JP5268324B2 - 荷電粒子線顕微装置及び顕微方法 - Google Patents

荷電粒子線顕微装置及び顕微方法 Download PDF

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Description

試料傾斜機構を持つ荷電粒子線装置において、試料傾斜時の試料移動を3次元的に自動補正する装置に関する。
半導体デバイス、ナノ材料、バイオなどの各分野で試料の構造をナノメートル(nm)オーダで3次元的に解析したいというニーズが増加している。nmオーダで試料を観察する装置として透過電子顕微鏡(TEM)や走査透過電子顕微鏡(STEM)があり、試料を傾斜させて様々な方向から観察することによって試料構造の3次元観察する。
3次元観察用の技術として、特許文献2には以下の3次元観察用電子顕微鏡及び顕微方法が記載されている。収束イオンビームを用いて観察対象となる部分を突起状に削り出す。突起の直径は電子線が透過可能な大きさとする。削り出した試料片を1軸全方向傾斜試料ホルダに突起中心軸と試料傾斜軸を一致させて固定し、観察対象を電子顕微鏡試料室内で1軸全方向から観察する。薄膜試料を用いた汎用TEM/STEMにおける観察方向制限が無いので、試料構造の3次元観察が容易に行なえる。様々な方向から観察した透過像から試料構造を再構築する際、アーティファクトの少ない試料構造が再構築できる。
3次元観察では試料を様々な方向から観察するために試料を頻繁に傾斜させる。3次元観察におけるTAT低下の要因として試料傾斜による試料移動の補正がある。電子顕微鏡の視野径はマイクロメートル(μm)オーダであり、この精度で試料傾斜軸と試料位置を完全に一致させて固定することは困難である。そのため、試料を傾斜すると試料が傾斜軸周りに移動し、視野から外れる事がある。この対策として以下の3つの技術が開示されている。
1つ目は試料傾斜軸と試料位置とを機械的に一致させる技術である。特許文献2には以下の記載がある。ユーセントリック調整されたステージ系全体の方向を調整し、回転軸を電子顕微鏡中心に通す機構、すなわちユーセントリック調整されたステージ全体の電子顕微鏡への取りつけ方向を調整できる第2の球面座を含む調整機構を設ける。これによって回転シリンダや試料ホルダのユーセントリック条件を崩すことなくステージ全体を第2の球面座で回転させ、シリンダ回転軸方向を電子顕微鏡視野中心に通るように設定する。
2つ目は試料傾斜による試料移動を予め測定して記録し、該記録に基づいて試料移動を相殺するように試料ステージを調整する技術である。特許文献3には以下の記載がある。電子線光軸に直交する面における標的領域(標準試料)又は観察対象領域(実試料)の位置ずれ量は、試料傾斜前後における電子顕微鏡像を比較することによって検出することが可能であり、一方、電子線光軸方向における標的領域又は観察対象領域の位置ずれ量は、試料の電子顕微鏡像に現われたフレネル縞の強度分布を計測することによって検出することが可能である。そして記憶した位置ずれ量の情報に基づき傾斜角度θにおけるX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の位置ずれ量を求め、その位置ずれ量の逆符号の値の位置補正信号を生成して試料移動機構制御系に送り込み、位置ずれを補正する。
3つ目は試料移動の記録を用いずに、試料傾斜による試料移動を逐次測定し、補正する技術である。特許文献4には以下の記載がある。試料を目的方位へ傾斜するために、試料の電子回折パターンから結晶方位およびそこから観察しようとする目的方位への必要な試料傾斜の方位および傾斜角が計算される。試料傾斜機構が制御され、試料の画像が表示手段の画面から外れない程度に微小傾斜され、かつ生じた試料の位置ずれが解析手段によって計算される。試料の位置ずれ解析手段として、相互相関法による画像間の位置ずれ量解析手段が記載されている。位置補正手段により、この位置ずれが解消するように試料移動機構および偏向コイルが制御されて、位置補正制御が行われる。そして、このような試料の傾斜および位置補正制御が目的方位に傾斜になるまで繰り返し行われる。
更に、試料移動測定は電子線光軸と直交するXY平面内の移動測定と電線光軸と平行なZ方向の移動測定に大別される。XY面内の移動は試料移動前後の画像を撮影し、規格化相互相関法や位相限定相関法などの画像処理で試料の移動を測定する。Z方向の試料移動は電子レンズの焦点位置に対する試料位置から測定する。試料の焦点ずれ量測定法として、視差を利用した方法と画像の先鋭度評価値を利用した方法がある。引用文献5には、電子顕微鏡像の視差による位置ずれ量を画像処理で検出し、その結果を電子線装置へ帰還することが開示されている。特許文献6には焦点を変化させながら取得した2次元の粒子画像を画像処理することによって非点隔差の方向・大きさと焦点オフセットを検出し、これを2種類の非点収差補正量と焦点補正量に一括して変換して補正を行なうことが記載されている。この方法では通常20枚程度のデフォーカスシリーズ画像が使用される。
特許第3677895号 特開2001-312989 特開平8-106873号 特開平11-288679号 特開2000-331637号 特開2001-098048号
実際の撮影、例えば半導体デバイスの観察を想定し、試料傾斜による試料移動を補正する従来技術を適用した場合の補正誤差、傾斜シリーズ像撮影前に実施される調整時間、傾斜シリーズ像撮影中の位置ずれ補正時間について考察する。半導体デバイス観察では倍率200k程度(視野径は0.5 μm程度)で観察する場合が多い。許容される補正誤差を視野径の1割以下と仮定し、±0.05μm以下とした。
特許文献2の技術では補正誤差は試料ステージの位置決め誤差で制限される。試料ステージの位置決め誤差はμmオーダであり、精度不足である。傾斜シリーズ像撮影前に実施される調整時間が必要である。この調整は熟練を要するので、操作者によっては非常に長い時間を要する場合もある。傾斜シリーズ像撮影中の位置ずれ補正は実施しないので、補正時間はゼロである。
特許文献3の技術を用いた場合の補正誤差も試料ステージの位置決め誤差で制限されるためμmオーダであり、精度不足である。なお、特許文献3には試料の平行移動を位置決め精度の高いピエゾで実施することによって10 nm精度で補正できるとの記載もあるが、試料傾斜による試料移動量にμmオーダのバラツキがあるので、記録を参照した補正では補正誤差がμmオーダになることは明らかである。傾斜シリーズ像撮影前に実施される調整時間は試料の軌跡測定時間になる。XY方向の位置ずれ量は試料傾斜前後の画像から測定されるので、1方向当たり1枚の画像撮影と一回の画像処理が必要になる。Z方の位置ずれ量はデフォーカスシリーズ像から測定されるので、1方向当たり数10枚の画像撮影と数10回の画像処理が必要になるため、少なくとも数分の測定時間が必要になる。これらを数10方向に関して実施するので、傾斜シリーズ像撮影前に実施される調整時間は数10分を要することが分かる。傾斜シリーズ像撮影中の位置補正時間は試料ステージの移動時間のみであり、1画像当たり数秒と見積もられる。
特許文献4記載の技術では試料傾斜ごとに試料移動量を測定し、試料ステージと共に偏向コイルを用いて補正する。XY面内の位置ずれ量測定誤差、及び偏向コイルを用いた補正誤差は10nmオーダであり、充分小さい。傾斜シリーズ像撮影前の調整は実施しないので、調整時間はゼロである。しかし、傾斜シリーズ像撮影中の位置補正時間が非常に長い。試料が視野から外れないよう、試料傾斜角度刻みを小さくし、その度に試料の位置ずれ量を測定し、所定の試料傾斜角度まで到達する。つまり、3次元観察に用いる画像の撮影枚数に関わらず、非常に多数の方向からの画像を用いる必要があることが分かる。また、XY面内の位置ずれ補正しか記載されておらず、Z方向の位置ずれ補正に関する記載は無い。試料傾斜によってZ方向の位置も数μmは変化することが知られており、Z方向のずれ量を補正せずに画像撮影を継続すると、焦点ずれによって画像がボケてしまい、試料の構造観察やXY方向の位置ずれ量測定が困難になる。つまり、特許文献4記載の技術だけでは傾斜シリーズ像の撮影は困難であり、焦点補正技術を付加する必要がある。焦点補正工程を付加すると、1方向当り数分の補正時間が必要になる。これを1〜2°ステップ毎に繰り返す。0°〜180°まで試料を傾斜させる場合、1方向当りの補正時間を5分とすると、傾斜シリーズ像の撮影時間を除いた位置補正時間だけで15時間を要する。
Z位置補正つまり焦点補正について、特許文献5記載方法では視差の測定精度が焦点測定精度に比例する。従って焦点補正精度を向上させるには倍率を高くする必要がある。しかし焦点ずれ量が大きいと高倍率ではボケた画像しか得られないので位置ずれ量測定が困難になる。デフォーカス量に合わせて撮影条件を設定する必要がある。低倍率における粗補正から高倍率における微補正へと多段階で補正する必要がある。
特許文献6記載の方法ではスルーフォーカスシリーズ像が必要であり、撮影枚数を増加させた方が焦点位置の測定精度が向上する。通常20枚程度は撮影する。デフォーカス量に合わせて撮影条件を設定する必要がある。以上、Z位置の測定はXY位置の測定に比べて多数の画像が必要であり、測定精度を向上させようとすると更に多枚数の画像が必要になる。Z位置測定が試料傾斜による位置ずれ補正におけるTATを低下させていることが分かる。
以上、従来技術で試料傾斜による位置ずれ補正を実施した場合、傾斜シリーズ像撮影で求められる精度を満たすには非常に長い補正時間がかかることが分かる。
本発明の目的は補正精度を劣化させずに補正時間を短縮させることである。
上記課題を解決する手段として、本願発明では、第1の荷電粒子線を発生する荷電粒子源と、第1の荷電粒子線を試料へ導く第1の電磁界発生部と、第1の荷電粒子線に対する試料の位置と角度を設定する試料ステージと、試料から出射する第2の荷電粒子線を検出器に導く第2の電磁界発生部と、第2の荷電粒子線を検出する検出器と、検出器出力に基づいて試料構造の画像を形成する画像形成部と、からなる荷電粒子線顕微装置において、試料傾斜角度と試料移動量の関係を記録する記録部と前記試料傾斜角度と試料移動量の関係を表示する表示部と、前記試料傾斜角度と試料移動量の関係に基づいて試料傾斜による試料移動量を求めて補正する第1の制御部と、試料傾斜前に撮影した画像と前記補正後に撮影した画像から試料移動量を求めて補正する第2の制御部とを持つ試料移動補正装置を備える荷電粒子線顕微装置を提供する。
ここで本発明における傾斜シリーズ像撮影時間を見積もり、効果を検証する。例えば、倍率200kで0°〜180°まで10°刻みで撮影する場合について考察する。まず、予備測定にて再現性のある移動のモデル化と再現性のない移動の範囲の特定を行なう。倍率2k程度で50μm程度の視野径にし、0°〜360°まで20°刻みで18枚の画像を撮影する。撮影時間は画像取り込み時間(10秒/枚)と試料傾斜時間(待ち時間を含めて10秒/回)とで20秒×18枚=360秒=6分になる。画像撮影後、画像処理によって試料移動の軌跡を求める。得られた軌跡から再現性のある移動は半径30μmの円運動モデルで近似され、再現性の無い移動は±4μmの範囲内にあるとの結果が得られたとする。この計算時間は1分程度であり、傾斜シリーズ像撮影前に掛かる時間は合計で7分と見積もられる。次に試料傾斜シリーズ像を撮影する。試料傾斜角度0°の画像を試料構造解析用の画像の倍率、例えは倍率200k(視野径0.5μm)で撮影した後、再現性の無い移動が視野内に収まる倍率、例えば倍率10k(視野径10μm)で試料位置測定用の画像を撮影する。そして試料を0°から10°まで傾斜させる。まず、再現性のある移動を相殺するように試料ステージが制御される。そして倍率10kでZ位置をサーチする。試料傾斜による移動量のバラツキが±4μmであり、ステージのZ位置決め誤差が±3μmであることを考慮し、サーチ範囲±9μmにした。サーチの刻みをステージのZ位置決め誤差の半分である3μmとすると、デフォーカスシリーズ像の枚数は7枚になるのでサーチ時間は1分程度になる。サーチ結果に基づいて試料ステージZ制御を用いて試料とレンズ焦点をあわせる。焦点補正後、XY位置測定用の画像を撮影し、0°で撮影した時の画像と比較してXY移動量を測定し、XY位置ずれ量を試料ステージXY制御とイメージシフト偏向器制御で補正する。試料ステージXY制御の位置設定誤差は1μm弱であり、イメージシフトの稼動範囲は数μmである。試料位置を撮影倍率における視野径(0.5μm)の1割以下(0.05μm)の精度で補正するには、まずは試料ステージXY制御で試料位置を補正した後、再びXY位置測定用の画像を撮影してXY位置ずれ量を測定し、イメージシフトで補正する必要がある。このXY位置補正時間は1分程度になる。そして倍率を撮影用である200kに設定し、撮影前に焦点の微調整を実施する。焦点ずれ量は±3μm範囲にあると仮定でき、倍率200kのデバイス画像における焦点測定精度は0.5μm程度であることが見積もられているので、サーチの刻みを0.5μmとして±3μm範囲のサーチを行う。デフォーカスシリーズ像の枚数は13枚になるのでサーチ時間は2分程度になる。以上、1方向の撮影時間は約4分になり、18方向撮影するので傾斜シリーズ層撮影時間は72分になる。傾斜シリーズ像前の時間7分と合わせると79分、約1時間20分と見積もられる。従来技術では傾斜シリーズ像撮影中の位置ずれ補正に10時間以上を要しており、本発明によって補正時間が1桁短縮されることが分かる。
試料傾斜シリーズ像撮影では多数毎の画像を撮影するので撮影TATの短縮が強く求められており、本技術のニーズは非常に高い。また、電子線照射による試料ダメージ低減にもつながり、3次元観察が適用できる試料範囲の拡大にも効果がある。また、本発明は自動化が可能であり、熟練者でなくても実行可能である。
システムの概略図を図1に示す。試料傾斜による試料移動を試料傾斜軸と試料位置のずれに起因する再現性のある移動と試料傾斜機構及び試料移動機構の機械的な位置設定誤差に起因する再現性の無い移動に分類し、夫々に適した補正を実施することにした。再現性のある移動は記録に基づいて補正するオープンループ補正で補正する。再現性の無い移動はそのつど撮影された画像を用いて試料移動を測定し、補正するフィードバック補正で補正する。オープンループ補正では再現性のある移動をモデル化し、試料傾斜角度からXYZ移動量を算出し、該XYZ移動量を相殺するために必要な制御信号を試料ステージ19、偏向コイル16、対物レンズ18のいずれか1つ以上に送信する。オープンループ補正で再現性のある移動を補正した後、再現性の無い試料移動量をフィードバック補正で相殺する。フィードバック補正ではそのつど撮影された画像を用いて試料移動を測定し、補正する。試料傾斜前後の画像間の位置ずれ量からXY移動量を求め、この移動量を相殺するために必要な制御信号を試料ステージ19、偏向コイル16のいずれか1つ以上に送信する。電子レンズ18の焦点位置に対する試料30のずれ量を試料傾斜前後で測定してZ移動量を測定し、この移動量を相殺するために必要な制御信号を試料ステージ19、対物レンズ18のいずれか1つ以上に送信する。
モデル推定のための予備測定では、試料移動は試料傾斜軸回りの円運動であると仮定した。試料を傾斜させた時のXY移動量を測定し、XY面内の軌跡にモデルパラメータをフィッティングさせることによって、3次元モデルを推定する。Z位置を直接測定せずに3次元モデルからZ位置を推定する点が特長である。また、推定されたモデルの軌跡と実際に測定された軌跡の差から再現性の無い移動の範囲を求める。該移動範囲に基づいてフィードバック補正における位置ずれ量の測定条件を設定に利用する点も特長である。再現性のある移動のモデル化と再現性の無い移動の範囲の特定によって、位置ずれ量測定時間、とくにZ位置の測定時間が大幅に短縮される。
本実施例では、試料傾斜による試料移動補正システムを突起状に加工した試料のSTEM観察に適用した事例を示す。本実施例で用いたSTEM/SEMの基本構成図を図3に示す。1次電子線31を発生する電子銃11及びその制御回路11‘、1次電子線31を収束する照射レンズ12及びその制御回路12’、1次電子線31の拡がり角を制御する絞り13及びその制御回路13’、試料30に対する入射角度を制御する軸ずれ補正用偏向器14及びその制御回路14‘、試料30に入射する1次電子線31のビーム形状を補正するスティグメータ15及びその制御回路15‘、試料30に入射する1次電子線31の照射領域を調整するイメージシフト用偏向器16及びその制御回路16‘、試料30に入射する1次電子線31をラスター走査する走査用偏向器17及びその制御回路17‘、1次電子線31の試料30に対する焦点位置の調整する対物レンズ18及びその制御回路18‘、試料30の入射電子線31に対する位置及び傾斜角度を設定する試料ステージ19及びその制御回路19‘、試料30から発生する電子線32を検出する電子検出器22及びその制御回路、電子線32を電子線検出器22に投影する投影レンズ20及びその制御回路20’、電子線32を偏向する偏向器21及びその制御回路21’、電子線32の拡がり角を制御する絞り23及びその制御回路23’、電子線検出器の出力信号とラスター走査信号からSTEM/SEM像を形成する画像形成回路28、制御ソフト及び画像処理ソフトを搭載した計算機29から構成される。各制御回路、画像形成回路は計算機29によってコマンド制御される。本装置には複数の電子線検出器22が搭載されており、試料30前方に出射した電子線のうち、低角散乱電子を検出する明視野検出器22-1、高角散乱電子を検出する暗視野検出器22-2、試料30後方に出射した反射電子及び2次電子を検出する検出器22-3が搭載されている。試料30前方に出射した電子で形成された画像をSTEM像、試料30後方に出射した電子で形成された画像をSEM像と呼ぶ。以後、簡単のためにSTEM像のみを説明する。鏡体の光軸とほぼ平行な方向をZ方向、光軸とほぼ直交する面をXY平面とする。
まず、図3の装置を用いてSTEM像を撮影するまでの一般的な工程を図4に示す。電子銃11から1次電子線31を引出し電圧V1で引出し、加速電圧V0を印加する。STEM像は照射レンズ12によってnmオーダまで収束された1次電子線31を走査用偏向器17によって試料30上でラスター走査させ、1次電子線31の入射によって試料30から出射する電子線32を電子線検出器22で検出し、電子線検出器22の出力信号と走査用偏向器17のラスター走査信号と同期させて形成する。まず、電子線検出器22で1次電子線31が引き出されていることを確認する。薄膜化した試料30を試料ステージ19に載せ、試料室に導入し、低倍率STEM像で試料の位置を確認する。STEM像の倍率は走査用偏向器17によるラスター走査の走査範囲で設定する。試料ステージ19を用いて試料30の位置を調整し、倍率を増加させて電子光学系調整用の視野を選択する。試料ステージ19のZ位置及び対物レンズ18を制御して焦点粗補正をした後、1次電子線31の軸ずれを補正する。対物レンズ18の焦点を変化させたときの像移動を検出し、像移動が最小になる様に対物絞り13の穴の位置、もしくは軸ずれ補正用偏向器16の制御値を調整する。軸ずれ補正後、非点を補正する。試料30に対物レンズ18の焦点を合わせた後、対物レンズ18の焦点を変化させたときの画像変化を観察し、画像が等方的に変化するようにスティグメータ15を調整する。非点補正の後、撮影視野を選択し、対物レンズ18の焦点を微調整した後、STEM画像の取込みを行う。
3次元構造解析では試料を様々な方向から観察した画像が必要になるので、図5に示す様に突起状に加工した試料30を用いた。試料加工の詳細は特許文献1を参照されたい。この突起試料30を1軸全方向傾斜試料ホルダ102に突起中心軸と試料傾斜軸を一致させて設置する。試料サイズはμmオーダであり、試料を直接ハンドリングすることは困難である。そこで試料30を針状の試料台101に固定し、針状試料台101を試料ホルダ102に設置する構成とした。針状試料台101を用いることによって、試料ホルダ102の傾斜軸の方向と突起試料の中心軸の方向とを一致させて脱着することができる。針状試料台101は他の加工装置、観察装置、例えばFIB、SEM、TEMとの併用が可能であり、他の装置で加工、観察した後、再び図3の装置で観察することが可能である。更に図5に示す試料ホルダ102自体も他の加工装置、観察装置との併用が可能である。FIBによる試料加工とSTEMによる加工状態の確認を交互に繰り返す場合、同じ試料ホルダ102を用いた方が効率的である。
試料30を設置した試料ホルダ102を試料ステージに導入する。試料ステージの移動機構及び傾斜機構を図5に示す。試料のX、Y、Z方向の位置はパルスモータ及びエンコーダ(図示せず)からなる3個のリニアクチュエータ103〜105を用いて制御する。リニアクチュエータによる試料移動の制御単位は約1nm/pulseに設定されているが、リニアクチュエータと試料ホルダの接合部でバックラッシュやロストモーションが発生するため、位置決め誤差は1μm程度まで劣化している。試料傾斜は試料ホルダ102全体をX軸周りに傾斜させるα用パルスモータ106と、試料ホルダ内の冶具108に回転させるβ用パルスモータ107で制御される。β用パルスモータ107の回転は試料ホルダ内の冶具108を介して笠歯車109に伝わり、笠歯車109に設置された試料台101を回転させる。試料傾斜の制御単位も約0.01°/pulseに設定されているが、モータ、冶具、歯車の接合部でバックラッシュやロストモーションが発生するため、試料の角度設定誤差は1°程度まで劣化している。
図6及び図7は図5とは別構造の1軸全方向傾斜試料ホルダである。図6のXYZ移動機構は図5と同じであるが、試料傾斜機構が異なる。図6では突起試料30が設置された針状試料台101を冶具108の先端に差し込む。β用パルスモータ107によって試料ホルダ内の冶具108をX軸回りに回転させ、突起試料30をX軸回りに回転させる。図7のYZ移動機構は図5と同じであるが、X移動機構と試料傾斜機構が異なる。XYZ移動用のリニアアクチュエータ103〜105は電子顕微鏡の光軸に対して同じ側に設置されており、試料ホルダ102が片持ちになっている。試料傾斜はα用モータ106を用いて試料ホルダ102全体を回転させることにより、突起試料30をX軸回りに回転させている。ここで各試料ホルダの性能を比較する。試料30に回転を伝える回転体の大きさを比較すると、笠歯車109(図5)<冶具108(図6)<試料ホルダ102(図7)となっている。回転体の大きさが小さくなると部品の加工精度が軸ぶれに与える影響が大きくなる。従って、回転軸の軸ぶれ量は図5>図6>図7と予想される。次に試料ドリフト量について考察する。試料ホルダの各部品を複数の部材で押さえ込んであると試料ドリフトは低減される。X方向に関し、図5では試料ホルダ102は大気圧とモータ103によって、冶具108は大気圧と笠歯車109によって押さえ込まれている。図6では試料ホルダ102は大気圧とモータ103によって押さえ込まれているが、冶具108は片持ちになっている。図7では試料ホルダ102も冶具108も片持ちになっている。従って、X方向の試料ドリフト量は図5<図6<図7と予想される。微細加工技術の向上により図5の構造でも軸ぶれ量は1度以下に抑えられていること、高倍率で試料を観察するのでドリフトの影響を受け易いこと、TAT短縮のためにドリフトが集束するまでの待ち時間を短くしたいこと、などを考慮し、本実施例では図5の構造の試料ステージ及び試料ホルダを採用した。
上記の装置を用いて試料傾斜シリーズ像を撮影する。撮影工程の概要を図2に示す。ステップ1では試料傾斜による試料移動を予備測定する。ステップ2ではステップ1の予備測定結果から再現性のある移動のモデルと再現性の無い移動の範囲を求める。傾斜シリーズ像撮影において、再現性のある移動はオープンループ補正で、再現性の無い移動はフィードバック補正で補正する。ステップ3では傾斜シリーズ像として記録する画像を撮影する。他の傾斜角度での撮影が必要であれば、試料位置測定用倍率で試料傾斜前の画像を撮影(ステップ4)した後、試料を傾斜する(ステップ5)。ステップ6では試料傾斜角度とモデルから再現性のある試料移動を算出し、該移動を相殺するように試料位置を補正する(オープンループ補正)。ステップ7では試料位置測定倍率で試料傾斜後の画像を撮影し、ステップ4で撮影した試料傾斜前の画像との位置ずれ量を測定し、補正する(フィードバック補正)。そして傾斜シリーズ像として記録する画像を撮影する(ステップ3)。以後、全ての傾斜角度の画像を撮影するまでステップ3からステップ7を繰り返す。
以下、各ステップの詳細を説明する。ステップ1では試料傾斜による試料移動の予備測定を実施する。図9に試料移動量の測定手順を示す。ある傾斜角度の画像(図9(a))から適当な領域を参照パターン(図9(b))として登録する。参照パターンとしては試料傾斜によるパターン変形の少ない領域を選択した方が良い。本実施例では突起状に加工した試料30を用いているのでこの突起部分を選択した。試料傾斜角度はパターン変形を考慮して設定した方が良い。本実施例では試料傾斜角度間隔は20°刻みとした。そして試料傾斜後の画像(図9(c))においてパターン検索を実施し、突起部分の移動量を測定する。パターン検索には規格化相互相関法や最少二乗法など、パターンが多少変形しても検索可能な方法を用いた方が良い。パターン検索後、検索された領域を新たな参照パターン(図9(d))として登録し、次の傾斜角度の画像(図9(e))で同様のパターン検索を実施し、突起部分の位置ずれ量を測定する。
画像処理ではパターンを誤検索する場合もある。そこで画面に検索結果を四角枠201や十字マークなどで表示し、パターンが正しく検索されているか確認できるようにした。さらに、パターン検索不能となった画像に注目できるよう、警告メッセージを表示するようにした。規格化相互相関法や最少二乗法ではパターン間の一致の度合いを相関値で評価することができるので、規格化相互相関法では閾値以下になった場合、最少二乗法では閾値以上となった場合、位置ずれ測定を停止し、パターン検索不能となった可能性が高いと言うメッセージを表示する(図9(e))。パターン検索結果を確認し、必要であれば検索結果を修正する(図9(f))。修正された領域を参照パターン(図9(g))として登録し、位置ずれ量測定を再開する。
なお、突起部分の移動量測定は全ての画像を撮影して記録した後に実施しても良いし、画像撮影ごとに実施しても良い。全ての画像を撮影してから軌跡測定を実施する利点は、参照パターン領域などの設定条件を幾つか試すことができる点である。パターン検索が安定に実施できる条件を検討し、最適化することができる。観察経験の少ない構造の試料に向いている。一方、画像取り込みごとパターン検索を実施する利点は、画像保存時間を短縮して処理時間を短くできる点である。既に何度も観察した構造の試料に向いている。
ステップ1の予備測定は低倍率で実施する必要がある。試料傾斜による試料移動量は数10μmになる場合があるので、本実施例では倍率2k(視野径50μm)として予備測定を実施した。なお、低倍率では位置ずれ測定に用いる特徴パターンが観察できない試料に対しては以下の試料移動量測定を用いることができる。倍率を増加させて特徴パターンを観察できるようした後、試料を徐々に傾斜させながら試料傾斜による試料移動量を相殺するように試料移動機構で試料を引き戻し、引き戻し量を記録するという方法もある。しかしこの方法では試料移動機構の位置決め誤差が測定結果に混入するので、試料移動機構を動かさずに低倍率で試料の軌跡を測定する方法を選択した。
ステップ2ではステップ1の予備測定結果から再現性のある移動のモデルと再現性の無い移動の範囲を求める。ここで、再現性のある移動を試料位置が試料傾斜軸から離れているために発生する幾何的な移動(図8参照)、再現性の無い移動を試料傾斜機構で発生するロストモーションやバックラッシュに起因する移動と定義する。試料移動モデルとして試料傾斜軸周りの円運動を仮定した(図8)。電子顕微鏡に固定された直交座標系をXYZ、試料台に固定された直交座標系をxyzとした。2つの座標系はオイラー角で関係付けられる(図10)。座標系XYZと座標系xyzとの座標変換はオイラー角θψφを用いて、
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で表される。ここで、Z軸に対するz軸の角度をθとし、XY平面とxy平面との交線OLがy軸に対してなす角をψ、Y軸に対してなす角をφとした。座標系xyzにおける試料位置を(x,y,z)=(r・cosβ、r・sinβ、0)で記述すると、座標系XYZにおける試料位置は
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で表される。ステップ1で測定された各βにおけるXY位置にθ、ψ、φ、rをフッティングさせる。ここでフィッティング安定化するために幾つかの仮定を導入する。図5、図6、図7に示した試料ホルダはXY面に対して対象な構造である。そこで試料傾斜軸zはXY面内に存在すると仮定した。θ=90°とすると、数2は
Figure 0005268324
に変形される。この仮定が妥当か否かは、XY移動の軌跡が直線に近似できるか否かで判定可能である(図11(a))。更に図6や図7に示す構造の試料ホルダでは試料傾斜軸がX軸と平行になっていると仮定することができる。そこでθ=90°、φ=0°と仮定し、数3を
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に変形した。試料ホルダに応じて数3もしくは数4のモデルを選択してパラメータをフィッティングさせる。フィッティングには非線形最少二乗法を用いた。なお、試料ホルダの構造によっては他のモデルが適している場合もあり、モデル選択は適時実施すべきである。
図12に試料傾斜による試料移動の測定例を示す。β=0°で参照パターンを選択し(図12(a))、試料傾斜による試料移動量を測定していき(図12(b))、β=360°まで測定した(図12(c))。XY軌跡202が直線に近似されることから試料傾斜軸zがXY面内に存在することが分かる。試料傾斜によってX方向と同位相でY方向に移動していることから、図11(a)及び数3で示されるモデルにフィッティングできることが分かる。パラメータフィッティングによりψ、φ、rを求め、試料傾斜による試料移動量を算出する。
図13(a)に測定されたXY移動の軌跡とモデルから計算されたXYZ移動の軌跡を示す。測定結果とモデルの軌跡はほぼ一致しており、モデルによって再現性のある移動を記述できていることが分かる。図13(b)は測定結果とモデルの軌跡との差を示しており、バックラッシュやロストモーションによる再現性の無い移動を示している。残差の変化には周期性があり、30°周期で変化していることが分かる。更に0°近傍では±2μm、180°近傍では±4μmと、残差の大きさが360°周期で変化している事が分かる。このような残差は試料ステージ及び試料ホルダの構造に依存すると推定される。図13の結果は図5に示す構造の試料ステージ及び試料ホルダを用いて測定された結果である。図5の試料ホルダではモータ107の回転が笠歯車109を介して試料に伝えられる。30°周期の変化は笠歯車109のピッチが30°になっており、歯車のかみ合わせが変化する時に残差が大きくなると推定される。360°周期の変化は笠歯車の偏芯の影響と推定される。なお、試料を2回転させたところ1回目と2回目の傾斜における残差はほぼ同じ傾向を示した。円運動からのずれに関しても、再現性が高いことが確認できれば再現性のある位置ずれ量としてモデル化し、オープンループ補正に用いることは可能である。
ステップ3から傾斜シリーズ像の撮影が開始される。傾斜シリーズ像撮影前に、焦点ずれ量測定法について説明する。試料の焦点ずれ量測定法として、視差を利用した方法と画像の先鋭度評価値を利用した方法がある。STEMでは先鋭度評価値を利用した焦点補正法が使用される場合が多い。なぜならTEMでは正焦点で視差がゼロになるが、STEMでは正焦点でも電子線の入射角度を変化させると視野が移動する。ただし、焦点ずれ量とΔFと視野移動量Dは比例することが知られている。視差を利用した焦点補正は以下の手順で実施する。試料傾斜前に手動で焦点を補正し、正焦点における試料移動量D0を測定しておく。既知量焦点を変化させて視野移動量D1を測定し、ΔF1と(D1-D0)の比例係数aを求める。以後、試料移動量Dから焦点ずれ量ΔF=a(D-D0)を求め、自動補正する。詳細は特開2002-134048号を参照されたい。一方、先鋭度評価値を利用した方法では正焦点からのずれ量を自動測定できるが、スルーフォーカスシリーズ像が必要なために測定時間が長くなるという欠点を持つ。本実施例ではTATの向上を目的としているので、以下の工程で焦点ずれ量を測定することにした。まず、傾斜シリーズ像撮影前に先鋭度評価値を利用して試料を正焦点に合わせる。正焦点における視野ずれ量D0と、必要であれは焦点ずれ量と視野ずれ量の比例係数aを測定しておく。以後、試料傾斜によるZ移動量つまり焦点ずれ量は電子線の入射角度を変化させた画像ペアを撮影し、視野移動量Dを求め、これを焦点ずれ量に変換して求める。使用しているSTEMに視差測定の機能が付加されていない場合は、先鋭度評価値を利用した方法で焦点ずれ量を測定し、補正する。
焦点ずれ量測定法の選択と必要なパラメータの測定を実行した後、傾斜シリーズ像撮影を開始する。まずステップ3で、倍率を撮影用、例えば200kに設定し、焦点を微調整した後、傾斜シリーズ像に用いる画像を撮影する。
ステップ4では試料位置測定用倍率で試料傾斜前の画像を撮影する。試料位置測定用倍率は、ステップ2で求めた再現性の無い位置ずれの範囲と傾斜シリーズ像として記録する画像の倍率に基づいて設定する。例えば位置ずれ範囲が±4μmであり、試料ステージXY移動の位置決め精度が±1μmとするとオープンループ補正の誤差は±5μmと推定される。従って、位置ずれ計測用画像の視野径は±5μm以上(倍率10k以下)とする必要がある。一方、傾斜シリーズ像撮影で許容される位置ずれ量を撮影用画像の視野径の1割以下とすると、[撮影用画像の視野径の1割] >[位置計測誤差]= [位置ずれ量の計測誤差(画素数)]×[位置計測用画像の画素サイズ]=[位置ずれ量の計測誤差(画素数)]×([位置計測画像の視野径]/[位置計測画像の画素数])になる。撮影倍率を200k(視野径0.5μm)、位置ずれ量の計測誤差を1 pixel、位置計測用画像の画素数を500×500とすると、位置計測画像の視野径は、[撮影用画像の視野径の1割]×[位置計測画像の画素数] /[位置ずれ量の計測誤差(画素数)]= 0.05μm×500pixel/1 pixel=25μm以下(倍率4k以上)にすべきであると計算される。以上の考察から位置計測用画像の倍率は4k〜10kの範囲内にする必要がある。今回、突起試料30の直径が数100nmと小さく、高倍率で撮影した方がパターン検索が安定すると考え、位置計測用画像の倍率は10k(視野径10μm)と設定した。なお、オープンループ補正の誤差が大きい場合や更に高倍率で傾斜シリーズ像を撮影する必要がある場合、複数の倍率で位置ずれ計測用画像の撮影し、多段階でフィードバック補正する必要がある。例えば、オープンループ補正誤差が±10μmで撮影倍率画500kの場合、補正誤差からは位置ずれ計測用画像倍率5k以下、撮影倍率からは10k以上が要求される。両者を満たす倍率は存在しないので、倍率5kで1回目のフィードバック補正を実施した後、倍率50kで2回目のフィードバック補正を実施する。
ステップ5で試料を傾斜した後、ステップ6では試料傾斜角度とモデルから再現性のある試料移動を算出し、該移動を相殺するように試料位置を補正する(オープンループ補正)。試料傾斜前の角度β1をモデルに入力して傾斜前の位置(X1,Y1,Z1)を求め、傾斜後の角度β2をモデルに入力して傾斜後の位置(X2,Y2,Z2)を求め、試料傾斜による試料の移動量(ΔX,ΔY,ΔZ)を計算する。この移動を相殺するように試料ステージを用いて試料を移動させる。試料傾斜による位置ずれ量は何度傾斜したかではなく、何度から何度まで傾斜したかに依存する。従って、オープンループ補正では試料傾斜角度ゼロの位置は固定しておく必要がある。一方、傾斜シリーズ像撮影においては試料傾斜角度ゼロの位置を必要に応じて再設定できた方が撮影状態の確認に便利である。従って、オープンループ補正で用いる傾斜角度βとは別に傾斜シリーズ像撮影中に画面に表示する傾斜角度β‘を設けておいた方が良い。
ステップ7ではフィードバック補正のために位置ずれ測定用画像を撮影し、オープンルー補正で補正しきれなかった位置ずれ量を測定し、補正する。まずZ位置、つまり焦点ずれ量補正を実施する。視差を利用した測定法を用いる場合の撮影条件を考察する。入射角度変化を10mrad、位置ずれ量測定精度を0.5pixelとすると、倍率10k(画素サイズ 20 nm)におけるZ位置測定精度は1μm精度になる。試料ステージZ移動の位置決め精度±3μmよりも小さい値である。次に先鋭度評価値を利用した測定法を用いる場合の撮影条件を考察する。スルーフォーカスシリーズ像の撮影条件はステップ2で求めた再現性の無い移動の範囲と試料ステージZ移動の位置決め精度に基づいて設定される。例えば図13の測定例について考察する。試料傾斜による試料移動量はZ方向とY方向でほぼ同様になると仮定できるので、Z方向の位置ずれ範囲はY方向の位置ずれ範囲と同じく±4μmと見積もられる。試料ステージZ移動の位置決め精度が±3μmとするとオープンループ補正における補正誤差は±7μm程度と見積もられる。そこでスルーフォーカスシリーズ像の範囲を±9μm、ステップ幅をZステージ位置決め精度の半分である3μmとした。焦点ずれ量測定後、Zステージで対物レンズ焦点位置に試料位置を合わせる。
なお、対物レンズ焦点位置と試料位置のずれ量を合わせる手段は2つある。試料ステージZ移動を用いて試料位置を変化させる方法と、対物レンズの励磁電流を変化させて焦点を変化させる方法である。試料ステージZ制御による試料移動は位置決め設定精度は低いが稼動範囲は広い。一方、対物レンズの励磁電流による焦点移動は位置決め精度は高いが、焦点位置を大きく変化させると画像の倍率が変化する、光軸周りに画像が回転するなどの不具合が生じる。本実施例で用いた装置では焦点位置を10μm変化させると倍率が0.1%変化し、像が0.13°回転した。従って、焦点と試料位置のずれ量が大きい場合はZステージ移動で、小さい場合は対物レンズ電流値変化で補正すべきである。今回用いた装置におけるZステージ位置決め誤差が±3μmであったので、フィードバック補正ではZステージを用い、傾斜シリーズ像撮影前の焦点微調整は対物レンズで補正することにした。試料ステージで補正するか対物レンズで補正するかの切替えポイントは装置性能によって調整した方が良い。
Z位置補正後、XY位置を補正する。位置ずれ計測用の画像をステップ4と同じ倍率で撮影する。そして、試料傾斜前の画像から参照パターンを選択する。試料傾斜後の画像においてパターン検索を実施し、試料の移動量を測定する。視野内の試料位置を変化させる手段も2つある。試料ステージXY移動を用いて電子線照射位置に対する試料位置を変化させる方法と、イメージシフト偏向器を用いて入試料位置に対する電子線照射位置を変化させる方法である。試料ステージXY制御による試料移動は位置決め設定精度は低いが稼動範囲は広い。一方、イメージシフトによる照射位置移動は位置決め精度は高いが、偏向量が大きくなると画像に歪が生じるため稼動範囲が制限される。本実施例で用いた装置では、試料ステージXY制御の位置決め精度は±1μm程度、イメージシフトの稼動範囲は±1μm程度である。従って、視野内の試料位置を補正するにはずれ量が所定量、例えば1μm以上の場合は試料ステージXY移動で試料の位置を調整した後、位置ずれ測定用画像を撮影して試料のずれ量を測定する。ずれ量が所定量以下となった後、イメージシフト偏向器で電子線の入射位置を調整するという手順で補正する。なお、位置決め誤差の小さい、例えば10nm以下の試料ステージが使用可能な場合は、試料ステージXY制御のみで補正を実施した方が良い。フィードバック補正後、試料ステージXYZ位置、対物レンズの励磁電流値、イメージシフト制御値を記録し、位置ずれ計測用画像を撮影し、試料傾斜角度と共に記録する。
試料傾斜による試料移動量の補正が終了した後、ステップ3に戻って傾斜シリーズ像として記録する画像を撮影する。撮影前に焦点の微調整を行なう。必要に応じて試料位置の調整も実施する。撮影用倍率で撮影した試料傾斜前後の画像を用いて試料位置のずれ量を求め、イメージシフト偏向器で補正する。
最後に制御画面及び表示画面の説明をする。図14は予備測定(ステップ1,2)で用いる表示画面と制御画面である。画像の取り込み条件としては撮影倍率、角度ステップ、撮影枚数、待ち時間がある。待ち時間は試料傾斜直後から画像撮影までの時間である。試料傾斜直後は試料ドリフト量が大きいので、試料ドリフト量が充分小さくなるまで時間をおく必要がある。この値は試料ステージ性能に依存するのでユーザーが設定できるようにした。撮影倍率は標準インターフェースで入力し、入力結果は画像表示画面(図14(a))に表示される。角度ステップ、取り込み枚数、待ち時間は図14(b)の入力画面で入力する。取り込み条件設定後、開始ボタンをクリックすると予備測定用画像の撮影が開始される。撮影時の傾斜角度は画像表示画面(図14(a))に表示される。予備測定用画像取り込みを一時停止するには一時停止ボタンをクリックし、再会するには開始ボタンをクリックする。終了させる時は終了ボタンをクリックする。撮影終了後、傾斜シリーズ像保存ボタンをクリックすると、保存先を入力する画面(図示せず)が表示される。この画面で傾斜シリーズ像の保存先を指定する。
傾斜シリーズ像撮影後、軌跡測定を実施する。軌跡測定では参照パターンの入力が必要になる。参照パターンは画像表示画面(図14(a))上でマウスをドラップ アンド ドロップして指定する。参照パターン領域は四角枠で表示される。パターン領域を画素単位で指定したい場合は四角枠をダブルクリックしてサブウィンドウ(図示せず)を表示させる。そのウィンドウで領域の始点の座標やパターン領域のサイズを入力する。なお、参照パターンを指定する画像の傾斜角度は選択可能である。図14(d)の画面で傾斜角度を選択し、その傾斜角度の画像を画面(図14(a))に表示させ、参照パターン領域を指定する。参照パターン領域指定後、軌跡測定ボタンをクリックするとパターン検索による軌跡測定が開始される。表示項目設定画面(図14(e))で軌跡表示ボックスをチェックすると、図14(a)の画像と図14(c)のグラフに測定された軌跡が表示される。
ユーザーは四角枠で示されたパターン検索領域の位置を画像上で観察し、パターン検索が正しく実施されていることを確認する。パターン検索が失敗した場合はパターン検索結果を修正することができる(図9)。パターン検索の成功率が低かった場合は参照パターンを設定し直すこともできる。更に画像処理の詳細設定ボタンをクリックして画像処理によるパターン検索の条件を設定する画面(図16(a))を表示させ、条件を変更することもできる。例えば、規格化相互相関法では入力画像の規格化相互相関画像を計算し、規格化相互相関画像上に発生するピークの位置から位置ずれ量を測定する。強度最大値の位置を検出し、これを位置ずれに対応したピークの位置とする。しかし、ノイズの影響で強度最大値の位置と位置ずれに対応するピークの位置が一致しない場合がある。このような場合でもピーク位置検出の確率を向上させる対策として、ピークが発生する領域を予め想定し、その領域で最大値の位置を検索する、などの対策が考えられる。図16(a)には試料の円運動半径rの大凡の値と試料傾斜角度ステップから計算されたピーク検出予想範囲を入力するボックスが設けられており、この範囲内でのみでピークを検出するように設定することができる。なお、軌跡測定は傾斜シリーズ像をすべて保存してから実施しても良いし、画像取り込みごとに実施しても良い。画像取り込みごとに実施する場合は、図14(b)の条件設定画面でツ逐次パターン検索ボタンにチェックを入れ、逐次検索を指定する。測定された軌跡の保存は軌跡保存ボタンをクリックして指定する。
測定された軌跡をモデル化し、オープンループ補正及びフィードバック補正情報として保存する際の制御画面を図14(f)に示す。図14(f)に示す軌跡取り込みボタンをクリックすると図14(c)のグラフに軌跡の測定結果が表示される。フィッティングボタンをクリックするとモデルとのフィッティングが実施される。解析されたモデルの軌跡が図14(c)に表示される。モデル軌跡つまり再現性のある移動とモデル軌跡と実際の軌跡との差つまり再現性の無い移動の範囲を補正情報として保存する。なお、モデルの軌跡と実際の軌跡との誤差が大きい場合、フィッティング条件やモデル選択が適切か否かを確認する。フィッティング条件としてはパラメータの検索範囲や初期値があり、軌跡を観察して適当な値に再設定する。モデルとしては、今回は図11(a)及び数3で示されるモデルを用い、ψ、φ、rの3つのパラメータをフィッティングさせている。このモデルで近似できるか否かは軌跡が直線で近似できるか否かで判断される。軌跡が楕円を描いていることが確認された場合、試料傾斜軸zがXY面から外れていると推定されるので、Z軸と傾斜軸zとのなす角θをパラメータとして追加して解析する必要がある。一方、Y軸と平行な直線に近似できることが確認できればφ=0とし、図11(b)及び数4で示されるモデルにフィッティングさせることが可能になる。パラメータ数を減らせた方がフィッティングは安定する。モデリングの詳細設定ボタンをクリックするとモデリング条件を設定する画面(図16(b))が表示されるので、モデルの関数を入力し、フィッティングパラメータの検索範囲を設定する。例えば図12に示す軌跡が得られた場合、θ=90°、φは90°から130°、ψは-30°から+30°、rは25μmから40μmであると推定できるので、図16(b)でそれらの値を入力し、フィッティング処理を安定化させる。モデルフィッティング後、表示項目設定画面(図14(e))でモデル表示ボックスをチェックすると、図14(a)の画像と図14(c)のグラフにモデルの軌跡が表示される。フィードバック補正で用いる情報、つまり再現性のある移動のモデルと再現性の無い移動の範囲の保存は補正情報保存ボタンをクリックして指定する。
試料傾斜による軌跡は試料ステージや試料ホルダに依存することから、以前保存した軌跡情報や補正情報を呼び出して利用する場合もある。呼び出した補正情報が利用可能か否かを確認するために、呼び出された軌跡やモデルを図14(a)の画面に表示させる。マウスのドラップ アンド ドロップで軌跡とモデルの位置をXY面内で平行移動させて軌跡の位置を調整する。試料を連続傾斜させながら試料が軌跡に沿って移動しているかを確認し、利用可能か否かを判断する。
次に、傾斜シリーズ像撮影(ステップ3〜7)で用いる画面を説明する。図15(b)に示す画面を用いて画像の取り込み条件である角度ステップ、撮影枚数、待ち時間を設定する。位置補正情報取り込みボタンをクリックすると再現性のある移動のモデルと再現性の無い移動の範囲が記録されたファイルを指定する画面(図示せず)が表示されるので、そこでファイルを指定して補正情報を取り込む。次に傾斜シリーズ像撮影用倍率を指定する。図15(a)の画面で試料を表示させ、傾斜シリーズ像撮影用倍率に設定した後、図15(b)の撮影倍率設定ボタンをクリックすると、撮影倍率が記録される。撮影倍率が入力されると位置計測用倍率の範囲が算出され、推奨される倍率が位置計測用倍率ボックスに表示される。位置計測用倍率範囲の上限はオープンループ補正の補正精度から計算され、下限は傾斜シリーズ像撮影で許容される位置ずれ量から計算される。例えば、オープンループ補正の補正精度が±5μm程度の場合、位置計測用画像の倍率は10k以下(視野径10μm以上)とすべきである。撮影倍率を200k(視野径0.5μm)では傾斜シリーズ像撮影で許容される位置ずれ量は0.05μm以下にすべきである。そのためには位置計測に用いる画像の倍率は4k以上(視野径25μm以下)にする必要がある。なお、特徴パターンとして用いる突起の直径が数100nmと小さく、高倍率で撮影した方がパターン検索が安定するとの知見があることから、高倍率側の10kが推奨倍率として表示される。推奨倍率を変更したい場合は表示画像の倍率を変化させた後、位置計測用倍率設定ボタンをクリックする。この時の入力倍率が位置計測用倍率範囲外であった場合は警告メッセージが表示される。例えば、倍率を10k以上にすると特徴パターンが位置ずれ計測用画像の視野からはずれる可能性が高い、倍率を4k以下にすると観察領域が撮影用画像の視野から外れる可能性が高い、というメッセージが場合に応じて表示される。
フィードバック補正では焦点補正つまりZ位置も補正する。焦点補正の詳細設定ボタンをクリックすると、焦点測定条件が表示される。図16(c)は先鋭度評価値を利用した焦点測定法の条件設定画面である。フォーカスステップと測定点数は再現性の無い移動の範囲とZステージの位置決め誤差から計算される。計算された推奨値が画面に表示されるが、この値を変更することは可能である。試料によってはフォーカスサーチの範囲を広くしたり、ステップ幅を細かくしたりしなければ正焦点の位置を特定できない場合もあるためである。但し変更した場合には警告メッセージが表示される。例えば、フォーカスサーチ範囲が想定される焦点ずれ量よりも狭いもしくは広い、フォーカスサーチのステップがZ位置設定誤差に対して小さい、大きいなどのメッセージである。図16(d)は視差を利用した焦点測定法の条件設定画面である。ここで入射角度変化量を設定する。試料を正焦点にあわせた後、正焦点における視野ずれ量測定のボタンをクリックすると、正焦点における視野ずれ量D0が測定され、記録される。比例係数測定ボタンをクリックすると、既知の焦点ずれ量ΔF1と視野ずれ量の変化量(D1-D0)の比例係数aの測定が実行され、記録される。
取り込み条件設定後、開始ボタンをクリックすると傾斜シリーズ像の撮影が開始される。図2のステップ3からステップ7までの工程が取り込み条件で設定された回数繰り返される。フィードバック補正中、パターン検索不能となった場合は警告メッセージを表示し、位置ずれ測定を停止する。この場合、必要な対策を実施した後、開始ボタンをクリックしてフードバック補正を再開させ、傾斜シリーズ撮影を続行させる。対策不能と判断して終了させる時は終了ボタンをクリックする。傾斜シリーズ像撮影が終了すると、保存先を入力する画面(図示せず)が表示される。この画面で傾斜シリーズ像保存を指定する。
本実施例では、試料傾斜による試料移動補正システムを薄膜加工した試料のTEM観察に適用した事例を示す。本実施の形態で用いるTEMの基本構成図を図17に示す。1次電子線31を発生する電子銃11及び1次電子線31の加速電圧や引出し電圧を制御する制御回路11‘、1次電子線31の収束条件を調整する照射レンズ12及びその電流値を制御する制御回路12‘、1次電子線31の拡がり角を制御するコンデンサ絞り13及びコンデンサ絞りの位置を制御する制御する制御回路13’、試料30に入射する1次電子線31の入射角度を調整する軸ずれ補正用偏向器14及びその電流値を制御する制御回路14‘、試料30に入射する1次電子線31のビーム形状を調整するスティグメータ15及びその電流値を制御する制御回路15‘、1次電子線31の試料30に対する焦点位置を調整する対物レンズ18およびその電流値を制御する制御回路18‘、試料30の試料室内での位置を設定する試料ステージ19およびその位置を制御する制御回路19‘、対物絞り24及びその制御回路24’、制限視野絞り25及びその制御回路25‘、試料30を通過した透過電子線32を投影する投影レンズ21及びその電流値を制御する制御回路21‘、透過電子線32の軸ずれを補正する軸ずれ補正用偏向器22及びその制御回路23’、透過電子線32を検出する電子検出カメラ26およびそのゲインやオフセットを制御する制御回路26‘、 制御ソフトおよび画像処理ソフトを搭載した計算機29から構成される。各制御回路は計算機29によってコマンド制御される。
まず、図17の装置を用いてTEM像を得る工程を説明する。電子銃11から1次電子線を引出し電圧V1で引出し、加速電圧V0を印加する。鏡体の光軸とほぼ平行な方向をZ方向、光軸とほぼ直交する面をXY平面とする。薄膜化した試料30を試料ステージ19に載せ、Z方向より1次電子線31を入射する。照射レンズ12、軸ずれ補正用偏向器13、スティグメータ14を用いて1次電子線31がZ軸と平行な入射角度で試料に平行入射するように調整する。1次電子線31を薄膜化した試料30に入射すると、大部分の電子は試料30を透過する。投影レンズ21を用いて透過電子線32の像面を電子検出用カメラ26に投影し、TEM像を得る。TEM像の倍率は投影レンズ21の励磁電流によって設定する。
試料ステージの移動機構及び傾斜機構を図19に示す。イオンビームにて楔型に切り出された試料30が半円状の試料台117に固定されている。固定された試料30内の観察箇所117はイオンビームで薄膜化されている。試料加工の詳細は特開2004-301853号を参照されたい。半円状試料台117を試料ホルダ−102に設置する。そして試料ホルダ102が試料ステージに挿入される。試料ステージのXYZ移動機構と試料ホルダ102全体を傾斜させるα傾斜の機構は図5と同じである。β用パルスモータによる移動が試料ホルダ内の冶具108を介して試料台117を乗せた板に伝わる。冶具108が押し当てられる面に傾斜が付いており、冶具108のX方向移動によって板があおられることによって試料がY軸回りに傾斜する。試料ホルダ全体を傾斜させるαの角度範囲は最大でも±70°程度、βの角度範囲は±20°程度である。
次に試料移動量の測定手順を示す。薄膜試料でも試料移動量測定の基本フローは図9と同じである。実施例1との違いは、実施例1で参照パターンに用いていた突起構造が実施例2の薄膜試料には存在しない点である。薄膜状の観察領域では傾斜角度が大きくなる観察像の変化が大きく、パターン検索不能になり、フィードバック補正が出来なくなる場合が多い。この場合、試料を大きく傾斜させてもパターン検索可能なマーカーをイオンビーム加工で作製する。マーカーは試料観察の障害とならないよう、観察領域117と距離をおいて作製する。ただし、観察領域117とマーカーの間の視野移動はイメージシフト偏向器で実施する必要があるので、イメージシフト偏向器の稼動範囲内(±1μm以内)に作製する必要がある。マーカーの軌跡から観察領域117の軌跡を求め易い位置に作製する。更に試料を傾斜させてもマーカーが観察領域117と重ならない位置に作製すると良い。図19(a)にFIBで作製したマーカーの例を示す。FIBにて薄膜面内に穴をあけ、これを凹マーカー115として利用する。観察領域117と凹マーカー115を結ぶ直線が試料傾斜軸と平行になるようにすることによって、凹マーカー115でフィードバック補正した後、イメージシフト偏向器にて視野をy方向に平行移動させて観察領域117の撮影を行うことができる。凹マーク115は以下の手順で作製する。通常、イオンビームを-y方向から入射して試料を薄膜加工する。加工の途中で試料をx軸回りに傾斜させ、z方向からイオンビームを入射して観察領域117の位置を確認し、試料に穴を開けて凹マーカー115を作製する。凹マーク115作製の後、x軸回りに試料を傾斜させ、再びy方向からイオンビームを入射して薄膜加工を仕上げる。別のマーカーとして、図19(a)に示す凸マーカー14の作製も可能である。凸マーカー14の位置にイオンビームが入射しないようにFIBのブランキングシステムを制御して作製する。加工工程が簡便であるが、カーテニングによって凸マーカー114の下で試料膜厚が変化してしまうため、観察領域117と凸マーカー114を結ぶ直線を試料傾斜軸と平行にできない。このため凸マーカー114と観察領域117の位置関係を求めて補正する必要がある。凸マーカー114でフィードバック補正した後、試料傾斜角度から観察領域117までの視野移動量および焦点ずれ量を計算し、それらを補正した後撮影を実施する。
図19(b)はバイオ試料やナノ材料試料の観察を想定している。バイオ試料やナノ材料試料は格子状試料台116もしくはカーボン薄膜を載せた格子状試料台116に薄片試料30をのせ、格子状試料台116を乗せる板119に設置する。バイオ試料やカーボン薄膜にイオンビームを照射すると膜が破れ、膜がめくれてしまうため、イオンビームによるマーカー作製は困難である。観察試料のサイズが大きい場合つまり観察倍率が低い場合、格子状メッシュ116の格子をマーカーとして用いることができる。試料サイズが小さい場合、つまり高倍率での観察が必要な場合は金コロイドなどを試料状に散布し、これをマーカーとして利用する。ただし、金コロイドが試料構造評価の妨げになる場合があるので、観察目的に応じて最適なマーカーを選択する必要がある。
マーカーの作製が困難な場合はパターン検索する画像間角度差を小さくし、観察像の変化を小さくして対応することも可能であるが、位置ずれ補正時間が増加する。当然であるが、試料傾斜角度が大きくても観察像の変化が少ない構造が存在すれば、それをマーカーに利用する。観察領域内に適当なマーカーが存在する場合は、実施例1と同じ手順で試料移動量を測定し、補正をすることができる。
なお、実施例1および実施例2ではSTEM/TEMに適用した場合について示したが、2次電子で画像を形成するSEMにも適用可能である。他の荷電粒子線装置、例えば収束イオンビームを用いた装置にも適用可能である。
本発明をSTEM/SEM/TEMなどの電子顕微鏡を用いた3次元観察、FIBを用いた3次元試料加工に適用することによって試料傾斜による位置ずれを高速・高精度に自動補正できるようになり、TATが大幅に向上する。半導体デバイス、ナノ材料、バイオの開発を加速する。
試料傾斜による試料移動の自動補正システム概略図。 試料傾斜による試料移動の自動補正を備えた傾斜シリーズ像撮影フロー。 走査透過電子顕微鏡の基本構成図。 電子顕微鏡像撮影の基本フロー。 突起試料用試料台、試料ホルダ、試料ステージの基本構成図。 突起試料用試料ホルダ、試料ステージの基本構成図。 突起試料用試料ホルダ、試料ステージの基本構成図。 試料傾斜による試料の3次元移動と像面上での試料の軌跡の関係を示す説明図。 試料移動の測定手順を示す説明図。 直交座標系XYZと直交座標系xyzの間のオイラー角を示す説明図。 試料傾斜軸の方向と試料傾斜による試料移動の関係を示す説明図。 試料傾斜による試料移動の測定例。 試料移動の軌跡の解析例。 予備測定(ステップ1,2)で用いる表示画面及び制御画面。 傾斜シリーズ像測定(ステップ3〜7)で用いる表示画面及び制御画面。 各詳細条件の設定画面。 透過電子顕微鏡の基本構成図。 薄膜試料用試料台、試料ホルダ、試料ステージの基本構成図。 薄膜試料における参照パターン領域設定の説明図。
符号の説明
11…電子銃、11‘…電子銃制御回路、12…照射レンズ、12‘…照射レンズ制御回路、13…コンデンサ絞り、13‘…コンデンサ絞り制御回路、14…軸ずれ補正用偏向器、14‘…軸ずれ補正用偏向器制御回路、15…スティグメータ、15‘…スティグメータ制御回路、16…イメージシフト用偏向器、16‘…イメージシフト用偏向器制御回路、17…走査用偏向器、17‘…走査用偏向器制御回路、18…対物レンズ、18‘…対物レンズ制御回路、19…試料ステージ、19‘…試料ステージ制御回路、20…投影レンズ、20‘…投影レンズ制御回路、21…軸ずれ補正用偏向器、21‘…軸ずれ補正用偏向器制御回路、22…電子検出器、22‘…電子検出器制御回路、23…散乱角度制限絞り、23‘…散乱角度制限絞り制御回路、24…対物絞り、24‘…対物絞り制御回路、25…制限視野絞り、25‘…制限視野絞り制御回路、26…電子線検出カメラ、26‘…電子線検出カメラ制御回路、28…画像形成回路、29…制御ソフトおよび画像処理ソフトを搭載した計算機、30…試料、31…1次電子線、32-1…低角散乱電子、32-2…高角散乱電子、32-3…2次電子、
101…針状試料台、102…試料ホルダ、103…X方向用リニアアクチュエータ、104…Y方向用リニアアクチュエータ、105…Z方向用リニアアクチュエータ、106…α用パルスモータ、107…β用パルスモータ、108…試料ホルダ内の冶具、109…笠歯車、110…パターン領域を示す四角枠、112…測定された試料移動の軌跡、113…モデルから計算された試料移動の軌跡、114…凹マーカー、115…凸マーカー、116格子状試料台、117…半円状試料台、118…観察領域、119…試料台を乗せる板、120…バネ。

Claims (7)

  1. 第1の荷電粒子線を発生する荷電粒子源と、
    第1の荷電粒子線を試料へ導く第1の電磁界発生部と、
    第1の荷電粒子線に対する試料の位置と角度を設定する試料ステージと、
    試料から出射する第2の荷電粒子線を検出器に導く第2の電磁界発生部と、
    第2の荷電粒子線を検出する検出器と、
    検出器出力に基づいて試料構造の画像を形成する画像形成部とを有する荷電粒子線顕微装置において、
    試料傾斜角度と試料移動量の関係を記録する記録部と
    前記試料傾斜角度と試料移動量の関係を表示する表示部と、
    前記試料傾斜角度と試料移動量の関係に基づいて試料傾斜による試料移動量を求めて補正する第1の制御部と、
    試料傾斜前に撮影した画像と前記補正後に撮影した画像から第1の制御部による補正誤差を求めて補正する第2の制御部とを持つ試料移動補正装置を備えることを特長とする荷電粒子線顕微装置。
  2. 請求項1記載の荷電粒子線顕微装置において、
    前記試料ステージは前記荷電粒子線の透過像が観察可能な突起状試料を突起の中心軸回り全方向に傾斜可能な試料ステージであることを特長とする荷電粒子線顕微装置。
  3. 請求項1記載の荷電粒子線顕微装置において、
    前記試料傾斜角度と試料移動量の関係を表示する前記表示部は荷電粒子線像、試料移動の軌跡、軌跡から求めた移動モデルから適当な項目を選択し、重ね合わせて表示することを特徴とする荷電粒子線顕微装置。
  4. 第1の荷電粒子線を試料に照射し、該試料から発生する第2の荷電粒子線を検出して試料の画像を取得する工程を、試料を傾斜させて複数方向から実施する荷電粒子線顕微方法であって、
    試料傾斜角度と試料移動量の関係を予め求めて記録する予備測定工程と、
    記録された試料傾斜による試料移動量の関係から試料傾斜による試料移動量を算出して補正する第1の補正工程と、
    第1の補正工程における補正誤差を試料傾斜前に撮影した画像と前記補正後に撮影した画像から求めて補正する第2の補正工程と、
    第1と第2の補正工程の後に試料構造を撮影して記録する撮影工程を含む荷電粒子線顕微方法。
  5. 請求項4記載の荷電粒子線顕微方法において、
    前記予備測定工程は、
    荷電粒子線入射方向と垂直なXY面内の試料移動を測定する工程と、
    試料移動の3次元モデルを仮定する工程と、
    該3次元モデルをXY面内の試料移動にフィッティングする工程と、
    該フィッティングされた3次元モデルから荷電粒子線入射方向と平行なZ方向の試料移動を算出する工程と、を含む荷電粒子線顕微方法。
  6. 請求項4記載の荷電粒子線顕微方法において、
    前記第2の補正工程で用いられる視野径は、
    予備測定で求めた3次元モデルから求めたXY面内移動と予備測定で測定されたXY面内移動との差から推定される第1の補正工程における補正誤差範囲よりも広く設定されることを特徴とする荷電粒子線顕微方法。
  7. 請求項4記載の荷電粒子線顕微方法において、
    前記第2の補正工程は、
    前記第1の補正工程で発生する補正誤差と撮影工程で許容される補正誤差に基づいて位置ずれ量測定及び焦点ずれ測定の条件を算出する工程と、操作者が指定した条件が算出された条件と異なる場合は警告を表示する工程とを含む電粒子線顕微方法。
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