JP2001089814A - 延性、加工性および耐リジング性に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法 - Google Patents

延性、加工性および耐リジング性に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法

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JP2001089814A
JP2001089814A JP26859199A JP26859199A JP2001089814A JP 2001089814 A JP2001089814 A JP 2001089814A JP 26859199 A JP26859199 A JP 26859199A JP 26859199 A JP26859199 A JP 26859199A JP 2001089814 A JP2001089814 A JP 2001089814A
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Hiroki Ota
裕樹 太田
Yasushi Kato
康 加藤
Takumi Ugi
工 宇城
Susumu Sato
佐藤  進
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた延性、加工性、耐リジング性を併せ有
し、さらにプレス成形性および表面品質に優れた加工用
フェライト系ステンレス鋼板の製造方法を提案する。 【解決手段】 mass%で、C:0.01〜0.12%、N:0.01
〜0.12%、Cr:11〜18%を含み、かつAl:0.04〜0.30%
を含有する鋼素材を、熱間圧延により熱延板としたの
ち、熱延板焼鈍に、冷間または温間で圧下率:2〜15%
の圧延を行う予備圧延工程を施す。熱間圧延の仕上げ温
度を850 ℃以下とすることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の外装材、
厨房器具、化学プラント、貯水槽、自動車用耐熱部材等
の使途に好適なフェライト系ステンレス鋼板の製造方法
に係り、とくに、延性、加工性および耐リジング性の改
善に関する。なお、本発明でいう鋼板は、鋼板、鋼帯を
含むものとする。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼板は、表面が美麗で耐食性
が優れているため、建築物の外装材、厨房器具、化学プ
ラント、貯水槽などの使途に幅広く使用されている。と
くに、オーステナイト系ステンレス鋼板は、延性に優
れ、リジングの発生もなくプレス成形性に優れているこ
とから、上記した用途に幅広く用いられてきた。
【0003】一方、フェライト系ステンレス鋼板は、鋼
の高純度化技術の進歩により、成形性が改善され、最近
では、SUS 304 、SUS 316 などのオーステナイト系ステ
ンレス鋼板に代わり上記した用途への適用が検討されて
いる。これは、フェライト系ステンレス鋼が有する特
徴、例えば、熱膨張係数が小さく、応力腐食割れ感受性
が小さく、しかも高価なNiを含まないため安価である、
といった長所が広く知られるようになってきたからであ
る。
【0004】しかし、成形加工品への適用を考えた場
合、このフェライト系ステンレス鋼板は、オーステナイ
ト系ステンレス鋼板に比べて延性に乏しく、また、リジ
ングと呼ばれる加工品表面での凹凸が生じるため、成形
加工品の美観を損ね、表面研磨の負荷を増大させるとい
う問題があった。このため、フェライト系ステンレス鋼
板の一層の用途拡大のために、延性、加工性の向上と耐
リジング性の改善が要求されていた。
【0005】このような要求に対し、例えば、特開昭52
-24913号公報には、重量%で、C:0.03〜0.08%、N:
0.01%以下、Al:2×N%以上0.2 %以下を含有させた
加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼が提案されて
いる。特開昭52-24913号公報に記載された技術では、
C、N含有量を低減し、さらにAlをN含有量の2倍以上
添加することにより、固溶N量が低減し、さらに結晶粒
の微細化が図れ、延性、耐リジング性、二次加工性が向
上するとしている。
【0006】また、特開昭54-112319 号公報には、重量
%で、(C+N):0.02〜0.06%、Zr:0.2 〜0.6 %を
含有し、Zr:10(C+N)±0.15%とし、延性、r値を
向上させたプレス成形性に優れた耐熱フェライト系ステ
ンレス鋼が提案されている。また、特開昭57-70223号公
報には、重量%で、sol Al:0.08〜0.5 %、およびB、
Ti、Nb、V、Zrの1種または2種以上を含有するフェラ
イト系ステンレス鋼スラブを熱間圧延したのち、冷間圧
延し、ついで最終焼鈍する加工性に優れたフェライト系
ステンレス薄鋼板の製造方法が提案されている。
【0007】しかしながら、特開昭52-24913号公報、特
開昭54-112319 号公報、特開昭57-70223号公報に記載さ
れた技術では、加工性には大きな改善が認められるもの
の、耐リジング性の点ではまだ十分でなく、プレス成形
などの加工を施す場合には、美観向上のための研磨を必
要とし、研磨負荷が増大しコストが上昇するという問題
があった。
【0008】一方、耐リジング性の改善については、例
えば、特開昭51-123720 号公報には、熱間圧延後、450
〜700 ℃の温度域で15%以上の圧下率で圧延を施しさら
に焼鈍、冷間圧延および最終焼鈍を施すリジング発生の
少ないフェライト系ステンレス鋼板の製造法が開示され
ている。また、特開昭53-40625号公報には、重量%で、
Al:0.01%以上でかつAl/N:2以上となるようにAlを含
有せしめた熱間圧延後のステンレス鋼板に900 ℃以上の
温度で連続焼鈍を施す耐リジング性に優れたフェライト
系ステンレス鋼板の製造方法が開示されている。
【0009】また、特開平1-111816 号公報には、仕上
げ温度850 ℃以上で熱間圧延し、圧延終了後直ちに10℃
/s 以上で急冷し、550 ℃以下の温度で巻き取り、つい
で、累積圧下率50%以上の冷間圧延を施したのち焼鈍す
る耐リジング性に優れたフェライト系ステンレス冷延鋼
板の製造方法が開示されている。また、特開平2-17092
3 号公報には、クロムを13.0〜20.0wt%含有するクロム
系ステンレス鋼片を熱間圧延して得た熱延板に圧下率2
〜30%の予備的な冷間圧延を施し、その後連続焼鈍と、
脱スケール、冷間圧延、および仕上げ焼鈍を施す耐リジ
ング性およびプレス加工性に優れたクロム系ステンレス
鋼冷延板の製造方法が開示されている。特開平2-17092
3 号公報に記載された方法では、焼鈍前に冷間圧延によ
る強圧下を加え、焼鈍時の再結晶挙動を促進させ、加工
性および耐リジング性を改善するとしている。
【0010】また、特開平9-111354 号公報には、重量
%で、C:0.02〜0.05%、N:0.02〜0.05%、Cr:15〜
18%、Al:0.10〜0.30%を含む鋼片に、最終パス出側温
度:950 ℃以上の熱間圧延を施し、ついで冷却速度:20
〜80℃/sで500 〜650 ℃まで冷却し、フェライト+マ
ルテンサイトの複合組織を有する熱延板とし、ついで、
850 〜980 ℃の温度範囲で180 〜300 sec の焼鈍を行
い、ついで15℃/s以上の冷却速度で急冷し、ついで冷
間圧延そして仕上げ焼鈍を施す、耐リジング性、プレス
成形性に優れ、表面性状の良好なフェライト系ステンレ
ス鋼板の製造方法が開示されている。
【0011】また、特開平10-53817号公報には、重量
%、Cr:11〜25%、C:0.005 %以下、N:0.008 〜0.
03%を含有し、Tiを、Ti/48が(C/12+N/14)〜5
(C/12+N/14)の範囲に含有するフェライト系ステ
ンレス鋼スラブを、1100〜950℃の温度域での1パスあ
るいは2パス以上の合計圧下率が50%以上、かつ終了温
度:950 ℃以上とする粗圧延を行い、粗圧延後10sec 以
上後に、最終2パスの合計圧下率:40%以上、仕上げ温
度:850 ℃以上の仕上げ圧延を行い、圧延直後から5se
c 間の平均冷却速度を25℃/s以下とする耐ローピング
性、耐リジング性および成形性に優れたフェライト系ス
テンレス鋼板の製造方法が開示されている。特開平10-5
3817号公報に記載された技術では、熱間圧延における強
圧下が耐リジング性改善に効果があるとしている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
51-123720 号公報、特開昭53-40625号公報、特開平1-1
11816 号公報、特開平2-170923 号公報、特開平9-111
354 号公報、特開平10-53817号公報等に記載された従来
技術で製造された鋼板を素材として、プレス成形や深絞
り加工により成形すると、素材の降伏点伸びに起因した
表面起伏が成形品表面に発生する場合が多い。このよう
な表面起伏が存在すると、表面外観が劣化するため、表
面の研磨を必要とし、成形加工後の研磨負荷が生ずると
いう問題があった。このような表面起伏を低減するため
には、冷延焼鈍後に調質圧延を行うことが必要とされ、
とくに降伏点伸びの大きい鋼板では調質圧延の圧下率を
大きくする必要がある。このことは、生産性の低下や生
産コストの増大をもたらす。また、上記した従来技術で
製造された鋼板はいずれも、現状の要求値を満足させる
に足る、十分な加工性、耐リジング性を有していないと
いうのが実状である。このようなことから、加工性、耐
リジング性の更なる向上と成形後の表面品質の更なる改
善が望まれていた。
【0013】本発明は、上記した従来技術の問題を解決
し、優れた延性、加工性、耐リジング性を併せ有し、さ
らにプレス成形性および表面品質に優れた加工用フェラ
イト系ステンレス鋼板の製造方法を提案することを目的
とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
課題を達成するべく種々検討を重ねた結果、化学成分を
調整し、熱間圧延後に、熱延板焼鈍に先立ち、温間また
は冷間で比較的低い圧延歪を付与することにより、降伏
点伸びが著しく減少するとともに、延性、加工性、耐リ
ジング性がともに向上することを見いだした。また、さ
らに熱間圧延の仕上げ温度を850 ℃以下の低温とするこ
とにより、r値がさらに向上することを見いだした。
【0015】まず、本発明の基礎となった実験結果につ
いて説明する。0.052wt %C−0.0119wt%N−0.57wt%
Si−0.15wt%Mn−16.21 wt%Cr−0.12wt%Ni−0.132 wt
%Alを含有する組成のフェライト系ステンレス熱延鋼板
に、0〜20%の圧下率の冷間圧延を施したのち、連続焼
鈍による1000℃×1 min の熱延板焼鈍を施し、さらに熱
間圧延後の熱延板への総圧下率が75%となるように冷間
圧延を施したのち、連続焼鈍で830 ℃で30sec 保持する
仕上げ焼鈍を行いフェライト系ステンレス冷延鋼板とし
た。これらフェライト系ステンレス冷延鋼板について、
圧延方向での降伏点伸びYEl、平均伸びElmean、平均
r値(ランクフォード値)、およびリジンググレードの
変化を調査した。その結果を図1に示す。
【0016】図1から、熱延板焼鈍前に、圧下率2〜15
%の冷間圧延を施すことにより、降伏伸びYEl:0.70
%以下、伸びElmean:32%以上、r値:1.3 以上、リ
ジンググレード:A(うねり高さ5μm 以下)と、降伏
点伸びYElが低減し、平均伸びElmean、平均r値、お
よび耐リジング性がともに向上することがわかる。本発
明者らが行った他の実験により、このような顕著な特性
の改善は、熱延板焼鈍前の歪付加に加えて、化学成分の
うち、Alを0.04〜0.30mass%に調整した結果であるとい
う知見を得ている。
【0017】また、本発明者らは、更なる加工性の向上
のために、熱間圧延における仕上げ温度のr値への影響
を調査した。0.052wt%C−0.0119wt%N−0.57wt%Si
−0.15wt%Mn−16.21 wt%Cr−0.12wt%Ni−0.132 wt%
Alを含有する組成の鋼素材を、1000〜750 ℃の間の仕上
げ温度(FDT)となるように熱間圧延して熱延板と
し、その後、圧下率3%の冷間圧延を施したのち、連続
焼鈍による1000℃×1 min の熱延板焼鈍を施し、さらに
熱間圧延後の総圧下率が75%となるように冷間圧延を施
したのち、連続焼鈍で、830 ℃で30sec 保持する仕上げ
焼鈍を行った。これらフェライト系ステンレス冷延鋼板
について、平均r値を調査した。その結果を図2に示
す。
【0018】図2から、FDTを850 ℃以下とすること
により、r値がさらに0.15以上向上し、加工性がさらに
向上するという知見を得た。本発明は、上記した知見に
基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。す
なわち、本発明は、mass%で、C:0.01〜0.12%、N:
0.01〜0.12%、Cr:11〜18%を含み、かつAl:0.04〜0.
30%を含有する鋼素材を、熱間圧延により熱延板とする
熱延工程と、該熱延板を焼鈍する熱延板焼鈍工程と、前
記熱延板焼鈍工程を経た熱延板を冷間圧延し冷延板とす
る冷延工程と、該冷延板を仕上げ焼鈍する仕上げ焼鈍工
程とを有するフェライト系ステンレス鋼板の製造方法に
おいて、前記熱延工程後で前記熱延板焼鈍工程前に、冷
間または温間で圧下率:2〜15%の圧延を行う予備圧延
工程を施すことを特徴とする延性、加工性および耐リジ
ング性に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法
であり、また、本発明では、前記熱延工程における熱間
圧延の仕上げ温度を850 ℃以下とすることが好ましい。
【0019】また、本発明では、前記鋼素材は、mass%
で、C:0.01〜0.12%、N:0.01〜0.12%、Cr:11〜18
%、かつAl:0.04〜0.30%を含み、さらに、Si:1.0 %
以下、Mn:1.0 %以下を含有し、残部Feおよび不可避的
不純物からなる組成を有する鋼素材とするのが好まし
い。また、本発明では、不可避的不純物としては、mass
%で、Ni:1.0 %以下、V:0.15%以下、P:0.05%以
下、S:0.01%以下が許容される。また、本発明では、
上記した組成に加えて、さらにmass%で、B:0.0002〜
0.0050%、Ca:0.0005〜0.010 %、Mg:0.0002〜0.0050
%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有するこ
とが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】まず、本発明で使用される鋼素材
の組成限定理由について説明する。 C:0.01〜0.12% 本発明では、Cは、延性向上のために可能なかぎり低減
するのが好ましい。しかし、C含有量を低減しすぎると
耐リジング性が劣化し、プレス成形等の加工に際し加工
部に凹凸を生じ、製品の美観が損なわれる。このため、
C含有量の下限を0.01%とした。一方、0.12%を超えて
過剰に含有すると、延性が低下するうえ、発錆の起点と
なる脱Cr層や、粗大な析出物、介在物が増加する。この
ため、C含有量の上限を0.12%とした。
【0021】N:0.01〜0.12% Nは、Cと同様に延性向上のため可能なかぎり低減する
のが好ましい。しかし、N含有量を低減しすぎると耐リ
ジング性が劣化し、プレス成形等の加工に際し加工部に
凹凸を生じ、製品の美観が損なわれる。このため、N含
有量の下限を0.01%とした。一方、0.12%を超えて過剰
に含有すると、延性が低下するうえ、発錆の起点となる
脱Cr層や、粗大な析出物、介在物が増加する。このた
め、N含有量の上限を0.12%とした。
【0022】Cr:11〜18% Crは、耐食性を向上させるうえで有効な元素であり、種
々の腐食環境下で耐食性を有するためには少なくとも11
%の含有が必要である。一方、18%を超えて含有する
と、加工性が低下する。このため、Crは11〜18%の範囲
に限定した。 Al:0.04〜0.30% Alは、脱酸剤として作用するとともに、鋼中のNと結合
して固溶N量を低減させることにより降伏点伸びを低減
させる重要な元素である。このような効果は0.04%未満
では認められない。また、一方、0.30%を超える含有
は、酸化物等の介在物起因の表面欠陥が多発する。この
ため、Alは0.04〜0.30%の範囲に限定した。なお、好ま
しくは、0.04〜0.20%である。
【0023】Si:1.0 %以下 Siは、脱酸剤として作用する元素であるが、多量に含有
すると延性、冷間加工性の低下を伴う。このため、Siは
1.0 %以下とするのが好ましい。なお、より好ましく
は、0.03〜0.60%である。 Mn:1.0 %以下 Mnは、Sと結合し、固溶Sを低減することによりSの粒
界偏析を抑制し、熱間圧延時の割れを防止する有効な元
素であるが、過剰の含有は冷間加工性、耐食性の低下を
招く。このため、Mnは1.0 %以下に限定するのが好まし
い。なお、より好ましくは0.05〜0.8 %である。
【0024】Ni:1.0 %以下 Niは、耐食性を向上させる元素であるが、多量の含有は
冷間加工性を低下させる。本発明では、Niは不可避的に
含有される元素であるが、必要に応じ添加する場合で
も、1.0 %以下に限定するのが好ましい。なお、加工性
の観点から、Niは0.7 %以下とするのがより好ましい。
【0025】V:0.15%以下 Vは、C、Nと結合し炭化物、窒化物を形成し結晶粒の
粗大化を抑制する効果を有する元素であるが、多量の含
有は冷間加工性を低下させる。本発明では、Vは不可避
的に含有される元素であるが、必要に応じ添加する場合
でも、0.15%以下に限定するのが好ましい。なお、添加
する場合には0.01〜0.15%とするのがより好ましい。
【0026】P:0.05%以下 Pは、熱間加工性を劣化させ、また食孔を発生させる元
素であり、できるだけ低減するのが好ましい。0.05%ま
では、その悪影響が顕著とならないため、0.05%までは
許容できる。 S:0.01%以下 Sは、硫化物を形成し鋼の清浄度を低下させるととも
に、MnS として発錆の起点となり、さらに結晶粒界に偏
析し粒界脆化を促進する元素であり、できるだけ低減す
るのが好ましい。0.01%までは、その悪影響が顕著とな
らず、許容できる。
【0027】B:0.0002〜0.0050%、Ca:0.0005〜0.01
0 %、Mg:0.0002〜0.0050%のうちから選ばれた1種ま
たは2種以上 B、Ca、Mgは、いずれも加工性を向上させる作用を有
し、必要に応じ選択し、単独または複合して含有でき
る。Bは、耐2次加工脆性の改善を通して、加工性を向
上させるが、0.0002%未満では効果が認められない。一
方、0.0050%を超えて含有すると、加工性が却って低下
する。このため、Bは0.0002〜0.0050%の範囲に限定す
るのが好ましい。Caは、介在物の形態制御を通して加工
性を向上させるが、0.0005%未満では効果が認められな
い。一方、0.010 %を超えて含有すると、酸化物起因の
表面欠陥が多発し表面品質が低下する。このため、Caは
0.0005〜0.010 %の範囲に限定するのが好ましい。ま
た、Mgは、熱間加工性を向上させる作用を有するが、0.
0002%以上の含有でその効果が認められる。一方、0.00
50%を超えて含有すると、表面品質が低下する。このた
め、Mgは、0.0002〜0.0050%の範囲に限定するのが好ま
しい。
【0028】つぎに、上記した組成の鋼素材を用いて、
フェライト系ステンレス鋼板を得る製造方法について説
明する。まず、上記した組成の溶鋼を、転炉または電気
炉等の通常公知の溶製炉で溶製したのち、さらに真空脱
ガス(RH法)、VOD法、AOD法等の公知の精錬方
法で精錬し、ついで連続鋳造法、あるいは造塊法でスラ
ブ等に鋳造し、鋼素材とするのが好適である。
【0029】鋼素材は、ついで加熱され、熱間圧延によ
り熱延板とする熱延工程と、熱延板に冷間または温間で
圧延歪を付与する圧延を行う予備圧延工程と、予備圧延
工程を経た熱延板を焼鈍する熱延板焼鈍工程と、熱延板
焼鈍工程を経た熱延板を冷間圧延し冷延板とする冷延工
程と、冷延板を仕上げ焼鈍する仕上げ焼鈍工程とを順次
施される。
【0030】本発明の熱延工程では、所望の板厚の熱延
板とすることができればよく、熱間圧延条件はとくに限
定されないが、加工性の改善を要求される場合には、熱
間圧延の仕上げ温度を850 ℃以下とするのが好ましい。
熱間圧延の仕上げ温度が850℃を超えると、r値の顕著
な向上は見られない。得られた熱延板は、酸洗等の脱ス
ケール処理を施され、ついで熱延板焼鈍を施される前
に、予備圧延工程を施される。
【0031】予備圧延工程では、冷間または温間で圧下
率:2〜15%の圧延を行う。この圧延により、圧延歪が
導入され、その後の熱延板焼鈍、冷間圧延、冷延板焼鈍
との組合せにより、伸び、r値、耐リジング性がともに
向上する。圧下率が2%未満では、伸び、r値、耐リジ
ング性の向上が少なく、一方、15%を超えると伸び、r
値、耐リジング性がともに劣化する。このため、予備圧
延工程における圧下率は2〜15%の範囲に限定した。予
備圧延工程における圧延は、冷間あるいは450℃未満の
温間域で行う。圧延温度が450 ℃以上では圧延により導
入された圧延歪が回復し、予備圧延の効果が減少する。
【0032】なお、予備圧延は、熱延工程の終了後、熱
延板焼鈍工程前までの間に行えばよく、例えば、熱間圧
延後にコイルが450 ℃未満〜室温まで冷却される間に、
コイルがまだ室温より高温のうちに圧延してもよい。予
備圧延された熱延板はついで、熱延板焼鈍工程で焼鈍を
施される。熱延板焼鈍工程における焼鈍は、700 ℃以上
の温度で行う。なお、750 〜950 ℃の温度範囲で行うの
が延性改善の点からより好ましい。焼鈍方法はとくに限
定されず、箱焼鈍、あるいは連続焼鈍のいずれでもよ
い。
【0033】熱延板焼鈍工程を経た熱延板は、脱スケー
ル処理を行ったのち冷延工程で冷間圧延により冷延板と
される。冷延工程での冷間圧延では、圧下率を30%以上
とするのが好ましい。なお、より好ましくは50〜95%で
ある。圧下率が30%未満では、r値、耐リジング性が不
足する場合がある。
【0034】冷延工程ののち、仕上げ焼鈍工程で、冷延
板は仕上げ焼鈍を施される。仕上げ焼鈍は、加工性向上
のため、再結晶が生じる600 ℃以上の温度で行うのが好
ましい。なお、仕上げ焼鈍のより好ましい温度範囲は70
0 〜1000℃である。仕上げ焼鈍は、生産性を考慮して連
続焼鈍とするのが好ましい。また、本発明では、冷延工
程と仕上げ焼鈍工程を2回以上繰り返してもよい。冷延
工程と仕上げ焼鈍工程を繰り返すことにより、伸び、r
値、耐リジング性がより向上する。
【0035】また、冷延板の仕上げは、用途に応じ、2
D仕上げ、2B仕上げ、BA仕上げ等の各種仕上げとす
ることができることはいうまでもない。
【0036】
【実施例】表1に示す組成の溶鋼を、転炉−2次精錬工
程で溶製し、連続鋳造法でスラブとした。これらスラブ
を再加熱後、熱間圧延の仕上げ温度が1000〜750 ℃とな
る熱延工程により、3.2 〜4.0 mm厚の熱延板とした。つ
いで、これら熱延板を酸洗後、予備圧延工程と、熱延板
焼鈍工程と、酸洗工程と、冷延工程と、仕上げ焼鈍工程
を順次施し板厚0.8mm の冷延焼鈍板とした。熱間圧延の
仕上げ温度条件、予備圧延工程の圧延条件、熱延板焼鈍
条件は表2に示す。なお、熱延板焼鈍条件は、1000℃×
3sec の連続焼鈍、あるいは820 ℃×3hr保持の箱焼鈍
の2種とした。因みに箱焼鈍における加熱速度は11℃/
h、冷却速度は6℃/hであり、一方、連続焼鈍におけ
る加熱速度は6℃/sとした。なお、連続焼鈍における
冷却は、炉外で放冷(冷却速度:数十℃/s)とした。
【0037】冷延工程では、冷延圧下率を調整し板厚0.
8mm の冷延板とした。なお、熱延後の総圧下率は75〜80
%であった。また、仕上げ焼鈍工程における焼鈍は、連
続焼鈍とし、830 ℃で30sec 保持とした。得られた冷延
焼鈍板から試験片を採取し、引張試験を実施し、降伏点
伸びYEl、伸びEl、r値、リジンググレードを測定し
た。伸びEl、r値、リジンググレードの測定方法はつ
ぎのとおりである。 (1)伸び 各冷延焼鈍板の各方向(圧延方向、圧延方向に対し45°
方向、圧延方向に対し直角方向)からJIS 13号B試験片
を採取し、引張試験を実施し、各方向の伸びEl(E
l0 、El45、El90)を測定した。各方向の伸びElから
次式により平均伸びElmeanを求めた。
【0038】Elmean=(El0 +2El45+El90)/4 (ここで、El0 は圧延方向の伸び、El45は圧延方向に対
し45°方向の伸び、El90は圧延方向に対し90°方向(直
角)方向の伸びである。) なお、降伏点伸びYElは、圧延方向を引張方向として採
取した試験片を用いて測定した。 (2)r値 各冷延焼鈍板の各方向(圧延方向、圧延方向に対し45°
方向、圧延方向に対し直角方向)からJIS 13号B試験片
を採取した。これら試験片に、15%の単軸引張予歪を付
与した時の各試験片の幅歪と板厚歪を求め、幅歪と板厚
歪の比 r=ln(w/w0 )/ln(t/t0 ) (ここで、w0 、t0 は試験前の試験片の幅、および厚
さであり、w、tは歪付与後の試験片の幅、厚さであ
る。)から各方向のr値を求め、次式 rmean=(r0 +2r45+r90)/4 (ここで、r0 は圧延方向のr値、r45は圧延方向に対
し45°方向のr値、r90は圧延方向に対し90°方向(直
角)方向のr値である。)により平均r値rmeanを求め
た。 (3)リジンググレード 各冷延焼鈍板の圧延方向からJIS 5号試験片を採取し、
この試験片の片面を#600 の研摩紙で仕上げ研摩を行っ
た。ついで、これら試験片に20%の単軸引張予歪を付与
したのち、試験片中央部で粗度計により、試験片に発生
したうねりの高さ(リジング凹凸)を測定した。このう
ねりの高さから、リジングの程度を評価した。
【0039】リジングの程度は、4段階評価とし、うね
り高さが、5μm 以下をA、5μm超〜10μm をB、10
μm 超〜20μm をC、20μm 超をDとした。この評価基
準でA、Bの場合には、プレス成形時の耐リジング性は
良好である。得られた結果を表3に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】本発明例は、いずれもYEl:0.70%以下、
Elmean:32%以上、rmean値:1.30以上、リジンググ
レード:Aと、伸び、r値、耐リジング性ともに良好な
特性を有している。一方、本発明の範囲を外れる比較例
は、YEl、Elmean、rmean値、耐リジング性のいずれ
かが低下していた。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、降伏点伸びが少なく、
延性、加工性、耐リジング性がともに優れ、プレス成形
性、表面品質に優れたフェライト系ステンレス鋼板を能
率よくしかも安価に、製造でき、産業上格段の効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】予備圧延圧下率と、降伏点伸びYEl、平均伸び
Elmean(a)、平均r値(b)、リジンググレード
(c)との関係を示すグラフである。
【図2】r値と熱間圧延仕上げ温度FDTとの関係を示
すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宇城 工 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 佐藤 進 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4K032 AA00 AA01 AA02 AA04 AA05 AA08 AA13 AA16 AA21 AA23 AA27 AA29 AA31 AA36 BA01 CB02 CC03 CC04 CG02 CH01 CH04 CH05 4K037 EA00 EA01 EA02 EA05 EA06 EA09 EA12 EA15 EA18 EA20 EA23 EA25 EA27 EA32 EB08 EB13 FC03 FC04 FG03 FH01 FH03 FJ05 HA06

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 mass%で、C:0.01〜0.12%、N:0.01
    〜0.12%、Cr:11〜18%を含み、かつAl:0.04〜0.30%
    を含有する鋼素材を、熱間圧延により熱延板とする熱延
    工程と、該熱延板を焼鈍する熱延板焼鈍工程と、前記熱
    延板焼鈍工程を経た熱延板を冷間圧延し冷延板とする冷
    延工程と、該冷延板を仕上げ焼鈍する仕上げ焼鈍工程と
    を有するフェライト系ステンレス鋼板の製造方法におい
    て、前記熱延工程後で前記熱延板焼鈍工程前に、冷間ま
    たは温間で圧下率:2〜15%の圧延を行う予備圧延工程
    を施すことを特徴とする延性、加工性および耐リジング
    性に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記熱延工程における熱間圧延の仕上げ
    温度を850 ℃以下とすることを特徴とする請求項1に記
    載のフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
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