JP6411881B2 - フェライト系ステンレス鋼およびその製造方法 - Google Patents
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Description
平均r値=(rL+2×rD+rC)/4 (1)
ここで、rLは圧延方向に平行な方向に引張試験した際のr値、rDは圧延方向に対して45°の方向に引張試験した際のr値、rCは圧延方向と直角方向に引張試験した際のr値である。
[1]質量%で、C:0.005〜0.05%、Si: 0.02〜1.00%、Mn: 0.05〜0.60%、P: 0.04%以下、S: 0.01%以下、Cr:15.5〜18.0%、Al: 0.001〜0.10%、N: 0.01〜0.06%、Ni: 0.1〜0.6%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、かつNi/Mn≧0.6(Ni、Mnは各元素の含有量(質量%))を満たし、El≧25%、平均r値≧0.65およびリジング高さが2.5μm以下であることを特徴とするフェライト系ステンレス鋼。
[2]質量%で、さらに、Cu: 0.1〜1.0%、Mo: 0.1〜0.5%、Co: 0.01〜0.5%のうちから選ばれる1種または2種以上を含むことを特徴とする上記[1]に記載のフェライト系ステンレス鋼。
[3]質量%で、さらに、V: 0.01〜0.25%、Ti: 0.001〜0.015%、Nb: 0.001〜0.025%、Mg: 0.0002〜0.0050%、B: 0.0002〜0.0050%、REM: 0.01〜0.10%、Ca: 0.0002〜0.0020%のうちから選ばれる1種または2種以上を含むことを特徴とする上記[1]または[2]に記載のフェライト系ステンレス鋼。
[4]上記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の成分組成を有する鋼スラブに対して、熱間圧延を施し、次いで900〜1050℃の温度範囲で5秒〜15分間保持する焼鈍を行い熱延焼鈍板とし、次いで冷間圧延を施した後、800〜950℃の温度範囲で5秒〜5分間保持する冷延板焼鈍を行うことを特徴とするフェライト系ステンレス鋼の製造方法。
なお、本明細書において、鋼の成分を示す%はすべて質量%である。
そこで、発明者らは線状疵の回避技術について鋭意検討を行った。その結果、MnおよびNiの比率をNi/Mn≧0.6に調整することが有効であることを見出した。NiはMnと同じくオーステナイト生成元素でありマルテンサイト相の生成を促進する元素であるが、Mnに比べて焼戻し軟化抵抗が低い元素である。熱延板焼鈍ではフェライト相とオーステナイト相の二相温度域から冷却を行い、約400℃でマルテンサイト変態が生じ、その後の冷却過程においてマルテンサイト相の自己焼戻しが生じる。しかし、Ni/Mnを0.6以上とした場合、Ni/Mnが0.6未満の場合に比べて焼戻し軟化抵抗が低いために自己焼戻しの進行が早く、熱延板焼鈍の冷却が完了した時点でマルテンサイト相がHVで500以下にまで十分に軟質化される。その結果、所定の成形性および耐リジング特性を得つつ、線状疵の発生を回避できる。
Cはオーステナイト相の生成を促進し、熱延板焼鈍時にフェライト相とオーステナイト相が出現する二相温度域を拡大する効果がある。この効果を得るためには0.005%以上の含有が必要である。しかし、C量が0.05%を超えると鋼板が硬質化して延性が低下する。また、熱延板焼鈍後に著しく硬質なマルテンサイト相が生成し、仕上げ焼鈍後の表面線状欠陥を誘引する。そのため、C量は0.005〜0.05%の範囲とする。好ましくは0.010〜0.04%の範囲である。さらに好ましくは0.015〜0.03%の範囲である。
Siは鋼溶製時に脱酸剤として作用する元素である。この効果を得るためには0.02%以上の含有が必要である。しかし、Si量が1.00%を超えると、鋼板が硬質化して熱間圧延時の圧延負荷が増大するとともに、冷延板焼鈍後の延性が低下する。そのため、Si量は0.02〜1.00%の範囲とする。好ましくは0.10〜0.75%の範囲である。さらに好ましくは0.15〜0.35%の範囲である。
MnはCと同様にオーステナイト相の生成を促進し、熱延板焼鈍時にフェライト相とオーステナイト相が出現する二相温度域を拡大する効果がある。この効果を得るためには0.05%以上の含有が必要である。しかし、Mn量が0.60%を超えると熱延板焼鈍時に生成するオーステナイト相中への濃化量が増加するため、Ni/Mn≧0.6を満たしたとしても、熱延板焼鈍後に硬質なマルテンサイト相が生成することを抑制することができず、線状疵が発生する。MnSの生成量が増加して耐食性が低下する。そのため、Mn量は0.05〜0.60%の範囲とする。好ましくは0.10〜0.45%の範囲である。さらに好ましくは0.15〜0.35%の範囲である。
NiはMnと同様にオーステナイト相の生成を促進し、熱延板焼鈍時にフェライト相とオーステナイト相が出現する二相温度域を拡大する効果がある。また、耐食性を向上させる元素でもある。これらの効果を得るためには0.1%以上の含有が必要である。しかし、Ni量が0.6%を超えると破断伸びが低下する。そのため、Ni量は0.1〜0.6%の範囲とする。好ましくは0.2〜0.5%の範囲である。さらに好ましくは0.3〜0.4%の範囲である。
優れた表面性状を得るためには、上記に加えてMn含有量、Ni含有量をNi/Mn≧0.6となるように調整することが重要となる。前述したように冷延板焼鈍後の線状疵は熱延板焼鈍によって生成したマルテンサイト相が過度に硬質であることに起因する。フェライト相とオーステナイト相の二相域で熱延板焼鈍を行うことにより、優れた成形性と耐リジング特性を得つつ良好な表面性状も得るためには、熱延板焼鈍によって生成するマルテンサイト相をビッカース硬度(HV)500以下にまで軟質化することが必要となる。すなわち、本発明ではMnに対してNiの含有量を相対的に大きくすることにより鋼の焼戻し軟化抵抗を低減する。Ni/Mnが0.6を下回ると、焼戻し軟化抵抗が高いために熱延板焼鈍の冷却過程におけるマルテンサイトの自己焼戻しが十分に生じず、硬質なマルテンサイト相が残存し所定の表面性状を得ることができない。そのため、本発明ではMnおよびNiを上記の範囲に制御することに加え、Ni/Mnを0.6以上にする必要がある。好ましくはNi/Mnは0.8以上である。さらに好ましくは1.0以上である。なお、本発明ではNi/Mnの上限は特に限定されない。
Pは粒界偏析による粒界破壊を助長する元素であるため低い方が望ましく、上限を0.04%とする。好ましくは0.03%以下である。さらに好ましくは0.01%以下である。
SはMnSなどの硫化物系介在物となって存在して延性や耐食性等を低下させる元素であり、特に含有量が0.01%を超えた場合にそれらの悪影響が顕著に生じる。そのためS量は極力低い方が望ましく、本発明ではS量の上限を0.01%とする。好ましくは0.007%以下である。さらに好ましくは0.005%以下である。
Crは鋼板表面に不動態皮膜を形成して耐食性を向上させる効果を有する元素である。この効果を得るためにはCr量を15.5%以上とする必要がある。しかし、Cr量が18.0%を超えると、熱延板焼鈍時にオーステナイト相の生成が不十分となり、所定の成形性および耐リジング特性が得られない。そのため、Cr量15.5〜18.0%の範囲とする。好ましくは16.0〜17.5%の範囲である。さらに好ましくは16.0〜17.0%の範囲である。
AlはSiと同様に脱酸剤として作用する元素である。この効果を得るためには0.001%以上の含有が必要である。しかし、Al量が0.10%を超えると、Al2O3等のAl系介在物が増加し、表面性状が低下しやすくなる。そのため、Al量は0.001〜0.10%の範囲とする。好ましくは0.001〜0.05%の範囲である。さらに好ましくは0.001〜0.03%の範囲である。
Nは、C、Mnと同様にオーステナイト相の生成を促進し、熱延板焼鈍時にフェライト相とオーステナイト相が出現する二相温度域を拡大する効果がある。この効果を得るためにはN量を0.01%以上とする必要がある。しかし、N量が0.06%を超えると延性が著しく低下する上、Cr窒化物の析出を助長することによる耐食性の低下が生じる。そのため、N量は0.01〜0.06%の範囲とする。好ましくは0.01〜0.05%の範囲である。さらに好ましくは0.02〜0.04%の範囲である。
Cuは耐食性を向上させる元素であり、特に高い耐食性が要求される場合には含有することが有効である。また、Cuにはオーステナイト相の生成を促進し、熱延板焼鈍時にフェライト相とオーステナイト相が出現する二相温度域を拡大する効果がある。これらの効果は0.1%以上の含有で顕著となる。しかし、Cu含有量が1.0%を超えると成形性が低下する場合があり好ましくない。そのためCuを含有する場合は0.1〜1.0%とする。好ましくは0.2〜0.8%の範囲である。さらに好ましくは0.3〜0.5%の範囲である。
V: 0.01〜0.25%
Vは鋼中のCおよびNと化合して、固溶C、Nを低減する。これにより、平均r値を向上させる。さらに、熱延板での炭窒化物析出挙動を制御して熱延・焼鈍起因の線状疵の発生を抑制して表面性状を改善する。これらの効果を得るためにはV量を0.01%以上含有することが好ましい。しかし、V量が0.25%を超えると加工性が低下するとともに、製造コストの上昇を招く。そのため、Vを含有する場合は0.01〜0.25%の範囲とする。好ましくは0.03〜0.20%の範囲である。さらに好ましくは0.05〜0.15%の範囲である。
TiおよびNbはVと同様に、CおよびNとの親和力の高い元素であり、熱間圧延時に炭化物あるいは窒化物として析出し、母相中の固溶C、Nを低減させ、冷延板焼鈍後の加工性を向上させる効果がある。これらの効果を得るためには、0.001%以上のTi、0.001%以上のNbを含有することが好ましい。しかし、Ti量が0.015%あるいはNb量が0.025%を超えると、過剰なTiNおよびNbCの析出により良好な表面性状を得ることができない。そのため、Tiを含有する場合は0.001〜0.015%の範囲、Nbを含有する場合は0.001〜0.025%の範囲とする。Ti量は好ましくは0.003〜0.010%の範囲である。Nb量は好ましくは0.005〜0.020%の範囲である。さらに好ましくは0.010〜0.015%の範囲である。
Mgは熱間加工性を向上させる効果がある元素である。この効果を得るためには0.0002%以上の含有が必要である。しかし、Mg量が0.0050%を超えると表面品質が低下する。そのため、Mgを含有する場合は0.0002〜0.0050%の範囲とする。好ましくは0.0005〜0.0035%の範囲である。さらに好ましくは0.0005〜0.0020%の範囲である。
Bは低温二次加工脆化を防止するのに有効な元素である。この効果を得るためには0.0002%以上の含有が必要である。しかし、B量が0.0050%を超えると熱間加工性が低下する。そのため、Bを含有する場合は0.0002〜0.0050%の範囲とする。好ましくは0.0005〜0.0035%の範囲である。さらに好ましくは0.0005〜0.0020%の範囲である。
REMは耐酸化性を向上させる元素であり、特に溶接部の酸化皮膜形成を抑制し溶接部の耐食性を向上させる効果がある。この効果を得るためには0.01%以上の含有が必要である。しかし、0.10%を超えて含有すると冷延板焼鈍時の酸洗性などの製造性を低下させる。また、REMは高価な元素であるため、過度な含有は製造コストの増加を招くため好ましくない。そのため、REMを含有する場合は0.01〜0.10%の範囲とする。
Caは、連続鋳造の際に発生しやすいTi系介在物の晶出によるノズルの閉塞を防止するのに有効な成分である。この効果を得るためには0.0002%以上の含有が必要である。しかし、Ca量が0.0020%を超えるとCaSが生成して耐食性が低下する。そのため、Caを含有する場合は0.0002〜0.0020%の範囲とする。好ましくは0.0005〜0.0015%の範囲である。さらに好ましくは0.0005〜0.0010%の範囲である。
本発明のフェライト系ステンレス鋼は上記成分組成を有する鋼スラブに対して、熱間圧延を施し、次いで900〜1050℃の温度範囲で5秒〜15分間保持する焼鈍を行い熱延焼鈍板とし、次いで冷間圧延を施した後、800〜950℃の温度範囲で5秒〜5分間保持する冷延板焼鈍を行うことで得られる。
熱延板焼鈍は本発明が優れた成形性および表面性状を得るために極めて重要な工程である。熱延板焼鈍温度が900℃未満では十分な再結晶が生じないうえ、フェライト単相域となるため、二相域焼鈍によって発現する本発明の効果が得られない。しかし、熱延板焼鈍温度が1050℃を超えると炭化物の固溶が促進されるためにオーステナイト相中へのC濃化が助長され、熱延板焼鈍後に硬質なマルテンサイト相が生成することを回避できず、所定の表面性状が得られない。焼鈍時間が5秒未満の場合、所定の温度で焼鈍したとしてもオーステナイト相の生成とフェライト相の再結晶が十分に生じないため、所望の成形性が得られない。一方、焼鈍時間が15分を超えるとCr炭窒化物の一部が固溶してオーステナイト相中へのC濃化が助長され、上記と同様の機構によって表面性状が悪化する場合がある。そのため、熱延板焼鈍は900〜1050℃の温度で、5秒〜15分間保持する。好ましくは、950〜1000℃の温度で15秒〜3分間保持である。
冷延板焼鈍は熱延板焼鈍で形成したフェライト相とマルテンサイト相の二相組織をフェライト単相組織とするために重要な工程である。冷延板焼鈍温度が800℃未満では再結晶が十分に生じず所定の破断伸びおよび平均r値を得ることができない。一方、冷延板焼鈍温度が950℃を超えた場合、当該温度がフェライト相とオーステナイト相の二相温度域となる鋼成分では冷延板焼鈍後にマルテンサイト相が生成するために鋼板が硬質化し、所定の破断伸びを得ることができない。また、当該温度がフェライト単相温度域となる鋼成分であったとしても、結晶粒の著しい粗大化により、鋼板の光沢度が低下するため表面品質の観点で好ましくない。焼鈍時間が5秒未満の場合、所定の温度で焼鈍したとしてもフェライト相の再結晶が十分に生じないため、所定の破断伸びおよび平均r値を得ることができない。焼鈍時間が5分を超えると、結晶粒が著しく粗大化し、鋼板の光沢度が低下するため表面品質の観点で好ましくない。そのため、冷延板焼鈍は800〜950℃の範囲で5秒〜5分間保持とする。好ましくは、850℃〜900℃で15秒〜3分間保持である。
表1に示す化学組成を有するステンレス鋼をSS-VOD(Strongly Stirred Vacuum Oxygen decarburization)法により各150ton溶製した。この溶鋼を連続鋳造法により、幅1000mm、厚さ200mmの鋼スラブとした。得られたスラブを1150℃で1時間加熱後、熱間圧延を施して3.5mm厚の熱延コイルとした。次いで、これらの熱延コイルに表2に記載の条件で熱延板焼鈍を施した後に酸洗し、熱延焼鈍酸洗コイルとした。得られた熱延焼鈍酸洗コイルを板厚0.8mmまで冷間圧延し、表2に記載の条件で冷延板焼鈍を施した後に酸洗することにより冷延焼鈍コイル(フェライト系ステンレス鋼)とした。
(1)表面性状の評価
冷延焼鈍コイルの表面を肉眼にて検査し、コイル全長に存在する長さ5mm以上の線状疵の個数を計測した。冷延焼鈍コイル表面に認められた線状疵が全長で10箇所以下の場合を合格とした。
(2)延性の評価
冷延焼鈍コイルから、圧延方向に対して直角となる方向にJIS 13B号引張試験片を採取し、引張試験をJIS Z2241に準拠して行い、破断伸びを測定し、破断伸びが25%以上の場合を合格(○)、25%未満の場合を不合格(×)とした。
(3)平均r値
冷延焼鈍コイルから、圧延方向に対して平行(L方向)、45°(D方向)およびに直角(C方向)となる方向にJIS 13B号引張試験片を採取し、JIS Z2241に準拠した引張試験をひずみ15%まで行って中断し、各方向のr値を測定し、下記(1)式により平均r値を算出した。
平均r値=(rL+2×rD+rC)/4 (1)
ここで、rLは圧延方向に平行な方向に引張試験した際のr値、rDは圧延方向に対して45°の方向に引張試験した際のr値、rCは圧延方向と直角方向に引張試験した際のr値である。
平均r値は0.65以上を合格(○)、0.65未満を不合格(×)とした。
(4)リジング高さ
冷延焼鈍コイルから、圧延方向に対して平行となる方向にJIS 5号引張試験片を採取し、その表面を#600のエメリーペーパーを用いて研磨した。次いで、20%の引張ひずみを付与し、表面粗度計を用いて、JIS B 0601(2001年)で規定される算術平均うねりWaを、測定長16mm、ハイカットフィルター波長0.8mm、ローカットフィルター波長8mmで測定した。Waが2.5μm以下の場合を合格(○)、2.5μm超の場合を不合格(×)とした。
(5)耐食性の評価
冷延焼鈍コイルから、60×100mmの試験片を採取し、表面を#600エメリーペーパーにより研磨仕上げした後に端面部をシールした試験片を作製し、JIS H 8502に規定された塩水噴霧サイクル試験に供した。塩水噴霧サイクル試験は、塩水噴霧(5質量%NaCl、35℃、噴霧2h)→乾燥(60℃、4h、相対湿度40%)→湿潤(50℃、2h、相対湿度≧95%)を1サイクルとして、8サイクル行った。塩水噴霧サイクル試験を8サイクル実施後の試験片表面を写真撮影し、画像解析により試験片表面の発錆面積を測定し、試験片全面積との比率から発錆率((試験片中の発錆面積/試験片全面積)×100 [%])を算出した。発錆率が5%以下を特に優れた耐食性で合格(◎)、5%超25%以下を合格(○)、25%超を不合格(×)とした。
Claims (5)
- 質量%で、C:0.005〜0.05%、Si: 0.02〜1.00%、Mn: 0.05〜0.60%、P: 0.04%以下、S: 0.01%以下、Cr:15.5〜18.0%、Al: 0.001〜0.10%、N: 0.01〜0.06%、Ni: 0.1〜0.6%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、かつNi/Mn≧0.64(Ni、Mnは各元素の含有量(質量%))を満たし、
El≧25%、平均r値≧0.65およびリジング高さが2.5μm以下であることを特徴とするフェライト系ステンレス鋼。 - 質量%で、さらに、Cu: 0.1〜1.0%、Mo: 0.1〜0.5%、Co: 0.01〜0.5%のうちから選ばれる1種または2種以上を含むことを特徴とする請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼。
- 質量%で、C:0.005〜0.05%、Si: 0.02〜1.00%、Mn: 0.05〜0.60%、P: 0.04%以下、S: 0.01%以下、Cr:15.5〜18.0%、Al: 0.001〜0.10%、N: 0.01〜0.06%、Ni: 0.1〜0.6%を含有し、さらに、V: 0.01〜0.25%、Ti: 0.001〜0.015%、Nb: 0.001〜0.025%、Mg: 0.0002〜0.0050%、B: 0.0002〜0.0050%、REM: 0.01〜0.10%、Ca: 0.0002〜0.0020%のうちから選ばれる1種または2種以上を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、かつNi/Mn≧0.6(Ni、Mnは各元素の含有量(質量%))を満たし、
El≧25%、平均r値≧0.65およびリジング高さが2.5μm以下であることを特徴とするフェライト系ステンレス鋼。 - 質量%で、C:0.005〜0.05%、Si: 0.02〜1.00%、Mn: 0.05〜0.60%、P: 0.04%以下、S: 0.01%以下、Cr:15.5〜18.0%、Al: 0.001〜0.10%、N: 0.01〜0.06%、Ni: 0.1〜0.6%を含有し、さらに、Cu: 0.1〜1.0%、Mo: 0.1〜0.5%、Co: 0.01〜0.5%のうちから選ばれる1種または2種以上、V: 0.01〜0.25%、Ti: 0.001〜0.015%、Nb: 0.001〜0.025%、Mg: 0.0002〜0.0050%、B: 0.0002〜0.0050%、REM: 0.01〜0.10%、Ca: 0.0002〜0.0020%のうちから選ばれる1種または2種以上を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、かつNi/Mn≧0.6(Ni、Mnは各元素の含有量(質量%))を満たし、
El≧25%、平均r値≧0.65およびリジング高さが2.5μm以下であることを特徴とするフェライト系ステンレス鋼。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載のフェライト系ステンレス鋼の製造方法であって、鋼スラブに対して、熱間圧延を施し、次いで900〜1050℃の温度範囲で5秒〜15分間保持する焼鈍を行いフェライト相とマルテンサイト相の二相組織からなる熱延焼鈍板とし、次いで冷間圧延を施した後、800〜900℃の温度範囲で5秒〜5分間保持する冷延板焼鈍を行い、フェライト単相組織とすることを特徴とするフェライト系ステンレス鋼の製造方法。
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