JP5189973B2 - 回転装置 - Google Patents

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Description

本出願は、2006年4月25日に出願された日本国特許出願第2006−120096号に基づく優先権を主張する。その出願の全ての内容はこの明細書中に参照により援用されている。
本発明は、回転盤の回転角を精密に制御できる回転装置に関する。
例えば、加工対象物を回転させることによって加工しやすくする装置が必要とされており、そのために回転装置が開発されている。この種の回転装置は、加工対象物を固定する回転盤を備えており、モータの回転を減速装置で減速して回転盤を回転させる。回転装置の一例が、特開平11−347868号公報(特許文献1)に開示されている。特許文献1の回転装置は、モータの出力軸に減速装置が取り付けられており、減速装置の出力軸にピニオンが固定されており、そのピニオンが回転盤の内周に形成されている内歯に噛み合っている。
大きな減速比が実現でき、バックラッシュが小さくて位置決めの再現性が高い減速装置が必要とされており、その要求に応えることができる減速装置が特公平5−13794号公報(特許文献2)に開示されている。特許文献2の減速装置は、クランク軸と外歯歯車と内歯歯車を備えている。クランク軸は、その一部に、クランク軸が自転すると偏心回転する偏心カムを備えている。外歯歯車は、その偏心カムに係合する孔を備えており、偏心カムが偏心回転すると外歯歯車は公転する。内歯歯車は、外歯歯車の歯数と異なる歯数を有しており、外歯歯車の公転を許容しながら外歯歯車に噛み合った状態で外歯歯車を囲んでいる。
この減速装置では、外歯歯車の自転を拘束すると、内歯歯車が自転する。逆に、内歯歯車の自転を拘束すると、外歯歯車が公転しつつ自転する。この形式の減速装置は、内接式遊星ギア形式の減速装置と呼ばれることがある。
この種の回転装置では、回転盤の回転角を正確に検出する必要がある。その必要に応えるために、回転盤から伸びて回転盤と一体に自転する軸(円柱棒)を必要とすることが多い。回転盤に回転盤と一体に自転する軸(円柱棒)が用意されていると、その円柱棒に回転角検出手段を取り付けることができ、回転盤の回転角を検出することが可能となる。あるいは、回転盤に取り付ける物体に対して、回転盤の側からホースやケーブル類を接続することが必要とされることもある。この場合には、回転盤の中心に孔を設けてホースやケーブル類を通過させる。この種の回転装置では、回転盤の裏面に、円柱棒あるいはホースやケーブル類が通過できる空間を必要とする。
回転盤の裏面に円柱棒やホースやケーブル類が通過できる空間を必要とするために、従来の回転装置では、回転盤と減速装置を同軸に配置することができない。減速装置の出力軸は、回転盤の中心軸から距離を隔てた位置でその中心軸と平行に伸びている。
減速装置の出力軸が回転盤の中心軸から距離を隔てた位置でその中心軸と平行に伸びているレイアウトでは、回転装置をコンパクトに構成できない。回転盤の中心軸と減速装置の出力軸を同軸に配置することができれば、回転盤の裏面の空間を利用して回転装置をコンパクトに構成することができる。しかしながら、減速装置の出力軸を回転盤の中心軸からオフセットしているレイアウトでは、回転盤の裏面の空間を有効に利用することができない。
本発明は、回転盤の裏面に円柱棒やホースやケーブル類が通過できる空間を確保するのと同時に、回転盤の中心軸と減速装置の出力軸を同軸に配置することによって、回転盤の裏面の空間を有効に利用して回転装置をコンパクトに構成することを課題とする。
本発明の回転装置は、内接式遊星ギア形式の減速装置であれば、回転盤の中心軸と減速装置の出力軸を同軸に配置しても、回転盤の裏面に円柱棒やホースやケーブル類が通過できる空間を確保できるという知見に立脚して想到された。すなわち、内接式遊星ギア形式の減速装置を用いれば、その減速装置の中心軸に沿って円柱棒やホースやケーブル類が通過できる空間を確保することができることから、回転盤の中心軸と減速装置の出力軸を同軸に配置しても、回転盤の裏面に円柱棒やホースやケーブル類が通過できる空間を確保できるという知見を活用する。
本発明の回転装置は、減速装置と回転盤と円柱棒を有している。
減速装置は、その自転にともなって偏心回転する偏心回転部が形成されている入力軸と、その偏心回転部に係合して公転するとともに中央部分に貫通孔が形成されている外歯歯車と、外歯歯車を支持しているキャリアと、外歯歯車の公転を許容しながら外歯歯車を囲んで外歯歯車と噛み合うとともに外歯歯車の歯数と異なる歯数を有している内歯歯車を備えている。
回転盤は、キャリア又は内歯歯車のいずれか一方に固定されている。
円柱棒は、回転盤から外歯歯車を貫通して入力軸よりも長く伸びているとともに回転盤と一体に自転する。円柱棒は、回転盤に直接固定してもかまわないし、回転盤に固定されているキャリア又は内歯歯車の一方に固定してもよい。
回転装置は、モータからトルクが加えられて減速装置の入力軸が自転すると、減速装置で減速し、キャリア又は内歯歯車に固定されている回転盤を自転させる。
また、本発明の回転装置は、円柱棒に回転盤の回転角を検出する回転角検出手段が取り付けられており、その回転角検出手段からの検出信号によりモータの動作を制御する制御装置が付加されている。
この回転装置によると、回転盤の回転角を検出して制御することができる。回転角検出手段を回転盤に設置すると、回転角検出手段が回転盤に取り付けられる被加工物と誤って接触することがある。回転角検出手段を円柱棒にとりつければ、そのような不具合は生じない。
本発明の回転装置では、内接式遊星ギアを備えた減速装置を使用する。内接式遊星ギアを利用した減速装置は、コンパクトで大きな減速比が得られ易い。また、外歯歯車の中央部分に貫通孔を形成することができ、その貫通孔を使って円柱棒やホースやケーブル類を通過させることができる。
本発明の回転装置では、減速装置と回転盤の間にトルク伝達用の歯車を必要としない。そのため、装置の構造を簡単にし、コンパクトにすることができる。また、減速装置の出力軸と回転盤が一体に自転するため、減速装置と回転盤の間にバックラッシュが発生しない。回転盤の回転角を正確に制御することが可能となる。
本発明の回転装置では、円柱棒の中心に貫通孔が形成されていることが好ましい。
この回転装置によると、貫通孔の内部に配管や配線を通すことができる。被加工物に取り付ける配線等が貫通孔の内部を通過することができるため、装置の周囲に配線等が散乱することを防止できる。
本発明の回転装置では、回転盤の回転軸方向における回転盤の表面から円柱棒の回転盤とは反対側の端部までの距離が、モータの出力軸の回転軸方向におけるモータの出力軸の先端からモータの出力軸とは反対側の端部までの距離よりも長いことが好ましく、さらに、回転盤の表面を含んで回転盤の中心軸に直交する面と、円柱棒の回転盤とは反対側の端部を含んで回転盤の中心軸に直交する面との間に、モータを配置することが好ましい。
上記の回転装置によると、回転装置の回転軸に沿った距離は、その回転軸に沿った回転盤の距離と、その回転軸に沿った減速装置の距離で決まる。さらに、モータを上記の位置に配置することにより、回転装置の回転軸に沿った距離を必要最小限に留めることができる。それにより、コンパクトな回転装置を実現することができる。
本発明の回転装置では、減速装置の入力軸が、円柱棒の外周側に同軸に配置されていることが好ましい。
この装置によると、モータの種類とモータの設置方法の自由度が拡張される。例えば、モータの出力軸と減速装置の入力軸をプーリ・ベルトで連結することができる。これにより、回転装置の回転軸に沿った距離を必要最小限に留めることができる。また、中空モータを減速装置に固定し、モータのロータと減速装置の入力軸を直接連結することもできる。中空モータを使用すると、回転装置の半径を回転盤の半径に近づけることができる。すなわち、回転装置の半径方向の距離を必要最小限に留めることができる。
減速装置の入力軸が、円柱棒の中心軸から距離を隔てた位置に平行に伸びていてもよい。この場合、円柱棒に各種の計測装置を自在に取り付けることができる。
本発明の回転装置によると、内接式遊星ギアを備えた減速装置を使用することにより、回転盤の背面に、減速装置を回転盤と同軸に配置することができ、しかも回転盤と一体に自転する円柱棒を伸ばすことができる。回転装置をコンパクトに形成することができる。
本発明の回転装置によると、減速装置の出力軸と回転盤が固定されており、一体に自転する。そのため、減速装置の出力軸と回転盤との間にバックラッシが生じない。回転盤の回転角を精度よく制御することができる。
請求項2の回転装置によると、回転盤に取り付ける治具等や被加工物に接続するケーブルや配線等を、回転盤を通過させることができる。
実施例1の回転装置の断面図を示す。 図1のII−II線に沿った断面図を示す。 図2の点線領域の拡大図を示す。 実施例2の回転装置の断面図を示す。 図4のV−V線に沿った断面図を示す。 実施例3の回転装置の断面図を示す。
以下に説明する実施例の主要な特徴を以下に記す。
(第1特徴) 回転盤は、減速装置の外歯歯車を支持しているキャリアと一体に自転する。
(第2特徴) 減速装置には、中心を貫通する貫通孔が形成されている。
(第3特徴) 回転盤の背面から、減速装置を貫通する貫通孔を通過する円柱棒が伸びている。円柱棒には、回転盤の回転角を検出するエンコーダが取り付けられている。
(第4特徴) 円柱棒は中空であって、その内部を配線やケーブルが通過している。
(第5特徴) 減速装置の外歯歯車と内歯歯車のいずれか一方が、入力軸の自転にともなって自転する。回転盤は、外歯歯車と内歯歯車のいずれか一方の自転する歯車に固定されている。
実施例では、図面の明瞭化のため、断面を表すハッチングを一部省略することがある。
(第1実施例)
図1は、本実施例の回転装置10の要部断面図を示している。
回転装置10は、回転盤12と、減速装置14と、円柱棒28と、モータ50を有している。
モータ50は、図示しないボルトによってフレーム20に固定されており、プーリ48とベルト46とプーリ38によって、中継軸36に連結されている。中継軸36は、一対のアンギュラ玉軸受32a,32bによって、ハウジング34に対して自転可能で軸方向に変位不能に支持されている。ハウジング34は、ボルト30によって、支持部材22に固定されており、支持部材22はフレーム20に固定されている。支持部材22は、減速装置14を固定している。中継軸36の端部に歯車部40が形成されており、歯車部40は平歯車82と噛み合っている。平歯車82は、平歯車82の一部分に形成されている歯車部80によって、平歯車78と噛み合っている。平歯車78は、減速装置14の入力軸(クランク軸)60に固定されている。平歯車82は、一対の軸受76a,76bによって、減速装置14の不動部に対して、自転可能で軸方向に変位不能に支持されている。平歯車82は、後記する円柱棒28に接していない。
減速装置14は、ボルト24,42によって、支持部材22に固定されている。支持部材22は、ボルト18,44によって、フレーム20に固定されている。減速装置14の詳細については後述する。
回転盤12は、ボルト70によって、減速装置14のキャリア(減速装置14の出力部を形成している)72aに固定されている。回転盤12の中央部分には、貫通孔66が形成されている。減速装置14の入力軸60は、回転盤12の中心軸92から所定距離だけ離れた位置を、回転盤12の中心軸92と平行に伸びている。図2を参照して後述するが、本実施例の減速装置14は、3つの入力軸を有している。
円柱棒28は、ボルト68によって、キャリア72aに固定されている。円柱棒28の中央部分には貫通孔63が形成されており、回転盤12の貫通孔66とつながっている。円柱棒28は減速装置14を貫通して、回転盤12の回転角を検出するエンコーダ26が設置されている部分まで伸びている。エンコーダ26は、モータ50を制御する図示しない制御装置に電気的に接続されている。
減速装置14について説明する。
図1に示すように、減速装置14は、偏心カム58a,58bが形成されているクランク軸60と、偏心カム58a,58bと係合して公転する外歯歯車62a,62bと、外歯歯車62a,62bの公転を許容しながら外歯歯車62a,62bと噛み合った状態で外歯歯車62a,62bを囲んでいる内歯歯車54を備えている。内歯歯車54の歯数と、外歯歯車62a,62bの歯数は異なっている。クランク軸60は、一対の円錐ころ軸受52a,52bによって、キャリア72a,72bに対して自転可能で軸方向に変位不能に支持されている。クランク軸60が自転すると、偏心カム58a,58bは偏心回転する。
キャリア72aとキャリア72bはボルト74によって固定されている。キャリア72a,72bは、一対のアンギュラ玉軸受16a,16bによって、内歯歯車54に対して自転可能で軸方向に変位不能に支持されている。また、キャリア72aの柱状部64は、外歯歯車62a,62bに形成されている貫通孔を通過している。キャリア72aは、外歯歯車62a,62bに対して自転不能であり、外歯歯車62a,62bが自転すると、キャリア72aも自転する。
図2は、減速装置14の図1のII−II線に沿った断面を示している。図2に示すように、外歯歯車62aには、周方向に9個の穴84a〜84iが形成されている。キャリア72aに形成されている6本の柱状部64b、64c,64e,64f,64h,64i(図面の簡素化のため柱状部64bにのみ参照番号を付し、他の柱状部の参照番号は省略する)は、それぞれ外歯歯車62aの対応する穴84b、84c,84e,84f,84h,84iに挿入されている。
図3は、図2の穴84a付近の部分拡大図を示している。図示58aは、クランク軸60aに形成されている偏心カムを示している。偏心カム58aの外形は円形であり、その中心58xはクランク軸60aの自転の中心軸60xから偏心している。偏心カム58aは、ニードル軸受56を介して外歯歯車62aの穴84aに係合している。クランク軸60aが中心軸60xの周りに自転すると、偏心カム58aの中心58xは、矢印96に示すようにクランク軸60aの中心軸60xの周りに偏心回転する。偏心カム58aの中心58xが矢印96のように偏心回転すると、外歯歯車62aは、矢印86(図2参照)に示すように公転する。矢印86,96の公転半径は、実際よりも著しく拡大されて表示されており、実際の半径は、偏心カム58aの中心58xとクランク軸60aの中心60x間のオフセット距離に等しい。
図示58d,58g(図2を参照)は偏心カムであり、その作用効果は偏心カム58aと同様のため、説明を省略する。なお、クランク軸60aと偏心カム58aは同一の部材であるが、分かり易さのために別の斜線を付している。クランク軸60dと偏心カム58d、クランク軸60gと偏心カム58gについても同様である。
外歯歯車62aは39個の歯を有しており、内歯歯車54は40個の歯を有している。すなわち、外歯歯車62aの歯数は内歯歯車54の歯数よりも1つ少ない。外歯歯車62aは、外歯歯車62aの周方向の一部の外歯と、内歯歯車54の周方向の一部の内歯ピン94が噛み合った状態で、矢印86に示すように内歯歯車54の中心軸92の周りに公転することができる。内歯ピン94は内歯歯車54に固定されておらず、内歯歯車54に形成された溝54a(図3参照)内に配置されている。内歯ピン94は、その中心94xの周りに自転することが可能である。このことは40本の内歯ピン94の全てに共通である。
外歯歯車62aの穴84bと柱状部64bの間には、外歯歯車62aの公転86を許容する空間が確保されている。本実施例では、内歯歯車54はフレーム20によって、自転が拘束されている(図1参照)ので、クランク軸60aが自転すると、外歯歯車62aは中心軸92の周りを公転しつつ自転する。このとき、キャリア72a,72bも外歯歯車62aの自転に追従して自転する。外歯歯車62aの歯数と内歯歯車54の歯数の差は1であり、内歯歯車54の歯数が40個のため、外歯歯車62aが40回公転すると、外歯歯車62aが1回自転する。すなわち、クランク軸60aが40回自転すると、外歯歯車62aが1回自転する。
外歯歯車62aの中央部分に孔88が形成されており、孔88の内部を円柱棒28が通過している。円柱棒28の内部には貫通孔63が形成されており、貫通孔63の内部をケーブルや配線等が通過することができる。
上記の説明は、外歯歯車62bに対しても共通である。ただし、偏心方向が反対である。図2及び図3の状態において、外歯歯車62aのための偏心カム58aの中心58xは、クランク軸60aの自転の中心軸60xから図面の上方向に偏心している。外歯歯車62aのための偏心カム58aの中心58xと、外歯歯車62bのための偏心カム58bの中心は、いつもクランク軸60aの自転の中心軸60xを挟んだ対称の位置にある。すなわち、図2において、外歯歯車62aが左方向に偏心すれば外歯歯車62bは右方向に偏心し、外歯歯車62aが上方向に偏心すれば外歯歯車62bは下方向に偏心し、外歯歯車62aが右方向に偏心すれば外歯歯車62bは左方向に偏心し、外歯歯車62aが下方向に偏心すれば外歯歯車62bは上方向に偏心する。すなわち、外歯歯車62aと外歯歯車62bとクランク軸60aの全体を観察すると、外歯歯車62aと外歯歯車62bは、クランク軸60aの自転の中心軸60xに対して左右対称となっており、回転バランスが確保される関係が実現されている。
本実施例の回転装置10の動作を説明する。この回転装置10では、モータ50のトルクが、プーリ38,48の間を連結しているベルト46によって中継軸36に伝達される。中継軸36の自転は、中継軸36の歯車部40と噛み合っている平歯車82に伝達される。次いで、平歯車82の一部分に形成されている歯車部80と噛み合っている平歯車78を介して、クランク軸60に伝達される。このとき、モータ50のトルクは、平歯車82,78を介して、全てのクランク軸60a,60d,60gに伝達される。クランク軸60aは、中心軸60x(図3参照)の周りに自転して、偏心カム58a,58bを中心軸60xの周りに公転させる。このことは、クランク軸60d,60gについても同様である。偏心カム58a,58bが公転すると、外歯歯車62a,62bが、内歯ピン94を介して内歯歯車54に噛み合った状態で矢印86に示しているように公転する。内歯歯車54は、ボルト24,42によって支持部材22に固定されている。すなわち、内歯歯車54は自転が拘束されており、外歯歯車62a,62bは自転が許容されている。外歯歯車62a,62bが、内歯歯車54に噛み合った状態で公転すると、外歯歯車62a,62bが自転する。外歯歯車62a,62bが自転すると、キャリア72a,72bが外歯歯車62a,62bに追従して自転し、ボルト70によってキャリア72a,72bに固定されている回転盤12が中心軸92の周りを自転する。
エンコーダ26によって、円柱棒28の自転方向や回転角を検出することができる。すなわち、回転盤12の自転方向と回転角を検出することができる。エンコーダ26は、図示しない制御装置に電気的に接続されており、エンコーダ26の検出信号は制御装置に入力される。その制御装置は予め設定されているプログラムに従って、モータ50の自転方向や自転速度を制御することができる。
(第2実施例)
本発明の回転装置に使用される減速装置は、円柱棒を貫通させることができればよく、図4に示すような減速装置114を使用することもできる。図4は、本実施例の減速装置114と回転盤112の要部断面図を示している。回転装置全体の構成は、第1実施例と同様のため省略する。ここでは、減速装置114の第1実施例と相違する部分のみを説明する。第1実施例と同様な部材には、同じ参照番号又は下二桁に同じ参照番号を付すことによって、重複説明を省略する。
図示しないモータは、ベルト46とプーリ138によって、減速装置114の入力軸(クランク軸)160に連結されている。入力軸160は、一対の軸受152a,152bによって、キャリア172a,172bに対して自転可能で軸方向に変位不能に支持されている。入力軸160の軸方向の中央部分には、偏心部158a,158bが形成されている。偏心部158a,158bを囲む状態で、外歯歯車162a,162bが形成されている。外歯歯車162a,162bに噛み合った状態で外歯歯車162a,162bを囲む内歯歯車154が形成されている。キャリア172aとキャリア172bは、柱状部材164を介してボルト174によって固定されている。また、内ピン98は、外歯歯車162a,162bに形成されている貫通孔を通過している。キャリア172aとキャリア172bの一部分は、内ピン98によって固定されている。
減速装置114の入力軸160の中心軸160xは、回転盤112の中心軸と一致している。
図5は、減速装置114の図4のV−V線に沿った断面を示している。図5に示すように、外歯歯車162aの中央部分には穴188が形成されている。穴188の内部には、ニードル軸受156を介して入力軸160の偏心部158aが係合している。なお、入力軸160と偏心部158aは一体の部材であるが、分かり易さのために別の斜線を付している。
偏心部158aの中心158xは入力軸160の中心軸160xから偏心している。入力軸160の中央部分には貫通孔が形成されており、その貫通孔の内周側を円柱棒128が通過している。さらに、円柱棒128の中央部分にも貫通孔163が形成されている。
外歯歯車162aには、周方向に12個の穴184a〜184lが形成されている。キャリア172a,172bを連結している3本の柱状部材164a,164e,164i(図面の簡素化のため柱状部材164aにのみ参照番号を付し、他の柱状部材は参照番号を省略する)は、それぞれ外歯歯車162aの対応する穴184a,184e,184iに挿入されている。また、穴184bの内部には、ローラ99bを介して内ピン98bが挿入されている。穴184bと同様に、穴184c,184d,184f〜184h,184j〜184lの内部にもローラと内ピン(図面の簡素化のため、ローラと内ピンの参照番号を省略する。)が挿入されている。
減速装置114では、入力軸160が自転すると、偏心部分158aの中心158xは、クランク軸の中心軸160xの周りを偏心回転する。偏心部分158aの中心158xが偏心回転すると、外歯歯車162aは中心軸160xの周りを公転する。
本実施例では、内歯歯車154がフレーム20に固定されているので、外歯歯車162aが自転しつつ公転する。すなわち、外歯歯車162a,162bの自転に追従してキャリア172a,172bが自転し、ボルト70によってキャリア172a,172bに固定されている回転盤112が中心軸160xの周りを自転する。
(第3実施例)
第2実施例で示したような、減速装置の入力軸が外歯歯車を貫通するタイプの減速装置では、プーリ・ベルトを使用しないで、モータのトルクを入力軸に伝達することもできる。図6は、本実施例のプーリ・ベルトを使用しない回転装置の減速装置214と回転盤212とモータ250の要部断面図を示している。回転装置全体の構成は、第1実施例と同様のため省略する。ここでは上述の実施例と相違する部分のみ説明する。上述の実施例と同様な部材には、同じ参照番号又は下二桁に同じ参照番号を付すことによって、重複説明を省略する。
モータ250は、ボルト224によって、減速装置214に固定されている。
モータ250は、ステータ202とロータ(回転体)204とハウジング222を備えている。ステータ202はハウジング222に固定されている。モータ250は、ステータ202とロータ204の少なくとも一方で磁界を発生させて、ロータ204を自転させることができる。
ロータ204は、入力軸260の端部に形成されている歯車部206と噛み合っている。入力軸260には、楕円部(偏心回転部)258が形成されている。楕円部258は、入力軸260の中心軸CLを中心とする楕円形状であり、軸受208を介して外歯歯車262に係合している。外歯歯車262は可撓性を有しており、楕円部258の形状に追従して変形する。図6に示しているように、楕円部258の楕円形状の長軸の端部において、外歯歯車262が内歯歯車254に噛み合う。楕円部258の楕円形状の長軸以外の端部では、外歯歯車262が内歯歯車254に噛み合っていない。入力軸260が1回転すると、外歯歯車262が、内歯歯車254に対して外歯歯車262と内歯歯車254の歯数差に応じて自転する。例えば、外歯歯車262の歯数が100個で、内歯歯車254の歯数が102個の場合、入力軸260が1回転すると、外歯歯車262は内歯歯車254に対して1/50回だけ自転する。本実施例では、外歯歯車260が固定されているため、入力軸260の自転は内歯歯車254から出力される。
また、減速装置214の入力軸260の中央部分には、貫通孔288が形成されている。モータ250の中央部分には、貫通孔251が形成されている。貫通孔288,251はつながっており、貫通孔288,251を、円柱棒228が貫通して伸びている。
減速装置214では、外歯歯車262は自転が拘束されており、内歯歯車254は自転が許容されている。入力軸260が自転すると、内歯歯車254が自転し、ボルト270によって内歯歯車254に固定されている回転盤212が中心軸CLの周りを自転する。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。
上記実施例では、円柱棒が中空であるが、円柱棒は必ずしも中空である必要はない。回転装置の内部に配線等を通過させる必要がない場合などは中実であってもよい。すなわち、回転装置の用途と目的に合わせて円柱棒の形状を決定することができる。
例えば、第2実施例ではプーリ・ベルトを用いてモータと減速装置の入力軸を連結しているが、第3実施例に示しているような中央部分に貫通孔を有するモータを用いて、モータの出力を減速装置の入力軸に直接入力してもよい。
第3実施例では、モータと減速装置の入力軸を直接連結しているが、第1実施例または第2実施例のように、プーリ・ベルトを用いて、モータの出力軸を減速装置の入力軸に連結してもよい。
例えば、第1実施例と第2実施例では、入力軸の自転を外歯歯車の自転を利用して出力しているが、内歯歯車の自転を利用して出力してもよい。その場合は、外歯歯車を固定フレームに固定し、内歯歯車を回転盤に固定すればよい。
上記実施例では、外歯歯車と内歯歯車の歯数差が1又は2の場合について示したが、外歯歯車と内歯歯車の歯数差は、1又は2のいずれでもよいし、3以上でもよい。所望する減速比に応じて決定すればよい。
また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。

Claims (5)

  1. 減速装置と回転盤と円柱棒を有し、
    減速装置は、その自転にともなって偏心回転する偏心回転部が形成されている入力軸と、その偏心回転部に係合して公転するとともに中央部分に貫通孔が形成されている外歯歯車と、外歯歯車を支持しているキャリアと、外歯歯車の公転を許容しながら外歯歯車を囲んで外歯歯車と噛み合うとともに外歯歯車の歯数と異なる歯数を有している内歯歯車を備えており、
    回転盤は、キャリア又は内歯歯車のいずれか一方に固定されており、
    円柱棒は、回転盤から外歯歯車を貫通して入力軸よりも長く伸びているとともに回転盤と一体に自転し、
    入力軸の自転に伴って、回転盤が自転し、
    円柱棒に回転盤の回転角を検出する回転角検出手段が取り付けられており、
    その回転角検出手段からの検出信号によりモータの動作を制御する制御装置が付加されていることを特徴とする回転装置。
  2. 前記円柱棒の中心に貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1の回転装置。
  3. 回転盤の回転軸方向における回転盤の表面から円柱棒の回転盤とは反対側の端部までの距離が、モータの出力軸の回転軸方向におけるモータの出力軸の先端からモータの出力軸とは反対側の端部までの距離よりも長く、
    回転盤の表面を含んで回転盤の中心軸に直交する面と、円柱棒の回転盤とは反対側の端部を含んで回転盤の中心軸に直交する面との間に、モータが配置されていることを特徴とする請求項1又は2の回転装置。
  4. 減速装置の入力軸が、円柱棒の外周側に同軸に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの回転装置。
  5. 減速装置の入力軸が、円柱棒の中心軸から距離を隔てて平行に伸びていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの回転装置。
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