JPH11240800A - 蛍石単結晶の熱処理装置及び熱処理方法 - Google Patents

蛍石単結晶の熱処理装置及び熱処理方法

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JPH11240800A
JPH11240800A JP10047225A JP4722598A JPH11240800A JP H11240800 A JPH11240800 A JP H11240800A JP 10047225 A JP10047225 A JP 10047225A JP 4722598 A JP4722598 A JP 4722598A JP H11240800 A JPH11240800 A JP H11240800A
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JP
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container
balloon
pressure
single crystal
heat treatment
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JP10047225A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Mizugaki
勉 水垣
Shuichi Takano
修一 高野
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OYO KOKEN KOGYO KK
Nikon Corp
Original Assignee
OYO KOKEN KOGYO KK
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 熱処理時の容器内圧力を常時1気圧に制御可
能であり、また容器を徐冷する段階等において容器が変
形・破損することがなく、高精度な光学系に使用できる
蛍石単結晶を生産性よく得ることができる熱処理装置及
び熱処理方法の提供。 【解決手段】 蛍石単結晶6を収納後に真空排気される
第1容器2と、第1容器内に配置され蛍石単結晶6及び
フッ素化剤4を収納する第2容器3と、第1容器2に接
続された真空排気系Vと、第1容器2の外側に配置され
たヒーターHとを有し、真空排気系Vの排気管7の途中
に、分岐管8と、各分岐管8に密閉接続されたゴム風船
1と、風船内ガスの外部排気を制御することにより風船
の膨らみ(膨らみの有無、膨らみ量)を制御するバルブ
5とが設けられるとともに、風船1内の圧力が第1容器
2内の圧力と同一となるように構成され、風船1は第1
容器2内の圧力が所定圧力を越えたときに膨らむ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍石単結晶の熱処
理装置及び熱処理方法に関するものであり、特にエキシ
マレーザーステッパーの光学系を構成する、高精度な結
像性能が要求されるレンズやプリズム等に有用な蛍石単
結晶(特に大口径の蛍石単結晶)を得るのに好適な熱処
理装置及び熱処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ウエハ上に集積回路パターンを描
画するリソグラフィー技術が急速に発展している。集積
回路の高集積化の要求は高まるばかりであり、その実現
のためには、ステッパー投影レンズの解像力を上げてや
る必要がある。投影レンズの解像力は、使用する光の波
長と投影レンズのNA(開口数)により支配され、解像
力を上げるためには使用する光の波長をより短くし、投
影レンズのNAをより大きく(大口径化)してやれば良
い。
【0003】まず、光の短波長化について述べる。ステ
ッパーに使用する波長は、すでにg線(波長436n
m)、i線(波長365nm)と進んできているが、今後
さらに波長の短いKrFエキシマレーザー光(波長24
8nm)、ArFエキシマレーザー光(波長193nm)等
になると、光学系に光学ガラスを使用することは、透過
率から考慮すると、もはや不可能である。
【0004】このため、エキシマレーザーステッパーの
光学系には、石英ガラスまたは蛍石を使用するのが一般
的となっている。次に大口径化について述べる。これは
単に大口径であれば良いというだけでなく、エキシマレ
ーザーステッパーの光学系に用いる光学材料としては、
蛍石においては単結晶であることが要求される。
【0005】また、ステッパーの高性能化にともない、
最近になって口径φ150 mm〜φ250mm程度の大口径の蛍
石単結晶が要求されるようになってきた。ここで、以下
に従来の蛍石単結晶の製造方法(一例)を示す。蛍石単
結晶は、ブリッジマン法(ストックバーガー法、ルツボ
降下法)により製造されてきた。紫外ないし真空紫外域
で使用される蛍石単結晶の場合、原料に天然の蛍石を使
用することはなく、化学合成で作られた高純度原料を使
用することが一般的である。
【0006】原料は粉末のまま使用することが可能であ
るが、この場合、熔融したときの体積減少が激しいた
め、半熔融品やその粉砕品を用いるのが普通である。ま
ず、育成装置の中に前記原料を充填したルツボを置き、
育成装置内を10-3〜10-4Paの真空雰囲気に保つ。次に、
育成装置内の温度を蛍石の融点以上(1370°C〜1450°
C)まで上げて原料を熔融する。この際、育成装置内温
度の時間的変動を抑えるために、定電力出力による制御
または高精度なPID制御を行う。
【0007】結晶育成段階では、0.1 〜5mm/h 程度の速
度でルツボを引き下げることによりルツボの下部から徐
々に結晶化させる。融液最上部まで結晶化したところで
結晶育成は終了し、育成した結晶(インゴット)が割れ
ないように、急冷を避けて簡単な徐冷を行う。育成装置
内温度が室温程度まで下がったところで、装置を大気開
放してインゴットを取り出す。
【0008】取り出したインゴットは、残留応力と歪が
非常に大きいため、インゴットのままで簡単な熱処理を
行う。このようにして得られた蛍石単結晶は、目的の製
品別に適当な大きさに切断加工される。そして、切断さ
れた蛍石単結晶は、アニール(熱処理)装置内で熱処理
される。
【0009】この熱処理装置は均熱性能を向上させるた
め、熱処理対象の蛍石単結晶を収納する気密化可能な容
器の外側に、複数の発熱体(ヒーター)が設けられた構
造を有している。かかる熱処理装置では、熱処理対象の
蛍石と弗素化剤(蛍石の酸化防止用)を気密化可能な容
器内に収納してから容器内を真空排気した後、発熱体
(ヒーター)により容器を加熱して容器内を昇温させる
ことにより、熱処理を行っている。
【0010】この際に、容器内が昇温するにつれて弗素
化剤が揮発して、容器内がフッ素ガス雰囲気となるの
で、蛍石の酸化を防止することができる。なお、蛍石の
酸化を防止するために、容器内に不活性ガスを封入した
状態にて、蛍石の熱処理を行ってもよい。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前記容器は、容器内が
比較的低温の状態(例えば室温程度)であれば、真空排
気されても容器外圧力(大気圧)との圧力差に充分に耐
えれる構造となっているが、熱処理時のように容器内が
高温状態にあるときには温度が高い程、大気圧との圧力
差に耐え難くなり、容器が変形・破損するおそれが強く
なる。
【0012】そこで、容器内を昇温させるときには、容
器の変形・破損を防止するために容器内の圧力を大気圧
(1気圧または略1気圧)と同等に保持する必要があ
る。この際、前述したように、蛍石の酸化を防止するた
めに、容器内はフッ素ガス及び/または不活性ガスの雰
囲気となっており、容器内が昇温するにつれて各ガスが
膨張して容器内の圧力が増大化しようとするので、これ
を阻止して容器内を大気圧(1気圧または略1気圧)と
同等の圧力に保持する必要があった。
【0013】即ち、容器内の圧力を測定しながら、容器
内が常時1気圧(または略1気圧)となるように排気制
御する必要があった。しかし、容器内圧力測定用の圧力
計が容器内のガスに腐食され、正常に作動しないばかり
か、1回の測定で破損するために、容器内の圧力を制御
するのが非常に困難であるという問題点があった。
【0014】また、たとえ容器内を1気圧で高温保持で
きたとしても、容器を徐冷する段階において容器内部の
ガスが収縮し、容器内圧力が低下して容器外との圧力差
が発生するために、容器が変形・破損するという問題点
があった。本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたも
のであり、熱処理時における容器内圧力が常時1気圧
(または略1気圧)となるように制御可能であり、また
容器を徐冷する段階等において容器が変形・破損するこ
とがなく、その結果、高精度な光学系に使用できる蛍石
単結晶を生産性よく得ることができる熱処理装置及び熱
処理方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】そのため、本発明は第一
に「少なくとも、蛍石単結晶を収納した後に密閉されて
真空排気される気密化可能な容器を有する熱処理装置で
あり、容器内の圧力が所定圧力を越えたときに膨らむ一
または二以上の風船(容器内圧力の検出調節用)と、風
船内ガスの外部排気を制御することにより風船の膨らみ
(膨らみの有無、膨らみ量)を制御するバルブとを前記
容器の外部に有する蛍石単結晶の熱処理装置(請求項
1)」を提供する。
【0016】また、本発明は第二に「少なくとも、蛍石
単結晶を収納した後に密閉されて真空排気される気密化
可能な容器を有する熱処理装置であり、容器内の圧力が
所定圧力を越えたときに膨らむ一または二以上の風船
(容器内圧力の検出調節用)と、風船内ガスの外部排気
を制御することにより風船の膨らみ(膨らみの有無、膨
らみ量)を制御するバルブとを前記容器の外部に有する
熱処理装置を用いて熱処理する蛍石単結晶の熱処理方法
(請求項2)」を提供する。
【0017】また、本発明は第三に「少なくとも、蛍石
単結晶を収納した後に密閉されて真空排気される気密化
可能な容器と、該容器に接続された真空排気系と、前記
容器の外側に配置されたヒーターとを有する熱処理装置
において、前記真空排気系の排気管の途中に、一または
二以上の分岐管と、各分岐管に密閉接続された風船状の
弾性部材と、弾性部材内ガスの外部排気を制御すること
により風船の膨らみ(膨らみの有無、膨らみ量)を制御
するバルブとが設けられるとともに、前記弾性部材(風
船)内の圧力が前記容器内の圧力と同一となるように構
成され、前記弾性部材(風船)は前記容器内の圧力が所
定圧力を越えたときに膨らむ機能を有することを特徴と
する蛍石単結晶の熱処理装置(請求項3)」を提供す
る。
【0018】また、本発明は第四に「少なくとも、蛍石
単結晶を収納した後に密閉されて真空排気される気密化
可能な第1容器と、該第1容器内に配置され蛍石単結晶
及びフッ素化剤を収納する第2容器と、前記第1容器に
接続された真空排気系と、前記第1容器の外側に配置さ
れたヒーターとを有する熱処理装置において、前記真空
排気系の排気管の途中に、一または二以上の分岐管と、
各分岐管に密閉接続された風船状の弾性部材と、弾性部
材内ガスの外部排気を制御することにより風船の膨らみ
(膨らみの有無、膨らみ量)を制御するバルブとが設け
られるとともに、前記弾性部材(風船)内の圧力が前記
第1容器内の圧力と同一となるように構成され、前記弾
性部材(風船)は前記第1容器内の圧力が所定圧力を越
えたときに膨らむ機能を有することを特徴とする蛍石単
結晶の熱処理装置(請求項4)」を提供する。
【0019】また、本発明は第五に「前記気密化可能な
容器または前記第1容器の中に不活性ガスを封入する機
構をさらに設けたことを特徴とする請求項1〜4のいず
れかに記載の熱処理装置(請求項5)」を提供する。ま
た、本発明は第六に「前記所定圧力は、1気圧(または
略1気圧)であることを特徴とする請求項1〜5のいず
れかに記載の熱処理装置(請求項6)」を提供する。
【0020】また、本発明は第七に「前記風船または弾
性部材は、ゴム状弾性体により構成されてなることを特
徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の熱処理装置
(請求項7)」を提供する。また、本発明は第八に「前
記ゴム状弾性体は、天然ゴム、ブタジエン系合成ゴム、
オレフィン系合成ゴム、チオコール(多硫化ゴム)、フ
ッ素ゴム、ポリウレタンゴム、クロロスルホン化ポリエ
チレン、メタクリルアクリル酸共重合体、ケイ素ゴム
(シリコーンゴム)、塩化ゴム、エチレンプロピレン共
重合体、またはこれらの混合組成物により構成されてな
ることを特徴とする請求項7記載の熱処理装置(請求項
8)」を提供する。
【0021】また、本発明は第九に「前記ブタジエン系
合成ゴムは、ブタジエン重合体、スチレンブタジエンゴ
ム(フ゛タシ゛エンスチレン共重合体)、ニトリルゴム(フ゛タシ゛エンアク
リルニトリル共重合体)、クロロプレンラバー(ネオフ゜レン)、ス
チレンブタジエンアクリルニトリル共重合体、またはこ
れらの混合組成物であることを特徴とする請求項8記載
の熱処理装置(請求項9)」を提供する。
【0022】また、本発明は第十に「前記オレフィンン
系合成ゴムは、ポリイソプレン、ブチルゴム、ポリイソ
ブチレン、またはこれらの混合組成物であることを特徴
とする請求項8記載の熱処理装置(請求項10)」を提供
する。また、本発明は第十一に「真空排気系の排気管の
途中に、一または二以上の分岐管と、各分岐管に密閉接
続された風船状の弾性部材(容器内の圧力が所定の圧力
を越えると風船が膨らむ)と、弾性部材内ガスの外部排
気を制御することにより風船の膨らみ(膨らみの有無、
膨らみ量)を制御するバルブとが設けられた請求項3〜
8のいずれかに記載の熱処理装置を用いて行う蛍石単結
晶の熱処理方法であり、少なくとも、気密化可能な容器
内に蛍石単結晶を収納してから前記容器を密閉する工程
と、前記容器内を真空排気した後、前記分岐管よりも下
流側(真空ポンプ側)の排気管に設けられたバルブを閉
じることにより、前記容器、前記バルブよりも上流側
(第1容器側)にある排気管、分岐管及び風船状弾性部
材の各内部(圧力制御空間と称す)の排気を停止する工
程と、熱処理時における蛍石単結晶の酸化を防止するた
めに、前記容器内を含む圧力制御空間内に不活性ガスを
封入する工程と、前記容器の外側に設けられたヒーター
により加熱して、容器内温度を前記蛍石単結晶の融点よ
りも低い所定温度まで昇温させる工程と、前記不活性ガ
スの熱膨張により、前記弾性部材内部の圧力が所定圧力
を越えて風船が膨らみかけたら(或いは風船がある程度
膨らんだら)、前記バルブを開いて排気し、風船の膨ら
みがなくなれば(或いは風船の膨らみが停止すれば)、
バルブを閉じて排気を停止する操作を繰り返すことによ
り、或いは風船が膨らみかけたら(或いは風船がある程
度膨らんだら)前記バルブを所定の開口度に開いて排気
し、風船の膨らみをなくす(或いは風船の膨らみを停止
する)ことにより、前記圧力制御空間内の圧力が前記所
定の圧力(または略所定の圧力)となるように制御する
工程と、前記容器内温度を前記所定温度に所定の時間、
維持することにより蛍石単結晶を熱処理する工程と、前
記容器内温度を降温する工程と、前記容器内を大気開放
する工程と、を備えた蛍石単結晶の熱処理方法(請求項
11)」を提供する。
【0023】また、本発明は第十二に「真空排気系の排
気管の途中に、一または二以上の分岐管と、各分岐管に
密閉接続された風船状の弾性部材(第1容器内の圧力が
所定の圧力を越えると風船が膨らむ)と、弾性部材内ガ
スの外部排気を制御することにより風船の膨らみ(膨ら
みの有無、膨らみ量)を制御するバルブとが設けられた
請求項3〜8のいずれかに記載の熱処理装置を用いて行
う蛍石単結晶の熱処理方法であり、少なくとも、気密化
可能な第1容器内に、蛍石単結晶及びフッ素化剤を収納
した第2容器を設置する工程と、前記第1容器を密閉す
る工程と、前記第1容器内を真空排気した後、前記分岐
管よりも下流側(真空ポンプ側)の排気管に設けられた
バルブを閉じることにより、前記第1容器、前記バルブ
よりも上流側(第1容器側)にある排気管、分岐管及び
風船状弾性部材の各内部(圧力制御空間と称す)の排気
を停止する工程と、前記第1容器の外側に設けられたヒ
ーターにより加熱して、第1容器内温度及び/または第
2容器内温度を前記蛍石単結晶の融点よりも低い所定温
度まで昇温させるとともに、前記フッ素化剤を気化させ
て前記第2容器内をフッ素ガス雰囲気とする工程と、前
記フッ素ガスの生成により、或いはさらにフッ素ガスの
熱膨張により、前記弾性部材内部の圧力が所定圧力を越
えて風船が膨らみかけたら(或いは風船がある程度膨ら
んだら)、前記バルブを開いて排気し、風船の膨らみが
なくなれば(或いは風船の膨らみが停止すれば)、バル
ブを閉じて排気を停止する操作を繰り返すことにより、
或いは風船が膨らみかけたら(或いは風船がある程度膨
らんだら)前記バルブを所定の開口度に開いて排気し、
風船の膨らみをなくす(或いは風船の膨らみを停止す
る)ことにより、前記圧力制御空間内の圧力が前記所定
の圧力(または略所定の圧力)となるように制御する工
程と、前記第1容器内温度及び/または第2容器内温度
を前記所定温度に所定の時間、維持することにより蛍石
単結晶を熱処理する工程と、前記第1容器内温度及び/
または第2容器内温度を降温する工程と、前記第1容器
内を大気開放する工程と、を備えた蛍石単結晶の熱処理
方法(請求項12)」を提供する。
【0024】また、本発明は第十三に「真空排気系の排
気管の途中に、一または二以上の分岐管と、各分岐管に
密閉接続された風船状の弾性部材(第1容器内の圧力が
所定の圧力を越えると風船が膨らむ)と、弾性部材内ガ
スの外部排気を制御することにより風船の膨らみ(膨ら
みの有無、膨らみ量)を制御するバルブとが設けられた
請求項3〜8のいずれかに記載の熱処理装置を用いて行
う蛍石単結晶の熱処理方法であり、少なくとも、気密化
可能な第1容器内に、蛍石単結晶及びフッ素化剤を収納
した第2容器を設置する工程と、前記第1容器を密閉す
る工程と、前記第1容器内を真空排気した後、前記分岐
管よりも下流側(真空ポンプ側)の排気管に設けられた
バルブを閉じることにより、前記第1容器、前記バルブ
よりも上流側(第1容器側)にある排気管、分岐管及び
風船状弾性部材の各内部(圧力制御空間と称す)の排気
を停止する工程と、熱処理時における蛍石単結晶の酸化
を防止するために、前記第1容器内及び第2容器内を含
む圧力制御空間内に不活性ガスを封入する工程と、前記
第1容器の外側に設けられたヒーターにより加熱して、
第1容器内温度及び/または第2容器内温度を前記蛍石
単結晶の融点よりも低い所定温度まで昇温させるととも
に、前記フッ素化剤を気化させて前記第2容器内をフッ
素ガス雰囲気とする工程と、前記フッ素ガスの生成と前
記不活性ガスの熱膨張により、或いはさらにフッ素ガス
の熱膨張により、前記弾性部材内部の圧力が所定圧力を
越えて風船が膨らみかけたら(或いは風船がある程度膨
らんだら)、前記バルブを開いて排気し、風船の膨らみ
がなくなれば(或いは風船の膨らみが停止すれば)、バ
ルブを閉じて排気を停止する操作を繰り返すことによ
り、或いは風船が膨らみかけたら(或いは風船がある程
度膨らんだら)前記バルブを所定の開口度に開いて排気
し、風船の膨らみをなくす(或いは風船の膨らみを停止
する)ことにより、前記圧力制御空間内の圧力が前記所
定の圧力(または略所定の圧力)となるように制御する
工程と、前記第1容器内温度及び/または第2容器内温
度を前記所定温度に所定の時間、維持することにより蛍
石単結晶を熱処理する工程と、前記第1容器内温度及び
/または第2容器内温度を降温する工程と、前記第1容
器内を大気開放する工程と、を備えた蛍石単結晶の熱処
理方法(請求項13)」を提供する。
【0025】また、本発明は第十四に「前記降温に伴う
前記気密化可能な容器内または前記第1容器内の圧力低
下が前記弾性部材の風船内にあるガスの前記各容器内へ
の自然導入により防止されることを特徴とする請求項11
〜13のいずれかに記載の熱処理方法(請求項14)」を提
供する。また、本発明は第十五に「前記所定圧力は、1
気圧(または略1気圧)であることを特徴とする請求項
11〜14のいずれかに記載の熱処理方法(請求項15)」を
提供する。
【0026】
【発明の実施の形態】少なくとも、蛍石単結晶を収納し
た後に密閉されて真空排気される気密化可能な容器を有
する熱処理装置であり、容器内の圧力が所定圧力を越え
たときに膨らむ一または二以上の風船(容器内圧力の検
出調節用)と、風船内ガスの外部排気を制御することに
より風船の膨らみ(膨らみの有無、膨らみ量)を制御す
るバルブとを前記容器の外部に有する本発明にかかる熱
処理装置(請求項1)または該装置を用いて行う蛍石単
結晶の熱処理方法(請求項2)によれば、容器内圧力の
検出用風船の内部圧力が熱処理時の容器内におけるフッ
素ガス(蛍石単結晶の酸化防止用)の生成・熱膨張や不
活性ガス(蛍石単結晶の酸化防止用)の熱膨張により、
所定圧力を越えて風船が膨らみかけたら(或いは風船が
ある程度膨らんだら)、前記バルブを開いて真空排気系
により容器内等(容器内部、容器と風船との間にある排
気管の内部、風船内部)を排気し、風船の膨らみがなく
なれば(或いは風船の膨らみが止まれば)、前記バルブ
を閉じて排気を停止する操作を繰り返すことにより、或
いは風船が膨らみかけたら(或いは風船がある程度膨ら
んだら)前記バルブを所定の開口度に開いて排気し、風
船の膨らみをなくす(或いは風船の膨らみを停止する)
ことにより、前記容器内等の圧力が前記所定の圧力(ま
たは略所定の圧力)となるように制御することができ
る。
【0027】また、本発明(請求項1または2)によれ
ば、容器の徐冷による容器内温度の低下に伴う容器内の
圧力低下が膨らんだ風船内にあるガスの容器内への自然
導入により防止される。このように、本発明(請求項1
または2)によれば、熱処理容器の内部圧力測定用の圧
力計を必要とせずに、蛍石を熱処理することができる。
即ち、圧力計の代わりに耐熱性耐腐食性の強い風船(例
えばゴム風船)を使用することにより、容器内の圧力調
整をすることができる。
【0028】また、本発明(請求項1または2)によれ
ば、熱処理容器の徐冷中に風船内のガスを逆に容器内に
入れる(自然導入する)ことにより、減圧による容器の
変形破損を防止することができる。従って、本発明(請
求項1または2)によれば、熱処理時における容器内圧
力が常時所定の圧力(例えば、1気圧または略1気圧)
となるように制御可能であり、また容器を徐冷する段階
等において容器が変形・破損することがなく、その結
果、高精度な光学系に使用できる蛍石単結晶を生産性よ
く得ることができる。
【0029】次に、少なくとも、蛍石単結晶を収納した
後に密閉されて真空排気される気密化可能な容器と、該
容器に接続された真空排気系と、前記容器の外側に配置
されたヒーターとを有するか、或いは少なくとも、蛍石
単結晶を収納した後に密閉されて真空排気される気密化
可能な第1容器と、該第1容器内に配置され蛍石単結晶
及びフッ素化剤を収納する第2容器と、前記第1容器に
接続された真空排気系と、前記第1容器の外側に配置さ
れたヒーターとを有する、本発明(請求項3〜10)の熱
処理装置には、前記真空排気系の排気管の途中に、一ま
たは二以上の分岐管と、各分岐管に密閉接続された風船
状の弾性部材と、弾性部材内ガスの外部排気を制御する
ことにより風船の膨らみ(膨らみの有無、膨らみ量)を
制御するバルブとが設けられるとともに、前記弾性部材
(風船)内の圧力が前記容器内の圧力と同一となるよう
に構成され、前記弾性部材(風船)は前記容器内の圧力
が所定圧力を越えたときに膨らむ機能を有するそのた
め、本発明(請求項3〜10)の熱処理装置または該装置
を用いて行う蛍石単結晶の熱処理方法(請求項11〜15)
によれば、熱処理時の容器(または第1容器)内におけ
るフッ素ガスの生成・熱膨張や不活性ガスの熱膨張によ
り、容器(または第1容器)内の圧力と同一となるよう
に構成された弾性部材(風船)の内部圧力が所定圧力を
越えて風船が膨らみかけたら(或いは風船がある程度膨
らんだら)、バルブを開いて真空排気系により容器内等
(容器または第1容器の内部、容器または第1容器と弾
性部材との間にある排気管の内部、風船内部)を排気
し、風船の膨らみがなくなれば(或いは風船の膨らみが
止まれば)、前記バルブを閉じて排気を停止する操作を
繰り返すことにより、或いは風船が膨らみかけたら(或
いは風船がある程度膨らんだら)前記バルブを所定の開
口度に開いて排気し、風船の膨らみをなくす(或いは風
船の膨らみを停止する)ことにより、前記容器内等の圧
力が前記所定の圧力(または略所定の圧力)となるよう
に制御することができる。
【0030】また、本発明(請求項3〜15)によれば、
容器(または第1容器)の徐冷による容器(または第1
容器)内温度の低下に伴う容器(または第1容器)内の
圧力低下が風船内にあるガスの容器(または第1容器)
内への自然導入により防止される。従って、本発明(請
求項3〜15)によれば、熱処理時における容器(または
第1容器)内圧力が常時所定の圧力(例えば、1気圧ま
たは略1気圧)となるように制御可能であり、また容器
(または第1容器)を徐冷する段階等において容器(ま
たは第1容器)が変形・破損することがなく、その結
果、高精度な光学系に使用できる蛍石単結晶を生産性よ
く得ることができる。
【0031】本発明においては、熱処理時における蛍石
の酸化防止効果を増大させるために、気密化可能な容器
(または第1容器)の中に不活性ガスを封入する機構を
さらに設けることが好ましい(請求項5)。また、本発
明にかかる所定圧力が1気圧(または略1気圧)であれ
ば、容器の変形・破損を防止する効果が増大するので好
ましい(請求項6または15)。
【0032】本発明にかかる風船状の弾性部材は、例え
ばゴム状弾性体により構成することができる(請求項
7)。また、本発明にかかるゴム状弾性体は例えば、天
然ゴム、ブタジエン系合成ゴム、オレフィン系合成ゴ
ム、チオコール(多硫化ゴム)、フッ素ゴム、ポリウレ
タンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、メタクリル
アクリル酸共重合体、ケイ素ゴム(シリコーンゴム)、
塩化ゴム、エチレンプロピレン共重合体、またはこれら
の混合組成物により構成することができる(請求項
8)。
【0033】また、本発明にかかるブタジエン系合成ゴ
ムとしては例えば、ブタジエン重合体、スチレンブタジ
エンゴム(フ゛タシ゛エンスチレン共重合体)、ニトリルゴム(フ゛タ
シ゛エンアクリルニトリル共重合体)、クロロプレンラバー(ネオフ゜レ
ン)、スチレンブタジエンアクリルニトリル共重合体、
またはこれらの混合組成物をあげることができる(請求
項9)。
【0034】また、本発明にかかるオレフィンン系合成
ゴムとしては例えば、ポリイソプレン、ブチルゴム、ポ
リイソブチレン、またはこれらの混合組成物をあげるこ
とができる(請求項10)。本発明(請求項1〜15)によ
れば、熱処理装置を破損することなく蛍石単結晶の歪を
除去または著しく低減して、より高精度な光学系に使用
できる蛍石単結晶を得ることができる。
【0035】以下、本発明を実施例により更に詳細に説
明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではな
い。
【0036】
【実施例】図1は本実施例の熱処理装置を示す概略断面
図である。本実施例の熱処理装置は、蛍石単結晶6を収
納した後に密閉されて真空排気される気密化可能な第1
容器(SUS製気密容器)2と、該第1容器内に配置さ
れ蛍石単結晶6及びフッ素化剤4を収納する第2容器
(カーボン容器)3と、前記第1容器2に接続された真
空排気系(真空ポンプP等により構成される)Vと、前
記第1容器2の外側に配置されたヒーターHとを有し、
前記真空排気系Vの排気管7の途中に、二以上の分岐管
8と、各分岐管8に密閉接続された風船状の弾性部材
(ゴム風船)1と、弾性部材内ガスの外部排気を制御す
ることにより風船の膨らみ(膨らみの有無、膨らみ量)
を制御するバルブ5とが設けられるとともに、前記弾性
部材(風船)1内の圧力が前記第1容器2内の圧力と同
一となるように構成され、前記弾性部材(風船)1は前
記第1容器2内の圧力が所定圧力を越えたときに膨らむ
機能を有するゴム風船1の数は、2〜6個程度が適当で
あるが、この数は本実施例を限定するものではない。ま
た、ゴム風船の材質としては、請求項8〜10に記載した
ものがあげられるが、これらに限定されるものではな
く、耐熱性・耐食性に優れたものであれば良い。
【0037】熱処理時には、SUS製の気密容器(第1
容器)2により、容器2内部の雰囲気を大気と遮断す
る。第1容器2内には、さらにカーボン容器(第2容
器)3が載置されている。熱処理される蛍石単結晶6
は、このカーボン容器3内に収納される。カーボン容器
3内には、蛍石単結晶6と共にフッ素化剤4としてテフ
ロンおよび酸性フッ化アンモニウムも収納される。
【0038】以下に、本実施例にかかる蛍石単結晶6の
熱処理工程を示す。まず、気密化可能な第1容器2内
に、蛍石単結晶6及びフッ素化剤4を収納した第2容器
3を設置した後、第1容器2を密閉して第1容器内を真
空排気した。そして、第1容器2内が所定の真空度(10
-1Pa程度以下)に達した後、前記分岐管8よりも下流側
(真空ポンプP側)の排気管に設けられたバルブ5を閉
じることにより、第1容器2、バルブ5よりも上流側
(第1容器側)にある排気管、分岐管8及びゴム風船1
の各内部(圧力制御空間と称す)の排気を停止した。
【0039】次に、第1容器2の外側に設けられたヒー
ターHにより加熱して、第1容器内温度及び/または第
2容器内温度を蛍石単結晶6の融点よりも低い所定温度
(1100℃)まで昇温させるとともに、フッ素化剤4を気
化させて第2容器内をフッ素ガス雰囲気とした。そし
て、フッ素ガスの生成により、或いはさらにフッ素ガス
の熱膨張により、ゴム風船1内部の圧力が所定圧力(1
気圧)を越えて風船1が膨らみかけたら(或いは風船が
ある程度膨らんだら)、バルブ5を開いて排気し、風船
1の膨らみがなくなれば(或いは風船の膨らみが停止す
れば)、バルブ5を閉じて排気を停止する操作を繰り返
すことにより、或いは風船1が膨らみかけたら(或いは
風船がある程度膨らんだら)、バルブ5を所定の開口度
に開いて排気し、風船1の膨らみをなくす(或いは風船
の膨らみを停止する)ことにより、前記圧力制御空間内
の圧力が1気圧(または略1気圧)となるように制御し
た。
【0040】次に、第1容器内温度及び/または第2容
器内温度を所定温度(1100℃の定常状態)に所定の時間
(24時間)、維持することにより蛍石単結晶を熱処理し
た。この高温維持時の温度は、蛍石の融点に近い高温で
ある1300℃程度が望ましいが、本熱処理装置の耐久性を
考慮すると、高温維持時の温度は1100℃程度以下に抑え
ておいた方が良い。
【0041】前記定常状態を24時間維持した後、徐々に
容器内の温度を降温させた。この降温に伴って容器内の
ガスが収縮しようとするが、ゴム風船内のガスが容器内
に自然吸入されるので、容器内の圧力は1気圧(または
略1気圧)に保持された。室温まで降温したら、第1容
器内を大気開放して蛍石単結晶を取り出すことにより熱
処理を終了した。
【0042】このように、本実施例の熱処理装置を用い
て行った蛍石単結晶の熱処理によれば、第1容器内にお
いて弗素化剤の揮発・ガス膨張が起こっても、ゴム風船
を使用して第1容器内を1気圧(または略1気圧)に保
持することができた。また、降温により第1容器内部の
ガスが収縮しようとしても、それにつれてゴム風船から
ガスが第1容器内に供給されて第1容器内が1気圧(ま
たは略1気圧)に保持されるため、第1容器が減圧のた
め変形・破損するのを防止することができた。
【0043】即ち、本実施例の熱処理装置を用いて行っ
た蛍石単結晶の熱処理によれば、熱処理装置を破損する
ことなく蛍石単結晶の歪を除去または著しく低減して、
より高精度な光学系に使用できる蛍石単結晶を得ること
ができた。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明(請求項1
〜15)によれば、熱処理時における容器(または第1容
器)内圧力が常時所定の圧力(例えば、1気圧または略
1気圧)となるように制御可能であり、また容器(また
は第1容器)を徐冷する段階等において容器(または第
1容器)が変形・破損することがなく、その結果、高精
度な光学系に使用できる蛍石単結晶を生産性よく得るこ
とができる。
【0045】即ち、本発明(請求項1〜15)によれば、
熱処理装置を破損することなく蛍石単結晶の歪を除去ま
たは著しく低減して、より高精度な光学系に使用できる
蛍石単結晶を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、実施例の熱処理装置を示す概略断面図であ
る。
【符号の説明】
1・・・風船状の弾性部材(例えばゴム風船) 2・・・第1容器(例えばSUS製気密容器) 3・・・第2容器(例えばカーボン容器) 4・・・フッ素化剤 5・・・バルブ 6・・・蛍石単結晶 7・・・排気管 8・・・分岐管 H・・・ヒーター P・・・真空ポンプ V・・・真空排気系 以 上

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、蛍石単結晶を収納した後に
    密閉されて真空排気される気密化可能な容器を有する熱
    処理装置であり、容器内の圧力が所定圧力を越えたとき
    に膨らむ一または二以上の風船(容器内圧力の検出調節
    用)と、風船内ガスの外部排気を制御することにより風
    船の膨らみ(膨らみの有無、膨らみ量)を制御するバル
    ブとを前記容器の外部に有する蛍石単結晶の熱処理装
    置。
  2. 【請求項2】 少なくとも、蛍石単結晶を収納した後に
    密閉されて真空排気される気密化可能な容器を有する熱
    処理装置であり、容器内の圧力が所定圧力を越えたとき
    に膨らむ一または二以上の風船(容器内圧力の検出調節
    用)と、風船内ガスの外部排気を制御することにより風
    船の膨らみ(膨らみの有無、膨らみ量)を制御するバル
    ブとを前記容器の外部に有する熱処理装置を用いて熱処
    理する蛍石単結晶の熱処理方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも、蛍石単結晶を収納した後に
    密閉されて真空排気される気密化可能な容器と、該容器
    に接続された真空排気系と、前記容器の外側に配置され
    たヒーターとを有する熱処理装置において、 前記真空排気系の排気管の途中に、一または二以上の分
    岐管と、各分岐管に密閉接続された風船状の弾性部材
    と、弾性部材内ガスの外部排気を制御することにより風
    船の膨らみ(膨らみの有無、膨らみ量)を制御するバル
    ブとが設けられるとともに、前記弾性部材(風船)内の
    圧力が前記容器内の圧力と同一となるように構成され、
    前記弾性部材(風船)は前記容器内の圧力が所定圧力を
    越えたときに膨らむ機能を有することを特徴とする蛍石
    単結晶の熱処理装置。
  4. 【請求項4】 少なくとも、蛍石単結晶を収納した後に
    密閉されて真空排気される気密化可能な第1容器と、該
    第1容器内に配置され蛍石単結晶及びフッ素化剤を収納
    する第2容器と、前記第1容器に接続された真空排気系
    と、前記第1容器の外側に配置されたヒーターとを有す
    る熱処理装置において、 前記真空排気系の排気管の途中に、一または二以上の分
    岐管と、各分岐管に密閉接続された風船状の弾性部材
    と、弾性部材内ガスの外部排気を制御することにより風
    船の膨らみ(膨らみの有無、膨らみ量)を制御するバル
    ブとが設けられるとともに、前記弾性部材(風船)内の
    圧力が前記第1容器内の圧力と同一となるように構成さ
    れ、前記弾性部材(風船)は前記第1容器内の圧力が所
    定圧力を越えたときに膨らむ機能を有することを特徴と
    する蛍石単結晶の熱処理装置。
  5. 【請求項5】 前記気密化可能な容器または前記第1容
    器の中に不活性ガスを封入する機構をさらに設けたこと
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱処理装
    置。
  6. 【請求項6】 前記所定圧力は、1気圧(または略1気
    圧)であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに
    記載の熱処理装置。
  7. 【請求項7】 前記風船または弾性部材は、ゴム状弾性
    体により構成されてなることを特徴とする請求項1〜6
    のいずれかに記載の熱処理装置。
  8. 【請求項8】 前記ゴム状弾性体は、天然ゴム、ブタジ
    エン系合成ゴム、オレフィン系合成ゴム、チオコール
    (多硫化ゴム)、フッ素ゴム、ポリウレタンゴム、クロ
    ロスルホン化ポリエチレン、メタクリルアクリル酸共重
    合体、ケイ素ゴム(シリコーンゴム)、塩化ゴム、エチ
    レンプロピレン共重合体、またはこれらの混合組成物に
    より構成されてなることを特徴とする請求項7記載の熱
    処理装置。
  9. 【請求項9】 前記ブタジエン系合成ゴムは、ブタジエ
    ン重合体、スチレンブタジエンゴム(フ゛タシ゛エンスチレン共重
    合体)、ニトリルゴム(フ゛タシ゛エンアクリルニトリル共重合体)、
    クロロプレンラバー(ネオフ゜レン)、スチレンブタジエンア
    クリルニトリル共重合体、またはこれらの混合組成物で
    あることを特徴とする請求項8記載の熱処理装置。
  10. 【請求項10】 前記オレフィンン系合成ゴムは、ポリイ
    ソプレン、ブチルゴム、ポリイソブチレン、またはこれ
    らの混合組成物であることを特徴とする請求項8記載の
    熱処理装置。
  11. 【請求項11】 真空排気系の排気管の途中に、一または
    二以上の分岐管と、各分岐管に密閉接続された風船状の
    弾性部材(容器内圧力が所定の圧力を越えると風船が膨
    らむ)と、弾性部材内ガスの外部排気を制御することに
    より風船の膨らみ(膨らみの有無、膨らみ量)を制御す
    るバルブとが設けられた請求項3〜8のいずれかに記載
    の熱処理装置を用いて行う蛍石単結晶の熱処理方法であ
    り、少なくとも、 気密化可能な容器内に蛍石単結晶を収納してから前記容
    器を密閉する工程と、 前記容器内を真空排気した後、前記分岐管よりも下流側
    (真空ポンプ側)の排気管に設けられたバルブを閉じる
    ことにより、前記容器、前記バルブよりも上流側(第1
    容器側)にある排気管、分岐管及び風船状弾性部材の各
    内部(圧力制御空間と称す)の排気を停止する工程と、 熱処理時における蛍石単結晶の酸化を防止するために、
    前記容器内を含む圧力制御空間内に不活性ガスを封入す
    る工程と、 前記容器の外側に設けられたヒーターにより加熱して、
    容器内温度を前記蛍石単結晶の融点よりも低い所定温度
    まで昇温させる工程と、 前記不活性ガスの熱膨張により、前記弾性部材内部の圧
    力が所定圧力を越えて風船が膨らみかけたら(或いは風
    船がある程度膨らんだら)、前記バルブを開いて排気
    し、風船の膨らみがなくなれば(或いは風船の膨らみが
    停止すれば)、バルブを閉じて排気を停止する操作を繰
    り返すことにより、或いは風船が膨らみかけたら(或い
    は風船がある程度膨らんだら)前記バルブを所定の開口
    度に開いて排気し、風船の膨らみをなくす(或いは風船
    の膨らみを停止する)ことにより、 前記圧力制御空間内の圧力が前記所定の圧力(または略
    所定の圧力)となるように制御する工程と、 前記容器内温度を前記所定温度に所定の時間、維持する
    ことにより蛍石単結晶を熱処理する工程と、 前記容器内温度を降温する工程と、 前記容器内を大気開放する工程と、を備えた蛍石単結晶
    の熱処理方法。
  12. 【請求項12】 真空排気系の排気管の途中に、一または
    二以上の分岐管と、各分岐管に密閉接続された風船状の
    弾性部材(第1容器内の圧力が所定の圧力を越えると風
    船が膨らむ)と、弾性部材内ガスの外部排気を制御する
    ことにより風船の膨らみ(膨らみの有無、膨らみ量)を
    制御するバルブとが設けられた請求項3〜8のいずれか
    に記載の熱処理装置を用いて行う蛍石単結晶の熱処理方
    法であり、少なくとも、 気密化可能な第1容器内に、蛍石単結晶及びフッ素化剤
    を収納した第2容器を設置する工程と、 前記第1容器を密閉する工程と、 前記第1容器内を真空排気した後、前記分岐管よりも下
    流側(真空ポンプ側)の排気管に設けられたバルブを閉
    じることにより、前記第1容器、前記バルブよりも上流
    側(第1容器側)にある排気管、分岐管及び風船状弾性
    部材の各内部(圧力制御空間と称す)の排気を停止する
    工程と、 前記第1容器の外側に設けられたヒーターにより加熱し
    て、第1容器内温度及び/または第2容器内温度を前記
    蛍石単結晶の融点よりも低い所定温度まで昇温させると
    ともに、前記フッ素化剤を気化させて前記第2容器内を
    フッ素ガス雰囲気とする工程と、 前記フッ素ガスの生成により、或いはさらにフッ素ガス
    の熱膨張により、前記弾性部材内部の圧力が所定圧力を
    越えて風船が膨らみかけたら(或いは風船がある程度膨
    らんだら)、前記バルブを開いて排気し、風船の膨らみ
    がなくなれば(或いは風船の膨らみが停止すれば)、バ
    ルブを閉じて排気を停止する操作を繰り返すことによ
    り、或いは風船が膨らみかけたら(或いは風船がある程
    度膨らんだら)前記バルブを所定の開口度に開いて排気
    し、風船の膨らみをなくす(或いは風船の膨らみを停止
    する)ことにより、 前記圧力制御空間内の圧力が前記所定の圧力(または略
    所定の圧力)となるように制御する工程と、 前記第1容器内温度及び/または第2容器内温度を前記
    所定温度に所定の時間、維持することにより蛍石単結晶
    を熱処理する工程と、 前記第1容器内温度及び/または第2容器内温度を降温
    する工程と、 前記第1容器内を大気開放する工程と、を備えた蛍石単
    結晶の熱処理方法。
  13. 【請求項13】 真空排気系の排気管の途中に、一または
    二以上の分岐管と、各分岐管に密閉接続された風船状の
    弾性部材(第1容器内の圧力が所定の圧力を越えると風
    船が膨らむ)と、弾性部材内ガスの外部排気を制御する
    ことにより風船の膨らみ(膨らみの有無、膨らみ量)を
    制御するバルブとが設けられた請求項3〜8のいずれか
    に記載の熱処理装置を用いて行う蛍石単結晶の熱処理方
    法であり、少なくとも、 気密化可能な第1容器内に、蛍石単結晶及びフッ素化剤
    を収納した第2容器を設置する工程と、 前記第1容器を密閉する工程と、 前記第1容器内を真空排気した後、前記分岐管よりも下
    流側(真空ポンプ側)の排気管に設けられたバルブを閉
    じることにより、前記第1容器、前記バルブよりも上流
    側(第1容器側)にある排気管、分岐管及び風船状弾性
    部材の各内部(圧力制御空間と称す)の排気を停止する
    工程と、 熱処理時における蛍石単結晶の酸化を防止するために、
    前記第1容器内及び第2容器内を含む圧力制御空間内に
    不活性ガスを封入する工程と、 前記第1容器の外側に設けられたヒーターにより加熱し
    て、第1容器内温度及び/または第2容器内温度を前記
    蛍石単結晶の融点よりも低い所定温度まで昇温させると
    ともに、前記フッ素化剤を気化させて前記第2容器内を
    フッ素ガス雰囲気とする工程と、 前記フッ素ガスの生成と前記不活性ガスの熱膨張によ
    り、或いはさらにフッ素ガスの熱膨張により、前記弾性
    部材内部の圧力が所定圧力を越えて風船が膨らみかけた
    ら(或いは風船がある程度膨らんだら)、前記バルブを
    開いて排気し、風船の膨らみがなくなれば(或いは風船
    の膨らみが停止すれば)、バルブを閉じて排気を停止す
    る操作を繰り返すことにより、或いは風船が膨らみかけ
    たら(或いは風船がある程度膨らんだら)前記バルブを
    所定の開口度に開いて排気し、風船の膨らみをなくす
    (或いは風船の膨らみを停止する)ことにより、 前記圧力制御空間内の圧力が前記所定の圧力(または略
    所定の圧力)となるように制御する工程と、 前記第1容器内温度及び/または第2容器内温度を前記
    所定温度に所定の時間、維持することにより蛍石単結晶
    を熱処理する工程と、 前記第1容器内温度及び/または第2容器内温度を降温
    する工程と、 前記第1容器内を大気開放する工程と、を備えた蛍石単
    結晶の熱処理方法。
  14. 【請求項14】 前記降温に伴う前記気密化可能な容器内
    または前記第1容器内の圧力低下が前記弾性部材の風船
    内にあるガスの前記各容器内への自然導入により防止さ
    れることを特徴とする請求項11〜13のいずれかに記載の
    熱処理方法。
  15. 【請求項15】 前記所定圧力は、1気圧(または略1気
    圧)であることを特徴とする請求項11〜14のいずれかに
    記載の熱処理方法。
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