垂直な方向の{111}面X線強度のラン
ダム強度比が1以上であることを特徴とするリジング特
性と深絞り性に優れたフェライト系ステンレス鋼板。 (2) mass%で、 Al:0.002〜0.2% B :0.0005〜0.005%、 Nb:0.03〜0.8%、 Ti:0.03〜0.8%、 Zr:0.03〜0.8%の1種もしくは2種以上をさらに含有することを特 徴とする前記(1)に記載のリジング特性と深絞り性に優れたフェライト系ステ ンレス鋼板。 (3) mass%で、 Mo:0.1〜2%、 Ni:0.1〜2%、 Cu:0.1〜2%の1種もしくは2種以上をさらに含有することを特徴とす る前記(1)または(2)に記載のリジング特性と深絞り性に優れたフェライト 系ステンレス鋼板。
【0014】(4) 前記(1)〜(3)のいずれか1
項に記載のフェライト系ステンレス鋼板を製造する熱間
圧延において、圧延率80%以上のタンデム圧延を行う
ことを特徴とするリジング特性と深絞り性に優れたフェ
ライト系ステンレス鋼板の製造方法。 (5) タンデム圧延前の平均結晶粒径を500μm以
下とすることをを特徴とする前記(4)に記載のリジン
グ特性と深絞り性に優れたフェライト系ステンレス鋼板
の製造方法。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に説明す
る。発明者らは、実験室の溶解炉を用いてMg系介在物
密度を変化させた様々な鋼種のフェライト系ステンレス
鋼を溶製、熱間圧延し、必要に応じその後焼鈍した鋼板
について、リジング性、深絞り性の両特性と熱間圧延条
件やMg介在物分布との関係を調査した。
【0016】通常、熱延及び熱延焼鈍板では深絞り性の
指標であるr値(ランクフォード値)が低い。その原因
はr値向上に有効なND//{111}方位の集積度を
X線強度のランダム強度比で1以上に高めることが出来
ないためである。通常の熱延板ではND//{100}
が極めて強い集合組織となり、ND//{111}方位
の集積度は0.6以下であり、このために熱延板及び熱
延焼鈍板のr値は低く、加工用途には用いることができ
ない。
【0017】なお、NDとは、板面に垂直な方向(Norm
al Direction)を示す。X線強度のランダム強度比と
は、鋼板のX線解析によって測定される結晶方位の集積
度を表す指標であり、完全にランダムな方位の場合を1
として、ランダムに対しての強度比を示したものであ
る。深絞り性の指標であるr値は上記のようにND//
{111}方位の集積度に大きく依存するため、ランダ
ム方位試料を基準としたX線回折を用いた集合組織解析
によってND//{111}方位のランダム強度比を求
める。
【0018】発明者らは、ND//{111}強度比
は、介在物分布と熱延条件によっては1を超える場合が
あり、そのときには熱間圧延後に冷間圧延を行わなくと
もリジング特性と深絞り性の双方に優れたフェライト系
ステンレス鋼板が得られるという知見を得た。このとき
の介在物分布とは、最大径が0.05〜2μmのMg系
介在物が20個/mm2 以上存在する場合であり、介在
物の分散によってリジング特性を改善するだけでなく、
特定の熱延条件と組み合わせることによりND//{1
11}方位の集積度を高めることができる。
【0019】熱延条件では、特に効果が大きい因子はタ
ンデム圧延の圧下率であった。タンデム圧延で圧下率を
80%以上、好ましくは90%以上とすることでND/
/{111}強度は増加する。さらにタンデム圧延前の
平均結晶粒径を500μm以下とした場合には著しく深
絞り性が向上する。
【0020】本発明におけるの限定理由についてさらに
詳しく述べる。なお、下記の説明における%とはmas
s%を示すものである。 C,N:C,Nを多量に添加すると深絞り性が低下する
ため、それぞれ上限は0.08%とした。一方、下限は
精錬段階でのコストを考慮した場合には0.0005%
である。厳しい加工を施す場合には、C,N共に0.0
005〜0.015%とすることが好ましい。
【0021】Si:Siは脱酸元素として必要である
が、多量の添加により加工性が低下する。従って上限は
1%とした。下限は脱酸効果を得るために0.01%と
した。
【0022】Mn:Mnは多量の添加により加工性を低
下させる為、上限を2%とした。下限は製造性の観点よ
り0.01%とした。
【0023】P:Pは加工性の点からは低い方が好まし
く、0.04%未満とする必要がある。下限は原料コス
トの点から0.005%程度が望ましい。
【0024】S:Sは多量に添加すると耐食性、加工性
が低下するため、上限は0.01%とした。下限は近年
の脱硫技術で極低化が可能であるので0.0001%と
した。 Cr:Crは10%未満ではステンレス鋼としての耐食
性が不十分であり、25%を超えると靱性が低下する場
合があるため、10〜25%を範囲とした。また、Cr
量が多くなると加工性が低下するため、加工用途として
は10〜19%が好ましい。
【0025】Mg:Mgは本発明の課題であるリジング
特性を向上させる重要な元素である。凝固組織微細化効
果を発揮するのは0.0005%でありこれを下限とし
た。また多量に添加してもその効果は飽和するため、
0.010%を上限とした。なお、Mg系介在物とはM
gを含有する化合物であり、MgAl2 4 等の酸化物
(複合酸化物)やMgS等の硫化物を示す。
【0026】以上が本発明の基本成分であるが、必要に
応じ以下の成分を含有させることができる。 Al:Alは加工性を向上する元素であるが、その効果
がある範囲として上限は0.2%とした。一方、Al量
の低減により脱酸が困難になるため、下限は0.002
%とした。
【0027】B,Nb,Ti,Zr:これらは加工性を
向上する元素であり、必要に応じてB,Nb,Ti,Z
rのうち1種もしくは2種以上を組み合わせて添加す
る。 B:0.0005%、Nb,Ti,Zr:0.03%以
上添加することで効果が現れる。しかしB:0.005
%、Nb,Ti,Zr:0.8%超添加してもその効果
は飽和し、工程キズ増加をもたらすため、それらを上限
とした。
【0028】Mo,Ni,Cu:これらは耐食性を向上
する元素であり、耐食性が問題となる用途ではMo,N
i,Cuのうち1種又は2種以上を組み合わせて添加す
る。それぞれ0.1%以上添加することにより効果が現
れる。しかし、材料の硬化をもたらすため上限はいずれ
も2%である。
【0029】さらに本発明では、最大径が0.05〜2
μmのMg系介在物が20個/mm 2 以上の密度で存在
することを特徴とする。Mg系介在物は凝固時のフェラ
イト相の核として作用すると考えられる。Mg系介在物
の最大径は0.05〜2μmのサイズが必要であり、こ
れより細かいと凝固組織微細化の効果が小さく、これよ
り大きいと圧延キズを発生し易くなる。最大径とは介在
物で最も直線距離で長い径を指す。
【0030】分布密度は20個/mm2 以上が必要であ
る。これより少ないと凝固組織微細化効果が低減する。
上限は特に定めない。Mg系介在物のサイズは、鋼塊及
び鋼板の任意の断面において介在物の抽出レプリカある
いは薄膜を作成し、電子顕微鏡で調査する方法がよい。
分布は前述のごとく電子顕微鏡、あるいはEPMAを用
いて調査する方法がよい。
【0031】さらに本発明では、上記条件を満たすフェ
ライト系ステンレス鋼を特定の条件で熱間圧延すること
により、板面に垂直な方向の{111}面X線強度のラ
ンダム強度比を1以上にすることを特徴とする。このこ
とによって冷間圧延を行わなくても、すなわち熱延まま
にて深絞り性が確保できる。
【0032】その具体的な製造方法は、熱間圧延で圧延
率80%以上のタンデム圧延を行うことを特徴とする。
タンデム圧延とは2台以上の圧延機を直線的に並べて、
連続してリバースすることなく行う圧延である。圧延率
Rは圧延前の板厚L0 、圧延後の板厚L1 としたとき
に、R={1−(L1 /L0 )}×100で計算すれば
よい。圧延率は90%以上とするのが深絞り性は向上す
るので好ましい。
【0033】さらに、タンデム圧延前の平均結晶粒径を
500μm以下とすることで深絞り性はさらに向上す
る。この原因は、タンデム圧延前の粒径が細かい方が圧
延後あるいは圧延中の再結晶が進行しやすく、深絞り性
に有利な集合組織が発達するためと考えられる。タンデ
ム圧延前の平均結晶粒径を500μm以下とするには、
鋳造組織の微細化とタンデム圧延以前の圧延を適正化す
ればよい。なお、平均結晶粒径の測定はJISに基づく
手法で行えばよい。
【0034】上記のような方法で十分深絞り性は確保で
きるので、冷間圧延は行う必要がない。熱間圧延後はそ
のままでも良いし、焼鈍しても良い。また、本発明の効
果はその後の酸洗の有無に影響されない。
【0035】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。 (実施例1)表1に示すフェライト系ステンレス鋼を溶
製し、鋼塊の任意断面でのMg系介在物密度を調査し
た。さらにこれらの鋼塊を熱間圧延後、一部を焼鈍し
た。熱延板、熱延焼鈍板の板厚中心部のX線解析を行い
{111}面X線強度のランダム強度比を調査すると共
にリジング特性調査、深絞り性の指標であるr値調査を
行った。リジング特性は引張試験片を作成して15%引
っ張った後の表面凹凸を目視評価した。リジングの評点
は、1:リジングが全くなし、2:目視では無いが粗度
を測定すると若干凹凸がある、3:目視で認められる、
4:目視で著しく激しい凹凸が認められる、である。r
値は圧延方向に平行方向、45°方向、垂直方向に引張
試験片を採取し、15%引張後のr値から平均r値を求
めた。結果を表2に示す。本発明鋼はリジング特性、r
値のいずれも比較鋼に比べて優れている。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】(実施例2)表1に示すフェライト系ステ
ンレス鋼のうち鋼種名B,E,I,J,Mについて熱間
圧延後、一部を焼鈍した。この際、熱間圧延でのタンデ
ム圧延の圧延率を変化させた。熱延板、熱延焼鈍板の板
厚中心部のX線解析を行い{111}面X線強度のラン
ダム強度比を調査すると共にリジング特性調査、深絞り
性の指標であるr値調査を行った。結果を表3に示す。
タンデム圧延率80%以上にすることではリジング特
性、r値のいずれも比較法に比べて優れている。さらに
圧延率90%以上にすることで深絞り性(r値)は向上
する。
【0039】
【表3】
【0040】(実施例3)表1に示すフェライト系ステ
ンレス鋼のうち鋼種名B,E,I,J,Mについて粗圧
延の温度、圧下率を調整して平均結晶粒径を変化させた
後、圧延率80及び90%のタンデム圧延に供した。熱
間圧延後、一部を焼鈍した。熱延板、熱延焼鈍板の板厚
中心部のX線解析を行い{111}面X線強度のランダ
ム強度比を調査すると共にリジング特性調査、深絞り性
の指標であるr値調査を行った。結果を表4に示す。タ
ンデム圧延率80%以上にすることではリジング特性、
r値のいずれも比較法に比べて優れている。さらに圧延
率90%以上にすることで深絞り性(r値)は向上す
る。
【0041】
【表4】
【0042】
【発明の効果】本発明は、冷間圧延を行うことなく深絞
り性とリジング特性の両特性を確保するフェライト系ス
テンレス鋼及びその製造方法を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿部 雅之 北九州市戸畑区飛幡町1−1 新日本製鐵 株式会社八幡製鐵所内 (72)発明者 菊池 正夫 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内 Fターム(参考) 4K032 AA00 AA01 AA02 AA04 AA13 AA14 AA15 AA16 AA19 AA20 AA21 AA22 AA23 AA24 AA27 AA29 AA31 AA35 AA39 BA01 CB02 4K037 EA00 EA01 EA02 EA04 EA05 EA12 EA13 EA15 EA17 EA18 EA19 EA20 EA23 EA25 EA27 EA31 EA35 EB02 EB06 EB07 EB08 EB09 FF05 HA06 JA06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 mass%で、 C :0.0005〜0.08%、 Si:0.01〜1%、 Mn:0.01〜2%、 P :0.04%未満、 S :0.0001〜0.01%、 Cr:10〜25%、 N :0.0005〜0.08%、 Mg:0.0005〜0.01%を含有し、残部が鉄及
    び不可避不純物からなり、かつ、最大径が0.05〜2
    μmのMg系介在物が20個/mm2 以上の密度で鋼中
    に存在し、さらに、熱延ままの状態で、板面に垂直な方
    向の{111}面X線強度のランダム強度比が1以上で
    あることを特徴とするリジング特性と深絞り性に優れた
    フェライト系ステンレス鋼板。
  2. 【請求項2】 mass%で、 Al:0.002〜0.2% B :0.0005〜0.005%、 Nb:0.03〜0.8%、 Ti:0.03〜0.8%、 Zr:0.03〜0.8%の1種もしくは2種以上をさ
    らに含有することを特徴とする請求項1に記載のリジン
    グ特性と深絞り性に優れたフェライト系ステンレス鋼
    板。
  3. 【請求項3】 mass%で、 Mo:0.1〜2%、 Ni:0.1〜2%、 Cu:0.1〜2%の1種もしくは2種以上をさらに含
    有することを特徴とする請求項1または2に記載のリジ
    ング特性と深絞り性に優れたフェライト系ステンレス鋼
    板。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の
    フェライト系ステンレス鋼板を製造する熱間圧延におい
    て、圧延率80%以上のタンデム圧延を行うことを特徴
    とするリジング特性と深絞り性に優れたフェライト系ス
    テンレス鋼板の製造方法。
  5. 【請求項5】 タンデム圧延前の平均結晶粒径を500
    μm以下とすることをを特徴とする請求項4に記載のリ
    ジング特性と深絞り性に優れたフェライト系ステンレス
    鋼板の製造方法。
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