JP3964105B2 - 回転検出器付減速機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転検出器付減速機に関し、より詳しくは、モータとともに使用し、出力回転の情報をモータにフィードバックすることで産業用ロボットの関節等を正確に駆動することができる回転検出器付減速機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、FA(Factory Automation)分野において産業用ロボット、工作機械、割出盤等の精密制御用に様々な減速機が用いられてきた。これらの減速機として、例えば、ハーモニックドライブ(登録商標)減速機等の減速機がある。減速機はモータとともに使用することで、モータの回転を減速し産業用ロボット等の駆動を得ている。このとき、産業用ロボットの関節等を正確に駆動するために、モータから減速機に入力された回転情報を検出し、その情報に基づいてモータの回転を制御する、いわゆるセミクローズド制御を用いる方法が知られていた。
【0003】
しかしながら、このようなセミクローズド制御を用いる方法では、モータから減速機に入力された回転情報により減速機の出力回転を予測してモータの回転を制御している。しかしながら、このセミクローズド制御方法では減速機構の機械誤差等の影響を受けてしまうためモータの回転の制御精度に限界があった。
【0004】
この問題を解決する一つの方法として、特開平8−184349号公報には、偏心揺動型減速機の出力する回転情報を検出し、その情報に基づいてモータの回転を制御する、いわゆるフルクローズド制御を用いる方法が開示されている。このフルクローズド制御を用いる方法では、偏心揺動型減速機の出力する回転情報、すなわち制御対象物の近傍での回転情報によりモータの回転を制御しているので、減速機構の機械誤差等の影響が減少しセミクローズド制御を用いる方法よりも制御精度を向上することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平8−184349号公報に開示された方法では、偏心揺動型減速機の出力する回転情報を検出しその情報を外部に出力する手段(以下、回転検出器という)は符号板とセンサから構成されていたため、回転検出器の分解能は符号板の分解能に制限されざるを得なかった。
【0006】
回転検出器の分解能を向上させる技術として、回転検出器から出力される情報を処理することにより符号板の周波数を逓倍する逓倍装置を用いることが知られている。回転検出器から出力される情報は電気信号として逓倍装置に送られるがその電気信号は非常に電圧レベルが低いので、ノイズの影響を受け易く結果的に回転検出器の精度が低くなっていた。
【0007】
そこで、本発明は、出力回転を高分解能かつ高精度で検出することができる回転検出器付減速機を得ることと、その回転検出器付減速機を用いることにより、高分解能かつ高精度でモータのフルクローズド制御を行なうこと、を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の回転検出器付減速機は、回転を入力する入力軸と、入力軸と共軸関係にある第一軸と、第一軸と共軸関係にあり第一軸の一端部を囲んで第一軸との間に空間を形成する第二軸と、第一軸と第二軸の間に介在し第一軸と第二軸が互いに共軸関係を保ち一方が他方に回転自在に支持されるようにする軸受けと、第一軸と第二軸の一方を固定したとき入力軸に入力された回転を減速して第一軸と第二軸の他方に出力する減速機構と、第一軸と第二軸の間に形成された前記空間内に介在し第一軸と第二軸の一方に対する他方の回転情報を検出する回転検出器と、を有する回転検出器付減速機において、前記回転検出器が、回転に対応した位置情報を有する符号板と、符号板の位置情報を検出し該位置情報を電気信号に変えて出力する検出部と、検出部が出力した電気信号の電圧を増幅する増幅手段を有する電子装置と、を備え、前記軸受けが装着された前記第二軸の軸受け装着部分を外側から取り囲む検出部取付部材が設けられ、該検出部取付部材に前記検出部及び前記電子装置がそれぞれ取り付けられるとともに、前記符号板が前記第一軸に支持されたことを特徴とする。これにより、検出部の出力する電気信号は検出部の近傍にある電子装置により電圧レベルを増幅されるので、外部からのノイズの影響を軽減することができ、第一軸と第二軸の一方に対する他方の回転情報を精度良く得ることができる。したがって、本発明の回転検出器付減速機をモータとともに用いれば、該回転検出器付減速機の出力する回転情報を検出し、その情報に基づいてモータの回転を高精度で制御することができるようになる。
【0009】
また、本発明の回転検出器付減速機は、好ましくは、前記減速機構が、内歯車と該内歯車に噛合する外歯車とを有する遊星差動型の減速機構で構成され、前記第二軸が、前記内歯車と、前記検出部取付部材とによって構成され、前記検出部取付部材が、その円周方向の複数個所で前記内歯車に締結固定されたものである。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の回転検出器付減速機において、前記電子装置が、前記検出部の出力する電気信号の周波数を逓倍する逓倍手段を備えたことを特徴とする。これにより、回転検出器の分解能は符号板の分解能に制限されることなく、符号板の分解能以上の分解能を実現することができ、第一軸と第二軸の一方に対する他方の回転情報を高分解能で得ることができる。したがって、本発明の回転検出器付減速機をモータとともに用いれば、該回転検出器付減速機の出力する回転情報を検出し、その情報に基づいてモータの回転を高分解能で制御することができるようになる。
【0011】
本発明の回転検出器付減速機は、前記回転検出器が前記検出部を複数備え、前記電子装置が該複数の検出部の出力する電気信号から前記符号板の偏芯による影響を除去する除去手段を備えたものであってもよい。
【0012】
また、請求項3に記載の回転検出器付減速機は、請求項1又は2に記載の回転検出器付減速機において、前記電子装置が前記検出部の出力する電気信号を保存する信号保存手段を備えたことを特徴とする。これにより、符号板がインクリメンタル型の場合、信号保存手段によって検出器の出力する電気信号を保存することで、符号板を疑似的にアブソリュート型にすることができる。
【0013】
また、請求項4に記載の回転検出器付減速機は、請求項1に記載の回転検出器付減速機において、前記第一軸と前記第二軸の間に介在するシールを備え、該シールにより第一軸と第二軸の間に形成された前記空間を仕切り前記回転検出器に異物が付着するのを防止するようにしたことを特徴とする。これにより、回転検出器付減速機内の油に混入された鉄粉及び摩擦粉等が前記回転検出器へ付着することを防ぐことができ、回転検出器の精度及び分解能が低くなることを防ぐことができる。
【0014】
また、請求項5に記載の回転検出器付減速機は、回転を入力する入力軸と、入力軸と共軸関係にある第一軸と、第一軸と共軸関係にあり第一軸の一端部を囲んで第一軸との間に空間を形成する第二軸と、第一軸と第二軸の間に介在し第一軸と第二軸が互いに共軸関係を保ち一方が他方に回転自在に支持されるようにする軸受けと、第一軸と第二軸の一方を固定したとき入力軸に入力された回転を減速して第一軸と第二軸の他方に出力する減速機構と、第一軸と第二軸の間に形成された前記空間内に介在し第一軸と第二軸の一方に対する他方の回転情報を検出する回転検出器と、を有する回転検出器付減速機において、前記回転検出器が、回転に対応した位置情報を有する符号板を備え、前記符号板が、前記位置情報を有する外周面を形成されるとともに、前記第一軸に支持され、前記軸受けを転動させる転動面が前記符号板の前記外周面との共軸関係を保つように前記第一軸に形成され、
前記軸受けが装着された前記第二軸の軸受け装着部分をその外周側から取り囲む検出部取付部材が設けられ、該検出部取付部材に前記検出部及び前記電子装置がそれぞれ取り付けられたことを特徴とする。これにより、位置情報の記録中心と回転検出器付減速機の回転中心とを一致させることができる。そのため、本発明の回転検出器付減速機は出力回転を高精度で検出することができる。
【0015】
また、請求項6に記載の回転検出器付減速機は、請求項5に記載の回転検出器付減速機において、前記符号板及び前記第一軸が一体的に形成されたことを特徴とする。これにより、位置情報の記録中心と回転検出器付減速機の回転中心とを容易に一致させることができる。そのため、本発明の回転検出器付減速機は出力回転を高精度で検出することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
(第1実施形態)
【0018】
図1〜図5を用いて本発明の第1実施形態に係る回転検出器付偏心揺動型減速機について説明する。
【0019】
図1及び図2は本発明の第1実施形態に係る回転検出器付偏心揺動型減速機を示す図である。図1はその側面断面図、図2は図1のA−A矢視断面図である。また、図3は本発明の第1実施形態に係る電子装置の平面図であり、図4は図3と同様な図であり、他の電子装置を示すその平面図であり、図5は図3に示す電子装置のブロック図である。
【0020】
まず、その構成を説明する。
【0021】
図1及び図2において、190はモータであり、このモータ190は、回転を発生させるモータ本体191と、発生した回転を外部に出力する回転軸192と、から構成されている。
【0022】
また、100はモータ190と外部部材(図示していない)の間に介在しモータ190が出力する回転を減速して外部部材に出力する回転検出器付偏心揺動型減速機である。回転検出器付偏心揺動型減速機100は、回転を入力する入力軸120と、入力軸120と共軸関係にあり入力軸120を囲むように配置された第一軸130と、第一軸130と共軸関係にあり第一軸130を囲むように配置された第二軸140と、第一軸130と第二軸140の間に介在し第一軸130と第二軸140が互いに共軸関係を保ち一方が他方に回転自在に支持されるようにする軸受け151及び152と、第一軸130と第二軸140の一方を固定したとき入力軸120に入力された回転を減速して第一軸130と第二軸140の他方に出力する減速機構160と、第一軸130と第二軸140の間に介在し第一軸130と第二軸140の一方に対する他方の回転情報を検出する回転検出器110と、から構成されている。
【0023】
以下、回転検出器付偏心揺動型減速機100の構成要素について詳しく説明する。
【0024】
回転検出器110は、円筒形であり外周面111aに磁気により位置情報を記録しているインクリメンタルタイプの符号板111と、符号板111の位置情報を検出してその位置情報を電気信号に変えて出力する検出部112と、検出部112が出力した電気信号を処理する電子装置113と、から構成されている。なお、符号板111は、非磁性体、例えば、アルミニウムと、非磁性体の外周に塗布されて位置情報を記録された磁性体と、から構成されており、位置情報を記録された磁性体が第一軸130に直接触れることが無いようになっている。
【0025】
入力軸120は、入力軸本体121と、入力軸本体121の内部に取り付けられたキー122と、から構成されていて、この入力軸120はモータ190の出力する回転を回転検出器付偏心揺動型減速機100に入力する。なお、入力軸本体121の先端部分には所定歯数の第一平歯車161が形成されている。なお、モータの回転軸192はキー122により入力軸本体121に固定され、入力軸本体121はナット181により回転軸192の先端にねじ止めされて、入力軸120は回転軸192に固定されている。
【0026】
第一軸130は、外部部材に固定され回転検出器付偏心揺動型減速機100により減速された回転を外部部材に出力する出力板131と、円周方向に所定間隔で配置された複数のボルト134、135により出力板131に固定された第一軸第一本体132と、円周方向に所定間隔で配置された複数の位置決めピン137により位置決めされ、円周方向に所定間隔で配置された複数のボルト136により第一軸第一本体132に固定された第一軸第二本体133と、回転検出器付偏心揺動型減速機100内の油が回転検出器110側に流れ込まないように仕切る仕切蓋138と、から構成されていて、この第一軸130は入力軸120から入力され回転検出器付偏心揺動型減速機100により減速された回転を外部部材に出力する。ここで、出力板131は一面側に円周方向に所定間隔で形成された複数のボルト取付部131a、131bを有し、このボルト取付部131a、131bにより外部部材を固定する。
【0027】
第二軸140は、環状であり内周にピンにより内歯車166が形成されている内歯車部材141と、円周方向に所定間隔で配置された複数のボルト144、145により内歯車部材141に固定され、検出部112を取り付ける検出部取付部材142と、円周方向に所定間隔で配置された複数のボルト145により検出部取付部材142に固定され、モータ190を取り付けるモータ取付部材143と、から構成されている。なお、検出部112は符号板111の外周面111aと所定距離を保つようにボルト183により検出部取付部材142に取り付けられている。符号板111は第一軸第二本体133に固定されて、第一軸第二本体133と一緒に回転するようになっている。また、検出部取付部材142には検出部112の他に電子装置113が電子装置取付部材184により取り付けられている。また、モータ190のモータ本体191は円周方向に所定間隔で配置された複数のボルト185によりモータ取付部材143に取り付けられている。
【0028】
軸受け151は第一軸第一本体132と内歯車部材141の間に介在し、軸受け152は第一軸第二本体133と内歯車部材141の間に介在している。この軸受け151、152により第一軸130は、第二軸140に回転自在に支持されている。
【0029】
減速機構160は、第一平歯車161と、第一平歯車161の周囲にこれと噛み合うよう円周方向に所定間隔で設けられ第一平歯車161より歯数が多い複数の第二平歯車162と、第二平歯車162をそれぞれ先端に共軸関係を保つように取り付け一対のクランク部分163aを有する複数のクランク軸163と、軸受け167A、167B、164A及び164Bと、内歯車166と、内歯車166と噛み合うように配置され外周に内歯車166の歯数よりわずかに少ない歯数の歯を有する一対の外歯車165A及び165Bと、から構成されていて、この減速機構160は回転検出器付偏心揺動型減速機100に入力された回転を減速する。なお、複数のクランク軸163の一端部は軸受け164Aを介して第一軸第一本体132に支持され、複数のクランク軸163の他端部は軸受け164Bを介して第一軸第二本体133に支持されている。この軸受け164A、164Bにより複数のクランク軸163は、第一軸130に回転自在に支持されている。また、外歯車165A,165Bは共に軸受け167A,167Bを介して複数のクランク軸163の各一対のクランク部分163aに支持されて、クランク軸163の回転に応じて内歯車部材141の中心軸線に対し所定の偏心量を保った円運動、すなわち、所定偏心量を公転半径とする公転運動をすることができるようになっている。
【0030】
なお、171、172及び173は回転検出器付偏心揺動型減速機100内の油の流れを制限するシールであり、シール171は第一軸第二本体133とモータ取付部材143との間に、シール172は第一軸第二本体133と検出部取付部材142との間に、シール173は第一軸第一本体132と内歯車部材141との間に、それぞれ介在している。即ち、シール171、172及び173は、第一軸130と第二軸140との間の低速回転部間に介在している。
【0031】
以下、電子装置113の構成要素について詳しく説明する。
【0032】
図3〜図5において、10、10′は検出部112からの出力電気信号を電子装置113に入力する入力コネクタ、11、11′は電気信号の電圧を増幅するアンプ回路、12、12′は互いに90°の位相差をもったA、B相の近似正弦波の電気信号に基づいて順次45°位相がシフトした8個の近似正弦波の電気信号を生成する8分割回路、13、13′は8分割回路12、12′により生成された8個の近似正弦波の電気信号を時系列的に出力するマルチプレクサ回路、14、14′は電気信号から不要な周波数成分を除去するフィルター回路、15、15′は電気信号をディジタル化するコンパレータ回路、16はディジタル化された電気信号に処理を施すCPU、18はメモリを内蔵しディジタル化された電気信号に処理を施すCPU、17は電子装置113により処理された電気信号を外部に出力する出力コネクタ、19は信号をシリアル信号化するシリアル送信回路、20は情報保存用のバックアップ電池である。ここで、アンプ回路11、11′は増幅手段を構成している。また、8分割回路12、12′、マルチプレクサ回路13、13′、フィルター回路14、14′、コンパレータ回路15、15′及びCPU16、18は、検出部112の出力する電気信号の周波数を逓倍する逓倍手段を構成している。また、アンプ回路11、11′、8分割回路12、12′、マルチプレクサ回路13、13′、フィルター回路14、14′、コンパレータ回路15、15′及びCPU16、18は、複数の検出部112の出力する電気信号から符号板111の偏芯による影響を除去する除去手段を構成している。また、CPU18とバックアップ電池20は、検出部112の出力する電気信号を保存する信号保存手段を構成している。
【0033】
次に、作用について説明する。
【0034】
まず、モータ190から入力された回転が回転検出器付偏心揺動型減速機100により減速されて外部部材に出力される作用を説明する。
【0035】
図1において、まず、モータ190のモータ本体191により回転が発生させられる。次に、回転軸192と入力軸120は固定されているので、その回転は回転検出器付偏心揺動型減速機100に入力軸120から入力される。次に、入力軸120から入力された回転は入力軸本体121の先端部分に形成された所定歯数の第一平歯車161から減速機構160に伝達される。
【0036】
第二平歯車162の歯数は第一平歯車161の歯数より多いので、減速機構160に伝達された回転は第一平歯車161と第二平歯車162の歯数比に対応する所定の減速比で減速されて複数のクランク軸163に伝達される。次に、外歯車165A,165Bの外歯は内歯車166よりわずかに歯数が少ないので、複数のクランク軸163に伝達された回転は内歯車166および外歯車165A,165Bの歯数差に応じた所定の減速比で更に減速される。
【0037】
次に、ボルト185により第二軸140とモータ190は固定されており軸受け151、152により第一軸130は第二軸140に回転自在に支持されているので、減速機構160により減速された回転は第一軸130に伝達される。
【0038】
最後に、第一軸130に伝達された回転は出力板131に固定された外部部材に出力される。
【0039】
以上のようにして、モータ190から入力された回転は回転検出器付偏心揺動型減速機100により減速されて外部部材に出力される。
【0040】
次に、本発明の特徴部分の作用について説明する。
【0041】
図1において、符号板111は第一軸130に取り付けられ検出部112は第二軸140に取り付けられているので、第一軸130が第二軸140に対して回転するとき、符号板111も検出部112に対して回転する。このとき、符号板111の外周面111aには磁気により位置情報を記録してあるので、検出部112の検出する符号板111の位置情報は符号板111の回転情報、すなわち、第一軸130の回転情報となる。また、回転検出器付偏心揺動型減速機100は検出部112を2つ備えている(図2参照)ので、符号板111の取り付け時に生じる符号板111の中心軸と第一軸130の回転軸とのずれに起因する誤差及び回転検出器付偏心揺動型減速機100の機械誤差の影響を補正することができる。なお、検出部112は3つ以上設けていてもよい。また、検出部112は、もちろん1つだけ設けていてもよいが、この場合、2つ以上設けた場合より機械誤差等の影響を大きく受け易い。
【0042】
検出部112で検出された符号板111の位置情報は、検出部112により電気信号に変換され電子装置113に出力される。電子装置113に出力された電気信号は電子装置113により電圧を増幅され、周波数を逓倍される等の処理を受け、図示しない配線によりモータ190に出力される。モータ190はこの電気信号を受けて回転軸192に出力する回転を決定する。このように、電子装置113により、出力回転を高分解能かつ高精度で検出することができる。なお、電子装置113の機能については後述する。
【0043】
また、第二軸140に対して第一軸130が回転するときでも、シール171、172によって回転検出器110の配置されている第一軸第二本体133、検出部取付部材142、モータ取付部材143及び仕切蓋138に囲まれた空間には回転検出器付偏心揺動型減速機100内の油が浸入しない。したがって、油に混入している鉄粉、摩耗粉が回転検出器110に付着せず、高精度な位置検出を可能となる。また、電子装置113を回転検出器付偏心揺動型減速機100内に配置しているので、回転検出器付偏心揺動型減速機100を小型化することができる。また、電子装置113を検出部112の近くに設置することで、検出部112から出力される電気信号の外来ノイズからの影響及び伝送路における波形歪みを極小化することができる。
【0044】
なお、第一軸130の軸受け151及び152を取り付ける部分、即ち、転動面130a及び130bと符号板111を取り付ける部分、即ち、符号板取付面130cとは共軸関係に形成されているので共通な軸で回転しながら同時に研磨することができ、符号板111の外周面111aと内周面111bも共軸関係に形成されているので共通な軸で回転しながら同時に研磨することができる。したがって、第一軸130と符号板111を組み付けたとき符号板111の中心軸と第一軸130の回転軸とを一致させることができる。
【0045】
ここで、電子装置113の機能について図1、図3、図4及び図5を用いて説明する。
【0046】
まず、本発明の第1実施形態に係る図3に示した電子装置について説明する。
【0047】
図3及び図5において、入力コネクタ10に一方の検出部112から互いに90°の位相差をもったA、B相の近似正弦波の電気信号が入力される。次に、その入力されたA、B相の近似正弦波の電気信号はアンプ回路11により電圧を増幅される。したがって、近似正弦波の電気信号は外部からのノイズの影響を受け難くなる。次に、8分割回路12により電圧が増幅されたA、B相の近似正弦波の電気信号に基づいて、反転アンプ等により、順次45°位相のシフトした8個の正弦波の電気信号が生成される。次に、マルチプレクサ回路13により生成した8個の正弦波の電気信号を順次選択して時系列的に出力し、出力された電気信号はフィルター回路14により不要な周波数成分が除去され、コンパレータ回路15によりデジタル信号化される。このとき、CPU16からマルチプレクサ回路13にクロック信号が送られていて、符号板111が検出部112に対して1ピッチ分回転するとコンパレータ回路15によりデジタル信号化された電気信号はCPU16の中の基準信号と2πだけ位相差が生じる。したがって、この位相差を測定することで符号板111の周波数を逓倍することができる。なお、他方の検出部112からの電気信号も入力コネクタ10′、アンプ回路11′、8分割回路12′、マルチプレクサ回路13′、フィルター回路14′及びコンパレータ回路15′により上記一方の検出部112からの電気信号と同様に取り扱われる。そして、この2つの検出部112からの電気信号により符号板111の取り付け時に生じる符号板111の軸と第一軸130の回転軸とのずれに起因する誤差及び回転検出器付偏心揺動型減速機100の機械誤差の影響を補正することができる。また、この電子装置113の出力配線は、A相、B相と基準信号Z相の信号とそれぞれの反対信号の6本に加え電源関係の線が3本あり合計9本になる。
【0048】
なお、A相、B相と基準信号Z相の信号のそれぞれの反対信号は信号伝送時のノイズを減らすために用いている。
【0049】
次に、本発明の第1実施形態に係る図4に示した電子装置について説明する。
【0050】
図4において、この電子装置113の作用は基本的には上述の図3に示した電子装置113と同じであるが、CPU18がソフト処理を行って絶対値化した検出部112からの電気信号をバックアップ電池20にてCPU18の内蔵メモリ内に保存する。このとき、CPU18とバックアップ電池20とは信号保存手段を形成している。この絶対値化された電気信号はシリアル送信回路19によってシリアルデータとして伝送される。この信号保存手段によって検出部112が検出する位置情報はCPU18の内蔵メモリ内に記憶されるので、この電子装置113によりインクリメンタルタイプの符号板111を用いて回転検出器110をアブソリュートタイプとすることができる。したがって、この電子装置113を用いれば符号板111の原点復帰動作が不要である。また、この電子装置113の出力配線は、シリアルデータの信号とその反対信号の信号線に加え電源関係の線が3本あり合計5本となる。
【0051】
なお、シリアルデータの電気信号の反対信号は信号伝送時のノイズを減らすために用いている。
【0052】
また、電子装置113をアブソリュートタイプとすることで出力配線数を削減できる。
【0053】
(第2実施形態)
【0054】
図6及び図7を用いて本発明の第2実施形態に係る偏心揺動型減速機について説明する。
【0055】
図6及び図7は本発明の第2実施形態に係る回転検出器付偏心揺動型減速機を示す図である。図6はその側面断面図、図7は図6のB−B矢視断面図である。
【0056】
まず、その構成を説明する。
【0057】
図6及び図7において、290はモータであり、このモータ290は、回転を発生させるモータ本体291と、発生した回転を外部に出力する回転軸292と、から構成されている。
【0058】
また、200はモータ290と外部部材(図示していない)の間に介在しモータ290が出力する回転を減速して外部部材に出力する回転検出器付偏心揺動型減速機である。回転検出器付偏心揺動型減速機200は、回転を入力する入力軸220と、入力軸220と共軸関係にあり入力軸220を囲むように配置された第一軸230と、第一軸230と共軸関係にあり第一軸230を囲むように配置された第二軸240と、第一軸230と第二軸240の間に介在し第一軸230と第二軸240が互いに共軸関係を保ち一方が他方に回転自在に支持されるようにする軸受け251及び252と、第一軸230と第二軸240の一方を固定したとき入力軸220に入力された回転を減速して第一軸230と第二軸240の他方に出力する減速機構260と、第一軸230と第二軸240の間に介在し第一軸230と第二軸240の一方に対する他方の回転情報を検出する回転検出器210と、から構成されている。
【0059】
以下、回転検出器付偏心揺動型減速機200の構成要素について詳しく説明する。
【0060】
回転検出器210は、円筒形であり外周面211aに磁気により位置情報を記録しているインクリメンタルタイプの符号板211と、符号板211の位置情報を検出してその位置情報を電気信号に変えて出力する検出部212と、検出部212が出力した電気信号を処理する電子装置213と、から構成されている。なお、符号板211は、非磁性体、例えば、アルミニウムと、非磁性体の外周に塗布されて位置情報を記録された磁性体と、から構成されており、位置情報を記録された磁性体が第一軸230に直接触れることが無いようになっている。
【0061】
入力軸220はモータ290の出力する回転を回転検出器付偏心揺動型減速機200に入力する。入力軸220は回転軸292の先端にナット281によりねじ止めされ、固定されていている。
【0062】
第一軸230は、外部部材に固定され回転検出器付偏心揺動型減速機200により減速された回転を外部部材に出力する第一出力板231Aと、円周方向に所定間隔で配置された複数のボルト234、235により第一出力板231Aに固定された第二出力板231Bと、円周方向に所定間隔で配置された複数のボルト235、239により第二出力板231Bに固定された第一軸第一本体232と、円周方向に所定間隔で配置された複数の位置決めピン237により第一軸第一本体232に位置決めされ、円周方向に所定間隔で配置された複数のボルト236により第一軸第一本体232に固定された第一軸第二本体233と、回転検出器付偏心揺動型減速機200内の油が回転検出器210側に流れ込まないように仕切る仕切蓋238と、から構成されていて、この第一軸230は入力軸220から入力され回転検出器付偏心揺動型減速機200により減速された回転を出力する。ここで、第一出力板231Aは他面側に円周方向に所定間隔で形成された複数のボルト取付部231a、231bを有し、このボルト取付部231a、231bにより外部部材を固定する。また、第一軸第一本体232には、符号板211がボルト282により取り付けられている。
【0063】
第二軸240は、検出部212を取り付ける検出部取付部材241と、円周方向に所定間隔で配置された複数のボルト244、245により検出部取付部材241に固定され、環状であり内周にピンにより内歯車266が形成されている内歯車部材242と、円周方向に所定間隔で配置された複数のボルト245により内歯車部材242に固定され、モータ290を取り付けるモータ取付部材243と、から構成されている。なお、検出部212は符号板211の外周面211aと所定距離を保つようにボルト283により検出部取付部材241に取り付けられている。符号板211は第一軸第一本体232に固定されて、第一軸第一本体232と一緒に回転するようになっている。また、検出部取付部材241には検出部212の他に電子装置213が電子装置取付部材284により取り付けられている。また、モータ290のモータ本体291は円周方向に所定間隔で配置された複数のボルト285によりモータ取付部材243に取り付けられている。
【0064】
軸受け251は第一軸第一本体232と内歯車部材242の間に介在し、軸受け252は第一軸第二本体233と内歯車部材242の間に介在している。この軸受け251、252により第一軸230は、第二軸240に回転自在に支持されている。
【0065】
減速機構260は、第一平歯車261と、第一平歯車261の周囲にこれと噛み合うよう円周方向に所定間隔で設けられ第一平歯車261より歯数が多い複数の第二平歯車262と、第二平歯車262をそれぞれ先端に共軸関係を保つように取り付け一対のクランク部分263aを有する複数のクランク軸263と、軸受け267A、267B、264A及び264Bと、内歯車266と、内歯車266と噛み合うように配置され外周に内歯車266の歯数よりわずかに少ない歯数の歯を有する一対の外歯車265A及び265Bと、から構成されていて、この減速機構260は回転検出器付偏心揺動型減速機200に入力された回転を減速する。なお、複数のクランク軸263の一端部は軸受け264Aを介して第一軸第一本体232に支持され、複数のクランク軸263の他端部は軸受け264Bを介して第一軸第二本体233に支持されている。この軸受け264A、264Bにより複数のクランク軸263は、第一軸230に回転自在に支持されている。また、外歯車265A,265Bは共に軸受け267A,267Bを介して複数のクランク軸263の各一対のクランク部分263aに支持されて、クランク軸263の回転に応じて内歯車部材242の中心軸線に対し所定の偏心量を保った円運動、すなわち、所定偏心量を公転半径とする公転運動をすることができるようになっている。
【0066】
なお、271、272、273及び274は回転検出器付偏心揺動型減速機200内の油の流れを制限するシールであり、シール271は第一軸第二本体233と内歯車部材242との間に、シール272は第一軸第一本体232と内歯車部材242との間に、シール273は検出部取付部材241と第二出力板231Bとの間に、シール274は第一軸第一本体232と第二出力板231Bとの間に、それぞれ介在している。即ち、シール271、272及び273は、第一軸230と第二軸240との間の低速回転部間に介在している。
【0067】
次に、作用について説明する。
【0068】
まず、モータ290から入力された回転が回転検出器付偏心揺動型減速機200により減速されて外部部材に出力される作用は第一実施形態と同様である。
【0069】
次に、本発明の特徴部分の作用について説明する。
【0070】
図6において、符号板211は第一軸230に取り付けられ検出部212は第二軸240に取り付けられているので、第一軸230が第二軸240に対して回転するとき、符号板211も検出部212に対して回転する。このとき、符号板211の外周面211aには磁気により位置情報を記録してあるので、検出部212の検出する符号板211の位置情報は符号板211の回転情報、すなわち、第一軸230の回転情報となる。また、回転検出器付偏心揺動型減速機200は検出部212を2つ備えている(図7参照)ので、符号板211の取り付け時に生じる符号板211の軸と第一軸230の回転軸とのずれに起因する誤差及び回転検出器付偏心揺動型減速機200の機械誤差の影響を補正することができる。
【0071】
検出部212で検出された符号板211の位置情報は、検出部212により電気信号に変換され電子装置213に出力される。電子装置213に出力された電気信号は電子装置213により電圧を増幅され、周波数を逓倍される等の処理を受け、図示しない配線によりモータ290に出力される。モータ290はこの電気信号を受けて回転軸292に出力する回転を決定する。電子装置213を設けることにより、出力回転を高分解能かつ高精度で検出することができる。
【0072】
なお、電子装置213の機能については第1実施形態の電子装置113の機能と同様である。
【0073】
また、第二軸240に対して第一軸230が回転するときでも、シール272、273によって回転検出器210の配置されている第一軸第一本体232、第二出力板231B、検出部取付部材241及び仕切蓋238に囲まれた空間には回転検出器付偏心揺動型減速機200内の油が浸入しない。したがって、油に混入している鉄粉、摩耗粉が回転検出器210に付着せず、高精度な位置検出を可能となる。また、電子装置213を回転検出器付偏心揺動型減速機200内に配置しているので、回転検出器付偏心揺動型減速機200を小型化することができる。また、電子装置を検出部212の近くに設置することで、検出部212から出力される電気信号の外来ノイズからの影響及び伝送路における波形歪みを極小化することができる。
【0074】
なお、第一軸230の軸受け251及び252を取り付ける部分、即ち、転動面230a及び230bと符号板211を取り付ける部分、即ち、符号板取付面230cとは共軸関係に形成されているので共通な軸で回転しながら同時に研磨することができ、符号板211の外周面211aと内周面211bも共軸関係に形成されているので共通な軸で回転しながら同時に研磨することができる。したがって、第一軸230と符号板211を組み付けたとき符号板211の中心軸と第一軸230の回転軸とを一致させることができる。
【0075】
(第3実施形態)
【0076】
図8を用いて本発明の第3実施形態に係る回転検出器付偏心揺動型減速機について説明する。なお、本実施形態に係る回転検出器付偏心揺動型減速機は、上述の各実施形態に係る回転検出器付偏心揺動型減速機とほぼ同様な構成及び作用を有するので、上述の各実施形態に係る回転検出器付偏心揺動型減速機とほぼ同様な構成及び作用については詳細な説明を省略する。
【0077】
まず、その構成を説明する。
【0078】
図8において、回転検出器付偏心揺動型減速機300は、回転を入力する入力軸320と、入力軸320と共軸関係にあり入力軸320を囲むように配置された第一軸330と、第一軸330と共軸関係にあり第一軸330を囲むように配置された第二軸340と、第一軸330と第二軸340の間に介在し第一軸330と第二軸340が互いに共軸関係を保ち一方が他方に回転自在に支持されるようにする軸受け351及び352と、第一軸330と第二軸340の一方を固定したとき入力軸320に入力された回転を減速して第一軸330と第二軸340の他方に出力する減速機構360と、第一軸330と第二軸340の間に介在し第一軸330と第二軸340の一方に対する他方の回転情報を検出する回転検出器310と、から構成されている。
【0079】
また、回転検出器310は、円筒形であり外周面311aに磁気により位置情報を記録しているインクリメンタルタイプの符号板311と、符号板311の位置情報を検出してその位置情報を電気信号に変えて出力する検出部312と、検出部312が出力した電気信号を処理する電子装置313と、から構成されている。なお、符号板311は、非磁性体、例えば、アルミニウムと、非磁性体の外周に塗布されて位置情報を記録された磁性体と、から構成されており、位置情報を記録された磁性体が第一軸330に直接触れることがないようになっている。
【0080】
また、第一軸330は、外部部材に固定され回転検出器付偏心揺動型減速機300により減速された回転を外部部材に出力する出力板331、第一軸第一本体332、及び、第一軸第二本体333から構成されていて、この第一軸330は入力軸320から入力され回転検出器付偏心揺動型減速機300により減速された回転を外部部材に出力する。
【0081】
第二軸340は、環状であり内周にピンにより内歯車が形成されている内歯車部材341、検出部312を取り付ける検出部取付部材342、及び、モータを取り付けるモータ取付部材343から構成されている。なお、検出部312は符号板311の外周面311aと所定距離を保つように検出部取付部材342に取り付けられている。符号板311は第一軸第二本体333に固定されて、第一軸第二本体333と一緒に回転するようになっている。また、検出部取付部材342には検出部312の他に電子装置313が取り付けられている。
【0082】
なお、371、372、373及び374は回転検出器付偏心揺動型減速機300内の油の流れを制限するシールであり、シール371は入力軸320とモータ取付部材343との間に、シール372は第一軸第二本体333と入力軸320との間に、シール373は第一軸第二本体333と検出部取付部材342との間に、シール374は第一軸第一本体332と内歯車部材341との間に、それぞれ介在している。即ち、シール373及び374は、第一軸330と第二軸340との間の低速回転部間に介在している。
【0083】
次に、その作用を説明する。
【0084】
回転検出器付偏心揺動型減速機300においては、符号板311は、非磁性体と、非磁性体の外周に塗布されて位置情報を記録された磁性体と、から構成されており、位置情報を記録された磁性体が第一軸330に直接触れることがないようになっている。
【0085】
また、符号板311は非磁性体としてアルミニウム箔状の薄板リングを用いたものであり、低コストにすることができる。
【0086】
なお、符号板311は、例えば、以下のようにして製造することができる。
【0087】
まず、第一軸330にリング状の非磁性体を圧入する。次に、圧入した非磁性体の外周に磁性体を塗布する。次に、軸受け351及び352を転動させる第一軸330の転動面330a及び330bと非磁性体の外周に塗布した磁性体とを、第一軸330を回転させながら同時に研磨する。最後に、非磁性体の外周に塗布した磁性体に位置情報を記録する。ここで、非磁性体は、磁性体が第一軸330に直接触れることがなければ、圧入以外の方法によって第一軸330に係合させてもよい。例えば、非磁性体は、塗布したり、鋳込んだりして第一軸330に係合させてもよい。
【0088】
以上のようにして、符号板311が製造されることにより、軸受け351及び352を転動させる第一軸330の転動面330a及び330bと、符号板311の外周面311aと、は共軸関係を保つように形成される。
【0089】
(第4実施形態)
【0090】
図9を用いて本発明の第4実施形態に係る回転検出器付偏心揺動型減速機について説明する。なお、本実施形態に係る回転検出器付偏心揺動型減速機は、第3実施形態に係る回転検出器付偏心揺動型減速機とほぼ同様な構成及び作用を有するので、第3実施形態に係る回転検出器付偏心揺動型減速機とほぼ同様な構成及び作用については詳細な説明を省略する。
【0091】
図9において、回転検出器付偏心揺動型減速機400は、符号板411が、第一軸第二本体433と一体的に形成されているということを除いて、第3実施形態に係る回転検出器付偏心揺動型減速機とほぼ同様な構成をしている。
【0092】
この場合、第一軸第二本体433は非磁性体である。
【0093】
なお、符号板411は、例えば、以下のようにして製造することができる。
【0094】
まず、第一軸330の第一軸第二本体433の外周面433aに磁性体を塗布する。次に、軸受け351及び352を転動させる第一軸330の転動面330a及び330bと第一軸第二本体433の外周面433aに塗布した磁性体とを、第一軸330を回転させながら同時に研磨する。最後に、第一軸第二本体433の外周面433aに塗布した磁性体に位置情報を記録する。
【0095】
以上のようにして、符号板411が製造されることにより、軸受け351及び352を転動させる第一軸330の転動面330a及び330bと、符号板411の外周面411aと、は共軸関係を保つように形成される。
【0096】
なお、上述の各実施形態において、第二軸をモータに固定し、減速機構により減速されたモータからの回転は第一軸から外部部材に出力されるようになっているが、第一軸をモータに対して固定し、減速機構により減速されたモータからの回転が第二軸から外部部材に出力されるようにしても本発明は同様の効果を得ることができる。
【0097】
【発明の効果】
本発明によれば、出力回転を高分解能かつ高精度で検出することができる回転検出器付減速機を得ることができる。また、その回転検出器付減速機を用いることにより、高分解能かつ高精度でモータのフルクローズド制御を行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る回転検出器付偏心揺動型減速機の側面断面図である。
【図2】図1のA−A矢視断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る電子装置の平面図である。
【図4】図3と同様な図であり、他の電子装置を示すその平面図である。
【図5】図3に示す電子装置のブロック図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る回転検出器付偏心揺動型減速機の側面断面図である。
【図7】図6のB−B矢視断面図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る回転検出器付偏心揺動型減速機の側面断面図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係る回転検出器付偏心揺動型減速機の側面断面図である。
【符号の説明】
11、11′ アンプ回路(増幅手段、除去手段)
12、12′ 8分割回路(逓倍手段、除去手段)
13、13′ マルチプレクサ回路(逓倍手段、除去手段)
14、14′ フィルター回路(逓倍手段、除去手段)
15、15′ コンパレータ回路(逓倍手段、除去手段)
16 CPU(逓倍手段、除去手段)
18 CPU(逓倍手段、除去手段、信号保存手段)
20 バックアップ電池(信号保存手段)
100、200、300、400 回転検出器付偏心揺動型減速機(回転検出器付減速機)
110、210、310 回転検出器
111、211、311、411 符号板
112、212、312 検出部
113、213、313 電子装置
120、220、320 入力軸
130、230、330 第一軸
140、240、340 第二軸
151、152、251、252、351、352 軸受け
160、260、360 減速機構
171、172、272、273、372、373 シール
111a、211a、311a、411a 外周面
130a、130b、230a、230b、330a、330b 転動面
Claims (6)
- 回転を入力する入力軸と、入力軸と共軸関係にある第一軸と、第一軸と共軸関係にあり第一軸の一端部を囲んで第一軸との間に空間を形成する第二軸と、第一軸と第二軸の間に介在し第一軸と第二軸が互いに共軸関係を保ち一方が他方に回転自在に支持されるようにする軸受けと、第一軸と第二軸の一方を固定したとき入力軸に入力された回転を減速して第一軸と第二軸の他方に出力する減速機構と、第一軸と第二軸の間に形成された前記空間内に介在し第一軸と第二軸の一方に対する他方の回転情報を検出する回転検出器と、を有する回転検出器付減速機において、
前記回転検出器が、回転に対応した位置情報を有する符号板と、符号板の位置情報を検出し該位置情報を電気信号に変えて出力する検出部と、検出部が出力した電気信号の電圧を増幅する増幅手段を有する電子装置と、を備え、
前記軸受けが装着された前記第二軸の軸受け装着部分を外側から取り囲む検出部取付部材が設けられ、該検出部取付部材に前記検出部及び前記電子装置がそれぞれ取り付けられ、前記符号板が前記第一軸に支持されたことを特徴とする回転検出器付減速機。 - 前記電子装置が、前記検出部の出力する電気信号の周波数を逓倍する逓倍手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の回転検出器付減速機。
- 前記電子装置が前記検出部の出力する電気信号を保存する信号保存手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の回転検出器付減速機。
- 前記第一軸と前記第二軸の間に介在するシールを備え、該シールにより第一軸と第二軸の間に形成された前記空間を仕切り前記回転検出器に異物が付着するのを防止するようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の回転検出器付減速機。
- 回転を入力する入力軸と、入力軸と共軸関係にある第一軸と、第一軸と共軸関係にあり第一軸の一端部を囲んで第一軸との間に空間を形成する第二軸と、第一軸と第二軸の間に介在し第一軸と第二軸が互いに共軸関係を保ち一方が他方に回転自在に支持されるようにする軸受けと、第一軸と第二軸の一方を固定したとき入力軸に入力された回転を減速して第一軸と第二軸の他方に出力する減速機構と、第一軸と第二軸の間に形成された前記空間内に介在し第一軸と第二軸の一方に対する他方の回転情報を検出する回転検出器と、を有する回転検出器付減速機において、
前記回転検出器が、回転に対応した位置情報を有する符号板を備え、
前記符号板が、前記位置情報を有する外周面を形成されるとともに、前記第一軸に支持され、
前記軸受けを転動させる転動面が前記符号板の前記外周面との共軸関係を保つように前記第一軸に形成され、
前記軸受けが装着された前記第二軸の軸受け装着部分をその外周側から取り囲む検出部取付部材が設けられ、
該検出部取付部材に前記検出部及び前記電子装置がそれぞれ取り付けられたことを特徴とする回転検出器付減速機。 - 前記符号板及び前記第一軸が一体的に形成されたことを特徴とする請求項5に記載の回転検出器付減速器。
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