JPH10282103A - 免疫分析要素および免疫分析方法 - Google Patents

免疫分析要素および免疫分析方法

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JPH10282103A
JPH10282103A JP9959197A JP9959197A JPH10282103A JP H10282103 A JPH10282103 A JP H10282103A JP 9959197 A JP9959197 A JP 9959197A JP 9959197 A JP9959197 A JP 9959197A JP H10282103 A JPH10282103 A JP H10282103A
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JP
Japan
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enzyme
layer
ligand
antibody
substrate
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JP9959197A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Shinoki
浩 篠木
Osamu Seshimoto
修 瀬志本
Yoshikazu Amano
芳和 天野
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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  • Investigating Or Analyzing Non-Biological Materials By The Use Of Chemical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、より少ない工程で製造できると共
に、簡便な操作で高感度にかつ迅速な分析が出来る、均
一系酵素免疫反応を適用した免疫分析要素を提供する。
またその分析要素を用いる方法を提供する。 【構成】 リガンドと、酵素標識リガンドと、リガンド
に対する抗体との間の反応により生じた酵素活性の変化
を測定することによりリガンド量を分析する免疫分析要
素において、前記酵素により拡散性物質を生成する非拡
散性基質を含有する基質層と、前記拡散性物質をさらに
低分子生成物にする低分子化酵素を含有する試薬層とを
備えることを特徴とする免疫分析要素。リガンドに対す
る抗体と、酵素標識リガンドとは、基質層或いは基質層
の上に積層された別の層に予め含有させておくこともで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は均一系酵素免疫測定法を
適用した乾式免疫分析要素及びそれを用いた免疫分析方
法に関するものである。
【0002】
【発明の背景】血液や尿などの体液に含まれる生体成
分、薬物等の分析は、病態の診断や治療経過の判定に非
常に有用であり、臨床検査の分野で重要な役割を果たし
ている。このような微量成分(リガンド)の分析方法と
して、酵素免疫分析方法(エンザイムイムノアッセイ)
がある。酵素免疫分析方法には、B/F分離が必要な非
均一系とB/F分離が不要な均一系がある。均一系反応
は抗体と抗原(リガンド)が結合すると標識酵素の酵素
活性が何らかの干渉を受けることに基づくもので、抗原
抗体結合による阻害作用を利用する。一般には、抗原を
酵素標識しておいて、これに大分子である抗体が結合す
ることにより、酵素の基質に対する結合が立体障害を受
けたり、或いは酵素の立体構造が変化するために生じる
酵素活性の抑制を検出する。
【0003】一方、多数の検体試料を取扱いルーティン
化している臨床検査では、簡便、迅速に分析でき自動操
作化もできることが望まれ、このような観点から、乾式
分析要素が提案されている(例えば特開昭49-53888、同
59-77356、 同59-102388、米国特許4,459,358 )。
【0004】均一系酵素免疫反応を適用した乾式分析要
素は以下のものが知られている(特開平1-321360)。こ
れは(A) 高分子化抗原(リガンドと高分子化合物との結
合物)、(B) 水不溶性の高分子基質、(C) リガンドに対
する抗体と、基質に対する酵素との結合物、の3つを多
層分析要素の同一層或いは別々の層に含有させたもので
ある。分析要素に点着し供給された抗原は、高分子化抗
原と競争して、抗体−酵素結合物に結合する。この抗原
−抗体−酵素複合体は、水不溶性高分子基質に反応し
て、可溶性の低分子生成物を生成する。一方、高分子化
抗原と結合してできた高分子抗原−抗体−酵素複合体
は、高分子基質に対して酵素活性を示すことができな
い。従って検体中の抗原量が増えるに従って、酵素反応
生成物は増えることになる。この生成物を検出層に移行
させて、その量をその有色化学基が与える吸収の光学濃
度を測定することにより、検体中の抗原量を分析すると
いうものである。
【0005】しかし、この分析要素では、ダイ・スター
チのような予め色素を結合させた高分子基質を用いて、
酵素(アミラーゼ)による分解生成物であるアミロース
についている色素(ダイ)を測定するので、高分子基質
と反応生成物とは分離して測定しなければならない。そ
のため未反応基質を含有する試薬層と、反応生成物を受
容する検出層の間には酸化チタン粒子等を含む光遮蔽層
を設けている。このような層構成の分析要素では、試薬
層で生成された可溶性反応生成物が、光遮蔽層を経て検
出層に十分拡散するまでの時間を考慮しなければなら
ず、乾式化学分析の特徴である迅速な定量には好ましく
ない。
【0006】反応生成物の拡散を早めるために、予め基
質にカルボキシル基やスルホ基のような親水性基を導入
しておいて、反応生成物の拡散性を上げることも考えら
れる。しかし、これらの置換基を導入し得る位置は限ら
れており、またその導入により、分析の感度を支配する
色素部位の分子吸光係数を低下させるという新たな不都
合が生じることになる。
【0007】またこの従来の分析要素では、抗体を酵素
標識していた。酵素標識抗体が高分子抗原と未結合の時
に酵素活性を維持するようにするためには、抗体分子は
低分子量である方が、酵素活性に対する干渉が少なく有
利である。このため酵素を標識する抗体はIgG(分子
量約16万)をそのまま使用するのではなく、これを活性
化パパインで処理してF(ab')フラグメント(分子量約1
0万)にした後、さらにSH還元しFab'フラグメント
(分子量約5万)としなければならなかった。このよう
に使用する抗体を得るには煩雑な工程が必要であった。
【0008】
【発明の目的】本発明は、以上のような事情に鑑みなさ
れたものであり、より少ない工程で製造できると共に、
簡便な操作で高感度にかつ迅速な分析が出来る、均一系
酵素免疫反応を適用した免疫分析要素を提供することを
目的とする。また本発明は、その分析要素を用いる方法
を提供することも目的とする。
【0009】
【発明の構成】このような本発明の目的は、リガンド
と、酵素標識リガンドと、リガンドに対する抗体との間
の反応により生じた酵素活性の変化を測定することによ
りリガンド量を分析する免疫分析要素において、前記酵
素により拡散性物質を生成する非拡散性基質を含有する
基質層と、前記拡散性物質をさらに低分子生成物にする
低分子化酵素を含有する試薬層とを備えることを特徴と
する免疫分析要素、により達成される。
【0010】ここで使用する酵素標識リガンドとは、被
検物であるリガンド(抗原)を酵素標識したものだけで
なく、リガンドと抗原決定基を共通にする物質を酵素標
識したものを含む概念である。リガンド誘導体などの化
学構造状の類縁体のみならず、抗体に対する免疫応答性
において、リガンドと類似の挙動を示す化合物であれ
ば、であれば、これを酵素標識して、酵素標識リガンド
として使用できる。
【0011】リガンドに対する抗体と、酵素標識リガン
ドとは、基質層或いは基質層の上に積層された別の層に
予め含有させておくこともできる。
【0012】
【作用】抗体と結合した酵素標識リガンドの酵素は、立
体障害により、非拡散性基質に対する酵素活性が干渉さ
れる。リガンドと、抗体と、酵素標識リガンドとが競合
すると、リガンド量が多いときには、抗体とは未結合で
遊離のままの酵素標識リガンドが多くなり、酵素活性は
保持される。リガンド量が少ないときには、酵素標識リ
ガンドは抗体と結合し、その酵素活性が減少する。従っ
て、検体中の抗原(リガンド)量に応じて拡散性の反応
生成物が生成される。反応生成物は速やかに試薬層に移
行して検出される。未反応の非拡散性基質は基質層に留
まる。
【0013】本発明では、酵素は抗体ではなく抗原(リ
ガンド)を標識するので、抗体は、従来のようなFab'
フラグメントとしなくても、感度を十分維持できる。こ
の結果、より少ない工程で分析要素を安価に製造するこ
とができる。
【0014】
【発明の構成の詳細な説明】免疫分析要素の層構成 図1に本発明の免疫分析要素の一実施態様を示す。この
図1において符号10は光透過性支持体であり、その上
には試薬層12、基質層14が積層されている。
【0015】基質層14は、水浸透性層で構成され、酵
素標識リガンドの酵素の基質である非拡散性基質を含有
する。この基質は、測定対象であるリガンドの量に応じ
て拡散性物質を生成する。
【0016】試薬層12は、水浸透性層で構成され、基
質層から拡散・移行して来た拡散性物質をさらに低分子
量の生成物にする低分子化酵素を含有する。基質層12
はまたこの低分子生成物を検出するための試薬組成物を
含有する。
【0017】測定対象 本発明の測定対象は検体に含まれる抗原決定基を有する
リガンドである。検体の種類は限定されないが、例えば
血液(全血、血漿、血清)リンパ液、尿などがある。血
球などの浮遊物がある場合には予め除去しておくのが好
ましい。ただし適当な濾過層を分析要素の最上層に設け
た場合にはそのまま分析要素に点着・供給してもよい。
【0018】リガンドは抗原性があってその抗体を用意
できるものであれば、低分子量物質から高分子量物質ま
での抗原について本発明の分析要素で分析できる。なお
抗原性(antigenecity)があるとは、対応する抗体と反応
し得るという意味であり抗原決定基(ideoptope)を有す
るものであればよい。それ自体では免疫原性(immunogen
ecity)がないものでも、ハプテンとして免疫すれば抗体
が得られるものであれば、本発明における測定対象のリ
ガンドとなりうる。
【0019】低分子量の抗原としては、例えば、ジゴキ
シン、テオフィリン、フェノバルビタール、フェニトイ
ン、ペニシリン、アミカシン等の薬物の誘導体(例えば
薬物と蛋白等の生体物質との結合物)、プロスタグラン
ジン、テストステロン、プロゲステロン、チロキシン等
のホルモン等を挙げることができる。
【0020】高分子量の抗原としては、例えば、各種内
分泌腺に由来するホルモン類、免疫グロブリン、アルブ
ミン、フェリチン、HCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピ
ン)、C−反応性蛋白(以下CRPと略す)等の血漿蛋
白質、HB抗原等のウイルス、バクテリア類、α−フェ
トプロティン、癌胎児性抗原(CEA)等の各種臓器あ
るいは血中、尿中に存在する抗原がある。
【0021】なお、測定対象であるリガンドが、これを
酵素標識した場合に酵素活性への干渉(抑制)作用を示
す程度の高分子量の抗原である場合には、後述するよう
に、リガンドと抗原決定基を共通にする他の低分子量物
質を酵素標識して、これを酵素標識リガンドとすればよ
い。
【0022】酵素標識リガンド 酵素標識リガンドは、被検物であるリガンド(或いはこ
のリガンドと抗原決定基を共通にするリガンド様物質)
と酵素との結合物である。リガンドが薬物のような低分
子量物質である場合には、酵素と直接結合させてもよ
い。リガンドがタンパク質などのように、このまま酵素
と結合させた場合に酵素活性に干渉する程度に大きな大
分子量物質である場合には、タンパク質をフラグメント
化して、これを酵素標識してもよい。このフラグメント
化して低分子量としたタンパク質が、フラグメント化し
ていないタンパク質(すなわちリガンド)と抗原決定基
を共通にしていればよい。
【0023】リガンドと酵素との結合方法は双方の官能
基を考慮して決定することができる。官能基は、アミノ
基、カルボキシル基、水酸基、チオール基、イミダゾー
ル基、フェニル基などを利用することができる。例えば
アミノ基相互間を結合する方法は、イソシアネート法、
グルタルアルデヒド法、ジフルオロベンゼン法、ベンゾ
キノン法等数多く知られている。アミノ基とカルボキシ
ル基とを結合する方法としては、カルボキシル基をサク
シニルイミドエステル化する方法の他カルボジイミド
法、ウッドワード試薬法等が知られており、アミノ基と
糖鎖を架橋する過ヨウ素酸酸化法(Nakane法)も適用で
きる。チオール基を利用する場合には、例えば一方の側
のカルボキシル基をサクシニルイミドエステル化してこ
れにシスティンを反応させてチオール基を導入し、チオ
ール基反応性二価架橋剤を用いて双方を結合することが
できる。フェニル基を利用する方法としてはジアゾ化
法、アルキル化法などがある。
【0024】結合方法はこれらの例に限られるものでは
なく、この他にも、例えば「Methodin Immunology and
Immunochemistry」 Vol.1,(C.A.Williams, M.W.Chase, A
cademic Press, 1967年) あるいは石川、河井、宮井編
「酵素免疫測定法」(医学書院、1978年発行)等の成書
に記載されている方法の中から適宜選択して利用するこ
とができる。リガンドと酵素との結合比は1:1に限ら
ず、目的に応じて任意の比率とすることができるのはい
うまでもない。結合反応後は、ゲル濾過法、イオン交換
クロマトグラフィー等により精製し、必要により凍結乾
燥法等により乾燥する。
【0025】酵素には,リガンドの代わりに、リガンド
に対する抗体と交差反応性を有するリガンド誘導体を結
合させてもよい。ここでいうリガンド誘導体とは、単に
化学構造上の類縁体のみならず、免疫反応性において、
リガンドと類似の挙動を示すものを指す。例えば、リガ
ンドであるテオフィリンに対する抗体がカフェインにも
交差反応する場合には、カフェインの誘導体も高分子化
抗原の材料として用いることができる。
【0026】なおリガンドまたはリガンド誘導体に酵素
と結合させるための適当な官能基がない場合には、これ
らにアミノ基、カルボキシル基或いはチオール基等が導
入してもよい。その際にはスペーサーを介して導入し、
酵素と結合し易くしてもよい。例えばリガンドがテオフ
ィリンである場合には、カルボキシル基を導入した8−
プロピルカルボキシルテオフィリンを酵素に結合するこ
とができる。
【0027】抗体 抗体は、被検物であるリガンドに対する特異抗体を用い
る。酵素標識リガンドにリガンド誘導体を用いる場合に
は、リガンドとリガンド誘導体に共通する抗原決定基に
反応するものを用いる。常法により得られるポリクロー
ナル抗体でよいが、モノクローナル抗体を用いれば、よ
り感度が向上する。またこの抗体はF(ab')2、Fab' 、
Fabなどのフラグメントでもよいが、本発明では、この
ようなフラグメントを使用する必要性は特にない。むし
ろ酵素標識リガンドに対する立体障害を大きくするに
は、このようなフラグメント化したものでない方が有利
である。この観点からは、抗体分子を多量体化してさら
に高分子化したものを用いてもよい。
【0028】酵素−非拡散性基質−低分子化酵素 リガンド(又はリガンド様物質)に標識として結合され
た酵素は、高分子からなる非拡散性基質を分解して、低
分子化酵素によりさらに低分子の生成物を生じるような
拡散性生成物を生成する。非拡散性基質は、水性検体液
に対して非拡散性でそれ自体は基質層14から試薬層1
2に拡散・移行しない。低分子化酵素は、リガンドに標
識として結合された酵素により非拡散性基質より生成し
た拡散性生成物を、さらに検出可能な低分子生成物にす
るものであり、本発明の分析要素の試薬層12に含有さ
れる。
【0029】これらの組合わせは、酵素が非拡散性基質
に作用して拡散性物質を生成し、さらにこの拡散性生成
物が、後記低分子化酵素によりさらに低分子の生成物を
生じて容易に検出できるような組合わせから選ぶことが
できる。
【0030】酵素 このような酵素としては重合体からなる非拡散性基質か
ら拡散性オリゴマーを生成するような分解酵素があり、
例えば、糖質加水分解酵素を挙げることができる。この
ような糖質加水分解酵素として、α−アミラーゼ、β−
アミラーゼ、デキストラナーゼ等がある。その他の加水
分解酵素としては、セルラーゼ、コラゲナーゼ、マンナ
ーゼ、リパーゼ、リボヌクレアーゼ等がある。
【0031】これらの酵素はいずれの検体中に存在する
妨害因子で影響されないものが好ましく、また検体中に
は競合する同種の酵素がないことが好ましい。ただし、
標識酵素を同種の酵素が検体中に含まれている場合に
は、この酵素阻害剤を用いてもよい。この酵素阻害剤
は、検体中の酵素を阻害する程度が標識酵素の活性を阻
害する程度より大きいものであればよい。酵素阻害剤は
検体中の酵素を完全に失活させるが、標識酵素を全く阻
害しないものが最も好ましい。しかし実用上は単に測定
時においてブランク値を上昇させなければよく、測定後
には酵素阻害剤が失活するなどして検体中の酵素活性が
回復しても構わない。なお酵素阻害剤は、酵素標識リガ
ンドの酵素を阻害しないものであればよく、遊離状態の
酵素を阻害することは構わない。この酵素阻害剤は、公
知の酵素阻害剤から上記のような特異性を持つものを選
んで用いればよい。或いは検体中の問題となる酵素に対
する抗体を作って、これを酵素阻害剤として用いてもよ
い。
【0032】非拡散性基質 前述のα−アミラーゼ、β−アミラーゼ、デキストラナ
ーゼ等に対する基質の例として、カルボキシメチル化澱
粉、澱粉、アミロース、アミロペクチン等がある。
【0033】酵素標識抗体の酵素としてα−アミラー
ゼ、低分子化酵素として後述するグルコアミラーゼ又は
α−グルコシダーゼを用いる場合には、非還元末端グル
コースをカルボキシルメチル基で修飾したオリゴサッカ
ライド誘導体(特開昭59-31699)やアミロース誘導体
(特開昭59-39300; Clinica Chemica Acta, 138,p21-29
(1984) )を用いてもよい。これらの修飾基質はα−ア
ミラーゼの基質とはなるが、グルコアミラーゼ又はα−
グルコシダーゼの基質とはならない。従って、標識酵素
としてα−アミラーゼ、低分子化酵素としてグルコアミ
ラーゼ又はα−グルコシダーゼを用いた組み合わせが可
能である。
【0034】低分子化酵素 この低分子化酵素は標識酵素と同じ種類の酵素であって
もよい。この場合には標識酵素は分子内部から切断して
オリゴマーを生成するエンド(endo)活性の酵素であり、
低分子化酵素は分子の端から作用して単量体を生成する
エクソ(exo) 活性を持つものとするのが好ましい。例え
ば、非拡散性基質が重合体(例えば澱粉)である場合
に、標識酵素により生成される拡散性オリゴマー(例え
ばマルトース)を単量体(例えばグルコース)にまで分
解できるものが用いられる。このような低分子化酵素の
例として糖加水分解酵素、より具体的には、α−アミラ
−ゼ、β−アミラーゼ、デキストラナーゼ、グルコアミ
ラーゼ、α−グルコシダ−ゼ等があげられる。
【0035】非拡散性基質と標識酵素として、カルボキ
シルメチルセルロースとセルラーゼを用いた場合には、
低分子化酵素としてC1エンザイムを用いることができ
る。また同様にガラクタンとガラクタナーゼを用いた場
合にはβ−ガラクトシダーゼ、RNAとリボヌクレアー
ゼを用いた場合にはエクソリボヌクレアーゼをそれぞれ
低分子化酵素として用いることができる。
【0036】これらの標識酵素、非拡散性基質、低分子
化酵素の組合せは、公知文献(例えば、「酵素ハンドブ
ック」(丸尾文治、田宮信雄監修、朝倉書店1982年発
行)、「生化学ハンドブック」(井村伸正、他編、丸善19
84年発行)に記載された酵素、基質から選ぶことができ
る。
【0037】試薬層において低分子化酵素により生成さ
れた低分子生成物は、公知の検出系試薬により光学的に
検出することができる。前記低分子化酵素により最終的
に生成したグルコースを検出する方法としては、例え
ば、グルコースをグルコースオキシダーゼ存在下に酸化
し生成した過酸化水素を検出する方法(例えばAnn.Cli
n.Biochem., 6, 24(1964) 、J.Clin.Pathol., 22, 246
(1969)に記載のTrinder 試薬、特開昭49-50991号(対応
米国特許3,886,045)、 米国特許3,992,158、 特開昭55-16
4356号(対応米国特許4,292,272)等に記載のTrinder試
薬、特開昭53-26188号(対応米国特許4,089,747)、特開
昭58-45557号等に記載のトリアリール置換イミダゾール
ロイコ色素を含む試薬、特開昭59-193352号(対応欧州特
許公開 EP 0122641A)、特開昭60-224677号(対応米国特
許4,665,023)等に記載のジアリール−モノアラルキル
置換イミダゾールロイコ色素を含む試薬を用いる方
法)、グルコースデヒドロゲナーゼとNADの存在下に
生成するNADHを検出する方法、またヘキソキナーゼ
存在下に生成するグルコース−6−リン酸を検出する方
法等、公知の方法を用いることができる。これらの検出
方法の中で、グルコースオキシダーゼ存在下にグルコー
スを酸化し生成した過酸化水素をペルオキシダーゼとロ
イコ色素を用いて検出する方法が、感度の点で最も望ま
しい。
【0038】これらの検出試薬は分析要素の試薬層12
に低分子化酵素と一緒に含有させてもよいが、試薬層1
2の下層に設けた別の層(例えば第2試薬層又は検出層
等)に含有させてこの層で検出するようにしてもよい。
なお、ロイコ色素を使用する場合には、水非混和性溶媒
の溶液として、これを親水性バインダー中へ分散させる
のが生成した色素の安定性の上で好ましい。
【0039】分析要素の層構成 本発明の乾式免疫分析要素は、公知の多種の乾式分析要
素と同様の層構成とすることができる。要素は、基質
層、試薬層の他、支持体、展開層、検出層、光遮蔽層、
接着層、吸水層、下塗り層その他の層を含む多重層とし
てもよい。このような分析要素として、例えば特開昭49
-53888号(対応米国特許 3,992,158)、特開昭51-40191
号(対応米国特許 4,042,335)、 及び特開昭55-164356
号(対応米国特許 4,292,272)、 特開昭61-4959(対応E
PC公開特許0166365A)の各明細書に開示されたものが
ある。
【0040】光透過性水不透過性支持体を用いる場合に
は、本発明の乾式免疫分析要素は、実用的に次のような
構成を取り得る。ただし本発明の内容はこれに限定はさ
れない。 (1) 支持体上に試薬層、その上に基質層を有するもの。 (2) 支持体上に試薬層、接着層、基質層をこの順に有す
るもの。 (3) 支持体上に検出層、試薬層、基質層をこの順に有す
るもの。 (4) 支持体上に試薬層、光反射層、基質層をこの順に有
するもの。 (5) 支持体上に検出層、試薬層、光反射層、基質層をこ
の順に有するもの。 (6) 支持体上に検出層、光反射層、試薬層、基質層をこ
の順に有するもの。 (7) 支持体上に第2試薬層、光反射層、第1試薬層、基
質層をこの順に有するもの。 (8) 支持体上に検出層、第2試薬層、光反射層、第1試
薬層、基質層をこの順に有するもの。
【0041】上記(1) ないし(6) において試薬層は異な
る複数の層から成ってもよい。また基質層は後述するよ
うに免疫反応し得る成分を含む免疫反応層としてもよ
い。支持体と試薬層又は検出層との間には吸水層を設け
てもよい。また各層の間には濾過層を設けてもよい。ま
た基質層の上には展開層を設けてもよく、又は基質層に
展開作用を持たせ展開層として機能させてもよい。
【0042】基質層 基質層14は、水浸透性層で構成され、抗体を標識する
酵素の基質である非拡散性基質を含有する。基質層の水
浸透性を確保するためには、多孔性媒体からなる多孔性
層とするか、親水性ポリマーバインダーからなる層とす
るのが好ましい。
【0043】多孔性層は繊維質であってもよいし、非繊
維質であってもよい。繊維質材料としては、例えば濾
紙、不織布、織物布地(例えば平織布地)、編物布地
(例えばトリコット編物布地)、ガラス繊維濾紙等を用
いることができる。非繊維質材料としては、特開昭49-5
3888等に記載の酢酸セルロース等からなるメンブランフ
ィルター、特開昭49-53888、特開昭55-90859(対応米国
特許 4,258,001)、特開昭58-70163(対応米国特許 4,4
86,537)等に記載の無機物又は有機物微粒子からなる連
続空隙含有粒状構造物層等のいずれでもよい。特開昭61
-4959(対応欧州公開EP 0166365A)、特開昭62-116258
、特開昭62-138756(対応欧州公開 EP 0226465A)、特
開昭62-138757(対応欧州公開 EP 0226465A)、特開昭62
-138758(対応欧州公開 EP 0226465A)等に記載の部分接
着された複数の多孔性層の積層物も好適である。
【0044】多孔性層は供給される液体の量にほぼ比例
した面積に液体を展開する、いわゆる計量作用を有する
展開層であってもよい。展開層としては、これらのうち
織物布地、編物布地などが好ましい。織物布地などは特
開昭57-66359号に記載されたようなグロー放電処理をし
てもよい。展開層には、展開面積、展開速度等を調節す
るため、特開昭60-222770(対応: EP 0162301A)、特開
昭63-219397(対応西独特許公開 DE 37 17 913A)、特
開昭63-112999(対応: DE 37 17 913A)、特開昭62-182
652(対応: DE 37 17 913A)に記載したような親水性高
分子あるいは界面活性剤を含有させてもよい。
【0045】例えば紙、布、高分子からなる多孔質膜等
に基質を予め含浸又は塗布した後、支持体上に設けた他
の水浸透性層、例えば試薬層の上に、特開昭55-164356
号のような方法で接着させるのも有用な方法である。ま
た別の方法として多孔質層を他の水浸透性層(例えば試
薬層)に前記のような方法で接着させた後、基質を含む
組成物を多孔質層に塗布してもよい。多孔質層への含浸
又は塗布には公知の方法を利用できる。塗布には例えば
ディップ塗布、ドクター塗布、ホッパー塗布、カーテン
塗布等を適宜選択して用いる。
【0046】こうして作られる基質層の厚さは特に制限
されないが、塗布層として設ける場合には、1μm〜50
μm程度、好ましくは2μm〜30μmの範囲が適当である。
ラミネートによる積層など、塗布以外の方法による場
合、厚さは数十μmから数百μmの範囲で大きく変化し得
る。
【0047】親水性ポリマーバインダーからなる水浸透
性層で基質層を構成する場合、使用できる親水性ポリマ
ーとしては、例えば、以下のものがある。ゼラチン及び
これらの誘導体(例えばフタル化ゼラチン)、セルロー
ス誘導体(例えばヒドロキシエチルセルロース)、アガ
ロース、アルギン酸ナトリウム、アクリルアミド共重合
体、メタアクリルアミド共重合体、アクリルアミド又は
メタアクリルアミドと各種ビニル性モニマーとの共重合
体、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリビニル
アルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナ
トリウム、アクリル酸と各種ビニル性モノマーとの共重
合体などである。
【0048】親水性ポリマーバインダーで構成される基
質層は、特公昭53-21677号(対応米国特許 3,992,158)、
特開昭55-164356号(対応米国特許 4,292,272)、特開昭
54-101398号(対応米国特許 4,132,528)、特開昭61-2920
63号(Chemical Abstracts,106; 210567y) 等の明細書
に記載の方法に従って、基質その他の試薬組成物と親水
性ポリマーを含む水溶液又は水分散液を支持体又は検出
層等の他の層の上に塗布し乾燥することにより設けるこ
とができる。親水性ポリマーをバインダーとする基質層
の乾燥時厚さは約2μm〜約50μm 、好ましくは約4μm〜
約30μmの範囲、被覆量では約2g/m2〜約50g/m2、好まし
くは約4g/m2〜約30g/m2の範囲である。
【0049】基質層には非拡散性基質の他に、塗布特
性、拡散性化合物の拡散性、反応性、保存性等の諸性能
の向上を目的として、酵素の活性化剤、補酵素、界面活
性剤、pH緩衝剤組成物、微粉末、酸化防止剤、その
他、有機物あるいは無機物からなる各種添加剤を加える
ことができる。基質層に含有させることができる緩衝剤
の例としては、日本化学会編「化学便覧 基礎編」(東
京、丸善(株)、1966年発行)1312-1320頁、R.M.C.Daw
son et al編、「Data for Biochemical Research」第2
版(Oxford at the Clarendon Press,1969 年発行) 476-
508頁、「Biochemistry」 5, 467-477頁(1966年) 、「Anal
ytical Biochemistry」 104, 300-310頁(1980年)に記載
のpH緩衝剤系がある。pH緩衝剤の具体例としてトリ
ス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(Tris)を含む緩
衝剤;燐酸塩を含む緩衝剤;硼酸塩を含む緩衝剤;クエ
ン酸又はクエン酸塩を含む緩衝剤;グリシンを含む緩衝
剤;ビシン(Bicine)を含む緩衝剤;HEPES を含む緩衝
剤;MES を含む緩衝剤などのグッド緩衝剤等がある。
【0050】試薬層 試薬層12は、基質層14から拡散・移行してきた拡散
性物質を検出する試薬組成物を含有する。必要に応じて
試薬組成物の中には低分子化酵素が含有され、拡散性物
質を低分子化して生じた低分子生成物を検出するための
検出試薬組成物を含有する。
【0051】試薬層は、水浸透性層で構成され、前記基
質層の説明で述べた水浸透性層のうち、親水性ポリマー
バインダーからなる連続層とするのが好ましい。用いる
親水性ポリマーバインダーは基質層で生成される拡散性
生成物や、試薬層内に含有する発色試薬などを考慮して
決められる。
【0052】支持体 支持体10としては光不透過性(不透明)、光半透過性
(半透明)、光透過性(透明)のいずれのものも用いる
ことができるが、一般的には光透過性で水不透過性の支
持体が好ましい。光透過性水不透過性支持体の材料とし
て好ましいのものはポリエチレンテレフタレート、ポリ
スチレンである。親水性層を強固に接着させるため通
常、下塗り層を設けるか、親水化処理を施す。
【0053】免疫反応層 図1の基質層14には、拡散性基質のみならず、抗体及
び酵素標識リガンドを併せて含有させ、この基質層内で
免疫反応を併せて行なわせる免疫反応層としてもよい。
この場合には、要素に検体を点着するだけで、要素内で
均一系の酵素免疫反応を進行させることができる。或い
は基質層にこれらいずれかを含有させて残りの方は基質
層の上層に積層された水浸透性層に含有させてもよい。
【0054】基質層とは別の複数の層に抗体と酵素標識
リガンドを別々に含有させてもよい。例えば図2に示す
ように、基質層14の上に抗体を含有する水浸透性層1
6を設け、さらにその上に酵素標識リガンドを含有する
水浸透性層18を設けて免疫分析要素を構成してもよ
い。この場合には、検体中のリガンド(抗原)は、層1
8の酵素標識リガンドと共に、層16に拡散・浸透す
る。層16では、リガンドと酵素標識リガンドとはそれ
ぞれ抗体と結合し、さらに基質層14に移行する。
【0055】これとは逆に、水浸透性層16に酵素標識
リガンドを含有させ、その上の水浸透性層18には抗体
を含有させて、免疫分析要素を構成してもよい。この場
合には、検体中のリガンド(抗原)は、層18の抗体と
結合し、層16に移行する。層16では、リガンド(抗
原)に結合していなかった抗体が酵素標識リガンドと結
合し、さらに基質層14に移行する。
【0056】また、基質層とは別の1つの層に抗体と酵
素標識リガンドを実質的な乾燥状態又は実質的に水の不
存在状態で一緒に含有させてもよい。例えば、図3に示
すように、基質層14の上に抗体と酵素標識リガンドを
実質的な乾燥状態又は実質的に水の不存在状態で含有す
る水浸透性層20を設けて免疫分析要素を構成してもよ
い。この場合には、水が溶媒である被検液が層20に点
着供給された時に、層20の中で被検液に由来する水の
中で、検体中のリガンド(抗原)と酵素標識リガンドと
は、それぞれ抗体と結合し、基質層14に移行する。1
つの層に抗体と酵素標識リガンドを実質的な乾燥状態又
は実質的に水の不存在状態で一緒に含有させるには、抗
体と酵素標識リガンドの一方又は両者をアルコール
(例、エタノール)等の非水溶媒に溶解又は分散させて
水浸透性層に含浸させればよい。
【0057】免疫分析要素の製造方法 本発明の乾式免疫分析要素は前述の諸特許明細書に記載
の公知の方法により調製することができる。本発明の分
析要素は一辺約15mmから約30mmの正方形またはほぼ同サ
イズの円形等の小片に裁断し、特公昭57-28331(対応米
国特許 4,169,751)、実開昭56-142454(対応米国特許
4,387,990)、特開昭57-63452、実開昭58-32350、特表昭
58-501144(対応国際公開: WO 83/00391)等に記載のス
ライド枠に収めて化学分析スライドとして用いること
が、製造,包装,輸送,保存,測定操作等の観点で好ま
しい。使用目的によっては、長いテープ状でカセットま
たはマガジンに収めて用いたり、または小片を開口のあ
るカードに貼付または収めて用いることなどもできる。
【0058】免疫分析要素による分析方法 本発明の分析要素は前述の諸特許明細書等に記載の操作
と同様の操作により液体試料中の被検物であるリガンド
の定量分析ができる。例えば約5μL〜約30μL、好まし
くは8〜15μLの範囲の血漿、血清、尿などの水性液体
試料液を基質層14に点着する。点着した分析要素を約
20℃〜約45℃の範囲の一定温度で、好ましくは約30℃〜
約40℃の範囲内の一定温度で1〜10分間インキュベーシ
ョンする。要素内の発色又は変色を光透過性支持体側か
ら反射測光し、予め作成した検量線を用いて比色測定法
の原理により検体中のリガンドの量を求めることができ
る。点着する液体試料の量、インキュベーション時間及
び温度を一定にすることにより定量分析を高精度に実施
できる。
【0059】測定操作は特開昭60-125543、同60-220862、
同61-294367、同58-161867(対応米国特許 4,424,191)な
どに記載の化学分析装置により極めて容易な操作で高精
度の定量分析を実施できる。なお、目的や必要精度によ
っては、目視により発色の度合いを判定して、半定量的
な測定を行なってもよい。
【0060】分析要素内に、抗体や酵素標識リガンドを
含有させていない場合には、要素に点着する前に、水性
試料液を抗体及び酵素標識リガンドを含む溶液と混和し
て、結合反応を十分行なわせてから、基質層に点着すれ
ばよい。
【0061】
【合成例1】(1) 酵素標識リガンドの合成 (1-1)テオフィリン−チオール体の作製 8−プロピルカルボキシテオフィリン 80mgを1.6mLのD
MFに溶かし、これにN−ヒドロキシサクシンイミド 3
4.6mg、水溶性カルボジイミド 57.6mgを加え、4℃で20
時間攪拌し活性化テオフィリンを調製した。その後、遠
心分離して上清を集めた。メルカプトエチルアミン塩酸
塩 50mg/mLのDMF溶液 123μLに、トリブチルアミン
50mg/mLのDMF溶液 201μLを加えて、その後前記調製
した活性化テオフィリン溶液(上清)500μLを加えて室
温で2.5時間撹拌し、テオフィリン−チオール体を作製
した。
【0062】(1-2)GMB化アミラーゼの作製 バチルス・ズブチリスアミラーゼ 10mg/mLの 0.1Mグリ
セロ燐酸溶液(pH7.0) 500μLに、オルト−フェナルスロ
リン 40mg/mLのDMF溶液50μLを加えて、さらに100mg
/mLの可溶性デンプンの0.1 Mグリセロ燐酸溶液(pH7.0)
500μLを加えた。これに、GMBS(N-(γ-maleimidob
utyryloxy)succinimide)25mg/mLのDMF溶液 50μLを
加えて室温で2時間撹拌した。この反応液を、予め0.1M
グリセロ燐酸溶液(pH7.0)で平衡化したセファデックス
G−25カラムにアプライして、素通り分画を分取、 N−
(γ−マレイミドブチロキシ)アミド化アミラーゼ(G
MB化アミラーゼ)を得た
【0063】(1-3)α−アミラーゼ−テオフィリン誘導
体の作製 (1-2)で得られたGMB化アミラーゼ600μLに、(1-1)で
得られたテオフィリン−チオール体70μLを加え、4℃
にて20時間インキュベートした。この反応液を予め0.
1M グリセロ燐酸溶液(pH7.0)で平衡化したセファデック
スG−25カラムにアプライして、素通り分画を分取、α
−アミラーゼ−テオフィリン誘導体を得た
【0064】
【実施例1】ゼラチン下塗層が設けられている厚さ180
μmの無色透明ポリエチレンテレフタレート(PET)シ
ート(支持体)上に下記の被覆量になるように架橋剤含
有試薬溶液を塗布し、乾燥して試薬層を設けた。 アルカリ処理ゼラチン 14.5 g/m2 ノニルフェノキシポリエトキシエタノール (オキシエチレン単位平均 9〜10含有) 0.2 g/m2 グルコースオキシダーゼ 5000 u/m2 ペルオキシダーゼ 15000 u/m2 グルコアミラーゼ 5000 u/m2 2-(4- ヒドロキシ-3,5- ジメトキシフェニル-4-[4-(ジメチルアミノ) フェニル]-5-フェネチルイミダゾール(ロイコ色素)酢酸塩 0.38 g/m2 ビス[(ビニルスルホニルメチルカルボニル)アミノ]メタン 0.1 g/m2
【0065】この試薬層の上に下記の被覆量になるよう
に接着層を塗布、乾燥して設けた。 アルカリ処理ゼラチン 14.5 g/m2 ビス[(ビニルスルホニルメチルカルボニル)アミノ]メタン 0.1 g/m2
【0066】ついで接着層の表面に下記の被覆量になる
ように下記試薬含有水溶液を塗布し、ゼラチン層を膨潤
させ、その上に50デニール相当のPET 紡績糸36ゲージ編
みした厚さ約250 μmのトリコット編物布地をほぼ一様
に軽く圧力をかけてラミネートして多孔性展開層を設け
た。 ノニルフェノキシポリエトキシエタノール (オキシエチレン単位平均 9〜10含有) 0.15 g/m2 ビス[(ビニルスルホニルメチルカルボニル)アミノ]メタン 0.4 g/m2
【0067】次に、下記の被覆量になるように基質を塗
布、乾燥して基質層を設けてテオフィリン分析用多層分
析要素を調製した。 カルボキシメチル化澱粉 5 g/m2 ノニルフェノキシポリエトキシエタノール (オキシエチレン単位平均 9〜10含有) 0.2 g/m2
【0068】次いでこの分析要素を15mm四方のチップに
裁断し、特開昭57-63452に記載のスライドの枠に収め
て、本実施例のテオフィリン分析用多層乾式スライド1
とした。
【0069】
【性能評価試験】合成例(1)のα−アミラーゼ−テオフ
ィリン結合物とヒツジ抗テオフィリン抗体(IgG分画)
をそれぞれ0.003mg/mL、0.002mg/mLとなるよう既知量の
テオフィリンを含有する50mM MES緩衝液(pH6.5)に加
え、37℃で20分間インキュベートした。この後、当溶液
10μLを前記スライド1に点着し、37℃に保って、支持
体側から650nmの反射光学濃度を測定し、点着から4分
後および6分後の反射光学濃度の差(ΔOD6-4)を図
4に示す。
【0070】
【実施例2】実施例1と同様にして多層分析要素を作成
し、その基質層兼展開層であるトリコット編物布地層
に、さらに合成例(1) で合成したアミラーゼ−テオフィ
リン結合物を3mg/m2の被覆量となるようにしてエタノ
ール溶液を塗布し含浸させ乾燥させてテオフィリン分析
用多層免疫スライド2を作成した。
【0071】性能評価試験 ヒツジ抗テオフィリン抗体(0.1mg/mL)を含み、既知量
のテオフィリンを含有するpH7の50mMグリセロ燐酸緩衝
溶液10μLを、スライド2に点着した。37℃に保って、
中心波長650nmの可視光でPET支持体側からスライド
2の反射光学濃度を測定した。点着から4分後および6
分後の反射光学濃度の差(ΔOD6-4)を図5に示す。
図5の検量線より、本発明のテオフィリン分析用乾式免
疫分析要素はテオフィリンの定量が精度良く行えること
が明らかである。
【0072】
【実施例3】実施例1と同様にして多層分析要素を作成
し、その基質層兼展開層であるトリコット編物布地層
に、さらにヒツジ抗テオフィリン抗体を3mg/m2の被覆量
となるようにして水溶液を塗布し含浸させ、次いで合成
例(1) で合成したα−アミラーゼ−テオフィリン結合物
を3mg/m2の被覆量となるようにしてエタノール溶液を
塗布し含浸させ乾燥させて乾燥させてテオフィリン分析
用多層免疫スライド3を作成した。
【0073】このスライド3に既知量のテオフィリンを
含有するpH7 の50mMグリセロ燐酸緩衝溶液10μLを点着
し、37℃に保って、支持体側から650nmの反射光学濃度
を測定し、点着から4分後および6分後の反射光学濃度
の差(ΔOD6-4)を求めて、検量線を作成した。実施
例2と同様にテオフィリンの定量が精度良く行えること
判明した。
【0074】最後に本発明に好ましい態様をまとめる
と、以下の通りである。 (1) リガンドと、酵素標識リガンドと、リガンドに対す
る抗体との間の反応により生じた酵素活性の変化を測定
することによりリガンド量を分析する免疫分析要素にお
いて、前記酵素により拡散性物質を生成する非拡散性基
質を含有する基質層と、前記拡散性物質をさらに低分子
生成物にする低分子化酵素を含有する試薬層とを備える
ことを特徴とする免疫分析要素。 (2) 前記抗体が、前記基質層または前記基質層の上に積
層された層に含有されていることを特徴とする(1)記載
の免疫分析要素。 (3) 前記酵素標識リガンドが、前記基質層または前記基
質層の上に積層された層に設けられた層に含有されてい
ることを特徴とする(1)記載の免疫分析要素。 (4) 前記抗体と、前記酵素標識リガンドとが、前記基質
層に含有されていることを特徴とする請求項(1)記載の
免疫分析要素。 (5) 前記酵素標識リガンドの酵素がエンド活性型の糖質
分解酵素であり、前記低分子化酵素がエキソ活性型の糖
質分解酵素であることを特徴とする(1)記載の免疫分析
要素。 (6) 前記低分子生成物がグルコースである(5)記載の免
疫分析要素。 (7) 前記低分子生成物と反応して可視吸収を有する色素
を生成する試薬組成物を、前記試薬層又は他の水浸透性
層に含有していることを特徴とする(1)記載の免疫分析
要素。 (8) 前記試薬組成物が、前記低分子生成物と反応して過
酸化物を生成する(7)記載の免疫分析要素。 (9) 前記試薬組成物が、酸化により発色するロイコ色素
を含む(8)記載の免疫分析要素。 (10) 前記試薬組成物が、ロイコ色素の水不溶性溶媒か
らなる溶液の水性液中への分散物を含む(9)記載の免疫
分析要素。 (11) 前記試薬組成物が、グルコースオキシダーゼ、ペ
ルオキシダーゼ、及びロイコ色素を含む(10)記載の免疫
分析要素。 (12) リガンドと、酵素標識リガンドと、リガンドに対
する抗体との間の反応により生じた酵素活性の変化を測
定することにより、検体中のリガンド量を分析する免疫
分析方法において、(a) 前記検体を、前記酵素により拡
散性物質を生成する非拡散性基質を含有する基質層に供
給し、次いで、(b) 前記基質層で生成された拡散性物質
を、さらに低分子生成物にする低分子化酵素を含有する
試薬層に移行させ、(c) 試薬層で生成された低分子生成
物の量を測定する、ことを特徴とする免疫分析方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の免疫分析要素の一実施態様例の構成図
である。
【図2】本発明の免疫分析要素の他の実施態様例の構成
図である。
【図3】本発明の免疫分析要素のさらに他の実施態様例
の構成図である。
【図4】実施例1の免疫分析要素の検量線を示す図であ
る。
【図5】実施例2の免疫分析要素の検量線を示す図であ
る。
【符号の説明】
10 透光性支持体 12 試薬層 14 基質層 16 酵素標識リガンドを含有する水浸透性層 18 抗体を含有する水浸透性層 20 抗体と酵素標識リガンドとを含有する水浸透性層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リガンドと、酵素標識リガンドと、リガ
    ンドに対する抗体リガンドに対する抗体と、酵素標識リ
    ガンドとは、基質層或いは基質層の上に積層された別の
    層に予め含有させておくこともできる。との間の反応に
    より生じた酵素活性の変化を測定することによりリガン
    ド量を分析する免疫分析要素において、前記酵素により
    拡散性物質を生成する非拡散性基質を含有する基質層
    と、前記拡散性物質をさらに低分子生成物にする低分子
    化酵素を含有する試薬層とを備えることを特徴とする免
    疫分析要素。
  2. 【請求項2】 前記抗体が、前記基質層または前記基質
    層の上に積層された層に含有されていることを特徴とす
    る請求項1記載の免疫分析要素。
  3. 【請求項3】 前記酵素標識リガンドが、前記基質層ま
    たは前記基質層の上に積層された層に設けられた層に含
    有されていることを特徴とする請求項1又は2記載の免
    疫分析要素。
  4. 【請求項4】 前記酵素標識リガンドと、前記抗体と
    が、前記基質層に含有されていることを特徴とする請求
    項1記載の免疫分析要素。
  5. 【請求項5】 前記酵素標識リガンドの酵素がエンド活
    性型の糖質分解酵素であり、前記低分子化酵素がエキソ
    活性型の糖質分解酵素であることを特徴とする請求項1
    記載の免疫分析要素。
  6. 【請求項6】 リガンドと、酵素標識リガンドと、リガ
    ンドに対する抗体との間の反応により生じた酵素活性の
    変化を測定することにより、検体中のリガンド量を分析
    する免疫分析方法において、 (a) 前記検体を、前記酵素により拡散性物質を生成する
    非拡散性基質を含有する基質層に供給し、次いで、 (b) 前記基質層で生成された拡散性物質を、さらに低分
    子生成物にする低分子化酵素を含有する試薬層に移行さ
    せ、 (c) 試薬層で生成された低分子生成物の量を測定する、
    ことを特徴とする免疫分析方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004132887A (ja) * 2002-10-11 2004-04-30 Sousei Denshi:Kk 呈色試験紙
JP2009236597A (ja) * 2008-03-26 2009-10-15 Fujifilm Corp 溶血の影響を低減した体液成分測定用乾式分析素子

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