JP2012096955A - フッ化金属単結晶の熱処理方法 - Google Patents

フッ化金属単結晶の熱処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 融液凝固法で育成したフッ化金属単結晶のレーザー耐性を向上させるための熱処理方法を提供する。
【解決手段】 気密化可能な熱処理炉を用い、その融点がXmelt℃であるフッ化金属単結晶をその融点未満の温度まで加熱した後、室温まで徐冷するフッ化金属単結晶の熱処理方法において、250℃以上、(Xmelt−500)℃以下の範囲にある所定の温度までは、真空排気下に昇温を行い、当該所定温度に到達した後にフッ素系ガスを熱処理炉内に導入するとともに、該熱処理における最高温度を(Xmelt−350)℃以上、好ましくは(Xmelt−150)℃以下とすることを特徴とするフッ化金属単結晶の熱処理方法。
【選択図】 図4

Description

本発明は、半導体リソグラフィー用光学レンズ、特に光源系レンズとして好適な光学材料などに用いられるフッ化金属単結晶の熱処理方法に関する。
フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム等の単結晶は、真空紫外から赤外領域までの広範囲の波長帯域にわたって高い透過性と低屈折率・低分散を有し、化学的安定性にも優れていることから、広範囲な領域での光学材料として、窓材、レンズ、プリズムなどに用いられている。とりわけ、光リソグラフィー技術において、次世代の短波長光源として開発が進められているArFレーザ(193nm)やF2レーザ(157nm)光源を使用するステッパー(縮小投影型露光装置)などの装置の、窓材、光源系レンズ、照明系レンズ、投影系レンズとして期待が寄せられている。
このような高精細ステッパーに用いるレンズには、高い結像性能(解像度、焦点深度)が求められる。このため、レンズに用いる材料は、残留応力・歪(複屈折分布)が小さい、光線透過率が高い、レーザー耐性が高い、格子欠陥が少ないなど高度の光学特性が要求される。
残留応力・歪が大きい場合は、これに起因して複屈折が大きくなり、ステッパーの投影系レンズなどの極めて厳密な光学特性を要求される用途には適さなくなる。格子欠陥が多いと、光の散乱による透過率の低下、コントラストの低下、フレアやゴーストの発生に繋がり、材料の特性を大きく低下させ、同様に、高度光学特性を要求される光学材料には適さなくなる。また、近年、レーザーのエネルギー強度が増してきており、それに伴い、レンズにおけるレーザーの繰返し照射による透明性の低下防止(レーザー耐性)の要求も高くなってきている。
上記フッ化金属単結晶の光学特性を損なわせる原因として、原料精製、結晶育成およびアニール炉内の様々な部材から発生する酸素、水、金属不純物の結晶中への混入や結晶中に生じるフッ素欠陥が考えられている。これらの結晶中の不純物およびフッ素欠陥は、真空紫外領域の光線透過率の低下やレーザー照射後のカラーセンターの発生を引き起こすとされている。
これまでも不純物除去やフッ素補充の目的で、スカベンジャーなるものがフッ化金属単結晶の製造工程において使用され、種々の工夫がなされている。例えば、溶融育成前にフッ化金属原料をフッ素含有ガスと接触させて原料表面に吸着されている不純物をフッ素で置換する技術(特許文献1)、フッ化金属原料の前処理工程およびこの前処理原料を使用して結晶育成する工程において、沸点が比較的低いフッ化銅やフッ化銀をスカベンジャーとして用いる技術(特許文献2)、原料精製、結晶育成およびアニール工程において、固体スカベンジャーと気体スカベンジャー(スカベンジャーガスともいう)を併用する技術(特許文献3)、単結晶育成後の熱処理工程においてフッ素含有ガスを用いる技術(特許文献4)等が、提案されている。
特開2004−315255 特開2001−19586 特開2003−221297 特開2004−284850
フッ化金属単結晶の製造方法として一般的に用いられる融液凝固法、例えばチョクラルスキー法、ブリッジマン法およびキロポーラス法で育成したフッ化金属単結晶においては、結晶中に混入した不純物もしくはフッ素欠陥の影響で、レーザー耐性が低い場合があった。従って本願発明は、融液凝固法で育成したフッ化金属単結晶のレーザー耐性を向上させるための熱処理方法を提供することを目的とする。
本願発明者らは、融液凝固法で育成したフッ化金属単結晶のレーザー耐性を向上させるための方法を追求し、スカベンジャーガス中での熱処理条件に着目して検討した結果、本願発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、気密化可能な熱処理炉を用い、その融点がXmelt℃であるフッ化金属単結晶をその融点未満の温度まで加熱した後、室温まで徐冷するフッ化金属単結晶の熱処理方法において、250℃以上、(Xmelt−500)℃以下の範囲にある所定の温度までは、真空排気下に昇温を行い、当該所定温度に到達した後にフッ素系ガスを熱処理炉内に導入するとともに、該熱処理における最高温度を(Xmelt−350)℃以上とすることを特徴とするフッ化金属単結晶の熱処理方法である。好ましくは、該熱処理における最高温度は(Xmelt−150)℃以下である。
本発明の熱処理方法によれば、融液凝固法で育成したフッ化金属単結晶のレーザー耐性を向上させることができる。
チョクラルスキー法単結晶引上げ炉の構造を示す模式図 実施例1、2における熱処理前後のLIAスペクトル 実施例1、2、5、6における熱処理前後のLIFスペクトル 実施例24における熱処理前後のLIAスペクトル
本発明の製造方法は、融液凝固法で製造可能な公知のフッ化金属単結晶に適用可能である。該フッ化金属としては、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウム、フッ化リチウム、フッ化アルミニウム、フッ化セリウム、フッ化ランタンなどの単金属からなるフッ化金属;BaLiF、KMgF、LiCaAlF、LiSrAlFなどの複数の金属元素を含むフッ化金属が挙げられる。これらの中で、本発明の効果が顕著に発揮されるという点で、フッ化アルカリ土類金属、なかでもフッ化カルシウムの単結晶の製造に好適に採用される。
上記のようなフッ化金属単結晶(アニール前)を得る方法も特に限定されず、結晶引上げ法(チョクラルスキー法)、坩堝降下法(ブリッジマン法)、帯溶融法(ゾーンメルティング法)、浮遊帯溶融法(フローティングゾーン法)等、公知の如何なる製造方法で得られた単結晶でもよく、例えば、結晶引上げ法としては、特開2009−102194号公報、特開2006−347792号公報、特開2006−199577号公報、特開2005−29455号公報等に記載の製造方法及び装置が挙げられる。また坩堝降下法としては、特開平9−227293号公報、特開平9−315894号公報、特開2004−262742号公報等に記載の製造方法及び装置が挙げられる。
代表的な結晶引上げ法を簡単に説明すると、まず、フッ化亜鉛、フッ化鉛、四フッ化炭素等のスカベンジャー存在下に加熱溶融して酸化物や水分等の不純物の大部分を除去したフッ化金属原料を、図1に示すような単結晶引上げ炉内の外坩堝(1)に投入する。
該坩堝内に投入したフッ化金属原料は、溶融させるに先立って減圧下で加熱処理を施してさらに吸着水分を除去することが好ましい。十分に加熱を行って吸着水分を除去した後、フッ化金属原料を溶融させ、該融液から単結晶を引上げる。
単結晶体の引上げの際の温度は、対象となるフッ化金属に応じて決定され、例えば、坩堝底部の測定温度において、フッ化カルシウムの場合は、1440℃以上、好適には1440〜1520℃の温度で実施することが好ましい。また、該温度への昇温速度は10〜200℃/時間であることが好ましい。
上記加熱による水分の除去及び引上げの実施は、残留する水分の影響をなくすため、スカベンジャーの存在下で実施することが好ましい。スカベンジャーとしては、原料フッ化金属と共に仕込まれるフッ化亜鉛、フッ化鉛などの固体スカベンジャーや、チャンバー内に雰囲気として導入される四フッ化炭素、三フッ化炭素、六フッ化エタンなどの気体スカベンジャーが使用される。
引上げ法に用いる種結晶は、フッ化金属の単結晶体であり、種結晶体の育成面は、製造するアズグロウン単結晶体の結晶の主成長面に応じて、(111)面、(100)面等から適宜に採択すればよい。単結晶の育成中において、これら種結晶は、引き上げ軸を中心として回転させることが好ましく、回転速度は1〜20回/分であることが好ましい。好適な結晶の引上げ速度は、1〜10mm/時間である。このようにして所望の大きさの単結晶体を引上げた後、炉内から取り出せる程度の温度まで降温する。降温速度は、好適には0.1〜3℃/分である。
本発明の熱処理を実施するフッ化金属単結晶体としては、炉から取り出した状態のインゴットでもよいが、より効率よく熱処理するためには、該インゴットを適当な大きさに切断してディスク状とし、これを熱処理することが好ましい。また、切断後、熱処理前に切断面等を研磨及び洗浄することも好適である。むろんディスク状以外にも必要に応じた形状に加工したものを熱処理してもよい。
本発明の熱処理方法は、はじめに真空排気下に行い、その後フッ素系ガス雰囲気下に行う。該フッ素系ガスとしては、製造対象のフッ化金属に合わせて公知のスカベンジャーガスから適宜選択される。当該フッ素系ガスとしては、具体的には、四フッ化炭素、三フッ化炭素、六フッ化エタンなどのフッ素化炭化水素ガス、或いはフッ素(F)、フッ化カルボニル等が挙げられる。取扱いの容易さなどからフッ素化炭化水素ガスが好ましく、高純度のものが比較的安価に入手可能な点で四フッ化炭素が特に好ましい。
本発明における最大の特徴は、融点未満の温度まで加熱した後、室温まで徐冷するフッ化金属単結晶の熱処理方法において、250℃以上、(Xmelt−500)℃以下の範囲にある所定の温度までは、真空排気下に昇温を行い、当該所定温度に到達した後にフッ素系ガスを熱処理炉内に導入し、該熱処理における最高温度を(Xmelt−350)℃以上とする点にある。
該熱処理において、上記所定の温度範囲までは真空排気下に昇温するのは、被処理単結晶表面や、炉内部材(例えば、断熱材)に吸着している水分等の不純物を効率よく炉外へ排出させるためである。250℃未満で真空排気を止めてしまうと、この不純物除去が不十分となり、以下に述べるフッ素系ガス雰囲気下でのレーザー誘起吸収の低減効果を相殺してしまう。一方、(Xmelt−500)℃を超える温度まで真空排気を続ける、即ち、フッ素系ガスの導入が(Xmelt−500)℃を超える温度となってしまった場合には、不純物がフッ素系ガスと反応する前にフッ化金属単結晶と反応して単結晶中に取り込まれたり、フッ素欠陥が多く発生するために、レーザー照射後の色中心の原因となる。なおここで真空排気下とは、炉内圧が10−3Pa以下の状態に維持されていることをいう。
本発明においては、熱処理における最高温度を(Xmelt−350)℃以上とすることにより、熱処理前に比べて、フッ化金属単結晶のレーザー誘起吸収(以下、「LIA」とも記す)を低減することができるという効果が得られる。より好ましくは(Xmelt−270)℃以上である。
一方、該熱処理における最高温度が高いほど、LIAは小さくなる傾向にあるが、融点近くまで温度を高くするとレーザー誘起蛍光(LIF)が生じやすくなる。そのため、熱処理における最高温度は(Xmelt−150)℃以下であることが好ましく、(Xmelt−170)℃以下であることがより好ましい。
例えば、フッ化金属が、融点が約1420℃であるフッ化カルシウムの場合には、該熱処理における最高温度を少なくとも1070℃以上、より好ましくは1150℃以上で行う。上限は多くとも1270℃で、より好ましくは1250℃以下で行う。
なおここで、上記LIAとは、単結晶体に数万〜数千万回繰り返してレーザー照射を行い、その照射前の透過率と照射後の透過率の差を吸光度に換算し、該吸光度の紫外〜可視光域の範囲での積分値であり、フッ化金属単結晶のレーザー耐久性を評価する指標の一つである。この値が小さいほど、高いレーザー耐久性であることを示す。一般的には、照射するレーザー光は、単結晶体の使用波長と同じ波長(例えば、ArF光源を用いる装置用途であればArFレーザー)のレーザーを用いる。レーザー光強度及び周波数も実際の使用条件と同じ、もしくは近似した条件を採用すればよい。積分値をとる範囲は、一般的には200〜800nmとすればよいが、この範囲に制限されるものではない。
またLIFとは、LIAと同様にして単結晶体に数万〜数千万回繰り返してレーザー照射を行い、その照射後の紫外〜可視域での単結晶体の発する蛍光強度の積分値であり、やはりフッ化金属単結晶のレーザー耐久性を評価する指標の一つである。
LIAとLIFとは共にレーザー耐久性を示す指標であるが、LIAのスペクトルでは検出されない場合でも、LIFのスペクトルでは検出される場合があり、逆の場合もある。
本発明において、前記フッ素系ガスの使用量は特に限定されるものではないが、好ましくは炉内分圧で10〜30kPaとなる範囲まで導入すればよい。このときの炉内への供給速度は熱処理炉の大きさにもよるが、例えば、0.5〜2l/min程度から適宜選択すればよい。
また本発明の熱処理は、所謂固体スカベンジャーの存在下に行ってもよい。例えば、フッ化金属がフッ化カルシウムである場合、固体スカベンジャーとしては、フッ化鉛、フッ化亜鉛、フッ化銅、フッ化銀、パーフルオロポリエチレン等が知られている。
以下、本発明の熱処理方法を工程順に説明する。
本発明の熱処理方法で用いる炉は、フッ化金属単結晶体の製造で使用される一般的な熱処理炉を特に制限無く使用できるが、好ましくは、歪みを除去するアニールを兼ねるためにも、特開2006−342029号公報等に提案されている気密性が高く、温度分布の小さい炉を用いる。
該工程をより詳しく述べると、結晶引上げ法等による方法で製造したフッ化金属単結晶のインゴットから得たディスクを、熱処理炉内に設置し、ディスクの近傍にフッ化亜鉛等の固体スカベンジャーを入れる。なお、固体スカベンジャーは無くても、本発明の効果が得られることを確認しているが、より効率的に水分除去を行うために使用したほうが好ましい。次に、真空ポンプなどで1×10−3Pa以下になるまで排気した後、ヒーターによる加熱を開始する。250℃以上、(Xmelt−500)℃以下の範囲にある所定の温度までは、真空排気下に昇温を行う。該所定の温度に到達後、表面の水分を十分に取り除くために、24時間以上保持する。また、昇温速度は適宜決定すればよいが、一般的には50〜500℃/h程度である。
本発明においては、上記の如き温度に到達してからフッ素系ガスを熱処理炉内に導入して、該アニール炉内をフッ素系ガス雰囲気にするが、該フッ素系ガスの導入まで24時間以上真空排気下に保持しておくことが好ましい。フッ素系ガスの導入量は、少なすぎると不純物除去が十分に行われない可能性があり、一方、多すぎると炉内のカーボン部材の痛みが早くなるため、炉内圧が10〜30kPaになる程度が最も好ましい。なお、アルゴンなどの不活性ガスを追加し、トータルのガス圧を上げても良いが、導入しなくても本発明の効果が得られることを確認している。該導入速度は特に限定されるものではないが、炉内の部材やディスクが動かないようにするためにも、ゆっくりと導入したほうが良い。具体的には、例えば熱処理炉の内部容積が1000Lである場合には、2L/min以下とすることが好ましく、0.5L/min以下とすることがより好ましい。
前記ガスを導入後、最高温度まで昇温を開始するが、温度を安定させるために昇温させる前に1時間以上保持することが好ましい。該昇温速度は特に限定されるものではないが、熱衝撃によるディスクの割れを防止するために、0.1〜50℃/hr程度が好ましい。最高温度に到達した後、フッ素系ガスによる不純物の除去とフッ素欠陥へのフッ素の補充を十分に行うため、24時間以上保持することが好ましい。
冷却速度は、特に限定されるものではないが、熱衝撃によるディスクの割れを防止するために、室温まで30〜100時間程度、好ましくは35〜50時間程度かけて冷却を行う。本発明の熱処理は、歪みを除去するアニールを兼ねることもできる。その場合は、より長い冷却時間をかけた方が好ましい。この場合の冷却パターンは従来公知のパターンを採用することができるが、好ましくは(Xmelt−150)℃乃至(Xmelt−600)℃程度の温度になるまでは0.1〜5℃/hr程度(好ましくは0.1〜2℃/hr程度)で降温し、その後、徐々に降温速度を上げていく方法が好ましい。
このようにして降温して室温近辺まで到達させた後は、炉内を外気と同等の雰囲気に変更した後、開放してフッ化金属単結晶を取り出す。
このようにして熱処理した後、必要に応じて研磨・研削加工を行って、レンズブランク、レンズ、窓材等の最終製品とすることができる。本発明の方法で熱処理したフッ化金属単結晶は、レーザー耐性の高いものとなっており、上記のような光学材料用途として特に有用である。
以下、本発明を、実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
1.フッ化カルシウム単結晶の育成
1−1.育成方法1(実施例1〜15、比較例1〜4)
<溶融工程>
図1に示された単結晶体引上げ装置の外坩堝(1)内に、十分な精製処理及び水分除去処理を施した原料フッ化カルシウム塊を計24kg投入した後、油回転ポンプと油拡散ポンプで内圧が1×10−3Pa以下になるまで排気した後、加熱を開始した。50℃/hrで坩堝底温度250℃まで昇温した後、この温度で20時間保持した。その後、50℃/hrで坩堝底温度500℃まで昇温後、この温度で23時間保持した。続いて、四フッ化炭素5kPaとアルゴンガス15kPaを供給した後、50℃/hrで坩堝底温度1050℃まで昇温した。
該温度で5時間保持した後、50℃/hrで坩堝底温度1150℃まで昇温し、油回転ポンプと油拡散ポンプで1×10−3Pa以下になるまで排気した。該真空排気終了後、四フッ化炭素5kPaとアルゴンガス35kPaを供給し、50℃/hrで坩堝底温度1520℃まで昇温し、原料フッ化カルシウムを溶融し、溶融状態で3時間保持した。
その後、50℃/hrで坩堝底温度1150℃まで冷却してフッ化金属を固化させ、油回転ポンプと油拡散ポンプで1×10−3Pa以下になるまで排気した。該真空排気終了後、四フッ化炭素5kPaとアルゴンガス35kPaを供給し、50℃/hrで坩堝底温度1520℃まで昇温した後、3時間保持し、フッ化カルシウム原料を再溶融させた。
<育成工程>
この状態で外坩堝(1)の位置を上昇させ、連通孔(3)を通して溶融液の一部を内坩堝(2)の内空部に流入させ、内坩堝内にもフッ化カルシウムの溶融液が収容された状態とした。次いで、1480℃まで温度を下げて1時間保持した後、種結晶(9)を溶融液(12)に接触させ、単結晶の引上げを開始した。種結晶(9)は、3回/分で回転させ、引上げ速度は、4mm/hrとした。引上げ終了後、冷却速度1℃/minにて常温まで降温した。
以上の操作により、直胴部の直径が約80mm、重量3.4kgであるフッ化カルシウムの(111)アズグロウン単結晶体が得られた。
1−2.育成方法2(実施例26,27)
<溶融工程>
図1に示された単結晶体引上げ装置の外坩堝(1)内に、十分な精製処理及び水分除去処理を施した原料フッ化カルシウム塊を計24kgと、スカベンジャーとしてのフッ化亜鉛10gを投入した後、油回転ポンプと油拡散ポンプで内圧が1×10−3Pa以下になるまで排気した後、加熱を開始した。50℃/hrで坩堝底温度250℃まで昇温した後、この温度で24時間保持した。その後、50℃/hrで坩堝底温度600℃まで昇温後、この温度で24時間保持した。続いて、アルゴンガス30kPaを供給した後、50℃/hrで坩堝底温度1520℃まで昇温し、原料フッ化カルシウムを溶融し、溶融状態で3時間保持した。
<育成工程>
育成工程は、育成方法1に記載の方法と同様にして単結晶育成を行った。
以上の操作により、直胴部の直径が約80mm、重量3.4kgであるフッ化カルシウムの(111)アズグロウン単結晶体が得られた。
2.レーザー耐性の評価
上記の方法で育成したフッ化カルシウム単結晶から、熱処理前のレーザー耐性を評価するための縦横15mm、厚さ11mmの小片を1つと、熱処理用の直径80mm、厚さ11mm(実施例1〜15、比較例1〜3)又は40mm(実施例20〜27、比較例4)のディスクを1〜複数枚取得した。該ディスクについては、各々の実施例、比較例に記載の方法で熱処理を行った後にレーザー耐性を評価した。なお、いずれも育成方向が厚さ方向と同一になるように加工を行った。
レーザー耐性の指標となるレーザー誘起吸収およびレーザー誘起蛍光の評価方法は以下の通りである。
上記小片又はディスクを、表面粗さがRMSで0.5nm以下になるまで表面研磨し、厚さ10mmの試料を作製した。これをアセトン中で2分間超音波洗浄し、乾燥させた後、低圧水銀ランプを光源とする紫外線オゾン洗浄装置(テクノビジョン社製UV−208)を用いて、出力7mW/cmで15分間の紫外線洗浄を行った。
続いて、洗浄した試料を紫外可視分光光度計(島津製作所社製 UV−1800)を用い、レーザー照射前の透過率を200〜800nmの範囲で測定した。続いて、ArFエキシマーレーザーの光源装置(コヒレント社製:LPX Pro 220)を用いて、エネルギー密度30mJ/cmのレーザーを、パルス繰返し周波数100Hzで10万パルス照射し、200〜800nmの範囲の蛍光スペクトルを測定した。これがLIFスペクトルとなる。
また、レーザー照射後の200〜800nmの範囲の透過率を、前記装置を用いて測定した。レーザー照射前後の透過率差を吸光度に変換したものが、LIAスペクトルとなる。
実施例1
育成方法1で育成した単結晶から取得した厚さ11mmのディスクを熱処理炉内に設置し、さらに該ディスクの近傍にフッ化亜鉛2gを入れた後、油回転ポンプと油拡散ポンプで内圧が1×10−3Pa以下になるまで排気してから、加熱を開始した。温度250℃まで50℃/hrで昇温した後、この温度で48時間保持した。その後、四フッ化炭素を0.5L/minで炉内圧が15kPaになるまで供給し、供給が終了してから2時間後、温度700℃まで50℃/hr、最高温度1200℃まで20℃/hrで昇温した。この温度で1日間保持した後、1000℃まで冷却速度200℃/hr、500℃まで21℃/hr、室温まで42℃/hrで冷却した。
このようにして得られた熱処理後のディスクからレーザー耐性評価用の小片を取得し、LIA(A1)及びLIFを評価した。また同じ育成単結晶から得た熱処理前の小片についても、LIA(A0)及びLIFを評価した。
熱処理後のLIA値、及び該LIA値の熱処理前との変化率(A1/A0)を表1に示す。また熱処理前後のLIAスペクトルを図2に、LIFスペクトルを図3に示す。
実施例2
実施例1と同一の育成単結晶から取得したディスクを使用し、最高温度を1250℃にした以外は、実施例1と同様の方法で、熱処理を実施した。レーザー耐性評価結果を表1に示す。また、熱処理前後のLIAスペクトルを図2に、LIFスペクトルを図3に示す。
実施例3
実施例1と同一の育成単結晶から取得したディスクを使用し、最高温度を1100℃にした以外は、実施例1と同様の方法で、熱処理を実施した。レーザー耐性評価結果を表1に示す。
実施例4
実施例1と同一の育成単結晶から取得したディスクを使用し、最高温度を1150℃にした以外は、実施例1と同様の方法で、熱処理を実施した。レーザー耐性評価結果を表1に示す。
実施例5
実施例1と同一の育成単結晶から取得したディスクを使用し、最高温度を1300℃にした以外は、実施例1と同様の方法で、熱処理を実施した。レーザー耐性評価結果を表1に示す。また、熱処理後のLIFスペクトルを図3に示す。
表1に示したLIAの結果は、熱処理により向上しているが、図3に示されているLIFについては、熱処理前および実施例1、2と比べて強度が上がっており、特に450〜500nm付近の強度が大きく上がっている。この結果から、熱処理における最高温度の条件は、もう少し低い温度の方がより好ましいといえる。
実施例6
実施例1と同一の育成単結晶から取得したディスクを使用し、最高温度を1350℃にした以外は、実施例1と同様の方法で、熱処理を実施した。レーザー耐性評価結果を表1に示す。
また、熱処理後のLIFスペクトルを図3に示す。実施例5と同様、表1に示したLIAの結果は、熱処理により向上しているが、図3に示されているLIFについては、熱処理温度の最高温度が1300℃のときよりも更に大きくなっている。
比較例1
実施例1と同一の育成単結晶から取得したディスクを使用し、最高温度を1000℃にした以外は、実施例1と同様の方法で、熱処理を実施した。レーザー耐性評価結果を表1に示す。
比較例2
実施例1と同一の育成単結晶から取得したディスクを使用し、最高温度を1050℃にした以外は、実施例1と同様の方法で、熱処理を実施した。レーザー耐性評価結果を表1に示す。
Figure 2012096955
実施例7
育成方法1で育成したフッ化カルシウム単結晶であって、実施例1とは別の育成ロットの単結晶から取得した厚さ11mmのディスクを用いて実験を行った。熱処理条件は、温度250℃で48時間保持した後、四フッ化炭素を導入せずに、真空引きを継続したまま温度600℃まで50℃/hrで昇温し、この温度で24時間保持後、四フッ化炭素を0.5L/minで15kPa供給した以外は、実施例1と同様である。
このようにして得られた熱処理後のディスクからレーザー耐性評価用の小片を取得し、LIA(A1)を評価した。また同じ育成単結晶から得た熱処理前の小片についても、LIA(A0)を評価した。熱処理後のLIA値、及び該LIA値の熱処理前との変化率(A1/A0)を表2に示す。
実施例8
実施例7と同一の育成単結晶から取得した厚さ11mmのディスクを用いて実験を行った。熱処理条件は、温度250℃で48時間保持した後、四フッ化炭素を導入せず、真空引きを継続したまま温度900℃まで50℃/hrで昇温し、この温度で24時間保持後、四フッ化炭素を0.5L/minで15kPa供給した以外は、実施例1と同様である。熱処理後のLIA値、及び該LIA値の熱処理前との変化率(A1/A0)を表2に示す。
比較例3
実施例7と同一の育成単結晶から取得した厚さ11mmのディスクを用いて実験を行った。熱処理条件は、温度250℃で48時間保持した後、四フッ化炭素を導入せず、真空引きを継続したまま温度700℃まで50℃/hr、最高温度1200℃まで20℃/hrで昇温し、この温度で24時間保持後、四フッ化炭素を0.5L/minで15kPa供給した以外は、実施例1と同様である。熱処理後のLIA値、及び該LIA値の熱処理前との変化率(A1/A0)を表2に示す。
Figure 2012096955
比較例4
育成方法1で育成したフッ化カルシウム単結晶であって、実施例1、7とは別の育成ロットの単結晶から取得した厚さ40mmのディスクを用いて実験を行った。熱処理条件は、温度250℃で48時間保持した後、四フッ化炭素を導入せず、真空引きを継続したまま温度700℃まで50℃/hr、最高温度1350℃まで20℃/hrで昇温し、この温度で24時間保持後、四フッ化炭素を0.5L/minで15kPa供給した。そのまま2日保持後、最高温度1350℃から1200℃まで冷却速度5℃/hr、1000℃まで0.5℃/hr、800℃まで1℃/hr、300℃まで4℃/hr、室温まで10℃/hrで冷却した。
このようにして得られた熱処理後のディスクからレーザー耐性評価用の小片を取得し、LIA(A1)を評価した。また同じ育成単結晶から得た熱処理前の小片についても、LIA(A0)を評価した。熱処理後のLIA値、及び該LIA値の熱処理前との変化率(A1/A0)を表3に示す。
Figure 2012096955
実施例9
育成方法1で育成したフッ化カルシウム単結晶であって、実施例1、7、比較例4とは別の育成ロットの単結晶から取得した厚さ11mmのディスクを用いて実験を行った。熱処理条件は、実施例1と同一である。
このようにして得られた熱処理後のディスクからレーザー耐性評価用の小片を取得し、LIA(A1)を評価した。また同じ育成単結晶から得た熱処理前の小片についても、LIA(A0)を評価した。熱処理後のLIA値、及び該LIA値の熱処理前との変化率(A1/A0)を表4に示す。
実施例10、11
実施例9と同一の育成単結晶体から取得したディスクを使用し、四フッ化炭素を供給した後、アルゴンガスを表4に示す量だけ炉内に供給した以外は、実施例9と同様の方法で熱処理を実施した。レーザー耐性評価結果を表4に示す。
実施例12
実施例9と同一の育成単結晶体から取得したディスクを使用し、熱処理に際してフッ化亜鉛を入れなかった以外は、実施例9と同様の方法で、熱処理を実施した。レーザー耐性評価結果を表4に示す。
Figure 2012096955
実施例13
育成方法1で育成したフッ化カルシウム単結晶であって、実施例1、7、9、比較例4とは別の育成ロットの単結晶から取得した厚さ11mmのディスクを用いて実験を行った。熱処理条件は、実施例1と同一である。
このようにして得られた熱処理後のディスクからレーザー耐性評価用の小片を取得し、LIA(A1)を評価した。また同じ育成単結晶から得た熱処理前の小片についても、LIA(A0)を評価した。熱処理後のLIA値、及び該LIA値の熱処理前との変化率(A1/A0)を表5に示す。
実施例14
実施例13と同一の育成単結晶から取得したディスクを使用し、熱処理に際して炉内に供給する四フッ化炭素を炉内圧30kPaとなるようにした以外は、実施例13と同様にして熱処理を実施した。レーザー耐性評価結果を表5に示す。
実施例15
実施例13と同一の育成単結晶から取得したディスクを使用し、熱処理に際して炉内に供給するフッ化亜鉛を10gとした以外は、実施例13と同様にして熱処理を実施した。レーザー耐性評価結果を表5に示す。
Figure 2012096955
実施例16
育成方法1で育成したフッ化カルシウム単結晶であって、実施例1、7、9、13、比較例4とは別の育成ロットの単結晶から取得した厚さ11mmのディスクを用いて実験を行った。熱処理条件は、実施例1と同一である。
このようにして得られた熱処理後のディスクからレーザー耐性評価用の小片を取得し、LIA(A1)を評価した。また同じ育成単結晶から得た熱処理前の小片についても、LIA(A0)を評価した。熱処理後のLIA値、及び該LIA値の熱処理前との変化率(A1/A0)を表6に示す。
実施例17〜19
実施例16と同一の育成単結晶から取得したディスクを使用し、最高温度でのキープ日数を表6に示すように変更した以外は、実施例16と同様に熱処理を実施した。レーザー耐性評価結果を表6に示す。
Figure 2012096955
実施例20
育成方法1で育成したフッ化カルシウム単結晶であって、実施例1、7、9、13、16、比較例4とは別の育成ロットの単結晶から取得した厚さ40mmのディスクを用いて実験を行った。熱処理条件は、実施例1と同一である。
このようにして得られた熱処理後のディスクからレーザー耐性評価用の小片を取得し、LIA(A1)を評価した。また同じ育成単結晶から得た熱処理前の小片についても、LIA(A0)を評価した。熱処理後のLIA値、及び該LIA値の熱処理前との変化率(A1/A0)を表7に示す。
実施例21〜24
実施例20と同一の育成単結晶から取得したディスクを使用し、最高温度でのキープ日数を表7に示すように変更した以外は、実施例20と同様に熱処理を実施した。レーザー耐性評価結果を表7に示す。
Figure 2012096955
実施例24
育成方法1で育成したフッ化カルシウム単結晶であって、実施例1、7、9、13、16、20、比較例4とは別の育成ロットの単結晶から取得した厚さ40mmのディスクを用いて実験を行った。熱処理条件は、最高温度1200℃のキープ日数を6日、最高温度1200℃から1000℃まで冷却速度0.5℃/hr、800℃まで1℃/hr、300℃まで4℃/hr、室温まで10℃/hrで冷却した以外は、実施例1と同様である。
このようにして得られた熱処理後のディスクからレーザー耐性評価用の小片を取得し、LIA(A1)を評価した。また同じ育成単結晶から得た熱処理前の小片についても、LIA(A0)を評価した。熱処理後のLIA値、及び該LIA値の熱処理前との変化率(A1/A0)を表8に示す。また、熱処理前後のLIAスペクトルを図4に示す。
Figure 2012096955
実施例25
育成方法1で育成したフッ化カルシウム単結晶であって、実施例1、7、9、13、16、20、24、比較例4とは別の育成ロットの単結晶から取得した厚さ40mmのディスクを用いて実験を行った。熱処理条件は、最高温度1200℃のキープ日数を12日、最高温度1200℃から1000℃まで冷却速度0.5℃/hr、800℃まで1℃/hr、300℃まで4℃/hr、室温まで10℃/hrで冷却した以外は、実施例1と同様である。
このようにして得られた熱処理後のディスクからレーザー耐性評価用の小片を取得し、LIA(A1)を評価した。また同じ育成単結晶から得た熱処理前の小片についても、LIA(A0)を評価した。熱処理後のLIA値、及び該LIA値の熱処理前との変化率(A1/A0)を表9に示す。
Figure 2012096955
実施例26
育成方法2で育成した単結晶から取得した厚さ40mmのディスクを用いて実験を行った。熱処理条件は、熱処理条件は、最高温度1200℃のキープ日数を6日、最高温度1200℃から1000℃まで冷却速度0.5℃/hr、800℃まで1℃/hr、300℃まで4℃/hr、室温まで10℃/hrで冷却した以外は、実施例1と同様である。
このようにして得られた熱処理後のディスクからレーザー耐性評価用の小片を取得し、LIA(A1)を評価した。また同じ育成単結晶から得た熱処理前の小片についても、LIA(A0)を評価した。熱処理後のLIA値、及び該LIA値の熱処理前との変化率(A1/A0)を表10に示す。
実施例27
育成方法2で育成したフッ化カルシウム単結晶であって、実施例26とは別のロットの単結晶から取得した厚さ40mmのディスクを用いて実験を行った。熱処理条件を最高温度1200℃でのキープ日数を12日とした以外は、実施例26と同様の方法で処理した。レーザー耐性評価結果を表10に示す。
Figure 2012096955
比較例5
育成方法2で育成したフッ化カルシウム単結晶であって、実施例26、27とは別のロットの単結晶から取得した厚さ11mmのディスクを用いて実験を行った。熱処理条件は、四フッ化炭素を導入せずに終始真空引きを行った以外は、実施例1と同様である。
このようにして得られた熱処理後のディスクからレーザー耐性評価用の小片を取得し、LIA(A1)を評価したところ1.41であり、同じ育成単結晶から得た熱処理前の小片のLIA(A0=1.23)との比が1.15とレーザー耐性は悪化していた。
1;外坩堝
2;内坩堝
3;連通孔
4;チャンバー
5;支持軸
6;受け台
7;抵抗加熱型ヒーター
8;断熱材壁
9;種結晶体
10;保持具
11;単結晶引上げ軸
12;フッ化金属原料の溶融液
13;フッ化金属単結晶インゴット
14;覗き窓
15;単結晶引上げ棒の挿入孔
16;天井板
17;隔離壁
18;リッド材
19;底部断熱材

Claims (4)

  1. 気密化可能な熱処理炉を用い、その融点がXmelt℃であるフッ化金属単結晶をその融点未満の温度まで加熱した後、室温まで徐冷するフッ化金属単結晶の熱処理方法において、
    250℃以上、(Xmelt−500)℃以下の範囲にある所定の温度までは、真空排気下に昇温を行い、当該所定温度に到達した後にフッ素系ガスを熱処理炉内に導入するとともに、該熱処理における最高温度を(Xmelt−350)℃以上とすることを特徴とするフッ化金属単結晶の熱処理方法。
  2. 熱処理における最高温度を(Xmelt−150)℃以下とすることを特徴とする請求項1記載のフッ化金属単結晶の熱処理方法。
  3. フッ化金属単結晶が、真空紫外光学材料用のブランクである請求項1又は2記載のフッ化金属単結晶の熱処理方法。
  4. フッ化金属単結晶を請求項1又は2記載の方法で熱処理を行った後、該被処理フッ化金属単結晶を所定の形状に加工する、真空紫外用光学素子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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