JP2003262257A - 揺動内接噛合遊星歯車装置の角度伝達誤差の低減方法及び揺動内接噛合遊星歯車変速機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置の小型化及び伝達容量の増大を実現しつ
つ、高い増減比の実現と角度伝達誤差の低減を両立する
ことのできる方法を提供するとともに、併せて、これら
の方法により組み付けられた揺動内接噛合遊星歯車装置
を有する変速機を提供する。 【解決手段】 遊星運動をする外歯歯車と、該外歯歯車
が内接噛合する内歯歯車を有し、且つ、装置の中心軸が
前記外歯歯車の周囲の内側に存在する揺動内接噛合遊星
歯車装置の角度伝達誤差の低減方法において、前記内歯
歯車の歯数をＸ＊ｎ（Ｘは４以上の偶数、ｎ：整数）に
設定し、且つ、前記内歯歯車と外歯歯車との歯数差を２
に設定し、前記Ｘ枚の外歯歯車を重ねた状態で、それぞ
れの外歯及び各外歯歯車を貫通するそれぞれの孔を加工
すると共に、前記Ｘ枚の外歯歯車のうち２枚の外歯歯車
を１組とし、それぞれの組の外歯歯車を前記中心軸を中
心として、円周方向に３６０／Ｘ（度）ずつ相対回転さ
せた後、各組の一方の外歯歯車に対して、他方の外歯歯
車を、１８０度反対の方向に平行に離反・移動してそれ
ぞれ組み込む。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、揺動内接噛合遊星
歯車装置の角度伝達誤差の低減方法及びこの低減方法を
用いて組み付けられた揺動内接噛合遊星歯車変速機に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、揺動内接噛合遊星歯車装置に関す
る技術として、例えば図６、図７に示すようなものが知
られている。図示の例は、遊星運動をする外歯歯車を複
数枚（この例では３枚）有し、且つ、装置の中心軸が前
記外歯歯車の周囲の内側に存在する揺動内接噛合遊星歯
車装置を減速機に適用したものである。

【０００３】図において、ケーシング１０１内の中心部
には、図示しないモータによって回転駆動される入力軸
１０３が配設されている。入力軸１０３の軸心は装置全
体の中心軸０１と一致している。

【０００４】ケーシング１０１内には、軸方向において
厚肉円板状の第１の支持ブロック（図６中左側）１０４
と、第２の支持ブロック（図６中右側）１０５とが互い
に対向して配置されている。ケーシング１０１が固定さ
れている場合、これら第１、第２の支持ブロック１０
４、１０５は出力軸に相当する。

【０００５】両支持ブロック１０４、１０５は、入力軸
１０３と平行に配した３本のキャリアボルト１５０によ
り、キャリアスペーサ１５４を介して所定の間隔で一体
に連結・固定され、全体でキャリアを構成している。

【０００６】第１の支持ブロック１０４、第２の支持ブ
ロック１０５には、それぞれ中心孔１１４、１１５が形
成されており、それら中心孔１１４、１１５の内周に入
力軸１０３が軸受１０９ａ、１０９ｂを介して回転自在
に支持されている。入力軸１０３は貫通孔１０３ａを有
する中空軸により構成され、入力軸１０３の軸受１０９
ａ、１０９ｂの間の外周には、所定位相差（この例では
１２０°）をもって偏心体１１７ａ、１１７ｂ、１１７
ｃが一体に形成されている。それぞれの偏心体１１７
ａ、１１７ｂ、１１７ｃには、軸受１２０ａ、１２０
ｂ、１２０ｃを介して３枚の外歯歯車１１８ａ、１１８
ｂ、１１８ｃが取り付けられている。

【０００７】又、外歯歯車１１８ａ、１１８ｂ、１１８
ｃには内ローラ孔１２８ａ、１２８ｂ、１２８ｃが複数
個設けられ、内ピン１０７及び内ローラ１０８が、内ロ
ーラ孔１２８ａ、１２８ｂ、１２８ｃを貫通している。
これら外歯歯車１１８ａ、１１８ｂ、１１８ｃを貫通す
る内ピン１０７は、キャリアボルト１５０と同一ピッチ
円上に配されており、各内ピン１０７の両端は、第１、
第２の支持ブロック１０４、１０５の内ピン保持孔１１
０に嵌合固定されている。

【０００８】又、前記外歯歯車１１８ａ、１１８ｂ、１
１８ｃは外周に、トロコイド歯形や円弧歯形等の外歯１
２４を有しており、この外歯歯車１１８ａ、１１８ｂ、
１１８ｃの外周側には、外歯歯車１１８ａ、１１８ｂ、
１１８ｃが噛合する内歯歯車１２５が配設されている。
内歯歯車１２５はケーシング１０１の内周に、ケーシン
グ１０１と一体に形成されており、外ピン１２６からな
る内歯を有している。

【０００９】入力軸１０３が１回転すると偏心体１１７
ａ、１１７ｂ、１１７ｃが１回転する。この偏心体１１
７ａ、１１７ｂ、１１７ｃの１回転により、外歯歯車１
１８ａ、１１８ｂ、１１８ｃも入力軸１０３の周りで揺
動回転を行なおうとするが、内歯歯車１２５によってそ
の自転が拘束されているため、外歯歯車１１８ａ、１１
８ｂ、１１８ｃは、この内歯歯車１２５に内接しながら
ほとんど揺動のみを行なうことになる。

【００１０】今、例えば外歯歯車１１８ａ、１１８ｂ、
１１８ｃの歯数をＮ、内歯歯車１２５の歯数をＮ＋１と
した場合、その歯数差は１である。そのため、入力軸１
０３の１回転毎に外歯歯車１１８ａ、１１８ｂ、１１８
ｃはケーシング１０１に固定された内歯歯車１２５に対
して１歯分だけずれる（自転する）ことになる。これは
入力軸１０３の１回転が外歯歯車の−１／Ｎの回転に減
速されたことを意味する。

【００１１】この外歯歯車１１８ａ、１１８ｂ、１１８
ｃの回転は内ローラ孔１２８ａ、１２８ｂ、１２８ｃ及
び内ピン１０７の隙間によってその揺動成分が吸収さ
れ、自転成分のみが該内ピン１０７を介して出力軸へと
伝達される。

【００１２】この結果、結局減速比−１／Ｎの減速が達
成される。

【００１３】なお、この従来例のように外歯歯車を３枚
とすることで、外歯歯車を１枚にした場合に比べ、約３
倍の伝達容量を得ることができる。

【００１４】この揺動内接噛合遊星歯車装置は、遊星運
動する外歯歯車１１８ａ、１１８ｂ、１１８ｃを有し、
又、装置の中心軸０１が外歯歯車１１８ａ、１１８ｂ、
１１８ｃの周囲の内側に存在するため、いわゆる国際分
類Ｆ１６Ｈ１／３２に属する。この種の装置は、入力軸
１０３の１回転毎に外歯歯車１１８ａ、１１８ｂ、１１
８ｃの揺動に起因した偏心荷重（ラジアル荷重）が不可
避的に発生する。

【００１５】前記３枚の外歯歯車１１８ａ、１１８ｂ、
１１８ｃを位相差１２０°で配置しているのは、この各
外歯歯車１１８ａ、１１８ｂ、１１８ｃの偏心重量の影
響をできるだけ相殺し、より振動の少ない円滑な動力伝
達を行なおうとしているためである。

【００１６】

【発明が解決しようとする課題】近年、この種の減速機
においては、小型化及び高出力化がますます要求される
ようになってきているため、４枚以上の外歯歯車を有す
る揺動内接噛合遊星歯車装置を減速機に適用することも
考えられるが、従来、４枚以上の歯車装置は、具体的に
は、製品化に至っていない。

【００１７】これは、４枚以上の歯車装置は、構造上、
各歯車の製造誤差や組付誤差が大きいと装置全体の円滑
回転が困難となる一方、誤差の低減を加工精度の向上に
よって実現しようとすると、極めてコスト高になるとい
う問題があるためである。

【００１８】又、４枚以上の装置においては、各外歯歯
車の装架される軸方向スパンが大きくなり、（前述し
た）各々の外歯歯車の偏心運動によって発生する偏心荷
重の影響、特に軸受からの距離の要素を持つモーメント
の影響が無視できなくなる。

【００１９】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであり、装置の小型化及び伝達容量の増大を実現しつ
つ、高い増減比と角度伝達誤差の低減を両立することの
できる方法を提供すると共に、併せてこれらの方法によ
り組み付けられた内接噛合遊星歯車装置を有する変速機
（減速機、あるいは増速機）を得ることを目的としてい
る。

【００２０】

【課題を解決するための手段】本発明は、遊星運動をす
る外歯歯車と、該外歯歯車が内接噛合する内歯歯車を有
し、且つ、装置の中心軸が前記外歯歯車の周囲の内側に
存在する揺動内接噛合遊星歯車装置の角度伝達誤差の低
減方法において、前記内歯歯車の歯数をＸ＊ｎ（Ｘは４
以上の偶数、ｎは整数）に設定し、且つ、前記内歯歯車
と外歯歯車との歯数差を２に設定し、前記Ｘ枚の外歯歯
車を重ねた状態で、それぞれの外歯及び各外歯歯車を貫
通するそれぞれの孔を加工すると共に、前記Ｘ枚の外歯
歯車のうち２枚の外歯歯車を１組とし、それぞれの組の
外歯歯車を前記中心軸を中心として、円周方向に３６０
／Ｘ（度）ずつ相対回転させた後、各組の一方の外歯歯
車に対して、他方の外歯歯車を、１８０度反対の方向に
平行に離反・移動してそれぞれ組み込むことを特徴とす
る揺動内接噛合遊星歯車装置の角度伝達誤差の低減方法
により、上記課題を解決したものである。

【００２１】本発明によれば、同時に加工されたＸ枚の
外歯歯車のうち２枚の外歯歯車を１組とし、それぞれの
組の外歯歯車を円周方向に３６０／Ｘ（度）ずつ相対回
転させた後に、各組の一方の外歯歯車に対して、他方の
外歯歯車を１８０度反対方向に「平行に」離反・移動し
てそれぞれ組み込むことになる。そのため、該２枚の外
歯歯車の同時に加工された外歯と内歯歯車が噛合するタ
イミングが常に１８０度ずれることになる。

【００２２】従って、各外歯歯車の加工誤差によって発
生する角度伝達誤差が、１８０度反対方向に組み込まれ
た１組の外歯歯車の間で、うまく相殺されるように作用
するため、装置全体の角度伝達誤差を低減することがで
きる。

【００２３】又、Ｘ枚の外歯歯車が結果として前記中心
軸の円周方向に等間隔で配置されることになるため、中
心軸周りの発生荷重に対してこれを装置内で相殺し、バ
ランスさせることができる。

【００２４】又、歯数差を「２」としているため、従来
の「歯数差を外歯歯車の枚数の整数倍として、外歯歯車
を同時加工する方法」に比べ、減速比を大きくすること
ができる。

【００２５】以上の構成を実現する関係上、外歯歯車の
枚数は偶数となり、且つ、内歯歯車の歯数はＸ＊ｎ、即
ちＸの整数倍（倍数）である必要がある。

【００２６】なお、各外歯歯車の偏心荷重の軸方向の作
用点が異なることによって発生するモーメントについて
は、前記Ｘ枚の外歯歯車の中で、１８０度の位相差を有
する２枚の外歯歯車を１組とし、該２枚の外歯歯車が前
記中心軸の軸線方向に隣接するように配置してゆくこと
により、各外歯歯車の偏心によって発生するモーメント
の相殺効果を高めることができる。

【００２７】上記モーメントについては、前記Ｘ枚の外
歯歯車を、直前に組み込まれた外歯歯車の偏心位置から
見て位相差が最大になる偏心方向を順次選択し、該選択
された偏心位置に外歯歯車を順に配置してゆくことによ
り、更に相殺効果を高めることができる。

【００２８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態の例を図
面に基づいて説明する。

【００２９】図１は、本発明が適用されている揺動内接
噛合遊星歯車装置（変速機）の実施形態を示す、前記図
６に相当する側断面図である。

【００３０】上記図１に示した減速機は、４枚（Ｘ＝
４）の外歯歯車１１８ａ〜１１８ｄを用いた構造（以下
４枚式歯車装置という）になっている以外は、前記図６
に示した３枚式歯車装置と実質的に同一の動力伝達系を
有する。従って、同一又は類似する部分については、図
中で同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。

【００３１】入力軸１０３の軸受１０９ａ、１０９ｂの
間の外周には、所定位相差（この例では９０度）をもっ
て偏心体１１７ａ〜１１７ｄが一体に形成されている。
それぞれの偏心体１１７ａ〜１１７ｄには、軸受１２０
ａ〜１２０ｄを介して４枚の外歯歯車１１８ａ〜１１８
ｄが取付けられている。

【００３２】次に、外歯歯車１１８ａ〜１１８ｄと内歯
歯車１２５の歯数等について図２を用いて説明する。

【００３３】図２は、４枚式歯車装置の外歯歯車１１８
ａ〜１１８ｄ及び揺動内接噛合遊星歯車装置の中心軸０
１（入力軸１０３の中心に一致）付近を模式的に示した
ものである。

【００３４】内歯歯車１２５の歯数はＸ＊ｎであり、Ｘ
は外歯歯車の枚数である４、ｎは整数である。従って、
本発明の実施形態に係る４枚式歯車装置の内歯歯車１２
５の歯数は４ｎ、即ち４の倍数である。

【００３５】これは、図２に示したように、４枚の外歯
歯車１１８ａ〜１１８ｄの各偏心方向Ｅ１〜Ｅ４に内歯
歯車１２５の外ピン１２６ａ〜１２６ｄを用意しておか
なければ、４枚の外歯歯車１１８ａ〜１１８ｄの噛合状
態を一致させることができないからである。

【００３６】又、内歯歯車１２５と外歯歯車１１８ａ〜
１１８ｄとの歯数差は２である。

【００３７】従って、各外歯歯車１１８ａ〜１１８ｄの
歯数は、「内歯歯車の歯数−歯数差」＝４ｎ−２＝２
（ｎ−１）となり、偶数である。

【００３８】このようにして製造された外歯歯車１１８
ａ〜１１８ｄを次のようにして組み込む。

【００３９】外歯歯車１１８ａ〜１１８ｄは、４枚の外
歯歯車素材を重ねた状態で、各外歯１２１ａ〜１２１ｄ
及び内ローラ孔１２８ａ〜１２８ｄ等の各外歯歯車１１
８ａ〜１１８ｄを貫通する孔が同時加工されて製造され
ている。従って、切削加工上の誤差は、外歯歯車１１８
ａ〜１１８ｄで殆ど一致している。

【００４０】即ち、４枚の外歯歯車１１８ａ〜１１８ｄ
のうち２枚の外歯歯車１１８ａと１１８ｂ及び１１８ｃ
と１１８ｄを１組とし、外歯歯車１１８ｃと１１８ｄ
を、外歯歯車１１８ａと１１８ｂに対して、入力軸１０
３を中心として、入力軸１０３の円周方向Ｒに３６０／
４＝９０度相対回転させる。その後、各組の一方の外歯
歯車１１８ａと１１８ｃの最大偏心方向Ｅ１、Ｅ３に対
して１８０度反対の方向であるＥ２、Ｅ４の方向に、他
方の外歯歯車１１８ｂと１１８ｄを平行に離反・移動し
て組み込む。

【００４１】従って、図２に示すように、各外歯１２１
ａ〜１２１ｄの同時加工された部位１２１ａ１〜１２１
ｄ１は、外歯歯車１１８ａと１１８ｂ及び１１８ｃと１
１８ｄでそれぞれ１８０度の位相差をもって内歯歯車１
２５と噛み合うことになる。

【００４２】又、上記の外歯歯車１１８ａ〜１１８ｄの
組み込み方法においては、４枚の外歯歯車１１８ａ〜１
１８ｄの中で、１８０度の位相差を有する２枚の外歯歯
車１１８ａと１１８ｂ及び１１８ｃと１１８ｄを１組と
し、該２枚の外歯歯車１１８ａと１１８ｂ及び１１８ｃ
と１１８ｄが前記入力軸１０３の軸線方向Ｖに隣接する
ように配置している。

【００４３】この実施形態によれば、４枚の外歯歯車１
１８ａ〜１１８ｄが前記入力軸１０３の円周方向Ｒに等
間隔で配置されることになるため、まず入力軸１０３周
りの発生荷重に対してこれを装置内で相殺し、バランス
させることができる。

【００４４】又、４枚の外歯歯車１１８ａ〜１１８ｄの
各外歯１２１ａ〜１２１ｄの同時加工された部位１２１
ａ１〜１２１ｄ１は、２枚の外歯歯車１１８ａと１１８
ｂ及び１１８ｃと１１８ｄでそれぞれ１８０度の位相差
を有して内歯歯車１２５と噛合することになるため、４
枚の外歯歯車１１８ａ〜１１８ｄによって発生する角度
伝達誤差が、１組の外歯歯車１１８ａと１１８ｂ及び１
１８ｃと１１８ｄの間でうまく相殺されるように作用
し、装置全体の角度伝達誤差の低減を図ることができ
る。

【００４５】更に、４枚の外歯歯車１１８ａ〜１１８ｄ
の中で、１８０度の位相差を有する２枚の外歯歯車１１
８ａと１１８ｂ及び１１８ｃと１１８ｄを１組とし、該
２枚の外歯歯車１１８ａと１１８ｂ及び１１８ｃと１１
８ｄが前記入力軸１０３の軸線方向Ｖに隣接するように
配置しているため、各外歯歯車１１８ａ〜１１８ｄの偏
心によって発生するモーメントの相殺効果を高めること
ができる。

【００４６】又、歯数差を「２」としているため、従来
の「歯数差を外歯歯車の枚数の整数倍」にする場合と比
べ、減速比を大きくすることができる。

【００４７】この実施形態においては、図２に示すよう
に、４枚の外歯歯車１１８ａ〜１１８ｄの中で、１８０
度の位相差を有する２枚の外歯歯車１１８ａと１１８ｂ
及び１１８ｃと１１８ｄが入力軸１０３の軸線方向Ｖに
隣接するように配置したが、本発明はこれに限定される
ものではない。

【００４８】即ち、４枚の外歯歯車１１８ａ〜１１８ｄ
を、図３に示すような配置とした場合であっても、外歯
歯車１１８ａ〜１１８ｄの各外歯の同時加工された部位
１２１ａ１〜１２１ｄ１が、２枚の外歯歯車１１８ａと
１１８ｃ及び１１８ｂと１１８ｄでそれぞれ１８０度の
位相差を有して内歯歯車１２５と噛合することになるた
め、本発明の効果である高い増減比の実現と、角度伝達
誤差の低減を図ることができる。

【００４９】又、上記の実施形態においては、外歯歯車
の枚数を「４」としていたが、本発明はこれに限定され
ず、外歯歯車の枚数は４以上の偶数でもよい。

【００５０】例えば、６枚（Ｘ＝６）の外歯歯車を有す
る揺動内接噛合遊星歯車装置（以下、６枚式歯車装置と
いう）を考える。

【００５１】図４は、６枚式歯車装置の外歯歯車１１８
ａ〜１１８ｆ及び揺動内接噛合遊星歯車装置の中心軸０
１（入力軸の中心に一致）付近を模式的に示したもので
ある。

【００５２】まず、６枚式歯車装置においては、内歯歯
車１２５の歯数を６ｎ（ｎ：整数）、即ち６の倍数に設
定し、且つ、前記内歯歯車１２５と外歯歯車１１８ａ〜
１１８ｆの歯数差を２に設定し、６枚の外歯歯車１１８
ａ〜１１８ｆを重ねた状態で、それぞれの図示しない外
歯及び各外歯歯車を貫通するそれぞれの孔を加工する。

【００５３】その後、６枚の外歯歯車１１８ａ〜１１８
ｆのうち２枚の外歯歯車１１８ａと１１８ｂ、１１８ｃ
と１１８ｄ、１１８ｅと１１８ｆをそれぞれ１組とし、
それぞれの組の外歯歯車１１８ａと１１８ｂ、１１８ｃ
と１１８ｄ、１１８ｅと１１８ｆを入力軸１０３を中心
として、入力軸１０３の円周方向Ｒに３６０／６＝６０
度ずつ相対回転させた後、各組の一方の外歯歯車１１８
ａ、１１８ｃ、１１８ｅに対して、他方の外歯歯車１１
８ｂ、１１８ｄ、１１８ｆを、１８０度反対の方向に平
行に離反・移動して組み込む。

【００５４】このようにすることにより、６枚の外歯歯
車１１８ａ〜１１８ｆによって発生する角度伝達誤差
が、１組の外歯歯車１１８ａと１１８ｂ、１１８ｃと１
１８ｄ、１１８ｅと１１８ｆの間でうまく相殺されるよ
うに作用し、装置全体の角度伝達誤差を低減することが
できると共に、外歯歯車の枚数を増やすことにより、伝
達容量の増大を図ることができる。

【００５５】更に、この実施例においては、６枚の外歯
歯車１１８ａ〜１１８ｆを、直前に組み込まれた外歯歯
車の偏心位置から見て位相差が最大になる偏心方向を順
次選択し、該選択された偏心位置に外歯歯車を順に配置
しているため、各外歯歯車１１８ａ〜１１８ｆによって
発生するモーメントの相殺効果を高めることができる。

【００５６】又、歯数差を「２」としているため、４枚
式歯車装置と同様に、高い増減比が実現可能である。

【００５７】なお、この実施形態では、内歯歯車１２５
を固定していたが、出力軸１０４、１０５を固定し、内
歯歯車１２５を出力軸とすることによっても、減速装置
を構成可能である。更に、これらの入出力を逆転させる
ことにより増速装置を構成することも可能である。

【００５８】

【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
Ｘ（Ｘは４以上の偶数）枚の外歯歯車を有する揺動内接
噛合遊星歯車装置の角度伝達誤差の低減方法において、
装置の小型化及び伝達容量の増大を実現しつつ、同時
に、高い増減比の実現と角度伝達誤差の低減を図ること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態の揺動内接噛合遊星歯車装置
が適用された減速機の側断面図

【図２】上記揺動内接噛合遊星歯車装置の外歯歯車と入
力軸の模式図

【図３】図２において外歯歯車の軸線方向の配置を変更
した場合の模式図

【図４】６枚式歯車装置の外歯歯車と入力軸の模式図

【図５】図１の揺動内接噛合遊星歯車装置の角度伝達誤
差を示す線図

【図６】従来の揺動内接噛合遊星歯車装置が適用された
減速機の側断面図

【図７】図６におけるＶ−Ｖ線に沿う断面図

【図８】従来の揺動内接噛合遊星歯車装置の外歯歯車と
内歯歯車の噛合状態を示す線図

【図９】従来の揺動内接噛合遊星歯車装置の角度伝達誤
差を示す線図

【符号の説明】

１０１…ケーシング １０３…入力軸 １０３ａ…貫通孔 １０４…第１支持ブロック １０５…第２支持ブロック １０７…内ピン １０８…内ローラ １０９ａ、１０９ｂ…軸受 １１４、１１５…中心孔 １１７ａ、１１７ｂ、１１７ｃ、１１７ｄ…偏心体 １１８ａ、１１８ｂ、１１８ｃ、１１８ｄ…外歯歯車 １２０ａ、１２０ｂ、１２０ｃ、１２０ｄ…軸受 １２４…外歯 １２５…内歯歯車 １２６…外ピン １２８ａ、１２８ｂ、１２８ｃ、１２８ｄ…内ローラ孔 １５０…キャリアボルト １５４…キャリアスペーサ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】遊星運動をする外歯歯車と、該外歯歯車が
   内接噛合する内歯歯車を有し、且つ、装置の中心軸が前
   記外歯歯車の周囲の内側に存在する揺動内接噛合遊星歯
   車装置の角度伝達誤差の低減方法において、 前記内歯歯車の歯数をＸ＊ｎ（Ｘは４以上の偶数、ｎは
   整数）に設定し、且つ、 前記内歯歯車と外歯歯車との歯数差を２に設定し、 前記Ｘ枚の外歯歯車を重ねた状態で、それぞれの外歯及
   び各外歯歯車を貫通するそれぞれの孔を加工すると共
   に、 前記Ｘ枚の外歯歯車のうち２枚の外歯歯車を１組とし、
   それぞれの組の外歯歯車を前記中心軸を中心として、円
   周方向に３６０／Ｘ（度）ずつ相対回転させた後、 各組の一方の外歯歯車に対して、他方の外歯歯車を、１
   ８０度反対の方向に平行に離反・移動してそれぞれ組み
   込むことを特徴とする揺動内接噛合遊星歯車装置の角度
   伝達誤差の低減方法。
2. 【請求項２】請求項１において、 前記Ｘ枚の外歯歯車の中で、１８０度の位相差を有する
   ２枚の外歯歯車を１組とし、該２枚の外歯歯車が前記中
   心軸の軸線方向に隣接するように配置してゆくことを特
   徴とする揺動内接噛合遊星歯車装置の角度伝達誤差の低
   減方法。
3. 【請求項３】請求項１において、 前記Ｘ枚の外歯歯車を、直前に組み込まれた外歯歯車の
   偏心位置から見て位相差が最大になる偏心方向を順次選
   択し、該選択された偏心位置に外歯歯車を順に配置して
   ゆくことを特徴とする揺動内接噛合遊星歯車装置の角度
   伝達誤差の低減方法。
4. 【請求項４】請求項１乃至３のいずれかに記載された角
   度伝達誤差の低減方法を用いて組み付けられた揺動内接
   噛合遊星歯車変速機。