JP2001192735A - 延性、加工性および耐リジング性に優れたフェライト系Cr含有冷延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

延性、加工性および耐リジング性に優れたフェライト系Cr含有冷延鋼板およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた延性、加工性および耐リジング性を兼
備し、伸びの面内異方性が小さく、成形後の表面品質に
優れる高加工性フェライト系Cr含有冷延鋼板およびその
製造方法を提供する。 【解決手段】 Cr:9〜32質量%、B:0.0002〜0.0030
質量%を含有する熱延板に冷間または温間で圧下率:2
〜15%の予備圧延を施し、熱延板焼鈍を箱焼鈍または連
続焼鈍とする。これにより、圧延方向に平行な板厚断面
で、伸展度eの最大値が5以下である組織を有する熱延
焼鈍板とする。これら熱延焼鈍板に、冷延、仕上げ焼鈍
を施し、粗大粒コロニーのアスペクト比Aの最大値が5
以下である組織を有する冷延焼鈍板を得る。これによ
り、延性、r値、耐リジング性が向上した冷延鋼板とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フェライト系Cr含
有冷延鋼板およびその製造方法に係り、詳しくは、建築
物の外装材、厨房器具、化学プラント、貯水槽、自動車
用耐熱部材等の使途に好適なフェライト系ステンレス鋼
板およびフェライト系耐熱鋼板を含むフェライト系鋼板
のうち、とくに延性、加工性、および耐リジング性に優
れるフェライト系Cr含有冷延鋼板およびその製造方法に
関する。
【0002】本発明において、「鋼板」は切り板状の鋼
板のみならず鋼帯も含むものとする。
【0003】
【従来の技術】ステンレス鋼板は、表面が美麗で、耐食
性に優れているため、建築物の外装材、厨房器具、化学
プラント、貯水槽等の使途に幅広く使用されている。特
に、オーステナイト系ステンレス鋼板は、成形性や延性
さらには耐リジング性といった各種特性が、従来、フェ
ライト系ステンレス鋼板に比べ優れていたため、上記の
ような広範囲の使途に用いられてきた。
【0004】一方、フェライト系ステンレス鋼板は、近
年の鋼の高純度化技術の発展により、成形特性が改善さ
れ、最近では、従来SUS 304,SUS 316 などのオーステナ
イト系ステンレス鋼板が使用されてきた用途への適用が
検討されている。これは、フェライト系ステンレス鋼板
が有する特徴、例えば、熱膨張係数が小さいこと、応力
腐食割れ感受性が小さいこと、しかも高価なNiを含まな
いため安価であること、といった長所が広く知られるよ
うになってきたからである。
【0005】また、Cr含有量がステンレス鋼に比べ少な
いフェライト系耐熱鋼板は、耐食性の面でステンレス鋼
に比べ劣るものの、安価であるため自動車用耐熱部材の
素材を中心として利用されてきている。しかし、これら
フェライト系ステンレス鋼板やフェライト系耐熱鋼板
(以下、両者をフェライト系鋼板と総称する)も、成形
加工品への用途を考えた場合、未だ、オーステナイト系
鋼板に比べて延性に乏しく、また、成形加工時リジング
と呼ばれるしわ状の凹凸を生じて加工品の美観を損ね、
表面研磨の負荷を増大させるという問題があった。この
ため、フェライト系鋼板の一層の用途拡大のためには、
延性、加工性の向上と耐リジング性の改善が必要であっ
た。
【0006】ところで、フェライト系鋼板の延性、加工
性および耐リジング性を改善するための従来の試みとし
て、例えば、特開昭52−24913 号公報には、Alを添加す
ることで固溶N量を低減し2次加工性を改善した鋼が、
また、特開昭57−70223 号公報には、Alに加えさらにT
i,Nb,V,Zr,Bを単独または複合添加することで固
溶C,N量を共に低減し加工性を改善した鋼が、さら
に、特開昭54−112319号公報には、低C,N鋼(C%+
N%:0.02〜0.06%)にZrを添加することでプレス成形
性を改善した鋼が開示されている。
【0007】一方、耐リジング性を改善するためには、
例えば、特開平10−53817 号公報に開示されているよう
に、熱間圧延における強圧下が有効である。また、特開
平2−170923号公報には、熱延板に対し圧下率2〜30%
の冷間圧下を加えることで焼鈍時の再結晶挙動を促進す
ることにより、連続焼鈍を可能にし、しかもr値(ラン
クフォード値)および耐リジング性を改善する技術が開
示されているが、いずれも、良好な耐リジング性と高い
r値をともに具備するまでの改善となっておらず、さら
なる改善の余地が残されていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、上記した
従来技術では、加工性に大きな改善が認められるものの
耐リジング性の改善効果が不十分であった。そのため、
プレス成形などの加工を施す用途においては、成形品表
面の美観を向上させるために、製造工程における研磨負
荷が大きいという問題があった。また、上記した従来技
術では、平均のr値や伸びに改善が見られるものの伸び
の面内異方性が大きいため、実際のプレス加工等におい
て十分な加工性が得られないという問題もあり、延性、
加工性および耐リジング性を十分なレベルで兼ね備えた
鋼板を低コストで製造することは非常に困難であった。
【0009】リジングの発生は、フェライト系ステンレ
ス鋼の本質的な問題であり、従来からその根本的解決が
望まれていた。例えば特開平9−263900号公報、特開平
10-330887 号公報には、結晶粒の方位コロニーを制御す
ることにより耐リジング性を向上させる技術が開示され
ている。特開平9−263900号公報に記載された技術で
は、冷間圧延用原板となる熱延鋼板の熱間圧延時の圧延
温度、摩擦係数、圧下率、圧延速度、圧延パス間時間を
調節することにより、{111}方位コロニーの板厚方
向分布を制御して、リジング特性の改善を図っている。
【0010】また、特開平10-330887 号公報に記載され
た技術では、鋼の溶製段階における塩基度を調整すると
ともに、熱間圧延工程におけるスラブ抽出から粗圧延工
程終了までの時間、粗圧延工程における圧延温度、摩擦
係数、圧下率を調整することにより、圧延方向に平行な
板厚断面における方位コロニーの厚さを板厚の30%以下
とすることでリジング特性の改善を図っている。
【0011】しかしながら、特開平9−263900号公報、
特開平10-330887 号公報に記載された技術により、方位
コロニーの形成を抑制しても、リジングの発生を完全に
は防止することができず、リジング発生のないSUS 304
鋼にくらべ、成形後の表面品質が劣るという問題が残さ
れていた。本発明の目的は、上記の困難を克服し、優れ
た延性、加工性および耐リジング性を兼備し、伸びの面
内異方性が小さく、とくにSUS 304 鋼並みの耐リジング
性を有し、成形後の表面品質に優れる高加工性フェライ
ト系Cr含有冷延鋼板およびその製造方法を提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために種々検討を重ねた結果、Bを0.0002〜
0.0030質量%含有したフェライト系Cr含有鋼板の製造工
程において、熱間圧延(熱延)後の鋼板に対し、熱延板
焼鈍に先立ち圧下率2〜15%の温間または冷間での予備
圧延を行うことにより、延性、加工性および耐リジング
性をともに改善し、かつ伸びの面内異方性を極めて小さ
くすることが可能になることを見出し、本発明を完成す
るに至った。なお、熱延板焼鈍は、箱焼鈍あるいは連続
焼鈍のうちのいずれでもよいが、連続焼鈍とする場合に
は、C、N含有量を低減し、さらにTi、Nbといったスタ
ビライズ元素を含有する組成とする必要があることを知
見した。
【0013】また、本発明者らは、フェライト系Cr含有
鋼板の本質的な問題であるリジングの発生に関し、その
根本的な解決策を得るべく鋼板の結晶粒組織に着目し
て、鋭意検討した。その結果、耐リジング性の顕著な改
善には、熱延板焼鈍後の結晶粒の伸展度を板厚全域にわ
たって小さくすることが重要であることを見いだした。
なお、ここでいう結晶粒の伸展度とは、圧延方向に平行
な板厚断面における、結晶粒の圧延方向の長さと結晶粒
の板厚方向の長さの比を意味する。
【0014】また、冷延−仕上げ焼鈍後の鋼板(冷延焼
鈍板)中に存在する圧延方向に並んだ粗大結晶粒からな
るコロニー(粗大粒コロニー)の生成を防止することに
よって、リジングの発生が著しく抑制されることを見い
だした。なお、ここでいう粗大粒コロニーとは、圧延方
向に平行な板厚断面における平均結晶粒面積A0 の2倍
以上の結晶粒面積を有する粗大結晶粒が圧延方向に連続
的に並んだ集合体を意味する。
【0015】まず、本発明の骨子となる、熱延板への歪
み付与の作用について、本発明者らが行った基礎的な実
験結果について説明する。表1に示す組成の熱延板a
(B添加鋼板)に、冷間にて0〜20%の圧下率の圧延
(以下、予備圧延と称する)を行うことにより、熱延板
に歪みを与えた後、860 ℃に8時間保持する熱延板焼鈍
を施し、さらに熱延後の総圧下率が75%となる冷間圧延
(冷延)により板厚0.8mm とした後、830 ℃に30秒保持
する仕上げ焼鈍を行い、冷延焼鈍板とした。図1、図2
および図3は、これら材料(冷延焼鈍板)の伸び(E
l)、r値、耐リジング性(リジンググレードで表す)
に及ぼす予備圧延圧下率の影響を示すグラフである。
【0016】
【表1】
【0017】これらの図から、予備圧延により圧延ひず
みを付与することにより伸び、r値、耐リジング性がい
ずれも改善されることがわかる。ただし圧下率が2%未
満ではその効果に乏しく、一方15%を超えるとかえって
伸び、r値、耐リジング性がともに低下するため、予備
圧延圧下率は2〜15%とする必要がある。また、表1に
示す組成の熱延板a(B添加鋼板)および熱延板b(B
無添加鋼板)に、冷間にて0〜20%の圧下率の予備圧延
を行った後、860 ℃に8時間保持する熱延板焼鈍を施
し、さらに熱延後の総圧下率(累積圧下率)が75%とな
る冷間圧延(冷延)を施したのち、830 ℃に30秒保持す
る仕上げ焼鈍を行い、冷延焼鈍板とした。図4、図5
は、これら材料(冷延焼鈍板)の伸び(El)および伸び
の面内異方性ΔElに及ぼす圧下率の影響を示すグラフで
ある。
【0018】これらの図から、伸びElはBの有無で差が
ない(図4)が、圧下率2〜15%の予備圧延を施すこと
により、伸びの面内異方性ΔElが、B無添加鋼では1%
以上であるのに対し、B添加鋼では0.5 %未満と極めて
小さくなる(図5)。熱延板にBを含有させ、予備圧延
を施すことにより、予備圧延による伸び、r値、耐リジ
ング性の改善効果を損なうことなく、伸びの面内異方性
が著しく改善されることがわかる。
【0019】なお、伸びEl、および伸びの面内異方性Δ
Elは、鋼板から、圧延方向に対して0°、45°、90°の
各方向を試験方向とするJIS13号B試験片を採取し、
それぞれ引張試験して各方向の伸びを計測し、それらを
用いて次式により算出した値である。 El =(ElL +2ElD +ElT )/4 ΔEl=|ElL −2ElD +ElT |/2 ここに、ElL ,ElD ,ElT はそれぞれ圧延方向に対して
0°,45°,90°の方向の伸びを表す。
【0020】本発明者らが行った他の実験から、このよ
うな顕著な特性の改善は、熱延板焼鈍前の予備圧延によ
る歪付加に加えて、熱延板焼鈍条件に応じ、適切な成分
調整を行った結果であると考えられる。熱延板焼鈍を箱
焼鈍とする場合には、化学成分のうち、Alを0.03質量%
以下に調整すること、および熱延板焼鈍で焼鈍温度に1
h以上保持し、さらに保持後徐冷することが複合された
結果、上記したような顕著な特性改善が可能となったと
考えられる。この特性改善の機構については現在のとこ
ろ明らかとはなっていないが、Alを低減することで固溶
Nが増加し、さらに予備圧延による圧延歪を付与するこ
とにより熱延板焼鈍の加熱過程で転位上への炭窒化物の
析出が促進され、結果として再結晶を抑制する固溶C、
Nが減少して再結晶が起き易くなったことに関連するも
のと考えられる。なお、熱延板焼鈍の焼鈍温度は、700
℃以上、好ましくは750 ℃以上1000℃未満、より好まし
くは(A1 変態点+30℃)以上1000℃未満である。ここ
で、A1 変態点は、 A1 変態点(℃)=35(Cr+1.72Mo+2.09Si+4.86Nb+8.29V+1.77Ti+21.4Al+40B-7 .14C-8.0N-3.28Ni-1.89Mn-0.51Cu)+310 ……(3) (ここで、Cr、Mo、Si、Nb、V、Ti、Al、B、C、N、
Ni、Mn、Cu:各合金元素の含有量(質量%))で定義さ
れる。なお、(3)式の計算に際しては、鋼板中に含ま
れない成分(合金元素)は0として計算するものとす
る。
【0021】一方、熱延板焼鈍を連続焼鈍とする場合に
は、化学成分として、Ti、Nbといった炭窒化物を形成す
るスタビライズ元素の含有を必須とすることに関連し
て、上記したような顕著な特性改善が可能となったと考
えられる。この場合には、熱間圧延中に微細に析出する
炭窒化物が、予備圧延で導入される転位のピニングサイ
トとして働き、焼鈍時には加熱初期における回復を抑制
し、焼鈍温度に達すると再結晶を起きやすくするものと
考えられる。また、鋳込み中に析出する粗大な炭窒化物
は、焼鈍中の再結晶核として働くものと考えられる。
【0022】本発明は、上記した知見に基づき、さらに
検討を加え構成されたものである。すなわち、第1の本
発明の要旨は、Cr:9〜32質量%、B:0.0002〜0.0030
質量%を含有するフェライト系Cr含有鋼板の製造方法に
おいて、熱間圧延後で熱延板焼鈍前の熱延板に圧下率:
2〜15%の圧延を行うことを特徴とするフェライト系Cr
含有鋼板の製造方法である。
【0023】第1の本発明は、BおよびCrを含有する鋼
素材に、熱間圧延により熱延板とする熱延工程と、該熱
延板を焼鈍する熱延板焼鈍工程と、を施すフェライト系
Cr含有冷延鋼板用原板の製造方法において、前記鋼素材
を、質量%で、Cr:11〜18%、B:0.0002〜0.0030%を
含み、さらに、C:0.005 〜0.12%、N:0.005 〜0.12
%、Al:0.03%以下を含有する組成の鋼素材とし、前記
熱延工程後で前記熱延板焼鈍工程の前に、前記熱延板に
冷間または温間で圧下率:2〜15%の圧延を行う予備圧
延工程を施し、かつ前記熱延板焼鈍工程の焼鈍を箱焼鈍
とすることを特徴とするフェライト系Cr含有冷延鋼板用
原板の製造方法であり、また、第1の本発明では、前記
箱焼鈍を焼鈍温度:700 ℃以上、好ましくは750 ℃以上
1000℃未満、より好ましくはAc1変態点+30℃以上の温
度で、好ましくは該焼鈍温度で1h以上保持する焼鈍と
することが好ましい。
【0024】また、第1の本発明は、BおよびCrを含有
する鋼素材に、熱間圧延により熱延板とする熱延工程
と、該熱延板を焼鈍する熱延板焼鈍工程と、を施すフェ
ライト系Cr含有冷延鋼板用原板の製造方法において、前
記鋼材を、質量%で、 Cr:9〜32%、 B:0.0002〜0.0030% を含み、さらに、 C:0.001 〜0.02%、 N:0.001 〜0.02%、 Al:0.30%以下 を含有し、かつTi:0.05〜0.50%、Nb:0.05〜0.50%の
うちの1種または2種を含有する組成の鋼素材とし、前
記熱延工程後で前記熱延板焼鈍工程の前に、前記熱延板
に冷間または温間で圧下率2〜15%の圧延を行う予備圧
延工程を施し、かつ前記熱延板焼鈍工程の焼鈍を連続焼
鈍とすることを特徴とするフェライト系Cr含有冷延鋼板
用原板の製造方法とすることが好ましい。
【0025】また、第1の本発明では、前記各組成は前
記の各元素に加え、さらに質量%で、Si:1.0 %以下、
Mn:1.0 %以下を含有し、あるいはさらにNi、V、P、
SをNi:1.0 %以下、V:1.0 %以下、P:0.05%以
下、S:0.01%以下に調整して含有し、あるいはさら
に、次のa群〜d群 a群:Mo、Cuのうちから選ばれた1種または2種を合計
で0.5 〜2.5 % b群:Zr:0.5 %以下、Ta:0.5 %以下のうちから選ば
れた1種または2種 c群:Ca:0.0005〜0.010 % d群:Mg:0.0002〜0.0050% のうちから選ばれた1群または2群以上を含有し、残部
Feおよび不可避的不純物からなる組成であることが好ま
しい。
【0026】また、第2の本発明は、質量%で、C:0.
005 〜0.12%、N:0.005 〜0.12%、Cr:11〜18%、
B:0.0002〜0.0030%、Al:0.03%以下、Si:1.0 %以
下、Mn:1.0 %以下を含有し、あるいはさらに、Ni、
V、P、Sを、Ni:1.0 %以下、V:1.0 %以下、P:
0.05%以下、S:0.01%以下に調整して含有し、残部Fe
および不可避的不純物からなる組成と、圧延方向に平行
な板厚断面で、次(1)式 e=L1/L2 ………(1) (ここに、e:伸展度、L1:結晶粒の圧延方向長さ
(μm )、L2:結晶粒の板厚方向長さ(μm ))で定
義される伸展度eの最大値が5以下である組織とを有す
ることを特徴とするフェライト系Cr含有冷延鋼板用原板
である。
【0027】また、第2の本発明では、質量%で、C:
0.001 〜0.02%、N:0.001 〜0.02%、Cr:9〜32%、
B:0.0002〜0.0030%、Al:0.30%以下、Si:1.0 %以
下、Mn:1.0 %以下を含み、かつTi:0.05〜0.50%、N
b:0.05〜0.50%のうちの1種または2種を含有し、あ
るいはさらに、Ni、V、P、Sを、Ni:1.0 %以下、
V:1.0 %以下、P:0.05%以下、S:0.01%以下に調
整して含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組
成と、圧延方向に平行な板厚断面で、次(1)式 e=L1/L2 ………(1) (ここに、e:伸展度、L1:結晶粒の圧延方向長さ
(μm )、L2:結晶粒の板厚方向長さ(μm ))で定
義される伸展度eの最大値が5以下である組織とを有す
ることを特徴とするフェライト系Cr含有冷延鋼板用原板
である。
【0028】また、第2の本発明では、前記各組成に加
えてさらに、次a群〜d群 a群:Mo、Cuのうちから選ばれた1種または2種以上を
合計で0.5 〜2.5 % b群:Zr:0.5 %以下、Ta:0.5 %以下のうちから選ば
れた1種または2種 c群:Ca:0.0005〜0.010 % d群:Mg:0.0002〜0.0050% のうちから選ばれた1群または2群以上を含有してもよ
い。
【0029】また、第3の本発明は、第2の本発明であ
る、上記したフェライト系Cr含有冷延鋼板用原板のうち
のいずれかを用いて、該フェライト系Cr含有冷延鋼板用
原板に、圧下率:30%以上の冷間圧延を行い冷延板とす
る冷延工程と、該冷延板に焼鈍温度:700 ℃以上の温度
で仕上げ焼鈍を行う仕上げ焼鈍工程とを施すことを特徴
とする延性、加工性および耐リジング性に優れたフェラ
イト系Cr含有冷延鋼板の製造方法である。
【0030】なお、詳しくは、第3の本発明は、Bおよ
びCrを含有する鋼素材に、熱間圧延により熱延板とする
熱延工程と、該熱延板を焼鈍する熱延板焼鈍工程とを施
し冷延鋼板用原板としたのち、該冷延鋼板用原板に冷間
圧延を行い冷延板とする冷延工程と、該冷延板に仕上げ
焼鈍を行う仕上げ焼鈍工程とを施すフェライト系Cr含有
冷延鋼板の製造方法において、前記鋼素材を、質量%
で、Cr:11〜18%、B:0.0002〜0.0030%を含み、さら
に、C:0.005 〜0.12%、N:0.005 〜0.12%、Al:0.
03%以下を含有する組成の鋼素材とし、前記熱延工程後
で前記熱延板焼鈍工程の前に、前記熱延板に冷間または
温間で圧下率:2〜15%の圧延を行う予備圧延工程を施
し、かつ前記熱延板焼鈍工程の焼鈍を箱焼鈍とするとと
もに、前記冷間圧延を圧下率:30%以上の冷間圧延と
し、前記仕上げ焼鈍を焼鈍温度:700℃以上の温度で行
うことを特徴とする延性、加工性および耐リジング性に
優れたフェライト系Cr含有冷延鋼板の製造方法であり、
また、第3の本発明では、前記箱焼鈍を焼鈍温度:700
℃以上、好ましくは750 ℃以上1000℃未満、より好まし
くはAc1変態点+30℃以上1000℃未満の温度で、好まし
くは該焼鈍温度で1h以上保持する焼鈍とすることが好
ましい。
【0031】また、第3の本発明では、前記鋼素材を、
質量%で、Cr:9〜32%、B:0.0002〜0.0030%を含
み、さらに、C:0.001 〜0.02%、N:0.001 〜0.02
%、Al:0.30%以下を含有し、かつTi:0.05〜0.50%、
Nb:0.05〜0.50%のうちの1種または2種を含有する組
成の鋼素材とするとともに、前記箱焼鈍に代えて、連続
焼鈍とすることが好ましい。
【0032】また、第4の本発明は、質量%で、C:0.
005 〜0.12%、N:0.005 〜0.12%、Cr:11〜18%、
B:0.0002〜0.0030%、Al:0.03%以下、Si:1.0 %以
下、Mn:1.0 %以下を含有し、あるいはさらに、Ni、
V、P、Sを、Ni:1.0 %以下、V:1.0 %以下、P:
0.05%以下、S:0.01%以下に調整して含有し、残部Fe
および不可避的不純物からなる組成と、圧延方向に平行
な板厚断面で、平均結晶粒面積A0 の2倍以上の結晶粒
面積を有する結晶粒が圧延方向に連続した集合体である
粗大粒コロニーの、次(2)式 A=L3/L4 ………(2) (ここに、A:アスペクト比、L3:粗大粒コロニーの
圧延方向長さ(μm )、L4:粗大粒コロニーの板厚方
向長さ(μm ))で定義されるアスペクト比Aの最大値
が5以下である組織とを有することを特徴とする延性、
加工性および耐リジング性に優れたフェライト系Cr含有
冷延鋼板である。また、第4の本発明では、前記組成に
代えて、質量%で、C:0.001 〜0.02%、N:0.001 〜
0.02%、Cr:9〜32%、B:0.0002〜0.0030%、Al:0.
30%以下、Si:1.0 %以下、Mn:1.0 %以下を含み、か
つTi:0.05〜0.50%、Nb:0.05〜0.50%のうちの1種ま
たは2種を含有し、あるいはさらに、Ni、V、P、S
を、Ni:1.0 %以下、V:1.0 %以下、P:0.05%以
下、S:0.01%以下に調整して含有し、残部Feおよび不
可避的不純物からなる組成としてもよい。また、第4の
本発明では、前記各組成に加えてさらに、次a群〜d群 a群:Mo、Cuのうちから選ばれた1種または2種以上を
合計で0.5 〜2.5 % b群:Zr:0.5 %以下、Ta:0.5 %以下のうちから選ば
れた1種または2種 c群:Ca:0.0005〜0.010 % d群:Mg:0.0002〜0.0050% のうちから選ばれた1群または2群以上を含有してもよ
い。
【0033】
【発明の実施の形態】まず、本発明のフェライト系Cr含
有冷延鋼板の製造に好適な、鋼素材の化学成分について
説明する。以下、質量%は単に%と記す。本発明で好適
な鋼素材は、熱延板焼鈍を箱焼鈍とする場合には、質量
%で、Cr:11〜18%、B:0.0002〜0.0030%を含み、さ
らに、C:0.005 〜0.12%、N:0.005 〜0.12%、Al:
0.03%以下を含有するものである。本発明では、上記し
た成分以外に、さらに、Si:1.0 %以下、Mn:1.0 %以
下を含有し、あるいはさらに、Ni、V、P、Sを、Ni:
1.0 %以下、V:1.0 %以下、P:0.05%以下、S:0.
01%以下に調整して含有し、残部Feおよび不可避的不純
物からなる組成を有するものも許容される。また、さら
にMo、Cuのうちから選ばれた1種または2種を合計で0.
5 〜2.5 %含有してもよい。また、必要に応じ、Ca:0.
0005〜0.010%、Mg:0.0002〜0.0050%のうちの1種ま
たは2種を含有してもよい。
【0034】また、熱延板焼鈍を連続焼鈍とする場合に
は、鋼素材は、質量%で、Cr:9〜32%、B:0.0002〜
0.0030%を含み、さらに、C:0.001 〜0.02%、N:0.
001〜0.02%、Al:0.30%以下を含有し、かつTi:0.05
〜0.50%、Nb:0.05〜0.50%のうちの1種または2種を
含有するものである。本発明では、上記した成分以外
に、さらに、Si:1.0 %以下、Mn:1.0 %以下を含有
し、あるいはさらに、Ni、V、P、Sを、Ni:1.0 %以
下、V:1.0 %以下、P:0.05%以下、S:0.01%以下
に調整して含有し、残部Feおよび不可避的不純物からな
る組成を有する鋼素材とするものも許容される。また、
さらにMo、Cuのうちから選ばれた1種または2種を合計
で0.5 〜2.5 %含有してもよい。さらに、必要に応じZ
r:0.5 %以下、Ta:0.5 %以下の1種または2種、C
a:0.0005〜0.010 %、Mg:0.0002〜0.0050%を選択し
て含有してもよい。
【0035】以下に、鋼素材の組成限定理由について説
明する。 Cr:9〜32% Crは、耐食性を向上させる有効な元素であり、種々の腐
食環境で耐食性を有する鋼板とするためには、9%以上
の含有を必要とする。一方、32%を超える含有は、加工
性が低下する。このため、本発明では、Crは9〜32%に
限定した。なお、好ましくは11〜30%である。また、熱
延板焼鈍を連続焼鈍とする場合には、Crは9〜32%の範
囲で問題ないが、熱延板焼鈍を箱焼鈍とする場合には、
C、N含有量が多いため炭窒化物の析出が問題となり、
種々の腐食環境下で耐食性を維持するためには、11%以
上の含有を必要とする。一方、18%を超えて含有する
と、Cr炭窒化物の析出のため加工性が低下する。このた
め、熱延板焼鈍を箱焼鈍とする場合には、Crは11〜18%
とするのが好ましい。より好ましくは13〜18%である。
【0036】B:0.0002〜0.0030% Bは、伸びの面内異方性を改善する有効な作用を示し、
優れた延性、加工性が要求される本発明のフェライト系
Cr含有鋼板では重要な元素である。伸びの面内異方性の
改善効果は、0.0002%以上の含有で顕著となるが、0.00
30%を超える含有は、製品板の加工性が劣化する。この
ため、Bは0.0002〜0.0030%の範囲に限定した。B含有
による伸びの面内異方性の改善機構については、現在ま
でのところまだ明確にはなっていないが、熱延板焼鈍時
にBが鋼中Nと結合し、冷間圧延時に導入された転位上
に微細析出し、焼鈍時の加熱初期における転位の回復を
抑え、加熱温度に達したのちは再結晶を促進することに
関係しているものと考えられる。
【0037】C:0.005 〜0.12%(箱焼鈍の場合)、0.
001 〜0.02%(連続焼鈍の場合) 本発明では、延性向上のため、Cは可能なかぎり低減す
るのが望ましいが、本発明では、熱延板焼鈍方法に依存
して、C含有量の範囲を変化する。熱延板焼鈍を箱焼鈍
とする場合には、C含有量を0.005 %未満と低減しすぎ
ると耐リジング性が劣化し、プレス成形等の加工に際し
加工部に凹凸を生じ、製品の美観が損なわれる。このた
め、C含有量の下限を0.005 %に限定するのが好まし
い。なお、より好ましくは0.01%以上である。一方、0.
12%を超える含有は、延性の低下や、発錆の起点となる
脱Cr層、粗大な析出物、介在物等の増加を招く。このよ
うなことから、熱延板焼鈍を箱焼鈍とする場合には、C
は0.005 〜0.12%の範囲に限定するのが好ましい。
【0038】熱延板焼鈍を連続焼鈍とする場合には、C
含有量の下限を0.001 %に限定するのが好ましい。0.00
1 %未満と過度に低減すると製鋼コストの高騰を招く。
このため、C含有量の下限を0.001 %に限定するのが好
ましい。一方、0.02%を超えて過剰に含有すると、発錆
の起点となる脱Cr層、粗大な析出物、介在物等の増加を
招く。このようなことから、熱延板焼鈍を連続焼鈍とす
る場合には、Cは0.001 〜0.02%の範囲に限定するのが
好ましい。なお、好ましくは0.001 〜0.015 %である。
【0039】N:0.005 〜0.12%(箱焼鈍の場合)、0.
001 〜0.02%(連続焼鈍の場合) 本発明では、延性向上のため、Nは、Cと同様に可能な
かぎり低減するのが望ましいが、本発明では、熱延板焼
鈍方法に依存して、N含有量の範囲を変化する。熱延板
焼鈍を箱焼鈍とする場合には、N含有量を0.005 %未満
に低減しすぎると耐リジング性が劣化し、プレス成形等
の加工に際し加工部に凹凸を生じ、製品の美観が損なわ
れる。このため、N含有量の下限を0.005 %に限定する
のが好ましい。なお、より好ましくは0.01%以上であ
る。一方、0.12%を超える過剰な含有は、延性の低下
や、発錆の起点となる脱Cr層、粗大な析出物、介在物等
の増加を招く。このようなことから、熱延板焼鈍を箱焼
鈍とする場合には、Nは0.005〜0.12%の範囲に限定す
るのが好ましい。
【0040】熱延板焼鈍を連続焼鈍とする場合には、N
含有量は0.001 %以上とするのが好ましい。Nを0.001
%未満と過度に低減すると製鋼コストの高騰を招く。一
方、0.02%を超えて過剰に含有すると、発錆の起点とな
る脱Cr層、粗大な析出物、介在物等の増加を招く。この
ようなことから、熱延板焼鈍を連続焼鈍とする場合に
は、Nは0.001 〜0.02%の範囲に限定するのが好まし
い。なお、好ましくは0.001 〜0.015 %である。
【0041】Al:0.03%以下(箱焼鈍の場合)、0.30%
以下(連続焼鈍の場合) Alは、脱酸剤として作用する元素であるが、本発明で
は、熱延板焼鈍方法に依存して、Al含有量の範囲を変化
させることが好ましい。熱延板焼鈍を箱焼鈍とする場合
には、Al含有量を低減することにより、固溶N量が増加
し、予備圧延により導入された転位上への、焼鈍加熱途
中での炭窒化物の析出が促進される。これにより、再結
晶が促進され耐リジング性が改善される。熱延板焼鈍を
箱焼鈍とする場合には、このような効果が認められるの
はAlが0.03%以下の場合である。また、Alは多量に含有
すると酸化物系介在物が増加し、へげ等の表面欠陥を多
発する。このようなことから、熱延板焼鈍を箱焼鈍とす
る場合には、Alは0.03%以下に限定するのが好ましい。
【0042】熱延板焼鈍を連続焼鈍とする場合には、T
i、Nbといった炭窒化物を形成する元素(スタビライズ
元素)が含有されるため、Alの効果は箱焼鈍の場合と異
なる。この場合、Alも、Ti、Nbと同様に、窒化物として
熱間圧延中に微細析出し、予備圧延により導入された転
位のピニングサイトとして作用し、熱延板焼鈍中の再結
晶を促進する働きをするものと考えられる。また、鋳造
中に析出する粗大な炭窒化物は、熱延板焼鈍中の再結晶
核として働くものと考えられる。しかし、Alは多量に含
有すると酸化物系介在物が増加し、へげ等の表面欠陥を
多発する。このようなことから、熱延板焼鈍を連続焼鈍
とする場合には、Alは0.30%以下とするのが好ましい。
なお、好ましくは0.20%以下である。
【0043】Si:1.0 %以下 Siは、脱酸のために有効な元素であるが、過剰の含有は
冷間加工性の低下や延性の低下を招くので、その含有は
1.0 %以下とする。なお、より好ましくは0.03〜0.5 %
である。 Mn:1.0 %以下 Mnは、鋼中に存在するSを析出固定し、熱間圧延時の割
れを防止する有用な元素であるが、過剰の含有は冷間加
工性の低下や耐食性の低下を招く。このため、Mnは1.0
%以下に限定するのが好ましい。なお、より好ましくは
0.05〜0.8 %である。
【0044】Ti:0.05〜0.50%、Nb:0.05〜0.50%のう
ちの1種または2種 Ti、Nbは、いずれもC、Nと結合し炭化物、窒化物ある
いは炭窒化物を形成して、フェライト中の固溶C量、固
溶N量を低減し、延性、加工性を向上させる効果を有す
る元素であり、熱延板焼鈍を連続焼鈍とする場合には必
須の元素である。さらに、熱間圧延中に微細に析出する
Ti、Nbの炭窒化物は、予備圧延において導入される転位
のピニングサイトとして働き、熱延板の焼鈍時に、加熱
初期における回復を抑制し、焼鈍温度に達したのちは再
結晶を生じやすくするものと考えられる。また、鋳込中
に析出するTi、Nbの粗大な炭窒化物は、熱延板焼鈍にお
ける再結晶核として働くものと考えられる。このような
効果はTi、Nbともに、0.05%以上の含有で認められる。
一方、Ti、Nbともに、0.50%を超える含有は、酸化物系
介在物が増加する。このようなことから、Tiは0.05〜0.
50%、Nbは0.05〜0.50%の範囲に限定した。
【0045】上記した成分以外に、Ni、V、P、Sは、
Ni:1.0 %以下、V:1.0 %以下、P:0.05%以下、
S:0.01%以下に調整して含有するのが好ましい。 Ni:1.0 %以下 Niは、耐食性を向上させる元素であるが、過剰な添加は
加工性を劣化させるうえ、経済的にも不利となるため、
1.0 %以下に調整するのが望ましい。
【0046】V:1.0 %以下 Vは、C、Nと結合し炭化物、窒化物を形成し結晶粒の
粗大化を抑制する効果を有する元素であるが、多量の含
有は冷間加工性を低下させる。このため、Vは1.0 %以
下に調整するのが望ましい。 P:0.05%以下 Pは、熱間加工性を劣化させ、また食孔を発生させる元
素であり、できるだけ低減するのが好ましい。0.05%ま
では、その悪影響が顕著とならないため、0.05%までは
許容できる。
【0047】S:0.01%以下 Sは、Mnと結合してMnS を形成して発錆の起点となると
ともに、結晶粒界に偏析し、粒界脆化を促進する有害な
元素であり、できるだけ低減するのが好ましい。0.01%
までは、その悪影響が顕著とならず、許容できる。 Mo、Cuのうちから選ばれた1種または2種を合計:0.5
〜2.5 % MoおよびCuは、耐食性を向上させる元素であり、高い耐
食性を必要とする場合に含有するのが有効であるが、過
剰の含有は加工性を害するため、合計で2.5 %以下とす
るのが好ましい。
【0048】Zr:0.5 %以下、Ta:0.5 %以下のうちか
ら選ばれた1種または2種 Zr、Taは、いずれもCおよびNと結びつき、フェライト
中の固溶C量、固溶N量を低減させることにより延性お
よび加工性を向上させる効果を有する元素であり、必要
に応じ選択して含有できるが、それぞれの含有量が0.5
%を超えると、かえって加工性が低下するばかりでな
く、表面品質も低下する。このため、Zr:0.5 %以下、
Ta:0.5 %以下に限定するのが望ましい。
【0049】Ca:0.0005〜0.010 % Caは、酸化物系介在物の融点を低下させ、製鋼段階での
介在物の浮上分離を促し、介在物起因の表面欠陥の発生
を抑える働きを有し、本発明では必要に応じ含有できる
が、0.0005%未満では効果が認められず、一方、含有量
が0.010 %を超えると、かえって表面品質が低下する。
このため、Caは0.0005〜0.010 %とするのが好ましい。
【0050】Mg:0.0002〜0.0050% Mgは、熱間加工性を改善する効果を有し、必要に応じ含
有できるが、0.0002%未満では効果が認められず、一
方、0.0050%を超える含有は、表面品質に悪影響を及ぼ
すことから、Mgは0.0002〜0.0050%の範囲とするのが好
ましい。次に、本発明の冷延鋼板用原板の製造プロセス
について説明する。
【0051】このプロセスは、精錬⇒鋳造⇒熱間圧延
(熱延工程)〔⇒脱スケール処理〕⇒熱延板焼鈍の各工
程を順次行うものである。なお、〔〕内は必要に応じて
実施するものである。精錬⇒鋳造の工程により、上記し
た組成の鋼素材が製造される。精錬での1次精錬手段は
転炉、電気炉のいずれでもよく、1次精錬後の溶鋼は真
空脱ガス(RH)、VOD、AODのいずれかで2次精
錬処理することが好ましい。
【0052】鋳造手段は、経済性の面から連続鋳造法が
好ましい。鋳造対象は熱間圧延用の素材となる鋼素材
(スラブ)である。鋼素材は、ついで熱間圧延工程を施
され、熱延板とされる。熱間圧延は、鋼素材(スラブ)
加熱⇒粗圧延⇒仕上げ圧延⇒巻取を順次行う常法によれ
ばよい。本発明に係る圧延ひずみ2〜15%付与は、この
プロセスにおいて熱間圧延工程後で熱延板焼鈍工程の前
に、予備圧延工程として実施されるが、この間に酸洗等
の脱スケール処理が加わる場合は、脱スケール処理の前
あるいは後で実施することができる。
【0053】予備圧延工程における圧延は、冷間あるい
は450 ℃未満の温間域で行うのが好ましい。圧延温度が
450 ℃以上では圧延により導入された圧延歪が回復し、
予備圧延の効果が減少する。なお、予備圧延工程は、熱
延工程の終了後、熱延板焼鈍工程前までの間に行えばよ
く、例えば、熱間圧延後にコイルが450 ℃未満〜室温ま
で冷却される間に、コイルがまだ室温より高温のうちに
圧延してもよい。
【0054】熱延板焼鈍は、鋼素材の組成に応じ、バッ
チ焼鈍、あるいは連続焼鈍とする。箱焼鈍では、所定の
焼鈍温度までの加熱速度は特に限定しないが500 ℃から
所定温度までの平均で50℃/h以下とするのが好まし
い。箱焼鈍は、所定の焼鈍温度に加熱したのちその温度
で1h以上の保持を行い、保持後600 ℃までの平均冷却
速度で25℃/h 以下の徐冷を行う、高温長時間保持・徐
冷の焼鈍とするのが好ましい。本発明における所定の焼
鈍温度は、700 ℃以上、好ましくは750 ℃以上1000℃未
満の範囲の温度とするのが延性改善および耐リジング性
の改善の観点から好ましい。
【0055】より好ましい焼鈍温度は、(A1 変態点+
30℃)以上1000℃未満である。なお、A1 変態点は、次
(3)式 A1 変態点(℃)=35(Cr+1.72Mo+2.09Si+4.86Nb+8.29V+1.77Ti+21.4Al+40B-7 .14C-8.0N-3.28Ni-1.89Mn-0.51Cu)+310 ……(3) (ここで、Cr、Mo、Si、Nb、V、Ti、Al、B、C、N、
Ni、Mn、Cu:各合金元素の含有量(質量%))で定義さ
れる。なお、(3)式の計算に際しては、鋼板中に含ま
れない成分(合金元素)は0として計算するものとす
る。
【0056】熱延板焼鈍の焼鈍温度を、とくに(A1
態点+30℃)以上とすることにより、熱延板焼鈍途中で
(α+γ)二相組織となり、炭窒化物の一部再固溶、フ
ェライト粒の再結晶・等軸化、および変態に伴う結晶方
位のランダム化等が起こり、その後の処理を経て冷延鋼
板の延性や耐リジング性が顕著に改善されるものと考え
られる。焼鈍温度を1000℃以上とすると、熱延板焼鈍後
あるいは仕上げ焼鈍後の結晶粒が粗大化し、耐リジング
性がかえって低下するとともに、肌荒れが顕著となり表
面品質が劣化する。なお、本発明では、この高温保持に
加えて、炭窒化物の析出処理および脱Cr層の回復処理と
しての徐冷が特性向上に有効である。なお、保持後の徐
冷に代えて、徐冷途中で600 〜850 ℃の温度範囲で等温
保持処理を付加してもよい。
【0057】熱延板焼鈍を連続焼鈍とする場合には、延
性改善および耐リジング性の観点から、焼鈍温度は700
℃以上、好ましくは750 ℃以上1100℃以下の範囲の温度
とするのが好ましい。このようにして得られた熱延焼鈍
板は、上記した鋼素材と同様な組成である、質量%で、
C:0.005 〜0.12%、N:0.005 〜0.12%、Cr:11〜18
%、B:0.0002〜0.0030%、Al:0.03%以下、Si:1.0
%以下、Mn:1.0 %以下を含有し、あるいはさらに、N
i、V、P、Sを、Ni:1.0 %以下、V:1.0 %以下、
P:0.05%以下、S:0.01%以下に調整して含有し、残
部Feおよび不可避的不純物からなる組成、あるいは質量
%で、C:0.001 〜0.02%、N:0.001 〜0.02%、Cr:
9〜32%、B:0.0002〜0.0030%、Al:0.30%以下、S
i:1.0 %以下、Mn:1.0 %以下を含み、かつTi:0.05
〜0.50%、Nb:0.05〜0.50%のうちの1種または2種を
含有し、あるいはさらに、Ni、V、P、Sを、Ni:1.0
%以下、V:1.0 %以下、P:0.05%以下、S:0.01%
以下に調整して含有し、残部Feおよび不可避的不純物か
らなる組成を有し、さらに、圧延方向に平行な板厚断面
で、次(1)式 e=L1/L2 ………(1) (ここに、e:伸展度、L1:結晶粒の圧延方向長さ
(μm )、L2:結晶粒の板厚方向長さ(μm ))で定
義される伸展度eの最大値が5以下である組織を有す
る。
【0058】なお、鋼素材と同様に上記した各組成に加
えて、質量%で、Mo、Cuのうちから選ばれた1種または
2種を合計で0.5 〜2.5 %、および/またはZr:0.5 %
以下、Ta:0.5 %以下のうちから選ばれた1種または2
種、および/またはCa:0.0005〜0.010 %、および/ま
たはMg:0.0002〜0.050 %を含有してもよい。各組成の
限定理由は、鋼素材の組成限定理由と同様であり、ここ
では省略する。
【0059】フェライト系Cr含有冷延鋼板用原板であ
る、熱延焼鈍板の圧延方向に平行な板厚断面における結
晶粒組織は、通常、板中心部近傍の結晶粒が表面近傍の
結晶粒に比べ圧延方向に長く伸展した粒、伸展粒が多く
なっている。その一例を模式的に図6に示す。本発明で
は、圧延方向に平行な板厚断面における各々の結晶粒に
ついて、圧延方向の長さL1と、板厚方向の長さL2を
測定し、前記(1)式で示されるように、その比、L1
/L2をその結晶粒の伸展度eと定義する(図6
(b))。
【0060】本発明では、冷延鋼板用原板の圧延方向に
平行な板厚断面における結晶粒組織を、上記した伸展度
eの最大値が5以下である組織とする。各種フェライト
系Cr含有冷延鋼板用原板(熱延焼鈍板)について、圧延
方向に平行な板厚断面における伸展度eの分布の一例を
図7に示す。図7の各曲線にはリジンググレードを表示
してあるが、このリジンググレードは、これら熱延焼鈍
板に、通常の冷間圧延−仕上げ焼鈍を施し冷延焼鈍板と
したのち測定したものである。冷延焼鈍後の鋼板のリジ
ンググレードがD、Bである熱延焼鈍板では、中心部近
傍で伸展度eの最大値が5を超える高い値となってい
る。リジンググレードAと、冷延焼鈍板の耐リジング性
を高めるためには、熱延焼鈍板(冷延鋼板用原板)の結
晶組織を、伸展度eの最大値が5以下である組織とする
必要があることがわかる。
【0061】熱延焼鈍板中に存在する伸展粒は、通常の
冷延・仕上げ焼鈍により十分な再結晶を起こしほぼ等軸
の粒となる。しかし、熱延焼鈍板中に存在する伸展度e
が5を超える伸展粒は、冷延焼鈍板のリジング発生原因
の一つである方位コロニー(結晶方位の類似した集合
体)、あるいは粗大粒コロニー(圧延方向に連続して並
ぶ粗大な結晶粒の集合体)の形成を助長し、それによ
り、冷延焼鈍板の耐リジング性を低下させる原因となっ
ているものと考えられる。
【0062】伸展度eが5以下の結晶粒組織とするため
に、本発明では、熱延板に冷間あるいは温間で、圧下率
2〜15%の予備圧延を施すのが好ましい。この予備圧延
により導入された歪が、熱延板焼鈍に際し再結晶・等軸
化を促進し、とくに板厚中央部近傍の結晶粒の伸展度を
低下させる。なお、本発明では、熱延焼鈍板の結晶組織
を伸展度eが5以下の組織とする方法は、上記した熱延
板に予備圧延を施す方法に限定されるものではない。熱
間圧延の圧延仕上げ温度を 450℃未満の低温とし熱延板
焼鈍前に歪によるエネルギーを蓄積する方法、あるいは
熱延板焼鈍前に焼入れ処理を行い変態に伴う歪を利用す
る方法なども条件を選定すれば有効であると考えられ
る。
【0063】ついで、このような冷延鋼板用原板は、脱
スケール処理して冷延工程−仕上げ焼鈍工程を経て冷延
焼鈍板とされる。つぎに、冷延鋼板の製造プロセスにつ
いて以下に説明する。本発明の冷延鋼板の製造プロセス
は、上記した冷延鋼板用原板に、圧下率:30%以上の冷
間圧延を行い冷延板とする冷延工程と、該冷延板に焼鈍
温度:700 ℃以上の温度で仕上げ焼鈍を行う仕上げ焼鈍
工程とを順次施す工程からなる。
【0064】冷延工程では、冷延圧下率を30%以上、よ
り好ましくは、50〜95%とする冷間圧延を行うのが好適
である。また、仕上げ焼鈍工程では、さらなる加工性を
付与するために、冷延板に600 ℃以上、より好ましくは
700 〜1100℃の再結晶温度域の温度で仕上げ焼鈍を行う
のが好ましい。仕上げ焼鈍温度が1100℃を超えると、結
晶粒の粗大化が起こる。
【0065】なお、冷延工程⇒仕上げ焼鈍工程は、必要
に応じて2回以上行ってもよい。これにより、r値、延
性、耐リジング性がより向上する。また、冷延板の仕上
げは、例えばJIS G 4305-1191 で示されるNo. 2D仕上
げ(焼鈍⇒酸洗(⇒つや消しロールで軽圧下))、No.
2B仕上げ(焼鈍⇒酸洗⇒調質圧延)、No. BA仕上げ
(光輝焼鈍)、その他、各種研磨仕上げ(No.3〜4,
HL,No.6〜8)などが可能である。
【0066】上記した冷延鋼板の製造方法で得られた冷
延鋼板(冷延焼鈍板)は、質量%で、C:0.005 〜0.12
%、N:0.005 〜0.12%、Cr:11〜18%、B:0.0002〜
0.0030%、Al:0.03%以下、Si:1.0 %以下、Mn:1.0
%以下を含有し、あるいはさらに、Ni、V、P、Sを、
Ni:1.0 %以下、V:1.0 %以下、P:0.05%以下、
S:0.01%以下に調整して含有し、残部Feおよび不可避
的不純物からなる組成、あるいは質量%で、C:0.001
〜0.02%、N:0.001 〜0.02%、Cr:9〜32%、B:0.
0002〜0.0030%、Al:0.30%以下、Si:1.0 %以下、M
n:1.0 %以下を含み、かつTi:0.05〜0.50%、Nb:0.0
5〜0.50%のうちの1種または2種を含有し、あるいは
さらに、Ni、V、P、Sを、Ni:1.0 %以下、V:1.0
%以下、P:0.05%以下、S:0.01%以下に調整して含
有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成と、圧
延方向に平行な板厚断面で、平均結晶粒面積A0 の2倍
以上の結晶粒面積を有する結晶粒が圧延方向に連続した
集合体である粗大粒コロニーの、次(2)式 A=L3/L4 ………(2) (ここに、A:アスペクト比、L3:粗大粒コロニーの
圧延方向長さ(μm )、L4:粗大粒コロニーの板厚方
向長さ(μm ))で定義されるアスペクト比Aの最大値
が5以下である組織とを有する。なお、鋼素材と同様に
各組成に加えて、質量%で、Mo、Cuのうちから選ばれた
1種または2種を合計で0.5 〜2.5 %、および/または
Zr:0.5 %以下、Ta:0.5 %以下のうちから選ばれた1
種または2種、および/またはCa:0.0005〜0.010 %、
および/またはMg:0.0002〜0.050 %を含有してもよ
い。各組成の限定理由は、鋼素材の組成限定理由と同様
であり、ここでは省略する。
【0067】本発明では、圧延方向に平行な板厚断面
で、平均結晶粒面積A0 の2倍以上の結晶粒面積を有す
る結晶粒を粗大粒という。ここで、平均結晶粒面積A0
は、圧延方向に平行な板厚断面における結晶粒の平均面
積を意味する。また、本発明では、これら粗大粒が圧延
方向に連続して並んだ集合体を粗大粒コロニーと呼ぶ。
冷延焼鈍鋼板の圧延方向に平行な板厚断面における、冷
延焼鈍鋼板の結晶粒組織の一例を模式的に図8(a)に
示す。図8(a)では、板厚中央部近傍に粗大粒コロニ
ーが存在する。粗大粒コロニーは、平均結晶粒面積A0
の2倍以上の結晶粒面積を有する粗大粒が圧延方向に連
続して並んだ粗大粒の集合体である(図8では5個の粗
大粒が連続している)。また、図8では、一つの粗大粒
コロニーのみを図示しているが、粗大粒コロニーは一つ
に限定されない。また、粗大粒コロニーの位置について
も、板厚中央部近傍に限定されない。
【0068】本発明では、圧延方向に平行な板厚断面
で、この粗大粒コロニーの圧延方向の長さL3と、板厚
方向の長さL4を測定し、前記(2)式で示されるよう
に、その比、L3/L4をその粗大粒コロニーのアスペ
クト比Aと定義する。(図8(b))。圧延方向に平行
な板厚断面で存在する粗大粒コロニーごとに、そのアス
ペクト比Aを測定し、その最大値を求める。本発明の冷
延鋼板では、このような粗大粒コロニーのアスペクト比
の最大値を5以下とする。アスペクト比が5を超える
と、耐リジング性が低下し、SUS 304 並みの耐リジング
性が確保できなくなる。
【0069】粗大粒コロニーの存在によるリジング発生
の詳細な機構については現在のところ明確とはなってい
ないが、つぎのように考えられる。フェライト系鋼で
は、変形に際し降伏現象が現れ、リューダース帯と呼ば
れる不均一変形が起きるが、降伏応力は結晶粒径に依存
し、粗大粒ほど低い応力で降伏するため、アスペクト比
が5を超える粗大コロニーが存在すると、変形初期に粗
大コロニー部での微細領域で降伏が生じ、これが周囲の
変形に影響して、鋼板表面にリジングを発生させるもの
考えられる。
【0070】アスペクト比が5を超える粗大コロニーの
形成を抑制し、均一な結晶粒組織とすることにより、耐
リジング性が顕著に改善される。アスペクト比が5を超
える粗大コロニーの形成を抑制するためには、上記した
ように、冷延鋼板用原板(熱延焼鈍板)における結晶粒
組織を、伸展度eの最大値が5以下である組織とするこ
とが好ましい。熱延焼鈍板の結晶組織を伸展度eが5以
下の組織とする方法は、上記したように、熱延板に予備
圧延を施す方法が有効であるが、その他に、熱間圧延の
圧延仕上げ温度を 450℃未満の低温とし熱延板焼鈍前に
歪によるエネルギーを蓄積する方法、あるいは熱延板焼
鈍前に焼入れ処理を行い変態に伴う歪を利用する方法な
ども有効であると考えられる。また、粗大コロニーの形
成を抑制するためには、熱延後、冷延−焼鈍を2回ある
いは3回以上繰り返して行うことなども有効であると考
えられる。
【0071】本発明では、Cr含有フェライト系鋼板の通
常の製造プロセスにおいて、Bを含有する鋼を素材と
し、かつ熱延〜熱延板焼鈍間に熱延板に対し冷間または
温間での予備圧延工程を付加するだけで目的の特性をも
つ製品が得られるため、生産能率が良く、また製造コス
ト増も極めて少なくてすむ。
【0072】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明
する。 (実施例1)表2に示す組成になるCr含有フェライト系
鋼を転炉⇒2次製錬(VOD)にて溶製し、連続鋳造に
よりスラブとなし、これを熱間圧延(スラブ加熱⇒粗圧
延⇒仕上げ圧延⇒巻取)して熱延板とした。この熱延板
を酸洗後、圧下率0〜20%の冷間圧延を表3に示すよう
に割り振った圧下率で行い、次いで表3に示す条件で熱
延板焼鈍した。熱延板焼鈍条件は、830 〜860 ℃×8h
保持の箱焼鈍とした。
【0073】次いで酸洗し、次いで熱延後の累積圧下率
が75%となるように冷間圧延し、次いで表3に示す条件
で仕上げ焼鈍を行って、板厚0.8 mmの冷延焼鈍材とし
た。これら冷延焼鈍材について、r値、伸びおよび伸び
の面内異方性、リジンググレードを測定した。r値、伸
び、耐リジング性の測定は以下の方法に従って行った。 (1)r値 各冷延焼鈍板から、圧延方向に対して0°、45°、90°
の各方向を試験方向とするJIS13号B試験片を採取
し、それぞれに15%の単軸引張予ひずみを与える前後の
試験片の幅とゲージ長さから幅ひずみと板厚ひずみの比
として各方向のr値を計測し、それらを次式により平均
して測定値とした。
【0074】r=(rL +2rD +rT )/4 ここに、rL ,rD ,rT はそれぞれ圧延方向に対して
0°,45°,90°の方向のr値を表す。 (2)伸び 各冷延焼鈍板から、圧延方向に対して0°、45°、90°
の各方向を試験方向とするJIS13号B試験片を採取
し、それぞれ引張試験して各方向の伸びを計測し、それ
らを次式により平均して測定値とした。
【0075】El=(ElL +2ElD +ElT )/4 ここに、ElL ,ElD ,ElT はそれぞれ圧延方向に対して
0°,45°,90°の方向の伸びを表す。さらに、伸びの
面内異方性(ΔEl)は、次式により求めた。 ΔEl=|ElL −2ElD +ElT |/2 (3)耐リジング性 各冷延焼鈍板から、圧延方向に対して0°の方向を試験
方向とするJIS5号引張試験片を採取し、その片面を
#600 に仕上げ研磨し、20%の単軸引張予ひずみを与え
てリジングを発生させ、試験片中央部でのリジング量
(うねりの高さ:凹底から凸頂までの高さ)を粗度計に
より計測し、その結果を、A:5μm以下、B:5μm
超〜10μm、C:10μm超〜20μm、D:20μm超の4
階級に分級して評価した。この階級をリジンググレード
と称する。リジンググレードがA、Bの場合にはプレス
成形時の耐リジング性が良好であるとした。
【0076】得られた結果を表3に示す。
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】表3において、実施例は本発明範囲内で製
造されたもの、比較例は本発明範囲外で製造されたもの
である。表3から明らかなように、実施例では、比較例
に比べ、伸び、r値が上昇し、リジンググレードも大き
く向上し、しかも、伸びの面内異方性が、比較例のΔE
l:2%以上に対し実施例ではΔEl:0.5 %以下と、著
しく改善されている。
【0080】(実施例2)表4に示す組成の溶鋼を、転
炉−2次精錬工程で溶製し、連続鋳造法でスラブ(鋼素
材)とした。これらスラブを再加熱し、熱間圧延工程に
より、3.2mm 厚の熱延板とした。ついで、これら熱延板
を酸洗し、予備圧延工程と、熱延板焼鈍工程と、酸洗工
程と、冷延工程と、仕上げ焼鈍工程を順次施し、板厚0.
8mm の冷延焼鈍板とした。予備圧延、熱延板焼鈍、仕上
げ焼鈍の条件を表5に示す。なお、冷延工程における累
積圧下率は75%であった。熱延板焼鈍および仕上げ焼鈍
は、連続焼鈍とした。
【0081】これら冷延焼鈍材について、実施例1と同
様に、r値、伸びおよび伸びの面内異方性、リジンググ
レードを測定した。これらの結果を、表5に示す
【0082】
【表4】
【0083】
【表5】
【0084】表5から、実施例はいずれも、r値:1.20
以上、El:30%以上、リジンググレード:Aであり、同
一鋼No. の比較例に比べ、伸び、r値が上昇し、リジン
ググレードも大きく向上し、しかも、伸びの面内異方性
が、比較例のΔEl:1.2 %以上に対し、実施例ではΔE
l:0.5 %以下と、著しく改善されている。(実施例
3)表2または表4に示す組成の溶鋼(鋼No. C、K、
L、M)を、転炉−2次精錬工程で溶製し、連続鋳造法
でスラブ(鋼素材)とした。これらスラブを再加熱し、
熱間圧延工程により、3.2 〜4.0mm 厚の熱延板とした。
ついで、これら熱延板を酸洗し、予備圧延工程と、熱延
板焼鈍工程と、酸洗工程と、冷延工程と、仕上げ焼鈍工
程を順次施し、板厚0.8mm の冷延焼鈍板とした。予備圧
延、熱延板焼鈍、仕上げ焼鈍の条件を表6に示す。な
お、冷延工程における累積圧下率は75〜80%であった。
熱延板焼鈍は連続焼鈍または箱焼鈍、仕上げ焼鈍は連続
焼鈍とした。
【0085】これら冷延焼鈍材について、実施例1と同
様に、r値、伸び、リジンググレードを測定した。な
お、熱延板焼鈍工程を経た得られた熱延焼鈍板(冷延鋼
板用原板)から試験片を採取し、圧延方向に平行な板厚
断面を研摩し、王水にてエッチングしたのち、光学顕微
鏡を用いて100 倍で板厚×2mmの範囲の組織を撮影し
た。得られた組織写真より、画像解析装置を用いた画像
処理により、結晶粒の伸展度eを測定し、その最大値を
求めた。また、冷延焼鈍板について、圧延方向に平行な
板厚断面を研摩し、王水にてエッチングした後、光学顕
微鏡を用いて 200倍にて板厚×1mmの範囲を撮影した。
得られた組織写真により、画像解析装置を用いた画像処
理により平均の結晶粒面積A0 、および2×A0 以上の
結晶粒面積を有する粗大結晶粒が圧延方向に連続して集
合した集合体である粗大コロニーのアスペクト比Aを測
定し、その最大値を求めた。
【0086】これらの結果を、表6に示す
【0087】
【表6】
【0088】表6から、実施例はいずれも、熱延焼鈍板
の伸展度eの最大値が5以下、冷延焼鈍板の粗大粒コロ
ニーのアスペクト比の最大値が5以下と、均一な結晶粒
組織となって、r値および伸びが同一鋼No. の比較例に
比べ良好であるとともに、リジンググレード:Aと耐リ
ジング性が顕著に向上している。これに対し、比較例
は、伸び、r値、リジンググレードがいずれも劣化して
いる。
【0089】
【発明の効果】かくして本発明によれば、延性、加工
性、および耐リジング性に優れ、しかも伸びの面内異方
性の極めて小さいフェライト系Cr含有鋼板を能率良く安
価に供給できるようになり、その工業的価値は極めて高
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】仕上げ焼鈍材の伸びに及ぼす熱間圧延後焼鈍前
の熱延板に付与した予備圧延の圧下率の影響を示すグラ
フである。
【図2】仕上げ焼鈍材のr値に及ぼす熱間圧延後焼鈍前
の熱延板に付与した予備圧延の圧下率の影響を示すグラ
フである。
【図3】仕上げ焼鈍材の耐リジング性に及ぼす熱間圧延
後焼鈍前の熱延板に付与した予備圧延の圧下率の影響を
示すグラフである。
【図4】仕上げ焼鈍材の伸びに及ぼすB添加の影響を示
すグラフである。
【図5】仕上げ焼鈍材の伸びの面内異方性に及ぼすB添
加の影響を示すグラフである。
【図6】(a)は熱延焼鈍板の圧延方向に平行な板厚断
面における結晶粒組織の一例を示す模式図であり、
(b)は結晶粒の伸展度eの定義を説明する模式図であ
る。
【図7】熱延焼鈍板の結晶粒の伸展度分布とリジンググ
レードの関係を示すグラフである。
【図8】(a)は冷延焼鈍板の圧延方向に平行な板厚断
面における粗大粒コロニーの一例を示す模式図であり、
(b)は粗大粒コロニーのアスペクト比Aの定義を説明
する模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宇城 工 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 佐藤 進 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 古君 修 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cr:9〜32質量%、B:0.0002〜0.0030
    質量%を含有するフェライト系Cr含有鋼板の製造方法に
    おいて、熱間圧延後で熱延板焼鈍前の熱延板に冷間また
    は温間で圧下率:2〜15%の圧延を行うことを特徴とす
    るフェライト系Cr含有鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 BおよびCrを含有する鋼素材に、熱間圧
    延により熱延板とする熱延工程と、該熱延板を焼鈍する
    熱延板焼鈍工程と、を施すフェライト系Cr含有冷延鋼板
    用原板の製造方法において、前記鋼素材を、 質量%
    で、 Cr:11〜18%、 B:0.0002〜0.0030% を含み、さらに、 C:0.005 〜0.12%、 N:0.005 〜0.12%、 Al:0.03%以下 を含有する組成の鋼素材とし、前記熱延工程後で前記熱
    延板焼鈍工程の前に、前記熱延板に冷間または温間で圧
    下率:2〜15%の圧延を行う予備圧延工程を施し、かつ
    前記熱延板焼鈍工程の焼鈍を箱焼鈍とすることを特徴と
    するフェライト系Cr含有冷延鋼板用原板の製造方法。
  3. 【請求項3】 BおよびCrを含有する鋼素材に、熱間圧
    延により熱延板とする熱延工程と、該熱延板を焼鈍する
    熱延板焼鈍工程と、を施すフェライト系Cr含有冷延鋼板
    用原板の製造方法において、前記鋼材を、質量%で、 Cr:9〜32%、 B:0.0002〜0.0030% を含み、さらに、 C:0.001 〜0.02%、 N:0.001 〜0.02%、 Al:0.30%以下 を含有し、かつTi:0.05〜0.50%、Nb:0.05〜0.50%の
    うちの1種または2種を含有する組成の鋼素材とし、前
    記熱延工程後で前記熱延板焼鈍工程の前に、前記熱延板
    に冷間または温間で圧下率2〜15%の圧延を行う予備圧
    延工程を施し、かつ前記熱延板焼鈍工程の焼鈍を連続焼
    鈍とすることを特徴とするフェライト系Cr含有冷延鋼板
    用原板の製造方法。
  4. 【請求項4】 質量%で、 C:0.005 〜0.12%、 N:0.005 〜0.12%、 Cr:11〜18%、 B:0.0002〜0.0030% Al:0.03%以下、 Si:1.0 %以下、 Mn:1.0 %以下 を含有し、あるいはさらに、Ni、V、P、Sを、 Ni:1.0 %以下、 V:1.0 %以下、 P:0.05%以下、 S:0.01%以下 に調整して含有し、残部Feおよび不可避的不純物からな
    る組成と、圧延方向に平行な板厚断面で、下記(1)式
    で定義される伸展度eの最大値が5以下である組織とを
    有することを特徴とするフェライト系Cr含有冷延鋼板用
    原板。 記 e=L1/L2 ………(1) ここに、e:伸展度 L1:結晶粒の圧延方向長さ(μm ) L2:結晶粒の板厚方向長さ(μm )
  5. 【請求項5】 質量%で、 C:0.001 〜0.02%、 N:0.001 〜0.02%、 Cr:9〜32%、 B:0.0002〜0.0030% Al:0.30%以下、 Si:1.0 %以下、 Mn:1.0 %以下 を含み、かつTi:0.05〜0.50%、Nb:0.05〜0.50%のう
    ちの1種または2種を含有し、あるいはさらに、Ni、
    V、P、Sを、 Ni:1.0 %以下、 V:1.0 %以下、 P:0.05%以下、 S:0.01%以下 に調整して含有し、残部Feおよび不可避的不純物からな
    る組成と圧延方向に平行な板厚断面で、下記(1)式で
    定義される伸展度eの最大値が5以下である組織とを有
    することを特徴とするフェライト系Cr含有冷延鋼板用原
    板。 記 e=L1/L2 ………(1) ここに、e:伸展度 L1:結晶粒の圧延方向長さ(μm ) L2:結晶粒の板厚方向長さ(μm )
  6. 【請求項6】 前記組成に加えてさらに、質量%で、下
    記a群〜d群のうちから選ばれる1群または2群以上を
    含有することを特徴とする請求項4または5に記載のフ
    ェライト系Cr含有冷延鋼板用原板。 記 a群:Mo、Cuのうちから選ばれた1種または2種を合計
    で0.5 〜2.5 % b群:Zr:0.5 %以下、Ta:0.5 %以下のうちから選ば
    れた1種または2種 c群:Ca:0.0005〜0.010 % d群:Mg:0.0002〜0.0050%
  7. 【請求項7】 請求項4ないし6のいずれかに記載のフ
    ェライト系Cr含有冷延鋼板用原板を用いて、該フェライ
    ト系Cr含有冷延鋼板用原板に、圧下率:30%以上の冷間
    圧延を行い冷延板とする冷延工程と、該冷延板に焼鈍温
    度:700 ℃以上の温度で仕上げ焼鈍を行う仕上げ焼鈍工
    程とを施すことを特徴とする延性、加工性および耐リジ
    ング性に優れたフェライト系Cr含有冷延鋼板の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 質量%で、 C:0.005 〜0.12%、 N:0.005 〜0.12%、 Cr:11〜18%、 B:0.0002〜0.0030% Al:0.03%以下、 Si:1.0 %以下、 Mn:1.0 %以下 を含有し、あるいはさらに、Ni、V、P、Sを、 Ni:1.0 %以下、 V:1.0 %以下、 P:0.05%以下、 S:0.01%以下 に調整して含有し、残部Feおよび不可避的不純物からな
    る組成と、圧延方向に平行な板厚断面で、平均結晶粒面
    積A0 の2倍以上の結晶粒面積を有する結晶粒が圧延方
    向に連続した集合体である粗大粒コロニーの、下記
    (2)式で定義されるアスペクト比Aの最大値が5以下
    である組織とを有することを特徴とする延性、加工性お
    よび耐リジング性に優れたフェライト系Cr含有冷延鋼
    板。 記 A=L3/L4 ………(2) ここに、A:アスペクト比 L3:粗大粒コロニーの圧延方向長さ(μm ) L4:粗大粒コロニーの板厚方向長さ(μm )
  9. 【請求項9】 質量%で、 C:0.001 〜0.02%、 N:0.001 〜0.02%、 Cr:9〜32%、 B:0.0002〜0.0030% Al:0.30%以下、 Si:1.0 %以下、 Mn:1.0 %以下 を含み、かつTi:0.05〜0.50%、Nb:0.05〜0.50%のう
    ちの1種または2種を含有し、あるいはさらに、Ni、
    V、P、Sを、 Ni:1.0 %以下、 V:1.0 %以下、 P:0.05%以下、 S:0.01%以下 に調整して含有し、残部Feおよび不可避的不純物からな
    る組成と、圧延方向に平行な板厚断面で、平均結晶粒面
    積A0 の2倍以上の結晶粒面積を有する結晶粒が圧延方
    向に連続した集合体である粗大粒コロニーの、下記
    (2)式で定義されるアスペクト比Aの最大値が5以下
    である組織とを有することを特徴とするフェライト系Cr
    含有冷延鋼板。 記 A=L3/L4 ………(2) ここに、A:アスペクト比 L3:粗大粒コロニーの圧延方向長さ(μm ) L4:粗大粒コロニーの板厚方向長さ(μm )
  10. 【請求項10】 前記組成に加えてさらに、質量%で、
    下記a群〜d群のうちから選ばれる1群または2群以上
    を含有することを特徴とする請求項8または9に記載の
    フェライト系Cr含有冷延鋼板。 記 a群:Mo、Cuのうちから選ばれた1種または2種を合計
    で0.5 〜2.5 % b群:Zr:0.5 %以下、Ta:0.5 %以下のうちから選ば
    れた1種または2種 c群:Ca:0.0005〜0.010 % d群:Mg:0.0002〜0.0050%
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