JPH11240798A - 蛍石の製造方法及び光リソグラフィー用の蛍石 - Google Patents

蛍石の製造方法及び光リソグラフィー用の蛍石

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JPH11240798A
JPH11240798A JP10045541A JP4554198A JPH11240798A JP H11240798 A JPH11240798 A JP H11240798A JP 10045541 A JP10045541 A JP 10045541A JP 4554198 A JP4554198 A JP 4554198A JP H11240798 A JPH11240798 A JP H11240798A
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container
single crystal
fluorite single
fluorite
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JP10045541A
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Shigeru Sakuma
繁 佐久間
Tsutomu Mizugaki
勉 水垣
Shuichi Takano
修一 高野
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OYO KOKEN KOGYO KK
Nikon Corp
Original Assignee
OYO KOKEN KOGYO KK
Nikon Corp
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複屈折が充分に小さくて、光リソグラフィー
における光学系に使用可能な蛍石単結晶が得られ、特に
波長250nm以下の光リソグラフィーに使用可能な大
口径(φ200mm以上)で光学特性が良好な蛍石単結晶が
得られる蛍石単結晶の製造方法を提供すること。 【解決手段】 気密化可能な容器内に蛍石単結晶を収納
して前記容器を密閉し、前記容器内を真空排気した後
に、前記容器の外側に設けられたヒーターにより加熱し
て、容器内温度を前記蛍石単結晶の融点よりも低い所定
温度(第1温度)まで昇温させる工程と、前記容器内温
度を前記所定温度(第1温度)に所定の時間、保持する
工程と、前記容器内温度を室温まで降温する工程と、に
より蛍石単結晶を熱処理することで光学特性を向上させ
た蛍石単結晶を製造する方法において、熱処理の最高温
度を1020〜1150℃の範囲にある所定温度(第1温度)と
したことを特徴とする蛍石単結晶の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、KrF、ArFエ
キシマレーザーやF2レーザーを用いた各種機器(例え
ば、ステッパー、CVD装置、核融合装置など)のレン
ズ、窓材等の光学系に、特に波長250nm以下の光リ
ソグラフィー装置(例えば、KrF、ArFエキシマレ
ーザーやF2レーザーを用いた光リソグラフィー装置)
における光学系に、用いて好適な大口径(φ200mm以
上)で光学特性が良好な蛍石単結晶が得られる製造方法
と、光(波長250nm以下)リソグラフィー用の蛍石
単結晶に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年において、VLSIはますます高集積
化、高機能化され、論理VLSIの分野ではチップ上により
大きなシステムが盛り込まれるシステムオンチップ化が
進行している。これに伴い、その基板となるシリコン等
のウェハ上において、微細加工化及び高集積化が要求さ
れている。そして、シリコン等のウェハ上に集積回路の
微細パターンを露光・転写する光リソグラフィーにおい
ては、ステッパと呼ばれる露光装置が使用されている。
【0003】VLSIの中でDRAMを例にあげると、近年256M
以上の容量が現実のものとなり、加工線幅が0.35μm 以
下と微細になっているため、光リソグラフィー技術のか
なめであるステッパーの投影レンズには、高い結像性能
(解像度、焦点深度)が要求されている。解像度と焦点
深度は、露光に用いる光の波長とレンズのNA(開口
数)によって決まる。
【0004】露光波長λが同一の場合には、細かいパタ
ーンほど回折光の角度が大きくなるので、レンズのNA
が大きくなければ回折光を取り込めなくなる。また、露
光波長λが短いほど、同一パターンにおける回折光の角
度は小さくなるので、レンズのNAは小さくてよいこと
になる。解像度と焦点深度は、次式により表される。
【0005】解像度=k1 ・λ/NA 焦点深度=k2 ・λ/(NA)2 (ここで、k1 、k2 は比例定数) 上式より、解像度を向上させるためには、レンズのNA
を大きくする(レンズを大口径化する)か、或いは露光
波長λを短くすればよく、またλを短くする方が焦点深
度の点で有利であることが判る。
【0006】まず、光の短波長化について述べると、露
光波長λがしだいに短波長となり、KrFエキシマレー
ザー光(波長248nm )を光源とするステッパーも市場に
登場するようになってきた。250 nm以下の短波長領域に
おいては、光リソグラフィー用として使える光学材料は
非常に少なく、蛍石及び石英ガラスの2種類の材料が用
いられている。
【0007】次に、レンズの大口径化について述べる
と、単に大口径であればよいというものではなく、屈折
率の均質性等の光学特性に優れた石英ガラスや蛍石単結
晶が要求される。ここで、従来の蛍石単結晶の製造方法
(一例)を示す。蛍石単結晶は、ブリッジマン法(スト
ックバーガー法、ルツボ降下法)により製造されてい
る。
【0008】紫外域または真空紫外域において使用され
る蛍石単結晶の場合、原料として天然の蛍石を使用する
ことはなく、化学合成により作製された高純度原料を使
用することが一般的である。原料は粉末のまま使用する
ことが可能であるが、この場合、熔融したときの体積減
少が激しいため、半熔融品やその粉砕品を用いるのが普
通である。
【0009】まず、育成装置の中に前記原料を充填した
ルツボを置き、育成装置内を10-3〜10-4Paの真空
雰囲気に保持する。次に、育成装置内の温度を蛍石の融
点以上まで上昇させてルツボ内の原料を熔融する。この
際、育成装置内温度の時間的変動を抑えるために、定電
力出力による制御または高精度なPID制御を行う。
【0010】結晶育成段階では、0.1 〜5mm/h程度
の速度でルツボを引き下げることにより、ルツボの下部
から徐々に結晶化させる。融液最上部まで結晶化したと
ころで結晶育成は終了し、育成した結晶(インゴット)
が割れないように、急冷を避けて簡単な徐冷を行う。育
成装置内の温度が室温程度まで下がったところで、装置
を大気開放してインゴットを取り出す。
【0011】サイズの小さい光学部品や均質性の要求さ
れない窓材などに用いられる蛍石の場合には、インゴッ
トを切断した後、丸めなどの工程を経て最終製品まで加
工される。これに対して、ステッパーの投影レンズなど
に用いられ、高均質が要求される蛍石単結晶の場合に
は、インゴットのまま簡単なアニールが行われる。そし
て、目的の製品別に適当な大きさに切断加工された後、
さらにアニールが行われる。
【0012】ところで、特開平8-5801号公報には、光リ
ソグラフィー用の蛍石が記載され、350nm以下の特定波
長帯域で使用される場合に、3座標方向のいずれの方向
においても複屈折による光路差が10nm/cm以下である蛍
石が開示されている。光路差が光学系の結像性能に与え
る影響は、波長の何倍であるかという数値で表され(例
えばλ/10など)、その係数が小さいほど影響は少ない。
例えば、光路差10nmの場合に、波長λ=248nmでは光路差
は10/248=0.040λであり、λ=193nmでは光路差は10/193
=0.052λとなる。
【0013】即ち、同じ光路差の10nmであっても効果と
しては、λ=193nmの方が影響が大きく、結像性能は悪化
する。そのため、次世代のArFエキシマレーザー(波長19
3nm)を用いたステッパーの投影レンズにおいては、光
路差10nm/cmではまだ不十分であり、複屈折による光路
差がさらに小さい蛍石が必要とされている。
【0014】なお、以下においては、複屈折による単位
長さあたりの光路差のことを単に複屈折と呼ぶ。また、
この複屈折のことを一般的には歪と呼ぶことも多い。こ
れは材料自体に複屈折がない場合でも、歪によって複屈
折を生ずることが多いためである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、蛍石
はブリッジマン法により製造されている。そして、通常
のブリッジマン法により蛍石を成長させた後は、蛍石が
割れない程度に(或いは切断が可能な程度に)徐冷し、
インゴットとして取り出す。インゴットから目的とする
サイズに直接切り出すこともあるが、体積が増大すれば
するほど複屈折や屈折率不均質が大きくなるため、複数
のブロックに切断後、さらに熱処理工程にかけることで
品質を向上させている。
【0016】この熱処理工程の期間は、生産性を鑑みて
従来では1週間から2週間程度が一般的であり、そのた
め、熱処理工程全体に対する時間占有率が大きい冷却過
程(工程)での冷却速度を10℃/H〜5℃/Hとしていた。
しかしながら、このような蛍石単結晶のアニール(熱処
理)により得られた蛍石単結晶は、屈折率の均質性が悪
く、また複屈折が大きすぎるという問題点があった。
【0017】そのため、光リソグラフィーにおける光学
系に使用できる蛍石単結晶が得られ難く、特に波長25
0nm以下の光リソグラフィーに使用できる大口径(φ
200mm以上)の蛍石単結晶が得られないという問題点が
あった。本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたもの
であり、蛍石単結晶を熱処理することにより、屈折率の
均質性がよく、複屈折が充分に小さくて、光リソグラフ
ィーにおける光学系に使用可能な蛍石単結晶が得られ、
特に波長250nm以下の光リソグラフィーに使用可能
な大口径(φ200mm以上)で光学特性が良好な蛍石単結
晶が得られる蛍石単結晶の製造方法を提供することを目
的とする。
【0018】或いは、本発明は前記大口径(φ200mm以
上)で光学特性が良好な蛍石単結晶が得られるという効
果を奏するだけでなく、かかる効果と生産性とのバラン
スがとれた蛍石単結晶の製造方法を提供することを目的
とする。或いは、本発明は光(波長250nm以下)リ
ソグラフィー用の蛍石単結晶を提供することを目的とす
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】そのため、本発明は第一
に「気密化可能な容器内に蛍石単結晶を収納して前記容
器を密閉し、前記容器内を真空排気した後に、前記容器
の外側に設けられたヒーターにより加熱して、容器内温
度を前記蛍石単結晶の融点よりも低い所定温度(第1温
度)まで昇温させる工程と、前記容器内温度を前記所定
温度(第1温度)に所定の時間、保持する工程と、前記
容器内温度を室温まで降温する工程と、により蛍石単結
晶を熱処理することで光学特性を向上させた蛍石単結晶
を製造する方法において、熱処理の最高温度を1020〜11
50℃の範囲にある所定温度(第1温度)としたことを特
徴とする蛍石単結晶の製造方法(請求項1)」を提供す
る。
【0020】また、本発明は第二に「気密化可能な第1
容器内に、蛍石単結晶及びフッ素化剤を収納した第2容
器を設置して前記第1容器を密閉し、前記第1容器内を
真空排気した後に、前記第1容器の外側に設けられたヒ
ーターにより加熱して、第1容器内温度及び/または第
2容器内温度を前記蛍石単結晶の融点よりも低い所定温
度(第1温度)まで昇温させるとともに、前記第2容器
内をフッ素ガス雰囲気とする工程と、前記第1容器内温
度及び/または第2容器内温度を前記所定温度(第1温
度)に所定の時間、保持する工程と、前記第1容器内温
度及び/または第2容器内温度を室温まで降温する工程
と、前記第1容器内を大気開放する工程と、により蛍石
単結晶を熱処理することで光学特性を向上させた蛍石単
結晶を製造する方法において、熱処理の最高温度を1020
〜1150℃の範囲にある所定温度(第1温度)としたこと
を特徴とする蛍石単結晶の製造方法(請求項2)」を提
供する。
【0021】また、本発明は第三に「前記最高温度(第
1温度)から室温までの冷却速度を2℃/時間以下とし
たことを特徴とする請求項1または2記載の製造方法
(請求項3)」を提供する。また、本発明は第四に「前
記最高温度(第1温度)から600〜800℃の範囲或いは70
0〜900℃の範囲(またはそれらの近辺)にある所定温度
(第2温度)までの冷却速度を2℃/時間以下としたこ
とを特徴とする請求項1または2記載の製造方法(請求
項4)」を提供する。
【0022】また、本発明は第五に「前記第2温度から
室温までの冷却速度を5℃/時間以下としたことを特徴と
する請求項4記載の製造方法(請求項5)」を提供す
る。また、本発明は第六に「光リソグラフィー用の光学
系に使用可能な大口径(φ200mm以上)の蛍石単結晶が
得られることを特徴とする請求項1から5のいずれかに
記載の製造方法(請求項6)」を提供する。
【0023】また、本発明は第七に「屈折率差△nが2
×10-6以下の蛍石単結晶が得られることを特徴とする
請求項6記載の製造方法(請求項7)」を提供する。ま
た、本発明は第八に「光軸方向における複屈折の値が2
nm/cm以下の蛍石単結晶が得られることを特徴とする請
求項6または7記載の製造方法(請求項8)」を提供す
る。
【0024】また、本発明は第九に「光軸方向に垂直な
側面方向における複屈折の値が5nm/cm以下の蛍石単結
晶が得られることを特徴とする請求項6〜8のいずれか
に記載の製造方法(請求項9)」を提供する。また、本
発明は第十に「大口径(φ200mm以上)で光軸方向にお
ける複屈折の値が2nm/cm以下である光(波長250n
m以下)リソグラフィー用の蛍石単結晶(請求項10)」
を提供する。
【0025】また、本発明は第十一に「光軸方向に垂直
な側面方向における複屈折の値が5nm/cm以下である請
求項10記載の蛍石単結晶(請求項11)」を提供する。ま
た、本発明は第十二に「屈折率差△nが2×10-6以下
である請求項10または11に記載の蛍石単結晶(請求項1
2)」を提供する。また、本発明は第十三に「気密化可
能な容器内に蛍石単結晶を収納して前記容器を密閉し、
前記容器内を真空排気した後に、前記容器の外側に設け
られたヒーターにより加熱して、容器内温度を前記蛍石
単結晶の融点よりも低い所定温度まで昇温させる工程
と、前記容器内温度を前記所定温度に所定の時間、保持
する工程と、前記容器内温度を室温まで降温する工程
と、により蛍石単結晶を熱処理することで光学特性を向
上させた蛍石単結晶を製造する方法において、冷却速度
による処理物(蛍石単結晶)の光学特性向上に与える影響
が特に大きい高温領域における冷却工程では、冷却を充
分にゆっくりと行い、前記影響がそれよりも小さい低温
領域(高温領域よりも低温の領域)における冷却工程で
は、速めに冷却することで、処理物(蛍石単結晶)の光学
特性向上効果と生産性(納期及びコスト)とのバランス
をとることを特徴とする蛍石単結晶の製造方法(請求項
13)」を提供する。
【0026】また、本発明は第十四に「気密化可能な容
器内に蛍石単結晶を収納して前記容器を密閉し、前記容
器内を真空排気した後に、前記容器の外側に設けられた
ヒーターにより加熱して、容器内温度を前記蛍石単結晶
の融点よりも低い所定温度まで昇温させる工程と、前記
容器内温度を前記所定温度に所定の時間、保持する工程
と、前記容器内温度を室温まで降温する工程と、により
蛍石単結晶を熱処理することで光学特性を向上させた蛍
石単結晶を製造する方法において、熱処理時における蛍
石単結晶の酸化を防止するために、前記容器内に不活性
ガスを封入し、かつ前記容器内の圧力を1気圧(または
略1気圧)に保持して熱処理を行うことを特徴とする蛍
石単結晶の製造方法(請求項14)」を提供する。
【0027】また、本発明は第十五に「気密化可能な第
1容器内に、蛍石単結晶及びフッ素化剤を収納した第2
容器を設置して前記第1容器を密閉し、前記第1容器内
を真空排気した後に、前記第1容器の外側に設けられた
ヒーターにより加熱して、第1容器内温度及び/または
第2容器内温度を前記蛍石単結晶の融点よりも低い所定
温度まで昇温させるとともに、前記第2容器内をフッ素
ガス雰囲気とする工程と、前記第1容器内温度及び/ま
たは第2容器内温度を前記所定温度に所定の時間、保持
する工程と、前記第1容器内温度及び/または第2容器
内温度を室温まで降温する工程と、前記第1容器内を大
気開放する工程と、により蛍石単結晶を熱処理すること
で光学特性を向上させた蛍石単結晶を製造する方法にお
いて、少なくとも熱処理時における蛍石単結晶の酸化を
防止するために、前記フッ素化剤を気化させて前記第2
容器内をフッ素ガス雰囲気にし、かつ前記第1容器内の
圧力を1気圧(または略1気圧)に保持して熱処理を行
うことを特徴とする蛍石単結晶の製造方法(請求項1
5)」を提供する。
【0028】
【発明の実施の形態】蛍石単結晶の光学特性を向上させ
る(例えば複屈折を小さくする)ために行う熱処理(ア
ニール)は、どのような装置や雰囲気で行われるかだけ
でなく、どのようなスケジュールで行われるかが重要な
ポイントとなる。例えば、熱処理の最高温度は何℃であ
り、室温から最高温度まで何時間で昇温させるか、また
最高温度で何時間保持したのち、何時間で室温まで冷却
させるか、といったスケジュールが重要となる。
【0029】そこで、本発明者らが鋭意研究したとこ
ろ、最高温度としては、1020〜1150℃が最適であること
を見いだした。即ち、1150℃以上では蛍石内部に散乱原
因となる欠陥が生成し易くなり、1020℃以下では光学特
性の向上に与えるアニール効果が少ないことが判った。
そこで、本発明(請求項1〜9)にかかる製造方法で
は、熱処理の最高温度を1020〜1150℃の範囲にある所定
温度(第1温度)とした。
【0030】そして、本発明(請求項1〜9)によれ
ば、屈折率の均質性がよく、複屈折が充分に小さくて、
光リソグラフィーにおける光学系に使用可能な蛍石単結
晶が得られ、特に波長250nm以下の光リソグラフィ
ーに使用可能な大口径(φ200mm以上)で光学特性が良
好な蛍石単結晶が得られる。なお、前記最高温度の保持
時間は、例えば24時間程度であればよいが、処理物(蛍
石単結晶)の口径や体積が大きくなれば長くすることが
好ましい。
【0031】また、室温から最高温度に至る昇温速度
は、熱衝撃による処理物(蛍石単結晶)への悪影響が発生
しない範囲にて設定するとよい。次に、前記最高温度に
所定時間保持した後の冷却工程であるが、処理物(蛍石
単結晶)の光学特性向上にはこの工程が特に重要であ
る。即ち、冷却速度を遅くすればするほど光学特性の向
上効果は大きくなり、逆に冷却速度が速すぎると、充分
な効果が得られない。
【0032】そこで、本発明(請求項3)にかかる製造
方法では、前記最高温度(第1温度)から室温までの冷
却速度を2℃/時間以下とした。また、本発明者らは、
最高温度から600〜800℃の範囲(またはその近辺)或い
は700〜900℃の範囲(またはその近辺)にある所定温度
(第2温度)に至る高温領域の冷却工程における冷却速
度が処理物(蛍石単結晶)の光学特性向上に与える影響が
特に大きいことを見いだした。
【0033】そこで、本発明(請求項4)にかかる製造
方法では、前記最高温度(第1温度)から600〜800℃の
範囲或いは700〜900℃の範囲(またはそれらの近辺)に
ある所定温度(第2温度)までの冷却速度を2℃/時間
以下とした。本発明(請求項3、4)によれば、波長2
50nm以下の光リソグラフィーに使用可能な大口径
(φ200mm以上)で光学特性が極めて良好な蛍石単結晶
が得られる。
【0034】ところで、冷却時間の長さは生産性(納期
及びコスト)に大きく影響するので、その点からはでき
る限り冷却時間が短い(冷却速度が速い)方がよい。そ
こで、本発明者らは、冷却速度による処理物(蛍石単結
晶)の光学特性向上に与える影響が特に大きい高温領域
における冷却工程では、前述したように冷却を充分にゆ
っくりと行うが、前記影響がそれよりも小さい低温領域
(高温領域よりも低温の領域)における冷却工程では、
速めに冷却することで、処理物(蛍石単結晶)の光学特性
向上効果と生産性(納期及びコスト)とのバランスをと
ることとした(請求項13)。
【0035】具体的には、本発明(請求項5)にかかる
製造方法では、前記最高温度(第1温度)から600〜800
℃の範囲或いは700〜900℃の範囲(またはそれらの近
辺)にある所定温度(第2温度)までの高温領域におけ
る冷却速度を2℃/時間以下とし、さらに前記第2温度
から室温までの低温領域における冷却速度を5℃/時間以
下とした。
【0036】そのため、本発明(請求項5)によれば、
大口径(φ200mm以上)で光学特性が良好な蛍石単結晶
が得られるという前記効果を奏するだけでなく、かかる
効果と生産性とのバランスをとることができる。このよ
うに、大口径(φ200mm以上)の蛍石にかかる熱処理に
おいては、冷却速度による処理物(蛍石単結晶)の光学特
性向上に与える影響が特に大きい高温領域の冷却工程で
は、非常にゆっくりと冷却する(冷却速度:2℃/時間
以下)ことが重要である。
【0037】例えば、後述する比較例のように、最高温
度から900℃まで(高温領域)を3℃/時間という速すぎ
る速度で冷却したのでは、光学特性が良好な蛍石が得ら
れない。また、その後の低温領域における冷却工程で
も、あまり急激に冷却することは避けた方がよい。
【0038】なお、処理物(蛍石単結晶)の大型化に伴
い、高温領域及び/または低温領域における冷却工程
(特に高温領域における冷却工程)を単段階(冷却速度
が一種類)から複数段階(冷却速度が二種類以上)とす
ることが好ましい。即ち、処理物(蛍石単結晶)が大型化
するにつれて、生産性(納期及びコスト)を充分に満た
す範囲内で、高温領域及び/または低温領域における冷
却工程(特に高温領域における冷却工程)を細分化する
(単段階における冷却速度よりも遅い速度の冷却工程を
一または二以上付加する)ことが好ましい。
【0039】なお、この場合には、細分化の数の増大に
伴って高温領域全体及び/または低温領域全体の温度範
囲を拡張してもよい。また、処理物(蛍石単結晶)の大型
化に伴い、生産性(納期及びコスト)を充分に満たす範
囲内で、第2温度が含まれる温度範囲をより高い範囲に
設定(高温側へシフト)したり、温度範囲を縮小するす
ることが好ましい。
【0040】例えば、600〜800℃の範囲或いは700〜900
℃の範囲(またはそれらの近辺)と設定した第2温度が
含まれる温度範囲を処理物(蛍石単結晶)の大型化に伴っ
て、生産性(納期及びコスト)を充分に満たす範囲内
で、650〜850℃、750〜950℃、700〜800℃、800〜900
℃、800〜850℃、850〜900℃、900〜950℃等のように高
い範囲や狭い範囲に変更することが好ましい。
【0041】或いは、処理物(蛍石単結晶)の大型化に伴
い、生産性(納期及びコスト)を充分に満たす範囲内
で、冷却工程の細分化、第2温度が含まれる温度範囲の
拡張または縮小、各温度領域の高温側へのシフトを適宜
組み合わせることが好ましい。かかる構成にすることに
より、処理物(蛍石単結晶)が更に大型化しても、波長2
50nm以下の光リソグラフィーに使用可能な大口径で
光学特性が良好な蛍石単結晶を得られるばかりか、生産
性(納期及びコスト)をも充分に満たすことができる。
【0042】本発明(請求項13)にかかる蛍石単結晶の
製造方法は、波長250nm以下の光リソグラフィー用
の光学系に使用可能な大口径(φ200mm以上)の蛍石単
結晶を得る場合に有効である。本発明(請求項13)にか
かる蛍石単結晶の製造方法は、波長250nm以下の光
リソグラフィー用の光学系に使用可能な屈折率差△nが
2×10-6以下で大口径(φ200mm以上)の蛍石単結晶
を得る場合に有効である。
【0043】本発明(請求項13)にかかる蛍石単結晶の
製造方法は、波長250nm以下の光リソグラフィー用
の光学系に使用可能な光軸方向における複屈折の値が2
nm/cm以下で大口径(φ200mm以上)の蛍石単結晶を得
る場合に有効である。また、本発明(請求項13)にかか
る蛍石単結晶の製造方法は、波長250nm以下の光リ
ソグラフィー用の光学系に使用可能な光軸方向に垂直な
側面方向における複屈折の値が5nm/cm以下で大口径
(φ200mm以上)の蛍石単結晶を得る場合に有効であ
る。
【0044】本発明(請求項1〜5)にかかる蛍石単結
晶の製造方法は、波長250nm以下の光リソグラフィ
ー用の光学系に使用可能な大口径(φ200mm以上)の蛍
石単結晶を得る場合に有効である(請求項6)。また、
本発明(請求項1〜5)にかかる蛍石単結晶の製造方法
は、波長250nm以下の光リソグラフィー用の光学系
に使用可能な屈折率差△nが2×10-6以下で大口径
(φ200mm以上)の蛍石単結晶を得る場合に有効である
(請求項7)。
【0045】また、本発明(請求項1〜5)にかかる蛍
石単結晶の製造方法は、波長250nm以下の光リソグ
ラフィー用の光学系に使用可能な光軸方向における複屈
折の値が2nm/cm以下で大口径(φ200mm以上)の蛍石
単結晶を得る場合に有効である(請求項8)。また、本
発明(請求項1〜5)にかかる蛍石単結晶の製造方法
は、波長250nm以下の光リソグラフィー用の光学系
に使用可能な光軸方向に垂直な側面方向における複屈折
の値が5nm/cm以下で大口径(φ200mm以上)の蛍石単
結晶を得る場合に有効である(請求項9)。
【0046】このように、本発明により、φ200mm以上
の大きな蛍石においてはこれまで不可能であった複屈折
の小さい蛍石を得ることが可能となり、光(波長250
nm以下)リソグラフィー用の蛍石(例えば投影レンズ
に使用する)として実用に耐えるものが供給できるよう
になった。また、屈折率の均質性に関しても、充分な均
質度に達するものであった。
【0047】即ち、請求項10〜12に記載された複屈折の
値が小さくかつ大口径(φ200mm以上)の光(波長25
0nm以下)リソグラフィー用の蛍石単結晶は、これま
では得られなかったが、本発明(請求項1〜9、13)に
より製造可能となった。なお、直径200mm、厚さ50mmの
素材(蛍石)に関して、複屈折の測定を平面に垂直な方
向(これを光軸方向と呼ぶ)と、それに垂直な方向(これ
を側面方向と呼ぶ)について行ったところ、側面方向に
おいては360度の回転があるが、測定をしてみるとほぼ
同じ値になることがわかった。
【0048】また、光軸方向と側面方向では、単位長さ
あたりの光路差として、側面方向の方が2倍以上大きい
こともわかった。熱処理を行って光学特性が良好な蛍石
を得るための本発明にかかる製造装置は、処理物(蛍
石)を囲む容器を有し、その外側に加熱手段を有するも
のがよい。また、熱処理中は、処理物(蛍石)に温度む
らがないことが望ましい。
【0049】熱処理の雰囲気については、空気中では70
0℃以上で蛍石の酸化反応が進むため、不活性ガスの雰
囲気、真空雰囲気、またはフッ素ガス雰囲気で行うが、
高温状態下における大気圧(容器外)と容器内圧力との
圧力差による熱処理容器(気密化可能な容器または第1
容器)の変形や破壊を防止して、その結果、光(波長2
50nm以下)リソグラフィー用の蛍石単結晶が安定し
て得られるように、前記容器内または第1容器内の圧力
を大気圧に等しい(または略等しい)圧力である1気圧
(または略1気圧)に保持して熱処理を行うことが好ま
しい(請求項14、15)。
【0050】以下、本発明を実施例により具体的に説明
するが、本発明はこれらの例に限定されるものではな
い。
【0051】
【実施例1】熱処理を行って光学特性が良好な蛍石を得
るための本実施例にかかる製造装置は、熱処理対象の蛍
石単結晶を収納した後に密閉されて真空排気される気密
化可能な第1容器(ステンレス容器)と、該第1容器内
に配置され蛍石単結晶及びフッ素化剤を収納する第2容
器(カーボン容器)と、前記第1容器に接続された真空
排気系と、前記第1容器の外側に配置されたヒーターと
を有する。
【0052】この装置を用いて、サイズφ200mm×50mm
の蛍石を以下のスケジュール(全工程の所要日数:約13
日、図1参照)に従って熱処理することにより、波長2
50nm以下の光リソグラフィーに使用可能な大口径
(φ200mm以上)で光学特性が良好な蛍石単結晶を製造
した。 [温度履歴] [温度変化速度] [所要時間] 20→1050℃ 50 ℃/H 21H 1050→1050℃ − 24H 1050→900 ℃ 2℃/H 75H 900→ 20 ℃ 5 ℃/H 176H 即ち、本実施例の製造方法では、熱処理の最高温度を10
50℃(1020〜1150℃の範囲にある第1温度)として所定
時間(24H)保持し、かつ前記第1温度より900℃(600
〜800℃の範囲或いは700〜900℃の範囲にある第2温
度)までの高温領域における冷却工程では、冷却速度を
2℃/H(1℃/H以下)とした。
【0053】また、前記第2温度より室温までの低温領
域における冷却工程では、冷却速度を5 ℃/H(5℃/H以
下)とした。製造した蛍石単結晶の複屈折と屈折率均質
性を測定したところ、複屈折(光軸方向)の最大値が1.
5nm/cm、側面歪(側面方向の複屈折)が5nm/cmであり、
また屈折率均質性はΔn=1.2E-6、球面補正後のRMS(2乗
平均平方根)が70E-4λ(λ=632.8nm)であり、波長25
0nm以下の光リソグラフィーに使用できる非常に良好
な光学特性であった。
【0054】本実施例では、冷却速度による処理物(蛍
石単結晶)の光学特性向上に与える影響が特に大きい高
温領域における冷却工程では、冷却を充分にゆっくりと
行い、前記影響がそれよりも小さい低温領域における冷
却工程では、速めに冷却することで、処理物(蛍石単結
晶)の光学特性向上効果と生産性(納期及びコスト)と
のバランスをとっている。
【0055】そのため、本実施例によれば、屈折率の均
質性がよく、複屈折が充分に小さくて、光リソグラフィ
ーにおける光学系に使用可能な蛍石単結晶が得られ、特
に波長250nm以下の光リソグラフィーに使用可能な
大口径(φ200mm以上)で光学特性が良好な蛍石単結晶
が得られるだけでなく、生産性(納期及びコスト)をも
充分に満たすことができた。
【0056】
【実施例2】実施例1と同じ装置を用いて、サイズφ21
0mm×52mmの蛍石を以下のスケジュール(全工程の所要
日数:約25日、図2参照)に従って熱処理することによ
り、波長250nm以下の光リソグラフィーに使用可能
な大口径(φ200mm以上)で光学特性が良好な蛍石単結
晶を製造した。 [温度履歴] [温度変化速度] [所要時間] 20→1080℃ 30 ℃/H 35H 1080→1080℃ − 36H 1080→800 ℃ 1℃/H 280H 800→ 20 ℃ 3 ℃/H 260H 即ち、本実施例の製造方法では、熱処理の最高温度を10
80℃(1020〜1150℃の範囲にある第1温度)として所定
時間(36H)保持し、かつ前記第1温度より800℃(600
〜800℃の範囲或いは700〜900℃の範囲にある第2温
度)までの高温領域における冷却工程では、冷却速度を
1℃/H(2℃/H以下)とした。
【0057】また、前記第2温度より室温までの低温領
域における冷却工程では、冷却速度を3 ℃/H(5℃/H以
下)とした。製造した蛍石単結晶の複屈折と屈折率均質
性を測定したところ、複屈折(光軸方向)の最大値が1.
8nm/cm、側面歪(側面方向の複屈折)が4nm/cmであり、
また屈折率均質性はΔn=1.8E-6、球面補正後のRMS(2乗
平均平方根)が58E-4λ(λ=632.8nm)であり、波長25
0nm以下の光リソグラフィーに使用できる非常に良好
な光学特性であった。
【0058】本実施例では、冷却速度による処理物(蛍
石単結晶)の光学特性向上に与える影響が特に大きい高
温領域における冷却工程では、冷却を充分にゆっくりと
行い、前記影響がそれよりも小さい低温領域における冷
却工程では、速めに冷却することで、処理物(蛍石単結
晶)の光学特性向上効果と生産性(納期及びコスト)と
のバランスをとっている。
【0059】そのため、本実施例によれば、屈折率の均
質性がよく、複屈折が充分に小さくて、光リソグラフィ
ーにおける光学系に使用可能な蛍石単結晶が得られ、特
に波長250nm以下の光リソグラフィーに使用可能な
大口径(φ200mm以上)で光学特性が良好な蛍石単結晶
が得られるだけでなく、生産性(納期及びコスト)をも
充分に満たすことができた。
【0060】
【比較例】実施例1と同一の装置を用いて、サイズφ20
0mm×50mmの蛍石を以下のスケジュール(全工程の所要
日数:約12日、図3参照)に従って熱処理することによ
り蛍石単結晶を製造した。 [温度履歴] [温度変化速度] [所要時間] 20→1050℃ 50 ℃/H 21H 1050→1050℃ − 24H 1050→900 ℃ 3℃/H 50H 900→ 20 ℃ 5 ℃/H 176H 即ち、本比較例の製造方法では、熱処理の最高温度を10
50℃として所定時間(24H)保持した後、生産性を良く
するために900℃までを3℃/Hの速度で冷却した。そし
て、900℃から室温までは冷却速度を5 ℃/Hとした。
【0061】製造した蛍石単結晶の複屈折と屈折率均質
性を測定したところ、複屈折(光軸方向)の最大値が3.
2nm/cm、側面歪(側面方向の複屈折)が16nm/cmであ
り、波長250nm以下の光リソグラフィーに使用でき
る光学特性ではなかった。即ち、本比較例では、冷却速
度による処理物(蛍石単結晶)の光学特性向上に与える影
響が特に大きい高温領域における冷却工程での冷却が速
すぎたため、波長250nm以下の光リソグラフィーに
使用できる良好な光学特性を有する蛍石単結晶を得るこ
とができなかった。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
屈折率の均質性がよく、複屈折が充分に小さくて、光リ
ソグラフィーにおける光学系に使用可能な蛍石単結晶が
得られ、特に波長250nm以下の光リソグラフィーに
使用可能な大口径(φ200mm以上)で光学特性が良好な
蛍石単結晶が得られる。
【0063】或いは、本発明によれば、大口径(φ200m
m以上)で光学特性が良好な蛍石単結晶が得られるばか
りか、生産性(納期及びコスト)をも充分に満たすこと
ができる。本発明により、φ200mm以上の大きな蛍石に
おいてはこれまで不可能であった複屈折の小さい蛍石を
得ることが可能となり、光(波長250nm以下)リソグラ
フィー用の蛍石として実用に耐えるものが供給できるよ
うになった。また、屈折率の均質性に関しても、充分な
均質度に達するものであった。
【0064】また、熱処理に要する時間は2〜4週間で
あり、生産上特に問題となる時間ではなく、コストアッ
プも最小限に抑えることができた。
【0065】
【図面の詳細な説明】
【0066】
【図1】は、実施例1の熱処理スケジュールを示す履歴
図である。
【0067】
【図2】は、実施例2の熱処理スケジュールを示す履歴
図である。
【0068】
【図3】は、従来(比較例)の熱処理スケジュールを示
す履歴図である。 以上
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高野 修一 東京都福生市大字熊川1642番地26 応用光 研工業株式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気密化可能な容器内に蛍石単結晶を収納
    して前記容器を密閉し、前記容器内を真空排気した後
    に、 前記容器の外側に設けられたヒーターにより加熱して、
    容器内温度を前記蛍石単結晶の融点よりも低い所定温度
    (第1温度)まで昇温させる工程と、前記容器内温度を
    前記所定温度(第1温度)に所定の時間、保持する工程
    と、前記容器内温度を室温まで降温する工程と、により
    蛍石単結晶を熱処理することで光学特性を向上させた蛍
    石単結晶を製造する方法において、 熱処理の最高温度を1020〜1150℃の範囲にある所定温度
    (第1温度)としたことを特徴とする蛍石単結晶の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 気密化可能な第1容器内に、蛍石単結晶
    及びフッ素化剤を収納した第2容器を設置して前記第1
    容器を密閉し、前記第1容器内を真空排気した後に、 前記第1容器の外側に設けられたヒーターにより加熱し
    て、第1容器内温度及び/または第2容器内温度を前記
    蛍石単結晶の融点よりも低い所定温度(第1温度)まで
    昇温させるとともに、前記第2容器内をフッ素ガス雰囲
    気とする工程と、前記第1容器内温度及び/または第2
    容器内温度を前記所定温度(第1温度)に所定の時間、
    保持する工程と、前記第1容器内温度及び/または第2
    容器内温度を室温まで降温する工程と、前記第1容器内
    を大気開放する工程と、により蛍石単結晶を熱処理する
    ことで光学特性を向上させた蛍石単結晶を製造する方法
    において、 熱処理の最高温度を1020〜1150℃の範囲にある所定温度
    (第1温度)としたことを特徴とする蛍石単結晶の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記最高温度(第1温度)から室温まで
    の冷却速度を2℃/時間以下としたことを特徴とする請
    求項1または2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記最高温度(第1温度)から600〜800
    ℃の範囲或いは700〜900℃の範囲(またはそれらの近
    辺)にある所定温度(第2温度)までの冷却速度を2℃
    /時間以下としたことを特徴とする請求項1または2記
    載の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第2温度から室温までの冷却速度を
    5℃/時間以下としたことを特徴とする請求項4記載の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 光リソグラフィー用の光学系に使用可能
    な大口径(φ200mm以上)の蛍石単結晶が得られること
    を特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 屈折率差△nが2×10-6以下の蛍石単
    結晶が得られることを特徴とする請求項6記載の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 光軸方向における複屈折の値が2nm/cm
    以下の蛍石単結晶が得られることを特徴とする請求項6
    または7記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 光軸方向に垂直な側面方向における複屈
    折の値が5nm/cm以下の蛍石単結晶が得られることを特
    徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 大口径(φ200mm以上)で光軸方向にお
    ける複屈折の値が2nm/cm以下である光(波長250n
    m以下)リソグラフィー用の蛍石単結晶。
  11. 【請求項11】 光軸方向に垂直な側面方向における複屈
    折の値が5nm/cm以下である請求項10記載の蛍石単結
    晶。
  12. 【請求項12】 屈折率差△nが2×10-6以下である請
    求項10または11に記載の蛍石単結晶。
  13. 【請求項13】 気密化可能な容器内に蛍石単結晶を収納
    して前記容器を密閉し、前記容器内を真空排気した後
    に、 前記容器の外側に設けられたヒーターにより加熱して、
    容器内温度を前記蛍石単結晶の融点よりも低い所定温度
    まで昇温させる工程と、前記容器内温度を前記所定温度
    に所定の時間、保持する工程と、前記容器内温度を室温
    まで降温する工程と、により蛍石単結晶を熱処理するこ
    とで光学特性を向上させた蛍石単結晶を製造する方法に
    おいて、 冷却速度による処理物(蛍石単結晶)の光学特性向上に与
    える影響が特に大きい高温領域における冷却工程では、
    冷却を充分にゆっくりと行い、前記影響がそれよりも小
    さい低温領域(高温領域よりも低温の領域)における冷
    却工程では、速めに冷却することで、処理物(蛍石単結
    晶)の光学特性向上効果と生産性(納期及びコスト)と
    のバランスをとることを特徴とする蛍石単結晶の製造方
    法。
  14. 【請求項14】 気密化可能な容器内に蛍石単結晶を収納
    して前記容器を密閉し、前記容器内を真空排気した後
    に、 前記容器の外側に設けられたヒーターにより加熱して、
    容器内温度を前記蛍石単結晶の融点よりも低い所定温度
    まで昇温させる工程と、前記容器内温度を前記所定温度
    に所定の時間、保持する工程と、前記容器内温度を室温
    まで降温する工程と、により蛍石単結晶を熱処理するこ
    とで光学特性を向上させた蛍石単結晶を製造する方法に
    おいて、 熱処理時における蛍石単結晶の酸化を防止するために、
    前記容器内に不活性ガスを封入し、かつ前記容器内の圧
    力を1気圧(または略1気圧)に保持して熱処理を行う
    ことを特徴とする蛍石単結晶の製造方法。
  15. 【請求項15】 気密化可能な第1容器内に、蛍石単結晶
    及びフッ素化剤を収納した第2容器を設置して前記第1
    容器を密閉し、前記第1容器内を真空排気した後に、 前記第1容器の外側に設けられたヒーターにより加熱し
    て、第1容器内温度及び/または第2容器内温度を前記
    蛍石単結晶の融点よりも低い所定温度まで昇温させると
    ともに、前記第2容器内をフッ素ガス雰囲気とする工程
    と、前記第1容器内温度及び/または第2容器内温度を
    前記所定温度に所定の時間、保持する工程と、前記第1
    容器内温度及び/または第2容器内温度を室温まで降温
    する工程と、前記第1容器内を大気開放する工程と、に
    より蛍石単結晶を熱処理することで光学特性を向上させ
    た蛍石単結晶を製造する方法において、 少なくとも熱処理時における蛍石単結晶の酸化を防止す
    るために、前記フッ素化剤を気化させて前記第2容器内
    をフッ素ガス雰囲気にし、かつ前記第1容器内の圧力を
    1気圧(または略1気圧)に保持して熱処理を行うこと
    を特徴とする蛍石単結晶の製造方法。
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