JP3477098B2 - 表面性状とリジング性に優れたフェライト系ステンレス鋼薄板およびその製造方法 - Google Patents

表面性状とリジング性に優れたフェライト系ステンレス鋼薄板およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面性状とリジン
グ特性に優れたフェライト系ステンレス鋼薄板およびそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】SUS430鋼に代表されるフェライト
系ステンレス鋼薄板は耐食性に優れ、さらにNiを多量
に含有するオーステナイト系ステンレス鋼薄板と比べ安
価であることから、厨房器具、建材、家電等に広く使用
され、今後もその需要は増大すると考えられる。しか
し、フェライト系ステンレス鋼は冷間圧延を行うと表面
に1μm(二乗平均粗さ)以下の凹凸が生じ、表面平滑
性を損ねることが知られている(以降、ローピングと記
載する)。また、製品板にプレス成形や引張加工を加え
ると圧延方向に平行な凹凸状の皺が発生する場合がある
(以降、リジングと記載する)。これらは、表面の色調
や平滑性を損ね、それを回復させるための研磨処理を困
難にするだけでなく、部品によっては密着性を低下させ
るなど機能上でも支障をきたすことがあった。
【0003】リジング・ローピングの原因は必ずしも明
確ではないが、いずれも鋼板内部の金属組織ならびにそ
の結晶方位分布に起因し、概ね以下のように考えられて
いる。すなわち、鋳造時に形成された粗大結晶粒は、熱
延工程時あるいはその後の焼鈍工程にて再結晶し、ある
程度は微細化する。しかし、一部圧延方向に展伸した粗
大粒が残留したり、あるいは再結晶により微細化した結
晶粒についても大半が元の粗大粒と類似した結晶方位を
有しており、熱延板の組織は展伸粗大粒あるいはそれに
相当する擬似的粗大粒の組織となる。この組織を有する
熱延板を冷間圧延すると、隣接した粗大粒あるいは擬似
的粗大粒の間で結晶方位が異なるために変形挙動の差が
生じ、凹凸となって冷延板表面に現れる(ローピング)
と考えられる。冷延後の焼鈍でさらに再結晶されるた
め、製品板での金属組織では粗大な進展粒は認められ
ず、微細な等軸状の結晶粒となるが、結晶方位的には元
の粗大粒の影響が残存している。すなわち、元の粗大粒
の結晶方位に影響され、類似方位を有する結晶粒が集団
を形成しており、圧延方向に伸びた形状を有する集団
(以降、コロニーと記載する)を構成する。このコロニ
ーが擬似的粗大粒の役割を果たし、製品板をプレス成形
や引張加工を加えたときにローピングと同様に凹凸とな
って製品表面に現れる(リジング)と考えられる。
【0004】これら推定機構に基づき従来のリジング・
ローピングの対策は、概ね下記の3種類の考え方に従っ
て具体策が実行されてきた。多くの場合はそれぞれ単独
の実施ではなく、重畳することで効果の増大を図ってき
た。 凝固組織の微細化、ランダム方位化 製造工程時での粗大粒の微細化 製造工程での粗大粒のランダム方位化 は、リジング・ローピングの原因となる鋳片凝固時の
粗大粒を細かくしておく考え方に基づくものである。こ
の具体的対策として、特開昭50−123294号公報
などに記載されているように、粗大柱状晶の等軸微細
化、ランダム方位化を目的とした電磁攪拌、凝固核の接
種あるいは鋳造温度の低下などが実施されてきた。
は、製造工程中での再結晶を促進させ、粗大粒を破壊す
る考え方に基づくものである。この具体的対策として、
特公昭61−19688号公報、特公昭57−3865
5号公報などに記載されているように、熱間圧延条件
(加熱、パススケジュール、仕上げ温度、捲取温度等)
の適正化、熱延後の焼鈍あるいは冷延時の中間焼鈍の適
正化などがある。は、フェライト母相と硬度の異なる
第2相を活用して圧延時、焼鈍時の結晶方位変化を促進
させる考え方に基づくものである。この具体的対策とし
て、熱延時に適量γ相を析出させることにより、熱延時
に導入されるせん断歪をγ相周囲に集中させ、再結晶を
促進させることにより方位をランダム化する方法が特開
平7−118754号公報で提案されている。さらに熱
延後直ちに冷却、低温で捲取ることにより、高温で析出
したγ相をマルテンサイト相に変態させ、冷間圧延時に
導入されるせん断歪もマルテンサイト相周囲に集中さ
せ、圧延時の方位変化を促進する方法も特開平8−49
017号公報で提案されている。
【0005】いずれの方法においてもリジング・ローピ
ング抑制に効果はあるものの、弊害となる要因が現れた
り、製造コストの増加をもたらしたりするため工業的に
は十分なレベルには至っていない。すなわち、に関す
る方法では、鋳造時だけでの対応であるために次工程以
降への影響が少ないという利点がある一方、鋳造温度を
低下させすぎるとノズル詰まりやブレークアウト等の鋳
造障害を引き起こす。に関する方法では、圧延工程以
降で実施可能であるが、多くの工程が複雑に影響しあ
い、製造工程の設計が極めて困難であり、また焼鈍工程
を増やすとコスト上昇要因ともなるため、本法のみで解
決することは難しい。に関する方法では析出するγ
相、マルテンサイト相が多いほど効果的であるが、製品
の硬質化、加工性低下を招き、さらには冷延時に残留す
るマルテンサイト相は耳割れの原因となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、SUS43
0鋼を代表とするフェライト系ステンレス鋼において、
鋳片での粗大組織をさらに微細化させることにより、フ
ェライト結晶粒を細かくし、リジング・ローピング抑制
に有効なγ相も微細分散させ、上記のような弊害あるい
はコスト上昇を招くことのない、表面性状とリジング性
の優れたフェライト系ステンレス鋼薄板およびその製造
方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋳片組織
を微細化する種々の元素およびその添加方法を調査し、
以下の知見を得た。 本願発明に記載された成分範囲
の鋼を溶製する際、溶鋼中の酸素含有量を0.02
%以下に低減した後にTiを添加し、次いでMgを添加
し鋳造することにより、鋳片組織が微細かつ等軸晶化す
る。一方、Tiを添加してもMg無添加であれば鋳片組
織は粗大な柱状晶となり、鋳片中央部にわずかに等軸晶
が現れる程度である。Mgを添加させることにより鋳片
組織が微細等軸晶化する機構は明確でないが、通常のフ
ェライト系ステンレス鋼では鋳片表面から凝固が開始す
るため表面から内部に向かって粗大な柱状晶が発達する
が、Mgを添加すると溶鋼中に存在する微細なMg酸化
物が凝固の核となり、等軸晶を形成するものと推定され
る。Mg酸化物は固体のフェライト相と整合性が良いた
め、凝固核として有効に作用するものと考えられる。
本願発明に記載されたApを10以上に成分調整し、
上述のようにTiおよびMgを添加し、鋳片組織を微細
かつ等軸晶化することにより、鋳片組織中に残留するγ
相も細かく、より均一に分散した分布となる。 凝固
組織が微細等軸晶化した上記鋳片中に含まれる酸化物を
電子顕微鏡等で分析した結果、鋼中に多数のMg酸化物
が存在していることが確認された。鋳片組織が明らかに
微細等軸晶化したものにはMg酸化物密度が3個/mm2
以上含まれており、その密度が増加すると等軸晶がより
微細になる傾向が見られた。この結果から溶鋼中のMg
酸化物を分散させることにより、酸化物から凝固が生
じ、鋳片組織が微細等軸晶化するものと考えられる。
微細等軸晶化した鋳片を用いて、熱延〜(焼鈍)〜冷
延〜焼鈍とフェライト系ステンレス鋼で通常実施されて
いる工程および条件で鋼板を製造した場合、微細等軸晶
化していない鋳片から製造した鋼板に比べ、冷延時の表
面性状(ローピング)および製品引張試験時に現れるリ
ジングのいずれも大きく改善される。Mg酸化物の密度
が高く、等軸晶がより細かい鋳片ほどその効果は大き
い。また熱延後の焼鈍を省略した鋼板は、焼鈍を実施し
た鋼板に比べ、リジング・ローピングのいずれも劣化す
る傾向にあるが、Mg酸化物で鋳片組織を微細等軸晶化
することによりいずれの特性も顕著に改善され、Mg酸
化物を30個/mm2 以上分散させて、鋳片組織を微細化
させた場合は非常に良好なレベルに到達する。 Mg
酸化物を分散させた鋳片から製造した鋼板は溶接等で再
度溶融させても、その凝固組織は微細等軸晶化し、溶接
部の加工性も改善される。
【0008】本発明は上記知見に基づくものであって、
その要旨は以下のとおりである。 (1) 量%で、 C :0.025超〜0.1%、 Cr:10〜25
%、 Ti:0.01〜0.5%、 Mg:0.000
5〜0.01%、 N :0.005〜0.05% を含有し、残部が不可避的不純物およびFeからなり、
かつ下式で求められるApが10〜70であり、さらに
鋼板断面に最大径が0.01〜5μmであるMgを含有
する酸化物粒子が3個/mm2 以上の密度で存在すること
を特徴とする表面性状とリジング特性に優れたフェライ
ト系ステンレス鋼薄板。 Ap=420(%C)+470(%N)+23(%N
i)+9(%Cu)+7(%Mn)−11.5(%C
r)−11.5(%Si)−12(%Mo)−(%V)
−47(%Nb)−49(%Ti)−52(%Al)+
189 (2) 鋼成分として、さらに量%で、 Si:0.01〜1%、 Mn:0.01〜
2%、 P :0.04%未満、 S :0.001
〜0.01%、 O :0.02%以下 を含有することを特徴とする前記(1)記載の表面性状
とリジング特性に優れたフェライト系ステンレス鋼薄
板。 (3) 鋼成分として、さらに量%で、 B :0.0001〜0.0050%、Nb:0.02
〜0.5%、 Zr:0.01〜0.2%、 Al:0.00
5〜0.2% のうち1種又は2種以上を含有することを特徴とする前
記(1)又は(2)記載の表面性状とリジング特性に優
れたフェライト系ステンレス鋼薄板。 (4) 鋼成分として、さらに量%で、 Mo:0.1〜2.0%、 Ni:0.1〜
2.0%、 Cu:0.1〜2.0% のうち1種又は2種以上を含有することを特徴とする前
記(1)(3)のいず れか1項に記載の表面性状とリ
ジング特性に優れたフェライト系ステンレス鋼薄板。 (5) 鋼板断面に最大径が0.01〜5μmであるM
gを含有する酸化物粒子が10/mm2 以上の密度で存在
することを特徴とする前記(1)(4)のいずれか1
項に記載の表面性状とリジング特性に優れたフェライト
系ステンレス鋼薄板。 (6) 鋼板断面に最大径が0.01〜5μmであるM
gを含有する酸化物粒子が30個/mm2 以上の密度で存
在することを特徴とする前記(1)(4)のいずれか
1項に記載の表面性状とリジング特性に優れたフェライ
ト系ステンレス鋼薄板。 (7) 前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載のフ
ェライト系ステンレス鋼を製造する方法であって、該フ
ェライト系ステンレス鋼を鋳造する前に、溶鋼を脱酸し
て溶鋼中の酸素含有量を0.02量%以下に低減した
後にTiを添加し、次いでMgを添加し、溶鋼の凝固を
開始することを特徴とする表面性状とリジング特性に優
れたフェライト系ステンレス鋼薄板の製造方法。 (8) 前記(7)記載の方法によって得たTiおよび
Mg添加により組織が微細等軸晶化した鋳片を、105
0℃〜1250℃に加熱した後に熱間圧延し、さらに冷
間圧延および焼鈍を行うことを特徴とする表面性状とリ
ジング特性に優れたフェライト系ステンレス鋼薄板の製
造方法。 (9) 熱間圧延後に熱延板焼鈍を実施することを特徴
とする前記(8)記載の表面性状とリジング特性に優れ
たフェライト系ステンレス鋼薄板の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】次に本発明について詳細を示す。
まず、本発明のフェライト系ステンレス鋼の成分限定理
由を述べる。なお、下記の説明における(%)とは(
量%)を示す。C:フェライト系ステンレス鋼に不可避
的に存在する不純物元素であるが、オーステナイト相形
成元素である。リジング・ローピング抑制効果のあるγ
相あるいはマルテンサイト相を鋳片組織中に形成させ、
熱延温度域で残留させるためには、C含有量を0.02
5%超としなければならない。しかし、0.1%を超え
て添加すると炭化物が多くなり、製品の加工性が著しく
低下する。
【0010】Cr:ステンレス鋼の耐食性を維持するた
めに必須の元素であり、Cr含有量が10%未満ではス
テンレス鋼としての耐食性を発揮できない。また、Cr
含有量が高くなると、他の成分を本願発明範囲内で調整
してもγ相あるいはマルテンサイト相を形成させること
ができず、リジング・ローピング改善効果が小さくなる
ため、上限を25%とした。
【0011】Ti:Mg酸化物を分散させ、鋳片組織を
微細等軸晶化させるための重要添加元素であり、0.0
1%未満の添加量ではMg酸化物は分散せず、鋳片組織
も微細等軸晶化しない。ただし、Tiを過多に添加する
と、多量の炭窒化物がを形成し、γ相あるいはマルテン
サイト相の形成を抑制するため、上限を0.5%とし
た。
【0012】Mg:鋳片組織を微細等軸晶化させるため
に重要な添加元素である。鋳片組織を微細化させ、リジ
ング・ローピングを改善するためには0.005%以上
の添加量が必要であるが、0.01%を超えて添加して
もその効果は飽和し耐食性を減ずるため、上限を0.0
1%とした。
【0013】N:Cと同様に不可避不純物で、オーステ
ナイト相形成元素である。リジング・ローピング抑制効
果のあるγ相あるいはマルテンサイト相を鋳片組織中に
形成させ、熱延温度域で残留させるためには、N含有量
を0.005%以上としなければならない。しかし、
0.05%を超えて添加すると粗大な窒化物が多くな
り、製品の加工性が著しく低下する。
【0014】Si:鋼中に含まれる不可避的不純物であ
るが、十分な脱酸効果を得て、酸素濃度を低下させるた
めには0.01%以上の含有量が必要であるが、多量に
添加するとγ相あるいはマルテンサイト相の生成を抑制
するとともに、製品が硬質化し、加工性が劣化するた
め、上限を1%とした。
【0015】Mn:鋼中に含まれる不可避的不純物で、
オーステナイト相形成元素であるため、鋳片組織中にγ
相あるいはマルテンサイト相を形成させる効果を有し、
そのためには0.01%以上の含有量が必要である。た
だし、多量に添加するとSiと同様に製品が硬質化し、
加工性が劣化するため、上限を2%とした。
【0016】P:鋼中に含まれる不可避的不純物である
が、多量含有すると加工性が低下するために、0.04
%以下とすることが望ましい。
【0017】S:鋼中に含まれる不可避的不純物である
が、多量含有すると耐食性、加工性が低下するために、
0.01%以下とすることが望ましい。ただし、0.0
01%未満としても製造コストが著しく上昇するのみで
効果は変わらない。
【0018】O:鋼中に含まれる不可避的不純物である
が、多量含有すると耐食性、加工性が低下するために溶
鋼段階で十分に脱酸しておかなければならない。また、
脱酸が不十分であるとTiおよびMgを添加した際の鋳
片組織の微細化効果が減じるため、鋼中の酸素含有量
は、0.02%以下とすることが望ましい。
【0019】B:製品板の2次加工性を向上させる元素
であるが、多量に添加すると鋳造性、溶接性を低下させ
るため、必要に応じて0.0001%以上、0.005
0%以下添加する。
【0020】Nb,Zr:製品板の加工性を改善する元
素であるが、多量に添加するとTiと同様に多量の炭窒
化物がを形成し、γ相あるいはマルテンサイト相の
形成を抑制するため、必要に応じて、Nb:0.02〜
0.5%、Zr:0.01〜0.2%の範囲内で添加す
る。
【0021】Al:脱酸元素であり、製品板の加工性を
改善する元素であるが、多量に添加するとMg酸化物の
形成を阻害し、鋳片組織の微細化効果が減ずるため、必
要に応じて0.005〜0.2%の範囲内で添加する。
【0022】Mo:耐食性を向上させる元素であるが、
多量に添加するとγ相あるいはマルテンサイト相の生成
を抑制するとともに、製品が硬質化し、加工性が劣化す
るため、必要に応じて、0.1〜2.0%の範囲内で添
加する。
【0023】Ni,Cu:オーステナイト相形成元素で
あり、鋳片組織中にγ相あるいはマルテンサイト相を形
成させる効果を有し、さらに耐食性向上にも有効である
が、多量に添加する製品板にマルテンサイト相が残留
し、著しく硬化するため、必要に応じて0.1〜2.0
%の範囲内で添加する。
【0024】Ap:高温で析出するγ相はリジング・ロ
ーピング向上に効果があり、溶接部の粒界腐食を防止す
る効果もあるため、適正量が析出するように成分を調整
しなければならない。その析出量は下式によって予測す
ることができる。 Ap=420(%C)+470(%N)+23(%N
i)+9(%Cu)+7(%Mn)−11.5(%C
r)−11.5(%Si)−12(%Mo)−(%V)
−47(%Nb)−49(%Ti)−52(%Al)+
189 リジング・ローピング性を向上させ、溶接部の粒界腐食
を防止するためには、個々の成分範囲を満足させなが
ら、Apが10以上となるように成分調整しなければな
らない。ただし、70を超えると製品の硬質化、加工性
の低下を招くため。Apは70以下とする。
【0025】本発明では、Mgを含有する酸化物によっ
て鋳片組織を微細等軸晶化し、リジング・ローピング特
性を向上させる。その効果を発現させるためには酸化物
種、大きさ、密度が重要となる。以下では、それら条件
の規定理由について説明する。
【0026】等軸晶組織とするためには、凝固の核とな
り得る酸化物を凝固直前の溶鋼中に分散させなければな
らない。凝固核として作用する酸化物はMgを含んだ酸
化物であり、MgとOの単独酸化物あるいはMg−Al
−O、Mg−Ti−O等の複合酸化物のいずれにおいて
も有効である。さらに、Mgを含む酸化物周囲あるいは
接触してTiN等の窒化物、硫化物、炭化物が存在して
も凝固核として作用する。いずれにしてもMgを含む酸
化物が存在すれば凝固核として作用する。
【0027】ただし、粒子の最大径(最も長い直径)が
0.01μm未満の微小なMg酸化物では凝固組織微細
化効果が減少し、十分なリジング・ローピング向上が図
れない。一方、最大径が5μm超の酸化物粒子を分散さ
せても凝固組織微細化効果には変化はないが、加工時の
割れ、疵の原因となったり、耐食性を劣化させる等の弊
害が現れるため、粒子の最大径は0.01〜5μmに限
定した。
【0028】等軸晶を微細化するために重要なのが、凝
固核となるMgを含む酸化物の密度である。その酸化物
の密度が粗であると等軸晶は形成するが、その結晶粒径
は大きくなり、リジング・ローピング向上効果が減ず
る。リジング・ローピング向上効果を発現させるために
は、Mgを含んだ酸化物を3個/mm2 以上の密度で分散
させなければならず、この密度を上昇させると、等軸晶
径はさらに細かくなり、また凝固後の冷却時に析出する
γ相も細かく分散するため、リジング・ローピング向上
効果はさらに大きくなる。10個/mm2 以上でリジング
がAレベルに、30個/mm2 以上ではリジングが目視上
ほとんど認められないAAレベルに、ローピングがAま
たはAAレベルとなる。
【0029】なお、Mgを含む酸化物密度の測定方法
は、1μm以上の酸化物に関しては、X線マイクロアナ
ライザー(EPMA)を用いて、鏡面研磨した試験片に
ついて1μmピッチで500×500μmの範囲を3カ
所以上測定し、MgとOが同位置に存在する箇所の数を
測定面積で除した値を算出する。1μm未満の酸化物に
関しては、元素分析が可能な透過型電子顕微鏡を用い
て、試験片から一般的な抽出レプリカ法で酸化物を採取
し、MgとOが存在する酸化物でその最大径が0.01
以上1μm未満の数を測定し、観察した視野面積(20
×20μm以上が望ましい)で除した値を算出する。両
方の測定方法で求めた酸化物密度を合計して、本願発明
で規定したMgを含む酸化物密度とする。
【0030】次に、Mgを含んだ酸化物を適度な密度で
分散させ、微細等軸晶の鋳片組織を得て、表面性状およ
びリジング性に優れた上記フェライト系ステンレス鋼の
製造方法について詳細に説明する。
【0031】TiおよびMgを除く成分が上述の範囲内
となるように溶鋼成分を調整する際、溶鋼中の酸素含有
量が0.02%以下になるよう脱酸した後、Tiおよび
Mgを添加する。Ti、Mgの順で添加すると酸化物が
分散し、鋳片組織の微細化により効果的である。Ti添
加により酸化物が微細分散する機構は明らかでないが、
Ti添加時に溶鋼中の酸素と結合し、微細なTi酸化物
を形成するものと推定される。続くMg添加により微細
なTi酸化物は、より酸素との結合力の強いMgにより
置換され、微細なMgを含む酸化物に変化するものと考
えられる。また、Ti,Mg添加前の酸素含有量が0.
02%を超えていると酸化物が粗大化する。さらに、T
iおよびMgを添加する際に溶鋼中のAl含有量が上述
の範囲より高い場合、Alの酸化物のみが形成し,微細
なMgを含む酸化物の形成が阻害され、鋳片組織の微細
化効果が減ずるる。このように、MgのみならずTiの
添加方法、手順、および溶鋼の成分も鋳片組織を微細化
するためには重要な条件となる。なお、Mgは純Mgあ
るいはNi、Fe−Si等との合金として添加しても効
果は同じである。
【0032】次に、上記方法にてTiおよびMgを添加
した溶鋼を連続鋳造等により鋳片に製造する。インゴッ
ト造塊により製造しても鋳片組織は微細化するが、連続
鋳造の方が均一性に優れている。この鋳片を熱間圧延〜
焼鈍〜冷延〜焼鈍の工程を経て薄板を製造する。熱間圧
延工程においては鋳片組織を粗大化させないように加熱
温度は1250℃以下とし、またγ相を十分析出させる
ように1050℃以上とすることが望ましい。熱延後の
焼鈍はリジング・ローピングを幾分改善する効果を有す
るが、熱延後の焼鈍を省略した工程においても上記方法
によって鋳片組織を微細化することにより表面特性およ
びリジング性は著しく向上する。なお、熱延後の焼鈍を
省略する場合は、熱延後直ちに600℃以下まで水冷し
た後に徐冷する(捲取温度を600℃以下とする)こと
により、γ相をマルテンサイト相に変態させ、残留させ
た方がリジング・ローピング向上には有効である。
【0033】上記方法にて製造し、鋼材中のMgを含む
酸化物の大きさおよび密度を請求項記載の範囲に調整す
ることにより、表面特性(ローピング)およびリジング
性に優れたフェライト系ステンレス鋼を特別な工程を付
加することなく、安価に供給することができる。さら
に、溶接部についても組織が細かくなり、加工性が向上
する。
【0034】
【実施例】[実施例1] 表1に示す化学成分のフェライト系ステンレス鋼を溶製
し、本発明鋼については鋳造前にTi、Mgの順に添加
し、鋳片を作製した。その鋳片を1180℃に加熱後、
3mm厚さまで熱間圧延した。その熱延板を酸洗後、0.
8mm厚さまで冷間圧延し、さらに850℃で焼鈍を行っ
た。その薄板表面の圧延方向に伸びた凹凸(ローピン
グ)を粗さ計で測定し、0.1〜3mmピッチで最大凹凸
高さが0.25μmを越えるものをDランク、0.18
〜0.25μmのものをCランク、0.12〜0.17
μmのものをBランク、0.12μm未満をAランクと
し、目視上でローピングが全く認められないものをAA
ランクとして評価した。さらに、上記薄板から圧延方向
と平行にJIS5号引張試験片を切り出し、評点間が1
5%伸びるまで引張った後、表面の圧延方向に伸びた凹
凸(リジング)を粗さ計で測定した。最大凹凸高さが3
0μmを越えるものをDランク、20〜30μmのもの
をCランク、10〜20μm未満のものをBランク、5
〜10μm未満のものをAランク、5μm未満のものを
AAランクとして評価した。また製品断面を鏡面研磨
し、Mgを含む酸化物の密度を上述と同じ方法にて測定
した。それらの評価結果を表2に示す。この結果から、
上記請求項の規定を満足した本発明鋼は、リジングおよ
びローピング性に優れていることがわかる。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】[実施例2]表1に示す本発明鋼(記号:
C)および比較鋼(記号:K)の鋳片を用いて、表3に
示すような各種熱延条件および熱延板焼鈍条件で熱延板
を製作した。熱延後の焼鈍を省略するものは、熱延後直
ちに550℃まで水冷した後に徐冷した。その熱延板か
ら上記と同じ条件で薄板を製作し、リジング・ローピン
グの評価を行った。その結果も表2に併せて示す。この
結果から、熱延前に1250℃を越える加熱を行うとリ
ジング・ローピング性が低下することがわかる。また、
1000℃の加熱でもリジング・ローピング性は低下
し、熱延疵も発生した。さらに、熱延板焼鈍を実施した
C3鋼と同じく熱延板焼鈍を実施した比較鋼K1鋼を比
較すると、熱延板焼鈍を実施しても本発明の効果が顕著
であることがわかる。
【0038】
【表3】
【0039】
【発明の効果】本発明により、コスト上昇を招く工程を
付加させることなく、表面特性(ローピング)およびリ
ジング性に優れたフェライト系ステンレス鋼を製造する
ことが可能となり、溶接部についても組織が細かくな
り、加工性が向上する。本発明は、製造者のみならず本
鋼を利用する者にとっても多大な利益を得ることがで
き、産業上その価値は極めて高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C22C 38/28 C22C 38/28 38/58 38/58 (72)発明者 阿部 雅之 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1−1 新 日本製鐵株式会社 八幡製鐵所内 (72)発明者 瀬々 昌文 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1−1 新 日本製鐵株式会社 八幡製鐵所内 (72)発明者 瀬沼 武秀 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1−1 新 日本製鐵株式会社 八幡製鐵所内 (72)発明者 菊池 正夫 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株 式会社 技術開発本部内 (56)参考文献 特開 平10−324956(JP,A) 特開 平7−118754(JP,A) 特開 平10−330891(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60 C21C 7/00 - 7/06 C21D 9/46 - 9/48

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 量%で、 C :0.025超〜0.1%、 Cr:10〜25%、 Ti:0.01〜0.5%、 Mg:0.0005〜0.01%、 N :0.005〜0.05% を含有し、残部が不可避的不純物およびFeからなり、
    かつ下式で求められるApが10〜70であり、さらに
    鋼板断面に最大径が0.01〜5μmであるMgを含有
    する酸化物粒子が3個/mm2 以上の密度で存在すること
    を特徴とする表面性状とリジング特性に優れたフェライ
    ト系ステンレス鋼薄板。 Ap=420(%C)+470(%N)+23(%N
    i)+9(%Cu) +7(%Mn)−11.5(%Cr)−11.5(%S
    i)−12(%Mo)−(%V)−47(%Nb)−4
    9(%Ti)−52(%Al)+189
  2. 【請求項2】 鋼成分として、さらに量%で、 Si:0.01〜1%、 Mn:0.01〜2%、 P :0.04%未満、 S :0.001〜0.01%、 O :0.02%以下 を含有することを特徴とする請求項1記載の表面性状と
    リジング特性に優れたフェライト系ステンレス鋼薄板。
  3. 【請求項3】 鋼成分として、さらに量%で、 B :0.0001〜0.0050%、 Nb:0.02〜0.5%、 Zr:0.01〜0.2%、 Al:0.005〜0.2% のうち1種又は2種以上を含有することを特徴とする請
    求項1又は2記載の表面性状とリジング特性に優れたフ
    ェライト系ステンレス鋼薄板。
  4. 【請求項4】 鋼成分として、さらに量%で、 Mo:0.1〜2.0%、 Ni:0.1〜2.0%、 Cu:0.1〜2.0% のうち1種又は2種以上を含有することを特徴とする請
    求項1のいずれか1項に記載の表面性状とリジング
    特性に優れたフェライト系ステンレス鋼薄板。
  5. 【請求項5】 鋼板断面に最大径が0.01〜5μmで
    あるMgを含有する酸化物粒子が10個/mm2 以上の密
    度で存在することを特徴とする請求項1のいずれか
    1項に記載の表面性状とリジング特性に優れたフェライ
    ト系ステンレス鋼薄板。
  6. 【請求項6】 鋼板断面に最大径が0.01〜5μmで
    あるMgを含有する酸化物粒子が30個/mm2 以上の密
    度で存在することを特徴とする請求項1のいずれか
    1項に記載の表面性状とリジング特性に優れたフェライ
    ト系ステンレス鋼薄板。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載のフ
    ェライト系ステンレス鋼を製造する方法であって、該フ
    ェライト系ステンレス鋼を鋳造する前に、溶鋼を脱酸し
    て溶鋼中の酸素含有量を0.02量%以下に低減した
    後にTiを添加し、次いでMgを添加し、溶鋼の凝固を
    開始することを特徴とする表面性状とリジング特性に優
    れたフェライト系ステンレス鋼薄板の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の方法によって得たTiお
    よびMg添加により組織が微細等軸晶化した鋳片を、1
    050℃〜1250℃に加熱した後に熱間圧延し、さら
    に冷間圧延および焼鈍を行うことを特徴とする表面性状
    とリジング特性に優れたフェライト系ステンレス鋼薄板
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 熱間圧延後に熱延板焼鈍を実施すること
    を特徴とする請求項8記載の表面性状とリジング特性に
    優れたフェライト系ステンレス鋼薄板の製造方法。
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