JP3466298B2 - 加工性に優れた冷延鋼板の製造方法 - Google Patents
加工性に優れた冷延鋼板の製造方法Info
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Description
板を低コストで安定製造する方法に関わり、その用途
は、自動車、家電、建材、容器等である。
用途によって厳しい加工を受けるため、優れたプレス成
形性が要求される。極低炭素化のための製造コストの上
昇を伴わない低炭素アルミキルド鋼を用いた連続焼鈍に
よる加工性に優れた冷延鋼板の製造方法については、こ
れまでに多くの検討がなされてきた。従来の連続焼鈍を
前提とした技術において、加工性に優れた低炭素アルミ
キルド冷延鋼板の製造方法の根幹をなす技術は、熱間圧
延後に高温で巻取ることにある。すなわち、高温巻取り
により熱延板の炭化物が凝集粗大化されることによっ
て、冷延・焼鈍後の材質特性が改善されるものである。
生成を促し、酸洗性を劣化させたり、表面疵の原因とな
る。さらに、コイル長手方向あるいは幅方向における端
部は巻取り後の冷却速度が速いため、中央部に比較して
材質が大きく劣化するという問題点を有している。従っ
て、連続焼鈍を前提とする低炭素アルミキルド冷延鋼板
を低温巻取りで製造する技術が切望されている。
56−8891号公報、特公昭55−49137号公
報、特公平6−39622号公報、特開昭58−117
834号公報等に記載のものがある。特公昭56−88
91号公報には、スラブ低温加熱と熱延後の低温巻取り
の組合せによる軟質冷延鋼板の製造方法が開示されてい
る。しかしながら、特公昭56−8891号公報におけ
る巻取温度は、550〜700℃、さらに好ましい範囲
としては600〜700℃となっており、充分な低温巻
取りとはなっておらず、端部材質劣化の問題や生産性の
向上の観点からは、さらなる巻取温度の低下が望まれて
いる。
いては、550〜700℃の巻取温度と連続焼鈍におけ
る焼鈍温度を850〜900℃とする高温焼鈍との組合
せによって、優れた深絞り性と張出し性を有する冷延鋼
板の製造方法が開示されている。しかしながら、このよ
うな高温での連続焼鈍は、通板性の劣化や製造コストの
上昇を招くという問題点を有する。
いては、Al量を増加させることで、低温巻取りにより
優れた材質の鋼板を製造する方法が開示されている。し
かしながら、多量のAlの添加は介在物の増加を招くた
め、延性の低下や表面疵を誘発することがある。また、
巻取温度の適正範囲は550〜670℃であり、従来の
高温巻取りに付随する問題を抜本的に解決するには至っ
ていない。
おいては、巻取温度を580℃以下とする技術が開示さ
れている。しかしながら、これはC≦0.0040%と
することによって低温巻取り化を実現したものであり、
製鋼コストの上昇を招く。
ら、従来法において必須の条件とされてきた熱延板の高
温巻取技術は、次の3つの問題を有する。第一に、鋼板
表面の酸化スケールが厚くなり、かつ組成的にもFe2
O3 が主となるため酸洗性が劣化する。その結果、生産
性が低下し、かつ酸洗コストも上昇する。第二には、コ
イル内における材質のばらつきが大きいことである。す
なわち、高温巻取りの場合には、熱延コイルの内周部と
外周部さらに幅方向端部においては、長手方向、幅方向
の中央部と比較して冷却速度が著しく速く、これらの部
分では高温巻取りの冶金的役割が果たせず、材質が劣化
し、切断除去が必須となって歩留りが低下する。第3に
は、高温で巻取られたコイルは熱収縮が大きく、コイル
内で板がこすれ合って表面疵を誘発することである。
に、従来にはない方法で低温巻取り化を計り、加工性に
優れた冷延鋼板を安定して製造する技術を提案すること
を目的とするものである。
めに、本発明者らは、種々のC量を含有する鋼を用い
て、熱延後の冷却速度と巻取温度を変化させて、冷延焼
鈍後の材質特定に及ぼす熱延板の炭化物分布の影響につ
いて検討した。その結果、冷却速度が速く、かつ巻取温
度が低い場合、すなわち熱延板における結晶粒内に微細
炭化物を析出させた場合、従来法のように熱延板の結晶
粒界における炭化物を高温巻取りによって凝集粗大化さ
せたものに比較して、同等以上の材質が得られることを
知見した。すなわち、1.5以上のr値を有する冷延鋼
板を製造することが可能である。また、n値についても
高温巻取り材と同等以上の値が得られるという知見を得
た。本発明における巻取温度は、200〜550℃未満
と従来法と比較して著しく低いため、高温巻取りに伴う
上述の問題点を一掃することができる。
出させることによって優れた材質が確保される機構につ
いて説明する。従来のように高温巻取りにより炭化物を
凝集粗大化させることで優れた材質が得られるのは、次
のように考えられている。すなわち、炭化物は非常に硬
質な相であるため、冷間圧延によっても変形せず、その
結果、炭化物周辺では複雑な変形を余儀なくされ、焼鈍
を行うと炭化物周辺から比較的ランダムな方位を有する
結晶粒が形成され、深絞り性に好ましい方位である板面
方位(ND)//〈111〉方位の集積が低下する。従
って、炭化物の全表面積はできるだけ小さいことが好ま
しく、高温巻取りによって炭化物を凝集粗大化させるこ
とが必須となっていた。また、従来の方法によって形成
される熱延板の炭化物はほとんどが粒界に存在するた
め、冷間圧延時の複雑な変形を助長しているものと考え
られる。これに対して、本発明においては炭化物が結晶
粒内に極めて微細に存在するため、これを冷間圧延して
も炭化物周辺での複雑な変形をほとんど伴わず、焼鈍後
に良好な結晶方位が発達するものと考えられる。
りである。 (1)重量%でC:0.01〜0.05%、Mn:0.
05〜0.5%、P:0.12%以下、Si:0.8%
以下、S:0.02%以下、Al:0.01〜0.15
%、N:0.007%以下を含有し、残部Feおよび不
可避的不純物からなるスラブを加熱温度1000〜13
00℃、仕上温度(Ar3 −100)℃以上にて熱間圧
延した後、600℃以上の温度から30℃/s以上の平
均冷却速度にて200℃以上550℃以下の温度範囲ま
で冷却し、200℃以上550℃未満で巻取った後酸洗
し、圧下率60%以上の冷間圧延を施し、700℃以上
の温度で連続焼鈍することを特徴とする加工性に優れた
冷延鋼板の製造方法。
b:0.003〜0.05%のうち1種以上を含有する
前記(1)記載の加工性に優れた冷延鋼板の製造方法。 (3)B:0.0001〜0.005%を含有する前記
(2)記載の加工性に優れた冷延鋼板の製造方法。
化学成分を限定する理由は次のとおりである。Cは0.
01〜0.05%でなければならない。C量が0.05
%超となると炭化物の量が増加し過ぎて連続焼鈍板の延
性が劣化する。また、パーライトの析出量が増加し、結
晶粒内に析出する炭化物が粗大化するため、深絞り性に
好ましい結晶方位が発達せず、深絞り性の指標であるラ
ンクフォード値が低下する。Cが0.01%未満では、
熱延板における炭化物を粒内に充分に析出させることは
できない。また、連続焼鈍における過時効時の炭化物の
析出が十分に進行せず、常温非時効でなくなる。さら
に、Cを0.01%未満とするには製鋼コストの上昇を
伴う。従って、Cは0.01〜0.05%とする。熱延
板におけるパーライトの析出を極力抑制し、結晶粒内に
微細な炭化物を適正に分布させるという観点からは、よ
り好ましくはCを0.013〜0.022%とする。
が0.5%超では深絞り性や常温非時効性が劣化する。
Mnは固溶Cと引力の相互作用があり、これが深絞り性
に好ましい集合組織の発達を妨げたり、Cの拡散、析出
を遅らせて焼鈍板の固溶Cを増加させたりするためであ
る。一方、Mn量が0.05%未満では、製鋼コストが
上昇するだけでなく、熱間圧延時に割れが発生すること
があるので、0.05%を下限とする。製造コスト、熱
間脆性、加工性、常温非時効性の観点からは、0.1〜
0.2%がMnの好ましい範囲である。
ので、強度を高くする必要のある場合には積極的に添加
する。ただし、偏析の激しい元素であるため、0.12
%超では熱間割れ、冷間割れの原因となり、2次加工性
も著しく阻害される。以上の観点から、Pは0.12%
以下とするが、好ましい範囲は0.08%以下である。
昇し、伸びが低下するので0.8%以下とする。なお、
Siを強化元素として利用する場合には0.1%以上の
添加が望ましい。Sは0.02%以下とする。S量が
0.02%超では、熱間割れが生じ易くなり、またSを
MnSとして無害化するために必要なMn量も増加する
ので、0.02%を上限とする。
を添加することが必要である。また、Nを固定するため
にも0.01%以上の添加が必須である。本発明におい
ては低温巻取りが前提であるので、0.04%以上添加
することが好ましい。しかし、0.15%を超えるとコ
ストアップとなるばかりか介在物の増加を招き、加工性
を劣化させるので、上限を0.15%とする。0.04
〜0.08%がAlの好ましい範囲である。
元素を増量せねばならずコスト高となるので少ないほど
望ましい。従って、Nは0.007%以下とする。好ま
しくは0.0025%以下がよい。BはNを固定して常
温非時効性を向上させ、さらには2次加工性を改善する
効果を有するので、0.0001〜0.005%の範囲
で添加してもよい。ただし、Bを0.005%超添加し
ても大きな効果は得られず、また加工性の劣化を招くの
で、0.005%を上限とする。また、0.0001%
未満の添加では顕著な効果が得られないので、0.00
01%を添加する場合の下限とする。
5%の範囲で1種以上を添加してもよい。Ti、Nbは
Nを固定して無害化する効果を有する。ただし、Ti、
Nbを0.05%超添加しても大きな効果は得られず、
加工性の劣化を招き、合金コストの上昇を招くので、そ
れぞれ0.05%を上限とする。また、0.003%未
満の添加では顕著な効果が得られないので、それぞれ
0.003%を添加する場合の下限とする。
いが、鉄鉱石を原料として、高炉、転炉により成分を調
製する方法以外にスクラップを原料としてもよいし、こ
れを電炉で溶製してもよい。スクラップを原料の全部ま
たは一部として使用する際には、Cu、Cr、Ni、S
n、Sb、Zn、Pb、Mo等の元素を含有してもよ
い。
る。熱間圧延に供するスラブは、特に限定するものでは
ない。すなわち、連続鋳造スラブや薄スラブキャスター
で製造したものなどであればよい。また、鋳造後に直ち
に熱間圧延を行う、連続鋳造−直接圧延(CC−DR)
のようなプロセスにも適合する。
1300℃の範囲とする。加熱温度を1300℃超とす
ると、表面スケールが厚くなって表面疵の原因となり、
また加熱のためのコストも著しく上昇するので、130
0℃を上限とする。また、加熱温度が1000℃未満と
なると仕上温度の確保が困難となるので、1000℃を
下限値とする。焼鈍板の加工性、常温非時効性、製造コ
ストの観点から、加熱温度の好ましい範囲は1050〜
1250℃である。
連続的に仕上熱延を行っても構わない。また、それに伴
って仕上圧延前にコイルボックスに装入し、熱処理を施
しても差し支えない。熱間圧延における仕上温度は(A
r3 −100)℃以上とする。仕上温度が(Ar3 −1
00)℃未満となると焼鈍板の深絞り性が著しく劣化す
る。上限は特に限定するものではないが、熱延板の結晶
粒径を微細化し、焼鈍板の深絞り性を向上させる目的
で、970℃以下とすることが望ましい。
は特に重要である。すなわち、600℃以上の温度から
30℃/sの平均冷却速度で200℃以上550℃以下
の温度範囲まで冷却し、200℃以上550℃未満の温
度で巻取る。これによって熱延板の結晶粒内に微細な炭
化物を析出させる。このような結晶粒内に微細に析出し
た炭化物が冷延焼鈍後の材質を劣化させないことは前述
のとおりである。
上としなければならない。この温度が600℃未満で
は、炭化物を結晶粒内に微細に析出させるための炭素の
過飽和度が不十分となる。その結果、炭化物が結晶粒界
に多く析出したり、固溶Cが存在したりして、焼鈍板の
加工性が劣悪となる。C量が0.022%以下の場合の
急冷開始温度T(℃)は、T≧〔6100/{2.27
−ln(C%)}−273〕とすることが好ましい。す
なわち、α単相となる温度以上から急冷する。〔610
0/{2.27−ln(C%)}−273〕≦T≦Ar
1 点、すなわちα単相域からの急冷がさらに好ましい範
囲である。C量が0.022%超の場合の急冷開始温度
は、650℃以上さらには700℃以上とすることが望
ましい。また、C量に関わらず、熱延仕上温度からAr
1 点までは15℃/s以下の冷却速度とすることが好ま
しい。
速度を30℃/s以上とする。この間の平均冷却速度が
30℃/s未満では熱延板に固溶Cが残存したり、炭化
物が結晶粒界に多く析出し、焼鈍板の加工性が劣悪とな
る。炭化物を結晶粒内に析出させるためには、平均冷却
速度50℃/s以上がさらに好ましい条件である。冷却
終点温度は200℃以上550℃以下とする。この温度
が200℃未満であると、炭化物を結晶粒内に析出させ
るために必要な巻取温度を確保できなくなる。また、5
50℃超では炭化物を結晶粒内に析出させるための炭素
の過飽和度が十分でなくなり、熱延板に固溶Cが残存し
たり、結晶粒界に炭化物が析出したりして、焼鈍板の加
工性が劣悪となる。好ましくは、300℃以上450℃
以下である。
る。巻取温度が200℃未満では、炭化物の析出が十分
に進行しない。一方、550℃以上では、結晶粒内に析
出する炭化物の量が減少し、結晶粒界への析出量が増加
するため、550℃を上限とする。炭化物を結晶粒内に
適正な大きさ、分布で析出させるためのより適当な範囲
は、250〜400℃である。
存在すると、再結晶温度を上昇させたり、再結晶後の粒
成長性を妨げたりして、焼鈍板の加工性を劣化させるこ
とが知られている。しかしながら、本発明において熱延
板に存在する炭化物はセメンタイトもしくはε炭化物な
どであり、焼鈍の加熱途中に溶解してしまうので、焼鈍
板の加工性を劣化させることはない。
スケールを行う。次いで冷間圧延、連続焼鈍、調質圧延
を行う。冷間圧延の圧下率は、焼鈍板の加工性を向上さ
せる観点から、60%以上とする。好ましくは、75%
以上とする。連続焼鈍における焼鈍温度は700℃以上
とする。この温度が700℃未満では再結晶が完了せ
ず、加工性が劣化したり、再結晶を完了させるのに著し
く長い時間を要し、生産性を低下させてしまう。好まし
くは750℃以上とする。焼鈍後には250〜450℃
の範囲で10分以内の過時効熱処理を行い、固溶C量を
低減させ、常温非時効性を確保することが望ましい。ま
た、本発明における連続焼鈍は、冷延鋼板のみならず亜
鉛メッキ、錫メッキ等の種々の製品を製造するプロセス
も含む。
ではないが、板形状を矯正したり、常温非時効性を確保
する目的で、圧下率0.3〜3%の範囲で行えばよい。
る。 (実施例1)重量%で0.016%C−0.01%Si
−0.15%Mn−0.008%P−0.008%S−
0.06%Al−0.0024%Nの成分を有する鋼を
真空溶解にて溶製し、加熱温度1180℃、仕上温度9
30℃の熱間圧延を施し、厚さ4.0mmとした。その
後の冷却は、800℃まで冷却速度15℃/s、800
℃〜(巻取り温度+50)℃までの平均冷却速度を10
〜80℃/sとし、巻取相当熱処理を100〜750℃
にて1時間保持して炉冷することにより行った。次いで
この熱延板を酸洗し、圧下率80%の冷間圧延に供して
厚さ0.8mmとした。その後、800℃にて60秒保
持し、80℃/sで400℃まで急冷し、400℃にて
3分保持する連続焼鈍相当の熱処理を施し、圧下率1.
2%の調質圧延を行い、引張試験によるr値(平均ラン
クフォード値)の測定に供した。引張試験は、JIS5
号試験片にて行った。なお、r値は次式に従った。ここ
で、r0°、r45°、r90°は、それぞれ圧延方
向、圧延方向に対して45°方向、圧延方向と直角方向
のランクフォード値である。また、AIは、10%引張
り後に100℃にて1時間の熱処理を施したときの0.
2%耐力から熱処理前の10%引張り時の応力を差し引
いた値である。AIは30MPa以下であることが常温
非時効のための条件である。
明の冷却速度および巻取温度の範囲で良好な材質が得ら
れることが分かる。これは、本発明の条件によって製造
された熱延板には固溶Cがほとんど存在せず、かつ結晶
粒内に微細な炭化物が存在するためである。一方、本発
明の範囲から逸脱するものは、熱延板に固溶Cが残存し
たり、結晶粒界に炭化物が存在するため、r値が低下す
るものが多かった。ただし、700℃以上の巻取温度の
ものでは、良好なr値が得られたが、これは炭化物が結
晶粒界において十分に凝集粗大化したためで、従来から
確認されているものであり、実機にて製造した場合には
コイル長手方向および幅方向端部において材質が著しく
劣化する。
種々の鋼を真空溶解にて溶製し、加熱温度1150℃、
仕上温度940℃の熱間圧延を施して厚さ3.8mmと
した。その後の冷却は、720℃まで冷却速度15℃/
s、720〜380℃までの平均冷却速度を70℃/s
とし、巻取相当熱処理を350℃にて1時間保持し炉冷
することにより行った。次いでこの熱延板を酸洗し、圧
下率80%の冷間圧延に供して厚さ0.76mmとし
た。その後、800℃にて60秒保持し、70℃/sで
350℃まで急冷し、350℃にて3分保持する連続焼
鈍相当の熱処理を施し、圧下率1.0%の調質圧延を行
い、引張試験に供した。引張試験は、JIS5号試験片
にて行った。r値およびAIの定義は実施例1と同様で
ある。表2に試験結果を示す。
学成分を有する鋼は、熱延後の急冷、低温巻取りによ
り、熱延板の結晶粒内に微細な炭化物を析出させること
によって良好な材質を得ることができる。
鋼を実機にて出鋼した。さらに、これを以下の条件で実
機にて熱間圧延を施した。すなわち、加熱温度1170
℃、仕上温度910℃で熱間圧延後、60℃/sで急冷
し、表3中の巻取温度で巻取った。これをコイル長手方
向の各部位から切り出して実験室にて酸洗後、82%の
圧下率にて冷間圧延し、図2の条件で連続焼鈍を行い、
圧下率0.8%の調質圧延を施し、引張特性をJIS5
号試験片を用いて評価した。r値の定義は実施例1と同
様である。結果を表4に示す。
製造したものはコイルの端部も良好な材質特性を有する
のに対して、本発明の範囲を逸脱するものは端部の特性
が劣化した。
Cを含有する低炭素アルミキルド鋼を熱間圧延後急冷
し、200〜550℃未満の温度範囲で巻取ることによ
り、結晶粒内に微細な炭化物を析出させ、これを冷間圧
延、連続焼鈍することによって加工性に優れた冷延鋼板
を低コストで安定して製造することができる。
温度の影響を示す図である。
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 重量%でC:0.01〜0.05%、M
n:0.05〜0.5%、P:0.12%以下、Si:
0.8%以下、S:0.02%以下、Al:0.01〜
0.15%、N:0.007%以下を含有し、残部Fe
および不可避的不純物からなるスラブを、加熱温度10
00〜1300℃、仕上温度(Ar3−100)℃以上
にて熱間圧延した後、600℃以上の温度から30℃/
s以上の平均冷却速度にて200℃以上550℃以下の
温度範囲まで冷却し、200℃以上550℃未満で巻取
った後酸洗し、圧下率60%以上の冷間圧延を施し、7
00℃以上の温度で連続焼鈍することを特徴とする加工
性に優れた冷延鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 Ti:0.003〜0.05%、Nb:
0.003〜0.05%のうち1種以上を含有する請求
項1記載の加工性に優れた冷延鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 B:0.0001〜0.005%を含有
する請求項2記載の加工性に優れた冷延鋼板の製造方
法。
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JP28099494A JP3466298B2 (ja) | 1994-11-15 | 1994-11-15 | 加工性に優れた冷延鋼板の製造方法 |
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JP28099494A JP3466298B2 (ja) | 1994-11-15 | 1994-11-15 | 加工性に優れた冷延鋼板の製造方法 |
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JPH08143969A JPH08143969A (ja) | 1996-06-04 |
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