JP2003238293A - 蛍石とその製造方法及び蛍石を用いた光学系及び露光装置 - Google Patents
蛍石とその製造方法及び蛍石を用いた光学系及び露光装置Info
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Abstract
た場合であっても、透過率特性が劣化し難い蛍石、それ
よりなる光学部品及び該光学部品を用いたフォトリソグ
ラフィー用の露光装置を提供すること。 【解決手段】 本発明の蛍石は、135nmの波長の光
に対する内部透過率が70%以上であることを特徴とす
る。本発明の蛍石は、ストロンチウムを含む蛍石であっ
て、ストロンチウムの含有量が1ppm以上600pp
m以下であることを特徴とする。本発明のエキシマレー
ザー用の光学系は、前記蛍石又は前記ストロンチウムを
含む蛍石からなるレンズを有する。本発明のフォトリソ
グラフィー用の露光装置は、前記蛍石からなるレンズを
有する光学系と、露光される基板を保持するステージと
を備えている。フォトリソグラフィー用の露光装置は、
前記ストロンチウムを含む蛍石からなるレンズを有する
光学系と、露光される基板を保持するステージとを備え
ている。
Description
た光学系及び露光装置に係り、特に、フォトリソグラフ
ィー用の露光装置等に用いられるエキシマレーザー光を
透過する光学物品に用いられる蛍石に関する。
唯一の高出力レーザーとして注目されており、電子産業
や化学産業やエネルギー産業において応用が期待されて
いる。
クス、半導体等の加工や化学反応等に利用されている。
シマレーザー発振装置として知られている。マニホルド
内に充填されたAr,Kr,Xe,KrF,ArF等の
レーザーガスを電子ビーム照射や放電等により励起状態
にする。すると、励起された原子は基底状態の原子と結
合して励起状態でのみ存在する分子を生成する。この分
子がエキシマと呼ばれるものである。エキシマは不安定
な為、直ちに紫外光を放出して基底状態に落ちる。これ
をボンドフリー遷移というが、この遷移よってえられた
紫外光を一対のミラーで構成される光共振器内で増倍し
てレーザー光として取り出すものがエキシマレーザー発
振装置である。
ーやArFレーザーはそれぞれ波長が248nm、19
3nmといった真空紫外域とよばれる波長域の光であ
り、光学系にはこうした波長域の光の透過率が高いもの
を用いなければならない。蛍石(フッ化カルシウム単結
晶)はこうした光学系の為の硝材として好ましいもので
ある。
蛍石は通常の可視光の光学系の物品としては満足できる
性能を示すものの、エキシマレーザーのように短波長で
高出力の光を長期間繰り返し照射するとその光学特性が
劣化することがあった。
それが結晶構造や含有する不純物に影響を受けているこ
とに気がついた。
れたものであり、短波長で高出力の光を長期間繰り返し
照射した場合であっても、透過率特性が劣化し難い蛍石
を提供することを主たる目的とする。
学系、とりわけフォトリソグラフィー用のエキシマレー
ザー光学系に好適な蛍石を提供することにある。
学物品となりうる蛍石を提供することにある。
下の微細パターンを安定して長期間露光可能なフォトリ
ソグラフィー用の露光装置を提供することにある。
晶蛍石は、135nmの波長の光に対する10mmあた
りの内部透過率が70%以上であることを特徴とする。
135nmの波長の光に対する10mmあたりの内部透
過率が70%以上である合成された単結晶蛍石からなる
レンズを有することを特徴とする。
置は、135nmの波長の光に対する10mmあたりの
内部透過率が70%以上である合成された単結晶蛍石か
らなるレンズを有する光学系と、露光される基板を保持
するステージとを備えたことを特徴とする。
波長の光に対する10mmあたりの内部透過率が70%
以上である合成された単結晶蛍石の製造方法において、
フッ化カルシウム粉末とスカベンジャーの混合物を溶融
し、続いて徐冷して結晶成長させる工程及び上記工程に
より結晶成長したフッ化カルシウムのうち最後に結晶化
した部分を除去する工程を含む精製工程と、結晶化した
フッ化カルシウムを溶融させた後、徐冷して結晶成長さ
せる成長工程と、を有することを特徴とする。
を複数回繰り返すことが好ましい。
長工程の後、結晶成長したフッ化カルシウムをアニール
する工程を有することが好ましい。
件を変えて数多くの蛍石を製造した。そして、用途を考
慮してKrF,ArFエキシマレーザーを長期間繰り返
し照射してそれらの特性を測定した。そして特性のよい
蛍石だけを用いて厚さ10mmの円盤状に成形した光学
部材にエキシマレーザーを照射する実験を行った。
を1×104パルス照射と、1×10 4R/Hのガンマ線
を1時間照射する実験を行った結果、試料のうちいくつ
かは着色した。着色した試料も着色しなかった試料も初
期の248nmや193nmの吸収率(透過率)は同じ
であった。従って、使用する光の波長における透過率を
基準に良品をサンプリングしても、将来劣化しやすい試
料と劣化しにくい試料とを区別することができない。
しなかった試料の特性を分析した結果、エキシマレーザ
ーの波長よりずっと短い波長である135nm付近にお
ける透過率を基準にすると、良品とそうでないものとを
区別できることに気がついた。即ち、レーザーやガンマ
線の照射前であっても照射後であっても透過率測定時に
波長135nmにおける透過率が70%以上である蛍石
光学部材をエキシマレーザー光学系に使用すると、被処
理体に照射されるレーザー光が安定することになる。
例を示す図である。
結果、上述した良好な特性を示す蛍石はストロンチウム
(Sr)を含有する蛍石であることが判明した。蛍石が
良好な特性を示すに十分なSrの含有量は1ppm〜6
00ppmであり、より好ましくは20ppm〜400
ppmである。この範囲より多量に含有されると結晶構
造が悪くなり、この範囲より少量であると、特性を劣化
させる影響の強い他の不純物による悪影響を受けやすく
なる傾向がある。
デンシティー(EPD)が1×10 5以下となり良質の
結晶構造を呈する。
程を説明する為のフローチャートである。
断面を示す模式図である。図において、301は精製装
置のチャンバー、302は断熱材、303はヒーター、
304はるつぼ、305は蛍石である。
炉の断面を示す模式図である。図において、401は成
長炉のチャンバー、402は断熱材、403はヒータ
ー、404はるつぼ、405は蛍石、406はルツボ引
き下げ機構である。
ル炉の断面を示す模式図である。図において、501は
アニール炉のチャンバー、502は断熱材、503はヒ
ーター、504はるつぼ、505は蛍石である。
工程について、説明する。
ジャーとを混合する。このとき、フッ化カルシウムとス
カベンジャーとを容器にいれてこの容器を回転させて混
合するとよい。スカベンジャーとしては、フッ化亜鉛、
フッ化ビスマス、フッ化ナトリウム、フッ化リチウム
等、成長させるフッ化物より酸素と結合し易いものが望
ましい。合成フッ化物原料中に混じっている酸化物素と
反応して、気化し易い酸化物となる物質が選択される。
とりわけフッ化亜鉛が望ましいものである。
分の存在により発生した酸化カルシウムをフッ化カルシ
ウムに変える。
0mol%以下であり、より好ましくは0.1〜1.0
mol%である。発生したZnOは各工程における高温
条件下で蒸発していく。
シウム粉末とスカベンジャーの混合物を図3に示す精製
炉のるつぼの中に入れる。その後、ヒーターに通電して
混合物を溶融する。続いてるつぼを降下させて溶融した
フッ化カルシウムを徐冷して結晶成長させる。
の温度管理は必要としない。よって、得られる結晶の粒
界が存在するものであってよい。
時的に最後に結晶化した部分を除去する。この除去工程
によって、特性に悪影響を与える不純物を除去する。
化、上部除去の一連の工程を複数回繰り返し行う。
(SrF2)を結晶化したフッ化カルシウムとともに図
4に示す結晶成長炉のるつぼに入れる。
つぼを加熱して、結晶を熔融させた後、一時間あたり
0.1〜5.0mmの速度でるつぼを降下させて徐冷す
る。
ッ化物単結晶を図5に示すアニール炉を用いて熱処理す
る。このアニール工程では、るつぼを900〜1000
℃に加熱する。加熱時間は20時間以上、より好ましく
は20〜30時間である。
度の変化は従来に比べて極めて小さくでき、結晶成長炉
における嵩密度を向上できる。
鉄(Fe)、ニッケル(Ni)クロム(Cr)等の好ま
しくない不純物量をそれぞれ10ppm以下にすること
ができ、Srを1〜600ppm程度含有させることが
できる。
し、波長135nmにおける内部透過率が70%以上の
ものを抽出する。こうして選別された蛍石を用いて光学
物品を作る。
光学物品の形状(凸レンズ、凹レンズ、円盤状、板状
等)に整形する。又、必要に応じて、反射防止膜をフッ
化物結晶の光学物品表面に設けるとよい。反射防止膜と
しては、フッ化マグネシウムや酸化アルミニウム、酸化
タンタルが望ましく、これらは、抵抗加熱による蒸着や
電子ビーム蒸着やスパッタリングなどで形成できる。
んど含まない為に反射防止膜との密着性もよくなる。
たレンズを各種組み合わせれば、エキシマレーザー、特
にArFエキシマレーザーに適した光学系を構成でき
る。そして、エキシマレーザー光源と、フッ化カルシウ
ムからなるレンズを有する光学系と、基板を移動させ得
るステージとを組み合わせて、フォトリソグラフィー用
の露光装置を構成できる。この露光装置を用いて、エキ
シマレーザー光をレチクルのパターンを介して基板上の
光増感型レジストに照射すれば、形成すべきパターンに
対応した潜像が形成できる。
する別の方法としては、粉末のフッ化カルシウム原料と
してフッ化ストロンチウムを多量に含む原料を用意し
て、上述した合成法によって得られたフッ化カルシウム
粉末と適量混合したものを用いて、上記精製工程を繰り
返し行い、ストロンチウム含有量を制御してもよい。
X線分析法、ICP発光分析法、ICP質量分析法等が
用いられる。
空紫外線分光光度計で測定できる。
ム原料とスカベンジャーとしてのZnF2をフッ化カル
シウムに対して0.7重量%添加して、両者を混合させ
た。
るつぼに入れて1390〜1450℃に加熱した後、る
つぼを降下させて徐冷し、原料を結晶化した。るつぼ上
部にあたる結晶化したフッ化カルシウムの上部を厚さ数
mm除去した。この加熱・徐冷・除去の工程を繰り返し
行い、繰り返す工程数が異なるフッ化カルシウム結晶ブ
ロックの試料を多数用意した。
長炉のるつぼに入れた。ZnF2を0.1重量%るつぼ
に入れた。炉内を真空排気して、るつぼを加熱した。真
空度6×10-4Torr、温度は1390〜1450℃
とした。
90〜1450℃として11時間保った。
た。この時の温度降下速度は約100℃/hに相当す
る。
長させたフッ化カルシウム単結晶と、0.1重量%のZ
nF2を入れた。炉内を排気してるつぼの温度を室温か
ら900℃に速度100℃/hで上昇させた後、20時
間900℃に保持した。そして、6℃/hの速度で低下
させ、室温まで冷却した。
nmにおける内部透過率を測定した。
を1×104パルスと1×104R/Hのガンマ線を1時
間照射し、193nmと248nm付近における透過率
の劣化率と着色の有無を調べた。更にその後、パルス数
を106、107として着色のようすを調べた。結果を表
1に示す。
色が無く、劣化率も0%となり、KrF、ArFエキシ
マレーザー用の光学系として好ましく適用できることが
分かる。内部透過率が78又は80%の蛍石は耐久性も
向上している。(実施例2)フッ化ストロンチウムの添
加量を変えて、実施例1と同様にして蛍石結晶を作製
し、得られた蛍石のSr含有量と着色、劣化率との関係
を調べた。結果を表2に示す。
で含む蛍石は劣化率が0%であり、KrF、ArFエキ
シマレーザーに対する耐久性に優れていることが分かっ
た。又、Srを20〜40ppmの範囲で含む蛍石は耐
久性がより向上している。
透過率とを測定した試料の着色、劣化率及びEPDにつ
いて評価した。結果を表3に示す。
蛍石は劣化率、特にEPD評価において優れており、エ
キシマレーザー耐久性に優れていることが分る。
長期間繰り返し照射した場合であっても、透過率特性が
劣化し難い蛍石が得られる。
系、とりわけフォトリソグラフィー用のエキシマレーザ
ー光学系に好適な蛍石を提供することが可能となる。
の微細パターンの露光を繰り返し長期間安定して行える
露光装置を提供することができる。
ートである。
す模式的断面図であり。
模式的断面図である。
示す模式的断面図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 135nmの波長の光に対する10mm
あたりの内部透過率が70%以上であることを特徴とす
る合成された単結晶蛍石。 - 【請求項2】 135nmの波長の光に対する10mm
あたりの内部透過率が70%以上である合成された単結
晶蛍石からなるレンズを有するエキシマレーザー用の光
学系。 - 【請求項3】 135nmの波長の光に対する10mm
あたりの内部透過率が70%以上である合成された単結
晶蛍石からなるレンズを有する光学系と、露光される基
板を保持するステージとを備えたフォトリソグラフィー
用の露光装置。 - 【請求項4】 135nmの波長の光に対する10mm
あたりの内部透過率が70%以上である合成された単結
晶蛍石の製造方法において、フッ化カルシウム粉末とス
カベンジャーの混合物を溶融し、続いて徐冷して結晶成
長させる工程及び上記工程により結晶成長したフッ化カ
ルシウムのうち最後に結晶化した部分を除去する工程を
含む精製工程と、結晶化したフッ化カルシウムを溶融さ
せた後、徐冷して結晶成長させる成長工程と、を有する
ことを特徴とする蛍石の製造方法。 - 【請求項5】 前記精製工程を複数回繰り返す請求項4
に記載の蛍石の製造方法。 - 【請求項6】 前記成長工程の後、結晶成長したフッ化
カルシウムをアニールする工程を有する請求項4、5に
記載の蛍石の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002364407A JP2003238293A (ja) | 2002-12-16 | 2002-12-16 | 蛍石とその製造方法及び蛍石を用いた光学系及び露光装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002364407A JP2003238293A (ja) | 2002-12-16 | 2002-12-16 | 蛍石とその製造方法及び蛍石を用いた光学系及び露光装置 |
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Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006255340A Division JP2007126353A (ja) | 2006-09-21 | 2006-09-21 | 蛍石とそれを用いた光学系及び露光装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003238293A true JP2003238293A (ja) | 2003-08-27 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002364407A Withdrawn JP2003238293A (ja) | 2002-12-16 | 2002-12-16 | 蛍石とその製造方法及び蛍石を用いた光学系及び露光装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003238293A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012011373A1 (ja) | 2010-07-22 | 2012-01-26 | 日本結晶光学株式会社 | 蛍石の製造方法 |
DE102011118229A1 (de) | 2010-11-26 | 2012-05-31 | Nihon Kessho Kogaku Co., Ltd. | Fluorit-kristall, und verfahren seiner herstellung |
-
2002
- 2002-12-16 JP JP2002364407A patent/JP2003238293A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012011373A1 (ja) | 2010-07-22 | 2012-01-26 | 日本結晶光学株式会社 | 蛍石の製造方法 |
US9322954B2 (en) | 2010-07-22 | 2016-04-26 | Nihon Kessho Kogaku Co., Ltd. | Fluorite production method |
DE102011118229A1 (de) | 2010-11-26 | 2012-05-31 | Nihon Kessho Kogaku Co., Ltd. | Fluorit-kristall, und verfahren seiner herstellung |
DE102011118229B4 (de) * | 2010-11-26 | 2020-03-05 | Nihon Kessho Kogaku Co., Ltd. | Verfahren zur Herstellung eines Flourit-Kristalls |
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A521 | Written amendment |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20060726 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
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A521 | Written amendment |
Effective date: 20060921 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Effective date: 20061017 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 |