JP7473792B2 - 熱延鋼板、角形鋼管、およびそれらの製造方法 - Google Patents

熱延鋼板、角形鋼管、およびそれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱延鋼板、角形鋼管、およびそれらの製造方法に関する。
建築構造部材向けに、低降伏比高靭性角形鋼管が用いられている。熱延鋼板を素材として、丸形鋼管を造管したのち、この丸形鋼管を冷間でロール成形により角形鋼管(角コラム)に成形することにより製造される。
低降伏比高靭性角形鋼管には、容易に破壊しないための衝撃特性(靭性)が要求される。また、降伏比(YR(%)=降伏応力(YP)/引張強さ(TS)×100)が低いことが要求されている。角形鋼管に荷重が加わり変形し始めてから、さらに荷重が加わり破断するまでを考えたときに、角形鋼管の降伏比が低いことにより、変形から破壊までの時間がより長く持ちこたえるので、建築物に使用した際に安全である。
このような低降伏比高靭性角形鋼管の素材として用いられる熱延鋼板には、角形鋼管に成形するための高い成形性を備えつつ、通常の角形鋼管に求められる靭性や降伏比YRの特性値以上に、高い靭性や低い降伏比YRが要求される。これら理由は次のようなことによる。
熱延鋼板に求められる成形性について説明する。角形鋼管は上述のように、熱延鋼板を素材として、丸形鋼管を造管したのち、この丸形鋼管を冷間でロール成形により角形鋼管(角コラム)に成形して製造される。丸形鋼管から角形鋼管に成形する際には、角形鋼管のコーナー部は、丸形鋼管の丸形部分に追加して角状にする曲げ加工を受ける。また、角形鋼管の平坦部は、丸形形状に曲げた後に、逆に曲げ戻し加工を受ける。このため、角形鋼管の素材として用いられる熱延鋼板には、厳しい加工を受けても割れることなく成形される高い成形性が要求される。この高い成形性を表す指標として、伸び(EL)の値が高いことが求められる。
次に降伏比と靱性について説明する。ロール成形によって冷間で製造される角形鋼管は、冷間歪が多く加わることによって降伏応力が上昇して、降伏比YRが高くなり、靭性も大きく劣化してしまう。それに対し、冷間加工を行って角形鋼管を形成した後においても降伏比が低く保たれるよう、素材となる熱延鋼板の降伏比が十分に低く、靱性が十分に高いことが要求される。
このような、低降伏比高靭性角形鋼管用の鋼板(鋼材)は、例えば、特許文献1に開示されているものがある。特許文献1では、鋼板の状態で、降伏強さ:215MPa以上、引張強さ:400~510MPaの強度、75%以下の低降伏比で、試験温度0℃におけるシャルピー衝撃試験の吸収エネルギー:180J以上となる高靭性を有することを特徴とする建築構造部材向け角形鋼管用厚肉熱延鋼板が示されている。この鋼板を用いることで、管軸方向で、降伏強さ:295~445MPa、引張強さ:400~550MPaの強度と、80%以下の低降伏比で、試験温度0℃におけるシャルピー衝撃試験の吸収エネルギー:150J以上となる高靭性を有する建築構造部材向け角形鋼管を得ることができることが示されている。
この特許文献1では、素材として用いる熱延鋼板の合金組織(主相(フェライト)、第二相(ベイナイトおよびパーライト))のうち、特に第二相の存在が、冷間成形で製造された角形鋼管の降伏比YR、靭性に大きく影響すると述べている。そして、その影響は、通常用いられる第二相の体積分率、第二相の平均粒径では、うまく靭性を評価できないとして、第二相頻度=(所定長さの線分と交叉する第二相粒の粒数)/(所定長さの線分と交叉する主相粒および第二相粒の合計粒数)を定義している。特許文献1では、この第二相頻度が0.20~0.42であり、主相と第二相とを含む平均結晶粒径が7~15μmである合金組織を有することを特徴とする鋼板が示されている。
しかしながら、建築構造部材向けの低降伏比高靭性角形鋼管には、更なる高強度化が求められている。高強度化を追求すると、靭性が劣化し、降伏比YRは高くなるので、これらの特性をすべて高めることは困難であった。
十分に低降伏比高靭性で高強度な角形鋼管、およびそのような角形鋼管を製造できる熱延鋼板に関し、特許文献2では、降伏応力:300~460MPa、引張強さ:460~600MPaの強度と、85%以下の低降伏比で、試験温度-20℃におけるシャルピー衝撃試験の吸収エネルギーvE-20℃:180J以上となる高靭性を有する熱延鋼板およびその製造方法が開示されている。この熱延鋼板により、管軸方向で、降伏応力:365~515MPa、引張強さ:490~640MPaの強度と、90%以下の低降伏比で、試験温度0℃におけるシャルピー衝撃試験の吸収エネルギーvE0℃:70J以上となる高靭性を有する角形鋼管を提供することができる。
特開2012-132088号公報 特開2019-196508号公報
特許文献2に記載の発明により、管軸方向で、降伏応力:365~515MPa、引張強さ:490~640MPaの強度と、90%以下の低降伏比で、試験温度0℃におけるシャルピー衝撃試験の吸収エネルギーvE0℃:70J以上となる高靭性を有する角形鋼管を提供することが可能となった。
一方、管軸方向で、降伏応力:295~445MPa、引張強さ:400~550MPaの強度と、90%以下の低降伏比で、試験温度0℃におけるシャルピー衝撃試験の吸収エネルギーvE0℃:27J以上となる高靭性を有する角形鋼管を提供することが求められている。
上記特性を有する角形鋼管を製造するための素材熱延鋼板として、本発明は、降伏応力:200~350MPa、引張強さ:380~530MPaの強度と、85%以下の低降伏比で、試験温度-20℃におけるシャルピー衝撃試験の吸収エネルギーvE-20℃:180J以上となる高靭性を有する熱延鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
そして、この熱延鋼板により、管軸方向で、降伏応力:295~445MPa、引張強さ:400~550MPaの強度と、90%以下の低降伏比で、試験温度0℃におけるシャルピー衝撃試験の吸収エネルギーvE0℃:27J以上となる高靭性を有する角形鋼管およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]質量%で、
C :0.050~0.100%、
Si:0.10~0.30%、
Mn:0.40~1.00%、
P :0.050%以下、
S :0.020%以下、
Al:0.002~0.050%、
N :0.0060%以下、
Nb:0.002~0.014%を含有し、
残部がFeおよび不純物である熱延鋼板であり、
前記熱延鋼板の合金組織は、主相と第二相からなり、
前記主相は、フェライトであり、
前記第二相は、パーライト、またはパーライトおよびベイナイトであり、
前記第二相は、鋼板の1/4厚における下記(1)式により定義される第二相頻度が0.10~0.18であり、
鋼板の1/4厚における主相と第二相の平均結晶粒径が5~15μmであることを特徴とする、熱延鋼板。
第二相頻度=(所定長さの線分と交叉する第二相粒の粒数)/(所定長さの線分と交叉する主相粒および第二相粒の合計粒数) (1)
[2]さらに質量%で、前記Feの一部に代えて、
Ti:0.080%以下、
V :0.150%以下、
Cu:0.40%以下、
Ni:0.40%以下、
Cr:0.40%以下、
Mo:0.22%以下、
からなる群から選ばれる一種または二種以上を含有することを特徴とする、[1]に記載の熱延鋼板。
[3]さらに質量%で、前記Feの一部に代えて、
Mg:0.0100%以下、
Ca:0.0100%以下、
REM:0.1000%以下、
B :0.0100%以下、
からなる群から選ばれる一種または二種以上を含有することを特徴とする、[1]または[2]に記載の熱延鋼板。
[4]圧延方向で、降伏応力が200~350MPa、引張強さが380~530MPa、降伏比が85%以下で、-20℃におけるシャルピー衝撃試験の吸収エネルギーが180J以上であることを特徴とする、[1]~[3]のいずれか1つに記載の熱延鋼板。
[5][1]~[3]のいずれか1つに記載の成分組成を有するスラブについて、
前記スラブを加熱し、熱間粗圧延及び熱間仕上圧延を行い、前記熱間仕上圧延終了後に冷却を行い、巻取を行う熱延鋼板の製造方法であって、
前記加熱は、前記スラブを下記SRT(℃)以上の温度に加熱し、加熱後に60分以上120分以下の時間経過後に抽出し、
前記熱間粗圧延は、出側温度を900~1060℃で施し、
前記熱間仕上圧延は、
総圧下率を55~80%、
最終パスの圧下率を2~10%、
仕上圧延終了温度を750~870℃で施し、
前記冷却は、一次冷却、空冷、二次冷却をこの順で行い、
前記仕上圧延の終了から前記一次冷却開始までの時間を4~10秒とし、
1/4厚部の温度について、一次冷却終了温度を650~700℃とし、前記一次冷却開始したときの温度から、前記一次冷却終了温度に至るまで、平均冷却速度が5~30℃/秒となるように冷却し、
前記一次冷却終了後、前記二次冷却開始までの空冷の時間を2~10秒とし、
1/4厚部の温度について、二次冷却終了温度を570~650℃とし、前記二次冷却開始したときの温度から、前記二次冷却終了温度に至るまで、平均冷却速度が5~30℃/秒となるように冷却し、
鋼板の表面の温度について、巻取温度を500~650℃とし、
1/4厚部の温度について、前記二次冷却終了温度から、巻取したときの温度に至るまで、平均冷却速度が5℃/秒以下となるように巻取を行うことを特徴とする、[1]~[4]のいずれか1つに記載の熱延鋼板の製造方法。
SRT(℃)=6670/(2.26-log〔Nb×C〕)-273 (2)
ただし、式中の元素記号は当該元素の鋼中含有量(質量%)を意味する。
[6][1]~[4]のいずれか1つに記載の熱延鋼板を素材として丸形鋼管に造管し、冷間成形により製造される角形鋼管であって、
管軸方向で、降伏応力が295~445MPa、引張強さが400~550MPa、降伏比が90%以下で、0℃におけるシャルピー衝撃試験の吸収エネルギーが27J以上であることを特徴とする、角形鋼管。
[7][5]に記載された熱延鋼板の製造方法によって製造された熱延鋼板を素材とし、前記素材を丸形鋼管に造管し、冷間成形して製造することを特徴とする、[6]に記載の角形鋼管の製造方法。
本発明により、高強度、高靱性、低降伏比の建築構造部材向け角形鋼管用厚肉熱延鋼板が提供できる。そして、この熱延鋼板によって高強度、高靱性、低降伏比の角形鋼管が製造できる。本発明の高強度、高靱性、低降伏比の建築構造部材向け角形鋼管は、高強度、高靱性のため変形しがたく、変形しても変形から破壊までの時間がより長く持ちこたえるので、建築物に使用した際に安全である。
高靭性化のためには、結晶粒(平均結晶粒径)を小さくすることが有効であることが知られている。また、結晶粒を微細化すると、降伏応力が大きくなることも、Hall-Petchの式で知られている。
降伏比YRを低くするためには、引張強さを大きくすることが必要なので、2相組織化し、フェライトの生成を促進し、フェライトの強度を下げるとともに、パーライト、またはパーライトおよびベイナイトである第二相を増やすことが有効である。しかしながら、これらの第二相を増やしすぎると、これらの硬質相を起点とした破壊が発生し、靭性は劣化する。
このように、高靱性化、あるいは高強度化のための結晶粒の微細化と、降伏比YRを低くすることは二律背反となる。
特許文献2においては、靱性を付与するために、Nbを0.015~0.045質量%の範囲で添加している。Nbを添加し、熱間仕上げ圧延の圧延条件を調整し、熱間仕上げ圧延後の冷却速度を調整することで、γ粒を微細化し、平均結晶粒径の粗大化を抑制している。このように、平均結晶粒径を小さくすることで、靭性を確保する。また、Nbを添加することで、Nbの炭化物、または窒化物を析出させるNbの析出強化により強度を確保することができる。また、熱間仕上げ圧延の圧延条件を調整し、熱間仕上げ圧延後の冷却条件を調整したことで、特許文献2記載発明で得られたフェライトは、硬さが適切な範囲であり、また第二相は、第二相頻度が適切な範囲であるので、降伏比YRを低くすることができる。フェライトを生成させることにより、降伏比YRを低くすることができる。
本発明が対象とする、特許文献2に記載の発明と比較して引張強さと降伏応力をともに低い領域とするため、Nb含有量を特許文献2に比較して低濃度とし、特許文献2と同様の製造方法を採用して熱延鋼板と角形鋼管を製造したところ、本発明が目的とする低い降伏比と高い靱性を両立させることができなかった。
そこで本発明において、特許文献2と比較して鋼成分を調整するとともに、熱延鋼板の製造方法に新たな工夫を加えることにより、はじめて、本発明が目的とする低い降伏比と高い靱性を両立させることができた。
本発明について、各事項をさらに詳細に説明する。
(化学成分)
本発明の熱延鋼板、角形鋼管の成分組成について詳細に説明する。以下の%は、すべて質量%である。なお、本明細書中において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
C :0.050~0.100%
Cは、熱延鋼板および角形鋼管に含有されると、固溶強化により強度を増加させる。また、第二相であるパーライトやベイナイトの形成に寄与する元素である。本発明が目的とする強度、靭性を確保するための後述の合金組織とするには、0.050%以上の含有を必要とする。一方、0.100%を超える含有は、目的の合金組織が得られず、熱延鋼板の、さらには角形鋼管の引張特性を確保できなくなる。このため、Cは0.050~0.100%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.070~0.100%である。
Si:0.10~0.30%
Siは、固溶強化で熱延鋼板および角形鋼管の強度増加に寄与する元素であり、靱性を確保するために0.10%以上含有させる。一方、0.30%を超える含有は、熱延鋼板表面に、赤スケールと称するファイアライトが形成しやすくなり、表面の外観性状が低下する場合が多くなるとともに靱性が低下する。このため、0.10~0.30%とする。なお、好ましくは0.15~0.25%である。
Mn:0.40~1.00%
Mnは、固溶強化を介して熱延鋼板および角形鋼板の強度を増加させる元素であり、目的の強度を確保するために、0.40%以上の含有を必要とする。一方、1.00%を超えて含有すると、靱性が低下する。このため、Mnは0.40~1.00%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.50~0.80%である。
P :0.050%以下
Pは、フェライト粒界に偏析して、靭性を低下させる作用を有する元素であり、本発明では、不純物としてできるだけ低減することが好ましいが、過度の低減は、精錬コストの高騰を招くため、0.002%以上とすることが好ましい。なお、0.050%までは許容できる。このため、Pは0.050%以下に限定した。なお、好ましくは0.025%以下である。
S :0.020%以下
Sは、熱延鋼板および角形鋼管中では硫化物として存在し、本発明の組成範囲であれば、主としてMnSとして存在する。MnSは、熱間圧延工程で薄く延伸され、延性、靭性に悪影響を及ぼすため、本発明ではできるだけ低減することが好ましいが、過度の低減は、精錬コストの高騰を招くため、0.002%以上とすることが好ましい。なお、0.020%までは許容できる。このため、Sは0.020%以下に限定した。なお、好ましくは0.010%以下である。
Al:0.002~0.050%
Alは、脱酸剤として作用するとともに、AlNとしてNを固定する作用を有する元素である。このような効果を得るためには、0.002%以上の含有を必要とする。0.002%未満では、脱酸力が不足し、COガスが溶鋼内に捕捉された状態となり、熱延鋼板の表面性状や靱性などの材質特性が悪化する。一方、0.050%を超える含有は、溶鋼中の酸素と反応した酸化物が介在物として多く含むようになるため、熱延鋼板及び角形鋼管の清浄度が低下し、靭性が低下する。また、角形鋼管の溶接部の靭性も低下する。このため、Alは0.002~0.050%に限定した。なお、好ましくは0.004~0.040%である。
N :0.0060%以下
Nは、不純物として含まれ、熱延鋼板の靱性、延性、角形鋼管の溶接性が低下するため、本発明ではできるだけ低減することが好ましいが、0.0060%までは許容できる。このため、Nは0.0060%以下に限定した。なお、好ましくは0.0050%未満である。
Nb:0.002~0.014%
Nbは、熱延鋼板および角形鋼管の強度増加に寄与する元素であり、平均結晶粒径を小さくし、第二相頻度を向上させるために、0.002%以上含有させる。Nbを含有することで、熱延鋼板の平均結晶粒径、第二相頻度が適正化し、熱延鋼板および角形鋼管の靱性と強度が向上する。一方、0.014%を超えると、引張強さが本発明の目標とする上限よりも高くなってしまう。なお、好ましくは0.004~0.010%である。
Feおよび不純物
本発明の熱延鋼板および角形鋼管の成分組成は、以上の元素の他、Feおよび不純物からなる。Feは、主成分であり、不純物とは、熱延鋼板を製造する際の原材料に含まれる、あるいは製造の過程で混入する成分であり、意図的に鋼に含有させたものではない成分のことをいう。不純物として、例えば、O(酸素)が挙げられるが、Oについては、通常の鋼板の上限である0.005%程度であればよい。その他の不純物成分については、特に規定しないが、Sb、As等の元素が、原料のスクラップから不純物として混入する場合がある。しかしながら、不純物として混入するレベルの含有量では、本実施形態における熱延鋼板および角形鋼管の特性には著しい影響を与えない。
以上が必須元素、あるいは不純物元素についての説明であるが、次に、必要に応じてFeの一部に代えて、選択的に含有してもよい元素について説明する。
Ti:0.080%以下、V:0.150%以下、の1種以上
Ti、Vはいずれも、炭化物、窒化物を形成し、結晶粒径を小さくする作用を有する元素であり、熱延鋼板および角形鋼管に含有させることにより、降伏比YRが高くなる傾向となる。このため、本発明では、含有しないことが好ましいが、結晶粒を必要以上に極微細化しない範囲であれば、すなわち、フェライト相と第二相(パーライト、ベイナイト)を含む平均結晶粒径が5~15μmの範囲を確保できれば、含有してもよい。このような含有範囲はそれぞれ、Ti:0.080%以下、V:0.150%以下である。
Cu:0.40%以下、Ni:0.40%以下、Cr:0.40%以下、Mo:0.22%以下、の一種以上
Cu、Ni、Cr、Moは、熱延鋼板および角形鋼管に含有させることによって強度が向上するため、Cu:0.40%以下、Ni:0.40%以下、Cr:0.40%以下、Mo:0.22%以下の範囲であればFeの一部に代えて含有させてもよい。しかしながら、これらの元素の各々の含有量が上限を超えると、フェライト面積率が低く、第二相面積率が高く、平均結晶粒径が小さくなり、第二相頻度が高くなり、降伏比YRが高くなる。
Mg:0.0100%以下、Ca:0.0100%以下、REM:0.1000%以下、B:0.0100%以下、の一種以上
Mg:0.0100%以下
Mgは、微量の添加で酸化物、硫化物の形態制御に有効な元素であるため、0.0100%以下であればFeの一部に代えて含有させてもよい。しかしながら、Mg含有量が0.0100%を超えると、伸びが低下する。一方、酸化物、硫化物の形態を制御するためには、Mg含有量は0.0005%以上が好ましい。
Ca:0.0100%以下
Caは、微量の添加で酸化物、硫化物の形態制御に有効な元素であるため、0.0100%以下であればFeの一部に代えて含有させてもよい。しかしながら、Ca含有量が0.0100%を超えると、伸びが低下する。一方、酸化物、硫化物の形態を制御するためには、Ca含有量は0.0005%以上が好ましい。
REM:0.1000%以下
Sc、Y、およびランタノイド元素の合計17元素の総称であるREMは、微量の添加で酸化物、硫化物の形態制御に有効な元素であるため、0.1000%以下であればFeの一部に代えて含有させてもよい。しかしながら、REM含有量が0.1000%を超えると、伸びが低下する。一方、酸化物、硫化物の形態を制御するためには、REM含有量は0.0005%以上が好ましい。また、REMとしては、La、Ce、Y、ミッシュメタルなどが好ましい。
B :0.0100%以下
Bは、冷却過程のフェライト変態を遅延させ、低温変態フェライト、すなわちアシュキュラーフェライト相の形成を促進し、鋼板強度を増加させる作用を有する元素であり、Bの含有は、鋼板の降伏比YR、したがって角形鋼管の降伏比YRを増加させる。このため、本発明では、角形鋼管の降伏比YRが90%以下となるような範囲であれば、必要に応じて含有できる。このような範囲はB:0.0100%以下である。より好ましくは0.0020%以下である。一方、Bを含有する効果を十分に発揮するためには、B含有量は0.0002%以上が好ましい。
また、本発明の熱延鋼板は、Feの一部に代えて、Zr、Sn、Co、Zn、Wを、合計で0.05%以下であれば含有しても本発明の効果は損なわれない。このうちSnに関しては、0.01%以下であることが好ましい。
(合金組織)
本発明は、成分組成を規定するとともに、熱延鋼板において、以下の要件を必須とする合金組織を規定した。
鋼板の1/4厚における主相と第二相の平均結晶粒径:5~15μm
本発明の熱延鋼板の合金組織は、主相と第二相からなる。本発明において、主相(フェライト)と第二相(パーライト、ベイナイト)以外は存在しない。本発明の熱延鋼板は、主相であるフェライト相と第二相の平均結晶粒径が5~15μmである組織を有する。
ここでいう「主相と第二相の平均結晶粒径」とは、主相であるフェライト相と第二相であるパーライト相、ベイナイト相を含んだ、全結晶粒について測定した平均結晶粒径を意味する。この平均結晶粒径の測定は、熱延鋼板の幅方向で1/4幅部の位置から採取した組織観察用試験片について、圧延方向断面(L断面)を研磨、ナイタール腐食を施し、板厚1/4t位置を、光学顕微鏡(倍率:500倍)を用いて、板厚方向300μm×圧延方向300μmの範囲を観察し、撮像し、画像処理して、切断法で板厚方向の粒径と圧延方向の粒径を求め、これらを単純平均して、平均粒径を算出するものとする。
上記した方法で測定された平均結晶粒径が、5μm未満では、微細すぎて、熱延鋼板および角形鋼管の降伏比YRが高くなる。一方、15μmを超えて粗大化すると、熱延鋼板および角形鋼管の靭性が低下する。
主相:フェライト
本発明でいう、主相とは、L断面(圧延方向および板厚方向に平行な断面)において、圧延面から板厚方向に板厚tの1/4深さ位置1/4厚(1/4t部)で、視野300μm×300μmの範囲で観察し、面積率が最大となる組織である。この主相が、フェライトであることを規定する。熱延鋼板の主相をフェライトとすることは、熱延鋼板および角形鋼管の靱性と伸びの確保と、降伏比YRを低くするために必要である。
第二相:パーライト、またはパーライトおよびベイナイト
主相以外の第二相は、パーライト、またはパーライトおよびベイナイトである。第二相を主相のフェライトに比べて強度、硬度が高いパーライト、またはパーライトおよびベイナイトとすることで、必要な強度を確保する。
第二相頻度:0.10~0.18
パーライト、または、パーライトおよびベイナイトからなる第二相は、0.10~0.18の第二相頻度を有する。第二相頻度が0.10未満では、熱延鋼板の所望の靭性を確保できなくなる。一方、第二相頻度が0.18を超えると、降伏比YRが過大となる。このため、第二相頻度を0.10~0.18の範囲に限定した。
なお、本発明でいう「第二相頻度」とは、つぎのようにして、求めた値である。
まず、素材である熱延鋼板の圧延方向断面(L断面)組織を光学顕微鏡を用いて撮像する。得られた組織写真に、圧延方向および板厚方向にそれぞれ、所定長さの線分(たとえば125μm)を所定本数(たとえば6本)だけ描き、該線分と交差する結晶粒の粒数を、主相、第二相の各相についてそれぞれ測定する。なお、線分の端部が結晶粒内に留まる場合には、0.5個とする。得られた、各線分と交差する第二相の合計粒数(第二相の粒数)と、得られた、各線分と交差する各相の粒数の合計粒数(総粒数)との比、(第二相の粒数)/(総粒数)を求め、第二相頻度と定義する。なお、各線分の所定長さは、組織の大きさに応じて適宜決定すればよい。
(製造方法)
次に、本発明の熱延鋼板の製造方法について説明する。本発明の製造方法は、上記の化学組成を有する溶鋼を製造する。製造された溶鋼から連続鋳造法などにより鋳片(スラブ)を製造する。このスラブを以下に規定する特定の条件により加熱し、熱間粗圧延し、熱間仕上圧延し、その後に冷却し、巻取ることにより本発明の熱延鋼板を製造することができる。ただし、以下の製造工程は、製造方法の一例であって、本発明の熱延鋼板は、以下の製造方法によって限定されるものではない。
スラブ加熱温度:SRT(℃)以上
SRT(℃)=6670/(2.26-log〔Nb×C〕)-273 (2)
ただし、式中の元素記号は当該元素の鋼中含有量(質量%)を意味する。
スラブの加熱温度がSRT温度未満では、鋼中のNbを溶解することができない。そのため、スラブ加熱温度を(2)式のSRT温度以上に限定する。なお、スラブ加熱温度が1230℃を超えると、オーステナイト結晶粒が粗大化し、粗圧延、仕上圧延でオーステナイト粒の加工・再結晶を繰返しても、細粒化することが困難となり、所望の熱延鋼板の平均結晶粒径を確保することが困難となるので、好ましくはスラブの加熱温度を1230℃以下に限定する。なお、より好ましくは1150~1220℃である。スラブ厚さは、通常用いられる200~350mm程度でよく、特に限定されない。
なお、スラブ加熱温度は、加熱炉へスラブを装入したときのスラブの実測温度から、逐次、伝熱計算を行い求めた、スラブ厚方向の各点(5点以上)のスラブ温度の計算値を平均したものである。
加熱抽出時間:SRT温度以上に加熱した後、60~120分経過後に加熱炉から抽出
加熱抽出時間について、SRT温度以上に加熱した後、60分経過未満に加熱炉から抽出すると、引張強さが低下する。一方、120分を超えて経過後に加熱炉から抽出すると、第二相頻度が過少となるとともに結晶粒径が大きくなりすぎる。そこで、加熱抽出時間について、SRT温度以上に加熱した後、60~120分経過後に加熱炉から抽出することとした。
熱間粗圧延の出側温度:900~1060℃
加熱されたスラブは、熱間粗圧延により、オーステナイト粒が加工、再結晶されて微細化する。熱間粗圧延の出側温度が900℃未満では、粗圧延機の耐荷重、圧延トルクの不足が生じやすくなる。一方、1060℃を超えて高温となると、オーステナイト粒が粗大化し、その後に熱間仕上圧延を施しても、第二相頻度が過少となるとともに、平均結晶粒径を5~15μmの範囲とする所望の平均結晶粒径を確保することが困難となる。このため、熱間粗圧延の出側温度は900~1060℃の範囲に限定する。この熱間粗圧延の出側温度範囲は、スラブの加熱温度、熱間粗圧延のパス間での滞留、スラブ厚さ等を調整することにより達成できる。なお、シートバー厚は、後述する仕上圧延で、所望の製品厚さの製品板(熱延鋼板)とするときに、仕上圧延での総圧下率を確保できるように調整すればよい。本発明では、シートバー厚(最終の熱間粗圧延完了後のスラブの厚さ)は32~60mm程度が適当である。
なお、粗圧延の出側温度は、鋼板の表面を実測した温度である。
熱間仕上圧延
熱間粗圧延に引き続き、熱間仕上圧延を施す。
熱間仕上圧延の総圧下率:55~80%
熱間仕上圧延の総圧下率が55%未満であると、第二相頻度が過少となるとともに平均結晶粒径が十分に小さくならない。その結果、熱延鋼板の靱性が確保できない。一方、総圧下率が80%を超えると、平均結晶粒径が小さくなりすぎる。その結果、降伏応力が高くなりすぎ、伸びが低くなり、熱延鋼板および角形鋼管の降伏比YRが高くなる。なお、総圧下率は、以下(3)式のとおり定義する。
総圧下率=(粗圧延後の板厚-仕上圧延後の板厚)/粗圧延後の板厚×100% (3)
熱間仕上圧延の最終パスの圧下率:2~10%
熱間仕上圧延の最終パスでは、それまでの圧延に比べて温度が落ちてきている。そのため、温度が低いので、再結晶することが少なくなり、微細歪が付与されやすい。熱間仕上圧延の最終パスの圧下率が10%を超えると、微細歪の付与が大きくなり、平均結晶粒径が小さくなりすぎて、伸びが低くなり、降伏応力が高くなり、熱延鋼板および角形鋼管の降伏比YRが高くなる。
一方、熱間仕上圧延の最終パスの圧下率が2%未満であると、第二相頻度が過少となるとともに平均結晶粒径が十分に小さくならず、熱延鋼板の靱性が確保できない。
なお、最終パスの圧下率は、以下(4)式のとおり定義する。
最終パスの圧下率=(仕上圧延機(n-1)圧延後の板厚-仕上圧延機(n)圧延後の板厚)/仕上圧延機(n-1)圧延後の板厚×100% (4)
ここで、nは、熱間仕上圧延の最終圧延パスを表し、n-1は、熱間仕上圧延の最終圧延パスの一つ前の圧延パスを表す。
仕上圧延終了温度:750~870℃
仕上圧延終了温度(仕上圧延出側温度)が870℃を超えて高温となると、仕上圧延時に付加される加工歪が不足し、γ粒の微細化が達成されず、したがって、第二相頻度が過少となるとともに、平均結晶粒径を5~15μmの範囲とする所望の平均結晶粒径を確保することが困難となる。一方、仕上圧延終了温度(仕上圧延出側温度)が750℃未満では、仕上圧延機内で鋼板表面近傍の温度がAr3変態点以下となり、圧延方向に伸長したフェライト粒が形成され、フェライト粒が混粒となり、局所伸びが小さくなるなどして加工性が低下する危険性が増大する。このため、仕上圧延出側温度(仕上圧延終了温度)750~870℃の範囲に限定する。より好ましくは780~820℃である。
なお、仕上圧延終了温度は、鋼板の表面を実測した温度である。
仕上圧延終了後、鋼板を冷却する。
仕上圧延後の冷却は、一次冷却、空冷、二次冷却をこの順で行う。以下、順次説明する。なお、冷却中の鋼板の温度については、いずれも鋼板の1/4厚部の温度を対象とする。1/4厚部の温度や冷却速度は、伝熱計算により求めた値を用いるものとする。
仕上圧延の終了から、一次冷却開始までの時間:4~10秒
冷却では、仕上圧延終了後、4~10秒で熱延鋼板の一次冷却を開始する。一次冷却開始までの時間が4秒未満であると、フェライト面積率が低くなり、第二相の面積率が過剰となり、第二相頻度が規定を超える。その結果、降伏応力が高くなりすぎ、伸びが低くなり、熱延鋼板および角形鋼管の降伏比YRが高くなる。
一方、仕上圧延終了後、10秒を超えて一次冷却を開始すると、すなわち高温での滞留時間が長くなると、結晶粒の成長が進行して、第二相頻度が過少となるとともに平均結晶粒径が十分に小さくならず、第二相頻度も十分でない。その結果、熱延鋼板の靱性が確保できない。なお、好ましくは8秒以内である。
1/4厚部の温度について、一次冷却終了温度を650~700℃とし、一次冷却を開始したときの温度から、前記一次冷却終了温度に至るまで、平均冷却速度が5~30℃/秒となるように冷却
一次冷却開始したときの温度から一次冷却終了温度に至るまでの平均冷却速度が5℃/秒未満であると、結晶粒の成長が進行して、第二相頻度が過少となるとともに平均結晶粒径が十分に小さくならず、熱延鋼板の靱性が確保できない。同じく平均冷却速度が30℃/秒を超えると、フェライトが十分生成せず、パーライト及びベイナイトが多く生成することで第二相頻度が規定を超え、降伏応力が高くなりすぎ、伸びが低くなり、熱延鋼板および角形鋼管の降伏比YRが高くなる。
一次冷却終了温度が650℃未満であると、第二相頻度が規定を超え、降伏応力が高くなりすぎ、伸びが低くなり、熱延鋼板および角形鋼管の降伏比YRが高くなる。一次冷却終了温度が700℃を超えると、すなわち高温の状態で鋼板が滞留する時間が長くなると、粒成長が進行して、第二相頻度が過少となるとともに平均結晶粒径が十分に小さくならず、熱延鋼板の靱性が確保できない。
なお、上述した、仕上圧延終了後の鋼板の一次冷却及び後述の二次冷却は、ラミナー冷却、スプレー冷却等の冷却装置による、冷却水を用いて行う鋼板の冷却(水冷)であり、ここでいう「冷却終了温度」とは、ラミナー冷却、スプレー冷却等の冷却装置により、鋼板に冷却水が噴射されて、冷却水を用いて行う鋼板の冷却(水冷)を最後に行った地点での鋼板の温度を、鋼板の表面から鋼板の板厚方向に伝熱計算上5つ以上分割して、板厚方向の各位置での鋼板の温度を求めたときの、上述の伝熱計算により求めた、1/4厚部の温度である。
一次冷却終了後、空冷を行う。
一次冷却終了後、二次冷却開始までの空冷の時間:2~10秒
空冷の時間が2秒未満であると、第二相頻度が規定を超え、降伏応力が高くなりすぎ、伸びが低くなり、熱延鋼板および角形鋼管の降伏比YRが高くなる。空冷の時間が10秒を超えると、第二相頻度が過少となるとともに平均結晶粒径が十分に小さくならず、熱延鋼板の靱性が確保できない。
空冷後、二次冷却を行う。
1/4厚部の温度について、二次冷却終了温度を570~650℃とし、二次冷却を開始したときの温度から、前記二次冷却終了温度に至るまで、平均冷却速度が5~30℃/秒となるように冷却
二次冷却終了温度に至るまでの平均冷却速度が5℃/秒未満であると、第二相頻度が過少となるとともに平均結晶粒径が十分に小さくならず、熱延鋼板の靱性が確保できない。二次冷却終了温度に至るまでの平均冷却速度が30℃/秒を超えると、フェライトが十分生成せず、パーライト及びベイナイトが多く生成することで第二相頻度が規定を超え、降伏応力が高くなりすぎ、熱延鋼板および角形鋼管の降伏比YRが高くなるとともに、伸びが低下する。
二次冷却終了温度が570℃未満であると、第二相頻度が規定を超え、降伏応力が高くなりすぎ、熱延鋼板および角形鋼管の降伏比YRが高くなるとともに、伸びが低下する。二次冷却終了温度が650℃を超えると、第二相頻度が過少となるとともに平均結晶粒径が十分に小さくならず、熱延鋼板の靱性が確保できない。
二次冷却後、巻取を行う。
巻取温度:500~650℃
巻取温度が500℃未満では、巻き取り後に析出元素が析出できず、冷間成形により製造される角形鋼管や、角形鋼管用の厚肉熱延鋼板で所望の引張強さを達成できなくなる。一方、650℃を超えて高くなると、第二相頻度が過少となるとともに平均粒径が大きくなり所望の靭性を確保できない。このため、巻取温度は500~650℃の範囲とする。
なお、巻取温度は、鋼板の表面を実測した温度である。
1/4厚部の温度について、二次冷却終了温度から巻取したときの温度に至るまでの平均冷却速度:5℃/秒以下
二次冷却終了温度から巻取したときの温度に至るまでの平均冷却速度が5℃/秒を超えると、第二相頻度が規定を超え、伸びが低くなり、熱延鋼板および角形鋼管の降伏比YRが高くなる。この冷却速度は、たとえば、空冷、放冷等の水冷によらない方式による冷却の冷却速度に対応する。
巻き取った後は、特段冷却条件を限定せずとも本発明の熱延鋼板は製造できるので、通常の条件で放冷するなど、適宜冷却すればよい。
(熱延鋼板の機械的条件)
本発明の熱延鋼板は、丸形鋼管、さらには、角形鋼管に成形するためには、板厚12~25mmとすることが好ましい。より好ましい板厚は、16~25mmである。
本発明の熱延鋼板は、圧延方向で、降伏応力が200~350MPa、引張強さが380~530MPa、降伏比が85%以下で、-20℃におけるシャルピー衝撃試験の吸収エネルギーが180J以上であることが好ましい。
さらに、本発明の熱延鋼板は、熱延鋼板の板厚が、12mm以上15.5mm以下では伸びが31%以上、15.5mm超25mm以下では伸びが35%以上であることが好ましい。なお、伸び(EL)は、JIS Z 2241(2011)に規定する破断伸びを意味する。
《角形鋼管》
本発明の角形鋼管は、本発明の上記熱延鋼板を素材として丸形鋼管に造管し、冷間成形により製造することができる。
本発明の角形鋼管は、各辺の寸法が150×150~550×550mm、厚さが12~25mmであることが好ましい。
本発明の角形鋼管は、管軸方向で、降伏応力が295~445MPa、引張強さが400~550MPa、降伏比が90%以下で、0℃におけるシャルピー衝撃試験の吸収エネルギーが27J以上であることが好ましい。
さらに、本発明の角形鋼管は、角形鋼管の板厚が、12mm以上16mm以下では伸びが27%以上、16mm超19mm以下では伸びが29%以上、19mm超22mm以下では伸びが31%以上、22mm超25mm以下では伸びが33%以上であることが好ましい。なお、伸び(EL)は、JIS Z 2241(2011)に規定する破断伸びを意味する。
前記熱延鋼板を素材として丸形鋼管に造管し、冷間成形により製造することにより、上記機械的特性を有する角形鋼管とすることができる。
また、前記熱延鋼板の製造方法によって製造された熱延鋼板を素材とし、前記素材を丸形鋼管に造管し、冷間成形して製造することにより、上記機械的特性を有する角形鋼管とすることができる。
種々の化学組成を有する熱延鋼板を種々の製造条件で製造し、圧延方向で、降伏応力(MPa)、引張強さ(MPa)、降伏比YR(%)、伸び(%)、-20℃におけるシャルピー衝撃試験の吸収エネルギーvE-20℃(J)について調査した。さらに、種々の熱延鋼板から、角形鋼管を造管し、管軸方向で、降伏応力(MPa)、引張強さ(MPa)、降伏比YR(%)、0℃におけるシャルピー衝撃試験の吸収エネルギーvE0℃(J)について調査した。
表1~4、及び表5、6の合金組織において、本発明範囲から外れる数値に下線を付している。また、表5、6の熱延鋼板及び角形鋼管の機械的性質において、本発明の目標に満たない数値に下線を付している。
表1、表2に示す成分組成のNo.1~54のスラブを製造した。No.1~18、32~54は本発明の成分組成を有し、No.19~31は成分組成が本発明範囲から外れている。
Figure 0007473792000001
Figure 0007473792000002
各Noのスラブを、表3、表4に示す熱延条件(加熱炉保持時間(分)、加熱抽出温度(℃)、粗圧延出側温度(℃)、仕上圧延の総圧下率(%)、仕上圧延の最終パス圧下率(%)、仕上圧延終了温度(℃)、仕上圧延から一次冷却開始までの時間(秒)、一次冷却の平均冷却速度(℃/秒)、一次冷却の冷却終了温度(℃)、一次冷却終了から二次冷却開始までの空冷時間(秒)、二次冷却の平均冷却速度(℃/秒)、二次冷却の冷却終了温度(℃)、二次冷却終了から巻取までの平均冷却速度(℃/秒)、巻取温度(℃))で熱間圧延を実施して、表5、表6に示す板厚の熱延鋼板を製造した。
Figure 0007473792000003
Figure 0007473792000004
得られた熱延鋼板について、合金組織と機械的特性を測定した。結果を表5、表6に示した。
また、得られた熱延鋼板を素材として、冷間でロール成形により丸形鋼管とし、ついで、冷間でロール成形により角形鋼管(150~550mm角)とした。角形鋼管については、機械的特性を測定した。結果を同じく表5、表6に示した。
Figure 0007473792000005
Figure 0007473792000006
[試験方法]
(熱延鋼板の合金組織観察)
結晶組織
結晶組織は、圧延方向および板厚方向に平行な断面(L断面)を取り、熱延鋼板表面から板厚方向に板厚tの1/4深さ位置(1/4t部)について、視野300μm×300μmの範囲で評価した。フェライトは、試料をナイタールエッチングして、白色に見えるものとした。また、ベイナイトは灰色に観察され、パーライトは黒色に観察される。以上のような分類により、面積率が最も多い結晶を主相とした上で、主相と第二相の結晶の種類を判定することができる。表5、表6の主相、第二相の欄において、Fはフェライト、Pはパーライト、P+Bはパーライトおよびベイナイト、をそれぞれ意味する。
平均結晶粒径
得られた熱延鋼板から、観察面が、L断面となるように、組織観察用試験片を採取し、研磨、ナイタール腐食して、光学顕微鏡(倍率:500倍)を用いて、板厚1/4t位置における組織を観察し、撮像した。得られた組織写真について、画像解析装置を用いて、主相と第二相(ベイナイト、パーライト)とを含めた、全結晶粒の平均結晶粒径(直径)を求めた。詳細には、圧延方向と板厚方向にそれぞれ長さ125μmの線分を6本描き、切断法を用いて結晶粒径(直径)を求め、単純平均して平均結晶粒径(直径)を求めた。
第二相頻度
得られた組織写真に、圧延方向と板厚方向にそれぞれ長さ125μmの線分を6本描き、それら線分と交差する各相の結晶粒数を測定した。そして、得られた、線分と交差する各相の結晶粒数から、(1)式で定義される、第二相頻度を算出した。
第二相頻度=(線分と交叉する第二相粒の粒数)/(線分と交叉する主相粒および第二相粒の合計粒数) (1)
引張試験
得られた熱延鋼板から、引張方向が圧延方向となるように、JIS 5号引張試験片を採取し、JIS Z 2241(2011)の規定に準拠して引張試験を実施し、0.2%塑性伸び時の耐力(オフセット法)に基づく降伏応力、引張強さ、伸び(EL)を測定した。なお、伸び(EL)は、JIS Z 2241(2011)に規定する破断伸びを意味する。(降伏応力)/(引張強さ)で定義される降伏比YR(%)を算出した。
衝撃試験
得られた熱延鋼板の板厚1/4t位置から、試験片長手方向が圧延方向となるように、Vノッチ試験片を採取し、JIS Z 2242(2005)の規定に準拠して、試験温度:-20℃で、シャルピー衝撃試験を実施し、吸収エネルギー(J)を求めた。なお、試験片本数は各3本とした。
また、得られた角形鋼管の平坦部から、試験片を採取し、引張試験、衝撃試験を実施し、降伏比YR、靭性を評価した。試験方法はつぎの通りとした。
角形鋼管引張試験
得られた角形鋼管平坦部から、引張方向が管長手方向となるように、JIS 5号引張試験片を採取し、JIS Z 2241(2011)の規定に準拠して引張試験を実施し、熱延鋼板の引張試験と同様に、降伏応力、引張強さを測定し、(降伏応力)/(引張強さ)で定義される降伏比YR(%)を算出した。
角形鋼管衝撃試験
得られた角形鋼管平坦部の板厚1/4t位置から、試験片長手方向が管長手方向となるように、Vノッチ試験片を採取し、JIS Z 2242(2005)の規定に準拠して、試験温度:0℃で、シャルピー衝撃試験を実施し、吸収エネルギー(J)を求めた。なお、試験片本数は各3本とした。
No.1~18は本発明例である。熱延鋼板において、降伏応力:200~350MPa、引張強さ:380~530MPaの強度、85%以下の低降伏比で、試験温度-20℃におけるシャルピー衝撃試験の吸収エネルギーvE-20℃:180J以上となる高靭性を実現した。その結果、この熱延鋼板を使用した角形鋼管において、管軸方向で、降伏応力:295~445MPa、引張強さ:400~550MPaの強度と、90%以下の低降伏比で、試験温度0℃におけるシャルピー衝撃試験の吸収エネルギーvE0℃:27J以上となる高靭性を実現したことが確認できた。
No.19~31(比較例)は、成分組成が本発明の規定を外れている。
No.19はC含有量が低く、No.23はMn含有量が低く、いずれも引張強さが十分ではなかった。
No.20はC含有量が高く、合金組織が本発明範囲から外れ、熱延鋼板の降伏応力と降伏比、靱性が目標に未達であるとともに、角形鋼管の降伏比が目標に未達であった。
No.21はSi含有量が低く、No.22はSi含有量が高く、No.24はMn含有量が高く、No.25はP含有量が高く、No.26はS含有量が高く、No.27はAl含有量が低く、No.28はAl含有量が高く、No.29はN含有量が高く、No.31はNb含有量が高く、いずれも靱性が低下した。
No.30はNb含有量が低く、第二相頻度が過少となるとともに平均結晶粒径が大きく、靱性が低下した。
No.32~54(比較例)は製造方法が本発明の規定を外れている。
No.32は加熱温度での保持時間が短く、No.53は巻取温度が低すぎ、いずれも引張強さが低下した。
No.33は加熱炉での保持時間が長く、No.34は粗圧延出側温度が高く、No.35は仕上圧延の総圧下率が低く、No.37は仕上圧延の最終パス圧下率が低く、No.39は仕上圧延の圧延終了温度が高く、No.41は仕上圧延終了から一次冷却開始までの時間が長く、No.42は一次冷却の平均冷却速度が遅く、No.45は一次冷却終了温度が高く、No.47は二次冷却開始前の空冷時間が長く、No.48は二次冷却の平均冷却速度が遅く、No.51は二次冷却終了温度が高く、いずれも第二相頻度が過少となるとともに平均結晶粒径が大きく、靱性が低下した。
No.36は仕上圧延の総圧下率が高く、No.38は仕上圧延の最終パス圧下率が高く、平均結晶粒径が過小であり、熱延鋼板と角形鋼管の降伏比が高いとともに、伸びが低下した。
No.40は仕上圧延終了から一次冷却開始までの時間が短く、No.43は一次冷却の平均冷却速度が速く、No.44は一次冷却終了温度が低く、No.46は二次冷却開始前の空冷時間が短く、No.52は二次冷却終了から巻取までの平均冷却速度が速く、いずれも第二相頻度が高く、熱延鋼板と角形鋼管の降伏比が高いとともに、伸びが低下した。
No.49は二次冷却の平均冷却速度が速く、No.50は二次冷却終了温度が低く、いずれも第二相頻度が高く、熱延鋼板と角形鋼管の降伏比が高いとともに、伸びが低下した。
No.54は巻取温度が高く、第二相頻度が過少となるとともに平均結晶粒径が大きく、靱性が低下するとともに、角形鋼管の引張強さが不十分であった。
以上のように、本発明の熱延鋼板および角形鋼管は、高い強度と伸びが付与され、高い靱性と低い降伏比YRを有するから、角形鋼管を建築物、たとえば立体駐車場の柱部等に利用した際に、変形から破壊までの時間がより長く持ちこたえるので、建築物に使用した際に安全である。

Claims (6)

  1. 質量%で、
    C :0.050~0.100%、
    Si:0.10~0.30%、
    Mn:0.40~1.00%、
    P :0.050%以下、
    S :0.020%以下、
    Al:0.002~0.050%、
    N :0.0060%以下、
    Nb:0.002~0.014%を含有し、
    残部がFeおよび不純物である熱延鋼板であり、
    前記熱延鋼板の合金組織は、主相と第二相からなり、
    前記主相は、フェライトであり、
    前記第二相は、パーライト、またはパーライトおよびベイナイトであり、
    前記第二相は、鋼板の1/4厚における下記(1)式により定義される第二相頻度が0.10~0.18であり、
    鋼板の1/4厚における主相と第二相の平均結晶粒径が5~15μmであり、
    圧延方向で、降伏応力が200~350MPa、引張強さが380~530MPa、降伏比が85%以下で、-20℃におけるシャルピー衝撃試験の吸収エネルギーが180J以上であることを特徴とする、熱延鋼板。
    第二相頻度=(所定長さの線分と交叉する第二相粒の粒数)/(所定長さの線分と交叉する主相粒および第二相粒の合計粒数) (1)
  2. さらに質量%で、前記Feの一部に代えて、
    Ti:0.080%以下、
    V :0.150%以下、
    Cu:0.40%以下、
    Ni:0.40%以下、
    Cr:0.40%以下、
    Mo:0.22%以下、
    からなる群から選ばれる一種または二種以上を含有することを特徴とする、請求項1に記載の熱延鋼板。
  3. さらに質量%で、前記Feの一部に代えて、
    Mg:0.0100%以下、
    Ca:0.0100%以下、
    REM:0.1000%以下、
    B :0.0100%以下、
    からなる群から選ばれる一種または二種以上を含有することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の熱延鋼板。
  4. 請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の成分組成を有するスラブについて、
    前記スラブを加熱し、熱間粗圧延及び熱間仕上圧延を行い、前記熱間仕上圧延終了後に冷却を行い、巻取を行う熱延鋼板の製造方法であって、
    前記加熱は、前記スラブを下記SRT(℃)以上の温度に加熱し、加熱後に60分以上120分以下の時間経過後に抽出し、
    前記熱間粗圧延は、出側温度を900~1060℃で施し、
    前記熱間仕上圧延は、
    総圧下率を55~80%、
    最終パスの圧下率を2~10%、
    仕上圧延終了温度を750~870℃で施し、
    前記冷却は、一次冷却、空冷、二次冷却をこの順で行い、
    前記仕上圧延の終了から前記一次冷却開始までの時間を4~10秒とし、
    1/4厚部の温度について、一次冷却終了温度を650~700℃とし、前記一次冷却開始したときの温度から、前記一次冷却終了温度に至るまで、平均冷却速度が5~30℃/秒となるように冷却し、
    前記一次冷却終了後、前記二次冷却開始までの空冷の時間を2~10秒とし、
    1/4厚部の温度について、二次冷却終了温度を570~650℃とし、前記二次冷却開始したときの温度から、前記二次冷却終了温度に至るまで、平均冷却速度が5~30℃/秒となるように冷却し、
    鋼板の表面の温度について、巻取温度を500~650℃とし、
    1/4厚部の温度について、前記二次冷却終了温度から、巻取したときの温度に至るまで、平均冷却速度が5℃/秒以下となるように巻取を行うことを特徴とする、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の熱延鋼板の製造方法。
    SRT(℃)=6670/(2.26-log〔Nb×C〕)-273 (2)
    ただし、式中の元素記号は当該元素の鋼中含有量(質量%)を意味する。
  5. 請求項1~請求項のいずれか1項に記載の熱延鋼板を素材として丸形鋼管に造管し、冷間成形により製造される角形鋼管であって、
    管軸方向で、降伏応力が295~445MPa、引張強さが400~550MPa、降伏比が90%以下で、0℃におけるシャルピー衝撃試験の吸収エネルギーが27J以上であることを特徴とする、角形鋼管。
  6. 請求項に記載された熱延鋼板の製造方法によって製造された熱延鋼板を素材とし、前記素材を丸形鋼管に造管し、冷間成形して製造することを特徴とする、請求項に記載の角形鋼管の製造方法。
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