JP5899140B2 - 重合性含フッ素化合物、硬化性組成物、膜、離画壁、反射防止フィルム、及び表示装置 - Google Patents
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Description
従来、カラーフィルタの製造方法としては、染色法、顔料分散法、電着法、印刷法などが実施されているが、これらの方法はいずれも、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色画素を形成するために、同一の工程を3回繰り返す必要があり、コスト高になる点で共通している。さらに、工程数が多いため、歩留まりが低下しやすいという問題もある。
また、インクジェット方式はカラーフィルタの製造に限らず、エレクトロルミネッセンス素子など、他の光学素子の製造にも応用が可能である。
また、本発明の別の目的は、上記重合性含フッ素化合物を含む硬化性組成物、該硬化性組成物を硬化して得られる膜、離画壁、反射防止フィルム、及び表示装置を提供することにある。
<1>
下記一般式(I)で表される重合性含フッ素化合物。
一般式(I)中、
X 1 〜X 4 は、各々独立に、−NR 1 −又は−O−を表す。
R 1 は、水素原子、アルキル基、又は下記一般式(2)で表される基を表す。
L 1 は、単結合又は(p1+1)価の直鎖、分岐、若しくは環状の炭化水素基、芳香族環基、酸素原子、又はこれらを組み合わせて得られる連結基を表す。
L 2 は、単結合又は(p2+1)価の直鎖、分岐、若しくは環状の炭化水素基、芳香族環基、酸素原子、又はこれらを組み合わせて得られる連結基を表す。
L 3 は、単結合又は(p3+1)価の直鎖、分岐、若しくは環状の炭化水素基、芳香族環基、酸素原子、又はこれらを組み合わせて得られる連結基を表す。
L 4 は、単結合又は(p4+1)価の直鎖、分岐、若しくは環状の炭化水素基、芳香族環基、酸素原子、又はこれらを組み合わせて得られる連結基を表す。
ただし、上記L 1 〜L 4 の炭化水素基及び芳香族環基は、アルキル基、アリール基、アルキルチオアリール基、フッ素原子、塩素原子、炭素数1〜10のフッ素原子を有するアルキル基、又は−CF 2 −O−(CF 2 ) m1 Fで表される基を置換基として有していてもよい。m1は1〜10の整数を表す。
Q 1 〜Q 4 は、各々独立に、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基、又はエポキシ基を表す。
p1〜p4は、各々独立に、1〜3の整数を表す。
一般式(2)中、
R 21 及びR 22 は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表す。
Q 21 は、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基、又はグリシジル基を表す。
mは繰り返し単位の繰り返し数を表し、1〜10の整数を表す。
*は窒素原子との結合手を表す。
<2>
p1〜p4が、各々独立に、2又は3を表す<1>に記載の重合性含フッ素化合物。
<3>
L 1 〜L 4 が、各々独立に、下記一般式(LL−1)〜(LL−24)のいずれかで表される連結基である<1>又は<2>に記載の重合性含フッ素化合物。
一般式(LL−1)〜(LL−24)中、
nは繰り返し単位の繰り返し数を表し、各々独立に、0〜10の整数を表す。
Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。
*はX 1 〜X 4 との結合手を表し、**はQ 1 〜Q 4 との結合手を表す。
<4>
X 1 〜X 4 が各々独立に、−NR 1 を表す<1>〜<3>のいずれか1項に記載の重合性含フッ素化合物。ただし、R 1 は、水素原子、アルキル基、又は前記一般式(2)で表される基を表す。
<5>
<1>〜<4>のいずれか1項に記載の重合性含フッ素化合物を含む硬化性組成物。
<6>
更に、開始剤、バインダー、及びエチレン性不飽和二重結合基を有する化合物を含む<5>に記載の硬化性組成物。
<7>
<5>又は<6>に記載の硬化性組成物を硬化して得られる膜。
<8>
<7>に記載の膜を有する離画壁。
<9>
<7>に記載の膜を有する反射防止フィルム。
<10>
<8>に記載の離画壁又は<9>に記載の反射防止フィルムを有する表示装置。
なお、本発明は上記<1>〜<10>に記載の構成を有するものであるが、以下その他についても参考のため記載した。
下記一般式(I)で表される重合性含フッ素化合物。
X1〜X4は、各々独立に、−NR1−又は−O−を表す。
R1は、水素原子、アルキル基、又は重合性基を有する基を表す。
L1は、単結合又は(p1+1)価の連結基を表す。
L2は、単結合又は(p2+1)価の連結基を表す。
L3は、単結合又は(p3+1)価の連結基を表す。
L4は、単結合又は(p4+1)価の連結基を表す。
Q1〜Q4は、各々独立に、重合性基を有する基を表す。
p1〜p4は、各々独立に、1〜3の整数を表す。
[2]
Q1〜Q4が、各々独立に、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基、又はエポキシ基を表す[1]に記載の重合性含フッ素化合物。
[3]
p1〜p4が、各々独立に、2又は3を表す[1]又は[2]に記載の重合性含フッ素化合物。
[4]
L1〜L4が、各々独立に、直鎖、分岐、若しくは環状の炭化水素基、芳香族環基、酸素原子、又はこれらを組み合わせて得られる連結基である[1]〜[3]のいずれかに記載の重合性含フッ素化合物。
ただし、上記炭化水素基及び芳香族環基は、アルキル基、アリール基、アルキルチオアリール基、フッ素原子、塩素原子、炭素数1〜10のフッ素原子を有するアルキル基、又は−CF2−O−(CF2)m1Fで表される基を置換基として有していてもよい。m1は1〜10の整数を表す。
[5]
L1〜L4が、各々独立に、下記一般式(LL−1)〜(LL−24)のいずれかで表される連結基である[1]〜[4]のいずれかに記載の重合性含フッ素化合物。
nは繰り返し単位の繰り返し数を表し、各々独立に、0〜10の整数を表す。
Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。
*はX1〜X4との結合手を表し、**はQ1〜Q4との結合手を表す。
[6]
X1〜X4が各々独立に、−NR1を表す[1]〜[5]のいずれかに記載の重合性含フッ素化合物。ただし、R1は、水素原子、アルキル基、又は重合性基を有する基を表す。
[7]
R1は、水素原子、アルキル基、又は下記一般式(2)で表される基である[6]に記載の重合性含フッ素化合物。
R21及びR22は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表す。
Q21は、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、又はアリル基、又はグリシジル基を表す。
mは繰り返し単位の繰り返し数を表し、1〜10の整数を表す。
*は窒素原子との結合手を表す。
[8]
[1]〜[7]のいずれかに記載の重合性含フッ素化合物を含む硬化性組成物。
[9]
更に、開始剤、バインダー、及びエチレン性不飽和二重結合基を有する化合物を含む[8]に記載の硬化性組成物。
[10]
[8]又は[9]に記載の硬化性組成物を硬化して得られる膜。
[11]
[10]に記載の膜を有する離画壁。
[12]
[10]に記載の膜を有する反射防止フィルム。
[13]
[11]に記載の離画壁又は[12]に記載の反射防止フィルムを有する表示装置。
本発明の重合性含フッ素化合物は、下記一般式(I)で表される。
X1〜X4は、各々独立に、−NR1−又は−O−を表す。
R1は、水素原子、アルキル基、又は重合性基を有する基を表す。
L1は、単結合又は(p1+1)価の連結基を表す。
L2は、単結合又は(p2+1)価の連結基を表す。
L3は、単結合又は(p3+1)価の連結基を表す。
L4は、単結合又は(p4+1)価の連結基を表す。
Q1〜Q4は、各々独立に、重合性基を有する基を表す。
p1〜p4は、各々独立に、1〜3の整数を表す。
Q1〜Q4は、各々独立に、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基、又はエポキシ基を表すことが好ましく、重合反応性の観点から、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、又はアリル基がより好ましく、アクリロイル基、又はメタクリロイル基が更に好ましい。
上記m1は、合成の容易さと共存する他素材との相溶性の観点から、1〜8の整数が好ましく、1〜6の整数がより好ましく、1〜4の整数が更に好ましい。
上記アルキル基の炭素数は、合成の容易さと共存する他素材との相溶性の観点から、1〜10が好ましく、1〜6より好ましく、1〜4が更に好ましい。
上記アリール基の炭素数は、合成の容易さと硬化膜強度の観点から6〜16が好ましく、6〜10より好ましく、フェニル基又はナフチル基が更に好ましく、フェニル基が特に好ましい。
上記アルキルチオアリール基におけるアルキル基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜6より好ましく、1〜4が更に好ましい。上記アルキルチオアリール基におけるアリール基の炭素数は、6〜16が好ましく、6〜10より好ましく、フェニル基又はナフチル基が更に好ましく、フェニル基が特に好ましい。
上記炭素数1〜10のフッ素原子を有するアルキル基は、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基であることが好ましい。
nは繰り返し単位の繰り返し数を表し、各々独立に、0〜10の整数を表す。
Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。
*はX1〜X4との結合手を表し、**はQ1〜Q4との結合手を表す。
Rは、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、又は炭素数6〜16のアリール基が好ましく、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数6〜10のアリール基がより好ましく、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、又はフェニル基が更に好ましい。
R1は、水素原子、アルキル基(アルキル基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜4が更に好ましい)、又は下記一般式(2)で表される基であることが好ましい。
R21及びR22は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表す。
Q21は、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、又はアリル基、又はグリシジル基を表す。
mは繰り返し単位の繰り返し数を表し、1〜10の整数を表す。
*は窒素原子との結合手を表す。
mは1〜6の整数が好ましく、1〜3の整数がより好ましい。
Q21は、アクリロイル基、又はメタクリロイル基が好ましい。
上記一般式(I)で表される化合物の製造方法としては、特開2008−106036号公報に記載されている下記化合物(1)に対して、ヒドロキシル基を置換基として有するアミン化合物を反応させ(工程1)、得られた中間体のヒドロキシル基を重合性基に官能基変換すること(工程2)で合成することが出来る。
化合物(1)とアミン化合物の反応溶剤は特に限定しないが、反応時間短縮と反応生成物の純度及び収率の観点からは比較的極性の高い溶剤を用いることが好ましく、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、N−メチル−2−メチルピロリドン、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタートなどを用いることが出来る。
反応温度は使用する溶剤種にも依存するが室温〜200℃の範囲であり、反応時間短縮と反応生成物純度の観点から40℃〜120℃が好ましい。
反応の後処理で用いる抽出有機溶剤は特に限定しないが、酢酸エチル、トルエン、ジエチルエーテル、ヘキサンなどが用いられる。未反応物の除去や分液性の向上を目的として塩化ナトリウムなどの無機塩や塩酸や硫酸などの酸成分を添加してもよい。
工程2において重合性基を導入する反応では、アクリル酸クロリド、メタクリル酸クロリド、アクリル酸無水物、メタクリル酸無水物、アリルクロリド、アリルブロミド、2−クロロエチルビニルエーテル、2−ブロモエチルメチルエーテルなどを用いることが出来る。
反応溶剤は特に限定しないが、反応時間短縮と反応生成物の純度及び収率の観点からは比較的極性の高い溶剤を用いることが好ましく、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、N−メチル−2−メチルピロリドン、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタートなどを用いることができる。反応は塩基性条件下で行うことが好ましく、トリエチルアミンやピリジンなどの有機塩基や炭酸カリウムや水酸化ナトリウムなどの無機塩基を用いることが出来る。
反応温度は特に限定しないが、0〜100℃の範囲が好ましい。
また反応中に重合性基が重合反応を起こすことを抑制するため、ハイドロキノンモノメチルエーテルやベンゾキノン、ジブチルヒドロキシトルエンなどの重合禁止剤を添加することが好ましい。反応の後処理で用いる抽出有機溶剤は特に限定しないが、酢酸エチル、トルエン、ジエチルエーテル、ヘキサンなどが用いられる。
未反応物の除去や分液性の向上を目的として塩化ナトリウムなどの無機塩や塩酸や硫酸などの酸成分を添加してもよい。
ヒドロキシル基を置換基として有するアミン化合物の具体例を以下に示すが、これらに限定されない。
本発明の硬化性組成物は、前記一般式(I)で表される重合性含フッ素化合物を含む硬化性組成物である。前記一般式(I)で表される重合性含フッ素化合物は架橋剤(硬化促進剤)として機能することができる。
上記硬化性組成物を硬化して得られる膜は、高い撥水及び撥インク性を有し、基材との密着性に優れ、混色防止性に優れ、表示装置に用いた際に表示ムラが少ない、カラーフィルターの離画壁を形成することができる。
上記硬化性組成物は、開始剤、バインダー、及びエチレン性不飽和二重結合基を有する化合物を含むことが好ましい。
本発明の重合性含フッ素化合物は、他の成分(特に架橋剤として機能するエチレン性不飽和二重結合基を有する化合物等)との相溶性が高いため、上記硬化性組成物を用いて基板上に膜を形成した場合、該膜と基板との密着性が高い。
本発明の硬化性組成物は、開始剤の少なくとも1種を用いることにより感光性を有する構成とすることができる。
硬化性組成物を硬化させる方法としては、熱開始剤を用いる熱開始系や光開始剤を用いる光開始系が一般的であるが、本発明では硬化後の離画壁を後述するような形状とすることが重要であることから、光開始系を用いることが好ましい。
好ましい開始剤の具体例は、特開2008−202006号公報の[0062]〜[0066]に記載されたものと同様である。
開始剤(特に光重合開始剤)の硬化性組成物における総量としては、硬化性組成物の全固形分(質量)の0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%が特に好ましい。前記総量が前記範囲内であると、硬化性組成物の光硬化を効率良く行なえ、現像の際に欠落や表面荒れの発生のない画像パターンを得ることができる。
前記水素供与体は、単独で又は2種以上を混合して使用することができ、形成された画像が現像時に永久支持体上から脱落し難く、かつ強度及び感度も向上させ得る点で、1種以上のメルカプタン系水素供与体と1種以上のアミン系水素供与体とを組合せて使用することが好ましい。
メルカプタン系化合物、アミン系化合物、及びこれらの組合せの具体例は、特開2008−202006号公報の[0070]〜[0074]に記載されたものと同様である。
本発明の硬化性成物は、バインダーの少なくとも1種を用いて好適に構成することができる。
バインダーとしては、側鎖にカルボン酸基やカルボン酸塩基などの極性基を有するポリマーが好ましい。その例としては、特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報、及び特開昭59−71048号公報に記載の、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等を挙げることができる。また、側鎖にカルボン酸基を有するセルロース誘導体も挙げることができる。また、このほかに水酸基を有するポリマーに環状酸無水物を付加したものも好ましく使用することができる。
本発明の硬化性組成物は、エチレン性不飽和化合物の少なくとも1種を用いることにより感光性を有する構成とすることができる。エチレン性不飽和結合基を複数有する化合物は架橋剤(硬化促進剤)として機能することができる。エチレン性不飽和化合物としては、下記化合物を単独で又は他のモノマーとの組合わせて使用することができる。
これらのうち、特に好ましいのは、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートである。
本発明の硬化性樹脂組成物は、色材の少なくとも1種を用いて構成することができる。
色材としては、公知の着色剤(染料、顔料など)を使用することができ、具体的には、特開2005−17716号公報[0038]〜[0054]に記載の顔料及び染料や、特開2004−361447号公報[0068]〜[0072]に記載の顔料、特開2005−17521号公報[0080]〜[0088]に記載の着色剤などを好適に用いることができる。
顔料を用いる場合は、硬化性組成物中に均一に分散されていることが好ましい。
硬化性組成物には、前記成分の他に、下記の溶剤、界面活性剤、熱重合防止剤、紫外線吸収剤等、及び特開平11−133600号公報に記載の「接着助剤」その他の添加剤等の他の成分を添加してもよい。
本発明における硬化性組成物においては、上記成分の他に、更に溶剤を用いてもよい。溶剤の例としては、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、メチルイソブチルケトン、乳酸エチル、乳酸メチル、カプロラクタム等を挙げることができる。
本発明の硬化性組成物においては、均一な膜厚に制御でき、塗布ムラを効果的に防止する観点から、該樹脂組成物中に適切な界面活性剤を含有させることが好ましい。
界面活性剤としては、特開2003−337424号公報、特開平11−133600号公報に開示されている界面活性剤が好適なものとして挙げられる。
本発明における硬化性組成物は、熱重合防止剤を含むことが好ましい。
熱重合防止剤の例としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンズイミダゾール、フェノチアジン等が挙げられる。
本発明における硬化性組成物には、必要に応じて紫外線吸収剤を含有することができる。紫外線吸収剤としては、特開平5−72724号公報に記載の化合物、並びにサリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、ニッケルキレート系、ヒンダードアミン系などが挙げられる。
紫外線吸収剤の具体例は、特開2008−202006号公報の[0093]に記載されたものと同様である。
また、本発明の重合性含フッ素化合物、硬化性組成物、及び膜は、上記以外の用途にも用いることができ、例えば、光ファイバー、光導波路、レンズ材料、体積ホログラム、ホログラムメモリー材料、コーティング材料、ナノインプリントモノマー、表面改質剤、工業用チューブ材料、シール材料及び固体高分子燃料電池電解質膜等に好適に用いることができる。
本発明において、透明支持体(基板)としては、ガラス、セラミック、合成樹脂フィルム等を使用することができる。特に好ましくは、透明性で寸度安定性の良好なガラスや合成樹脂フィルムが挙げられる。
本発明の離画壁の形成方法は、特開2008−202006号公報の[0104]〜[0127]に記載されたものと同様である。
離画壁の形状は、特開2006−154804号公報の[0054]〜[0055]に記載の形状が、本発明においても好適である。
本発明の表示装置は、本発明の離画壁又は反射防止フィルムを有する。
表示装置としては、液晶表示装置、プラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置などの表示装置などが挙げられる。
例示化合物(HMM−1)の合成
下記合成スキームの通りに合成した。
トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン11.78gにジメチルアセトアミド135mLを加えて60℃に加熱溶解した。28℃に放冷後、特開2008−106036号に記載の化合物(1)14.79gとジメチルアセトアミド30mLを加え、室温にて10日間反応させた。酢酸エチル500mL、25wt%塩化ナトリウム水溶液450mL、濃塩酸15mLを加えて抽出、分液操作を行った。水層を廃棄した後、25wt%塩化ナトリウム水溶液450mL、濃塩酸20mLを加えて抽出、分液操作を行った。水層を廃棄した後、25wt%塩化ナトリウム水溶液450mLで有機層を2回洗浄した後、7.5wt%炭酸水素ナトリウム水溶液200mLと25wt%塩化ナトリウム水溶液200mLを加えて抽出、分液操作を行った。水層を廃棄した後、25wt%塩化ナトリウム水溶液400mLを加えて抽出、分液操作を行い、有機層に硫酸マグネシウムを加えて室温にて30分放置した。硫酸マグネシウムをろ過で除いた後、溶媒を留去することで化合物(2)7.15gを得た。
化合物(2)7.08gにアセトニトリル70mL、ハイドロキノンモノメチルエーテル3.79mg、炭酸カリウム23.14g、更にアセトニトリル20mLを加えた。この溶液にアクリル酸クロリド7.58gを滴下し、アセトニトリル10mLを加えた。室温で5時間かくはんした後、一晩放置した。酢酸エチル150mL、水100mL、濃塩酸50mL、塩化ナトリウム15gを加えて抽出、分液操作を行った。水層を廃棄した後、25wt%塩化ナトリウム水溶液100mLを加えて抽出、分液操作を行う作業を2回繰り返した。7.5wt%炭酸水素ナトリウム水溶液100mL、25wt%塩化ナトリウム水溶液50mLを加えて抽出、分液操作を行った。水層を廃棄した後、有機層に15wt%炭酸カリウム水溶液150mLを加えて室温で25分かくはんした。分液操作で水層を廃棄した後、5wt%炭酸カリウム水溶液100mLを加えて抽出、分液操作を行った。水層を廃棄した後、5wt%塩化ナトリウム水溶液100mLを加えて抽出、分液操作を行った。水層を廃棄した後、5wt%塩化ナトリウム水溶液150mLを加えて抽出、分液操作を行った。水層を廃棄した後、得られた有機層に硫酸マグネシウムを加えて室温にて25分放置した。硫酸マグネシウムをろ過で除いた後、溶媒残量が100mL程度になるまで溶媒を留去した。中性活性アルミナ5gを添加して室温で30分かくはんし、更に硫酸マグネシウム5gを加えて室温で30分かくはんした。中性活性アルミナと硫酸マグネシウムをろ過で除いた後、ハイドロキノンモノメチルエーテル5.35mgを加えて溶媒を留去した。得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、例示化合物(HMM−1)0.94gを得た。
1H NMR(300MHz,CDCl3) δ4.56(s,24H),5.92(dd,J=1.2Hz,10.4Hz,12H),6.11(dd,J=10.4Hz,17.1Hz,12H),6.44(dd,J=1.2Hz,17.1Hz,12H),7.35(s,4H).19F NMR(282MHz,CDCl3) δ−121.96,−84.14,−65.88.
−感光性樹脂組成物K1の調製−
下記表1に記載の量のK顔料分散物1およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを、それぞれはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpmにて10分間攪拌し、次いで、表1に記載の量のメチルエチルケトン、バインダー2、ハイドロキノンモノメチルエーテル、硬化促進剤〔DPHA液、及び本発明の化合物HMM−1(25%2−ブタノン溶液)〕、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチル)アミノ−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン、界面活性剤1をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150rpmにて30分間攪拌することにより、感光性樹脂組成物K1を調製した。
このとき、HMM−1の感光性樹脂組成物K1中における固形分質量に対する割合は5%であった。なお、表1に記載の量は質量部であり、表1に記載の各成分は、詳しくは以下の組成となっている。
・カーボンブラック(デグッサ社製 Nipex35) ・・・・13.1%
・下記分散剤1 ・・・・0.65%
・ポリマーA(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、分子量3.7万)
・・・・6.72%
・ポリマーB(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、分子量3.7万)
・・・・6.72%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・79.53%
・ポリマーC(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=78/22[モル比])のランダム共重合物、分子量3.8万)
・・・27%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・73%
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合禁止剤MEHQ 500ppm含有、日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA)
・・・76%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・24%
・下記構造物1 ・・・30%
・メチルエチルケトン ・・・70%
−離画壁の形成−
無アルカリガラス基板を、UV洗浄装置で洗浄後、洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、更に超純水で超音波洗浄した。基板を120℃3分熱処理して表面状態を安定化させた。
このガラス基板を冷却し23℃に温調した後、スリット状ノズルを有すガラス基板用コーター(エフ・エー・エス・アジア社製、商品名:MH−1600)にて、前記感光性樹脂組成物K1を塗布した。引き続き、VCD(真空乾燥装置、東京応化工業社製)で30秒間、溶媒の一部を乾燥して塗布層の流動性を無くした後、120℃3分間プリベークして膜厚2.3μmの感光性樹脂組成物層K1を得た(感光性樹脂層形成工程)。
次に、超高圧水銀灯を有すプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング株式会社製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と感光性樹脂組成物層K1の間の距離を200μmに設定し、窒素雰囲気下、露光量300mJ/cm2でパターン露光した(露光工程)。
なお、離画壁の基板密着性及び離隔壁の撥水・撥インク性については後述する。
(1)画素用着色インク組成物の調製
下記の組成のうち、まず顔料、高分子分散剤、及び溶剤を混合し、3本ロールとビーズミルを用いて顔料分散液を得た。その顔料分散液をディソルバー等で充分に攪拌しながら、その他の材料を少量ずつ添加し、赤色(R)画素用着色インク組成物を調製した。
・顔料(C.I.ピグメントレッド254) ・・・・5部
・ソルスパース24000(AVECIA社製;高分子分散剤) ・・・・1部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28[モル比])のランダム共重合物(分子量:3.7万、バインダー)
・・・・3部
・エピコート154(油化シェル社製;ノボラック型エポキシ樹脂、)・・・・2部
・ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(エポキシ樹脂) ・・・・5部
・トリメリット酸(硬化剤) ・・・・4部
・3−エトキシプロピオン酸エチル(溶剤) ・・・80部
次に、前記R、G、Bの各画素用着色インク組成物を用いて、上記で得られた離画壁付き基板の離画壁で区画された領域内(離画壁で取り囲まれた凹部)に、インクジェット方式の記録装置を用いて所望の濃度になるまでインク組成物の吐出を行ない、R、G、Bのパターン(着色画素)からなるカラーフィルタを作製した。続いて、このカラーフィルタを230℃オーブン中で30分間ベークし、離画壁及び各画素がともに完全に硬化されたカラーフィルタを得た。
上記より得たカラーフィルタのR画素、G画素、及びB画素並びに離画壁の上に、更にITO(Indium Tin Oxide)の透明電極を250℃でスパッタリング(蒸着温度;250℃、アニール無し)により形成した。表2に示す「スパッタ温度」は、蒸着温度である。
このITOの抵抗を測定(三菱化学(株)製の「ロレスタ」を用いて四探針法でシート抵抗を測定)したところ80Ω/□(Ω/sq.)であった。
得られたカラーフィルタ基板を下記のように評価した。評価結果は下記表2に示す。
カラーフィルタの画素が形成された側と反対側から200倍の光学顕微鏡で目視観察し、画素間の混色の有無を観察した。評価は、1000画素を観察して下記ランクに分けて行なった。許容範囲は、Aランク及びBランクである。
・Aランク:混色は全くなかった。
・Bランク:混色は1〜2箇所であった。
・Cランク:混色は3〜10箇所であった。
・Dランク:混色は11箇所以上であった。
−柱状スペーサパターンの形成−
スペーサパターン形成用の下記感光性樹脂層用塗布液を、上記と同様のスリットコーターにより前記カラーフィルタのITO上に塗布し、乾燥させて、感光性樹脂層SP1を形成した。
・メタクリル酸/アリルメタクリレート共重合体(モル比=20/80、分子量40000;高分子物質)
・・・・・・108部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート ・・・・・64.7部
(重合性モノマー)
・2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔4’−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチル)アミノ−3’−ブロモフェニル〕−s−トリアジン
・・・・・6.24部
・ハイドロキノンモノメチルエーテル ・・・0.0336部
・ビクトリアピュアブルーBOHM(保土ヶ谷化学社製) ・・・・0.874部
・メガファックF780F(大日本インキ化学工業(株)製;界面活性剤)
・・・・0.856部
・メチルエチルケトン ・・・・・・328部
・1−メトキシ−2−プロピルアセテート ・・・・・・475部
・メタノール ・・・・・16.6部
続いて、230℃で30分間ベークし、ガラス基板上のITO膜の上の離画壁の上部に位置する部分に直径16μm、平均高さ3.7μmの柱状スペーサパターンを形成した。その上に更にポリイミドよりなる配向膜を設けた。
下記の突起用感光性樹脂層用塗布液を、上記と同様のスリットコーターにより前記カラーフィルタ基板のITO上に塗布し、乾燥させて突起用感光性樹脂層を形成した。次に、突起用感光性樹脂層上に下記処方P1から中間層用塗布液を塗布し、乾燥膜厚1.6μmの中間層を設けた。
・ポジ型レジスト液 ・・・53.3部
(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製、FH−2413F)
・メチルエチルケトン ・・・46.7部
・前記界面活性剤1 ・・・0.04部
・PVA205(ポリビニルアルコール、クラレ(株)製、鹸化度=88%、重合度550)
・・・32.2部
・ポリビニルピロリドン ・・・14.9部
(アイエスピー・ジャパン(株)製、K−30)
・蒸留水 ・・・・524部
・メタノール ・・・・429部
(1)離画壁の撥水・撥インク性
上記と同様にして形成した感光性樹脂組成物層K1に対し、マスクを使用しない以外は上記と同様の方法で露光し、その後ポストベーク処理(加熱処理工程)までの操作を同様の条件で行なってテスト用感光性樹脂組成物層を得た。そして、このテスト用感光性樹脂組成物層をポストベーク処理後1時間室温にて放冷した後、接触角測定器(協和界面科学(株)製の接触角計CA−A)を用いて、前記R画素用着色インク組成物を20メモリの大きさの液体試料(インク試料)として針先から出し、テスト用感光性樹脂組成物層に接触させることにより、テスト用感光性樹脂組成物層上にR画素用着色インク組成物の液滴(インク滴)を形成した。そして、このインク滴の形状を接触角計の覗き穴から観察し、25℃下、着滴から10秒放置後のインク滴のインク接触角θ1を求めた。
また、接触角を測定したインク滴を水滴に変更し、同様の手順で水接触角θ2を測定した。
ポストベーク後の値を撥水・撥インク性を評価する指標とし、下記評価基準にしたがって評価した。許容範囲は、Aランク及びBランクである。評価結果は下記表2に示す。
・Aランク:インク接触角≧50°、水接触角≧100°
・Bランク:インク接触角≧40°、水接触角≧90°
・Cランク:インク接触角≧35°、水接触角≧80°
・Dランク:インク接触角<35°、水接触角<80
上記「離画壁の形成」において同条件で露光工程までを終了したガラス基板3枚を用意し、現像時間を90秒、130秒、180秒と長くして処理を行なったこと以外は同様の現像条件にて現像処理し、それぞれの現像時間での離画壁の欠けの発生の有無を、1000画素分目視により下記評価基準にしたがって評価した。許容範囲は、Aランク及びBランクである。評価結果は下記表2に示す。
・Aランク:離画壁欠けは全くなかった。
・Bランク:離画壁欠けは1〜2箇所であった。
・Cランク:離画壁欠けは3〜10箇所であった。
・Dランク:離画壁欠けは11箇所以上であった。
上記で作製した液晶表示装置について、グレイのテスト信号を入力させたときのグレイ表示を目視にて観察し、表示ムラの発生の有無を下記評価基準にしたがって評価した。
・Aランク:表示ムラはなく、非常に良好な表示画像が得られた。
・Bランク:ガラス基板のふち部分に微かにムラがあったものの、表示部への影響はなく表示画像は良好であった。
・Cランク:表示部に微かにムラがみられたが、実用上許容範囲内であった。
・Dランク:表示部にムラがみられた。
実施例101において、本発明の化合物HMM−1を、本発明の化合物(HMM−2、HMM−4、HMM−5、M−12、HMM−16、HMM−20、HMM−21、HMM−8、HMM−9、HMM−18、HMM−31、HMM−35)に代えたこと以外、実施例101と同様にして、感光性樹脂組成物K1を調製し、カラーフィルタ基板、液晶表示装置を作製すると共に、同様の評価を行なった。評価結果は下記表2に示す。
実施例101において、本発明の化合物HMM−1の代わりにDPHA液を添加(25%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を3.0部)した以外は実施例101と同様にして感光性樹脂組成物K1を調製し、カラーフィルタ基板、液晶表示装置を作製すると共に、同様の評価を行なった。
実施例101において、表2に示すように、DPHA液の代わりにペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学工業(株)製、商品名A−TMMT)液(76%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を5.4部)、または、エトキシレーテッドグリセリントリアクリレート(新中村化学工業(株)製、商品名A−GLY−9E)液(76%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を5.4部)それぞれを添加した以外は実施例101と同様にして感光性樹脂組成物K1を調製し、カラーフィルタ基板、液晶表示装置を作製すると共に、同様の評価を行なった。評価結果は下記表2に示す。
実施例101において、本発明の化合物HMM−1の代わりに、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学工業(株)製、商品名A−TMMT)液(25%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を3.0部)、エトキシレーテッドグリセリントリアクリレート(新中村化学工業(株)製、商品名A−GLY−9E)液(25%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を3.0部)、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキサンジアクリレート(以下OFHDAと表記、SynQuest Laboratories, Inc.製)液(25%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を3.0部)から選択される成分を表2に示すように、それぞれを添加した以外は実施例101と同様にして感光性樹脂組成物K1を調製し、カラーフィルタ基板、液晶表示装置を作製すると共に、同様の評価を行なった。評価結果は下記表2に示す。
実施例101において、本発明の化合物HMM−1の代わりに特開2008−202006号に記載の含フッ素化合物(1)(25%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を3.0部)〔表1では、「含F化合物(1)」と記載〕を添加した以外は実施例101と同様にして感光性樹脂組成物K1を調製し、カラーフィルタ基板、液晶表示装置を作製すると共に、同様の評価を行なった。評価結果は下記表2に示す。
実施例101、102、105及び比較例101、102、104において、液晶表示装置の作成時、ITO透明電極のスパッタリング温度を250℃から280℃(蒸着温度;280℃、アニール無し)に変更した以外は実施例101、102、105及び比較例101、102、104と同様にして液晶表示装置を作製すると共に、同様の評価を行なった。評価結果は下記表2に示す。
実施例101において、本発明の化合物HMM−1の代わりに、下記構造の含フッ素重合性化合物(Z−1)(25%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を3.0部)〔表1では、「Z−1」と記載〕を添加した以外は実施例101と同様にして感光性樹脂組成物K1を調製し、カラーフィルタ基板、液晶表示装置を作製すると共に、同様の評価を行なった。なお、化合物(Z−1)は、SynQuest Laboratories, Inc.製の化合物である。
評価結果は下記表2に示す。
実施例101において、本発明の化合物HMM−1の代わりに、下記構造の含フッ素重合性化合物(Z−2)(25%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を3.0部)〔表1では、「Z−2」と記載〕を添加した以外は実施例101と同様にして感光性樹脂組成物K1を調製し、カラーフィルタ基板、液晶表示装置を作製すると共に、同様の評価を行なった。評価結果は下記表2に示す。
含フッ素重合性化合物(Z−2)は、次のようにして得た。
内容量200mlのガラス製反応容器に1,4−ビス(5’,6’−エポキシヘキシル)ペルフルオロブタン(6.2g)、アクリル酸(4.2g)、テトラエチルアンモニウムブロマイド(0.1g)、tert−ブチルカテコール(0.01g)を仕込み、95℃で4時間攪拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、50mLの塩化メチレンで希釈して、水洗した。溶媒を除去した後、100mLのジメチルアセトアミドを加え、氷冷下でアクリル酸クロライド(7.2g)を滴下した。滴下終了後、50℃に加熱して2時間攪拌した後、溶媒を除去し、シリカゲルカラムで精製することによって、下記構造を有する化合物(Z−2)が得られた。
実施例101において、本発明の化合物HMM−1の代わりに、下記構造の含フッ素重合性化合物(Z−3)(25%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を3.0部)〔表1では、「Z−3」と記載〕を添加した以外は実施例101と同様にして感光性樹脂組成物K1を調製し、カラーフィルタ基板、液晶表示装置を作製すると共に、同様の評価を行なった。評価結果は下記表2に示す。
含フッ素重合性化合物(Z−3)は、次のようにして得た。
特開平11−80312号公報の実施例2と同様の操作により下記構造を有する化合物(Z−3)が得られた。
これに対して比較例101〜103では特に混色評価において劣っており、これは撥インク性能が不十分であることに由来すると考えられる。比較例4では特に基板密着性に劣っているが、これは緻密な架橋構造が形成されないため、離画壁の形成が不十分であるためと考えられる。比較例105では特に基板密着性に劣っているが、これは硬化促進剤であるDPHAとフッ素化合物とで一部相分離のような不均一性が生じて離画壁の形成が不十分であるためと考えられる。また、実施例111〜113と比較例106〜108の結果から、本発明の離画壁は耐熱性にも優れることが分かる。
無アルカリガラス基板(以下、単に「ガラス基板」という。)を、25℃に調整したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3%水溶液、商品名:KBM603、信越化学工業(株)製)をシャワーにより20秒間吹き付け、さらに純水シャワーにより洗浄した。洗浄後、このガラス基板を基板予備加熱装置により100℃で2分間加熱した。
上記より得たカラーフィルタが形成されたガラス基板をスパッタ装置に入れて、カラーフィルタのR画素、G画素、及びB画素並びに離画壁の上に、更にITO(Indium
Tin Oxide)の透明電極を250℃でスパッタリング(蒸着温度;100℃、アニール温度;250℃)により形成した。
なお、導電膜の形成2における「250℃でのスパッタリング」の詳細は次の通りである。
このITOの抵抗を測定(三菱化学(株)製の「ロレスタ」を用いて四探針法でシート抵抗を測定)したところ80Ω/□であった。
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET仮支持体)上に、スリット状ノズルを用いて、下記処方H1からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させて熱可塑性樹脂層を形成した。次に、形成された熱可塑性樹脂層上に、下記処方P1からなる中間層用塗布液を塗布、乾燥させて中間層(酸素遮断膜)を積層した。更に、この中間層上に実施例1で調製した感光性樹脂組成物K1を塗布、乾燥させ、ブラック(K)の感光性樹脂組成物層K1を積層した。このとき、感光性樹脂組成物K1中における本発明の化合物HMM−1の固形分質量に対する割合は5%である。
このようにして、PET仮支持体の上に、乾燥膜厚が14.6μmの熱可塑性樹脂層と、乾燥膜厚が1.6μmの中間層と、乾燥膜厚が2.3μmの感光性樹脂組成物層とを積層し、さらに感光性樹脂組成物層の表面に保護フィルム(厚さ12μmポリプロピレンフィルム)を圧着することにより、仮支持体/熱可塑性樹脂層/中間層/感光性樹脂組成物層K1とが一体となった感光性転写材料K1を作製した。
・メタノール ・・・11.1部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・6.36部
・メチルエチルケトン ・・・52.4部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=55/11.7/4.5/28.8、分子量=10万、Tg≒70℃)
・・・5.83部
・スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=63/37、平均分子量=1万、Tg≒100℃)
・・・13.6部
・2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業(株)製)
・・・・9.1部
・前記界面活性剤1 ・・・0.54部
・PVA205 ・・・32.2部
(ポリビニルアルコール、(株)クラレ製、鹸化度=88%、重合度550)
・ポリビニルピロリドン ・・・14.9部
(アイエスピー・ジャパン社製、K−30)
・蒸留水 ・・・・524部
・メタノール ・・・・429部
実施例201において、本発明の化合物HMM−1を、本発明の特定化合物(HMM−2、HMM−12、HMM−20、HMM−8、HMM−9、HMM−18、HMM−31、HMM−35)に代えたこと以外、実施例201と同様にして、感光性樹脂組成物K1を調製し、感光性転写材料K1を作製し、さらにカラーフィルタ基板、液晶表示装置を作製した。また、実施例101と同様の評価を行ない、評価結果を下記表3に示す。
実施例201において、本発明の化合物HMM−1の代わりにDPHA液を添加(25%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を3.0部)した以外は実施例201と同様にして感光性樹脂組成物K1を調製し、感光性転写材料K1を作製し、さらにカラーフィルタ基板、液晶表示装置を作製すると共に、同様の評価を行なった。評価結果は下記表3に示す。
実施例204において、液晶表示装置の作成時、ITO透明電極のスパッタリング温度を250℃から280℃(蒸着温度;100℃、アニール温度;280℃)に変更した以外は実施例204と同様にして液晶表示装置を作製すると共に、同様の評価を行なった。評価結果は下記表3に示す。
実施例201において、本発明の化合物HMM−1の代わりに特開2008−202006号に記載の含フッ素化合物(1)(25%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を3.0部)を添加し、液晶表示装置の作成時、ITO透明電極のスパッタリング温度を250℃から2800℃(蒸着温度;100℃、アニール温度;280℃)に変更した以外は実施例201と同様にして液晶表示装置を作製すると共に、同様の評価を行なった。評価結果は下記表3に示す。
実施例205において、DPHA液の代わりに本発明の化合物HMM−1を添加(76%2−プロパノン溶液を5.4部)した以外は実施例205と同様にして、感光性樹脂組成物K1を調製し、カラーフィルタ基板、液晶表示装置を作成すると共に同様の評価を行った。
実施例205において、DPHA液の添加量を0.64部とし、本発明の化合物HMM−1(76%2−プロパノン溶液)を4.8部追添加した以外は実施例205と同様にして、感光性樹脂組成物K1を調製し、カラーフィルタ基板、液晶表示装置を作成すると共に同様の評価を行った。
実施例205において、DPHA液の添加量を3.2部とし、本発明の化合物HMM−1(76%2−プロパノン溶液)を2.2部追添加した以外は実施例205と同様にして、感光性樹脂組成物K1を調製し、カラーフィルタ基板、液晶表示装置を作成すると共に同様の評価を行った。
実施例205において、DPHA液の添加量を3.8部とし、本発明の化合物HMM−1(76%2−プロパノン溶液)を1.6部追添加した以外は実施例205と同様にして、感光性樹脂組成物K1を調製し、カラーフィルタ、液晶表示装置を作成すると共に同様の評価を行った。
実施例205において、本発明の化合物HMM−1(25%2−プロパノン溶液)DPHA液の添加量を1.9部とし、DPHA液(25%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液)を1.1部追添加した以外は実施例205と同様にして、感光性樹脂組成物K1を調製し、カラーフィルタ基板、液晶表示装置を作成すると共に同様の評価を行った。
Claims (10)
- 下記一般式(I)で表される重合性含フッ素化合物。
一般式(I)中、
X1〜X4は、各々独立に、−NR1−又は−O−を表す。
R1は、水素原子、アルキル基、又は下記一般式(2)で表される基を表す。
L1は、単結合又は(p1+1)価の直鎖、分岐、若しくは環状の炭化水素基、芳香族環基、酸素原子、又はこれらを組み合わせて得られる連結基を表す。
L2は、単結合又は(p2+1)価の直鎖、分岐、若しくは環状の炭化水素基、芳香族環基、酸素原子、又はこれらを組み合わせて得られる連結基を表す。
L3は、単結合又は(p3+1)価の直鎖、分岐、若しくは環状の炭化水素基、芳香族環基、酸素原子、又はこれらを組み合わせて得られる連結基を表す。
L4は、単結合又は(p4+1)価の直鎖、分岐、若しくは環状の炭化水素基、芳香族環基、酸素原子、又はこれらを組み合わせて得られる連結基を表す。
ただし、上記L 1 〜L 4 の炭化水素基及び芳香族環基は、アルキル基、アリール基、アルキルチオアリール基、フッ素原子、塩素原子、炭素数1〜10のフッ素原子を有するアルキル基、又は−CF 2 −O−(CF 2 ) m1 Fで表される基を置換基として有していてもよい。m1は1〜10の整数を表す。
Q1〜Q4は、各々独立に、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基、又はエポキシ基を表す。
p1〜p4は、各々独立に、1〜3の整数を表す。
一般式(2)中、
R 21 及びR 22 は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表す。
Q 21 は、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基、又はグリシジル基を表す。
mは繰り返し単位の繰り返し数を表し、1〜10の整数を表す。
*は窒素原子との結合手を表す。 - p1〜p4が、各々独立に、2又は3を表す請求項1に記載の重合性含フッ素化合物。
- L1〜L4が、各々独立に、下記一般式(LL−1)〜(LL−24)のいずれかで表される連結基である請求項1又は2に記載の重合性含フッ素化合物。
一般式(LL−1)〜(LL−24)中、
nは繰り返し単位の繰り返し数を表し、各々独立に、0〜10の整数を表す。
Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。
*はX1〜X4との結合手を表し、**はQ1〜Q4との結合手を表す。 - X1〜X4が各々独立に、−NR1を表す請求項1〜3のいずれか1項に記載の重合性含フッ素化合物。ただし、R1は、水素原子、アルキル基、又は前記一般式(2)で表される基を表す。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の重合性含フッ素化合物を含む硬化性組成物。
- 更に、開始剤、バインダー、及びエチレン性不飽和二重結合基を有する化合物を含む請求項5に記載の硬化性組成物。
- 請求項5又は6に記載の硬化性組成物を硬化して得られる膜。
- 請求項7に記載の膜を有する離画壁。
- 請求項7に記載の膜を有する反射防止フィルム。
- 請求項8に記載の離画壁又は請求項9に記載の反射防止フィルムを有する表示装置。
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