JP5292270B2 - 犬crp測定用乾式分析要素 - Google Patents

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Description

本発明は、犬CRPを認識するモノクローナル抗体を用いた犬CRP測定用乾式分析要素、犬CRP測定用試薬又はキット、及び犬CRPの測定方法に関する。
C反応性蛋白(CRP)は、その産生量が炎症反応の強さに相関することが知られている蛋白質である。そのため、血清中のCRPの量を測定することによって、炎症反応の指標とすることができる。即ち、血清CRP値が高ければ、炎症が強いことが示される。
特許文献1では、従来から公知のモノクローナル抗体産生技術により抗犬CRPモノクローナル抗体を作成し、得られた抗体を用いて公知のアフィニティークロマトグラフィー技術により抗原(犬CRP)を精製することが記載されている。特許文献1に記載されている抗犬CRPモノクローナル抗体の特性は犬CRPを捕捉することであり、犬CRPの定量については記載されていない。
非特許文献1には、人CRP測定用の免疫比濁法の検査キットに用いる抗体が犬CRPに対する反応性を有することが記載されている。非特許文献1に記載の抗体は、犬CRPとの反応性を考慮して意図的に調製されたものではなく、モノクローナル抗体についての記載もない。また非特許文献1には、安定的にこの抗体を製造する方法も記載されていない。
特許文献2には、人CRP測定用の乾式免疫分析要素が記載されているが、犬CRPとの反応の記載はない。特許文献2に記載の人CRP測定用乾式免疫分析要素を用いて犬の血清を測定しても、定量性を示す結果は得られず、犬CRPの定量には使用できない。これは、特許文献2で使用されている抗体の特異性が人CRPに限定的で、犬CRPを実質的に認識しないためである。
特許文献3には、抗イヌ CRP 抗体をラテックス粒子に感作させ、この抗体感作粒子を緩衝液中に存在せしめたイヌ CRP の簡易検出試薬および簡易検出方法が記載されている。特許文献3に記載の方法は高感度であり、採取した血液をなんら処理せず検体試料として使用できるラテックス凝集法であるが、定量性に乏しい欠点があった。
特開昭62−210984号公報 特許第3151080号公報 特開昭62−155299号公報
Vet.clin.Pathol.2003,32:81-87
本発明は上記した従来技術の問題点を解消することを解決すべき課題とした。即ち、本発明は、良好なシグナル/ノイズ比(S/N比)にて犬CRPを正確に定量できる犬CRP測定用乾式分析要素、犬CRP測定用免疫分析試薬又はキット、及び犬CRPの測定方法を提供することを解決すべき課題とした。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を行い、先ず、マウスやラツト等の動物に免疫し、血清の免疫源に対する抗体価の上昇を確認した後、リンパ細胞や脾臓細胞を採取して、ミエローマ細胞と融合させてハイブリドーマを作成した。そして、融合細胞を選択培地で培養し、増殖したハイブリドーマの培養上澄を用いてスクリーニングする際に、従来の定性的なスクリーニングに加えて、抗体の結合定数を敏感に反映する方法を用いてスクリーニングすることにより、有用な抗体を産生するハイブリドーマを確実に選別することに成功した。このようにして得られた犬CRP抗体産生ハイブリドーマ由来の抗体は、抗原に対して高いアフィニティーを有していた。さらに本発明者らは、上記のようにして得られた犬CRP抗体について、第一のモノクローナル抗体および第二のモノクローナル抗体の犬CRPに対する結合定数が107M-1〜109M-1であり、第一のモノクローナル抗体および第二のモノクローナル抗体のサブクラスがIgG1であり、第一のモノクローナル抗体と第二のモノクローナル抗体のモル比が0.1〜30であるという特徴を全て満たす2種類のモノクローナル抗体の組み合わせを用いて、特許第3151080号公報の記載に準じて乾式分析要素を作成することにより、良好なシグナル/ノイズ比(S/N比)にて犬CRPを正確に定量できる犬CRP測定用乾式分析要素を提供できることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成したものである。
即ち、本発明によれば、犬CRPを認識する第一のモノクローナル抗体の断片を酵素で標識化したモノクローナル抗体断片と、犬CRPを認識する第二のモノクローナル抗体とを含む免疫反応層を光透過性支持体の上に含む犬CRP測定用乾式分析要素であって、第一のモノクローナル抗体および第二のモノクローナル抗体の犬CRPに対する結合定数が107M-1〜109M-1であり、第一のモノクローナル抗体および第二のモノクローナル抗体のサブクラスがIgG1であり、第一のモノクローナル抗体と第二のモノクローナル抗体のモル比が0.1〜30である、犬CRP測定用乾式分析要素が提供される。
好ましくは、酵素は枯草菌αアミラーゼである。
好ましくは、本発明の犬CRP測定用乾式分析要素は、犬由来のアミラーゼを阻害するアミラーゼ阻害剤を更に含む。
好ましくは、本発明の犬CRP測定用乾式分析要素は、光透過性支持体の上に、
(a)免疫反応層から拡散・移行してきた酵素反応生成物を検出するための検出層;
(b)下記(c)に記載の酵素の基質を含む基質層;及び
(c)犬CRPを認識する第一のモノクローナル抗体の断片を酵素で標識化したモノクローナル抗体断片と、犬CRPを認識する第二のモノクローナル抗体とを含む免疫反応層;
を光透過性支持体側からこの順番で含む。
更に好ましくは、上記検出層は、免疫反応層から拡散・移行してきた酵素反応生成物(拡散性物質)を検出するための試薬組成物を含有する試薬層である。
本発明によればさらに、犬CRPを認識する第一のモノクローナル抗体の断片を酵素で標識化したモノクローナル抗体断片と、犬CRPを認識する第二のモノクローナル抗体とを含む、犬CRP測定用免疫分析試薬又はキットであって、第一のモノクローナル抗体および第二のモノクローナル抗体の犬CRPに対する結合定数が107M-1〜109M-1であり、第一のモノクローナル抗体および第二のモノクローナル抗体のサブクラスがIgG1であり、第一のモノクローナル抗体と第二のモノクローナル抗体のモル比が0.1〜30である、犬CRP測定用免疫分析試薬又はキットが提供される。
好ましくは、酵素が枯草菌αアミラーゼである。
好ましくは、本発明の犬CRP測定用免疫分析試薬又はキットは、犬由来のアミラーゼを阻害するアミラーゼ阻害剤を更に含む。
本発明によればさらに、上記した本発明の犬CRP測定用乾式分析要素又は犬CRP測定用免疫分析試薬又はキットを用いる、犬CRPの測定方法が提供される。
本発明による犬CRP測定用乾式分析要素、犬CRP測定用免疫分析試薬又はキット、及び犬CRPの測定方法によれば、良好なシグナル/ノイズ比(S/N比)にて犬CRPを正確に定量することができる。
図1は、本発明の乾式分析要素を用いて犬血清におけるCRPを測定した結果を示す。 図2は、本発明の乾式分析要素を用いて犬血清におけるCRPを測定した結果を示す。
以下、本発明についてさらに具体的に説明する。
本発明においては、犬CRPを認識する第一のモノクローナル抗体の断片を酵素で標識化したモノクローナル抗体断片と、犬CRPを認識する第二のモノクローナル抗体を使用する。本発明で用いる上記2種類の抗体は、第一のモノクローナル抗体および第二のモノクローナル抗体の犬CRPに対する結合定数が107M-1〜109M-1であり、第一のモノクローナル抗体および第二のモノクローナル抗体のサブクラスがIgG1であり、第一のモノクローナル抗体と第二のモノクローナル抗体のモル比が0.1〜30であるという条件を満たす。なお、本発明で言う抗体とは、抗体分子全体を意味するのみならず、その断片(例えば、Fab、F(ab')2又はFab'断片)をも意味する。
本発明の一態様によれば、本発明で用いる犬CRPを認識する第一のモノクローナル抗体の断片を酵素で標識化したモノクローナル抗体断片と、犬CRPを認識する第二のモノクローナル抗体は、犬CRP測定用乾式分析要素において使用することができる。この場合、上記犬CRP測定用乾式分析要素は免疫反応層を含む構成を有し、この免疫反応層の中に上記抗体が含まれている。本発明の別の態様によれば、本発明で用いる犬CRPを認識する第一のモノクローナル抗体の断片を酵素で標識化したモノクローナル抗体断片と、犬CRPを認識する第二のモノクローナル抗体を組み合わせることによって、犬CRP測定用免疫分析試薬又はキットを構成することができる。即ち、犬CRPを認識する第一のモノクローナル抗体の断片を酵素で標識化したモノクローナル抗体断片と、犬CRPを認識する第二のモノクローナル抗体を一緒に混合して犬CRP測定用免疫分析試薬としてもよいし、犬CRPを認識する第一のモノクローナル抗体の断片を酵素で標識化したモノクローナル抗体断片と、犬CRPを認識する第二のモノクローナル抗体とを別々に調整し、それを組み合わせて犬CRP測定用免疫分析キットとしてもよい。
モノクローナル抗体の取得は通常の方法で行うことができる。すなわち、抗原をアジュバンドとともに数回腹腔等に注射して、脾臓細胞を取り出しポリエチレングリコール等を用いてマウスミエローマ細胞と融合させる。そして、この融合細胞の中から抗体産生細胞をクローニングし、モノクローン細胞として増殖させる。増殖細胞をさらにマウス腹腔内注射することにより、モノクローナル抗体を含む腹水及び血清を得ることができる。より具体的には以下の通り行うことができる。
先ず、CRP(犬CRPなど)を抗原として、哺乳動物、例えばラット、マウス、ウサギなどに投与する。抗原の動物1匹当たりの投与量は、アジュバントを用いないときは0.1〜100mgであり、アジュバントを用いるときは1〜2000μgである。アジュバントとしては、フロイント完全アジュバント(FCA)、フロイント不完全アジュバント(FIA)、水酸化アルミニウムアジュバント等が挙げられる。免疫は、主として静脈内、皮下、腹腔内に注入することにより行われる。また、免疫の間隔は特に限定されず、数日から数週間間隔、好ましくは2〜5週間間隔で、1〜10回、好ましくは2〜5回免疫を行う。そして、最終の免疫日から1〜60日後、好ましくは1〜14日後に抗体産生細胞を採集する。抗体産生細胞としては、脾臓細胞、リンパ節細胞、末梢血細胞等が挙げられるが、脾臓細胞又は局所リンパ節細胞が好ましい。
細胞融合ハイブリドーマを得るため、抗体産生細胞とミエローマ細胞との細胞融合を行う。抗体産生細胞と融合させるミエローマ細胞として、マウスなどの動物の一般に入手可能な株化細胞を使用することができる。使用する細胞株としては、薬剤選択性を有し、未融合の状態ではHAT選択培地(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジンを含む)で生存できず、抗体産生細胞と融合した状態でのみ生存できる性質を有するものが好ましい。ミエローマ細胞としては、例えば P3X63-Ag.8.U1(P3U1)、NS-Iなどのマウスミエローマ細胞株が挙げられる。
次に、上記ミエローマ細胞と抗体産生細胞とを細胞融合させる。細胞融合は、血清を含まないDMEM、RPMI-1640培地などの動物細胞培養用培地中で、1×106〜1×107個/mlの抗体産生細胞と2×105〜2×106個/mlのミエローマ細胞とを混合し(抗体産生細胞とミエローマ細胞との細胞比5:1が好ましい)、細胞融合促進剤存在のもとで融合反応を行う。細胞融合促進剤として、平均分子量1000〜6000ダルトンのポリエチレングリコール等を使用することができる。また、電気刺激(例えばエレクトロポレーション)を利用した市販の細胞融合装置を用いて抗体産生細胞とミエローマ細胞とを融合させることもできる。
細胞融合処理後の細胞から目的とするハイブリドーマを選別する。その方法として、細胞懸濁液を例えばウシ胎児血清含有RPMI-1640培地などで適当に希釈後、マイクロタイタープレート上に3×105個/well程度まき、各ウエルに選択培地を加え、以後適当に選択培地を交換して培養を行う。その結果、選択培地で培養開始後、14日前後から生育してくる細胞をハイブリドーマとして得ることができる。
次に、増殖してきたハイブリドーマの培養上清中に、目的とする抗体が存在するか否かをスクリーニングする。ハイブリドーマのスクリーニングは、通常の方法に従えばよく、特に限定されるものではない。例えば、ハイブリドーマとして生育したウエルに含まれる培養上清の一部を採集し、酵素免疫測定法(ELISAなど)、放射性免疫測定法等によってスクリーニングすることができる。ここで、本発明においては、抗体の結合定数を敏感に反映する方法を用いてスクリーニングすることにより、有用な抗体を産生するハイブリドーマを確実に選別することができる。抗体の結合定数を反映する測定方法は、反応時の抗体及び抗原の濃度を目標とする結合定数の逆数と同程度か1〜2桁程度上下の濃度、例えば、目標のKd結合定数が109M-1の場合、各抗原を10-10M〜10-6M程度の、より好ましくは、10-9M〜10-7M程度の各抗原蛋白質もしくは抗原誘導体を接触させることと、それに対して十分な感度を有する測定方法を組み合わせることにより行うことができる。
融合細胞のクローニングは、限界希釈法等により行い、最終的にモノクローナル抗体産生細胞であるハイブリドーマを樹立することができる。
樹立したハイブリドーマからモノクローナル抗体を採取する方法として、通常の細胞培養法又は腹水形成法等を採用することができる。細胞培養法においては、ハイブリドーマを10%ウシ胎児血清含有RPMI-1640培地、MEM培地又は無血清培地等の動物細胞培養培地中で、通常の培養条件(例えば37℃、5% CO2濃度)で7〜14日間培養し、その培養上清から抗体を取得する。
腹水形成法の場合は、ミエローマ細胞由来の哺乳動物と同種系動物の腹腔内にハイブリドーマを約1×107個投与し、ハイブリドーマを大量に増殖させる。そして、1〜2週間後に腹水を採集する。上記抗体の採取方法において抗体の精製が必要とされる場合は、硫安塩析法、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過、アフィニティークロマトグラフィー(プロテインA−アガロース等)などの公知の方法を適宜選択して、又はこれらを組み合わせることにより精製することができる。
抗体のサブクラスはIgG1、IgG2a、IgG2b等が挙げられるが、本発明では、酵素−抗体複合体を調製する際に抗体の断片化効率の良いIgG1である。得られたIgG1は、活性化パパインやペプシン等のプロテアーゼでFc部位を除去したF(ab')2として、さらにこれを還元してFab' フラグメントに誘導することができる。
好ましい態様では、モノクローナル抗体としてFab' フラグメントを使用する。インタクトな抗体(IgG)にはFab(抗原結合部位)とFc (補体結合部位)が存在する。インタクトな抗体を酵素と結合して酵素標識抗体を使用する場合、試料が血液試料であると、血液中の補体成分がFc 部分に結合して立体障害の原因となり酵素活性を阻害することになる。また血液試料でない場合でも、Fc 部分は反応容器の器壁や免疫反応層などを構成する多孔性部材の孔(ポア)や内部空隙の表面等に非特異的吸着をするため、酵素標識抗体の活性が見かけ上低くなり測定時のノイズの原因となる。これらのノイズを除去するためには、Fc 部位を含まないFab' 、F(ab')2或いはFabフラグメントを抗体として使用するのが望ましい。この中では、酵素との結合の便宜から遊離SH基を有するFab' フラグメントを抗体と使用するのがもっとも好ましい。
上記した本発明のモノクローナル抗体、又は酵素(例えば、枯草菌αアミラーゼなど)で標識した上記モノクローナル抗体の断片は、犬CRP測定用免疫分析試薬またはキットとして用いることができる。
標識として用いる酵素は、その後の酵素反応に使用する酵素基質との組合せを考慮して選ぶことができる。本発明では、酵素基質と反応する酵素に対する反応性を、酵素・抗体・抗原のマトリックス様構造形成による立体障害により抑制するものであるから、酵素と基質との組合せはこのような立体障害による影響が検出し易い系を選ぶ方が好ましい。すなわち、酵素基質としては比較的高分子量のものが感度の点で好ましい。例えば分子量約2万以上であり、好ましくは分子量約10万以上の基質を使用する。このような基質としては、酵素アミラーゼに対する基質として澱粉;酵素セルラーゼに対する基質セルロース;プロテアーゼに対するゼラチン、ヘモシアニン等の蛋白質;リパーゼに対する各種油脂類を挙げることができる。上記の酵素と基質の選択に関する報告は、特開昭60-108756 、特開昭60-171461 、特開昭60-171460 に詳しく開示されている。この中では、澱粉を基質とするアミラーゼが好ましい。またこれらの基質は水不溶性の基質である方が、酵素・抗体・抗原のマトリックス様構造による立体障害が顕著に現れることになり、これらを使用することが特に好ましい。
アミラーゼとしてはα−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼ等があり、検体中に実質的に含まれていないものがノイズ防止の観点から好ましい。アミラーゼの起源は動物(唾液、膵液等)、植物及び微生物と広範囲にわたる。従って、ヒトや動物などの体液、血液などを分析する場合には、これら高等動物由来のアミラーゼは使用しない方が好ましい。
微生物や植物由来のアミラーゼには、コウジカビ(Aspergillus) 、クモノスカビ(Rhizopus)、サッカロミセス酵母(Saccharomyces) 属等由来のグルコアミラーゼ;オオムギ麦芽、コムギ、ダイズ等由来のβ−アミラーゼ;枯草菌(BacillusSubtilis )、ストレプトミセス・グリセウス(Streptomyces griseus)、シュードモナス・シュトゥツェリ(Pseudomonas stutzeri)、テルモアクチオミセス・ブルガリス(Thermoactiomyces vulgaris) 等由来のα−アミラーゼ等が挙げられる。この中では液化力が強くまた熱安定性に優れている枯草菌(Bacillus Subtilis) 由来のα−アミラーゼが最も好ましい。
これらの酵素はいずれの検体中に存在する妨害因子で影響されないものが好ましく、また検体中には競合する同種の酵素がないことが好ましい。ただし、標識酵素と同種の酵素が検体中に含まれている場合には、この酵素阻害剤を用いてもよい。この酵素阻害剤は、検体中の酵素を阻害する程度が標識酵素の活性を阻害する程度より大きいものであればよい。酵素阻害剤は検体中の酵素を完全に失活させるが、標識酵素を全く阻害しないものが最も好ましい。しかし実用上は単に測定時においてブランク値を上昇させなければよく、測定後には酵素阻害剤が失活するなどして検体中の酵素活性が回復しても構わない。なお酵素阻害剤は、酵素標識抗体の酵素を阻害しないものであればよく、遊離状態の酵素を阻害することは構わない。この酵素阻害剤は、公知の酵素阻害剤から上記のような特異性を持つものを選んで用いればよい。或いは検体中の問題となる酵素に対する抗体を作って、これを酵素阻害剤として用いてもよい。
標識酵素としてアミラーゼを用いる場合、検体中には競合する同種の酵素としてα−アミラーゼが存在する。したがって、酵素阻害剤を用いて検体中のアミラーゼを阻害することが好ましい。検体中のアミラーゼを阻害する阻害剤としては、検体中の酵素を阻害する程度が標識酵素の活性を阻害する程度より大きいものであればよい。
特に、犬ではα―アミラーゼ活性値が2500U/L以上存在する検体が少なからず存在するため、少量で有効に阻害する阻害剤が好ましい。
アミラーゼ阻害剤は、その起源により特異性が異なるとされており、インゲンまめ由来、小麦由来、菌由来などが挙げられる。これらのうち、菌由来するものが好ましく、例えばストレプトマイセスニトロスポレウス由来であるアミラーゼ阻害剤は、主に高等動物由来のα−アミラーゼを特異的に阻害する。
アミラーゼ阻害剤としては、例えばα-Amylase Inhibitor (CALZYME Laboratories, Inc社製)、α-Amylase Inhibitor from Triticum aestivum(wheat seed) (Sigma社製)、α-Amylase Inhibitor(Streptomyces nitrosporeus) (和光純薬株式会社)などが挙げられるが、これらに限ったものではない。
酸素としてα−アミラーゼを使用するときには、カルボキシメチル化澱粉、澱粉、アミロース、アミロペクチン等を基質として使用できる。特に水不溶性の澱粉等を使用すれば、酵素反応は基質粒子表面、すなわち固−液界面での反応となるため、抗体・抗原結合による立体障害の酵素活性に対する影響が大きく現れることになり、感度の点で好ましい。また水不溶性ダイ・スターチを使用して、酵素分解産物である可溶性アミロースについているダイ(色素)を検出するようにしてもよい。このような水不溶性青色澱粉ポリマーにはネオアミラーゼ(第一化学薬品製)等の市販のものを使用することができる。
酵素と抗体との結合方法は、2つの物質の官能基(アミノ基、カルボキシル基、チオール基等)を利用して行うことができる。代表的な結合法としては、グルタルアルデヒド法、過ヨーソ酸法、ピリジル・ジスルフィド法、マレイイミド−サクシイミド法等が挙げられる。結合方法はこれらの例に限られるものではなく、この他例えば「Method in Immunology and Immunochemistry」 Vol.1,(C.A.Williams, M.W.Chase, Academic Press,1967年) あるいは石川、河井、宮井 編「酵素免疫測定法」(医学書院、1978年発行)等の成書に記載されている方法の中から適宜選択して利用することができる。これらの結合方法の中では、抗体ヒンジ部のチオール基と酵素のアミノ基を架橋させるマレイミド−サクシイミド法が反応効率が良く、又抗体活性を保持できる点で優れている。
マレイミド−サクシイミド法では、例えば以下のようにして酵素とFab' とを結合させる。まずマレイミド−サクシイミド試薬で酵素のアミノ基をマレイミド化する。これをゲル濾過で精製した後、チオール基を有する抗体(Fab' )との複合化に付する。この時、エピトープの異なる2種類以上の抗体(Fab' )を併用しても良く、その場合にそれらの抗体フラグメントは、一緒に結合反応に供される。この複合化反応は酵素1モルの対し、抗体3〜7モルの範囲で行なうのが好ましい。抗体としてFab' (分子量約5万)を、酵素としてα−アミラーゼ(分子量約5万)を使用する場合には、全Fab' 量に対してα−アミラーゼ重量を1/3 〜1/7 の範囲で結合反応を行うのが好ましい。この結合反応は通常4℃〜室温で進行する。
生成した酵素−抗体複合体(酵素標識抗体)はゲル濾過で精製し、必要により凍結乾燥法等により乾燥する。酵素と各抗体との結合比は1:1に限らず、目的に応じて任意の比率とすることができる。通常の酵素は多数のアミノ基を持っているので、導入されるマレイミド基も複数となり、酵素1分子に導入される抗体分子は複数となる。酵素1分子に異抗体が少なくとも1分子結合している必要があるから、複合体中の酵素に対する抗体のモル比は1以上であることが必要であり、検出感度を確実に高めるためには、モル比2〜5の範囲とすることが好ましく、さらにモル比2〜3とすることが最も好ましい。抗体としてFab' (分子量約5万)を、酵素としてα−アミラーゼ(分子量約5万)を使用する場合には、複合体の分子量は10万ダルトン以上で、好ましくは20〜50万ダルトンであり、最も好ましくは20〜30万ダルトンの物質が検出感度が高い点で好ましい。
本発明の犬CRP測定用分析要素では、上記に説明した犬CRPを認識する第一のモノクローナル抗体の断片を標識化したモノクローナル抗体とさらに第二のモノクローナル抗体を用いる。第二の犬CRPを認識するモノクローナル抗体は、犬CRPに対する結合定数が107M-1〜109M-1であり、サブクラスがIgG1であり、第一のモノクローナル抗体と同じでも異なっていてもよいが、断片や標識された抗体ではない。
本発明の犬CRP測定用分析要素に用いる標識化された第一のモノクローナル抗体と第二のモノクローナル抗体は、適宜その使用量を変更して用いることができるが、モル比は0.1〜30が好ましい。さらに、好ましくは1〜20であり、5〜15が最も好ましい。標識化された第一のモノクローナル抗体量に対して第二のモノクローナル抗体量が多すぎると、第二のモノクローナル抗体が犬CRPの大部分と結合して、標識化された第一のモノクローナル抗体が有効に働かず検出感度が得られなくなる。一方、これとは逆に標識化された第一のモノクローナル抗体量に対して第二のモノクローナル抗体量が少なすぎると、標識化された第一のモノクローナル抗体は犬CRPとある程度反応するもののダイナミックレンジが得られなくなる。
本発明の犬CRP測定用乾式分析要素について説明する。乾式分析要素の構成の具体例としては、特許第3151080号の図1及び図2と同様の構成を挙げることができる。
即ち、一例としては、光透過性支持体の上に検出層(又は試薬層)、免疫反応層が積層されている。免疫反応層は、水浸透性層で構成され、本発明の酵素標識抗体と標識酵素の基質である非拡散性基質とを含有する。試薬層は、水浸透性層で構成され、免疫反応層から拡散・移行してきた酵素反応生成物(拡散性物質)を検出する試薬組成物を含有する。酵素反応生成物が着色物質等のような直接検出できるものである場合には、検出層(又は試薬層)には検出用試薬組成物を含有させる必要がなく、この場合には検出層(又は試薬層)は検出層として機能する。
要素の点着供給された液体試料中の検体(抗原)は、免疫反応層において酵素標識抗体と抗原抗体結合反応しマトリックス構造を作る。このため同じ反応免疫層に含有されている基質に対する酵素活性は抑制される。この結果試薬層(又は検出層)で検出される酵素反応生成物の量から、検体中の抗原量を知ることができる。
また、別の例では、酵素標識抗体と酵素基質とは別の層に含有させてもよい。この場合には、試薬層(又は検出層)の上に酵素基質を含有する水浸透性の基質層を配し、さらにその上に酵素標識抗体を含有する免疫反応層を配する。この場合には、要素に点着供給された液体試料中の検体(抗原)は、免疫反応層において酵素標識抗体と抗原抗体結合反応しマトリックス構造を作り、実質的に不動になる。抗原と結合しなかった酵素標識抗体(あるいは層構造に捕捉されない程度に小さい構造のマトリックス構造のもの)は、次の基質層に移行する。
上記の何れの態様でも、要素に液体試料を点着するだけで、要素内で酵素免疫反応を進行させることができる。
また、本発明の乾式分析要素は、免疫反応層(または免疫反応層と基質層)、試薬層(又は検出層)の他、支持体、展開層、検出層、光遮蔽層、接着層、吸水層、下塗り層その他の層を含む多重層としてもよい。このような分析要素として、例えば特開昭49-53888号(対応米国特許 3,992,158)、特開昭51-40191号(対応米国特許 4,042,335)、 及び特開昭55-164356 号(対応米国特許 4,292,272)、 特開昭61-4959(対応EPC公開特許0166365A) の各明細書に開示されたものがある。
光透過性水不透過性支持体を用いる場合には、本発明の乾式免疫分析要素は、実用的に次のような構成を取り得る。ただし本発明の内容はこれに限定はされない。
(1) 支持体上に試薬層、その上に免疫反応層を有するもの。
(2) 支持体上に試薬層、基質層、免疫反応層をこの順に有するもの。
(3) 支持体上に試薬層、接着層、免疫反応層をこの順に有するもの。
(4) 支持体上に試薬層、接着層、基質層、免疫反応層をこの順に有するもの。
(5) 支持体上に検出層、試薬層、免疫反応層をこの順に有するもの。
(6) 支持体上に検出層、試薬層、基質層、免疫反応層をこの順に有するもの。
(7) 支持体上に試薬層、光反射層、免疫反応層をこの順に有するもの。
(8) 支持体上に試薬層、光反射層、基質層、免疫反応層をこの順に有するもの。
(9) 支持体上に検出層、試薬層、光反射層、免疫反応層をこの順に有するもの。
(10)支持体上に検出層、試薬層、光反射層、基質層、免疫反応層をこの順に有するもの。
(11)支持体上に検出層、光反射層、試薬層、免疫反応層をこの順に有するもの。
(12)支持体上に検出層、光反射層、試薬層、基質層、免疫反応層をこの順に有するもの。
(13)支持体上に第2試薬層、光反射層、第1試薬層、免疫反応層をこの順に有するもの。
(14)支持体上に第2試薬層、光反射層、第1試薬層、基質層、免疫反応層をこの順に有するもの。
(15)支持体上に検出層、第2試薬層、光反射層、第1試薬層、免疫反応層をこの順に有するもの。
(16)支持体上に検出層、第2試薬層、光反射層、第1試薬層、基質層、免疫反応層をこの順に有するもの。
上記(1) ないし(12)において試薬層は異なる複数の層から成ってもよい。支持体と試薬層又は検出層との間には吸水層を設けてもよい。また各層の間には濾過層を設けてもよい。また基質層の上には展開層を設けてもよく、又は基質層に展開作用を持たせ展開層として機能させてもよい。なお、検体中に血球などの固形成分がある場合には、適当な濾過層を分析要素の最上層に設けてもよい。
免疫反応層、基質層は、水浸透性層で構成される。これらの層の水浸透性を確保するためには、多孔性媒体からなる多孔性層とするか、親水性ポリマーバインダーからなる層とするのが好ましい。
多孔性層は繊維質であってもよいし、非繊維質であってもよい。繊維質材料としては、例えば濾紙、不織布、織物布地(例えば平織布地)、編物布地、(例えばトリコット編物布地)、ガラス繊維濾紙等を用いることができる。非繊維質材料としては、特開昭49-53888等に記載の酢酸セルロース等からなるメンブランフィルター、特開昭49-53888、特開昭55-90859(対応米国特許 4,258,001)、特開昭58-70163(対応米国特許 4,486,537)等に記載の無機物又は有機物微粒子からなる連続空隙含有粒状構造物層等のいずれでもよい。特開昭61-4959(対応欧州公開 EP 0166365A)、特開昭62-116258 、特開昭62-138756(対応欧州公開 EP 0226465A)、特開昭62-138757(対応欧州公開 EP 0226465A)、特開昭62-138758(対応欧州公開 EP 0226465A)等に記載の部分接着された複数の多孔性層の積層物も好適である。
多孔性層は供給される液体の量にほぼ比例した面積に液体を展開する、いわゆる計量作用を有する展開層であってもよい。展開層としては、これらのうち織物布地、編物布地などが好ましい。織物布地などは特開昭57-66359号に記載されたようなグロー放電処理をしてもよい。展開層には、展開面積、展開速度等を調節するため、特開昭60-222770 ( 対応: EP 0162301A )、特開昭63-219397 ( 対応西独特許公開 DE 37 17 913A)、特開昭63-112999 ( 対応: DE 37 17 913A )、特開昭62-182652 ( 対応: DE 37 17 913A ) に記載したような親水性高分子あるいは界面活性剤を含有させてもよい。
基質を多孔性層に含有させる有用な方法として、例えば紙、布、高分子からなる多孔質膜等に基質を予め含浸又は塗布した後、支持体上に設けた他の水浸透性層、例えば試薬層の上に、特開昭55-164356 号のような方法で接着させるのも有用な方法である。また別の方法として多孔質層を他の水浸透性層(例えば試薬層)に前記のような方法で接着させた後、基質を含む組成物を多孔質層に塗布してもよい。多孔質層への含浸又は塗布には公知の方法を利用できる。塗布には例えばディップ塗布、ドクター塗布、ホッパー塗布、カーテン塗布等を適宜選択して用いる。こうして作られる基質層の厚さは特に制限されないが、塗布層として設ける場合には、1μm〜50μm程度、好ましくは2 μm〜30μmの範囲が適当である。ラミネートによる積層など、塗布以外の方法による場合、厚さは数十μmから数百μmの範囲で大きく変化し得る。
親水性ポリマーバインダーからなる水浸透性層で免疫反応層、基質層を構成する場合、使用できる親水性ポリマーとしては、例えば、以下のものがある。ゼラチン及びこれらの誘導体(例えばフタル化ゼラチン)、セルロース誘導体(例えばヒドロキシエチルセルロース)、アガロース、アルギン酸ナトリウム、アクリルアミド共重合体、メタアクリルアミド共重合体、アクリルアミド又はメタアクリルアミドと各種ビニル性モニマーとの共重合体、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸と各種ビニル性モノマーとの共重合体などである。
親水性ポリマーバインダーで構成される基質層は、特公昭53-21677号(対応米国特許 3,992,158)、特開昭55-164356 号(対応米国特許 4,292,272)、特開昭54-101398 号(対応米国特許 4,132,528)、特開昭61-292063 号(Chemical Abstracts, 106, 210567y) 等の明細書に記載の方法に従って、基質その他の試薬組成物と親水性ポリマを含む水溶液又は水分散液を支持体又は検出層等の他の層の上に塗布し乾燥することにより設けることができる。親水性ポリマーをバインダーとする基質層の乾燥時厚さは約2 μm 〜約50μm 、好ましくは約4 μm 〜約30μm の範囲、被覆量では約2 g/m2〜約50g/m2、好ましくは約4 g/m2〜約30g/m2の範囲である。
基質層には非拡散性基質の他に、塗布特性、拡散性化合物の拡散性、反応性、保存性等の諸性能の向上を目的として、酵素の活性化剤、補酵素、界面活性剤、pH緩衝剤組成物、微粉末、酸化防止剤、その他、有機物あるいは無機物からなる各種添加剤を加えることができる。基質層に含有させることができる緩衝剤の例としては、日本化学会編「化学便覧 基礎編」(東京、丸善(株)、1966年発行)1312-1320 頁、R.M.C.Dawson et al編、「Data for Biochemical Research」第2版(Oxford at the Clarendon Press,1969 年発行) 476-508 頁、「Biochemistry」 5,467-477頁 (1966年) 、「Analytical Biochemistry」 104,300-310 頁 (1980年) に記載のpH緩衝剤系がある。pH緩衝剤の具体例としてトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(Tris)を含む緩衝剤;燐酸塩を含む緩衝剤;硼酸塩を含む緩衝剤;クエン酸又はクエン酸塩を含む緩衝剤;グリシンを含む緩衝剤;ビシン(Bicine)を含む緩衝剤;HEPES を含む緩衝剤;MES を含む緩衝剤などのグッド緩衝剤等がある。
免疫反応層も上記基質層と同様に構成することができる。なお、1つの層又は隣接する2層に基質と酵素標識抗体とを実質的な乾燥状態又は実質的に水の非存在状態で含有させるには、酵素標識抗体をアルコール(例、エタノール)等の非水溶媒に溶解又は分散させて水浸透性層に含浸させればよい。
試薬層は、免疫反応層(又は基質層)から拡散・移行してきた拡散性物質を検出する試薬組成物を含有する。必要に応じて試薬組成物の中には低分子化酵素が含有され、拡散性物質を低分子化して生じた低分子生成物を検出するための検出試薬組成物を含有する。試薬層は、水浸透性層で構成され、前記基質層の説明で述べた水浸透性層のうち、親水性ポリマーバインダーからなる連続層とするのが好ましい。用いる親水性ポリマーバインダーは基質層で生成される拡散性生成物や、試薬層内に含有する発色試薬などを考慮して決められる。
免疫反応層(又は基質層)から拡散・移行してきた拡散性物質が直接検出可能なものである場合には試薬層には検出試薬組成物を含有させる必要はなく、試薬層は検出層として機能する。検出層とした場合も、前記基質層の説明で述べた水浸透性層のうち、親水性ポリマーバインダーからなる連続層とするのが好ましい。
支持体としては光不透過性(不透明)、光半透過性(半透明)、光透過性(透明)のいずれのものも用いることができるが、一般的には光透過性で水不透過性の支持体が好ましい。光透過性水不透過性支持体の材料として好ましいものはポリエチレンテレフタレート、ポリスチレンである。親水性層を強固に接着させるため通常、下塗り層を設けるか、親水化処理を施す。
本発明の乾式免疫分析要素は、特開平3-295466(対応EP0451848A)、同4-128655、同4-2765551 と同様に、非拡散性基質から標識酵素によって分解された拡散性物質をさらに低分子化する低分子化酵素を試薬層に含有させることにより、感度の上昇を図ることができる。これらの組合わせは、酵素が非拡散性基質に作用して拡散性物質を生成し、さらにこの拡散性生成物が、後記低分子化酵素によりさらに低分子の生成物を生じて容易に検出できるような組合わせから選ぶことができる。
すなわち抗体の標識酵素は、高分子からなる非拡散性基質を分解して、低分子化酵素によりさらに低分子の生成物を生じるような拡散性生成物を生成するものを選ぶ。非拡散性基質は、水性検体液に対して非拡散性(不溶性)でそれ自体は免疫反応層(又は基質層)から試薬層に拡散・移行しないものを選ぶ。さらに、低分子化酵素は、抗体の標識酵素により、非拡散性基質より生成した拡散性生成物を、さらに検出可能な低分子生成物にするものから選ぶ。以下具体的にこれらの例を説明する。
このような酵素としては重合体からなる非拡散性基質から拡散性オリゴマーを生成するような分解酵素が好ましく、先に挙げた標識酵素のうち、例えば、糖質加水分解酵素が好ましい。このような糖質加水分解酵素として、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、リゾチーム等がある。
前述のα−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼに対する基質の例として、カルボキシメチル化澱粉、澱粉がある。カルボキシメチル化澱粉、澱粉を非拡散性基質とする場合には、標識酵素としてα−アミラーゼ、低分子化酵素として後述するグルコアミラーゼ又はα−グルコシダーゼを用いた組み合わせが可能である。
この低分子化酵素は標識酵素と同じ種類の酵素であってもよい。この場合には標識酵素は分子内部から切断してオリゴマーを生成するエンド(endo)活性の酵素であり、低分子化酵素は分子の端から作用して単量体を生成するエクソ(exo) 活性を持つものとするのが好ましい。例えば、非拡散性基質が重合体(例えば澱粉)である場合に、標識酵素により生成される拡散性オリゴマー(例えばマルトース)を単量体(例えばグルコース)にまで分解できるものが用いられる。このような低分子化酵素の例として糖加水分解酵素、より具体的には、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、α−グルコシダーゼ等があげられる。非拡散性基質と標識酵素として、カルボキシルメチルセルロースとセルラーゼを用いた場合には、低分子化酵素としてC1エンザイムを用いることができる。
これらの標識酵素、非拡散性基質、低分子化酵素の組合せは、公知文献(例えば「酵素ハンドブック」(丸尾文治、田宮信雄監修、朝倉書店、1982年発行)、「生化学ハンドブック」(井村伸正、他編、丸善1984年発行)に記載された酵素、基質から選ぶことができる。
試薬層において低分子化酵素により生成された低分子生成物は、公知の検出系試薬により光学的に検出することができる。前記低分子化酵素により最終的に生成したグルコースを検出する方法としては、例えば、グルコースをグルコースオキシダーゼ存在下に酸化し生成した過酸化水素を検出する方法(例えばAnn.Clin.Biochem., 6,24(1964) 、J.Clin.Pathol., 22,246(1969)に記載のTrinder 試薬、特開昭49-50991号( 対応米国特許3,886,045)、 米国特許3,992,158 号、 特開昭55-164356 号( 対応米国特許4,292,272)等に記載のTrinder 試薬、特開昭53-26188号( 対応米国特許4,089,747)、特開昭58-45557号等に記載のトリアリール置換イミダゾールロイコ色素を含む試薬、特開昭59-193352 号( 対応欧州特許公開 EP 0122641A)、特開昭60-224677 号( 対応米国特許4,665,023)等に記載のジアリール−モノアラルキル置換イミダゾールロイコ色素を含む試薬を用いる方法)、グルコースデヒドロゲナーゼとNADの存在下に生成するNADHを検出する方法、またヘキソキナーゼ存在下に生成するグルコース−6−燐酸を検出する方法等、公知の方法を用いることができる。これらの検出方法の中で、グルコースオキシダーゼ存在下にグルコースを酸化し生成した過酸化水素をペルオキシダーゼとロイコ色素を用いて検出する方法が、感度の点で最も望ましい。
これらの検出試薬は分析要素の試薬層に低分子化酵素と一緒に含有させてもよいが、試薬層の下層に設けた別の層(例えば第2試薬層又は検出層等)に含有させてこの層で検出するようにしてもよい。なお、ロイコ色素を使用する場合には、水非混和性溶媒の溶液の親水性バインダー中への分散物とするのが生成した色素の安定性の上で好ましい。
本発明の乾式免疫分析要素は前述の諸特許明細書に記載の公知の方法により調製することができる。本発明の分析要素は一辺約15mmから約30mmの正方形またはほぼ同サイズの円形等の小片に裁断し、特公昭57-28331(対応米国特許 4,169,751)、実開昭56-142454 (対応米国特許 4,387,990)、特開昭57-63452,実開昭58-32350,特表昭58-501144 ( 対応国際公開: WO 83/00391)等に記載のスライド枠に収めて化学分析スライドとして用いることが、製造,包装,輸送,保存,測定操作等の観点で好ましい。使用目的によっては、長いテープ状でカセットまたはマガジンに収めて用いたり、または小片を開口のあるカードに貼付または収めて用いることなどもできる。
本発明の乾式分析要素は前述の諸特許明細書等に記載の操作と同様の操作により液体試料中の被検物である高分子抗原の定量分析ができる。例えば約5μL 〜約30μL 、好ましくは8〜15μL の範囲の血漿、血清、尿などの水性液体試料液を基質層に点着する。点着した分析要素を約20℃〜約45℃の範囲の一定温度で、好ましくは約30℃〜約40℃の範囲内の一定温度で1〜10分間インキュベーションする。要素内の発色又は変色を光透過性支持体側から反射測光し、予め作成した検量線を用いて比色測定法の原理により検体中の高分子抗原の量を求めることができる。点着する液体試料の量、インキュベーション時間及び温度を一定にすることにより定量分析を高精度に実施できる。測定操作は特開昭60-125543、同60-220862、同61-294367 などに記載の化学分析装置により極めて容易な操作で高精度の定量分析を実施できる。なお、目的や必要精度によっては、目視により発色の度合いを判定して、半定量的な測定を行なってもよい。分析要素内に、酵素標識抗体を含有させない場合には、要素に点着する前に水性試料液を酵素標識抗体を含む溶液と混和して、結合反応を十分行わせてから、基質層に点着すればよい。
本発明はさらに、上記した本発明の犬CRP及び人CRP測定用免疫分析試薬、又は犬CRP及び人CRP測定用乾式分析要素に、試料を接触させることを含む、試料中のCRPの測定方法に関する。試料の種類は特に限定されないが、例えば、血液(全血、血漿、血清)、リンパ液、尿などがあり、好ましくは血液(全血、血漿、血清)であり、更に好ましくは血清、血漿であり、特に好ましくは血清である。
以下の実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
実施例1:抗体のサブクラスがIgG1で、犬CRPに反応性を有するモノクローナル抗体産生ハイブリドーマの調製
(1)抗体産生用融合細胞(ハイブリドーマ)の調製:
ビーグル犬の新鮮な血清からアフィニティーカラムを用いて分離、精製した犬CRPを抗原として、マウス(BALBc)に免疫し、犬CRPに対する抗体価の上昇を確認後、脾細胞を採取してミエローマ(P3U1)とPEG法で細胞融合させた。HAT培地による選択培養し、増殖したハイブリドーマを多数得た。
(2)ハイブリドーマの選別(1):抗原特異性の確認と抗体の種類及びサブクラスの確認
上記(1)で得たハイブリドーマの培養上澄について、犬CRPの蛋白抗原を1 μg/mLとなるようPBS(-)で希釈し固相を行い、2次抗体として抗マウスIgG HRP標識ヤギ抗体(Goat anti-mouse IgG (H+L) HRP conjugated secondary antibody:No.AP308P フナコシ(株))を用いてマイクロプレートを用いた ELISA法により、抗原に対する反応性を確認し、犬CRPの抗原に反応する抗体を産生するハイブリドーマを数種選別できた。また、これらのハイブリドーマについて、培養上澄中の抗体のアイソタイプ及びサブクラスは、市販の同定キット試薬を用いて同定した。
(3)ハイブリドーマの選別(2):抗原に対する結合定数の確認
犬CRPに対する反応性が確認された培養上澄の内、産生抗体がIgGであるものについて、Biacore社の装置(Biacore3000)を用いて、その結合定数を測定した。センサーチップに抗マウスIgGのウサギIgGを固定化し、これと培養上澄とを一定条件で接触させ、培養上澄中のマウスIgGを固定する。次いで、目標とする結合定数109M-1に対し、4μg/mL(3.5×10-8M)の各抗原蛋白質を接触させる。培養上澄を接触させた時のシグナル増加(抗体シグナル:培養上澄中のIgG量に相当)を基準にして、抗原蛋白質を接触させた時のシグナル増加(抗原シグナル:抗体の抗原捕捉力に相当)の比を取ると培養上澄中の抗体の結合定数の序列が推定できる。培養上澄の測定結果を表1に示す。三種類のハイブリドーマ3A6、11C6、16H4を用いて、マウス腹水法で調製後、プロテインAカラムで精製した抗体での同条件下のシグナル比は、培養上澄と良く一致しており、培養上澄での結果が抗体選別に有効であることを示している。この方法により、犬CRPに対して充分な結合定数107M-1〜109M-1を有し、且つ、サブクラスがIgG1である抗体産生ハイブリドーマとしてハイブリドーマ16H4を選別することができた。さらに、ハイブリドーマとして3A6、11C6を得た。
ハイブリドーマ16H4(寄託者が付した識別のための表示:MM44097-16H4F5)は、受託番号FERM P−21571(受領番号FERM AP−21571)として、2008年(平成20年)4月18日付けで独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東一丁目1番地1 中央第6)に寄託されている。受託番号FERM P−21571の寄託は、2009年5月27日に、国際寄託に移管され、受託番号FERM BP−11132としてブダペスト条約の規定の下に寄託された。
Figure 0005292270
*1:クローニング時に脱落。
*2:固定時の抗原濃度1μg/mL
*3:抗原濃度4μg/mL(約3.5×10-8M)
実施例2:モノクローナル抗体の調製:
ハイブリドーマ16H4をRPMI 1640 + 10 % FBSで融解し培養し、増殖させた細胞をマウス20匹にそれぞれ0.5 mL(5 × 106 cells/匹)移植する。一定期間の後に、腹腔から腹水を採取して遠心分離後、上澄を以下に示すプロテイン A−アフィニティクロマト法で精製する。1.5 Mグリシン-NaOH (pH 8.9)-3 M NaClで平衡化したプロテインAカラムに、同じ緩衝液で希釈した腹水の上澄を流しIgGを吸着させる。溶出バッファ(100 mM クエン酸バッファ 、pH 3.0) で溶出し、直ちに、中和液(2 M Tris − HCl、pH 9.0)を添加 して pH 7.0〜7.5に調整後、PBSに透析して精製抗体を得た。
実施例3:犬CRP測定用分析要素の調製
表2に犬CRP抗体の犬CRPに対する結合定数を示す。比較例として人CRP抗体の人CRPに対する結合定数を示す。標識化抗体は、特許第3151080号に記載の方法と同様の方法に従って、枯草菌αアミラーゼと表1に記載の犬CRP抗体を用いて酵素で標識化した抗犬CRP・IgGFab’を調製した。比較例として、人CRP抗体を用いて酵素で標識化した抗人CRP・IgGFab’も調製した。これら表2に示す材料を用いて、犬CRP測定用分析要素を作製した。比較例として人CRP抗体を用いたCRP測定用分析要素を作製した。第二抗体は、表2に示すイヌCRP抗体を用いた。
Figure 0005292270
CRP測定用乾式分析要素の作成:
ゼラチン下塗りされている180μmのポリエチレンテレフタレ−ト無色透明平滑フィルムに下記組成の水溶液を、乾燥後の厚さが14μmになるように塗布し乾燥した。
ゼラチン 14.1g/m2
ペルオキシダーゼ 12.0KU/m2
グルコースオキシダーゼ 6.0KU/m2
グルコアミラーゼ 5.0KU/m2
ロイコ色素 0.5g/m2
界面活性剤 1.0g/m2
ここで、界面活性剤は、ポリオキシ(2−ヒドロキシ)プロピレンノニルフェニルエーテル(Surfactant 10G、 オーリン社製)を、ロイコ色素は、2−(3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−4−(4−ジメチルアミノフェニル)−5−フェネチルイミダゾール酢酸塩を用いた。
次に上記フィルム上に下記組成の水溶液を乾燥後の厚さが10μmになるように塗布し、乾燥した。
ゼラチン 10.2g/m2
界面活性剤 0.5g/m2
次に上記フィルム上に下記組成のpH=6.4に調整された水溶液を乾燥後の厚さが8μmになるように塗布し、乾燥した。
ヒドロキシプロピルセルロース 4.7 g/m2
カルボキシメチルスターチ 3.5g/m2
PIPES 0.9 g/m2
マンニトール 2.3 g/m2
界面活性剤 1.2 g/m2
アミラーゼ阻害剤 1020KU/ m2
次に上記フィルム上に約60g/m2の供給量で水を全面に供給して湿潤させた後、50デニール相当のポリエチレンテレフタレート紡績糸を36ゲージ編みしたトリコット編み物布地を軽く圧力をかけて積層し、乾燥させた。
上記布地上に、エタノールを200g/m2となるように塗布し(=OC1塗布)乾燥後、下記組成のエタノール溶液を各々の成分が下記の量となるように、そして乾燥後の厚さが5μmになるように、塗布し(=OC2塗布)、乾燥させ、一体型多層分析要素を作製した。
アミラーゼ標識化抗犬CRP抗体LA 19.0 KU/m2 (1.2mg/m2、分子量30 KDa)
抗犬CRP抗体A 5.4 mg/m2 (分子量15 KDa)
ポリビニルピロリドン 5.6 g/m2
界面活性剤 0.2 g/m2
アミラーゼ阻害剤 2080 KU/ m2
(抗体のモル比の計算)
抗体LA 1.2 mg/m2 ÷ 分子量30 KDa = 0.04 x10-3 mmol/m2
抗体A 5.4 mg/m2 ÷ 分子量15 KDa = 0.36 x10-3 mmol/m2
モル比 = 0.36 ÷ 0.04 = 9
上記の一体型多層分析要素を12mm x 13mm四方のチップに切断し、スライド枠(特開昭57−63452号公報に記載)に収めて、本発明に従うCRP分析用乾式スライドを作製した。また、標識化抗犬CRP抗体(いずれも分子量は約30 KDa)と第二抗体(いずれも分子量は約15 KDa)の種類と量を表3に記載の通り変更する以外は上記と同様にして、表3に記載の乾式分析要素を作成した。
Figure 0005292270
※ モル比 = 第二抗体/標識化抗体
実施例4:感度性能評価試験
下記組成(*)の希釈液と免疫比濁法にて検定されたCRP濃度0、1.1、3.0、7.1、10mg/dLの犬血清を希釈液にて21倍希釈した液を上記実施例で作製したCRP分析用乾式スライドに10μL点着した。
その後、37℃にて5分間インキュベートしながら、およそ10秒おきに650nmにおける反射濃度を富士ドライケム7000(富士写真フイルム(株)製)により測定した。そのときの3分〜5分の反射濃度より1分あたりの反射濃度(△ODr)を求めた。結果を図1に示す。
*希釈液組成
MES(*1) 5mg
カゼイン水溶液(*2) 100mg
アジ化ナトリウム 0.2mg
精製水 1.0ml
*1 MES:2−(N−モルホリノ)エタンスルフォン酸モノハイドレート
*2 例えば 商品名:ブロックエース
図1の結果より、本発明の犬CRP分析用乾式スライド101、102は犬血清において犬CRP=10mg/dLまで濃度変化に対応してΔODr(反射光学濃度)の変化が認められ、良好なS/N比が得られた。また、本発明の犬CRP分析用乾式スライド103、104でも同様に良好なS/N比が得られた。一方、本発明の範囲外である比較例105、106、107については、CRP=7.1mg/dLまで濃度変化に対応してΔODr(反射光学濃度)の変化が悪く、良好なS/N比が得られなかった。
実施例5:相互希釈直線性性能評価試験
免疫比濁法にて検定された犬CRP濃度0.5mg/dLと12mg/dLの犬血清を相互に希釈して所望のCRP濃度にした検体を、実施例5と同様の希釈液で21倍希釈した液を実施例4で作製したCRP分析用乾式スライドに10μL点着した。
その後、37℃にて5分間インキュベートしながら、およそ10秒おきに650nmにおける反射濃度を富士ドライケム7000(富士写真フイルム(株)製)により測定した。そのときの3分〜5分の反射濃度より1分あたりの反射濃度(△ODr)を求めた。結果を図2に示す。
図2の結果より、本発明の犬CRP分析用乾式スライド101は犬CRP=12mg/dLまで良好な直線性が認められた。また、本発明の犬CRP分析用乾式スライド102、103、104でも同様に良好な直線性が得られた。一方、本発明の範囲外である比較例105、106については、直線性が認められるものではなかった。

Claims (5)

  1. 犬CRPを認識する第一のモノクローナル抗体の断片を酵素で標識化したモノクローナル抗体断片と、犬CRPを認識する第二のモノクローナル抗体とを含む免疫反応層を光透過性支持体の上に含む犬CRP測定用乾式分析要素であって、第一のモノクローナル抗体および第二のモノクローナル抗体の犬CRPに対する結合定数が107M-1〜109M-1であり、第一のモノクローナル抗体および第二のモノクローナル抗体のサブクラスがIgG1であり、第一のモノクローナル抗体と第二のモノクローナル抗体のモル比が5〜15である、犬CRP測定用乾式分析要素。
  2. 酵素が枯草菌αアミラーゼである、請求項1に記載の犬CRP測定用乾式分析要素。
  3. 犬由来のアミラーゼを阻害するアミラーゼ阻害剤を更に含む、請求項1又は2に記載の犬CRP測定用乾式分析要素。
  4. 第一のモノクローナル抗体と第二のモノクローナル抗体のモル比が9〜11である、請求項1から3の何れか1項に記載の犬CRP測定用乾式分析要素。
  5. 請求項1からの何れかに記載の犬CRP測定用乾式分析要素を用いる、犬CRPの測定方法。
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