JP5206026B2 - 画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法 - Google Patents

画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、像担持体に電子写真方式によって画像を形成する画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法に関する。本発明の画像形成装置及びプロセスカートリッジは、複写機、ファクシミリ、レーザープリンタ、ダイレクトデジタル製版機等に応用される。
近年、電子写真方式によるレーザープリンタやデジタル複写機等の画像形成装置は、画像品質やその安定性が向上し、広く普及している。これらの画像形成装置に使用される像担持体は、帯電及び露光によって表面に静電潜像を形成し、それを現像することによって可視像を形成する機能を有するものであり、電子写真感光体も像担持体に含まれる(以降、像担持体を電子写真感光体あるいは感光体と称する場合がある)。
子写真感光体は、コスト、生産性、材料選択の自由度及び地球環境への影響等の理由から、主として有機材料を用いた有機感光体が広く使用されている。有機感光体は、主として感光材料を含有させた感光層からなっており、電荷発生機能と電荷輸送機能を一つの層に備えた単層型と、電荷発生機能を有する電荷発生層と電荷輸送機能を有する電荷輸送層とに機能分離した積層型に大別される。
機能分離した積層型の感光体における静電潜像形成のメカニズムは、一様に帯電された感光体に光照射すると、光は電荷輸送層を通過し、電荷発生層中の電荷発生物質に吸収されて電荷(電荷対)を生成する。それらの一方が電荷発生層と電荷輸送層の界面で電荷輸送層に注入され、さらに電界によって電荷輸送層中を移動し、感光体の表面に達し、帯電により与えられた表面電荷を中和して静電潜像が形成される。これらの積層構成の有機感光体は、静電特性の安定性や耐久性の面で有利であり、電子写真感光体において現在の主流となっている。
子写真感光体のみならず、現像剤あるいは画像形成装置本体の改良も進み、有機感光体を用いた画像形成装置の画像品質は非常に高まっており、それに伴って印刷用途も多様化している。近年では特に、フルカラー化や高速化の要求度が非常に高くなっており、特に高速印刷分野への対応も求められている。また、同時に装置の小型化や操作後画像が出力されるまでの時間の短縮化などにも対応していく必要がある。
印刷速度の高速化のためには、感光体の高感度化とともに線速(プロセススピード)をより高速化しなければならず、また装置の小型化のためには、感光体の小径化を実現させる必要がある。フルカラー化に対しては、少なくとも4色のトナー像を重ね合わせて画像を形成することになるため、高速化と小型化の両方が強く求められることになる。近年では、4色の現像部に対応する4本の感光体を内包させたタンデム方式のフルカラー画像形成装置によって、フルカラー画像の高速印刷が可能となったが、4本の感光体を内包させる必要があることから、装置の小型化がより大きな課題となっている。また、操作後画像出力されるまでの時間に対してはユーザーの不満度が高く、印刷操作後に感光体を空回りさせることなく、直ちに画像が出力されることが望ましい。そのためには、定着等の立ち上がり時間の短縮化が必要となる一方で、感光体に対しても一回転目から良好な画像が出力できることが求められている。
かしながら、これらの課題を同時に解決することは難しく、改善可能な技術は現在も確立されていない。感光体の線速を高速化させると、帯電能や転写能が落ちることがその一因であり、感光体の小径化によっても同じ問題が生じる。さらに、感光体の小径化は、感光体周りのレイアウト上の制限が大きくなるため、予備の帯電あるいは転写機構を設けることは難しく、また帯電あるいは露光−現像間に十分な時間を割り当てられなくなるため、帯電時や露光時の応答性を高める必要がある。
らに、上記問題をより深刻にしている原因は、感光体の繰り返し使用による静電特性の劣化である。感光体を繰り返し使用することによって発生する残留電位上昇や感度劣化、帯電低下等は、上記の帯電時や露光時の応答性を大幅に低減させることになる。また、帯電器より発生するオゾンやNOxガスも、感光体の静電特性を劣化させる要因であり、解像度の低下など画質を劣化させる要因でもある。さらに、これらの静電特性劣化要因の中でも、近年特に重要視されている問題は、画像形成装置内で繰り返し使用し静電疲労した感光体を帯電させると、感光体の一周目において帯電低下が見られ、二周目以降には回復する現象(以降、一周目帯電低下と称する)である。
このように、電子写真方式の画像形成装置が様々な分野で使用されるに伴い、感光体に要求される性能や特性も多様化している中で、フルカラー画像出力の需要も急激に増加している。したがって、今後は高画質を安定に出力できることだけでなく、画像出力の高速化、装置の小型化がより一層要求されることになる。感光体、さらにそれを用いた画像形成装置の長寿命化を実現するためには、感光体の耐摩耗性を向上させるだけでは不十分であり、静電特性や画質の安定化との両立によって初めて達成されることになる。感光体の静電特性の向上と、高画質化、さらに繰り返し使用に対する安定性の向上を実現し、特に画像出力の高速化や装置の小型化に対し大きな障害となっている一周目帯電低下を抑制可能な技術を構築することが熱望されている。
感光体の高速化や小径化によって顕在化されてきた一周目帯電低下は、繰り返し使用によって静電疲労することで発生する現象である。感光体一周目の帯電低下量は、静電疲労時間の増加に伴って増える傾向が認められ、二周目以降に帯電性は回復しても、放置させると一周目帯電低下が再発するため、一時的な現象ではなく繰り返し発生する現象である。また、放置時間の増加に伴い、一周目の帯電低下量も増加する傾向が見られている。さらに、感光体の線速が速くなるほど、帯電能が低下するため一周目帯電低下はより顕在化しやすくなる。
光体一周目の帯電電位が低下すると、出力1枚目には非現像領域に地汚れが発生し画像品質を低下させる不具合が生じる。また、中間転写体がトナーによって汚染され、それが紙の汚染を助長させることになる。そのため、画像出力時に感光体をその都度空回しする必要が生じ、あるいは帯電能を増加させるために予備帯電手段を別途設ける必要が生じることになる。したがって、一周目帯電低下は、画質安定性を低下させるだけでなく、画像形成装置の高速化、小型化、フルカラー化、さらに操作後画像出力されるまでの時間の短縮化を妨げる重要かつ深刻な問題であるが、従来技術においてはそれらの要因や有効な対策について十分に明らかにされていないのが実情である。
以下に、一周目帯電低下について開示されている従来技術を記載する。
えば、特許文献1には、一周目帯電低下は電荷発生層内部に帯電プロセス前の周辺の微弱光や熱励起により発生したキャリアが、電荷輸送層内でトラップされるモデルが示されており、具体的手段としては、電荷発生層と電荷輸送層のイオン化ポテンシャル差を小さくし、ホール移動度を高める一方、下引き層の高抵抗化によって電荷の再結合確率を高めることを狙いとしている。しかし、下引き層の高抵抗化は自身で記載しているように残留電位上昇の副作用を有しており、その場合電荷はトラップされやすくなると考えられるため、根本的な解決にはなっていない。また、電荷輸送物質の移動度は測定方法しか記載されておらず、電荷移動におけるどの段階での移動度なのかが不明瞭である。その上、移動度の向上によりホールトラップ確率が低減されるとの記載があるが、それらの関係についても明確ではない。
また、特許文献2には、プロセススピードが100mm/sec以上であり、電荷発生層よりも電荷輸送層のイオン化ポテンシャルの方が大きく、電荷輸送材料/バインダー樹脂比並びに所定の電界強度における電荷輸送層の移動度を規定した技術が開示されている。しかし、電荷発生層よりも電荷輸送層のイオン化ポテンシャルの方が大きくなると、残留電位は増加するため静電特性の安定化に対しては好ましくない。また、前記と同様、移動度については測定方法しか記載されておらず、電荷移動におけるどの段階での移動度なのかが不明瞭であり、本発明で示される実機トランジット時間とは対応していない。
た、特許文献3には、電荷発生層の脱分極に要する活性化エネルギーが0.32eV以下とした技術が開示され、一周目帯電低下は一周目において感光層中の分子がまだ無秩序状態であるために電界による分子配向に時間を要するために発生するモデルが提案されている。電荷輸送物質としてはジスチリルベンゼン誘導体が含まれているが、感光体の評価において帯電時間に関する記載が一切なく、あくまで電荷発生層の脱分極の活性化エネルギーで規定されており、本発明とはまったく異なる技術である。
また、特許文献4には、中間層がポリアミド樹脂、特定のカルボン酸塩及び酸化チタンを含有し、電荷発生層はX型又はτ型無金属フタロシアニンを含む方法が開示されている。一周目帯電低下は、放置中のフタロシアニン化合物による暗電荷の発生が原因であると推測されており、酸化チタンとカルボン酸塩とを含有した中間層を備えることで、一回転目の回転動作から十分な帯電性が得られると記載されている。しかし、実施例によると一周目帯電低下を評価しているのは、未使用状態のものであり、繰り返し使用後においては評価されていない。本発明においては、未使用状態ではもちろん、繰り返し使用後においても一周目帯電低下を抑制できる技術として開示されたものであって、本発明とは根本的に異なるものである。
た、特許文献5には、残留電位上昇や感度低下の抑制方法として、下引き層の電子移動度を規定し、詳しくは下引き層に電子輸送物質を含有する技術が開示されている。ジスチリルベンゼン誘導体が例示化合物として記載されているが、ホール移動度や帯電時間との関係については一切触れられておらず、本発明とは目的や構成、原理ともにまったく異なる技術である。
また、特許文献6には、下引き層にバンドギャップが2.2eV以上の半導電性物質とバインダー樹脂を含有し、電荷発生物質としてフタロシアニン化合物を含有する方法が開示されている。一周目帯電低下は、放置中のフタロシアニン化合物による暗電荷の発生と蓄積、又は支持体及び下引き層より電荷が電荷発生層へ注入されるモデルが提案されている。しかし、実施例では比較例に比べて改善はされているが、効果としては乏しく有効な方法とは判断できない。
た、特許文献7には、感光体の帯電時間を50〜1000msecに規定した方法が開示されている。本文中に、「帯電時間が50msec以下では帯電電位が不安定であり、帯電時間として50msec以上が必要」との記述があるが、トランジット時間に関しては一切言及されておらず、本発明とは目的や構成が大きく異なっている。
また、特許文献8には、感光体の1回転目には光除電を行わずに画像形成し、2回転目以降から光除電を入れる技術が開示されている。一周目帯電低下の現象は、フタロシアニン化合物特有の問題であるとし、光除電プロセスで過剰なキャリアが生成され、電荷発生層にエレクトロントラップが存在すると先に生成したキャリアが一時的に捕獲され、次の帯電時にその一部が放出されるモデルが提案されている。一回転目に除電を入れなくても影響ないと記載されているが、地汚れやゴースト画像の発生が懸念され、特に線速が速い場合にはその影響は無視できず、根本的な解決にはなっていない。
た、特許文献9には、中間層がN型半導性微粒子を、電荷発生層がフタロシアニン顔料を含有しており、感光体上への画像形成起動時の像露光に先立ち、予備帯電工程、光除電工程、帯電工程を経るようにした技術が開示されている。予備帯電工程を備えることは帯電能を増強することになるため有効な方法ではあるが、感光体周りの部材が増えることになるため、感光体の小径化が制限される。また、酸化性ガスの発生量が増加し、感光体の静電特性の劣化を促進させる恐れがある。
このように、一周目帯電低下は、感光体における電荷輸送層、電荷発生層、下引き層からのアプローチだけでなく、感光体以外のプロセスからのアプローチも見られ、非常に多岐に渡っている。一周目帯電低下は、それだけ重要な問題であることが伺えるが、その一方で発生メカニズムも様々であり、これは要因が数多く存在するか、あるいはまだ十分に解明されていないことを示唆している。事実、従来技術では効果が乏しかったり、効果が見られても残留電位上昇や画質劣化等の副作用が見られたり、低速では有効でも高速化には対応できていなかったり、感光体周りのレイアウトが複雑化され、感光体の小径化や装置の小型化が犠牲になるなど、満足できる技術は未だ実現されていないのが実情である。
特開平10−63015号公報 特開2002−162763号公報 特開2000−194145号公報 特許第3604914号公報 特開2000−321805号公報 特開平10−186703号公報 特開2001−350329号公報 特開平8−36301号公報 特開2002−268335号公報
本発明は、上記従来技術が有する問題点に鑑み、残留電位の低減と同時に繰り返し使用による残留電位上昇を抑制し、静電特性あるいは画像品質に副作用を及ぼさずに、一周目帯電低下を十分に抑制できる画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供する。
本発明者らは、一周目帯電低下の発生要因を絞り込み、その要因に対し抑制できる最良の方法を確立すべく鋭意検討を行った。その結果、一周目帯電低下を引き起こすホールは、静電疲労によって電荷発生層にトラップされたものであると推測された。これらのトラップされたホールは放置によって熱緩和し、リリースされやすくなってくると考えられる。そこで帯電を行うと、電荷発生層にトラップされたホールのうち、熱緩和しリリースされやすくなったものが電界によって電荷輸送層に注入され、さらに電荷輸送層を移動して表面に到達し、表面電荷を打ち消すことによって帯電低下が発生するものと考えられる。
記モデルによると、電荷発生層にホールがトラップされ、放置によってリリースされやすくなったホールが存在していても、それらのホールのほとんどを最初に行う帯電の初期段階で像担持体表面に到達させることができれば、その後像担持体を十分に帯電させることが可能となり、一周目帯電低下は抑制できると考えられる。したがって、帯電時に電荷発生層から電荷輸送層に注入されたほとんどすべてのホールが電荷輸送層の表面まで到達する時間よりも帯電時間を長くすれば一周目帯電低下を抑制できることを見いだした。
帯電時間を長くするためには、像担持体の線速(プロセススピード)を遅くすることで可能となる。本発明において、線速を遅くするに伴って一周目帯電低下は低減される傾向にあることが確認されており、一周目帯電低下の抑制に有効であることは明らかである。
特に、像担持体の回転速度が80(rpm)以上になると顕著に発生し、その影響は非常に大きなものになる。しかし、像担持体の線速を遅くすることは、画像出力速度の高速化に対して大きな障害となる。したがって、像担持体の線速を遅くする手段は好ましくなく、少なくとも像担持体の回転速度が80(rpm)である画像形成装置において、一周目帯電低下を抑制できる技術が必要になる。なお、本発明においては、像担持体の線速として表記した場合、像担持体の外径によって大きく異なるため、線速(mm/mi)を像担持体の外径(mm)で除した像担持体の回転速度(rpm)として表記する。
担持体の回転速度が少なくとも80(rpm)である画像形成装置において、帯電時間を長くするための方法としては、帯電器の大型化あるいは帯電器を複数設置する方法がある。具体的には、帯電器の幅が大きいものを用いたり、予備帯電器等を追加したりすれば、帯電時間をそれだけ稼ぐことが可能となり、一周目帯電低下を抑制することが可能である。しかし、これらの方法では、一周目帯電低下は抑制できても、画像形成装置の大型化は避けられない。特に、像担持体を小径化すると大型の帯電器や複数の帯電器を設置するスペースを確保できないために、小径の像担持体は採用できず、画像形成装置の大幅な大型化につながる。このことは、タンデム型のフルカラー画像形成装置においては、特に重要な問題となる。したがって、単に帯電時間を長くする従来の方法では、画像形成装置の高速化や小型化が犠牲となり、それらを両立することは困難である。画像形成装置の出力速度やサイズを維持しつつ、如何に一周目帯電低下を抑制するかが本当の課題である。
本発明は、画像形成装置の画像出力速度やサイズを維持した上で一周目帯電低下を抑制し、高画質化と装置の高速化あるいは小型化を同時に実現する方法について鋭意検討を行った結果、電荷輸送層に含有される電荷輸送物質に高移動度を有し、かつ移動度の電界強度依存性が少ない材料を選択することによって、少ない帯電時間でも実機トランジット時間がそれを下回るようにしたことで一周目帯電低下を抑制することに成功した。これにより、画像出力速度を高速化しても、あるいは小径の像担持体を用いても、帯電器の大型化や予備の帯電器を付与しなくても、像担持体の一周目に空回しを行わなくても、一周目帯電低下が抑制され、それらの両立を実現することができた。
すなわち、以下の(1)乃至(14)の発明によって、上記課題は解決される。
(1)導電性支持体上に、少なくとも下記一般式(3)及び/又は(4)で表される電荷輸送物質を含む感光層を有する像担持体を用い、少なくとも該像担持体を帯電させる帯電手段と、該像担持体上に静電潜像を形成する露光手段と、該像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像手段を有する画像形成装置において、実機トランジット時間T1(msec)と帯電時間T2(msec)とが式(1)の関係を満たすことを特徴とする。
1 ≦ T2………(1)
〔但し、実機トランジット時間T1とは、像担持体に露光してから表面電位計で露光部電位を測定するまでの時間を短縮化させ、露光部電位に対してプロットしたときに、露光部電位が最初に立ち上がる屈曲点と定義する。また、帯電時間T2は、式(2)で定義される。
電時間T2(msec)=帯電手段の帯電幅(mm)/像担持体の線速(mm/msec) ………(2)〕
Figure 0005206026
(上式中、〜R33は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、置換もしくは無置換のフェニル基を表し、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
Figure 0005206026
(上式中、34 57 は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、置換もしくは無置換のフェニル基を表し、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
(2)前記感光層もしくは電荷発生層に含有される電荷発生物質のイオン化ポテンシャル(IpCGM)と前記感光層もしくは電荷輸送層に含有される電荷輸送物質のイオン化ポテンシャル(IpCTM)が、式(5)の関係を満たすことを特徴とする。
CGM −IpCTM ≧−0.1(eV)………(5)
(3)前記感光層もしくは電荷輸送層が、バインダー樹脂として高分子電荷輸送物質を含有することを特徴とする。
(4)前記感光層もしくは電荷輸送層に、下記一般式(6)及び(7)で示されるアルキルアミノ基を有する化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする。
Figure 0005206026
上式中、Arは置換もしくは無置換のアリーレン基を表す。Ar及びArは置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基を表し、各々同一でも異なっていてもよい。58及びR59は置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基を表し、各々同一でも異なっていてもよい。また、Ar及びR58、Ar及びR59は互いに結合し、窒素原子を含む置換もしくは無置換の複素環基を形成してもよい。
Figure 0005206026
上式中、Arは置換もしくは無置換のアリーレン基を表す。R60〜R63は置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基を表し、各々同一でも異なっていてもよい。nは1又は2の整数を表す。)
(5)前記感光層もしくは電荷輸送層に、下記一般式(8)〜(11)で示される酸化防止剤の少なくとも二種を含有することを特徴とする。
Figure 0005206026
(上式(10)中、nは12〜18の整数を表す。)
Figure 0005206026
上式中、Arは置換もしくは無置換のアリール基を表す。R64は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。)
(6)前記感光層もしくは電荷発生層が、電荷発生物質としてチタニルフタロシアニン顔料を含有することを特徴とする。
(7)前記チタニルフタロシアニン顔料が、CuKα特性X線(1.542Å)を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラック角度(2θ±0.2°)のうちの少なくとも27.2°に最大強度の回折ピークを有し、9.4°、9.6°、24.0°に主要ピークを有し、7.3°に最小角度の回折ピークを有し、前記7.3°と9.4°との間に回折ピークを有さず、26.3°に回折ピークを有さないことを特徴とする。
(8)前記感光層もしくは電荷発生層が、電荷発生物質として下記一般式(12)で示される非対称ビスアゾ顔料を含有することを特徴とする。
Figure 0005206026
〔上式中、201及びR202はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基のいずれかを表し、同一でも異なっていてもよい。Cp及びCpはカップラー残基を表し、下記(13)式で表され、Cp及びCpは互いに異なる。
Figure 0005206026
上式中、203は、水素原子、アルキル基、アリール基を表す。R204、R205、R206、R207、R208はそれぞれ、水素原子、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、アルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、水酸基を表し、Zは置換もしくは無置換の芳香族炭素環又は置換もしくは無置換の芳香族複素環を構成するのに必要な原子群を表す。)〕
(9)前記帯電手段が、スコロトロンチャージャーであることを特徴とする。
(10)前記スコロトロンチャージャーが、複数のワイヤーを有することを特徴とする。
(11)像担持体と、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段及び除電手段より選択される少なくとも一つの手段からなる画像形成要素を複数配列したタンデム方式であることを特徴とする。
(12)像担持体と、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段及び除電手段より選択される少なくとも一つの手段とが一体となり、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジを搭載することを特徴とする。
(13)上記に記載の画像形成装置に着脱可能であり、像担持体と、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段及び除電手段より選択される少なくとも一つの手段とが一体となっているプロセスカートリッジであることを特徴とする。
(14)導電性支持体上に、少なくとも下記一般式(3)及び/又は(4)で表される電荷輸送物質を含む感光層を有する像担持体を用い、少なくとも該像担持体を帯電させる帯電手段と、該像担持体上に静電潜像を形成する露光手段と、該像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像手段を有し、該像担持体の回転速度が80(rpm)以上である画像形成方法において、実機トランジット時間T1(msec)と帯電時間T2(msec)とが式(1)の関係を満たす画像形成方法であることを特徴とする。
1 ≦ T2………(1)
〔但し、実機トランジット時間T1とは、像担持体に露光してから表面電位計で露光部電位を測定するまでの時間を短縮化させ、露光部電位に対してプロットしたときに、露光部電位が最初に立ち上がる屈曲点と定義する。また、帯電時間T2は、式(2)で定義される。
電時間T2(msec)=帯電手段の帯電幅(mm)/像担持体の線速(mm/msec)………(2)〕
Figure 0005206026
(上式中、R 〜R 33 は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、置換もしくは無置換のフェニル基を表し、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
Figure 0005206026
(上式中、R 34 〜R 57 は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、置換もしくは無置換のフェニル基を表し、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
本発明によって、像担持体周りに余計な部材を追加することなく、画像出力の高速化にも対応でき、さらに長期間繰り返し使用しても一周目帯電低下の抑制効果や残留電位等の静電特性が安定に維持可能であり、高画質化並びに画像形成装置の高速化、小型化が可能な技術が確立された。さらに、像担持体の一周目から画像形成が可能になることにより、操作後画像出力されるまでの時間の短縮化も実現され、これまで問題とされていた多くの難課題を一度に解決することが可能となった。
さらに、本発明の画像形成装置によれば、上記式(1)の関係を満たすことで、感光層に存在する一周目帯電低下の発生原因となるホールのほとんどが所定の帯電時間内に像担持体の表面に到達させることが可能となり、画像出力速度を維持しつつ、一周目帯電低下に対し非常に高い抑制効果を得ることができる画像形成装置が提供される
発明の画像形成装置によれば、電荷発生層と電荷輸送層の積層構成とすることで、一周目帯電低下の抑制に対し有効であり、本発明の効果を発揮させる上でも適している。また、静電特性やその安定性も向上させることができ、長寿命化に対し有効である。
本発明の画像形成装置によれば、電荷輸送物質として後述する式(16)に示される化合物を用いることによって一周目帯電低下の抑制に対し極めて大きな効果を得ることができる。これらの電荷輸送物質を含有させた電荷輸送層は、前記実機トランジット時間を大幅に短縮化できるため、一周目帯電低下の抑制効果が非常に高く、またそれによって帯電時間の余裕度が大きくなるため、画像形成装置の大幅な高速化が可能となる。また、像担持体の小径化にも対応できるため、画像形成装置の小型化も可能となる。後述する式(16)に示される化合物が優れている理由は、一つに電荷移動度が非常に高いことが挙げられる。これについては従来の公報にも記載されているが、本発明において特に注目したのは、移動度の電界強度依存性が小さいことである。すなわち、低い電界強度でも像担持体表面まで十分に電荷を移動させることができるため、帯電に余裕度が得られる。さらに、電荷の移動度にバラツキが少ないことも重要である。一周目帯電低下は、電荷の移動が開始された時点の、あるいは移動途中の段階でのトランジット時間ではなく、表面への電荷の移動がほとんど完了した時点でのトランジット時間が大きく影響する。後述する式(16)に示される化合物は、例えば、タイムオブフライト(TOF)法などで測定される移動度が高いことは知られているが、移動度の電界強度依存性や電荷移動完了時点でのトランジット時間という視点では見られていなかった。本発明において高い効果が得られたのは、一周目帯電低下を引き起こすホールのほとんどを帯電初期段階の低い電界強度で像担持体表面にまで十分に移動させることが可能になったことによるものであり、後述する式(16)に示される電荷輸送物質は非常に有効な手段である。
本発明の画像形成装置によれば、上記式(3)及び(4)で示される化合物が、式(16)に示された化合物の中でも一周目帯電低下の抑制効果が高く特に有効である。上記(3)及び(4)で示される化合物が高い効果を有するのは、分子サイズが大きく直鎖状の分子構造を有している上に、分子構造中にトリフェニルアミン構造を有し、かつスチリル構造を複数有することにより、π共役系が分子全体に広がった特徴を有しているためと考えられる。そのため、電荷輸送層における電荷の移動において、分子間移動よりも分子内移動の割合が高くなると予想される。これにより、非常に高い移動度を有し、かつ帯電初期段階の低い電界強度でも電荷を表面まで十分に移動させることが可能となり、一周目帯電低下の抑制に特に大きな効果を得ることができたものと考えられる。
発明の画像形成装置によれば、上記式(5)の関係を満たすことによって電荷発生層と電荷輸送層の界面におけるホールトラップが抑制され、残留電位上昇の抑制に著効である。電荷発生層と電荷輸送層の界面にホールがトラップされやすくなると、表面に到達するホールの絶対量は減少するため、一周目帯電低下はやや低減される傾向が見られるが、残留電位上昇の影響が増大し、画像濃度や階調性の低下等の画質劣化が促進されるため、根本的な解決には至らない。本発明においては、残留電位上昇と一周目帯電低下を同時に抑制することができ、これにより高画質化を達成し、かつ画像形成装置の高速化、小型化にも対応可能としたものであり、その効果は非常に大きく、有用である。
本発明の画像形成装置によれば、感光層もしくは電荷輸送層のバインダー樹脂としてポリカーボネート、ポリアリレートの少なくとも一種を使用することによって、実機トランジット時間の短縮化に有効となる。前記の高移動度を有する電荷輸送物質を含有させてもバインダー樹脂によって十分な効果が得られなくなる場合があるため、その選択は非常に重要である。また、電荷輸送層のバインダー樹脂は、静電特性や耐摩耗性にも大きく影響するため、本発明において重要な構成要件である。
発明の画像形成装置によれば、感光層もしくは電荷輸送層のバインダー樹脂として高分子電荷輸送物質を用いることによって、バインダー樹脂にも電荷輸送機能を持たせることができる。これにより、実機トランジット時間の更なる短縮化が可能となり、一周目帯電低下の抑制効果が向上し、画像形成装置の高速化や小型化に対しより高い効果を得ることができる。
発明の画像形成装置によれば、感光層もしくは電荷輸送層において電荷輸送物質と高分子電荷輸送物質を混合させ、電荷輸送物質と高分子電荷輸送物質のイオン化ポテンシャル差を0.1eV以下とすることにより、実機トランジット時間を更に高めることが可能となり、一周目帯電低下の抑制や画像形成装置の高速化や小型化に対し、顕著な効果を得ることができる。さらに、残留電位に及ぼす影響も顕著に低減でき、静電特性や画質の安定化が実現でき、高画質化と高速化、小型化を両立した画像形成装置が提供できる。
本発明の画像形成装置によれば、感光層もしくは電荷輸送層に上記式(6)及び(7)で示される化合物の少なくとも一種を含有させることによって、残留電位や実機トランジット時間に対し影響を与えずに酸化性ガスに対する画像流れや解像度低下を抑制し、高画質化が実現できる。後述する式(16)で示される化合物はジスチリル構造を有していることから、酸化性ガスに対する安定性が低下し、酸化性ガスの濃度が非常に高い場合に画像流れや解像度低下を引き起こす恐れがあり、特に電荷輸送物質のイオン化ポテンシャルが低い場合にその傾向が強く見られる。上記式(6)及び(7)で示される化合物の少なくとも一種を含有させることによって酸化性ガスによる画像流れや解像度低下を抑制することが可能となり、残留電位上昇や一周目帯電低下の抑制効果を維持し、かつ更なる高画質化並びに画質の高安定化を実現することができる。さらに、上記式(3)及び(4)は使用状況によってはクラックが形成される懸念があるが、上記式(6)及び(7)で示される化合物はクラック防止効果をも得ることができ、後述する式(16)で示される電荷輸送物質に対し非常に適した添加剤である。
発明の画像形成装置によれば、感光層もしくは電荷輸送層に上記式(8)〜(11)で示される酸化防止剤の少なくとも二種を含有させることによって、残留電位に対し大きな影響を与えずに、酸化性ガスに対する画質劣化が抑制され、また静電疲労による帯電低下の抑制に高い効果を得ることができ、一周目帯電低下の抑制にも有効である。これらの酸化防止剤を一種添加することでも効果は得られるが十分とは言えない。本発明においては、これらを二種以上混合して用いることにより、高い効果を得ることが可能となる。
本発明の画像形成装置によれば、電荷発生物質としてチタニルフタロシアニン顔料を含
有させることにより、高感度化が実現でき、高速化に対し有効であるため、本発明においては特に有効に用いられる。また、特開平8−36301号公報、特開平10−186703号公報、特開2005−134674号公報等には、一周目帯電低下はアゾ顔料では観測されず、フタロシアニン特有の問題であるとの記載もあるが、アゾ顔料においても一周目帯電低下は確認されており、必ずしもチタニルフタロシアニンが一周目帯電低下を引き起こす原因ではない。
発明の画像形成装置によれば、上記(7)に記載の結晶型を有するチタニルフタロシアニン顔料を用いることにより、高感度を有し、かつ帯電性に優れ、地汚れの発生が少ない特性を有することから、画像形成装置の高速化と高画質化の両立が可能となる。また、帯電性に優れることから、一周目帯電低下も低減される効果が得られる。本発明の目的は、画像形成装置の高速化や像担持体の小径化に対しても高画質を安定に出力できることにあり、そのためには高感度を有する上記電荷発生物質は必要不可欠である。
発明の画像形成装置によれば、上記式(12)に記載の非対称ビスアゾ顔料を用いることにより、高感度化が実現でき、画像形成装置の高速化に有効となることから、本発明において特に有効に用いられる。また、この材料はイオン化ポテンシャルが大きいことから残留電位上昇の影響が非常に少なく、さらに残留電位の電界強度依存性が小さいことから、フルカラー画像形成装置に有利となる。
発明の画像形成装置によれば、導電性支持体と感光層もしくは電荷発生層との間に下引き層及び/又は樹脂層を設けることによって、地汚れの抑制やモアレ防止などに大きな効果を得ることができる。下引き層は、一次平均粒子径の異なる酸化チタン顔料を混合して含有することにより、酸化チタン顔料が緻密に充填されることから、一周目帯電低下の抑制、残留電位上昇の抑制に大きな効果が得られ、同時にモアレ防止効果も維持される。一方、樹脂層は地汚れの抑制に顕著な効果を有する。本発明において、電荷輸送物質として後述する式(16)あるいは(3)及び(4)に示される化合物を含有する電荷輸送層を電荷発生層の上に塗工した場合、電荷輸送物質が下引き層に染み込む場合がある。この場合、上記電荷輸送物質は電荷注入性並びに輸送性が高いために、支持体からのホール注入性も高められ、その結果地汚れが悪化する場合がある。樹脂層を設けることによってこれらの電荷のリークを防止することができるため、本発明においては非常に有効な手段である。
本発明の画像形成装置によれば、スコロトロンチャージャーを用いることにより像担持体を均一に帯電させることが可能であり、また像担持体に非接触であるため、像担持体の線速を速くする上で好ましく、本発明の効果を得る上で有効な方法である。また、構造上帯電時間を稼ぐのに有効であるため、線速が高速化しても一周目帯電低下の抑制効果が高く有効である。本発明によれば、帯電初期段階で一周目帯電低下を引き起こすホールのほとんどを像担持体表面に移動させることによって一周目帯電低下を抑制させているため、帯電時間を稼げるスコロトロンチャージャーとの組み合わせは特に有効な方法となる。
発明の画像形成装置によれば、複数のワイヤーを有するスコロトロンチャージャーは、帯電時間をさらに稼ぐことができ、それだけ帯電能を高くすることが可能であるため、更なる高速化に対応できる。画像出力の高速化によって一周目帯電低下は明らかに増加するため、高速化に対しては特に有効な方法である。
発明の画像形成装置によれば、タンデム方式の画像形成装置は少なくとも4色の現像部に対応した4本の像担持体を装置内に内包させる必要があるため、像担持体の小径化が必要不可欠であり、そのため予備帯電手段を付加することも制限される。また、タンデム方式の最大のメリットは、フルカラー画像の高速化にあり、今後更なる高速化が求められることが予想される。そのため、本発明の画像形成装置はタンデム方式で用いることにより、高画質化とともに像担持体の小径化や高速化が実現されるため、特に有効である。
本発明の画像形成装置及び本発明(13)のプロセスカートリッジによれば、装置本体に対しプロセスカートリッジとして着脱可能であるため、メンテナンス性に優れるメリットを有する。また、本発明の画像形成装置及びプロセスカートリッジは、高速出力に対応しているため、像担持体あるいはその周辺の部材の寿命はその分早くなると予想される。この場合、プロセスカートリッジの交換だけで対応できるため、本発明において有効な方法である。
発明の画像形成方法によれば、感光層に存在する一周目帯電低下の発生原因となるホールのほとんどが所定の帯電時間内に像担持体の表面に到達させることが可能となり、画像出力速度を維持しつつ、一周目帯電低下に対し非常に高い抑制効果を得ることができる画像形成方法が提供される。
以下、図面を参照して、本発明の画像形成装置について、実施形態により詳細に説明する。
述の通り、画像形成装置は高画質化と平行して、フルカラー化、高速化、小型化、操作後画像出力されるまでの時間の短縮化等、様々な印刷用途に対応し、かつ省スペース化やユーザーの使い勝手を向上させることが必要となる。それらを実現する上で、一周目帯電低下の現象は高速化、像担持体の小径化、操作後画像出力されるまでの時間の短縮化のすべてを妨げる大きな問題となっている。
担持体の線速(プロセススピード)の高速化あるいは像担持体の小径化は帯電能が低下し、一周目帯電低下の大きな原因となる。一周目帯電低下の影響を回避するために、像担持体の一周目を空回しして使用する従来の方法では、操作後画像出力されるまでに多くの時間が必要となり、画像出力毎に必要となるこれらの時間は膨大なものになる。それを改善させるために予備帯電手段等を設ける方法では、像担持体周りの部材が増加し、像担持体の小径化が制限されてしまうなど、装置の小型化に対し大きな障害となる。また、フルカラーの画像出力を行うためには、少なくとも4色のトナー像を重ね合わせる必要があるため、高速化及び装置の小型化の要求はさらに大きなものとなる。特に、高速フルカラープリントを可能としたタンデム方式の画像形成装置は、4色の現像部に対応した4本の像担持体が装置に内包されるため、像担持体の小径化が必要不可欠である。したがって、一周目帯電低下を抑制することは、これらの課題を同時に解決できる重要な技術となり、その技術の確立が熱望されている所以である。
但し、一周目帯電低下が抑制されても残留電位上昇や感度低下、帯電低下等の静電特性が悪化するようでは解決されたことにはならない。これらは、画像濃度の低下や地汚れ、色再現性の低下等、多くの画像欠陥を生じさせることになり、高画質化並びに画質の安定化を妨げる大きな原因となる。また、一周目帯電低下も静電疲労の増加によって増加してくることから、一周目帯電低下を抑制させる上でも静電特性の安定化は必要である。したがって、一周目帯電低下の抑制と静電特性の向上さらにそれらの安定化を両立させることが重要となる。本発明は、一周目帯電低下と静電特性の向上と安定化、さらに高画質化を両立させることを目的として検討を行った結果、前述の通り一周目帯電低下を引き起こすホールのほとんどを最初に行う帯電の初期段階で像担持体表面にまで到達させることが最も有効な方法であると判断した。
一周目帯電低下は、前述の通り静電疲労によって感光層もしくは電荷発生層にトラップされ、放置によって熱緩和し、リリースされやすくなったホールが原因であると考えられる。したがって、これらのホールのほとんどを最初に行う帯電の初期段階に像担持体表面に到達させるためには、電荷輸送層の移動度を高めるか、帯電時間を長くすることが必要となる。しかし、帯電時間を長くすることは、前述の通り一周目帯電低下が抑制されたとしても、画像出力に時間がかかり、高速化には対応できない。また、像担持体の小径化によっても帯電時間は短くなることから、装置の小型化に対しても制限されてしまう。したがって、短い帯電時間でも、静電疲労によって感光層内に蓄積された一周目帯電低下の原因となるホールが、その短い帯電時間内に像担持体表面にまで到達できるだけの高い移動度を持たせることが必要と考えられる。
来の公報においても一周目帯電低下を抑制させるための構成要件の一つとして、電荷輸送層の高移動度化を挙げている公知技術は認められる。それらのほとんどはタイムオブフライト(TOF)法で見積もられたトランジット時間より算出された結果であり、これは像担持体の設計上非常に有用でかつ一般的に用いられている方法である。トランジット時間とは、像担持体中に生成した光キャリアの多くが外部電界に沿って像担持体中を移動するのに要した時間として定義される。図1に示した光電流の時間依存性の関係から、屈曲点を導き出し、それをトランジット時間として見積もられている。但し、トランジット時間は、像担持体における感光層の膜厚の影響を受けるため、下記式より求められるドリフト移動度で比較するのが一般的である。
μ=d/(Tr
V) ………(14)
μ:ドリフト移動度〔cm/V・sec〕、d:感光層の膜厚〔cm〕、Tr:トランジット時間〔sec〕、V:電圧〔V〕〕
光電流の時間依存性を示した図1及び図2において、図1は電荷の移動開始から完了までの時間が比較的短い矩形型波形を示しているのに対し、図2は移動開始から完了までの時間が長く、電荷移動にバラツキが大きい分散型波形を示している。これらの図を見てわかるように、これらの屈曲点から導き出されたトランジット時間は、像担持体中に生成された光キャリアの大多数の移動時間を示しているとは言い難い。特に、後者の分散型波形を有する場合には、この方法によって得られたトランジット時間は、電荷の大多数が表面に移動するまでに要する時間との間に大きな開きがある。本発明によると、一周目帯電低下を抑制するためには、感光層に存在する一周目帯電低下を引き起こすホールのほとんどすべてを、短い帯電時間の間に像担持体表面にまで素早く到達させることが必要であるため、例え屈曲点として導き出されたトランジット時間が短くても、あるいは得られた移動度が高くても、電荷移動の開始から完了までに多くの時間を要する場合には、大きな効果を得ることができないことになる。
方、上記トランジット時間で示される光電流の1/2あるいは1/10のトランジット時間で見積もる方法や図3よりトランジット時間を見積もる方法(特開2003−195536号公報)も開示されている。この方法であれば、電荷移動がほぼ完了した時点でのトランジット時間を得ることができるため、その点においては有効な方法であると言える。しかし、この領域はノイズが非常に大きくなるため、実際のところ正確なトランジット時間を見積もることが非常に困難である。
また、帯電時間と比較するためのトランジット時間を導き出す上で、これらのTOF法を用いることによる不具合も無視できない。例えば、像担持体が装置内で使用される状況は露光により電界強度が刻々と変化しているのに対し、TOF法では電界強度を固定して測定しているため正確性に欠ける。また、TOF法で用いられる光源は、画像形成装置内で使われる露光手段とは異なる場合がほとんどであり、その場合に電荷輸送物質が光源の影響を受け、場合によっては新たなトラップサイトを形成することも懸念され、それも正確性を欠く原因となる。さらに、上記TOF法は電荷輸送層を電極間で挟んだ構成で測定されるため、少なくとも電荷発生層と電荷輸送層の積層型の像担持体における電荷発生層と電荷輸送層の界面の注入挙動が電荷輸送にもたらす影響は結果に含まれないことになる。したがって、従来のTOF法は、電荷輸送物質の移動度を比較する上では有効であっても、像担持体として実機内でのトランジット時間を決める方法としては適しておらず、特に積層型の像担持体の場合には実機内のトランジット時間を正確に見積もることができない。
上のことから、一周目帯電低下は感光層に存在する一周目帯電低下を引き起こすホールのほとんどすべてを、短い帯電初期段階で表面に到達させることが必要であるため、基本的に高移動度を有する電荷輸送層が有効になるが、従来公報におけるトランジット時間の測定のほとんどは、TOF法によるものであって、その方法では実際に画像形成装置内で使用される像担持体の電荷の挙動を表したものとは言えず、一周目帯電低下との関係についても明確にはできない。
本発明においては、像担持体中に含まれる一周目帯電低下を引き起こすホールのほとんどが像担持体表面に到達したトランジット時間を求める方法として、特開2000−275872号公報に記載されている方法を採用した。この方法は、図4に示したように、帯電装置にて像担持体に帯電させ、第1の表面電位計にて暗部電位を測定し、その後露光装置にて露光を行い、現像部に位置する第2の表面電位計にて露光部電位を測定する。このとき露光時の照射光量を変えることにより、図5に示されるような光減衰曲線を得ることができる。
の装置は、さらに露光手段と現像手段に位置する第2の表面電位計との角度を自由に調整できるため、露光してから第2の表面電位計で露光部電位を測定するまでの時間を任意に設定することが可能である。したがって、所定の光量で露光してから露光部電位を測定するまでの時間を任意に変更しながら測定を繰り返すと、図6に示される露光してから露光部電位を測定するまでの時間と露光部電位との関係図が得られる。なお、所定の光量とは、図5の光減衰曲線から図に示す屈曲点領域で決定される。図6に示されるように、露光してから露光部電位を測定するまでの時間を短くしていくに従い、露光部電位は直線的に変化するが、やがて露光部電位が立ち上がり屈曲点(図中、第1の屈曲点)を見いだすことができる。さらに、露光してから露光部電位を測定するまでの時間を短くしていくと、さらに露光部電位は上昇し、再び屈曲点(図中、第2の屈曲点)が見いだされる。
本発明は、前述の通り像担持体中に含まれる一周目帯電低下を引き起こすホールのほとんどが像担持体表面に到達したトランジット時間を求める必要があるため、上記の第1の屈曲点における露光してから露光部電位を測定するまでの時間が本発明におけるトランジット時間と定義される。この方法により、像担持体そのものを用いて、また像担持体が用いられる画像形成装置本体とほぼ同じ条件、同じ環境で、一周目帯電低下を引き起こすホールのほとんどが表面に到達したトランジット時間を容易に測定することができ、これにより精度良く、また確実に一周目帯電低下を抑制することが可能となる。本発明では、像担持体そのものを実機と同じ条件で測定して得られる上記トランジット時間を、実機トランジット時間として定義する。
上のことから、上記の実機トランジット時間をより短縮することができれば、更なる高速化や装置の小型化に対し余裕度が得られ有効である。しかし、十分にトランジット時間が短くても、帯電時間がそれよりも短かったり、帯電が不均一であったりした場合は、一周目帯電低下を抑制することはできない。そのため、像担持体の実機トランジット時間以上の帯電時間を与え、かつ均一に帯電させる帯電手段が必要となる。
帯電手段としては、前述の通り実機トランジット時間以上の帯電時間を確保できる帯電手段であれば、如何なる手段を用いてもよい。例えば、コロトロン、スコロトロン等に代表されるワイヤーに高電圧を印加するコロナ放電方式、ワイヤーの代わりに絶縁板を挟む面状の電極に高周波高圧を印加する固体放電方式、ローラー形状の部材に高電圧を印加し、像担持体に接触させた状態で帯電を行う接触型ローラー帯電方式、ローラー形状を有し画像形成領域において100μm以下の空隙を介して帯電させる近接配置型ローラー帯電方式、その他ブラシ、フィルム、ブレード等を用いて像担持体に接触した状態で帯電させる接触帯電方式等、従来公知の帯電器を使用することが可能である。
れらの中でも、本発明に最も適している帯電方式は上記コロナ帯電方式が挙げられる。この帯電方式は、直径が50〜100μmのワイヤーに高電圧を印加し、その周辺の空気をイオン化させ、それを像担持体に移動させることによって帯電させるものである。コロナ放電方式は、主にコロトロン及びスコロトロンに大別される。スコロトロンは、コロトロンにスクリーン電極(グリッド)を配置した構成となっており、スクリーン電極は1〜3mmピッチで、像担持体からは1〜2mm離れた位置に張られる。これにより、帯電時間が長くなってもグリッド電極に印加された電圧によって帯電電位が規制され、表面電位が飽和する。そのため、帯電電位はグリッド電圧により制御でき、均一帯電が可能となる。本発明においては、帯電ムラが少なく、均一帯電が可能なスコロトロンの方が、一周目帯電低下の抑制効果が高く、高速化や装置の小型化に対する余裕度も向上し、また高画質化の点からも最も適した帯電手段である。
高速化に対応させるためには、ワイヤーを2本張ったダブルワイヤー型が特に有効である。また、ダブルワイヤー型の中でも、2本のワイヤー間を仕切ったタイプも有効に用いられる。但し、ワイヤー同士あるいはワイヤーとケーシング間の放電を防止するために、1kVあたり1.5mm以上の空隙を設ける必要がある。ダブルワイヤー型のスコロトロンは、帯電幅が増すため、帯電時間を稼ぐことができ、一周目帯電低下の抑制効果に更なる余裕度が得られ、更なる高速化に対して対応できる。
ロトロンの帯電幅は、ケーシングの開口部の幅と同等である。但し、コロトロンはワイヤー704(図7参照)の近くとそうでない領域で帯電電流分布が生じる場合がある。一方、スコロトロンはグリッドを設けていることにより均一帯電が可能であるため、コロトロンより一周目帯電低下の抑制効果が高くなる。スコロトロンの像担持体702への帯電幅701は、図7に示したようにグリッド703の幅で決まる。なお、ケーシングの形状は箱形や円筒型等があり、如何なる形状のものでも使用可能であるが、帯電幅はあくまでケーシングの開口幅もしくはグリッド幅で決まる。
本発明における帯電時間は、下記式(2)にて定義される。
電時間(msec)=帯電手段の帯電幅(mm)/像担持体の線速(mm/msec)………(2)
たがって、コロトロンあるいはスコロトロン帯電方式を用いた場合の帯電時間は、画像形成装置に用いられるコロトロン帯電器のケーシングにおける開口部の幅もしくはスコロトロン帯電器のグリッド幅を像担持体の線速で除した値で決まる。
一方、ローラー形状の帯電方式は、導電性ローラーに電圧を印加して、像担持体に接触させて電荷を与える方法である。コロナ帯電方式に比べて印加電圧が低いことと、装置の小型化に有利であり、オゾンの発生量が非常に少ない利点もある。但し、非常に高速で使用すると、ローラーの汚染やローラーの寿命により帯電性が低下してくる恐れがある。したがって、線速の速い装置で用いるよりは、小径の像担持体を用いた省スペース対応の画像形成装置に適している。
の帯電方式は、像担持体と帯電ローラーとの接触面積はわずかであるが、実際には微小空隙での放電による電荷移動によって帯電されるため、ローラー帯電方式における帯電幅は、図8に示したように像担持体802と帯電ローラー805の接触している部分の前後における空隙幅806が300μm以内の領域と見ることができる。また、DCにACを重畳させることによって、帯電の均一性を大幅に高めることが可能となるため、本発明においては一周目帯電低下の抑制、あるいは高速化や小型化に対応する上で特に有効な方法である。なお、801は帯電幅を表す。
また、ローラー形状の帯電方式でも画像形成領域において、像担持体と非接触とした近接配置方式も有効に用いられる。これにより、繰り返し使用することによって帯電ローラーが現像剤や紙粉等によって汚染され、帯電低下や異常画像の発生、さらには摩耗等の発生を抑制することが可能となる。像担持体と帯電ローラーを画像形成領域において近接配置させる方法として、帯電ローラーあるいは像担持体の非画像形成領域にギャップを設ける方法が挙げられる。例えば、図9に示したように帯電ローラー56の非画像形成領域に厚みが均一なギャップテープ(ギャップ形成部材51)を設けることで、空隙保持が可能となる。なお、55は像担持体、52は金属シャフト、53は画像形成領域、54は非画像形成領域である。像担持体と帯電ローラーとのギャップが小さい方が好ましく、100μm以下、より好ましくは50μm以下である。帯電ローラーを像担持体に対して接触させない構成にしたことで、その分放電は不均一となり、像担持体の帯電が不安定になる場合がある。それに対しては、印加バイアスは直流成分(DC)に交流成分(AC)を重畳させて帯電することが好ましく、これにより帯電の安定性が著しく向上する。また、DCのみでは像担持体と帯電ローラーとの空隙で起こる放電が、像担持体が回転する入り口領域と出口領域で異なるが、AC重畳させるとその領域全体で均一に放電されるため、一周目帯電低下の抑制効果はさらに高まる。
これらのローラー帯電方式における帯電時間は、像担持体と帯電ローラーとの空隙幅が300μm以内の領域を帯電領域とし、その距離を像担持体の線速で除した値で決まる。ローラー帯電方式の帯電幅は、像担持体と帯電ローラーとの空隙幅が300μm以内の領域として算出できるし、直接計測して求めてもよい。近接配置型のローラー帯電方式は、像担持体との間に既にギャップが設けられているため、接触型のローラー帯電方式に比べて帯電幅は若干縮小されるが、AC重畳することによってその影響は十分に抑制できるため、本発明において有効に用いられる。
た、これらすべての帯電手段を複数備えることも可能であり、帯電時間を大幅に増加させることが可能であることから、特に高速化に対しては有効である。複数の帯電手段を備えた場合には、それぞれの帯電手段における帯電時間の和が総帯電時間となる。しかし、帯電手段を複数備えることは高速化に対しては有効であるが、装置の小型化や像担持体の小径化に対しては好ましくない。装置によって使い分けることが必要である。
お、前記実機トランジット時間は電界強度依存性が認められ、電界強度が高い方が早くなる。すなわち、実機トランジット時間は、像担持体の感光層膜厚が薄い方が早く、また未露光部の現像位置における表面電位が高い方が早くなる。一方、所定の帯電時間、像担持体に帯電を施す際の電界強度も一周目帯電低下に対し影響が認められる。したがって、実機トランジット時間を測定するときの電界強度は、実際に像担持体が画像形成装置内で使用される電界強度と同じにして計測する必要がある。
以上のように、実機トランジット時間T1(msec)と帯電時間T2(msec)は、上記の如く定義される。本発明は、式(1)の如く、実機トランジット時間T1が帯電時間T2以下である画像形成装置である。実機トランジット時間T1が、帯電時間T2以下でなければならない理由は既に述べた通りである。すなわち、実機トランジット時間が帯電時間を上回ると、感光層内に蓄積されたホールが所定の帯電時間内に像担持体表面にまで到達できず、感光層内に残存し、それらのホールによって帯電低下が発生してしまうことになる。したがって、実機トランジット時間は帯電時間以下であることが必要である。
単に一周目帯電低下を抑制することだけが目的であれば、帯電器を大型化したり、帯電器を複数設置したり、線速を遅くする等、従来公知の方法で抑制することは可能である。しかし、そのような方法では、画像形成装置の小型化や高速化、像担持体の小径化が実現できないことになる。本発明は、上記式(1)の関係を満たすことにより、画像出力速度や画像形成装置のサイズを犠牲にすることなく、一周目帯電低下の抑制効果が得られ有効となる。像担持体の回転速度が80(rpm)未満の場合には、一周目帯電低下の影響は低減されるが、画像出力の高速化に対しては像担持体の回転の高速化が不可欠であるため、致命的となる。逆に、像担持体の回転速度が高くなればなるほど、一周目帯電低下の影響が増加し、特に像担持体の回転速度が80(rpm)以上になると顕著に増加するが、本発明においては回転速度が高速化しても一周目帯電低下の抑制効果に非常に優れているため、像担持体の回転速度が高いほどより大きな効果を得ることができる。
次に、図面に沿って本発明の画像形成装置をより詳細に説明する。
画像形成方法及び画像形成装置について
10に本発明の画像形成方法及び画像形成装置を説明するための概略図を示す。これは一つの代表例であって、これに限定されるものではなく、例えば後述する変形例も本発明にすべて含まれる。図10に示される像担持体21は、本発明の像担持体であり、詳細は後述する。像担持体21は、ドラム形状を示しているが、これに限られるものではなく、例えばシート状やエンドレスベルト状のものであってもよい。
発明の画像形成方法及び画像形成装置は、少なくとも前述の帯電手段、露光手段、現像手段を備えたものであり、さらに転写手段、定着手段、クリーニング手段、除電手段等を必要に応じて備えることができる。あるいは、これ以外の手段を追加することも可能である。
露光手段としては、それより照射された光が像担持体の電荷発生物質に吸収されるものであれば如何なる手段をも使用することができる。帯電された像担持体に露光を行い、その光が電荷発生物質に吸収されて電荷対が生成され、その一電荷が表面に移動して表面電荷を打ち消すことによって像担持体表面に静電潜像が形成される。露光手段として用いられる光源としては、上記条件を満たせば、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、蛍光灯、ナトリウム灯等を使用することができる。これらの中でも発光ダイオードや半導体レーザーは高速化や装置の小型化の点からも有効であり、本発明の効果をより高める上で最も適している。また、これらの光源は、所望の波長域の光を照射させるために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルター等の各種フィルターと組み合わせて用いることもできる。
現像工程は、前記露光手段によって形成された静電潜像をトナーによって現像し、像担持体上にトナー像を形成する工程である。像担持体の帯電極性と同極性のトナーを用いて現像すればネガ画像(反転現像)が得られ、異極性のトナーを用いて現像すればポジ画像が得られる。現像には、トナーのみで行う1成分現像方式と、トナーとキャリアを混合した状態で行う2成分現像方式があるが、本発明においてはいずれも良好に使用できる。また、像担持体上に複数色のトナー像を重ね合わせてフルカラー像を現像する場合、像担持体に接触して現像する方法を用いると、先に現像されていたトナー像を乱してしまう恐れがある。これには、像担持体に対し非接触で現像が可能な、例えばジャンピング現像方式等が好ましく用いられる。
写工程は、像担持体上に形成されたトナー像を転写材(紙などの転写媒体)に転写する工程である。転写手段としては、帯電器を使用することが可能であり、例えば図10に示されるように転写チャージャーを使用したり、分離チャージャーを併用したものが効果的である。転写方式としては、上記転写手段を用いて像担持体からトナー像を紙などの転写媒体に直接転写する方式と、像担持体上のトナー像を一度中間転写体に転写し、その後中間転写体から紙などの転写媒体に転写する中間転写方式があり、どちらの方式でも良好に使用することができる。後者の中間転写方式は、高画質化に対しては有効であり、フルカラー画像形成装置に対しては有効であるが、反面高速化や装置の小型化に対しては不利であり、使用目的によって使い分けることが必要である。
また、転写時は定電圧方式、定電流方式があり、いずれの方法でも使用可能であるが、転写電荷量を一定に保つことができ、安定性に優れた定電流方式の方がより好ましい。転写電流は高い方が転写性は高くなり、特に線速が速くなると転写性は低下するため、転写電流の増加は有効となる。また、転写電流を高くすると除電の際に像担持体内に流れる電荷量が低減されるため、静電疲労の影響を低減させる上でも好ましい。しかし、転写電流が高すぎて像担持体表面がプラスに帯電してしまうと、除電工程でもその影響は残るため、次サイクルの帯電工程に突入した際、帯電低下を引き起こす恐れがある。したがって、一周目帯電低下を抑制するためには、転写後に像担持体がプラス側に帯電しないように転写電流を設定させることが重要である。
定着工程は、紙などの転写媒体に転写されたトナー像を加熱及び加圧によって転写媒体上に固定化する工程である。定着させる方法としては、転写媒体にトナーが固定化することが可能であれば、如何なる方法を用いてもよい。具体的には加熱及び/又は加圧する方法が挙げられ、加熱ローラーと加圧ローラーの組み合わせや、さらに無端ベルトを組み合わせる方法もある。加熱温度としては、通常80〜200℃が好ましく用いられる。
リーニング工程は、現像手段によって像担持体上に現像されたトナーが、転写手段によって転写媒体に転写され、なお像担持体上に残存したトナーを除去する工程である。これらの残存トナーを像担持体上から除去することが可能であれば如何なる方法を用いてもよい。具体的な手段としては、ファーブラシやブレード、あるいはそれらを組み合わせて用いることが多い。その他、磁気ブラシ、静電ブラシ、磁気ローラー等も有効に用いられる。
クリーニング工程は、像担持体上には残存トナーの他、現像剤成分や紙粉、放電生成物等、多くの異物が付着することで汚染され、それが画質に大きく影響することから、それらを除去する役割をも有する。しかし、繰り返し使用されるに従い異物付着は進行すると、クリーニング不良が発生して異常画像の原因となる。そこで、クリーニング性を高める目的で、像担持体表面に潤滑性物質を含有させ、像担持体表面にクリーニング工程後に潤滑性物質を付着/塗布し、異物を付着しにくくする方法も有効である。
電工程では、クリーニング工程で残存トナーが除去されても、像担持体上に静電潜像コントラストが残存していた場合、次サイクルでそのコントラストが残像やゴースト画像として可視化される恐れがあるため、それらを除去する工程である。除電手段としては、そこから照射される光を電荷発生物質が吸収できれば、如何なる手段であってもよい。例えば、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)、タングステンランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、水銀灯、蛍光灯、ナトリウム灯等が挙げられ、さらに露光手段で挙げられた光学フィルターと組み合わせて用いてもよい。また、光照射方式以外に、逆バイアスを印加して除電する方法もあり、静電疲労を抑制する上では好ましい。
し、前記の通り像担持体への除電光の照射は、静電疲労を助長することになり、また装置の小型化の面から除去されるケースもあるが、次サイクルの帯電前に静電潜像コントラストが残っていたり、転写によって一部がプラスに帯電したりした場合は、残像やゴースト画像の発生や一周目帯電低下を助長させることになるため、除電手段を有していた方がより好ましい。
<タンデム方式の画像形成装置について
発明は、一周目帯電低下の抑制効果が顕著に高く、画像形成装置の高速化、小型化、画像出力時間の短縮化等に非常に有効である。したがって、特にフルカラー画像形成装置において、高速化、小型化が強く求められているタンデム方式の画像形成装置に非常に有効に用いられる。タンデム方式の画像形成装置とは、複数色のトナーを各々独立して保持する現像部に対応してそれと同じ本数の像担持体を具備し、それによって各色の現像を各々独立に平行して処理し、その後各色のトナー像を重ね合わせてフルカラー画像を形成する装置である。具体的には、フルカラー印刷に必要とされるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の少なくとも4色の現像部及び像担持体が具備されており、4回のプロセスを繰り返して出力される従来のシングルドラム方式に比べて、極めて高速なフルカラー印刷を実現している。
11は、本発明のタンデム方式によるフルカラー画像形成装置を説明するための代表的な概略図である。図11において、符号(1C,1M,1Y,1K)はドラム状の像担持体であり、本発明の像担持体が用いられる。この像担持体(1C,1M,1Y,1K)は図中の矢印方向に回転し、その周りに少なくとも回転順に帯電手段(2C,2M,2Y,2K)、現像手段(4C,4M,4Y,4K)、クリーニング手段(5C,5M,5Y,5K)が配置されている。
の帯電手段(2C,2M,2Y,2K)と現像手段(4C,4M,4Y,4K)の間の像担持体裏面側より、図示しない露光手段からのレーザー光(3C,3M,3Y,3K)が照射され、像担持体(1C,1M,1Y,1K)に静電潜像が形成される。そして、このような像担持体(1C,1M,1Y,1K)を中心とした4つの画像形成要素(6C,6M,6Y,6K)が、転写材搬送手段である転写搬送ベルト(10)に沿って並置されている。転写搬送ベルト(10)は各画像形成ユニット(6C,6M,6Y,6K)の現像手段(4C,4M,4Y,4K)とクリーニング手段(5C,5M,5Y,5K)の間で像担持体(1C,1M,1Y,1K)に当接しており、転写搬送ベルト(10)の像担持体側の裏側に当たる面(裏面)には転写バイアスを印加するための転写ブラシ(11C,11M,11Y,11K)が配置されている。各画像形成要素(6C,6M,6Y,6K)は現像装置内部のトナーの色が異なることであり、その他は全て同様の構成となっている。
図11に示す構成のフルカラー画像形成装置において、画像形成動作は次のようにして行なわれる。まず、各画像形成要素(6C,6M,6Y,6K)において、像担持体(1C,1M,1Y,1K)が矢印方向(像担持体と連れ周り方向)に回転する帯電手段(2C,2M,2Y,2K)により帯電され、次に像担持体の外側に配置された露光部(図示しない)でレーザー光(3C,3M,3Y,3K)により、作成する各色の画像に対応した静電潜像が形成される。次に現像手段(4C,4M,4Y,4K)により静電潜像を現像してトナー像が形成される。現像手段(4C,4M,4Y,4K)は、それぞれC(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー),K(ブラック)のトナーで現像を行う現像手段で、4つの像担持体(1C,1M,1Y,1K)上で作られた各色のトナー像は転写紙上で重ねられる。転写紙(7)は給紙コロ(8)によりトレイから送り出され、一対のレジストローラ(9)で一旦停止し、上記像担持体上への画像形成とタイミングを合わせて転写搬送ベルト(10)に送られる。転写搬送ベルト(10)上に保持された転写紙(7)は搬送されて、各像担持体(1C,1M,1Y,1K)との当接位置(転写部)で各色トナー像の転写が行なわれる。
像担持体上のトナー像は、転写ブラシ(11C,11M,11Y,11K)に印加された転写バイアスと像担持体(1C,1M,1Y,1K)との電位差から形成される電界により、転写紙(7)上に転写される。そして4つの転写部を通過して4色のトナー像が重ねられた記録紙(7)は定着装置(12)に搬送され、トナーが定着されて、図示しない排紙部に排紙される。また、転写部で転写されずに各像担持体(1C,1M,1Y,1K)上に残った残留トナーは、クリーニング装置(5C,5M,5Y,5K)で回収される。
なお、図11の例では画像形成要素は転写紙搬送方向上流側から下流側に向けて、C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー),K(ブラック)の色の順で並んでいるが、この順番に限るものでは無く、色順は任意に設定されるものである。また、黒色のみの原稿を作成する際には、黒色以外の画像形成要素(6C,6M,6Y)が停止するような機構を設けることは本発明に特に有効に利用できる。更に、図11において帯電手段は像担持体と当接しているが、図9に示したような帯電機構で、両者の間に適当なギャップ(10〜200μm程度)を設けてやることにより、帯電手段へのトナーフィルミングが少なくて済み良好に使用できる。
<プロセスカートリッジについて
上に示すような画像形成手段は、複写機、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよく、また、各々の画像形成要素はプロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリッジとは、像担持体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段等から選択される手段の少なくとも1つを含んだ1つの装置(部品)である。プロセスカートリッジの形状等は限定されるものではないが、一般的な例として、図12に示すものが挙げられる。像担持体101は、本発明の像担持体である。
次に、図面に沿って本発明に用いられる像担持体について以下に説明する。
<像担持体の層構成について
発明における像担持体の層構成は、単層であってもあるいは複数積層された構成であってもよく、層構成に限定されない。例えば、以下に示す層構成が挙げられる。図13は、導電性支持体1001上に感光層1002が形成された像担持体である。また、図15のように感光層1052と導電性支持体1051との間に下引き層1053を設けてもよい。また、図17のように感光層1072と導電性支持体1071との間に樹脂層1074と下引き層1073の少なくとも二層を積層して設けてもよい。あるいは、図示しないが、感光層と導電性支持体との間に樹脂層のみを設けることも可能である。図14は、導電性支持体上1041に電荷発生層1045と電荷輸送層1046を順次積層した像担持体である。また、図16のように電荷発生層1065と導電性支持体1061との間に下引き層1063を設けてもよい。なお、1066は電荷輸送層である。また、図18のように電荷発生層1085と導電性支持体1081との間に樹脂層1084と下引き層1083の少なくとも二層を積層して設けてもよい。なお、1086は電荷輸送層である。あるいは、図示しないが、電荷発生層と導電性支持体との間に樹脂層のみを設けることも可能である。
発明においては、一周目帯電低下を抑制させる目的から、これらの層構成の中でも下引き層を形成させた方がより好ましい。さらに、高画質化の面から樹脂層と下引き層を二層積層した構成がより好ましい。また、感光層が単層の場合よりも複数積層させた方が耐久性の点からより好ましい。なお、これらの層構成は代表的なものを示したものであって、本発明はこれらの層構成に限定されるものではない。
<導電性支持体について
電性支持体としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すものが挙げられ、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金等の金属、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物を、蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状又は円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの;アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス等の板及びそれらを、押し出し、引き抜き等の工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩等の表面処理した管等を使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
らに、上記の導電性支持体上に導電性粉体をバインダー樹脂に分散させて導電性層を形成(塗工などを用いて形成)したものも、導電性支持体として用いることができる。このような導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック;アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀等の金属粉、導電性酸化スズ、ITO等の金属酸化物粉体等が挙げられる。また、同時に用いられるバインダー樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂が挙げられる。導電性層は、導電性粉体とバインダー樹脂を、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエン等の溶剤に分散させて塗布することにより設けることができる。さらに、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、ポリテトラフルオロエチレン系フッ素樹脂等の素材に導電性粉体を含有させた熱収縮チューブを用いて、円筒基体上に導電性層を設けたものも、導電性支持体として用いることができる。
また、これらの中でも陽極酸化皮膜処理を簡便に行うことのできるアルミニウムからなる円筒状支持体が良好に使用可能である。このアルミニウムとは、純アルミニウム系あるいはアルミニウム合金のいずれかをも含むものである。具体的には、JIS1000番台、3000番台、6000番台のアルミニウムあるいはアルミニウム合金が最も適している。陽極酸化皮膜は、各種金属、各種合金を電解質溶液中において陽極酸化処理したものであるが、中でもアルミニウムもしくはアルミニウム合金を電解質溶液中で陽極酸化処理を行ったアルマイトと呼ばれる被膜は、残留電位上昇が少なく、また反転現像を用いた際に発生する地汚れの防止効果が高く有効である。
極酸化処理は、クロム酸、硫酸、蓚酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸などの酸性浴中において行われる。このうち、硫酸浴による処理が最も適している。一例を挙げると、硫酸濃度:10〜20%、浴温:5〜25℃、電流密度:1〜4A/dm、電解電圧:5〜30V、処理時間:5〜60min程度の範囲で処理が行われるが、これに限定するものではない。このように作製される陽極酸化皮膜は多孔質であり、また絶縁性が高いため、表面が非常に不安定な状況である。このため、作製後の経時変化が存在し、陽極酸化皮膜の物性値が変化しやすい。これを回避するため、陽極酸化皮膜を更に封孔処理することが好ましい。封孔処理には、フッ化ニッケルや酢酸ニッケルを含有する水溶液に陽極酸化皮膜を浸漬する方法、陽極酸化皮膜を沸騰水に浸漬する方法、加圧水蒸気により処理する方法などがある。このうち、酢酸ニッケルを含有する水溶液に浸漬する方法が最も好ましい。封孔処理に引き続き、陽極酸化皮膜の洗浄処理が行われる。これは、封孔処理により付着した金属塩等の過剰なものを除去することが主な目的である。これが支持体(陽極酸化皮膜)表面に過剰に残存すると、この上に形成する塗膜の品質に悪影響を与えるだけでなく、一般的に低抵抗成分が残ってしまうため、逆に地汚れの発生原因にもなってしまう。洗浄は純水1回の洗浄でも構わないが、通常は多段階の洗浄を行う。この際、最終の洗浄液が可能な限りきれいな(脱イオンされた)ものであることが好ましい。また、多段階の洗浄工程のうち1工程に接触部材による物理的なこすり洗浄を施すことが好ましい。以上のようにして形成される陽極酸化皮膜の膜厚は、5〜15μm程度が好ましい。これより薄すぎる場合には陽極酸化皮膜としてのバリア性の効果が十分でなく、これより厚すぎる場合には電極としての時定数が大きくなりすぎて、残留電位の発生や感光体のレスポンスが低下する場合がある。
<感光層について
に、感光層について説明する。
光層は、単層もしくは複数の積層でもよいが、はじめに積層型から説明する。積層型感光層は、少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層が積層されることによって構成されている。
電荷発生層について
荷発生層は、電荷発生物質を主成分とする層である。電荷発生層には、公知の電荷発生物質を用いることが可能である。例えば、モノアゾ顔料、ビスアゾ顔料、非対称ビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、カルバゾ−ル骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−95033号公報に記載)、ジスチリルベンゼン骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−133445号公報に記載)、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−132347号公報に記載)、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−21728号公報に記載)、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−22834号公報に記載)、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−12742号公報に記載)、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−17733号公報に記載)、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−2129号公報に記載)、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−14967号公報に記載)等のアゾ系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料、また下記式(15)で表される金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料等が挙げられる。
Figure 0005206026
上式中、M(中心金属)は、金属及び無金属(水素)の元素を表す。ここで挙げられるM(中心金属)は、H、Li、Be、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Ba、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、TI、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Th、Pa、U、Np、Am等の単体、もしく酸化物、塩化物、フッ化物、水酸化物、臭化物などの2種以上の元素からなる。中心金属は、これらの元素に限定されるものではない。
本発明におけるフタロシアニン骨格を有する電荷発生物質とは、少なくとも一般式(15)の基本骨格を有していればよく、2量体、3量体など多量体構造を持つもの、さらに高次の高分子構造を持つものでもかまわない。また、基本骨格に様々な置換基があるものでもかまわない。これらの様々なフタロシアニンのうち、中心金属にTiOを有するチタニルフタロシアニン、無金属フタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン等は感光体特性上特に好ましい。また、これらのフタロシアニンは、様々な結晶系を持つことが知られており、例えばチタニルフタロシアニンの場合、α、β、γ、m、Y型等、銅フタロシアニンの場合、α、β、γ等の結晶多系を有している。同じ中心金属を持つフタロシアニンにおいても、結晶系が変わることにより種々の特性も変化する。これらの種々の結晶系を有するフタロシアニン系顔料を用いた感光体の特性もそれに伴って変化することが報告されている(電子写真学会誌 第29巻 第4号(1990))。このことから、フタロシアニンの結晶系の選択は感光体特性上非常に重要である。
これらのフタロシアニン系顔料の中でも、CuKαの特性X線(1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン結晶は特に高感度化を有しており、本発明においては高速化が可能となるため特に有効に用いられる。その中でも、27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、該7.3°のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有さないチタニルフタロシアニン結晶は、電荷発生効率が大きく、静電特性も良好で、地汚れが発生しにくい等、本発明の電荷発生物質として極めて有効に使用できる。これらの電荷発生物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
発明の像担持体に含有される上記電荷発生物質においては、粒子サイズをより細かくすることにより、その効果がより高くなる場合があり有効である。特に、フタロシアニン系顔料においては、平均粒子サイズは0.25μm以下が好ましく、0.2μm以下がより好ましい。以下にその作製方法を示す。感光層に含有される電荷発生物質の粒子サイズをコントロールするための方法は、電荷発生物質を分散した後、0.25μmより大きい粗大粒子を取り除く方法である。ここでいう平均粒子サイズとは、体積平均粒径であり、超遠心式自動粒度分布測定装置:CAPA−700(堀場製作所製)により求めたものである。この際、累積分布の50%に相当する粒子径(Median径)として算出されたものである。しかしながら、この方法では微量の粗大粒子を検出できない場合があるため、より詳細に求めるには、電荷発生物質粉末、あるいは分散液を直接、電子顕微鏡にて観察し、その大きさを求めることが重要である。
次に電荷発生物質を分散した後に、粗大粒子を取り除く方法について述べる。即ち、出来る限り粒子を微細にした分散液を作製後、適当なフィルターで濾過する方法である。分散液の作製に関しては一般的な方法が用いられ、電荷発生物質を必要に応じてバインダー樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル、超音波などを用いて分散することで得られるものである。この際、バインダー樹脂は感光体の静電特性などにより、また溶媒は顔料へのぬれ性、顔料の分散性などにより選択すればよい。
の方法では、目視では観察できない(あるいは粒径測定では検出できない)、残存する微量な粗大粒子をも取り除くことができ、また粒度分布を揃えるという点からも非常に有効な手段である。具体的には、上述のように作製した分散液を有効孔径が5μm以下のフィルター、より好ましくは3μm以下のフィルターにて濾過する操作を行い、分散液を完成させるというものである。この方法によっても、粒子サイズの小さな(0.25μm以下、好ましくは0.2μm以下)電荷発生物質のみを含む分散液を作製することができ、これを用いることにより、感度や帯電性等の静電特性が改善され、その効果が持続し、本発明の効果を高めることができる。
の際、濾過される分散液の粒子サイズが大きすぎたり、粒度分布が広すぎたりする場合には、濾過によるロスが大きくなったり、濾過の目詰まりを生じて濾過が不可能になったりする場合がある。このため、濾過前の分散液においては、平均粒子サイズが0.3μm以下で、その標準偏差が0.2μm以下に到達するまで分散を行った方が望ましい。平均粒子サイズが0.3μm以上である場合には濾過によるロスが大きくなり、標準偏差が0.2μm以上である場合には濾過時間が非常に長くなったりする不具合点を生じる場合がある。
上記電荷発生物質は、高感度な特性を示す電荷発生物質の特徴である分子間水素結合力が極めて強い。このため、分散された顔料粒子の粒子間での相互作用も非常に強い。この結果、分散機などにより分散された電荷発生物質粒子が、希釈などにより再凝集する可能性が非常に大きく、上述のように分散終了後、特定サイズ以下のフィルターで濾過を行うことにより、このような凝集物を取り除くことができる。この際、分散液がチキソトロピーな状態にあるため、使用するフィルターの有効孔径よりも小さいサイズの粒子まで除去される。または、構造粘性を示す液をフィルター処理によりニュートン性に近い状態に変えることもできる。このようにして、電荷発生物質の粗大粒子を取り除いてやることにより、本発明の効果をさらに向上させることができる。
た、前記アゾ顔料の中では、下記一般式(12)で表されるアゾ顔料は有効に使用される。特に、アゾ顔料のCpとCpが互いに異なるものである非対称アゾ顔料は、キャリア発生効率が大きく、高速化に対して有効であり、本発明の電荷発生物質として好ましく用いられる。
Figure 0005206026
上式中、Cp、Cpはカップラー残基を表す。R201、R202はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基のいずれかを表し、同一でも異なっていてもよい。また、Cp、Cpは下記式(13)で表され、互いに異なる構造を持たせることによって非対称アゾ顔料が得られる。
Figure 0005206026
上式中、203は、水素原子、メチル基、エチル基などのアルキル基、フェニル基などのアリール基を表す。R204、R205、R206、R207、R208はそれぞれ、水素原子、ニトロ基、シアノ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子、トリフルオロメチル基などのハロゲン化アルキル基、メチル基、エチル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基、ジアルキルアミノ基、水酸基を表し、Zは置換もしくは無置換の炭素環式芳香族基芳香族炭素環又は置換もしくは無置換の複素環式芳香族基芳香族複素環を構成するのに必要な原子群を表す。
お、これらの電荷発生物質は、単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。
電荷発生層に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。これらの中でもポリビニルブチラールが好ましく用いられる。これらのバインダー樹脂は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
た、用いられる溶剤としては、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等の一般に用いられる有機溶剤が挙げられるが、中でも、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒を使用することが好ましい。これらは、単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。
電荷発生層は、電荷発生物質を必要に応じてバインダー樹脂と共に、ボールミル、アトライター、サンドミル、超音波等の公知の分散方法を用いて溶剤中に分散して、塗工液を得ることができる。なお、バインダー樹脂の添加は、電荷発生物質の分散前及び分散後のどちらでも構わない。電荷発生層の塗工液は、電荷発生物質、溶媒及びバインダー樹脂を主成分とするが、その中には、増感剤、分散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等の添加剤が含まれていてもよい。場合によっては、電荷発生層に後述の電荷輸送物質を添加することも可能である。バインダー樹脂の添加量は、電荷発生物質100重量部に対して、通常、0〜500重量部であり、10〜300重量部が好ましい。
荷発生層は上記塗工液を用いて導電性支持体上あるいは下引き層等の上に塗工し、乾燥することにより形成される。塗工方法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビードコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の公知の方法を用いることができる。電荷発生層の膜厚は、通常、0.01〜5μm程度であり、0.1〜2μmが好ましい。また塗工後の乾燥はオーブン等を用いて加熱乾燥される。電荷発生層の乾燥温度は、50〜160℃であることが好ましく、80〜140℃がさらに好ましい。
<電荷輸送層について
荷輸送層は、電荷輸送物質及びバインダー樹脂を主成分とする。電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。電荷輸送物質は、像担持体表面まで電荷を輸送する機能を担うため、実機トランジット時間を短縮し、画像形成装置の高速化を実現する上で、本発明にとって重要な構成要件となる。
体的な電荷輸送物質としては、電子輸送物質では、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
方、正孔輸送物質としては、ポリ(N−ビニルカルバゾール)及びその誘導体、ポリ(γ−カルバゾリルエチルグルタメート)及びその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、アミノビフェニル誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジエン誘導体、ピレン誘導体等、ジスチリルベンゼン誘導体、エナミン誘導体等の材料が挙げられる。これらの電荷輸送物質は、単独又は2種以上混合して用いられる。
これらの電荷輸送物質の中でも、ジスチリル構造を含む化合物が有効であり、その中でも下記式(16)に示される化合物が、実機トランジット時間の短縮化に非常に有効であり、一周目帯電低下の発生を抑制できることから、高画質化、高速化、装置の小型化、画像出力時間の短縮化において極めて有効となる。
Figure 0005206026
上式中、〜Rは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基を表し、フェニル基は炭素数1〜4のアルキル基や炭素数1〜4のアルコキシ基等の置換基を有していてもよい。 Aは、置換もしくは無置換のアリーレン基、または式(16a)で表される基
Figure 0005206026
上式中、、R及びRは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基を表し、フェニル基の場合は炭素数1〜4のアルキル基や炭素数1〜4のアルコキシ基等の置換基を有していてもよい。)を表す。 B及びB’は、置換もしくは無置換のアリール基、または式(16b)で表される基
Figure 0005206026
上式中、Arはアリーレン基を表わし、置換基を有していてもよい。置換基を有する場合には、炭素数1〜4のアルキル基及びアルコキシ基が挙げられる。また、Ar及びArはアリール基を表し、置換基を有していてもよい。置換基を有する場合には、炭素数1〜4のアルキル基及びアルコキシ基が挙げられる。)を表す。B及びB’は各々同一でも異なっていてもよい。〕
れらの化合物の中でも、下記一般式(3)で示される電荷輸送物質は、本発明において特に効果が高く、有効かつ有用である。
Figure 0005206026
(上式中、〜R33は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、置換もしくは無置換のフェニル基を表し、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
た、下記一般式(4)で示される電荷輸送物質も、本発明において有効である。
Figure 0005206026
(上式中、34〜R57は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、置換もしくは無置換のフェニル基を表し、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
これらの化合物は、高い移動度を有していることが有効である要因と考えられるが、それだけではなく、電荷の移動開始からほとんどすべての電荷の移動が完了するまでの移動時間が少なく、電荷移動においてその速度にバラツキが少ない、矩形型波形を示すことが特徴的である。本発明における効果は、単に電荷輸送物質の移動度が高いことだけではなく、像担持体に含まれる一周目帯電低下を引き起こすホールのほとんどすべてが、像担持体表面にまで到達する時間を短縮できたことがその要因であり、上記式(16)で示される化合物、とりわけ上記式(3)及び(4)で示される化合物はそれに対し非常に有効な材料であることが見いだされた。これらは、分子が比較的大きく直鎖状の分子構造を有している上に、π共役系が分子全体に広がった特徴を有しており、これにより電荷の分子間移動よりも分子内移動の割合が高まり、移動度の向上とともに移動度の電界強度依存性が低減されたものと考えられる。
本発明において電荷輸送物質として用いられるこれらの化合物の具体例を以下に示す。但し、これらは一例であって、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
Figure 0005206026
Figure 0005206026
Figure 0005206026
Figure 0005206026
Figure 0005206026
電荷発生層に含有される電荷発生物質のイオン化ポテンシャルIpCGMと電荷輸送層に含有される電荷輸送物質のイオン化ポテンシャルIpCTMとの間に式(5)の関係を満たすことが好ましく、これにより残留電位及び疲労による残留電位上昇を大幅に抑制することが可能となる。本発明で規定するイオン化ポテンシャルとは、材料の基底状態から電子一個を取り出すのに必要なエネルギー量を意味する。
荷発生物質のイオン化ポテンシャルIpCGM及び電荷輸送物質のイオン化ポテンシャルIpCTMは、それぞれの物質からイオン化ポテンシャルを直接測定することも可能であるが、電荷発生物質を含む電荷発生層、もしくは電荷輸送物質を含む電荷輸送層を膜のまま直接測定することによっても、それぞれのイオン化ポテンシャルIpCGM及びIpCTMを測定することができる。イオン化ポテンシャルの測定は、理研計器社製のAC−1、AC−2、AC−3等で測定することが可能である。
バインダー樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性又は熱硬化性樹脂が挙げられる。
発明においては、前記実機トランジット時間を短縮させる手段として、電荷輸送物質の選択だけでなく、電荷輸送層のバインダー樹脂の選択も重要である。高移動度を有する電荷輸送物質を用いても、バインダー樹脂によっては効果が半減してしまう可能性もある。本発明においては、低誘電率のバインダー樹脂を用いることが好ましく、中でもポリカーボネート、ポリアリレートが好ましく用いられる。
また、電荷輸送層には電荷輸送物質としての機能とバインダー樹脂の機能を併せ持った高分子電荷輸送物質も良好に使用される。これら高分子電荷輸送物質から構成される電荷輸送層は耐摩耗性に優れる上に、材料によっては一周目帯電低下の抑制に対する効果も認められる。高分子電荷輸送物質としては、公知の材料が使用できるが、特に、トリアリールアミン構造を主鎖及び/又は側鎖に含むポリカーボネートが良好に用いられる。中でも、式(I)〜(X)で表わされる高分子電荷輸送物質が良好に用いられ、これらを以下に例示し、具体例を示す。
Figure 0005206026
式(I)中、R、R、Rはそれぞれ独立して置換もしくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子、Rは水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基、R、Rは置換もしくは無置換のアリール基、o、p、qはそれぞれ独立して0〜4の整数、k、jは組成を表し、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9、nは繰り返し単位数を表し5〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基又は下記一般式(1−a)で表される2価基を表す。なお、式(I)は2つの共重合種が交互共重合体の形で記載されているが、ランダム共重合体でも構わない。
Figure 0005206026
(式(I−a)中、R101、R102は各々独立して置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基又はハロゲン原子を表す。l、mは0〜4の整数、Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を表す。)又は式(I−b)で表される基を表す。)
Figure 0005206026

(式(I−b)中、aは1〜20の整数、bは1〜2000の整数、R103、R104は置換又は無置換のアルキル基又はアリール基を表す)を表す。ここで、R101とR102、R103とR104は、それぞれ同一でも異なってもよい。)
Figure 0005206026

式(II)中、R、Rは置換もしくは無置換のアリール基、Ar、Ar、Arは同一又は異なるアリーレン基を表す。X、k、j及びnは、式(I)の場合と同じである。なお、式(II)は2つの共重合種が交互共重合体の形で記載されているが、ランダム共重合体でも構わない。
Figure 0005206026
式(III)中、R、R10は置換もしくは無置換のアリール基、Ar、Ar、Arは同一又は異なるアリーレン基を表す。X、k、j及びnは、式(I)の場合と同じである。なお、式(III)は2つの共重合種が交互共重合体の形で記載されているが、ランダム共重合体でも構わない。
Figure 0005206026

式(IV)中、R11、R12は置換もしくは無置換のアリール基、Ar、Ar、Arは同一又は異なるアリーレン基、pは1〜5の整数を表す。X、k、j及びnは、式(I)の場合と同じである。なお、式(IV)は2つの共重合種が交互共重合体の形で記載されているが、ランダム共重合体でも構わない。
Figure 0005206026

式(V)中、R13、R14は置換もしくは無置換のアリール基、Ar10、Ar11、Ar12は同一又は異なるアリーレン基、X、Xは置換もしくは無置換のエチレン基、又は置換もしくは無置換のビニレン基を表す。X、k、j及びnは、式(I)の場合と同じである。なお、式(V)は2つの共重合種が交互共重合体の形で記載されているが、ランダム共重合体でも構わない。
Figure 0005206026
〔式(VI)中、R15、R16、R17、R18は置換もしくは無置換のアリール基、Ar13、Ar14、Ar15、Ar16は同一又は異なるアリーレン基、Y、Y、Yは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表し同一であっても異なってもよい。X、k、j及びnは、式(I)の場合と同じである。なお、式(VI)は2つの共重合種が交互共重合体の形で記載されているが、ランダム共重合体でも構わない。
Figure 0005206026
式(VII)中、R19、R20は水素原子、置換もしくは無置換のアリール基を表し、R19とR20は環を形成していてもよい。Ar17、Ar18、Ar19は同一又は異なるアリーレン基を表す。X、k、j及びnは、式(I)の場合と同じである。なお、式(VII)は2つの共重合種が交互共重合体の形で記載されているが、ランダム共重合体でも構わない。
Figure 0005206026
式(VIII)中、R21は置換もしくは無置換のアリール基、Ar20、Ar21、Ar22、Ar23は同一又は異なるアリーレン基を表す。X、k、j及びnは、式(I)の場合と同じである。なお、式(VIII)は2つの共重合種が交互共重合体の形で記載されているが、ランダム共重合体でも構わない。
Figure 0005206026
式(IX)中、R22、R23、R24、R25は置換もしくは無置換のアリール基、Ar24、Ar25、Ar26、Ar27、Ar28は同一又は異なるアリーレン基を表す。X、k、j及びnは、式(I)の場合と同じである。なお、式(IX)は2つの共重合種が交互共重合体の形で記載されているが、ランダム共重合体でも構わない。
Figure 0005206026

式(X)中、R26、R27は置換もしくは無置換のアリール基、Ar29、Ar30、Ar31は、同一又は異なるアリーレン基を表す。X、k、j及びnは、式(I)の場合と同じである。なお、式(X)は2つの共重合種が交互共重合体の形で記載されているが、ランダム共重合体でも構わない。
バインダー樹脂として上記高分子電荷輸送物質を用い、さらに電荷輸送物質を添加することで実機トランジット時間は大幅に短縮され、一周目帯電低下の抑制効果が高くなるため有効である。但し、高分子電荷輸送物質のイオン化ポテンシャルと電荷輸送物質のイオン化ポテンシャルとの差が0.1eVよりも大きくなると効果は小さくなり、残留電位上昇等の悪影響も見られる。両者のイオン化ポテンシャルの差を0.1eV以下、好ましくは0.05eV以下とすることで一周目帯電低下の抑制効果が非常に高くなり、画像形成装置の高速化や小型化に対しても有効となり、また残留電位の影響も大幅に低減できるため、高画質化に対しても有効である。
荷輸送物質の含有量は、バインダー樹脂100重量部に対して、通常、20〜300重量部であり、40〜150重量部が好ましい。また、電荷輸送物質を2種以上混合したり、バインダー樹脂を2種以上混合して用いることも可能であり、材料の組み合わせによっては一周目帯電低下の抑制に一層大きな効果が得られる場合もある。
荷輸送層の塗布液として用いられる溶剤は、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、トルエン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、キシレン、アセトン、ジエチルエーテル、メチルエチルケトン等が用いられる。ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン等のハロゲン系溶剤は像担持体の特性上問題はないものの、地球環境への負荷を低減させる目的で使用しないことが望ましい。これらの中でも有効に用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテルやトルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素が好ましく用いられる。これらは、単独で使用してもよく、また2種以上混合して使用してもよい。
また、電荷輸送層の塗工液には、必要に応じて、単独又は2種以上の可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤、滑剤等の添加剤を添加してもよい。特に、分子構造が大きく、実機トランジット時間の短縮に有効な電荷輸送物質を用いた膜は剥がれやすい、あるいはクラックが入りやすいなどの問題が生じる場合がある。特に、上記一般式(16)、(3)及び(4)で示される電荷輸送物質は、高い融点を有し、分子構造もπ電子共役系の広がった大きな構造を有することから結晶性が高く、また溶解性は低く、皮脂の付着や応力などにより膜にクラックが発生する場合がある。この場合に、可塑剤を添加することで膜剥がれやクラックを防止することができ、本発明において効果を発揮させる上で有効である。可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の可塑剤が使用可能であり、有効である。添加量としては、バインダー樹脂に対して0〜30重量%が好ましく、1〜10重量%がより好ましい。
た、上記式(6)及び(7)で示される化合物もクラックの防止に有効である。さらに、上記式(6)及び(7)で示される化合物は、酸化性ガスが高濃度の雰囲気下で発生する画像流れを抑制する相乗効果を得ることができる。上記式(16)、(3)及び(4)で示される電荷輸送物質は、ジスチリル構造を有していることから酸化性ガスに対し安定性が低い。これらの電荷輸送物質と上記式(6)及び(7)で示される化合物とを混合することにより、酸化性ガス雰囲気下においても画像流れや解像度の低下を抑制することができる。また、これらの化合物は、静電疲労に対する帯電低下を抑制する効果が得られ、画質の安定化を実現する上で非常に有効な方法である。さらに、これらの化合物は、自ら電荷輸送構造を有しているため、残留電位に及ぼす影響が少なく、比較的多量の添加も可能である。
発明において特に有効な、上記式(6)及び(7)で示される化合物の具体例としては、下記構造式の材料が挙げられる。但し、これらの化合物に限定されるものではない。
Figure 0005206026
Figure 0005206026
Figure 0005206026
上記式(6)及び(7)で示される化合物の添加量は、電荷輸送物質に対して0〜30重量%が好ましく、1.0〜15重量%がより好ましい。添加量が多すぎると残留電位上昇が見られる場合がある。また、添加量が少なすぎると、高濃度の酸化性ガス雰囲気下において解像度が低下したり、皮脂の付着によりクラックが発生したりする場合がある。
た、本発明においては、酸化防止剤も有効に使用することができる。例えば、フェノール系化合物、パラフェニレンジアミン類、ハイドロキノン類、有機硫黄化合物類、有機燐化合物類、ヒンダードアミン類等の従来公知の材料が使用でき、繰り返し使用に対する静電特性の安定化に有効である。これらの中でも上記式(8)、(9)、(10)及び(11)で示される酸化防止剤が特に効果が高い。上記の通り、上記式(16)、(3)及び(4)で示される電荷輸送物質は、酸化性ガス雰囲気下において安定性が低い傾向があるが、これらの酸化防止剤を添加することによって酸化性ガス雰囲気下においても帯電低下を抑制することが可能となり、また画像流れを抑制する効果も得られ、高画質化に対し有効である。本発明においては、これらの酸化防止剤を少なくとも二種以上混合して用いることによって、より高い効果が得られ、さらにこれらの酸化防止剤と上記式(6)及び(7)で示される化合物とを混合して用いることにより、より一層高い効果が得られるため、本発明においては特に有効な方法である。それは、これらの材料は構造が異なることにより発現する効果も異なるためである。帯電器より発生するオゾンに対する酸化防止効果が高いものやNOxガスに対して有効なもの、静電疲労によって感光層内に蓄積した電荷のリリースによって起こる帯電低下の抑制に有効なもの、さらに画像流れや解像度低下、さらにゴーストの抑制に有効なものなど、材料の種類によって効果は様々である。そのため、これらを混合して用いることにより、多くの効果を得ることができ、その結果如何なる環境でも高画質画像を安定に提供することが可能となる。
化防止剤の添加量としては、電荷輸送物質に対して0〜20重量%が好ましく、0.1〜10重量%がより好ましい。添加量が多すぎると急激な残留電位上昇が見られる場合がある。また、添加量が少なすぎると、高濃度の酸化性ガス雰囲気下において解像度が低下したり、静電疲労による帯電低下が見られる場合がある。
レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー、オリゴマー等が使用され、その使用量はバインダー樹脂に対して0〜1重量%が好ましく、0.01重量%〜0.5重量%がより好ましい。これにより、感光層もしくは電荷輸送層の塗膜欠陥を防止することができ、平滑な膜を形成することができる。
剤は表面の滑り性を高め、像担持体表面の異物付着防止効果を得る目的で添加されることが多い。具体的には、シリコーンオイル類、シリコーン微粒子、フッ素樹脂微粒子、ワックス類等、従来公知の材料をそのまま使用することが可能である。添加量としては、バインダー樹脂に対して0〜30重量%が好ましく、1〜20重量%がより好ましい。
電荷輸送層の塗工方法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビードコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の公知の方法を用いることができる。塗工した後は指触乾燥後、オーブン等で加熱乾燥させて製造される。電荷輸送層の乾燥温度は、電荷輸送層の塗工液に含有される溶剤の種類によって異なるが、80〜150℃であることが好ましく、100〜140℃がより好ましい。このようにして得られた電荷輸送層の膜厚は通常10〜50μmで形成される。像担持体の耐久性を考慮すると膜厚は厚い方が好ましい。しかし、本発明においては電荷輸送層の膜厚は実機トランジット時間に大きく影響するため、一周目帯電低下の抑制効果を高める場合には膜厚は薄い方が有利であり、電界強度も高くなることから有効である。それらを考慮すると15〜40μmが好ましく、20〜35μmがより好ましい。
<単層感光層について
発明においては、感光層が単層構成であっても使用可能である。感光層は、前述の電荷発生物質、電荷輸送物質、バインダー樹脂等を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを導電性支持体上あるいは下引き層上に塗工及び乾燥することによって形成される。電荷発生物質及び電荷輸送物質(電子輸送物質及び正孔輸送物質)は、前述の電荷発生層及び電荷輸送層で挙げた材料を使用することが可能である。また、バインダー樹脂としては、前述の電荷輸送層で挙げた樹脂の他に、電荷発生層で挙げた樹脂を混合して用いてもよい。また、バインダー樹脂として前述の高分子電荷輸送物質も良好に使用できる。バインダー樹脂100重量部に対する電荷発生物質の量は5〜40重量部が好ましく、さらに好ましくは10〜30重量部であり、電荷輸送物質の量は0〜190重量部が好ましく、さらに好ましくは50〜150重量部である。
光層は、電荷発生物質、バインダー樹脂を電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、トルエン、メチルエチルケトン、アセトン等の溶剤に溶解ないし分散し、これを浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコートなどで塗工して形成できる。また、必要により可塑剤やレベリング剤、酸化防止剤、滑剤等の各種添加剤を添加することもできる。感光層の膜厚は5〜25μm程度が適当である。単層構成の感光層は、積層構成に比べて像担持体表面までの電荷輸送距離が短くなるが、電荷発生物質が分散された構成であるが故に、電荷移動におけるバラツキは大きくなるため、一周目帯電低下に対する効果としては必ずしも高くなるわけではない。単層構成でも有効ではあるが、本発明においては積層構成の方がより効果を発揮するに適している。
<下引き層について
本発明の像担持体においては、導電性支持体と感光層との間に下引き層を設けることができる。これら下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であるものを使用することが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ポリアミド(共重合ナイロン)、メトキシメチル化ポリアミド(ナイロン)等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、イソシアネート、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。
た、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために金属酸化物を含有させることも可能であり有効である。モアレとは、レーザー光のようなコヒーレント光による書き込みを行う際に感光層内部での光干渉によってモアレと呼ばれる干渉縞が画像に形成される画像欠陥の一種である。基本的に、入射されたレーザー光をこの下引き層によって光散乱させることによりモアレ発生を防止するため、屈折率の大きな材料を含有させる必要がある。モアレを防止する上では、バインダー樹脂に無機顔料を分散させた構成が最も有効である。使用される無機顔料としては、白色の顔料が有効に使用され、金属酸化物、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、フッ化カルシウム、酸化カルシウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化インジウム等挙げられる。
また、下引き層には、像担持体表面に帯電される電荷と同極性の電荷を、感光層から導電性支持体側へ移動できる機能を有することが残留電位の低減上好ましく、上記無機顔料はその役割をも果たしている。例えば、負帯電型の像担持体の場合、下引き層は電子伝導性を有することによって残留電位を低減できる。これらの無機顔料としては、前述の金属酸化物が有効に用いられるが、抵抗の低い無機顔料を用いたり、バインダー樹脂に対する無機顔料の添加比率を増加させたりすることによって残留電位を低減させる効果が高くなる反面、地汚れ抑制効果が低下する恐れもある。従って、感光体における下引き層の層構成や膜厚によってそれらを使い分けたり、添加量を調整したりすることによって、地汚れ抑制と残留電位低減の両立を図ることが必要である。モアレ防止、残留電位上昇及び地汚れの抑制と一周目帯電低下の抑制効果を考慮すると、上記金属酸化物の中でもとりわけ酸化チタンが最も有効に用いられる。
発明における下引き層の金属酸化物の平均一次粒径としては、0.01μm〜0.8μmが好ましく、0.05μm〜0.5μmがより好ましい。但し、個数平均の平均一次粒径が0.1μm以下の金属酸化物のみを用いた場合には、地汚れの低減に対し有効であるが、モアレ防止効果が低下する傾向があり、一方、個数平均の平均一次粒径が0.4μmよりも大きな金属酸化物のみを用いた場合には、モアレ防止効果に優れるものの、地汚れの抑制効果がやや低減する傾向が見られる。異なる平均一次粒径を有する金属酸化物を混合して用いることによって、地汚れの低減とモアレの低減を両立できる場合があり、また残留電位の低減や一周目帯電低下の抑制にも効果が見られ有効である。平均一次粒子径の異なる酸化チタンを混合したことによる効果は、酸化チタンが緻密に充填され、酸化チタン同士の接触面積が増加し、それにより下引き層内のトラップ電荷が減少するためであると考えられる。特に、一周目帯電低下の抑制に効果が見られることから、本発明においては非常に有効な方法である。
これらの下引き層は、バインダー樹脂、無機顔料(金属酸化物)を主成分とし、溶剤を含めた状態で湿式分散を行って塗工分散液を得ることができる。使用される溶剤は、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、ブタノール、シクロヘキサノン、ジオキサン等、及びこれらの混合溶剤が挙げられる。無機顔料は、溶剤及びバインダー樹脂と共に従来公知の方法、例えばボールミル、サンドミル、アトライター等により分散することにより塗工液を得ることができる。バインダー樹脂は分散前に添加しても分散後に樹脂溶液として添加してもよい。また、必要に応じて硬化(架橋)に必要な薬剤、添加剤、硬化促進剤等や無機顔料の分散性を高める目的で分散剤を加えることも可能である。これらの塗工液を用い、従来公知の方法、例えば浸漬塗工法、スプレーコート、リングコート、ビートコート、ノズルコート法などを用いて導電性基体上などに形成される。塗布後は乾燥や加熱、必要に応じて光照射等の硬化処理により乾燥あるいは硬化させることにより作製できる。下引き層の膜厚は含有させる無機顔料の種類によって異なるが、0〜20μmが好ましく、2〜10μmがより好ましい。
また、導電性支持体と下引き層の間もしくは下引き層と感光層もしくは電荷発生層との間にさらに樹脂層を設けることも可能である。樹脂層は、導電性支持体からのホールの注入を抑制するために加えられるもので、主目的は地汚れの抑制にある。樹脂層には、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ポリアミド(可溶性ナイロン)、共重合ポリアミド(共重合ナイロン)、メトキシメチル化ポリアミド(ナイロン)、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール等が挙げられる。この樹脂層を設けることによって、地汚れや帯電低下の抑制に大きな効果が得られる。本発明において、電荷輸送層に上記式(16)、(3)及び(4)で示される電荷注入性並びに電荷輸送性の優れた電荷輸送物質を用いた場合や、それらの電荷輸送物質にイオン化ポテンシャルがより低い材料を用いた場合、地汚れが悪化する副作用が見られる場合がある。これは、電荷輸送層を塗工後、電荷輸送物質が導電性支持体側に染み込んだことによって、導電性支持体からのホールの注入性が高まり、その結果地汚れや帯電低下の増加を引き起こしたものと考えられる。これは、上記の無機顔料を含有した下引き層を設けた場合でも確認された。しかし、導電性支持体と感光層もしくは電荷発生層との間に上記樹脂層を設けることで、導電性支持体からのホールの注入が抑制され、地汚れの発生や帯電低下の抑制に非常に高い効果を得ることができる。中でもポリアミド樹脂、特にN−メトキシメチル化ポリアミド(ナイロン)は、電荷注入を抑制する効果が高く、また残留電位に及ぼす影響が小さい上に、温湿度環境の影響が少なく、有効に用いられる。
脂層の厚さは、0.05〜2μmが適当であり、好ましくは0.5〜1.0μmがより好ましい。これより厚くなると一周目帯電低下量や残留電位が増加する場合がある。また、これより薄くなると電荷注入の抑制効果が低減し、地汚れや疲労による帯電低下が増加する場合がある。樹脂層の塗工方法としては、従来公知の方法、例えば浸漬塗工法、スプレーコート、リングコート、ビートコート、ノズルコート法などを用いることができる。
た、樹脂層と前記の下引き層の二層構成とすることも可能であり、これにより地汚れの抑制、モアレの抑制、残留電位の低減などの多くの効果が得られ、高画質化に対し有効である。
本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位上昇、帯電低下等を防止する目的で、電荷発生層、電荷輸送層、単層感光層、下引き層、樹脂層等の少なくとも1層に、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤及びレベリング剤を添加することが可能であり、有効である。これらの化合物の代表的な材料を以下に記す。
層に添加できる酸化防止剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
a)フェノール系化合
,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコールエステル、トコフェロール類など。
b)パラフェニレンジアミン
−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
c)ハイドロキノン
,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
d)有機硫黄化合物
ラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
e)有機燐化合物
リフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
各層に添加できる可塑剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
a)リン酸エステル系可塑
ン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニルなど。
b)フタル酸エステル系可塑
タル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチルデシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなど。
c)芳香族カルボン酸エステル系可塑
リメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、オキシ安息香酸オクチルなど。
d)脂肪族二塩基酸エステル系可塑
ジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチルなど。
e)脂肪酸エステル誘導
レイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、トリアセチン、トリブチリンなど。
f)オキシ酸エステル系可塑
セチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチルなど。
g)エポキシ可塑
ポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジデシルなど。
h)二価アルコールエステル系可塑
エチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラートなど。
i)含塩素可塑
素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル、メトキシ塩素化脂肪酸メチルなど。
j)ポリエステル系可塑
リプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート、ポリエステル、アセチル化ポリエステルなど。
k)スルホン酸誘導
−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチルアミド、p−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルアミドなど。
l)クエン酸誘導
エン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸−n−オクチルデシルなど。
m)その
ーフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン酸メチルなど。
各層に添加できる滑剤としては、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
a)炭化水素系化合物
流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、低重合ポリエチレンなど。
b)脂肪酸系化合
ウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸など。
c)脂肪酸アミド系化合
テアリルアミド、パルミチルアミド、オレインアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミドなど。
d)エステル系化合
肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステルなど。
e)アルコール系化合
チルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロールなど。
f)金属石け
テアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなど。
g)天然ワック
ルナウバロウ、カンデリラロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、イボタロウ、モンタンロウなど
h)その
リコーン化合物、フッ素化合物など。
各層に添加できる紫外線吸収剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
a)ベンゾフェノン
−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ4−メトキシベンゾフェノンなど。
b)サルシレート
ェニルサルシレート、2,4ジ−t−ブチルフェニル3,5−ジ−t−ブチル4ヒドロキシベンゾエートなど。
c)ベンゾトリアゾール
2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ3’−ターシャリブチル5’−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾールなど。
d)シアノアクリレート
チル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル2−カルボメトキシ3(パラメトキシ)アクリレートなど。
e)クエンチャー(金属錯塩系
ッケル(2,2’チオビス(4−t−オクチル)フェノレート)ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェートなど。
f)HALS(ヒンダードアミン
ス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなど。
以下、本発明を、実施例によりさらに詳説するが、本発明は以下の実施例のみに制約されて解釈されるものではない。なお、部はすべて重量部である
チタニルフタロシアニン結晶の合成
じめに、本発明に用いたチタニルフタロシアニン結晶の合成方法について述べる。合成は、特開2004−83859号公報に準じた。即ち、1,3−ジイミノイソインドリン292部とスルホラン1800部を混合し、窒素気流下でチタニウムテトラブトキシド204部を滴下する。滴下終了後、徐々に180℃まで昇温し、反応温度を170℃〜180℃の間に保ちながら5時間撹拌して反応を行った。反応終了後、放冷した後、析出物を濾過し、クロロホルムで粉体が青色になるまで洗浄し、次にメタノールで数回洗浄し、更に80℃の熱水で数回洗浄した後乾燥し、粗チタニルフタロシアニンを得た。粗チタニルフタロシアニンを20倍量の濃硫酸に溶解し、100倍量の氷水に撹拌しながら滴下し、析出した結晶を濾過し、次いで、洗浄液が中性になるまでイオン交換水(pH:7.0、比伝導度:1.0μS/cm)により水洗いを繰り返し(洗浄後のイオン交換水のpH値は6.8、比伝導度は2.6μS/cmであった)、チタニルフタロシアニン顔料のウェットケーキ(水ペースト)を得た。
得られたこのウェットケーキ(水ペースト)40部をテトラヒドロフラン200部に投入し、室温下でホモミキサー(ケニス、MARKIIfモデル)により強烈に撹拌(2000rpm)し、ペーストの濃紺色の色が淡い青色に変化したら(撹拌開始後20分)、撹拌を停止し、直ちに減圧濾過を行った。濾過装置上で得られた結晶をテトラヒドロフランで洗浄し、顔料のウェットケーキを得た。これを減圧下(5mmHg)、70℃で2日間乾燥して、チタニルフタロシアニン結晶8.5部を得た。これを顔料1とする。前記ウェットケーキの固形分濃度は、15質量%であった。結晶変換溶媒は、前記ウェットケーキに対する質量比で33倍の量を用いた。なお、合成例1の原材料には、ハロゲン含有化合物を使用していない。得られたチタニルフタロシアニン粉末を、下記の条件によりX線回折スペクトル測定したところ、Cu−Kα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θが27.2±0.2°に最大ピークと最低角7.3±0.2°にピークを有し、更に9.4±0.2°、9.6±0.2°、24.0±0.2°に主要なピークを有し、かつ7.3°のピークと9.4°のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有さないチタニルフタロシアニン粉末を得られた。その結果を図17に示す。
<X線回折スペクトル測定条件
線管球:C
圧:50k
流:30m
査速度:2°/min
査範囲:3°〜40°
定数:2sec
販のビーズミル分散機に直径0.5mmのPSZボールを用い、ポリビニルブチラールを溶解した2−ブタノン溶液及び上記顔料を投入し、ローター回転数1200rpmにて30分間分散を行い、分散液を作製した。
(アゾ顔料の合成
許第3026645号公報に記載の方法に準じて作製した。
ールミル分散機に直径10mmのPSZボールを用い、ポリビニルブチラールを溶解したシクロヘキサノン溶液及び上記アゾ顔料を投入し、回転数85rpmにて7日間分散を行い、分散液を作製した。
(像担持体製造例1
径30mmのアルミニウムシリンダー上に下記組成の樹脂層用塗工液、下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、及び電荷輸送層用塗工液を、浸漬塗工法により順次塗布し、オーブンで乾燥を行い、約0.7μmの樹脂層と、約3.5μmの下引き層と、約0.2μmの電荷発生層と、約27μmの電荷輸送層とを形成した。なお、各層の乾燥条件は、樹脂層は130℃で10分、下引き層は130℃、電荷発生層は90℃、電荷輸送層は135℃とし、各20分間乾燥を行った。これにより像担持体を作製した。
樹脂層形成用塗工液
N−メトキシメチル化ナイロン(FR101:鉛市社製):5
メタノール:70
n−ブタノール:30
下引き層用塗工液
酸化チタン(CR−EL、平均一次粒径:約0.25μm、石原産業社製):50
酸化チタン(PT−401M、平均一次粒径:約0.07μm、石原産業社製):20
アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50、固形分:50%、大日本インキ化
学工業社製):14
メラミン樹脂(L−145−60、固形分:60%、大日本インキ化学工業社製):8
2−ブタノン 70
電荷発生層用塗工液
図17のX線回折スペクトルを示すチタニルフタロシアニン(イオン化ポテンシャル 5.27eV):8
ポリビニルブチラール(BX−1、積水化学工業社製):5部
2−ブタノン 400部
(電荷輸送層用塗工液
ポリカーボネート(商品名Zポリカ、帝人化成社製):10
上記化合物No.14で示される電荷輸送物質(イオン化ポテンシャル 5.24eV):7
シリコーンオイル(1cm/s(100cSt)、信越化学社製):0.002
テトラヒドロフラン:100
下記構造式で示されるアルキルアミノ基を有する化合物:1部
Figure 0005206026
・下記構造式で示される酸化防止剤:0.03部
Figure 0005206026
(像担持体製造例2
担持体製造例1において、電荷輸送層に含有される電荷輸送物質を、上記化合物No.12で示される化合物(イオン化ポテンシャル 5.28eV)に変更した以外は、すべて像担持体製造例1と同様にして像担持体を作製した。
(像担持体製造例3
担持体製造例1において、電荷輸送層に含有される電荷輸送物質を、上記化合物No.7で示される化合物(イオン化ポテンシャル 5.20eV)に変更した以外は、すべて像担持体製造例1と同様にして像担持体を作製した。
(像担持体製造例4
担持体製造例1において、電荷輸送層に含有される電荷輸送物質を、上記化合物No.4で示される化合物(イオン化ポテンシャル 5.31eV)に変更した以外は、すべて像担持体製造例1と同様にして像担持体を作製した。
(像担持体製造例5
担持体製造例1において、電荷輸送層に含有される電荷輸送物質を、上記化合物No.13で示される化合物(イオン化ポテンシャル 5.24eV)に変更した以外は、すべて像担持体製造例1と同様にして像担持体を作製した。
(像担持体製造例6
担持体製造例1において、電荷輸送層に含有される電荷輸送物質を、上記化合物No.17で示される化合物(イオン化ポテンシャル 5.39eV)に変更した以外は、すべて像担持体製造例1と同様にして像担持体を作製した。
(像担持体製造例7
担持体製造例1において、電荷輸送層に含有される電荷輸送物質を、上記化合物No.41で示される化合物(イオン化ポテンシャル 5.27eV)に変更した以外は、すべて像担持体製造例1と同様にして像担持体を作製した。
(像担持体製造例8
担持体製造例1において、電荷輸送層に含有される電荷輸送物質を、上記化合物No.51で示される化合物(イオン化ポテンシャル 5.36eV)に変更した以外は、すべて像担持体製造例1と同様にして像担持体を作製した。
(像担持体製造例9
担持体製造例1において、電荷輸送層に含有される電荷輸送物質を、下記構造式で示されるα−フェニルスチルベン誘導体(イオン化ポテンシャル 5.39eV)に変更した以外は、すべて像担持体製造例1と同様にして像担持体を作製した。
Figure 0005206026
(像担持体製造例10
担持体製造例1において、電荷輸送層に含有される電荷輸送物質を、下記構造式で示されるα−フェニルスチルベン誘導体(イオン化ポテンシャル 5.26eV)に変更した以外は、すべて像担持体製造例1と同様にして像担持体を作製した。
Figure 0005206026
(像担持体製造例11
担持体製造例1において、電荷輸送層に含有される電荷輸送物質を、下記構造式で示されるα−フェニルスチルベン誘導体(イオン化ポテンシャル 5.50eV)に変更した以外は、すべて像担持体製造例1と同様にして像担持体を作製した。
Figure 0005206026
(像担持体製造例12
担持体製造例1において、電荷輸送層に含有される電荷輸送物質を、下記構造式で示されるアミノビフェニル誘導体(イオン化ポテンシャル 5.38eV)に変更した以外は、すべて像担持体製造例1と同様にして像担持体を作製した。
Figure 0005206026
(像担持体製造例13
担持体製造例1において、電荷輸送層に含有される電荷輸送物質を、下記構造式で示されるスチルベン誘導体(イオン化ポテンシャル 5.37eV)に変更した以外は、すべて像担持体製造例1と同様にして像担持体を作製した。
Figure 0005206026
(像担持体製造例14
担持体製造例1において、電荷輸送層に含有される電荷輸送物質を、下記構造式で示されるベンジジン誘導体(イオン化ポテンシャル 5.37eV)に変更した以外は、すべて像担持体製造例1と同様にして像担持体を作製した。
Figure 0005206026
(像担持体製造例15
担持体製造例1において、電荷輸送層のバインダー樹脂にポリアリレートを使用した以外は、すべて像担持体製造例1と同様にして、像担持体を作製した。
ポリアリレート(商品名Uポリマー100、ユニチカ社製):10部
(像担持体製造例16
担持体製造例1において、電荷輸送層を下記の電荷輸送層塗工液を用いて形成した以外は、すべて像担持体製造例1と同様にして、像担持体を作製した。
電荷輸送層用塗工液
下記構造式の高分子電荷輸送物質(重量平均分子量175000、イオン化ポテンシャル 5.41eV):17部
Figure 0005206026

・シリコーンオイル(1cm/s(100cSt)、信越化学社製):0.002
テトラヒドロフラン:100部
(像担持体製造例17
担持体製造例1において、電荷輸送層を下記の電荷輸送層塗工液を用いて形成した以外は、すべて像担持体製造例1と同様にして、像担持体を作製した。
電荷輸送層用塗工液
下記構造式の高分子電荷輸送物質(重量平均分子量175000、イオン化ポテンシャル 5.41eV):12部
Figure 0005206026
・下記構造式で示されるα−フェニルスチルベン誘導体(イオン化ポテンシャル 5.39eV):5部
Figure 0005206026
・シリコーンオイル(1cm/s(100cSt)、信越化学社製):0.002
テトラヒドロフラン:100部
(像担持体製造例18
担持体製造例17において、α−フェニルスチルベン誘導体を下記構造に示されるα−フェニルスチルベン誘導体(イオン化ポテンシャル 5.26eV)に変更した以外は、すべて像担持体製造例17と同様にして、像担持体を作製した。
Figure 0005206026
(像担持体製造例19
担持体製造例17において、α−フェニルスチルベン誘導体を化合物No.17のジスチリルベンゼン誘導体(イオン化ポテンシャル 5.39eV)に変更した以外は、すべて像担持体製造例17と同様にして、像担持体を作製した。
像担持体製造例20
担持体製造例4において、電荷輸送物質の含有量を7部から4部に変更した以外は、すべて像担持体製造例4と同様にして、像担持体を作製した。
像担持体製造例21
担持体製造例4において、電荷輸送物質の含有量を7部から2部に変更した以外は、すべて像担持体製造例4と同様にして、像担持体を作製した。
(像担持体製造例22
担持体製造例9において、電荷発生層を下記組成の電荷発生層形成用塗工液を用いて塗工し、また電荷輸送層を下記組成の電荷輸送層用塗工液を用いて塗工した以外は、すべて像担持体製造例9と同様にして、像担持体を作製した。
電荷発生層形成用塗工液
下記構造式で示されるアゾ顔料(イオン化ポテンシャル 5.82eV):5
ポリビニルブチラール(商品名 BM−S、積水化学社製):1.5部
Figure 0005206026
・シクロヘキサノン:250
2−ブタノン:100
電荷輸送層形成用塗工液
ポリカーボネート(商品名Zポリカ、帝人化成社製):10
下記構造式で示されるα−フェニルスチルベン誘導体(イオン化ポテンシャル 5.39eV):7部
Figure 0005206026
・シリコーンオイル(1cm/s(100cSt)、信越化学社製):0.002
テトラヒドロフラン:100
下記構造式で示される酸化防止剤:0.03部
Figure 0005206026
(像担持体製造例23
担持体製造例22において、電荷輸送層形成用塗工液に含有される電荷輸送物質を、上記化合物No.17で示される化合物(イオン化ポテンシャル 5.39eV)に変更し、さらに下記酸化防止剤を0.07部追加した以外は、すべて像担持体製造例22と同様にして、像担持体を作製した。
Figure 0005206026
(像担持体製造例24
担持体製造例1において、アルキルアミノ基を有する化合物の代わりに、下記化合物に変更した以外は、すべて像担持体製造例1と同様にして、像担持体を作製した。
Figure 0005206026
(像担持体製造例25
担持体製造例1において、下記酸化防止剤を0.3部加えた以外は、すべて像担持体製造例1と同様にして、像担持体を作製した。
Figure 0005206026
(像担持体製造例26
担持体製造例1において、下記酸化防止剤を0.3部加えた以外は、すべて像担持体製造例1と同様にして、像担持体を作製した。
Figure 0005206026
(像担持体製造例27
担持体製造例1において、下記酸化防止剤を0.3部加えた以外は、すべて像担持体製造例1と同様にして、像担持体を作製した。
Figure 0005206026
(像担持体製造例28
担持体製造例1において、アルキルアミノ基を有する化合物を無添加とした以外は、すべて像担持体製造例1と同様にして、像担持体を作製した。
(像担持体製造例29
担持体製造例28において、下記構造式で示されるアルキルアミノ基を有する化合物を1部添加した以外は、すべて像担持体製造例28と同様にして、像担持体を作製した。
Figure 0005206026
(像担持体製造例30
担持体製造例1において、樹脂層を設けなかった以外は、すべて像担持体製造例1と同様にして、像担持体を作製した。
像担持体製造例31)
像担持体製造例1において、下引き層を設けなかった以外は、すべて像担持体製造例1と同様にして、像担持体を作製した。
(実機トランジット時間の測定
上のようにして作製された像担持体を、図4(特開2000−275872号公報)に記載された装置にセットし、以下の手順により実機トランジット時間の測定を行った。
担持体の線速を262(msec)、露光装置2と第2の表面電位計6との角度を155°(露光してから露光部電位が測定されるまでの時間:155(msec))に固定し、第1の表面電位計5によって未露光部電位が800(−V)になるように帯電装置2により像担持体を帯電し、その後露光装置3により所定の露光照射エネルギーで像担持体に露光し、第2の表面電位計6によって露光後の電位を計測し、その後除電装置4にて除電を行った。露光時の画素密度は400(dpi)、露光波長は655nmとした。なお、実機トランジット時間は、露光波長の影響は受けず、少なくとも780nmで露光した場合と違いがほとんどないことを確認済みである。
けて、露光照射エネルギー強度を徐々に高くしながら、上記と同様にして帯電、露光及び除電を繰り返し、図5に示されるような光減衰曲線を得た。この光減衰曲線より図5に示されるようにして屈曲店を求め、これを露光部電位とした。
に、露光装置2と第2の表面電位計6との角度を下記の条件に設定して帯電、露光及び除電を繰り返し、それぞれの条件で図5に示される光減衰曲線を作成し、露光手段によって露光してから第2の表面電位計で露光部電位を測定するまでの時間が20〜155msecの間で15点の露光部電位測定値を得た。
露光装置と第2の表面電位計との角度(露光してから露光部電位が測定されるまでの時間):155°(155msec)、120°(120msec)、100°(100msec)、90°(90msec)、80°(80msec)、70°(70msec)、60°(60msec)、55°(55msec)、50°(50msec)、45°(45msec)、40°(40msec)、35°(35msec)、30°(30msec)、25°(25msec)、20°(20msec
らに、露光してから第2の表面電位計で露光部電位を測定するまでの時間、20〜155msecに対し、得られた露光部電位値をプロットして、図6の如く屈曲点を求め、本発明における実機トランジット時間を得た。なお、図6には屈曲点がいくつか見られる場合があるが、本発明においては、露光してから露光部電位を測定するまでの時間が短くなるに従って、最初に電位が立ち上がる点(図6中、第1の屈曲点)を実機トランジット時間とした。
担持体製造例1〜21で得られた各像担持体について、上記の如く実機トランジット時間(実機Tr時間)を測定した。それらの結果を表2に示す。
(実施例1〜21、比較例1〜10
上のようにして作製された像担持体を、プロセスカートリッジに装着し、グリッドの幅が10mmのスコロトロンチャージャーを用いた帯電手段、780nmの半導体レーザを用いた露光手段を搭載し、現像部には現像手段の代わりに、表面電位計に接続されたプローブを取り付けた現像ユニットを装着し、転写手段及びクリーニング手段を除去し、除電手段として660nmのLEDを取り付けた、リコー製デジタル複写機の改造機を用いて評価を行った。像担持体の線速は127mm/sec(像担持体の回転速度:80.9(rpm)、帯電時間:78.7(msec))である。また、像担持体の未露光部電位は、−800Vになるように印加電圧を設定した。
評価は、白ベタ画像(光書き込みなし)を5枚出力し、1枚目と3枚目の未露光部電位(VD)の差を測定し、これを一周目帯電低下量(ΔVD)とした。続いて、黒ベタ画像(全面光書き込み)を5枚出力し、5枚目における電位を露光部電位(VL)とした。その後、現像剤が充填された現像ユニットやクリーニング及び転写ユニットをセットして、画像出力を行った。画像はいずれも良好であった。
の後、すべての像担持体について、3万枚に至る通紙ラン試験を行った。通紙ラン試験終了後、像担持体は暗所で10分間放置し、その間に再び現像部には表面電位計に接続されたプローブを取り付けた現像ユニットを装着し、転写手段及びクリーニング手段を除去して、上記と同様に白ベタ画像を5枚出力し、1枚目と3枚目の未露光部電位差(ΔVD)を測定し、続いて黒ベタ画像を5枚出力し、露光部電位(VL)を測定した。さらに、像担持体を暗所で更に10分間放置し、その間に再び現像剤が充填された現像ユニット及び転写手段やクリーニング手段をセットして、その後像担持体の一回転目において白ベタ画像を出力し、続けて黒ベタ画像及びハーフトーン画像を出力し、それらの白ベタ画像及びハーフトーン画像について評価を行った。これらの結果を表1に示す。なお評価項目に関する説明は下記表のとおりである。
Figure 0005206026
Figure 0005206026
(比較例11〜13
記像担持体3、17及び20について、上記リコー製デジタル複写機の改造機の代わりに、像担持体の線速が150mm/sec(像担持体の回転速度:95.5(rpm)、帯電時間:66.7(msec))のリコー製デジタル複写機の改造機で評価した以外は、すべて同様にして評価を行った。これらの結果を表3に示す。
Figure 0005206026
以上の結果から、実機トランジット時間が帯電時間を超えた場合には、通紙ラン試験後において著しい一周目帯電低下を引き起こしているが、それが帯電時間以下の場合に大幅に抑制されていることが明らかである。特に、電荷輸送層に含有される電荷輸送物質に式(16)、(3)及び(4)に示される化合物を採用することによって、実機トランジット時間が大幅に短縮されており、それに伴って一周目帯電低下が抑制されていることが確認でき、本発明において式(16)に示される化合物が非常に有効であることが明らかとなった。
た、電荷輸送物質のイオン化ポテンシャルは、電荷発生物質のイオン化ポテンシャルとの間に式(5)で示される関係が満たされた場合に、通紙ラン試験後の露光部電位が大幅に低減され、高画質化並びに画質安定化に対し有効であることが確認できた。
た、高分子電荷輸送物質を単独で用いた場合には効果は得られなかったが、バインダー樹脂として高分子電荷輸送物質を用い、さらに電荷輸送物質を添加した場合は、実機トランジット時間が短縮化され、一周目帯電低下の抑制に対し効果が高まることがわかった。さらに、この場合も式(16)に示される化合物を電荷輸送物質として用いた場合に、非常に高い効果が得られることが明らかとなった。しかし、高分子電荷輸送物質と電荷輸送物質を混合させた場合でも、それらのイオン化ポテンシャル差が0.1eV以上有する場合には、露光部電位上昇が顕著に認められた。
また、電荷輸送層に上記式(6)及び(7)で示されるアルキルアミノ基を有する化合物を無添加とした場合、通紙ラン試験後において若干解像度が低下している様子が観察された。特に、イオン化ポテンシャルの小さい電荷輸送物質は通紙ラン試験後において解像度が低下する傾向が見られたが、上記式(6)及び(7)で示されるアルキルアミノ基を有する化合物を含有させることによって、解像度の低下を抑制でき、高画質化に特に有効であることが確認された。但し、上記式(6)及び(7)以外のアルキルアミノ基を有する化合物を含有しても、解像度低下の抑制効果はほとんど認められなかった。
た、本発明の酸化防止剤を電荷輸送層に含有させることによって、良好な画像が得られることが確認されたが、本発明以外の酸化防止剤を含有させると、露光部電位の顕著な上昇が見られており、本発明の画像形成装置の効果が半減することが確認された。
らに、電荷発生物質にアゾ顔料を用いた場合でも、一周目帯電低下が発生することは確認されたが、電荷発生物質にチタニルフタロシアニンを用いた場合と同様の効果が得られた。特に、本発明においては、電荷発生物質としてチタニルフタロシアニンもしくは非対称アゾ顔料を用いることによって、高感度化が達成でき、かつ残留電位の低減、そして一周目帯電低下の抑制を両立でき、非常に有効であることが確認された。
上の結果から、本発明の画像形成方法並びに装置が、一周目帯電低下の抑制に非常に有効であり、帯電時間の短縮に余裕度が得られ、画像形成装置の高速化、小型化、フルカラー化、さらに操作後画像出力までの時間の短縮化が実現可能な画像形成方法並びに画像形成装置が提供された。
電荷輸送層のトランジットタイムを説明するための概略図(矩形型波形)である。 電荷輸送層のトランジットタイムを説明するための別の概略図(分散型波形)である。 電荷輸送層のトランジットタイムを説明するための別の概略図である。 本発明の実機トランジット時間を測定するために用いられる装置の概略図である。 本発明の実機トランジット時間を測定するために用いられる装置によって得られた光減衰曲線である。 本発明の実機トランジット時間を求める方法を示す概略図である。 スコロトロン方式の帯電手段における帯電幅の説明図である。 接触型ローラー方式の帯電手段における帯電幅の説明図である。 近接配置型ローラー方式の帯電手段の説明図である。 本発明における画像形成プロセスを説明するための概略図である。 本発明における画像形成プロセスを説明するための別の概略図である。 本発明のプロセスカートリッジを説明するための概略図である。 本発明における像担持体の層構成を示す概略図である。 本発明における像担持体の層構成を示す別の概略図である。 本発明における像担持体の層構成を示す別の概略図である。 本発明における像担持体の層構成を示す別の概略図である。 本発明における像担持体の層構成を示す別の概略図である。 本発明における像担持体の層構成を示す別の概略図である。 実施例で用いた電荷発生物質のX線回折スペクトル図であり、縦軸は1秒当りのカウント数(cps:counts per second)を表し、横軸は角度(2θ)を表す。
1C、1M、1Y、1K 感光
C、2M、2Y、2K 帯電部
C、3M、3Y、3K レーザー
C、4M、4Y、4K 現像部
C、5M、5Y、5K クリーニング部
C、6M、6Y、6K 画像形成要
1C、11M、11Y、11K 転写ブラ
1 像担持
2 除電ラン
3 帯電チャージャ
4 画像露光
5 現像ユニッ
6 転写前チャージャ
7 レジストロー
8 転写
9 転写チャージャ
0 分離チャージャ
1 分離
2 クリーニング前チャージャ
3 ファーブラ
4 ブレー
01 ドラ
02 接触帯電装
03 像露光
04 現像装
05 転写
06 接触転写装
07 クリーニングユニット

Claims (14)

  1. 導電性支持体上に、少なくとも下記一般式(3)及び/又は(4)で表される電荷輸送物質を含む感光層を有する像担持体を用い、少なくとも該像担持体を帯電させる帯電手段と、該像担持体上に静電潜像を形成する露光手段と、該像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像手段を有する画像形成装置において、
    機トランジット時間T1(msec)と帯電時間T2(msec)とが式(1)の関係を満たす
    T1 ≦ T2………(1)
    ことを特徴とする画像形成装置。
    〔但し、実機トランジット時間T1とは、像担持体に露光してから表面電位計で露光部電位を測定するまでの時間を短縮化させ、露光部電位に対してプロットしたときに、露光部電位が最初に立ち上がる屈曲点と定義する。また、帯電時間T2は、式(2)で定義される。
    電時間T2(msec)=帯電手段の帯電幅(mm)/像担持体の線速(mm/msec)………(2)〕
    Figure 0005206026
    (上式中、R 〜R 33 は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、置換もしくは無置換のフェニル基を表し、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
    Figure 0005206026
    (上式中、R 34 〜R 57 は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、置換もしくは無置換のフェニル基を表し、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
  2. 前記感光層もしくは電荷発生層に含有される電荷発生物質のイオン化ポテンシャル(Ip CGM )と前記感光層もしくは電荷輸送層に含有される電荷輸送物質のイオン化ポテンシャル(Ip CTM )が、式(5)の関係を満たす
    Ip CGM −Ip CTM ≧−0.1(eV)………(5)
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記感光層もしくは電荷輸送層が、バインダー樹脂として高分子電荷輸送物質を含有する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記感光層もしくは電荷輸送層に、下記一般式(6)及び(7)で示されるアルキルアミノ基を有する化合物の少なくとも一種を含有する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
    Figure 0005206026
    (上式中、Ar は置換もしくは無置換のアリーレン基を表す。Ar 及びAr は置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基を表し、各々同一でも異なっていてもよい。R 58 及びR 59 は置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基を表し、各々同一でも異なっていてもよい。また、Ar 及びR 58 、Ar 及びR 59 は互いに結合し、窒素原子を含む置換もしくは無置換の複素環基を形成してもよい。)
    Figure 0005206026
    (上式中、Ar は置換もしくは無置換のアリーレン基を表す。R 60 〜R 63 は置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基を表し、各々同一でも異なっていてもよい。nは1又は2の整数を表す。)
  5. 前記感光層もしくは電荷輸送層に、下記一般式(8)〜(11)で示される酸化防止剤の少なくとも二種を含有する
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
    Figure 0005206026
    (上式(10)中、nは12〜18の整数を表す。)
    Figure 0005206026
    (上式中、Ar は置換もしくは無置換のアリール基を表す。R 64 は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。)
  6. 前記感光層もしくは電荷発生層が、電荷発生物質としてチタニルフタロシアニン顔料を含有する
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記チタニルフタロシアニン顔料が、CuKα特性X線(1.542Å)を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラック角度(2θ±0.2°)のうちの少なくとも27.2°に最大強度の回折ピークを有し、9.4°、9.6°、24.0°に主要ピークを有し、7.3°に最小角度の回折ピークを有し、前記7.3°と9.4°との間に回折ピークを有さず、26.3°に回折ピークを有さない
    ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記感光層もしくは電荷発生層が、電荷発生物質として下記一般式(12)で示される非対称ビスアゾ顔料を含有する
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置。
    Figure 0005206026
    〔上式中、R 201 及びR 202 はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基のいずれかを表し、同一でも異なっていてもよい。Cp 及びCp はカップラー残基を表し、下記(13)式で表され、Cp 及びCp は互いに異なる。
    Figure 0005206026
    (上式中、R 203 は、水素原子、アルキル基、アリール基を表す。R 204 、R 205 、R 206 、R 207 、R 208 はそれぞれ、水素原子、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、アルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、水酸基を表し、Zは置換もしくは無置換の芳香族炭素環又は置換もしくは無置換の芳香族複素環を構成するのに必要な原子群を表す。)〕
  9. 前記帯電手段が、スコロトロンチャージャーである
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の画像形成装置。
  10. 前記スコロトロンチャージャーが、複数のワイヤーを有する
    ことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 像担持体と、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段及び除電手段より選択される少なくとも一つの手段からなる画像形成要素を複数配列したタンデム方式である
    ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の画像形成装置。
  12. 像担持体と、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段及び除電手段より選択される少なくとも一つの手段とが一体となり、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジを搭載する
    ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の画像形成装置。
  13. 請求項12に記載の画像形成装置に着脱可能であり、像担持体と、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段及び除電手段より選択される少なくとも一つの手段とが一体となっている
    ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  14. 導電性支持体上に、少なくとも下記一般式(3)及び/又は(4)で表される電荷輸送物質を含む感光層を有する像担持体を用い、少なくとも該像担持体を帯電させる帯電手段と、該像担持体上に静電潜像を形成する露光手段と、該像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像手段を有し、該像担持体の回転速度が80(rpm)以上である画像形成方法において、
    実機トランジット時間T1(msec)と帯電時間T2(msec)とが式(1)の関係を満たす
    T1 ≦ T2………(1)
    ことを特徴とする画像形成方法。
    〔但し、実機トランジット時間T1とは、像担持体に露光してから表面電位計で露光部電位を測定するまでの時間を短縮化させ、露光部電位に対してプロットしたときに、露光部電位が最初に立ち上がる屈曲点と定義する。また、帯電時間T2は、式(2)で定義される。
    帯電時間T2(msec)=帯電手段の帯電幅(mm)/像担持体の線速(mm/msec) ………(2)〕
    Figure 0005206026
    (上式中、R 〜R 33 は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、置換もしくは無置換のフェニル基を表し、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
    Figure 0005206026
    (上式中、R 34 〜R 57 は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、置換もしくは無置換のフェニル基を表し、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
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