JP5260797B2 - 蛍石の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば光学用レンズ、例えば半導体リソグラフィなどに用いるレンズ材料として利用することができる蛍石(CaF2、フッ化カルシウム)の製造方法に関する。
蛍石の結晶(CaF2結晶)は、色分散が非常に小さく、一般的な光学ガラスに比べて屈折率及び分散率が低い上、特殊な部分分散特性(異常部分分散、アッベ数:95)を備えているため、色消レンズ(アポクロマート)、赤外線分析装置やエキシマレーザ等の窓板、TVカメラレンズや顕微鏡レンズ、微細パターンをウェハー上に転写するための装置である半導体リソグラフィ(ステッパやスキャナなどを含む)装置のレンズなどに広く利用されている。
中でも半導体リソグラフィ装置において微細化加工を担うステッパ(縮小投影型露光装置)について言えば、解像力を高めるために光源の短波長化が進められ、紫外域で発振する高出力レーザとしてのエキシマレーザを光源に用いたステッパが開発された。これに伴い、これに適したレンズ材料として蛍石(CaF2、フッ化カルシウム)が注目されている。蛍石は、エキシマレーザ光の中でもKrFレーザ(波長:248nm)やArFレーザ(波長:193nm)などのような真空紫外域と呼ばれる波長域の光線の透過率が高いという特徴を有している。
しかし、このような高精度ステッパに用いるレンズ材料には、転位や亜粒界組織が少なくて均質な蛍石である必要があるが、そのような蛍石を製造することは容易なことではない。
この種の蛍石は、ブリッジマン法等の単結晶育成法によってCaF2結晶を成長させた後、得られたCaF2結晶を熱処理(アニールとも言う)して製造するのが一般的である。結晶育成工程で得られたCaF2結晶を熱処理することにより、結晶育成時に導入された残留応力を除去することができ、CaF2結晶内の残留歪(歪複屈折)を低減することができる。したがって、上記の如き高度な光学特性を備えた蛍石を製造するためには熱処理工程は特に重要である。
そこで、熱処理工程に注目して蛍石の製造技術を検討してみると、従来の熱処理方法は、結晶育成工程で得たCaF2結晶を熱処理炉内に配置し、炉内温度を所定の熱処理温度まで上昇させ、当該熱処理温度に到達させた後、結晶内の温度分布(温度差)を極力低減・抑制するために、精密に温度を制御して当該熱処理温度を一定時間維持し、その後徐冷するという方法が一般的であった。
例えば特許文献1には、蛍石単結晶を1020℃〜1150℃の範囲にある第1の温度(1080℃)に所定時間保持した後、第1の温度(1080℃)から第2の温度(700℃以下)まで1.0(℃/時間)以下の冷却速度で降温する方法が開示されており、特許文献2には、結晶成長したフッ化物単結晶をアニール炉に入れ、るつぼを900〜1000℃に加熱し、20時間以上加熱する方法が開示され、特許文献3には、熱処理炉内を真空雰囲気にし、1000℃で24時間保持して熱処理した後、冷却する方法が開示されている。
また、特許文献5には、単結晶母材を、該単結晶母材と同種の材料からなる熱処理用外被覆治具により被覆状態にしてアンプル内に設置し、該アンプルの外側から加熱して熱処理を行うことにより、単結晶母材の外側周辺を同種の材料により封じ込めて加熱することにより、単結晶母材の外側周辺部の材料的変化を抑制する方法が開示されている。
特許文献6には、蛍石単結晶の熱処理装置として、蛍石単結晶の周囲に、熱処理する蛍石と同一物性を有する蛍石等からなる均熱化部材を配置する構成の熱処理装置が開示されている。
さらに特許文献7には、結晶成長させたフッ化物単結晶の熱処理方法として、炉内温度を上昇させて1000〜1350℃の範囲内に到達させた後、900〜1350℃の温度領域にて降温と昇温を交互に行なう昇降サイクルを少なくとも2回実施し、続いて冷却する方法が提案されていると共に、熱処理炉の一例として、図19に示すように、複数のカーボン製容器54を上下方向に積み重ねるようにして気密炉51内に配置し、それらカーボン製容器54のそれぞれ内にCaF2結晶基板55を収納する方法が開示されている。
特開2001−335398号公報 特開2003−238293号公報 特開2004−99409号公報 特開2004−99409号公報 特開昭63−218600号公報 特開平11−116400号公報 特開2008−156165号公報
エキシマレーザ用のレンズ材料は、レーザなどの光線を照射されているうちに、材料中にカラーセンターが形成され、透過率の低下や吸収発熱による局所的な屈折率の変化等が起こる、いわゆる光損傷を受ける場合がある。更に、強力なレーザ光を照射されると、上記光損傷だけでなく、吸収発熱によって誘起される熱応力による破壊、或いは、レーザ光の強い光電界による絶縁破壊などによって損傷を受ける場合があるため、この種の光学材料においてレーザ耐久性は重要な評価項目の一つとなっている。
そこで本発明は、CaF2結晶の熱処理方法を工夫することにより、レーザ耐久性に優れた蛍石を製造できる新たな方法を提案せんとするものである。
本発明は、蛍石結晶の周囲に、隔壁を介して、フッ化物ガス吸着材を含有するフッ化物ガス捕捉層を設けて熱処理することを特徴とする蛍石の製造方法を提案するものである。
蛍石結晶において転位や亜粒界組織が発生する原因を研究した結果、熱処理炉内の高温Fガスが熱処理炉の壁面の構成材料と反応することにより、壁面を構成する材料(例えばステンレス)の構成元素(例えばCr、Fe、Ni、Mnなど)がフッ化物化されて遷移金属のフッ化物ガスが炉内に発生し、この遷移金属のフッ化物ガスが蛍石結晶の表面に付着し結晶内に拡散することにより、転位や亜粒界組織の成長を促す一因となっていることが分かってきた。
そこで本発明では、熱処理する蛍石結晶の周囲に、隔壁を介して、フッ化物ガス吸着材を含有するフッ化物ガス捕捉層を設けて、熱処理炉の壁面などから発生する遷移金属のフッ化物ガスを該フッ化物ガス捕捉層で捕捉するようにしたところ、転位や亜粒界組織が少なくて均質であり、レーザ耐久性に優れた蛍石結晶を得ることに成功した。
よって、本発明の製造方法により得られる蛍石は、例えばTVカメラレンズ、顕微鏡レンズ、赤外線分析用窓材、半導体リソグラフィ装置に用いられるレンズなどのレンズ材料、特に高度な光学特性が要求されるArF(フッ化アルゴン)エキシマレーザ露光装置やF(フッ素)エキシマレーザ露光装置など、紫外或いは真空紫外波長域のレーザを光源に用いた露光装置等のステッパ用レンズ材料として好適に用いることができる。
本発明で使用する熱処理炉の一例を示した断面図である。 図1において各隔壁容器を中心に拡大して示した要部拡大断面図である。 実施例1−8及び比較例1−5で得られたサンプルについて、レーザ耐久性の代替特性であるγ線照射により誘起されたカラーセンター吸収強度と、Voronoi面積の標準偏差との関係を示したグラフである。 実施例1−8及び比較例1−5で得られたサンプルについて、レーザ耐久性の代替特性であるγ線照射により誘起されたカラーセンター吸収強度と、Delaunay距離の標準偏差との関係を示したグラフである。 実施例1及び比較例1で得られたサンプルのエッチピット画像(Etch-pit観察像)、Delaunay図及びVoronoi図を、それぞれ上下に並べて対比して示した図である。 実施例2及び比較例2で得られたサンプルのエッチピット画像(Etch-pit観察像)、Delaunay図及びVoronoi図を、それぞれ上下に並べて対比して示した図である。 実施例1で得られたサンプルのエッチピット画像(Etch-pit観察像)である。 実施例1で得られたサンプルのDelaunay図である。 実施例1で得られたサンプルのVoronoi図である。 比較例1で得られたサンプルのエッチピット画像(Etch-pit観察像)である。 比較例1で得られたサンプルのDelaunay図である。 比較例1で得られたサンプルのVoronoi図である。 実施例2で得られたサンプルのエッチピット画像(Etch-pit観察像)である。 実施例2で得られたサンプルのDelaunay図である。 実施例2で得られたサンプルのVoronoi図である。 比較例2で得られたサンプルのエッチピット画像(Etch-pit観察像)である。 実施例2で得られたサンプルのDelaunay図である。 実施例2で得られたサンプルのVoronoi図である。 従来の熱処理炉の一例を示した断面図である。
以下に本発明の実施形態について詳細に述べるが、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係る蛍石の製造方法(以下、この製造方法を「本製造方法」という)は、CaF2結晶を育成する結晶育成工程と、育成されたCaF2結晶を熱処理する熱処理工程とを経て蛍石を製造する方法である。
なお、結晶育成工程及び熱処理工程での処理温度は、特にことわらない限り、炉内の雰囲気温度を示すものである。
<原料>
本製造方法では、フッ化カルシウム(CaF2)の原料を特に限定するものではなく、CaF2の原料として知られている全ての原料を用いることができる。一例としては、粉末状のCaF2原料、若しくはこれと、スカベンジャー或いはフッ化剤、すなわち蛍石内の不純物(主に酸素)を除去する反応材料との混合物を挙げることができる。
CaF2原料としては、公知のCaF2原料を用いることができる。紫外や真空紫外域で使用されるCaF2結晶を製造するには、人工的に合成された高純度なCaF2粉末を原料として使用するのが好ましい。例えば炭酸カルシウムとフッ化水素とを反応させて合成して得られる粉末状のCaF2原料粉を挙げることができる。
また、スカベンジャー或いはフッ化剤としては、フッ化亜鉛(ZnF2)、フッ化鉛(PbF2)、フッ化ビスマス(BiF3)、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化リチウム(LiF)等を挙げることができる。
<結晶育成工程>
本製造方法では、CaF2結晶の結晶育成方法を特に限定するものではない。例えばBridgman−Stockbarger法(「BS法」ともいう)、Czochralski(「CZ法」ともいう)、ゾーンメルト法、これらの改良法、その他の融液成長法等、公知の結晶育成方法を適宜採用することができる。
BS法は、坩堝の中に原料を入れて融解させ、坩堝を引下げながら、坩堝底から単結晶を育成させていく方法である。結晶育成装置が比較的安価であり、大口径の単結晶を比較的に容易に育成可能であるという特徴を有している。その反面、結晶成長方位の制御が困難であり、また、結晶育成時や冷却時に無理な応力がかかるため、応力分布が結晶内に残って歪や転位が誘起され易いと言われている。本発明によれば、このような結晶内に残留する歪や転位を軽減することができるから、BS法は本発明の熱処理工程の効果をより一層享受できる結晶育成方法であると言うことができる。
他方、CZ法は、坩堝内に原料を入れて融解させ、シード(種結晶)を溶融液面に接触させて単結晶を回転引き上げながら育成(結晶化)していく方法である。CZ法は、結晶方位を特定し結晶化させることが可能であるため、目的とする結晶方位の育成が容易であると言われている。
結晶育成方法の一例についてより具体的に説明すると、原料及びスカベンジャーを充填した坩堝を結晶成長装置内に設置し、真空排気系によって結晶成長装置内部の真空度が1×10-3〜10-4Pa程度になるまで排気を行い、加熱装置によって坩堝を加熱し、坩堝に充填した原料を融解させる。ここで、坩堝の温度の上昇に伴い、原料に吸着した気体や、スカベンジャーと反応した気体や真空溶解炉内側及び坩堝等に吸着した気体が離脱するため、結晶育成期間中は常に真空排気を継続して行い、所望の真空度を維持する必要がある。
坩堝内の原料が融解した後、坩堝を0.1mm/時間〜3mm/時間程度の速度で徐々に鉛直下方に引き下げると、坩堝内で融液となった原料は底部付近から固化が始まり、単結晶が育成される。坩堝内の原料がすべて固化した段階で坩堝の引き下げを終了し、加熱装置により徐冷しつつ、坩堝を室温程度にまで冷却し、インゴット状のCaF2結晶を育成することができる。
以上のようにして育成したインゴット状のCaF2結晶は、必要に応じて所定の大きさ、並びに、所定の方位の表面が出現するように切り出して熱処理工程に供するのが好ましい。例えば、直径200mm程度、厚さ40mm程度の円盤形状に切り出して熱処理工程に供することができる。
<熱処理工程>
熱処理工程では、上記結晶育成工程で得られたCaF2結晶を、例えば図1に示すように熱処理する。すなわち、熱処理するCaF2結晶50の周囲に、隔壁を介して、フッ化物ガス吸着材を有するフッ化物ガス捕捉層5を設けて熱処理すればよい。
図1において、1は真空容器、2は加熱装置、3はアニーリングケース、4は支持容器、5はフッ化物ガス捕捉層、6は隔壁容器、7はスカベンジャー或いはフッ化剤、50はCaF2結晶である。
この熱処理炉は、内部を気密状態に保持し得る真空容器1に囲まれており、真空容器1内の雰囲気を所定状態に調整できると共に、真空容器1内の温度を決められた温度プロファイルに従って高精度に制御できるように構成されている。
真空容器1の雰囲気を所定状態に調整するには、例えば排気系統により真空容器1内の気体を排気し、導入系統により所定の気体を適切量導入して調整するようにすればよい。
また、真空容器1の温度を決められた温度プロファイルに従って高精度に制御するには、例えば真空容器1内に設置した支持部材4の外壁付近の適宜高さ、例えば上層部、中層部及び下層部の各高さに温度センサを設置し、これら温度センサと温度制御装置によって、真空容器1の側壁に沿って配設された複数個のヒータ2a、2a・・の温度を制御すればよい。
真空容器1は、ステンレスなどから形成され、この内部にアニーリングケース3が設置されている。
アニーリングケース3は、被熱処理物即ちCaF2結晶の保持或いは支持するための支持容器4を支持するための役割を果たす容器であり、カーボン素材から形成することができる。また、支持容器4の周囲温度を均熱に分布させるための役割を果たす容器でもある。
このアニーリングケース3内には、複数の支持容器4を上下に積み重ねた状態で収納されている。
支持容器4は、被熱処理物であるCaF2結晶を支持する役割を果たす容器であり、例えば、上方を開口してなる枡状の容器本体と蓋体とからなり、上下に積み重ねることができる構成となっている。
各支持容器4内には、それぞれ隔壁容器6が収容され、各隔壁容器6内にはそれぞれCaF2結晶50が収容され、各隔壁容器6と各支持容器4との間にはフッ化物ガス捕捉層5が形成されている。
支持容器4は、例えばカーボンの押出成型品やCIP成型品等の一般的なカーボン素材から形成することができる。
隔壁容器6は、CaF2結晶50がフッ化物ガス捕捉層5に直接接触しないように隔てる役割を果たす容器であり、例えば、上方を開口してなる枡状の容器本体と蓋体とからなり、例えばカーボンの押出成型品やCIP成型品等の一般的なカーボン素材から形成することができる。
CaF2結晶50とフッ化物ガス捕捉層5が接触すると、熱処理中にCaF2結晶50の表面にフッ化物ガス吸着材が固着してCaF2結晶50の光学的性質が損なわれるばかりか、接触した結晶表面の粒界組織が発達して光学的性質が損なわれてしまうため、両者を隔てることが重要である。
フッ化物ガス捕捉層5は、図2に示すように、該隔壁容器6と支持容器4との間にフッ化物ガス吸着材を充填して、隔壁容器6の全周囲を囲むように形成することができる。
フッ化物ガス吸着材は、化学反応の観点から、例えばCr、Fe、Ni、Mnなどの遷移金属のフッ化物ガスを効果的に吸着できる材料であって、スカベンジャーであるPbFと蒸気圧が同等或いはそれよりも低いものが好ましい。中でもその蒸気圧がCaF2と同等或いはそれよりも低いものが好ましい。具体的には、フッ化物の粉体、破砕物及び解砕物、例えばCaのフッ化物の粉体、破砕物或いは解砕物、又は、Caと同族である元素、例えばMg、Sr、Baなどのアルカリ土類元素のフッ化物の粉体、破砕物或いは解砕物粉体、又は、これら2種類以上の混合物であるのが好ましい。中でもCaのフッ化物の粉体、破砕物及び解砕物の何れか或いはこれら2種類以上の混合物であるのがより好ましい。
フッ化物ガス吸着材は、ガス捕捉性の観点から、細密充填できるように、大きさのバラバラである混在物であるのが好ましい。
また、アニーリングケース3内或いはフッ化物ガス吸着材等の表面のフッ化処理の観点から、上記フッ化物ガス吸着材と、上記スカベンジャーとの混合物からフッ化物ガス捕捉層5を形成することもできる。
この際、用いるスカベンジャーとしては、特に金属フッ化物の粉体又は破砕物、その中でも特にフッ化鉛の粉体又は破砕物がより一層好ましい。
フッ化物ガス捕捉層5の厚さは、フッ化物ガスを効果的に吸着できるという観点から、5mm〜200mmであるのが好ましく、特に10mm〜100mm、中でも特に20mm〜50mmであるのがより好ましい。
なお、フッ化物ガス捕捉層5は、隔壁容器6の全周囲を囲むように形成するのが好ましいが、その一部を囲むように形成するものであってもよい。
また、フッ化物ガス捕捉層5は、複数層に形成してもよい。
熱処理における雰囲気、すなわちアニーリングケース3内の雰囲気は、真空雰囲気、或いはアルゴン(Ar)等の不活性ガス雰囲気とすればよい。中でも、アルゴン等の不活性ガス雰囲気、その中でも、アルゴンガスにフッ素系ガスを混合・注入してなる雰囲気が好ましい。また、アルゴンガス等の不活性化ガスに固体フッ化剤(例えばPbF2)の熱分解によるフッ素ガスが混合した雰囲気も好ましい一例である。
また、図1に示すように、アニーリングケース3内にフッ化剤を収納するのが好ましい。
フッ化剤としては、例えば、テフロン(登録商標)、酸性フッ化アンモニウム(NH4F・HF)等、或いは、フッ化鉛、フッ化亜鉛等、或いは、昇温することによりフッ素成分を気化させることができる物質を用いることができる。
このフッ化剤は、CaF2結晶50の表面や、隔壁容器6の内部に残る酸素や水分がCaF2結晶50と反応することを防ぐために用いるものであるが、必ず用いる必要はない。
熱処理工程における温度プロファイルは、特に限定するものではない。フッ化カルシウムの融点は1370℃〜1410℃程度であるため、CaF2結晶50が溶解せず、固体の状態を維持しつつ、CaF2結晶50を構成する各原子に十分なエネルギーを与えてそれぞれ適切な位置に移動させて結晶構造の乱れによる異方性を解消することができる温度まで加熱すればよく、その温度域を特に限定するものではない。目安としては、結晶構造の乱れによる異方性をより効果的に解消するためには、1000〜1350℃まで昇温するのが好ましい。
昇温速度は特に限定するものではないが、隔壁容器6内に収容されたCaF2結晶50が熱衝撃により割れ等の破損が生じないように炉内温度を上昇させる必要があるため、例えば10℃/h〜200℃/hで昇温するのが好ましい。
この際、先ず炉内温度を所定の昇温目標温度まで上昇させ(昇温ステップ)、続いて、所定の熱処理温度領域にて、降温と昇温とを交互に行なう昇降サイクルを少なくとも2回実施し(昇降サイクルステップ)、その後、冷却工程に移るようにしてもよい。
熱処理後の冷却工程では、急冷すると結晶内部に歪が残留しやすく、また、スベリ欠陥が導入され転位等が増加することになるため、ゆっくり時間をかけて冷却するのが好ましい。その反面、あまり時間をかけると、生産性を著しく損ねてしまう。このような観点から、熱処理後の冷却工程では、例えば0.5〜1.5℃/hの冷却速度で室温付近まで冷却するのが好ましい。
そして最後に、熱処理後のCaF2結晶50を切削し、必要に応じて適宜形状に加工すればよい。例えば、(111)面と平行な面を表面とする形状に加工すればよい。より具体的な一例としては、円盤形状を呈するCaF2結晶50を切削して、(111)面と平行な表面を有する形状とし、さらに表面を平滑化するために表面を平面研削する方法を挙げることができる。
<用途>
上記のような本製造方法によれば、蛍石結晶における転位や亜粒界組織を少なくして均質化することができ、レーザ耐久性に優れた新たな蛍石(「本蛍石」と称する)を製造することができる。
よって、本蛍石は、例えば色消レンズ(アポクロマート)、TVカメラレンズ、顕微鏡レンズ、赤外線分析用窓材、半導体リソグラフィ(ステッパ、スキャナ)装置に用いられるレンズ、その他の光学レンズとして用いることができる。特に巨視的に結晶の均質性が高く、且つレーザ耐久性に優れた蛍石を得ることができるから、高精度ステッパ、すなわちArF(フッ化アルゴン)エキシマレーザ等の紫外或いは真空紫外波長域のレーザを光源に用いた露光装置等のステッパ用レンズ材料として好適に用いることができる。さらに、本蛍石は、優れたレーザ耐久性を有することから、ArFエキシマレーザ等の紫外或いは真空紫外波長域のレーザ光源の窓材、あるいは共振器鏡等の光学素子として好適に用いることができる。
<語句の説明>
本発明において、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含するものである。
また、「X以上」(Xは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはYより小さい」の意も包含するものである。
以下、本発明に関する実施例及び比較例について説明する。但し、本発明は以下に説明する内容に限定されるものではない。
先ず、得られた蛍石の評価方法について説明する。
<レーザ耐久性の評価方法>
ArFエキシマレーザを蛍石に照射した際に、透過率の低下として観測されるレーザ耐久性に関し、本発明では、よりエネルギーの高い放射線源からの放射線を照射した時に誘起される透過率低下、即ち、誘起されたカラーセンターの吸収を観察することでレーザ耐久性を評価することとした。
そこで、本発明では、放射線源に放射性同位体である60Coから放射されるγ線(1.17MeV、1.33MeV)を所定の線量を照射し、その時、結晶内に誘起されるカラーセンターを分光光度計にて測定し、誘起カラーセンター吸収スペクトルを得た。レーザ耐久性とγ線誘起カラーセンター吸収強度との関係は、負の相関があることが知られている。即ち、レーザ耐久性の高い結晶においては、γ線誘起カラーセンター吸収強度が小さい。この相関関係から、本蛍石のレーザ耐久性を評価することができる。
具体的には、蛍石サンプルの両端面を平行平面となるように光学研磨を施し、光学長さ(サンプル厚み)を30mmとした。このような蛍石サンプルを暗箱内に保持し、大気中にて、60Coからのγ線(1.17MeV、1.33MeV)を、線量5.4kGy照射し、サンプルにカラーセンターを誘起させた。次に、照射後速やかに、自記分光光度計(U−4100、日立ハイテクノロジーズ)を用いて、この蛍石サンプルの紫外可視波長域(200nm〜800nm)における吸収スペクトルを測定した。
なお、ここでの「吸収」とは、いわゆる吸収係数(Lambert・Beerの法則に従い、端面の反射補正を施した透過率の自然対数をとり、長さで規格化した値。単位はcm−1)を採用した。
また、誘起カラーセンター吸収強度を定量化するために、得られた吸収スペクトルを、波長200nmから800nmの区間において積分した値を用いた。この積分値を、γ線誘起カラーセンター強度と定義する。即ち、レーザ耐久性が低い(高い)と、誘起された吸収スペクトル積分値は大きい(小さい)ことになる。
<エッチピットの評価方法>
本実施例では、CaF2結晶のエッチピット分布に対して、以下に述べるVoronoi面積及びDelaunay距離を定義し、それらのバラツキ(標準偏差)を算出することにより、CaF2結晶における転位分布(エッチピットの分布)を定量的に評価した。
(Voronoi面積及びDelaunay距離の標準偏差の算出方法)
1) CaF2結晶の清浄面を得るために、(111)面での劈開或いは精密研磨した。
ここで、CaF2(111)面をエッチング面とするのは、容易に平坦面(即ち、劈開面)を得ることができるからである。また、得られるエッチピットは、他の(111)面で構成された三角錐状のピットが得られることが特徴となる。
2) エッチャント(7%HCl溶液)に浸し、25℃×1時間のエッチングを実施した。
3) エッチングされた面(4mm四方)を光学顕微鏡で写真撮影し、画像をデジタル化した。
4) このようにしてデジタル化されたエッチピット画像をもとに、エッチピットとそれ以外の部分を二値化(Background除去, 閾値設定)処理した。また、エッチピット以外のごみや傷を消去した。さらに、隣接し重なり合っているエッチピットを、手作業及びwatershed細分化により分割した。
5) 亜粒界や粒界においてエッチピットが規則的に配列し隣接し重なりがある場合は、平均的な隣接距離をもとに各エッチピットを分割した。具体的には、二値化され、線として認識されているエッチピット群に対して、メッシュ(Grid)を切ることで分割した。
6) このように調整したエッチピット画像(図7、図10、図13、図16参照)を、画像処理ソフト(フリーソフト:ImageJ)を用いて、Delaunay分割, Voronoi分割を実施した。すなわち、有効視野内の全てのエッチピットについて、その重心点を求め母点とし、画像上のすべての母点に対して、他の母点がどの母点に近いかによって領域分け(Voronoi分割)したものをVoronoi図(図9、図12、図15、図18参照)とし、Voronoi図を構成する各多角形状の領域をVoronoi領域、各領域を隔てる境界線をVoronoi境界とした。また、前記Voronoi境界で隣接するふたつのVoronoi領域内に含まれる母点(これを「Delaunay点」と呼ぶ)同士を全てつないで、新たに分割した図をDelaunay図(或いは、Delaunay図、図8、図11、図14、図17参照)とした。
次に、有効視野内のVoronoi図におけるVoronoi領域(Voronoi図形)の面積を「Voronoi面積」として定義して算出し、このVoronoi面積のばらつきを統計処理を行うことで、標準偏差を算出し、Voronoi面積のバラツキを評価した。
また、上記Delaunay図(Dealunay分割)における各図形の辺の長さ(「Dealunay距離」と定義する)を算出し、統計処理を行うことで、Delaunay距離の標準偏差を求め、バラツキを評価した。
(実施例1)
ブリッジマン・ストックバーガー法(BS法)により育成されたCaF2結晶インゴットを<111>方位に切り出し、直径約80mm、厚さ約30mmの大きさの円板状に加工してas-grown結晶基板を得た。
なお、後述する実施例及び比較例においては、同一の結晶インゴットの同じ部位からそれぞれの結晶基板を採取した。
このように得られた結晶基板を、図1に示される構成の熱処理炉を用いて熱処理及びその後の冷却を行なった。以後の比較例も同様である。
その際、CaF2結晶の粉砕粉(粒度分布10μm〜10mm)をフッ化物ガス吸着材として、隔壁容器6と支持容器4との間に充填して隔壁容器6の全周囲を囲むように、20mm厚さのフッ化物ガス捕捉層5を形成した。
また、図1に示すように、アニーリングケース3内にフッ化剤として、PbF粉を置いた。
熱処理工程のプロフィールは次のようである。
先ず、室温にて、熱処理炉内を減圧して真空雰囲気とした後、炉内雰囲気を速やかにArガス雰囲気に置換した。
その後、加熱装置にて、昇温時間36時間で、最高温度1100℃まで昇温した後、24時間温度を保持した。その後、10日掛けて室温まで冷却した。
このように熱処理して得られた結晶基板からエッチピット観察用の試料(サンプル)を切り出し、観察面用の清浄面を得るために(111)面で劈開させた。
また、レーザ耐久性の評価のための試料を切り出し、(111)面両端面に光学研磨を施した。
(実施例2)
実施例1の熱処理工程のプロフィールにおいて、昇温時間36時間で、最高温度1000℃まで昇温した後、24時間温度を保持した以外は、実施例1と同様に試料(サンプル)を得た。
(実施例3)
CaF2結晶の粉砕粉(粒度分布10μm〜10mm)と、フッ化鉛の粉体(粒度約50μm)とを、質量比率99:1で混合した混合物を、隔壁容器6と支持容器4との間に充填して隔壁容器6の全周囲を囲むように、20mm厚さのフッ化物ガス捕捉層5を形成した以外は、実施例1同様に試料(サンプル)を得た。
(比較例1)
実施例1において、CaF2結晶の粉砕粉を充填しない以外は、実施例1と同様に試料(サンプル)を得た。
(比較例2)
実施例2において、CaF2結晶の粉砕粉を充填しない以外は、実施例2と同様に試料(サンプル)を得た。
(実施例4−8)
実施例1の熱処理工程のプロフィールにおいて、昇温時間30〜36時間で、最高温度950〜1200℃まで昇温した後、24時間温度を保持するようにした以外は、実施例1と同様に試料(サンプル)を得た。
(比較例3−5)
比較例1の熱処理工程のプロフィールにおいて、昇温時間30〜36時間で、最高温度950〜1200℃まで昇温した後、24時間温度を保持するようにした以外は、比較例1と同様に試料(サンプル)を得た。
(考察)
蛍石結晶において転位や亜粒界組織が発生する原因を研究した結果、熱処理炉内の高温Fガスが熱処理炉の壁面と反応することにより、壁面を構成する材料(例えばステンレス)の構成元素(例えばCr、Fe、Ni、Mnなど)がフッ化物化されて遷移金属のフッ化物ガスが炉内に発生し、この遷移金属フッ化物ガスが蛍石結晶の表面に付着し結晶内に拡散することにより、転位や亜粒界組織の成長を促す一因となっていることが分かってきた。
そこで本発明では、熱処理する蛍石結晶の周囲に、隔壁を介して、フッ化物ガス吸着材を含有するフッ化物ガス捕捉層を設けて、熱処理炉の壁面などから発生する遷移金属のフッ化物ガスを該フッ化物ガス捕捉層で捕捉するようにしたところ(実施例)、蛍石結晶の周囲に、隔壁を介してフッ化物ガス捕捉層を設けて熱処理した場合(実施例)と、フッ化物ガス捕捉層を設けないで熱処理した場合(比較例)とを対比すると、図3及び図4に示されるように、Voronoi面積の標準偏差、Delaunay距離の標準偏差のいずれについても大きく異なり、フッ化物ガス捕捉層を設けて熱処理した場合の方が、レーザ耐久性に優れた蛍石結晶を得られることが判明した。
なお、上記実施例は、フッ化物ガス吸着材としてフッ化カルシウムの粉体を使用しているが、例えばCr、Fe、Ni、Mnなどの遷移金属のフッ化物ガスを効果的に吸着できる材料であって、スカベンジャーであるPbFと蒸気圧が同等或いはそれよりも低いものであれば、フッ化カルシウムと同様の効果が期待できるから、Caと同族である元素、例えばMg、Sr、Baなどの遷移金属元素のフッ化物の粉体、破砕物及び解砕物の何れか或いはこれら2種類以上の混合物などが、フッ化物ガス吸着材として有用であると考えることができる。
また、実施例3のように、フッ化物ガス吸着材と、スカベンジャーとしての金属フッ化物の粉体又は破砕物との混合物からフッ化物ガス捕捉層を形成するようにしても、好ましい結果が得られることが分かった。
1 真空容器
2 加熱装置
3 アニーリングケース
4 支持容器
5 フッ化物ガス捕捉層
6 隔壁容器
7 スカベンジャー或いはフッ化剤
50 CaF2結晶

Claims (4)

  1. 遷移金属を含有する壁面材料を備えた熱処理炉を使用する蛍石の製造方法において、
    蛍石結晶の周囲に、カーボン製の隔壁を介して、フッ化物ガス吸着材を含有するフッ化物ガス捕捉層を設けて、真空雰囲気、不活性ガス雰囲気、或いは、不活性ガスにフッ素ガスが混合した雰囲気下で、熱処理することを特徴とする蛍石の製造方法であって、
    前記フッ化物ガス吸着材は、Ca、Mg、Sr又はBaのフッ化物の粉体、破砕物或いは解砕物を含むことを特徴とする蛍石の製造方法。
  2. 1000〜1350℃で熱処理することを特徴とする請求項1に記載の蛍石の製造方法。
  3. フッ化物ガス吸着材と、スカベンジャーとしての金属フッ化物の粉体又は破砕物との混合物からフッ化物ガス捕捉層を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の蛍石の製造方法。
  4. スカベンジャーとして、フッ化鉛の粉体又は破砕物を用いることを特徴とする請求項3に記載の蛍石の製造方法。


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