JP5286289B2 - 含フッ素多官能ケイ素化合物および含フッ素多官能ケイ素化合物の製造方法 - Google Patents

含フッ素多官能ケイ素化合物および含フッ素多官能ケイ素化合物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、耐候性、耐熱性、薬品耐性、低屈折率性、撥水・撥油性、滑水性、潤滑性、離型性等の特性を有する材料の原料となり得る、新規な含フッ素多官能ケイ素化合物およびその製造方法に関する。
フッ素原子を有する重縮合性ケイ素化合物は、耐候性、耐熱性、薬品耐性、低屈折率性、撥水・撥油性、滑水性、潤滑性、離型性等の特性を有する材料の原料として有用であり、例えばCF(CFCHCHSiX(nは3〜10程度の整数、Xはクロロ原子、アルコキシ基、イソシアネート基等)で表される化合物が知られている。これらの原料から得られるポリマー材料、膜材料、コーティング剤等は、高い撥水性を示すものの、1分子中に縮合性ケイ素基が1個しかないため、強度や擦傷性の観点で必ずしも満足できるものではなかった。また、滑水性にも問題があった。
耐擦傷性向上の観点で、1分子中に2つのトリアルコキシシリル基を有する含フッ素化合物(RO)SiCHCH(CFCHCHSi(OR)を利用した例が知られている(特許文献1参照)。しかし、これらの化合物は、例えば、CH=CH(CFCH=CHで表される含フッ素ジエン化合物とトリクロロシランおよびPt触媒を封管中100℃で50時間反応させた後にナトリウムメトキシドで処理することにより得られる(非特許文献1参照)が、工業的規模で経済的に製造することは困難である。また、原料の含フッ素ジエンの製造適性、入手性にも問題がある。
また、滑水性向上の観点で、CH(CFCHCHSi(OR)等の化合物を利用した例が知られている(特許文献2参照)。しかし、これらの化合物についてもCH(CFCH=CHで表される含フッ素オレフィン化合物とトリクロロシランとの反応が必要であり、含フッ素オレフィンの製造適性、入手性にも問題があった。
フッ素原子を有する重縮合性ケイ素化合物を簡便に製造する方法として、含フッ素アルコールCF(CFCHOHとイソシアネート基を有する重縮合性ケイ素化合物をSn触媒存在下反応させてカルバミン酸エステルを高収率で得ている例が知られている(特許文献3参照)が、多官能アルコールに適用した例は知られていない。また、Sn触媒は環境上好ましくない。
国際公開第05/059051号パンフレット 特開平11−116943号公報 国際公開第05/121156号パンフレット Journal of Oleo Science,51(5),305−311(2002)
本発明の目的は、高い撥水性を有し、かつ耐擦傷性および滑水性の優れた材料の原料として有用であり、簡便で環境に優しい製造方法により製造可能な含フッ素多官能ケイ素化合物を提供することにある。また、該含フッ素多官能ケイ素化合物の簡便かつ環境に優しい製造方法を提供することにある。
本発明者は、前記目的を達成すべく鋭意検討した結果、以下の手段により本発明を完成するに至った。すなわち、本出願によれば、以下の発明が提供される。
<1>
下記一般式(I)で表される含フッ素多官能ケイ素化合物。
Figure 0005286289

(式中、Qは(n+m)価のエーテル性酸素原子を有してもよいペルフルオロアルキル基を示し、Rf1およびRf2はそれぞれ独立にフッ素原子、水素原子、または少なくとも1つのフッ素原子を有する炭素数1〜10のアルキル基を示し、R1は水酸基、イソシアネート基、ハロゲン原子、アルコキシ基、またはアシルオキシ基を示し、R2は水素原子または炭化水素基を示し、kは0または1を示し、nは2以上の整数を示し、mは0以上の整数を示し、(n+m)は3以上6以下の整数かつmは3以下の整数を示し、aは1〜6の整数を示し、bは1〜3の整数を示す。)
<2>
前記一般式(I)において、Rf1およびRf2がそれぞれ独立にフッ素原子又は炭素数1〜10のペルフルオロアルキル基を示し、kが1であることを特徴とする上記<1>記載の含フッ素多官能ケイ素化合物。
<3>
下記一般式(i)で示される含フッ素アルコールと下記一般式(VII)で示されるイソシアネートを塩基性条件下反応させて得られたことを特徴とする<1>又は<2>に記載の含フッ素多官能ケイ素化合物。
Figure 0005286289

(式中、Qは(n+m)価のエーテル性酸素原子を有してもよいペルフルオロアルキル基を示し、Rf 1 およびRf 2 はそれぞれ独立にフッ素原子、水素原子、または少なくとも1つのフッ素原子を有する炭素数1〜10のアルキル基を示し、R 1 は水酸基、イソシアネート基、ハロゲン原子、アルコキシ基、またはアシルオキシ基を示し、R 2 は水素原子または炭化水素基を示し、kは0または1を示し、nは2以上の整数を示し、mは0以上の整数を示し、(n+m)は3以上6以下の整数かつmは3以下の整数を示し、aは1〜6の整数を示し、bは1〜3の整数を示す。)
<4>
前記含フッ素アルコールは、一般式(i−1)〜(i−21)から選択されることを特徴とする<3>に記載の含フッ素多官能ケイ素化合物。
Figure 0005286289

Figure 0005286289


下記一般式(i)で表される(n+m)価の含フッ素アルコールと一般式(VII)で表されるイソシアネートを塩基性条件下反応させることを特徴とする下記一般式(I)で表される含フッ素多官能ケイ素化合物の製造方法。
Figure 0005286289

Figure 0005286289

(式中、Qは(n+m)価のエーテル性酸素原子を有してもよいペルフルオロアルキル基を示し、Rf1およびRf2はそれぞれ独立にフッ素原子、水素原子、または少なくとも1つのフッ素原子を有する炭素数1〜10のアルキル基を示し、R1は水酸基、イソシアネート基、ハロゲン原子、アルコキシ基、またはアシルオキシ基を示し、R2は水素原子または炭化水素基を示し、kは0または1を示し、nは2以上の整数を示し、mは0以上の整数を示し、(n+m)は3以上6以下の整数かつmは3以下の整数を示し、aは1〜6の整数を示し、bは1〜3の整数を示す。)
<6>
前記含フッ素アルコールは、一般式(i−1)〜(i−21)から選択されることを特徴とする<5>に記載の含フッ素多官能ケイ素化合物の製造方法。
Figure 0005286289


Figure 0005286289

<7>
基材上に、上記<1>〜<>のいずれか1項に記載の含フッ素多官能ケイ素化合物を含む組成物から形成される膜を有することを特徴とする処理基材。
なお、本発明は、上記<1>〜<>に関するものであるが、参考のため、その他の事項(例えば下記1〜12に記載の事項等)についても記載した。
1. 下記一般式(I)で表される含フッ素多官能ケイ素化合物。
Figure 0005286289
(式中、Qは少なくとも1つのフッ素原子を有する(n+m)価の有機基を示し、RfおよびRfはそれぞれ独立にフッ素原子、水素原子、または少なくとも1つのフッ素原子を有するアルキル基を示し、Rは水酸基、イソシアネート基、または加水分解される基を示し、Rは水素原子または炭化水素基を示し、kは0または1を示し、nは2以上の整数を示し、mは0以上の整数を示し、aは1〜6の整数を示し、bは1〜3の整数を示す。)
2. 前記一般式(I)において、Qがペルフルオロアルキル基、RfおよびRfがそれぞれ独立にフッ素原子またはペルフルオロアルキル基、kが1を示すことを特徴とする上記1記載の含フッ素多官能ケイ素化合物。
3. 前記一般式(I)で表される含フッ素多官能ケイ素化合物が下記一般式(II)で表される化合物であることを特徴とする上記1記載の含フッ素多官能ケイ素化合物。
Figure 0005286289
(式中Rは水酸基、イソシアネート基、または加水分解される基を示し、Rは水素原子または炭化水素基を示し、aは1〜6の整数を示し、bは1〜3の整数を示し、xは1〜200の整数を示し、Lは2価の有機基を示し、Rf11はペルフルオロアルキレン基を表し、Rf12、およびRf13はそれぞれ独立にフッ素原子、ペルフルオロアルキル基、またはペルフルオロアルコキシ基を表し、Rf11、Rf12、Rf13のうち少なくとも2つはそれぞれ結合して環を形成してもよい。)
4. 前記一般式(II)で表される含フッ素多官能ケイ素化合物が下記一般式(III)で表される化合物であることを特徴とする上記3記載の含フッ素多官能ケイ素化合物。
Figure 0005286289
(式中、Rは水酸基、イソシアネート基、または加水分解される基を示し、Rは水素原子または炭化水素基を示し、aは1〜6の整数を示し、bは1〜3の整数を示し、xは1〜200の整数を示し、Lは2価の有機基を示し、Rf14は4価のペルフルオロアルキレン基を示す。)
5. 前記一般式(III)で表される含フッ素多官能ケイ素化合物が下記一般式(IV)で表される化合物であることを特徴とする上記4記載の含フッ素多官能ケイ素化合物。
Figure 0005286289
(式中、Rは水酸基、イソシアネート基、または加水分解される基を示し、Rは水素原子または炭化水素基を示し、aは1〜6の整数を示し、bは1〜3の整数を示し、xは1〜200の整数を示し、Lは2価の有機基を示す。)
6. 前記Lが下記一般式(V)または(VI)で表される2価の有機基であることを特徴とする上記3〜5のいずれか1項に記載の含フッ素多官能ケイ素化合物。
Figure 0005286289
(式中、Rf15は2価のペルフルオロアルキル基を示し、Arは2価のアリール基を示す。)
7. 下記一般式(i)で表される(n+m)価の含フッ素アルコールと下記一般式(VII)で表されるイソシアネートを塩基性条件下反応させることを特徴とする下記一般式(I)で表される含フッ素多官能ケイ素化合物の製造方法。
Figure 0005286289
Figure 0005286289
Figure 0005286289
(式中、Qは少なくとも1つのフッ素原子を有する(n+m)価の有機基を示し、kは0または1を示し、RfおよびRfはそれぞれ独立にフッ素原子、水素原子、または少なくとも1つのフッ素原子を有するアルキル基を示し、Rは水酸基、イソシアネート基、または加水分解される基を示し、Rは水素原子または炭化水素基を示し、nは2以上の整数を示し、mは0以上の整数を示し、aは1〜6の整数を示し、bは1〜3の整数を示す。)
8. 下記一般式(ii)で表される含フッ素アルコールと下記一般式(VII)で表されるイソシアネートを塩基性条件下反応させることを特徴とする下記一般式(II)で表される含フッ素多官能ケイ素化合物の製造方法。
Figure 0005286289
Figure 0005286289
Figure 0005286289
(式中Rは水酸基、イソシアネート基、または加水分解される基を示し、Rは水素原子または炭化水素基を示し、aは1〜6の整数を示し、bは1〜3の整数を示し、xは1〜200の整数を示し、Lは2価の有機基を示し、Rf11はペルフルオロアルキレン基を表し、Rf12、およびRf13はそれぞれ独立にフッ素原子、ペルフルオロアルキル基、またはペルフルオロアルコキシ基を表し、Rf11、Rf12、Rf13のうち少なくとも2つはそれぞれ結合して環を形成してもよい。)
9. 下記一般式(iii)で表される含フッ素アルコールと下記一般式(VII)で表されるイソシアネートを塩基性条件下反応させることを特徴とする下記一般式(III)で表される含フッ素多官能ケイ素化合物の製造方法。
Figure 0005286289
Figure 0005286289
Figure 0005286289
(式中、Rは水酸基、イソシアネート基、または加水分解される基を示し、Rは水素原子または炭化水素基を示し、aは1〜6の整数を示し、bは1〜3の整数を示し、xは1〜200の整数を示し、Lは2価の有機基を示し、Rf14は4価のペルフルオロアルキレン基を示す。)
10. 下記一般式(iv)で表される含フッ素アルコールと下記一般式(VII)で表されるイソシアネートを塩基性条件下反応させることを特徴とする下記一般式(IV)で表される含フッ素多官能ケイ素化合物の製造方法。
Figure 0005286289
Figure 0005286289
Figure 0005286289
(式中、Rは水酸基、イソシアネート基、または加水分解される基を示し、Rは水素原子または炭化水素基を示し、aは1〜6の整数を示し、bは1〜3の整数を示し、xは1〜200の整数を示し、Lは2価の有機基を示す。)
11. 前記Lが下記一般式(V)または(VI)で表される2価の有機基であることを特徴とする上記8〜10のいずれか1項に記載の含フッ素多官能ケイ素化合物の製造方法。
Figure 0005286289
(式中、Rf15は2価のペルフルオロアルキル基を示し、Arは2価のアリール基を示す。)
12. 基材上に、上記1〜6のいずれかに記載の含フッ素多官能ケイ素化合物を含む組成物から形成される膜を有することを特徴とする処理基材。
本発明によれば、撥水性、滑水性の観点で優れたポリマー材料、膜材料、コーティング剤等の原料となり得る含フッ素多官能ケイ素化合物を、簡便かつ環境に優しい方法にて製造することが可能である。また、これらの含フッ素多官能ケイ素化合物を原料として用いることにより、従来の含フッ素ケイ素化合物を原料として用いた場合と比べて、耐擦傷性や滑水性に優れた撥水材料を得ることができる。
本発明の含フッ素多官能ケイ素化合物は下記一般式(I)で表される。
Figure 0005286289
一般式(I)中、Qは少なくとも1つのフッ素原子を有する(n+m)価の有機基を示し、RfおよびRfはそれぞれ独立にフッ素原子、水素原子、または少なくとも1つのフッ素原子を有するアルキル基を示し、Rは水酸基、イソシアネート基、または加水分解される基を示し、Rは水素原子または炭化水素基を示し、kは0または1を示し、nは2以上の整数を示し、mは0以上の整数を示し、aは1〜6の整数を示し、bは1〜3の整数を示す。
およびRは複数存在する場合には各々同一でも異なっていてもよい。
一般式(I)において、Rは水酸基、イソシアネート基、または加水分解される基を示す。ここで、加水分解される基は加水分解反応により水酸基に変換される基をいい、例えば、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等)、アシルオキシ基(アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基等)などが挙げられる。Rは好ましくは、水酸基またはアルコキシ基であり、特に好ましくは、水酸基、メトキシ基、エトキシ基である。
は水素原子または炭化水素基を示す。Rで示される炭化水素基は好ましくは炭素数1〜20(より好ましくは1〜10)の置換または無置換の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基、炭素数1〜20(より好ましくは1〜10)の置換または無置換の直鎖、分岐鎖、または環状のアルケニル基、炭素数1〜20(より好ましくは1〜10)の置換または無置換の直鎖、分岐鎖、または環状のアルキニル基、または炭素数6〜20(より好ましくは6〜10)の置換または無置換のアリール基で、より好ましくは、メチル基、エチル基、ビニル基、アリル基、フェニル基である。
は好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基またはフェニル基であり、より好ましくは、メチル基またはエチル基である。
置換基としては、例えば以下の置換基が挙げられる。ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、炭素数18以下のアルキル基(例えば、メチル、エチル)、炭素数18以下のアリール基(例えば、フェニル、ナフチル)、シアノ基、カルボキシル基、炭素数18以下のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル)、炭素数18以下のアリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル)、カルバモイル基(例えば、カルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル)、炭素数18以下のアルキルカルボニル基(例えば、アセチル)、炭素数18以下のアリールカルボニル基(例えば、ベンゾイル)、ニトロ基、アミノ基(例えば、アミノ、ジメチルアミノ、アニリノ)、炭素数18以下のアシルアミノ基(例えば、アセトアミド、エトキシカルボニルアミノ)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド)、イミド基(例えば、スクシンイミド、フタルイミド)、イミノ基(例えば、ベンジリデンアミノ)、
ヒドロキシ基、炭素数18以下のアルコキシ基(例えば、メトキシ)、炭素数18以下のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ)、炭素数18以下のアシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、炭素数18以下のアルキルスルホニルオキシ基(例えばメタンスルホニルオキシ)、炭素数18以下のアリールスルホニルオキシ基(例えばベンゼンスルホニルオキシ)、スルホ基、スルファモイル基(例えばスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、炭素数18以下のアルキルチオ基(例えばメチルチオ)、炭素数18以下のアリールチオ基(例えばフェニルチオ)、炭素数18以下のアルキルスルホニル基(例えばメタンスルホニル)、炭素数18以下のアリールスルホニル基(例えばベンゼンスルホニル)、ヘテロ環基等。これらの置換基は更に置換されていても良く、置換基が複数ある場合は、同じでも異なっても良い。また置換基同士で結合して環を形成しても良い。
aは1〜6の整数を示し、好ましくは3を示す。bは1〜3の整数を示し、好ましくは3を示す。
一般式(I)において、Qは少なくとも1つのフッ素原子を有する(n+m)価の有機基を示す。
RfおよびRfはそれぞれ独立にフッ素原子、水素原子、または少なくとも1つのフッ素原子を有するアルキル基を示す。少なくとも1つのフッ素原子を有するアルキル基は、置換基を有していても無置換でもよく、直鎖、分岐鎖、環状のいずれであってもよく、また、鎖中にエーテル性酸素原子を有していてもよく、好ましい炭素数としては1〜10である。RfおよびRfは、好ましくはフッ素原子、またはペルフルオロアルキル基(例えば、ペルフルオロメチル、ペルフルオロエチル、ペルフルオロプロピル、ペルフルオロイソプロピル)であり、より好ましくはフッ素原子である。
kは0または1を示し、好ましくはkは1を示す。nは2以上の整数を示し、mは0以上の整数を示し、好ましくは、(n+m)は2以上10以下の整数かつmは5以下の整数を示し、より好ましくは(n+m)は3以上6以下の整数かつmは3以下の整数を示す。
Qは好ましくは、炭素数1〜30(より好ましくは1〜20、さらに好ましくは1〜10)のエーテル性酸素原子を有していてもよい直鎖、分岐鎖または環状の(n+m)価のペルフルオロアルキル基または下記一般式(II)で示される化合物を構成するための2価の有機基である。
前記一般式(I)で表される含フッ素多官能ケイ素化合物は、Qがペルフルオロアルキル基、RfおよびRfがそれぞれ独立にフッ素原子またはペルフルオロアルキル基、kが1を示す場合が好ましい。
また、前記一般式(I)で表される含フッ素多官能ケイ素化合物は、好ましくは下記一般式(II)で表される化合物である。
Figure 0005286289
一般式(II)中、Rは水酸基、イソシアネート基、または加水分解される基を示し、Rは水素原子または炭化水素基を示し、aは1〜6の整数を示し、bは1〜3の整数を示し、xは1〜200の整数を示し、Lは2価の有機基を示し、Rf11はペルフルオロアルキレン基を表し、Rf12、およびRf13はそれぞれ独立にフッ素原子、ペルフルオロアルキル基、またはペルフルオロアルコキシ基を表し、Rf11、Rf12、Rf13のうち少なくとも2つはそれぞれ結合して環を形成してもよい。
、R、Rf11、Rf12、Rf13、およびLは複数存在する場合には各々同一でも異なっていてもよい。
Rf11で表されるペルフルオロアルキレン基は、好ましくは炭素数1〜30のペルフルオロアルキレン基であり、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、また、鎖中にエーテル結合を有していてもよい。さらに好ましい炭素数としては1〜20であり、より好ましくは2〜10である。
Rf12およびRf13で示されるペルフルオロアルキル基は、好ましくは炭素数1〜30のペルフルオロアルキル基であり、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、また、鎖中にエーテル結合を有していてもよい。さらに好ましい炭素数としては1〜20であり、より好ましくは1〜10である。
Rf12およびRf13で示されるペルフルオロアルコキシ基は、好ましくは炭素数1〜30のペルフルオロアルコキシ基であり、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、また、鎖中にエーテル結合を有していてもよい。さらに好ましい炭素数としては1〜20であり、より好ましくは1〜10である。
一般式(II)において、R、R、a、bについての好ましいものは前記一般式(I)におけるR、R、a、bと同じである。
一般式(II)において、Rf12、Rf13は、好ましくはRf12およびRf13がともにフッ素原子またはペルフルオロアルコキシ基であり、Rf12およびRf13がともにペルフルオロアルコキシ基の場合、一般式(II)で示される化合物は下記一般式(III)で示される化合物がより好ましい。
Figure 0005286289
一般式(III)中、Rは水酸基、イソシアネート基、または加水分解される基を示し、Rは水素原子または炭化水素基を示し、aは1〜6の整数を示し、bは1〜3の整数を示し、xは1〜200の整数を示し、Lは2価の有機基を示し、Rf14は4価のペルフルオロアルキレン基を示す。
、R、Rf14、およびLは複数存在する場合には各々同一でも異なっていてもよい。
Rf14で示される4価のペルフルオロアルキレン基は、好ましくは炭素数1〜30のペルフルオロアルキレン基であり、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、また、鎖中にエーテル結合を有していてもよい。さらに好ましい炭素数としては4〜20であり、より好ましくは5〜10である。
一般式(III)において、R、R、a、bについての好ましいものは、前記一般式(I)におけるR、R、a、bと同じである。
一般式(III)で示される化合物は好ましくは、下記一般式(IV)で示される化合物である。
Figure 0005286289
一般式(IV)中、Rは水酸基、イソシアネート基または加水分解される基を示し、Rは水素原子または炭化水素基を示し、aは1〜6の整数を示し、bは1〜3の整数を示し、xは1〜200の整数を示し、Lは2価の有機基を示す。
一般式(IV)において、R、R、a、bについての好ましいものは、前記一般式(I)におけるR、R、a、bと同じである。
一般式(II)〜(IV)において、xは1〜200の整数を示し、好ましくは1〜50、より好ましくは1〜20の整数を示す。Lで示される2価の有機基は、好ましくは炭素数1〜50の直鎖、分岐鎖または環状の、置換基を有してもよい2価の有機基であり、より好ましくは下記一般式(V)または下記一般式(VI)で表される2価の有機基である。2価の有機基が有してもよい置換基としては、前記Rにおける置換基と同様のものが挙げられる。
Figure 0005286289
一般式(V)および一般式(VI)中、Rf15は2価のペルフルオロアルキル基を示し、Arは2価のアリール基を示す。
Rf15で示される2価のペルフルオロアルキル基は、好ましくは、炭素数1〜30のペルフルオロアルキレン基であり、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、また、鎖中にエーテル結合を有していてもよい。好ましい炭素数としては1〜20であり、より好ましくは2〜10である。
Arで示される2価のアリール基は、好ましくは炭素数6〜30の置換または無置換のアリール基である。さらに好ましい炭素数としては6〜20であり、より好ましくは6〜10である。置換基としては前記Rにおける置換基と同様のものが挙げられる。
一般式(I)〜(IV)で示される化合物は、それぞれ下記一般式(i)〜(iv)で示される含フッ素アルコールと下記一般式(VII)で示されるイソシアネートを塩基性条件下反応させることにより容易に得ることができる。
Figure 0005286289
Figure 0005286289
一般式(i)および一般式(VII)中、Qは少なくとも1つのフッ素原子を有する(n+m)価の有機基を示し、kは0または1を示し、RfおよびRfはそれぞれ独立にフッ素原子、水素原子、または少なくとも1つのフッ素原子を有するアルキル基を示し、Rは水酸基、イソシアネート基、または加水分解される基を示し、Rは水素原子または炭化水素基を示し、nは2以上の整数を示し、mは0以上の整数を示し、aは1〜6の整数を示し、bは1〜3の整数を示す。
Figure 0005286289
一般式(ii)中、xは1〜200の整数を示し、Lは2価の有機基を示し、Rf11はペルフルオロアルキレン基を表し、Rf12およびRf13はそれぞれ独立にフッ素原子、ペルフルオロアルキル基、またはペルフルオロアルコキシ基を表し、Rf11、Rf12、Rf13のうち少なくとも2つはそれぞれ結合して環を形成してもよい。
Figure 0005286289
一般式(iii)中、xは1〜200の整数を示し、Lは2価の有機基を示し、Rf14は4価のペルフルオロアルキレン基を示す。
Figure 0005286289
一般式(iv)中、xは1〜200の整数を示し、Lは2価の有機基を示す。
上記一般式(i)〜(iv)および一般式(VII)における各記号の具体例、および好ましい範囲は、それぞれ前記一般式(I)〜(IV)における各記号の定義、具体例、および好ましい範囲と同様である。
上記一般式(ii)〜(iv)においてLは前記一般式(V)または(VI)で表される2価の有機基であることが好ましい。
一般式(i)〜(iv)で示される含フッ素アルコールと一般式(VII)で示されるイソシアネートを反応させる際に系を塩基性条件にするために用いる塩基としては、水酸化アルカリ金属(例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム)、水酸化アルカリ土類金属(例えば、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム)、炭酸アルカリ金属(例えば炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム)、炭酸アルカリ土類金属(例えば、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム)、炭酸水素アルカリ金属(例えば炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素セシウム)、炭酸水素アルカリ土類金属(例えば、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸水素バリウム)等の無機塩基およびピリジン、ピコリン、ルチジン、コリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等の有機塩基が挙げられる。より好ましい塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられ、特に好ましくは炭酸カリウムおよび炭酸セシウムである。用いる塩基のモル当量数としては、一般式(i)、(ii)、(iii)または(iv)で示される化合物中の水酸基に対して0.1当量〜10当量が好ましく、より好ましくは0.5当量〜5当量である。
含フッ素アルコールと一般式(VII)で示されるイソシアネートとの反応は、触媒を用いて行ってもよく、あるいは触媒を用いずに行ってもよい。一般的には、この反応は触媒なしでも製造に適した条件で進行するため、好ましくは触媒を用いずに反応を行う。触媒を用いる場合、好ましい触媒の例としては、アンモニウム塩(例えば水酸化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、1−エチルピリジニウム塩化物、1,3−ジメチルイミダゾリウム=テトラフルオロホウ酸塩など)、ホスホニウム塩(例えばトリフェニルホスホニウム塩化物など)、スルホニウム塩(例えばトリフェニルスルホニウム=ヘキサフルオロフォスファートなど)、遷移金属触媒(例えば塩化鉄−アセチルアセトン錯体など)が挙げられる。
一般式(i)〜(iv)で示される含フッ素アルコールと一般式(VII)で示されるイソシアネートとの反応は溶媒中で行われることが好ましい。好ましい溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジグライム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド等の一般的な有機溶媒、
AK−225((登録商標)、旭硝子社製)、2,2,2−トリフルオロエチルメチルエーテル、2,2,2−トリフルオロエチルジフルオロメチルエーテル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメチルエーテル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルジフルオロメチルエーテル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル−1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、1,1,2,2−テトラフルオロエチルメチルエーテル、1,1,2,2−テトラフルオロエチルエチルエーテル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,2−トリフルオロエチルエーテル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルジフルオロメチルエーテル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,3,3−テトラフルオロプロピルエーテル、ヘキサフルオロイソプロピルメチルエーテル、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トリフルオロメチルプロピルメチルエーテル、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルメチルエーテル、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルエチルエーテル、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルジフルオロメチルエーテル、フルオロベンゼン、1,2−ジフルオロベンゼン、1,3−ジフルオロベンゼン、1,4−ジフルオロベンゼン、2,4−ジフルオロトルエン、2,6−ジフルオロトルエン、3,4−ジフルオロトルエン、1,2,3−トリフルオロベンゼン、1,2,4−トリフルオロベンゼン、1,3,5−トリフルオロベンゼン、2,3,4−トリフルオロトルエン、1,2,3,4−テトラフルオロベンゼン、1,2,3,5−テトラフルオロベンゼン、1,2,4,5−テトラフルオロベンゼン、ペンタフルオロベンゼン、ヘキサフルオロベンゼン、α,α,α−トリフルオロメチルベンゼン、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,4−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン等の含フッ素溶媒、
ペルフルオロアルカン化合物[FC−72(商品名、住友スリーエム社製)等]、ペルフルオロエーテル化合物[FC−75、FC−77(共に商品名、住友スリーエム社製)等]、ペルフルオロポリエーテル化合物[商品名:クライトックス(Krytox(登録商標)、DuPont社製)、フォブリン(Fomblin(登録商標)、AUSIMONT社製)、ガルデン(Galden(登録商標)、AUSIMONT社製)、デムナム{ダイキン工業社製}等]、クロロフルオロカーボン化合物(CFC−11,CFC−113等)、クロロフルオロポリエーテル化合物、ペルフルオロトリアルキルアミン化合物、不活性流体(商品名:フロリナート、Fluorinert(登録商標)、住友スリーエム社製)等のペルフルオロ溶媒、水およびこれらの混合溶媒を挙げることができる。
より好ましい溶媒としてはジエチルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジグライム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトニトリル、AK−225((登録商標)、旭ガラス社製)および2,2,2−トリフルオロエチルメチルエーテル、2,2,2−トリフルオロエチルジフルオロメチルエーテル等の含フッ素エーテル系溶媒が挙げられる。
溶媒の量は一般式(i)、(ii)、(iii)または(iv)で示される化合物に対して質量比で0.1倍〜100倍用いるのが好ましく、より好ましくは1倍〜50倍、さらに好ましくは2倍〜20倍である。
一般式(VII)で示されるイソシアネートは一般式(i)、(ii)、(iii)または(iv)で示される化合物中の水酸基に対して、0.5モル当量〜2.0モル当量用いるのが好ましく、0.9モル当量〜1.1モル当量用いるのがより好ましい。
反応温度は、好ましくは0℃〜100℃であり、より好ましくは10℃〜50℃である。
反応時間は、用いる基質、塩基、溶媒の種類、量および反応温度等により左右されるため一概には決められないが、好ましくは10分〜12時間であり、より好ましくは30分〜6時間である。
後処理および精製方法としては、通常の分液操作の後、濃縮を行い、残留物を蒸留、カラムあるいは再結晶により精製を行ってもよいが、炭酸カリウムや炭酸セシウム等の固体塩基を用い、反応後濾過によりこれらの固体塩基を除去し、濃縮操作のみで目的物としてもよい。また、濾液を目的物の溶液として用いることもできる。
以下に一般式(i)、(ii)、(iii)または(iv)で示される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、Lは、後述するLの具体例のいずれと組み合わせてもよく、また、それ以外でも構わない。
Figure 0005286289
Figure 0005286289
Figure 0005286289
Figure 0005286289
Figure 0005286289
Figure 0005286289
Figure 0005286289
上記(i−55)および(i−56)において、xは1〜200の整数を示し、yおよびzは、それぞれ1〜200の整数を示し、好ましくは3〜100の整数を示す。
以下に2価の有機基Lの具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0005286289
Figure 0005286289
Figure 0005286289
Figure 0005286289
Figure 0005286289
以下に一般式(VII)で示されるイソシアネートの具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0005286289
これらのイソシアネートは、既知の方法により製造できる。またいくつかのイソシアネートは市販されている。例えば化合部(VII−2)はシグマ・アルドリッチ・ジャパン社や和光純薬工業(株)などから入手できる。
一般式(I)で示される化合物の具体例は、上記で述べた一般式(i)の具体例と一般式(VII)の具体例の任意の組み合わせの付加体を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
一般式(ii)、一般式(iii)または一般式(iv)で示される化合物は、下記一般式(II’)、一般式(III’)または一般式(IV’)で示されるペルフルオロジエンと一般式(VIII)で示されるジオールとの付加反応において、一般式(II’)、一般式(III’)または式(IV’)で示されるペルフルオロジエンに対して一般式(VIII)で示されるジオールを過剰量(好ましくはモル比で1.05倍〜2倍、より好ましくは1.1倍〜1.5倍)用いることにより合成することができる。下記一般式(II’)、(III’)における各記号は前記一般式(ii)、(iii)における記号と同義である。また一般式(VIII)においてLは2価の有機基を示し、前記一般式(II)におけるLと同義である。
Figure 0005286289
一般式(i)で示される化合物は、例えば特開2006−28280号公報、特開2008−106036号公報、特開2007−230992号公報、特開2008−174464号公報に示される方法により製造できる。或いは、いくつかの化合物又はその前駆体が市販されており、例えばシグマ・アルドリッチ・ジャパン社、アウジモント社、エクスフロアー・リサーチ社などから入手できる。
ペルフルオロジエン化合物は、例えば特開2001−240576号公報、特開2006−131613号公報、特開2007−131615号公報の方法により製造できる。
本発明においては、一部の含フッ素多官能ケイ素化合物の製造中間体として含フッ素ジエンを使用しているが、これらは前記非特許文献1及び特許文献2におけるジエン及びオレフィンとは化学的に異なる構造を有しているために製造方法が異なり、また公知の方法(例えば特開2001−240576号公報、特開2006−131613号公報、特開2007−131615号公報に記載の方法)により、様々な構造のジエン及びオレフィンを比較的容易に製造することができることから、原料の入手性の問題を解決できた。
本発明の含フッ素多官能ケイ素化合物は重縮合することでポリマー材料、膜材料、コーティング剤等とすることができる。該ポリマーの質量平均分子量(GPC測定、ポリスチレン基準)としては1000〜1,000,000が好ましく、分散度は1.1〜2が好ましい。
基材上に本発明の含フッ素多官能ケイ素化合物を含む組成物を用いて形成した膜を有する処理基材は、撥水性、耐傷性、低屈折率性などの観点で優れる。該組成物において、含フッ素多官能ケイ素化合物の含有量は全固形分に対して5〜98質量%であることが好ましい。該組成物には溶媒、触媒、配位子化合物などを含むことができる。溶媒としては、本発明の含フッ素多官能ケイ素化合物を溶解又は分散させうる溶媒なら特に制限なく使用できるが、水、メタノール、エタノール、メチルエチルケトン、トリフルオロエタノールなどが好ましい。触媒としては、本発明の含フッ素多官能ケイ素化合物を加水分解し重縮合させうる化合物であれば特に限定されないが、鉱酸(例えば塩酸や硫酸など)、カルボン酸(例えば酢酸や安息香酸など)、スルホン酸(例えばp−トルエンスルホン酸など)、アミン(例えばアンモニア、エチルアミン、ピリジンなど)、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムなど)、ルイス酸化合物(例えばオルトチタン酸エチル、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、塩化鉄など)などが好ましい。配位子化合物としては、例えばアセチルアセトン、アセト酢酸メチルなどが好ましい。また、膜面状を向上させるために界面活性剤を使用してもよい。界面活性剤としては特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、例えばノニオン界面活性剤(例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル類など)、アニオン界面活性剤(例えばアルカンスルホン酸塩類など)、カチオン界面活性剤(例えば第四級アンモニウム塩類など)、両性界面活性剤(例えばカルボキシベタイン類など)、フッ素系界面活性剤(例えばパーフルオロアルキルカルボン酸塩など)などが挙げられるが、本発明の含フッ素多官能ケイ素化合物との相溶性が高いことから好ましくはフッ素系界面活性剤が使用される。膜の形成方法としては基材上に組成物を塗布して乾燥する方法などが挙げられる。塗布方法としては特に限定がなく、例えばスプレーコーティング法、ディップコーティング法、フローコーティング法、スピンコーティング法、ロールコーティング法、フィルムアプリケーター法、スクリーン印刷法、バーコーター法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法が適用できる。乾燥方法としては加熱乾燥などがあり、50℃〜200℃で2分間〜60分間乾燥することが好ましい。該膜の厚さは0.01μm〜1,000μmであることが好ましい。
該膜の表面は撥水性に優れることが好ましく、水滴接触角が85°〜180°であることが好ましい。また、該膜の表面は滑水性に優れることが好ましく、転落角が0.1°〜25°であることが好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
実施例1
(i−9)(1.2g,1.5mmol)のメチルエチルケトン(10ml)溶液に室温にて炭酸カリウム(1.0g,7.25mmol)を添加し、さらに(VII−2)(1.5g,6.1mmol)を滴下した。反応液を室温に3時間撹拌後、不溶物をセライト濾過により除去し、濾液を減圧にて濃縮することにより含フッ素多官能ケイ素化合物A(2.6g)を得た。この化合物AのNMR測定及び質量分析を行ったところ、下記構造の化合物が得られていることを確認した。
Figure 0005286289
H NMR[CO(CD] δ 0.61(t,J=8.25,8H),1.18(t,J=7.05Hz,36H),1.63(m,8H),3.16(m,8H),3.81(t,J=7.05Hz,24H),4.63(t,J=13.8,8H),6.73(bs,4H)
19F NMR[CO(CD] δ −66.34(8F),−86.37(8F),−124.23(t,J=13.8,8F)
MARDI−MS Found:m/z=1811.51(M+Na)、Calcd.:m/z=1811.50(M+Na)
実施例2
(i−9)(1.2g,1.5mmol)のメチルエチルケトン(10ml)溶液に室温にて炭酸カリウム(1.0g,7.25mmol)を添加し、さらに(VII−2)(1.1g,4.5mmol)を滴下した。反応液を室温に3時間撹拌後、不溶物をセライト濾過により除去し、濾液を減圧にて濃縮することにより含フッ素多官能ケイ素化合物B(2.2g)を得た。この化合物BのNMRを測定したところ、主生成物B−1の他にB−2,B−3等を含む混合物であることを確認した。NMR測定の結果から計算したこれらのモル比は、B−1:B−2:B−3=55:20:25だった。
Figure 0005286289
実施例3
(i−53)(1.0g,1.78mmol)のメチルエチルケトン(10ml)溶液に室温にて炭酸カリウム(0.74g,5.36mmol)を添加し、さらに(VII−2)(0.88g,3.56mmol)を滴下した。反応液を室温に3時間撹拌後、不溶物をセライト濾過により除去し、濾液を減圧にて濃縮することにより含フッ素多官能ケイ素化合物C(1.82g)を得た。この化合物CのNMRを測定したところ、下記構造の化合物が得られていることを確認した。
Figure 0005286289
H NMR[CO(CD] δ 0.61(m,4H),1.18(t,J=6.90Hz,18H),1.62(m,4H),3.16(m,4H),3.81(q,J=6.90Hz,12H),4.74(t,J=13.8,4H),6.80(bs,2H)
19F NMR[CO(CD] δ −120.4(t,J=13.8,4F),−122.3(bs,12F),−124.0(bs,4F)
MARDI−MS Found:m/z=1079.22(M+Na)、Calcd.:m/z=1079.24(M+Na)
実施例4
ペルフルオロジエン1(1.0g,2.54mmol)、含フッ素ジオール2(1.64g,2.92mmol)および炭酸カリウム(1.0g,7.25mmol)をメチルエチルケトン(15ml)中、室温にて48時間撹拌した。上澄み液を少量濃縮してNMRを測定したところ、(i−25)[L=(L−9)]の構造を有すること、およびxの平均値は7.8であることを確認した。
Figure 0005286289
上記反応液に(VII−2)(0.099g,0.4mmol)を加え、さらに3時間撹拌した。不溶物をセライト濾過により除去し、濾液を減圧にて濃縮することにより含フッ素多官能ケイ素化合物D(2.60g)を得た。この化合物DのNMRを測定したところ、下記構造の化合物が得られていることを確認した。
Figure 0005286289
H NMR[CO(CD] δ 0.61(m,4H),1.18(t,J=7.05Hz,18H),1.63(m,4H),3.17(m,4H),3.81(q,J=7.05Hz,12H),4.73(t,J=13.8,4H),4.87(t,J=12.8,31.1H),6.80(bs,2H),6.85(d,J=52.2,15.6H)
実施例5
ペルフルオロジエン3(1.0g,2.50mmol)、含フッ素ジオール2(1.62g,2.87mmol)および炭酸カリウム(1.0g,7.25mmol)をメチルエチルケトン(15ml)中、室温にて48時間撹拌した。上澄み液を少量濃縮してNMRを測定したところ、(i−49)[L=(L−9)]の構造を有すること、およびxの平均値は9.0であることを確認した。
Figure 0005286289
上記反応液に(VII−2)(0.099g,0.4mmol)を加え、さらに3時間撹拌した。不溶物をセライト濾過により除去し、濾液を減圧にて濃縮することにより含フッ素多官能ケイ素化合物E(2.56g)を得た。この化合物EのNMRを測定したところ、下記構造の化合物が得られていることを確認した。
Figure 0005286289
H NMR[CO(CD] δ 0.61(m,4H),1.18(t,J=7.05Hz,18H),1.63(m,4H),3.17(m,4H),3.81(q,J=7.05Hz,12H),4.74(t,J=14.1,4H),4.89(t,J=12.8,35.7H),6.41(bs,17.7H),6.77(bs,2H)
実施例6
ペルフルオロジエン3(0.800g,2.0mmol)、含フッ素ジオール4(0.907g,2.2mmol)および炭酸カリウム(0.69g,5.0mmol)をメチルエチルケトン(10ml)中、室温にて50時間撹拌した。上澄み液を少量濃縮してNMRを測定したところ、(i−49)[L=(L−7)]の構造を有すること、およびxの平均値は8.1であることを確認した。
Figure 0005286289
上記反応液に(VII−2)(0.11g,0.45mmol)および炭酸カリウム(0.1g,0.72mmol)加え、さらに3時間撹拌した。不溶物をセライト濾過により除去し、濾液を減圧にて濃縮することにより含フッ素多官能ケイ素化合物F(1.70g)を得た。この化合物FのNMRを測定したところ、下記構造の化合物が得られていることを確認した。
Figure 0005286289
H NMR[CO(CD] δ 0.61(m,4H),1.18(t,J=7.05Hz,18H),1.63(m,4H),3.17(m,4H),3.81(q,J=7.05Hz,12H),4.73(t,J=14.3,4H),4.89(t,J=13.1,32.4H),6.42(bs,16.3H),6.78(bs,2H)
実施例7
ペルフルオロジエン3(0.800g,2.0mmol)、含フッ素ジオール5(0.577g,2.2mmol)および炭酸カリウム(0.69g,5.0mmol)をメチルエチルケトン(10ml)中、室温にて50時間撹拌した。上澄み液を少量濃縮してNMRを測定したところ、(i−49)[L=(L−4)]の構造を有すること、およびxの平均値は7.6であることを確認した。
Figure 0005286289
上記反応液に(VII−2)(0.12g,0.49mmol)および炭酸カリウム(0.1g,0.72mmol)加え、さらに3時間撹拌した。不溶物をセライト濾過により除去し、濾液を減圧にて濃縮することにより含フッ素多官能ケイ素化合物G(1.38g)を得た。この化合物GのNMRを測定したところ、下記構造の化合物が得られていることを確認した。
Figure 0005286289
H NMR[CO(CD] δ 0.62(m,4H),1.18(t,J=7.05Hz,18H),1.63(m,4H),3.16(m,4H),3.81(q,J=7.05Hz,12H),4.69(t,J=14.4,4H),4.84(t,J=13.2,30.1H),6.41(bs,15.2H),6.75(bs,2H)
実施例8
化合物(VII−2)の代わりに(VII−3)1.4g(6.4mmol)を使用した以外は、実施例1と同様に反応を行い、下記化合物H(1.8g)を得た。
Figure 0005286289
H NMR[CO(CD] δ 0.26(s,12H)、0.59(t,J=8.25,8H),1.18(t,J=7.1Hz,24H),1.62(m,8H),3.15(m,8H),3.80(t,J=7.1Hz,16H),4.63(t,J=13.8,8H),6.73(bs,4H)
19F NMR[CO(CD] δ −66.34(8F),−86.37(8F),−124.23(t,J=13.8,8F)
MARDI−MS Found:m/z=1691.45(M+Na)、Calcd.:m/z=1691.46(M+Na)
実施例9:含フッ素多官能ケイ素化合物A〜Gおよび含フッ素ケイ素化合物I、Jの評価
Figure 0005286289
(塗布液の作製)
オルトチタン酸エチル(0.05g)およびアセチルアセトン(0.044g)のエタノール(30ml)溶液を室温にて10分間撹拌した後、水(0.01ml)を加え、さらに室温にて1時間撹拌し、触媒液を調製した。
この溶液に含フッ素多官能ケイ素化合物A(0.5g)のメチルエチルケトン(25ml)溶液および水(0.75ml)を加え、室温にて4時間撹拌し、一晩静置することにより溶液Aを作成した。また、化合物Aの代わりに化合物B〜G、I、Jを用いた以外は同様の方法で溶液B〜G、I、Jを作成した。
(処理基材の作製)
溶液A 150μlを5cm×5cmのガラス板にスピンコート(回転数:2000rpm、回転時間:20s)し、150℃で30分間加熱し、処理基材Aを作成した。基板上に形成された膜厚は約0.1μmだった。また、溶液Aの代わりにB〜G、I、Jを用いた以外は同様の方法にて処理基材B〜G、I、Jを作成した。
(撥水性の評価)
処理基材A〜G、I、Jの水接触角を協和界面科学株式会社製 全自動接触角計(DM700)を用いて測定した。結果を表1に示す。
(滑水性の評価)
処理基材A〜G、I、Jに水50μlを滴下し、その転落角を協和界面科学株式会社製 全自動接触角計(DM700)を用いて測定した。結果を表1に示す。
(耐擦傷性の評価)
日本スチールウール社製スチールウール#0000を用いて、200g/cmの荷重で10往復擦った後に傷の付き方(◎:傷無し、○:傷10本以下、△:傷10〜30本、×:傷30本以上)を目視で判定した。結果を表1に示す。
Figure 0005286289
なお、上記実施例3〜7は、「実施例」とあるのを「参考例」に読み替えるものとする。また、上記処理基材C〜Gは、「本発明」とあるのを「参考例」に読み替えるものとする。
上記結果より、本発明の含フッ素多官能ケイ素化合物は、従来の含フッ素ケイ素化合物と比べて撥水性は劣るものの、滑水性や耐擦傷性に優れたコート材料の原料となり得ることがわかる。
本発明の含フッ素多官能ケイ素化合物は、高い撥水性を有し、かつ耐擦傷性および滑水性の優れた材料の原料として有用であり、簡便で環境に優しい製造方法により製造可能である。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2008年2月12日出願の日本特許出願(特願2008−30698)に基づくものであり、それらの内容はここに参照して組み込まれる。

Claims (7)

  1. 下記一般式(I)で表される含フッ素多官能ケイ素化合物。
    Figure 0005286289

    (式中、Qは(n+m)価のエーテル性酸素原子を有してもよいペルフルオロアルキル基を示し、Rf1およびRf2はそれぞれ独立にフッ素原子、水素原子、または少なくとも1つのフッ素原子を有する炭素数1〜10のアルキル基を示し、R1は水酸基、イソシアネート基、ハロゲン原子、アルコキシ基、またはアシルオキシ基を示し、R2は水素原子または炭化水素基を示し、kは0または1を示し、nは2以上の整数を示し、mは0以上の整数を示し、(n+m)は3以上6以下の整数かつmは3以下の整数を示し、aは1〜6の整数を示し、bは1〜3の整数を示す。)
  2. 前記一般式(I)において、Rf1およびRf2がそれぞれ独立にフッ素原子又は炭素数1〜10のペルフルオロアルキル基を示し、kが1を示すことを特徴とする請求項1記載の含フッ素多官能ケイ素化合物。
  3. 下記一般式(i)で示される含フッ素アルコールと下記一般式(VII)で示されるイソシアネートを塩基性条件下反応させて得られたことを特徴とする請求項1又は2に記載の含フッ素多官能ケイ素化合物。
    Figure 0005286289

    (式中、Qは(n+m)価のエーテル性酸素原子を有してもよいペルフルオロアルキル基を示し、Rf 1 およびRf 2 はそれぞれ独立にフッ素原子、水素原子、または少なくとも1つのフッ素原子を有する炭素数1〜10のアルキル基を示し、R 1 は水酸基、イソシアネート基、ハロゲン原子、アルコキシ基、またはアシルオキシ基を示し、R 2 は水素原子または炭化水素基を示し、kは0または1を示し、nは2以上の整数を示し、mは0以上の整数を示し、(n+m)は3以上6以下の整数かつmは3以下の整数を示し、aは1〜6の整数を示し、bは1〜3の整数を示す。)
  4. 前記含フッ素アルコールは、一般式(i−1)〜(i−21)から選択されることを特徴とする請求項3に記載の含フッ素多官能ケイ素化合物。
    Figure 0005286289

    Figure 0005286289
  5. 下記一般式(i)で表される(n+m)価の含フッ素アルコールと一般式(VII)で表されるイソシアネートを塩基性条件下反応させることを特徴とする下記一般式(I)で表される含フッ素多官能ケイ素化合物の製造方法。
    Figure 0005286289

    Figure 0005286289

    (式中、Qは(n+m)価のエーテル性酸素原子を有してもよいペルフルオロアルキル基を示し、Rf1およびRf2はそれぞれ独立にフッ素原子、水素原子、または少なくとも1つのフッ素原子を有する炭素数1〜10のアルキル基を示し、R1は水酸基、イソシアネート基、ハロゲン原子、アルコキシ基、またはアシルオキシ基を示し、R2は水素原子または炭化水素基を示し、kは0または1を示し、nは2以上の整数を示し、mは0以上の整数を示し、(n+m)は3以上6以下の整数かつmは3以下の整数を示し、aは1〜6の整数を示し、bは1〜3の整数を示す。)
  6. 前記含フッ素アルコールは、一般式(i−1)〜(i−21)から選択されることを特徴とする請求項5に記載の含フッ素多官能ケイ素化合物の製造方法。
    Figure 0005286289

    Figure 0005286289
  7. 基材上に、請求項1〜のいずれか1項に記載の含フッ素多官能ケイ素化合物を含む組成物から形成される膜を有することを特徴とする処理基材。
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