JP5731037B1 - 含フッ素シラン化合物 - Google Patents
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- 0 C*C(N(*)*C)=O Chemical compound C*C(N(*)*C)=O 0.000 description 7
Abstract
Description
[1] 下記一般式(1)で示されるペルフルオロアミン構造を有する含フッ素シラン化合物。
また、上記式(1)中、Xは炭素数2〜10の炭化水素基であって、エーテル結合、CO−NH結合およびO−CO−NH結合から選択される1種以上の結合を含んでいてもよい。
さらに、上記式(1)中、R1 及びZはアルコキシ基またはハロゲン基である(ただし、aは0〜3の整数)。
先ず、本実施形態の含フッ素シラン化合物の構成について説明する。
本実施形態の含フッ素シラン化合物は、分子内に含窒素ペルフルオロアルキル基とアルコキシシリル基とをそれぞれ1以上有する構造であれば、特に限定されるものではない。
本実施形態の含フッ素シラン化合物の構成としては、具体的には、下記一般式(1)で表すことができる。
なお、下記式(18)〜(65)中、Rはメチル基またはエチル基である。
次に、本実施形態の含フッ素シラン化合物の製造方法の一例について説明する。
本実施形態の含フッ素シラン化合物の製造方法は、下記一般式(66)で示される含窒素ペルフルオロアルキル基を有するカルボン酸ハロゲン化物をアルコールに還元した後、金属触媒の存在下でイソシアネートと反応させることによって得られる。
この場合には、例えば、以下の2段階の反応によって合成することが可能である。
上記式(66)に示すカルボン酸ハロゲン化物を、例えば、水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4)や水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)等に代表される還元剤を溶解または分散させた有機溶媒中に滴下して、還元反応させる。この還元反応によって、下記式(67)に示すアルコールを得る。
上述の還元反応により得られた上記式(67)に示すアルコールと、イソシアネート基を有するシランカップリング剤であるトリアルコキシシランとを有機溶媒中で反応させることにより、上記式(1)に示す含フッ素シラン化合物が得られる。
(アリルエーテル体の生成)
この場合には、先ず、上記ウレタン結合を有する化合物の場合と同様に、フルオロアルキル基を有するカルボン酸ハロゲン化物を還元して得られる上記式(67)に示すアルコールと、ハロゲン化アリル(例えば、臭化アリル、塩化アリル等)とを反応させることにより、下記一般式(68)に示すアリルエーテル体を得る。
次に、得られたアリルエーテル体とシラン化合物(例えば、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリクロロシラン等)とを反応(白金触媒を用いるヒドロシリル化反応)させることにより、上記式(1)に示す含フッ素シラン化合物が得られる。
(アリルアミド体の生成)
この場合には、先ず、上記式(66)で示される含窒素ペルフルオロアルキル基を有するカルボン酸ハロゲン化物とアリルアミン(例えば、アリルアミン、N−メチルアリルアミン等)とを反応させることにより、下記一般式(69)に示すアリルアミド体を得る。なお、下記一般式(69)中に示されるRは、(Rは水素原子または炭素数1から6の炭化水素基等)である。
次に、得られたアリルアミド体とシラン化合物(例えば、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリクロロシラン等)とを反応(白金触媒を用いるヒドロシリル化反応)させることにより、上記式(1)に示す含フッ素シラン化合物が得られる。
次に、含フッ素シラン化合物のフッ素系シランカップリング剤としての利用方法について説明する。
本実施形態の含フッ素シラン化合物はフッ素系シランカップリング剤として、そのまま、または他の成分として媒体などで希釈して用いることが可能である。
滴下ロートを備えた三口フラスコに、水素化ホウ素ナトリウム(14.1g)(東京化成株式会社製)とテトラヒドロフラン(310ml)とを投入した。滴下ロートに、(CH3CH2CH2CH2)2NCH2CH2CO2CH3の電解フッ素化によって得られる、(CF3CF2CF2CF2)2NCF2CF2COF(371.0g、純度70%)を入れ、室温で徐々に滴下した。
滴下ロートを備えた三口フラスコに、実施例1と同様にして得られるアルコール体(129、1g)と、t−ブタノール(129、0g)(東京化成株式会社製)、カリウムt−ブトキシド(32、3g)(和光純薬株式会社製)を投入した。滴下ロートに臭化アリル(53、6g)(和光純薬株式会社製)を入れ、0度で徐々に滴下した。
滴下ロートを備えた三口フラスコに、アリルアミン(19.4g)(和光純薬株式会社製)とジイソプロピルエーテル(200ml)とを投入した。滴下ロートに、(CH3)2NCH2CH(CH3)CO2CH3の電解フッ素化によって得られる、(CF3)2NCF2CF(CF3)COF(63.3g、純度50%)を入れ、0度で徐々に滴下した。
下記一般式(73)で示される含フッ素シラン化合物(東京化成社製、「トリメトキシ(1H、1H、2H、2H−ヘプタデカフルオロデシル)シラン」)を比較例1とした。
下記一般式(74)で示される含フッ素シラン化合物(東京化成社製、「トリエトキシ(1H、1H、2H、2H−ノナフルオロヘキシル)シラン」)を比較例2とした。
「シランカップリング剤としての撥水性評価」
上記実施例1〜3にて合成した含フッ素シラン化合物のシランカップリング剤としての撥水性評価を行うため、上記比較例1〜2とともに水を付着させた際の接触角測定を行った。なお、被処理物にはスライドガラスを用い、上記含フッ素シラン化合物をAK−225(旭硝子株式会社製)に2質量%溶解させたものに浸漬塗布し、80度で1時間乾燥させることにより、評価部材を得た。また、接触角測定は、協和界面科学社製、CA−A型接触角計を用い、水の液滴量は20μlとし、表面処理部材上の任意の5点で接触角を測定し、その平均値を算出した。評価結果を下記表1に示す。
上記実施例1〜3にて合成した含フッ素シラン化合物のシランカップリング剤としての油性ペン(内田洋行社製、「マジックインキ」)のはじき性評価を行うため、上記比較例1〜2とともに油性ペンを付着させた際のはじき性を評価した。なお、評価部材は上記撥水性評価部材と同様にして調整し、油性ペンを用いて部材表面に長さ1cmの直線を書き、そのはじきやすさを以下の基準に従って目視により評価した。評価結果を下記表1に示す。
○:はじきが見られる
△:部分的にはじく
×:全くはじかない
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