JP5088324B2 - フッ素ゴム組成物、フッ素ゴム架橋体及びその製造方法並びにoリング用フッ素ゴム架橋体 - Google Patents

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Description

本発明は、低温性・耐熱性を有する着色可能なフッ素ゴム組成物、フッ素ゴム架橋体及びその製造方法並びにOリング用フッ素ゴム架橋体に関し、詳しくは、押し出し時にタルクの析出を防止できるフッ素ゴム組成物、フッ素ゴム架橋体及びその製造方法並びにOリング用フッ素ゴム架橋体に関する。
フッ素ゴムは、耐油性や耐熱性の点で非常に優れているため、例えば、自動車等の燃焼系統で使用されるOリング等のように幅広い用途において使用されている。
しかしながら、フッ素ゴムは、一般に他のエラストマー材に比べてガラス転移点が高く、ガラス転移点以下の温度になると完全にガラス状になってしまいゴム材としての機能を果たすことができなくなるため、低温性が悪いという欠点がある。このため、耐油性や耐熱性に優れ、且つ低温性にも優れたフッ素ゴムが要望されている。
近年、耐燃料油性・低温性に優れ、且つ低温性に優れるフッ素ゴムとして、デュポン社製の「バイトンGLT」(商品名)が注目されている。これらのフッ素ゴムは、通常はカーボン配合による黒色のフッ素ゴムであるが(特許文献1)、近年、識別等の市場ニーズから、着色フッ素ゴムの要請が増加する傾向にある。
しかし、当然のことながら、着色化するにはカーボンを配合することができない。一般に、カーボンを配合しないと、耐熱性や補強性が低下するが、タルクや硫酸バリウムといった白色充填剤を配合することで、この着色配合での補強性をカバーしているのが実情である。
一方、Oリングなど寸法精度を必要とする製品を成形する場合において、生地の準備(厚さの管理)は重要である。これらの用途の生地を準備する場合、オープンロールでの生地準備では生地の厚さ管理ができないことから、近年、生地押し出し機による生地準備が主流となってきている。
黒色配合(カーボン配合)では、押し出し機による生地準備に特に問題ない状況であったが、近年の着色ゴム需要の増加により、これまでに観察されない以下のような問題が顕在化してきた。
即ち、押し出し時に、耐熱・耐低温・着色可能なフッ素ゴムに配合しているタルク成分が、押出機の口金(ダイ)の先端部分に析出してしまい、ある程度の量が析出すると、押し出しした生地に異物として付着してしまう問題があった。析出したタルクは、フッ素ゴムに配合されているものだが、一ヵ所に凝集してしまった場合、当然のことながらゴムの機能低下を招く問題を引き起こす。
特開平10−139970号公報:黒色配合、耐油性に優れるフッ素ゴム 特開2005−053956号公報:耐油性、耐熱性、低温性に優れるフッ素ゴム
そこで、本発明の課題は、上記従来技術の問題を解決するものであり、押し出し時に、耐熱・耐低温・着色可能なフッ素ゴムに配合しているタルク成分が析出することがなく、現行量産材料と同等機能の製品が提供でき、生地準備時の不良品の大幅な低減が図れるフッ素ゴム組成物及びフッ素ゴム架橋体の製造方法を提供することにある。
また本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
請求項1記載の発明は、過酸化物加硫可能なフッ素ポリマーからなるフッ素ゴムと、過酸化物系架橋剤と、親水性表面を有する焼成タルクからなる耐熱性充填剤とを少なくとも含有し、前記焼成タルクをフッ素ポリマー100重量部当り2〜20重量部配合することを特徴とするフッ素ゴム組成物である。
請求項2記載の発明は、過酸化物加硫可能なフッ素ポリマーが、TR10値が−40℃〜−25℃の特性を有する低温タイプの三元系フッ素ポリマーであることを特徴とする請求項1記載のフッ素ゴム組成物である。
請求項3記載の発明は、低温タイプの三元系フッ素ポリマーが、フッ化ビニリデン−パーフルオロ(メチルビニルエーテル)−テトラフルオロエチレン三元系フッ素ポリマーであることを特徴とする請求項2記載のフッ素ゴム組成物である。
請求項4記載の発明は、カーボンブラックを実質的に配合しないことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のフッ素ゴム組成物である。
請求項5記載の発明は、着色剤を配合することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のフッ素ゴム組成物である。
請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何れかに記載のフッ素ゴム組成物を混練後に熱処理することを特徴とするフッ素ゴム架橋体の製造方法である。
請求項7記載の発明は、前記フッ素ゴム架橋体は、TR10値で規定される低温性が−25℃以下、250℃×70hrでの硬度変化が+5ポイント以内、伸び変化が−10%以内であることを特徴とする請求項6記載のフッ素ゴム架橋体の製造方法である。
請求項8記載の発明は、請求項6又は7記載のフッ素ゴム架橋体の製造方法により得られるフッ素ゴム架橋体をOリングに用いることを特徴とするOリング用フッ素ゴム架橋体である。
本発明によると、押し出し時に、耐熱・耐低温・着色可能なフッ素ゴムに配合しているタルク成分が析出することがなく、現行量産材料と同等機能の製品が提供でき、生地準備時の不良の大幅な低減が図れるフッ素ゴム組成物、フッ素ゴム架橋体及びその製造方法並びにOリング用フッ素ゴム架橋体を提供することができる。
押し出し先端部の形状を示す図
符号の説明
1:本体側
2:先端部の判定部位
以下、本発明の実施の形態について説明する。
〔フッ素ゴム組成物 〕
本発明のフッ素ゴム組成物は、過酸化物加硫可能なフッ素ポリマーからなるフッ素ゴムと、過酸化物系架橋剤と、親水性表面を有する焼成タルクである耐熱性充填剤とを少なくとも含有する。
<フッ素ゴム>
フッ素ゴムに用いられる過酸化物加硫可能なフッ素ポリマーとしては、含フッ素オレフィンの三元共重合体を用いることができる。
含フッ素オレフィンとしては、具体的には、例えば、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、トリフルオロエチレン、トリフルオロクロロエチレン、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニル、パーフルオロアクリル酸エステル、アクリル酸パーフルオロアルキル、パーフルオロメチルビニルエーテル、パーフルオロプロピルビニルエーテル等が挙げられる。
三元系フッ素ポリマーとしては、好ましくは、フッ化ビニリデン−パーフルオロ(メチルビニルエーテル)−テトラフルオロエチレン三元共重合体(略称:VdF/TFE/PMVE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン三元共重合体(略称:VdF/HFP/TFE)等が挙げられる。
これらのポリマーは、従来公知の方法により、溶液重合、懸濁重合または乳化重合させることにより得られ、市販品として入手できる。
本発明において、好ましい市販品は、低温タイプのもので、中でも好ましいのは、デュポン社製GLTタイプ(VdF/TFE/PMVE系)である。
本発明において、低温タイプというのは、TR10値が−40℃〜−25℃という特性を有するものを言う。
ここでTR10値は、TRテストでサンプルを50%伸長し、ガラス転移点(Tg)以下でガラス化させた後、徐々に温度を上げて行くと歪みが緩和し、初期伸長に対して10%回復した温度を示している。
本発明に用いられるフッ素ゴムとしては、例えば分子中にヨウ素および/または臭素を有するフッ素ゴムを用いることもできる。これらのフッ素ゴムは一般に有機過酸化物によって加硫(架橋)する際に、有機過酸化物と共に、トリアリルイソシアヌレートによって代表される多官能性不飽和化合物を併用することが好ましい。
本発明においては、フッ素ゴムは、上記低温タイプの性能を満たしているものを適宜選択できる。
<架橋剤>
架橋剤としては、過酸化物系架橋剤が用いられ、過酸化物系架橋剤としては有機過酸化物架橋剤を好ましく用いることができる。
有機過酸化物架橋剤としては、例えば2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、第3ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、第3ブチルクミルパーオキサイド、1,1−ジ(第3ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ジ(第3ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、第3ブチルパーオキシベンゾエート、第3ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、n−ブチル−4,4−ジ(第3ブチルパーオキシ)バレレートなどが用いられる。これらは市販品(例えば日本油脂製品「パーヘキサ25B−40」など)をそのまま用いることができる。また、パーオキサイド架橋剤として、原料ゴムと架橋剤とを含む市販のマスターバッチを用いてもよい。これらの架橋剤は1種又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
過酸化物系架橋剤の含有量は、フッ素ポリマー100重量部当り0.5〜5重量部の範囲が好ましく、より好ましくは1〜3重量部の範囲である。
<架橋促進剤>
架橋促進剤としては、本発明においては、酸化亜鉛、トリアリル・イソシアヌレート等が用いられる。その他に、酸化亜鉛を代表とする金属酸化物、ステアリン酸を代表とする脂肪酸、シリカ系補強剤を配合した場合はトリエタノールアミンやジエチレングリコール等が挙げられる。
本発明において、架橋促進剤の含有量は、フッ素ポリマー100重量部当り1〜10重量部の範囲が好ましく、より好ましくは3〜8重量部の範囲である。
<耐熱性充填剤>
本発明において、耐熱性充填剤として親水性表面を有する焼成タルクが用いられる。本発明に用いる焼成タルクは市販品として入手でき、市販品としては、エンスタック24(浅田製粉製)が挙げられる。
本発明において、焼成タルクの含有量は、フッ素ポリマー100重量部当たり2〜20重量部の範囲であり、好ましくは2〜12重量部の範囲である。
本発明においては、従来のように焼成されていない白色タルクを用いた場合には、押し出し時にタルク成分を析出してしまう問題がある。
<着色剤>
本発明は、着色配合における生地準備の問題解決を図るものであり、カーボンブラックは実質的に配合しないことが好ましく、ここで実質的に配合しないというのは、フッ素ポリマー100重量部当たり1重量部以下が好ましく、より好ましくは0.5重量部以下である。
本発明において、着色配合に用いることができる着色剤としては、べんがら、酸化亜鉛、酸化チタン、アニリンブラック、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、不溶性ジスアゾイエロー、縮合アゾイエロー、イソインドリノンイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、不溶性ジスアゾオレンジ、ベンズイミダゾロンオレンジ、ペリノンオレンジ、カドミウムレッド、モノアゾレーキレッド、不溶性モノアゾレッド、ベンズイミダゾロンレッド、縮合アゾレッド、キナクリドンレッド、ペリレンレッド、アントラキノニルレッド、キナクリドンバイオレッド、ジオキサジンバイオレッド、コバルトブルー、群青、フタロシアニンブルー、不溶性ジスアゾブルー、インダントロンブルー、チタンコバルトグリーン、塩素化フタロシアニングリーン、臭素化フタロシアニングリーン、ベンズイミダゾロンブラウン、アルミニウム等が挙げられる。
本発明において、着色剤の含有量は、フッ素ポリマー100重量部当たり1〜10重量部の範囲が好ましく、より好ましくは4〜8重量部の範囲である。
<その他の配合成分>
本発明においては、以上の成分以外に、ゴム配合剤として、例えばハイドロタルサイト(Mg6Al2(OH)16CO3)、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、チタン酸カリウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、硫酸バリウム、硼酸アルミニウム、ガラス繊維、アラミド繊維等の充填剤;ワックス、金属セッケン等の加工助剤;水酸化カルシウム、酸化亜鉛等の受酸剤;老化防止剤;熱可塑性樹脂;などのようなゴム工業で一般的に使用されている配合剤を本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて添加できる。
<調整>
本発明に係る過酸化物加硫可能なフッ素ポリマーからなるフッ素ゴム組成物の調製法としては、例えば、所定量の上記各成分を、インターミックス、ニーダー、バンバリーミキサー等の密閉型混練機またはオープンロールなどのゴム用の一般的な混練機で混練する手法や、各成分を溶剤等で溶解して、撹拌機等で分散させる方法などがある。
〔フッ素ゴム架橋体の製造方法〕
<一次加硫(架橋)>
上記のようにして得られたフッ素ゴム組成物は、射出成形機、圧縮成形機、加硫プレス機、オーブンなどを用いて、通常、140℃〜230℃の温度で1〜120分程度加熱(一次加硫)することにより、架橋(加硫)成形できる。
一次加硫は、一定の形状を形成(予備成形)するために、形状を維持できる程度に架橋させる工程であり、複雑な形状では、好ましくは、金型により成形され、空気加熱等のオーブンでも一次加硫は可能である。
<熱処理>
本発明において、一次加硫後の熱処理を行うには、200℃〜300℃の温度範囲、好ましくは250℃〜260℃の温度範囲で熱処理する。
熱処理時間は、0.1〜48時間の範囲が好ましく、より好ましくは1〜48時間、更に好ましくは10〜48時間の範囲である。
上記の熱処理によって得られた本発明のフッ素ゴム架橋体は、低温性(TR10値)が−25℃以下、耐熱性(250℃×70hr)での硬度変化+5ポイント以内、伸び変化−10%以内を有し、且つ、生地押し出し時にタルク成分を析出しない。
〔フッ素ゴム架橋体の用途〕
上記のようして得られたフッ素ゴム架橋体は、着色可能であり、耐熱性、耐低温性に優れており、中でもOリング等に好適に使用できる。
以下、本発明の実施例により本発明の効果を例証する。
実施例1
<配合成分と配合量>
フッ素ゴム(デュポン社製「バイトンGLT305」) 100重量部
硫酸バリウム(堺化学社製「B−54」) 30重量部
焼成タルク(浅田製粉社製「エンスタック24」) 10重量部
酸化亜鉛(正同化学工業社製) 5重量部
脂肪酸塩(花王社製「NSソープ」) 1重量部
べんがら(レミツカラー社製「ブラウン#401」) 5重量部
トリアリル・イソシアヌレート(日本化成社製「タイク」) 3重量部
2,5−ジメチル−2,5−ジ(第3ブチルペルオキシ)ヘキシン−3
(日本油脂社製「パーヘキサ 25B40」) 3重量部
<評価方法>
1.タルク析出評価
以上の各配合成分をニーダに投入して20分混練した後、オープンロールでまとめて生地を得て、生地が十分に冷却した後、ロールにて熱入れを行った。これを3サイクル実施した。
タルクの析出評価には東洋精機社製「ラボプラストミル」を用いて行った。押し出しは回転数15回転、温度40〜50℃にて20分間押し出しを行った。
押し出し先端部の形状を図1に示す。図1において、1は本体側であり、2は先端部の判定部位であり、先端部を外し、判定部位2(OK/NG部)に析出物があるか否かを目視にて確認した。
確認の結果を表1に示す。なお表1では、確認されなかった場合:○、確認された場合:×で示した。
表1から、タルクの析出が観察されなかったことがわかる。このことから、押し出し時のタルク析出が解決できたことを確認した。
2.フッ素ゴム架橋体の物性評価
(常態物性)
上記組成物(加硫成分を除く。)を用いて6インチミキシングロールにより厚さ2mmの未加硫ゴムシートを作製し、これに160℃×60分のプレス加硫の後、150℃×8時間のオーブン加硫を施して、常態物性評価用のシート状のゴム試験片を得た。
これらのゴム試験片につき、以下の方法でゴム硬度、引張り強さ(MPa)及び伸び(%)を評価した。評価結果を表1に示す。
1)ゴム硬度Hs;JIS K 6253に準拠し、タイプAデュロメーターで測定した。
2)引張り強さTb(MPa);JIS K 6251に準拠。
3)伸びEb(%);JIS K 6251に準拠(23±3℃にて測定)。
(圧縮永久歪CS)
上記未加硫組成物を用いて、JIS K 6262に準拠する大型試験片を、160℃×60分のプレス加硫と150℃×8時間のオーブン加硫を通じて作製し、JIS K 6262に準拠して200℃×70時間の加熱後の圧縮永久歪(%)を評価した。評価結果を表1に示す。
(耐熱老化性)
圧縮永久歪の評価と同様に250℃×70時間後の常態物性変化(率)を評価した。具体的には、ゴム硬度Hsは上記常態物性との変化値を求め、表1に示した。また引張り強さTbと伸びEbについては、上記常態物性との変化率を求め、表1に示した。
(浸漬試験)
100℃の燃料油C(イソオクタン/トルエン=50/50〔Vol%〕)中に168時間浸漬した後の常態物性変化(率)を評価した。具体的には、ゴム硬度Hsは上記常態物性との変化値を求め、表1に示した。また引張り強さTbと伸びEbについては、上記常態物性との変化率を求め、表1に示した。
(低温性)
TR10値を求め、表1に示した。
表1から、耐熱性着色フッ素ゴム中に焼成タルクを用いることにより、材料物性(耐熱性等)に優れるのみならず、タルクの析出がなく生地の準備性の改善を図ることができることがわかった。
比較例1
実施例1において、配合成分中の焼成タルクを、疎水性表面を有する焼成していないタルク(浅田製粉社製「タルク JA80R」粒径:10〜14μm)に代えた以外は同様に評価した。その結果を表1に示す。
表1より、判定部位にタルクの析出が認められることがわかった。
比較例2
実施例1において、配合成分中の焼成タルクを、疎水性表面を有する焼成していないタルク(浅田製粉社製 タルク FFR 粒径:<3.9μm)に代えた以外は同様に評価した。その結果を表1に示す。
表1より、タルクの粒子系を細かくすることで、析出を対策できないか検討したが、やはり比較例1と同様に判定部位にタルクの析出が認められることがわかった。
比較例3
実施例1において、配合成分中の焼成タルクを、界面活性剤処理タルク(浅田製粉社製 タルクCT110)に代えた以外は同様に評価した。その結果を表1に示す。
表1より、タルクを表面処理することで、析出を対策できないか検討したが、やはり比較例1と同様に判定部位にタルクの析出が認められることがわかった。
Figure 0005088324

Claims (5)

  1. 過酸化物加硫可能なフッ素ポリマーからなるフッ素ゴムと、過酸化物系架橋剤と、親水性表面を有する焼成タルクからなる耐熱性充填剤とを少なくとも含有し、カーボンブラックを実質的に配合せず着色剤を配合し、前記焼成タルクをフッ素ポリマー100重量部当り2〜20重量部配合することを特徴とするフッ素ゴム組成物。
  2. 過酸化物加硫可能なフッ素ポリマーが、TR10値が−40℃〜−25℃の特性を有する低温タイプのフッ化ビニリデン−パーフルオロ(メチルビニルエーテル)−テトラフルオロエチレン三元系フッ素ポリマーであることを特徴とする請求項1記載のフッ素ゴム組成物。
  3. 請求項1又は2記載の未加硫のフッ素ゴム組成物を生地押し出し機により押し出して生地を準備し、次いで加硫することを特徴とするフッ素ゴム架橋体の製造方法。
  4. 前記フッ素ゴム架橋体は、TR10値で規定される低温性が−25℃以下、250℃×70hrでの硬度変化が+5ポイント以内、伸び変化が−10%以内であることを特徴とする請求項3記載のフッ素ゴム架橋体の製造方法。
  5. 請求項3又は4記載のフッ素ゴム架橋体の製造方法により得られるフッ素ゴム架橋体をOリングに用いることを特徴とするOリング用フッ素ゴム架橋体。
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