JP2968941B2 - 耐油性ゴムアロイ組成物 - Google Patents

耐油性ゴムアロイ組成物

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JP2968941B2
JP2968941B2 JP6411896A JP6411896A JP2968941B2 JP 2968941 B2 JP2968941 B2 JP 2968941B2 JP 6411896 A JP6411896 A JP 6411896A JP 6411896 A JP6411896 A JP 6411896A JP 2968941 B2 JP2968941 B2 JP 2968941B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加硫可能な耐油性
ゴムアロイ組成物に係り、さらに詳しくはあらかじめ加
硫させたフッ素ゴムおよびまたはその配合物とニトリル
基含有高飽和重合体ゴムとのアロイ化により得られる耐
燃料油性、耐アルコール混合燃料油性および耐熱性に優
れている耐油性ゴムアロイ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】現在、フ
ッ素ゴムは、耐油性および耐熱性に最も優れたゴム材料
であるが、非常に高価であるという問題点を有してい
る。
【0003】また、ニトリル基含有高飽和重合体ゴム
は、耐油性、耐熱性および強度特性のバランスが優れて
いるため、耐油性、耐熱性ゴム材料として重要である。
しかし、ニトリル基含有高飽和重合体ゴムは、耐油性、
耐熱性がフッ素ゴムより劣るため、使用部位によって
は、その応用が制限されている。
【0004】最近の工業用途、特に自動車の分野におい
ては、ニトリル基含有高飽和重合体ゴムの耐油性、特に
耐燃料油性、耐アルコール混合燃料油性、耐熱性では不
十分で、フッ素ゴムとの中間の性能を有するゴム材料が
必要とされている。即ち、フッ素ゴムに、より近い優れ
た耐油性と、ニトリル基含有高飽和重合体ゴムとフッ素
ゴムの中間の耐熱性とを有し、且つ、フッ素ゴムより安
価なゴム材料が望まれている。
【0005】これに対し、ニトリル基含有高飽和重合体
ゴムとフッ素ゴムとを混練りしてブレンドする試み(例
えば、特開昭60−101135号公報、特開昭61−
62538号公報)が行われている。しかし、加工上混
練りが困難であったり、フッ素ゴムのニトリル基含有高
飽和重合体ゴムに対する親和性が乏しいため、双方の成
分が十分に均一に分散しにくく、また加硫のため加熱処
理する際に相分離し、更に分散度が低下するものであっ
た。そのため耐油性や耐熱性で実用上不満足であり、且
つ、大幅なコスト削減も達成されないものであった。
【0006】本発明はこれらの点に鑑みてなされたもの
であり、フッ素ゴムとニトリル基含有高飽和重合体ゴム
の加成性以上の優れた耐燃料油性、耐アルコール混合燃
料油性、フッ素ゴムとニトリル基含有高飽和重合体ゴム
の中間の耐熱性をもったゴムアロイ組成物をフッ素ゴム
より安価に、方法によってはニトリル基含有高飽和重合
体ゴムより安価に製造することのできる耐油性ゴムアロ
イ組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の実施の形態】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討を重
ねた結果、あらかじめ加硫させたフッ素ゴムおよびまた
はその配合物を含有してなる加硫可能な耐油性ゴムアロ
イ組成物は、フッ素ゴムとニトリル基含有高飽和重合体
の加成性以上の優れた耐燃料油性、耐アルコール混合燃
料油性、フッ素ゴムとニトリル基含有高飽和重合体ゴム
の中間の耐熱性を有し、且つ、フッ素ゴムより安価に、
方法によってはニトリル基含有高飽和重合体ゴムよりも
安価に提供できることを見い出し、本発明を完成するに
いたった。
【0008】即ち、本発明の耐油性ゴムアロイ組成物
は、一次加硫成形加工の際に発生するバリや端材からな
あらかじめ加硫させたフッ素ゴムおよびまたはその配
合物をニトリル基含有高飽和重合体ゴムに含有させて加
硫可能に形成したことを特徴とする。
【0009】さらに詳しくは、本発明の加硫可能な耐油
性ゴムアロイ組成物は、あらかじめ加硫させたフッ素ゴ
ムおよびまたはその配合物が、ニトリル基含有高飽和重
合体ゴム中に均一に分散され、その加硫物は、加硫のた
め加熱処理する際の相分離が防止されるとともに、ニト
リル基含有高飽和重合体ゴム自身の加硫とともに、フッ
素ゴム相の界面を中心に相内部でフッ素ゴムとニトリル
基含有高飽和重合体ゴムとが共架橋されると考えられる
ので、本発明の耐油性ゴムアロイ組成物の加硫物は、前
記の優れた化学、物理特性を備えているという特徴を有
する。
【0010】さらに、あらかじめ加硫させたフッ素ゴム
の配合物には、圧縮成形で発生する加硫されたバリや射
出成形、トランスファー成形、押し出し成形で発生する
加硫された端材等のいわゆる産業廃棄物も使用できるこ
とから、資源が再利用され、極めて安価な材料として提
供できることに特徴がある。
【0011】本発明におけるあらかじめ加硫させたフッ
素ゴムおよびまたはその配合物は、フッ素ゴム単体およ
びまたはその配合物を、加硫剤を用いて加硫させたもの
を用いることができる。加硫させるための加硫剤の種
類、量には特に制限はなく、フッ素ゴムおよびまたはそ
の配合物を加硫させ得るものであればよい。加硫剤に
は、一般的にフッ素ゴムの加硫に用いられているポリオ
ール加硫系、アミン加硫系、パーオキサイド加硫系、イ
オン加硫系等を用いることができる。
【0012】また、フッ素ゴムは、一般的には一次加硫
で成型した後、二次加硫して加硫を完結させる。本発明
におけるあらかじめ加硫させたフッ素ゴムおよびまたは
その配合物としては、一次加硫後のものでも、更に二次
加硫したものでもよいが、一次加硫後のものが望まし
い。その配合物には特に限定はなく、必要に応じて補強
性充填剤、増量充填剤、加硫安定剤、受酸剤、加工助
剤、カップリング剤、可塑剤、顔料等を配合してもよ
い。
【0013】そのフッ素ゴム配合物には、一次加硫でゴ
ム製品を成型加工した際に発生するバリや端材を使用す
るのが、資源再活用とコスト削減の面から特に望まし
い。
【0014】本発明におけるあらかじめ加硫させたフッ
素ゴムおよびまたはその配合物の一次加硫条件は、10
0〜300℃で数秒から48時間、好ましくは100〜
250℃で1時間以内の範囲とするとよい。二次加硫条
件は、100〜300℃で30分〜48時間、好ましく
は150〜250℃で2〜24時間の範囲とするとよ
い。これは加硫時間が短すぎると架橋度が不充分とな
り、24時間以上であると経済的でないばかりか、温度
条件によってはフッ素ゴムが劣化するためである。
【0015】また、あらかじめ加硫させたフッ素ゴムと
ニトリル基含有高飽和重合体ゴムとの混合割合は、特に
限定されないが、加硫したゴムアロイ組成物の特性か
ら、望ましくはあらかじめ加硫されたフッ素ゴムを、ニ
トリル基含有高飽和重合体ゴムに対して、重量比で、1
0/90〜90/10の混合割合とした範囲である。フ
ッ素ゴムが10重量(%)以下であると、耐油性、耐熱
性の改善効果が小さく、90重量(%)以上であると、
加工が困難であったり、引張り強さなどの物理特性が低
下して、実用上の制約が発生する。
【0016】あらかじめ加硫させたフッ素ゴムおよびま
たはその配合物をニトリル基含有高飽和重合体ゴムと混
合する際の形態は、特に限定されない。しかし、ニトリ
ル基含有高飽和重合体ゴムとの円滑な混合と均一化に
は、平均粒子径が5mm以下の配合物粉体であるとさら
に望ましい。
【0017】本発明におけるフッ素ゴムは、炭素原子数
が2〜8の含フッ素単量体の共重合体であり、具体的に
はビニリデンフルオライド、ヘキサフルオロプロピレ
ン、ペンタフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレ
ン、クロロフルオロエチレンおよびアルキル基の炭素原
子数が1〜5のパーフルオロ(アルキルビニルエーテ
ル)の群より選ばれる少なくとも1種の化合物を必須成
分としたものおよびテトラフルオロエチレンおよびビニ
リデンフルオライドの少なくとも1種とそれと共重合可
能な他のオレフィンとの共重合体であり、必要に応じて
架橋点となる活性ハロゲン基含有単量体やエポキシ基含
有単量体を共重合したものでもよい。
【0018】これらのあらかじめ加硫させたフッ素ゴム
のうち、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロ
ピレン共重合体、ビニリデンフルオライド−ヘキサフル
オロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ビ
ニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン−パー
フルオロ(メチルビニルエーテル)共重合体、テトラフ
ルオロエチレン−プロピレン共重合体、テトラフルオロ
エチレン−ビニリデンフルオライド−プロピレン共重合
体が特に好ましく、一般に市販されているフッ素ゴムを
使用することができる。これらのフッ素ゴムのムーニー
粘度(ML1+4、100℃)は、20〜150のものを
用いるとよい。
【0019】本発明におけるニトリル基含有高飽和重合
体ゴムは、ニトリル基含有単量体単位の含有量が通常5
〜50重量%である。該重合体ゴムのヨウ素価は80以
下が好ましく、更に好ましくは0〜60の範囲である。
ここで、ニトリル基含有高飽和重合体ゴムのヨウ素価
は、JIS K 0070に従って求められた値であ
る。
【0020】本発明におけるニトリル基含有高飽和重合
体ゴムは、共役ジエン−不飽和ニトリル共重合体ゴムの
共役ジエン部分を水素化したもの、共役ジエン−エチレ
ン性不飽和単量体−不飽和ニトリル共重合体ゴムの共役
ジエン部分を水素化したものが挙げられる。
【0021】具体的には、ブタジエン−アクリロニトリ
ル共重合体、イソプレン−ブタジエン−アクリロニトリ
ル共重合体、ブタジエン−ブチルアクリレート−アクリ
ロニトリル共重合体、ブタジエン−シアノエチルアクリ
レート−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−2−
エチルヘキシルアクリレート−アクリロニトリル共重合
体、ブタジエン−イタコン酸ジエチル−アクリロニトリ
ル共重合体、ブタジエン−イタコン酸ジ−n−ブチル−
アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−ジエチルアミ
ノエチルメタクリレート−アクリロニトリル共重合体、
ブタジエン−トリフルオロエチルアクリレート−アクリ
ロニトリル共重合体、ブタジエン−テトラフルオロプロ
ピルアクリレート−アクリロニトリル共重合体、ブタジ
エン−オクタフルオロペンチルアクリレート−アクリロ
ニトリル共重合体などのゴムを水素化したものが例示で
きる。
【0022】これらのニトリル基含有高飽和重合体ゴム
の分子量は、少なくともニトリル基含有高飽和重合体ゴ
ム自身も自己加硫できる大きさ以上を必要とする。一
方、極度の高分子量は、あらかじめ加硫させたフッ素ゴ
ムおよびまたはその配合物との相溶性を損なうおそれが
あるので、数平均分子量で3,000〜500,000
が望ましい。更に好ましくは、ムーニー粘度(ML
1+4 、100℃)で10〜150のものを用いるとよ
い。一般に、水素化ニトリルゴム、HNBRとして市販
されているものを用いることができる。
【0023】本発明組成物のアロイ化には、一般的にニ
トリル基含有高飽和ゴムの加硫に用いられる加硫剤を使
用することができるが、ニトリル基含有高飽和重合体ゴ
ムとフッ素ゴムとの共加硫が可能な加硫剤を使用するこ
とにより、更に好ましい物性を与えることができる。例
えば、有機過酸化物は加硫剤として好ましく、その際架
橋助剤を併用すると、更に好ましい。
【0024】使用する有機過酸化物としては、ゴム工業
やプラスチック工業で通常使用される有機過酸化物が使
用でき、特に限定されない。
【0025】具体的にはジクミルパーオキサイド、ジ−
t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキ
サイド、クメンヒドロパーオキサイド、ベンゾイルパー
オキサイド、2,4−ジクロロジベンゾイルパーオキサ
イド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパー
オキシ)ヘキサン、1,1−ジ−(t−ブチルパーオキ
シ)−3、3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブ
チルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,
5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ジ
(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンなどが
挙げられる。これらの有機過酸化物の使用量は、本発明
においては特に限定されないが、通常は該アロイゴム1
00重量部あたり0.5〜15重量部の範囲である。
【0026】使用する架橋助剤は、通常の有機過酸化物
加硫で使用されるものでよく、例えばトリアリルシアヌ
レート、トリアリルイソシアヌレート、トリメチロール
プロパントリメタクリレート、エチレンジメタクリレー
ト、マグネシウムジメタクリレート、ジビニルベンゼ
ン、ジアリルフタレート、トルイレンビスマレイミド、
メタファニレンビスマレイミドなどの多官能性モノマ
ー、液状ポリブタジエン、p−キノンジオキシム、p,
p’−ジベンゾイルキノンジオキシムなどのオキシム化
合物などが挙げられる。これらの架橋助剤の使用量は、
通常、該アロイゴム100重量部当り0.1〜15重量
部であり、好ましくは1〜8重量部である。
【0027】本発明の耐油性ゴムアロイ組成物の調整方
法には、特に限定はなく、前記の各種成分を、ロール、
加圧ニーダー、バンバリーミキサー、インターナルミキ
サー等の通常のゴム混練機によって均一に混合すること
により、容易に調整される。この際、あらかじめ加硫さ
れたフッ素ゴムおよびまたはその配合物は、あらかじめ
通常のゴム混練機でシート状とするか、もしくは粉砕機
で粉末化した粉末状のものを用いるのが望ましい。
【0028】本発明の耐油性ゴムアロイ組成物には、さ
らに好ましい物理特性や加工性のバランスを与えるため
に、必要に応じて補強性充填剤、増量充填剤、老化防止
剤、加硫安定剤、加工助剤、カップリング剤、相溶化
剤、可塑剤、顔料等を配合してもよい。
【0029】こうして得られる本発明の耐油性ゴムアロ
イ組成物は、ゴム工業に一般的に用いられる圧縮成型、
射出成型、トランスファー成型、押し出し成型、溶剤に
溶かしてのコーティング等により成型される。
【0030】
【発明の効果】本発明のゴムアロイ組成物を加硫するこ
とによって得られる加硫物は、フッ素ゴムとニトリル基
含有高飽和ゴムの加成性以上の優れた耐燃料油性、耐ア
ルコール混合燃料油性、フッ素ゴムとニトリル基含有高
飽和重合体ゴムの中間の耐熱性を有する。更に、フッ素
ゴムより安価に、方法によってはニトリル基含有高飽和
重合体ゴムより安価に製造することができる。そのた
め、パッキン、ガスケット、オイルシール、Oリング、
バルブ、ダイヤフラム、チューブ、ホース、ベルト、ロ
ール、ロールブレード、防振ゴム、被覆材、コーティン
グ材等の耐油性、耐熱性が要求される各種の用途に広く
使用することができる。
【0031】
【実施例】以下、実施例により、本発明を具体的に説明
する。なお、本発明はこれによって限定されるものでは
ない。
【0032】以下の記述において、部は重量部を示す。
加硫ゴム物性はJIS K 6301に従って評価し
た。耐熱性は加硫物を175℃ギヤオーブン中で168
時間熱老化させた後の各物性値の変化率を測定すること
により評価した。耐圧縮永久ひずみ性は、加硫ゴムを2
5(%)圧縮した175℃、168時間後の試料の圧縮
永久ひずみ率を測定した。耐油性を示す膨潤度体積変化
率は、加硫ゴムをJIS#3油中に150℃で70時
間、JIS燃料油Cおよび20容量(%)のメタノール
を含有させたJIS燃料油Cのそれぞれの油中に40℃
で70時間浸漬した後の変化率を測定することにより求
めた。
【0033】本実施例における耐油性ゴムアロイ組成物
は次のようにして得た。即ち、第1表に示す配合に従
い、各成分を2本ロールで均一に混合し、フッ素ゴム配
合物FKM1からFKM5までを作成した。
【0034】次に、第2表に示す配合および脚注に示す
加硫条件に従って、一次加硫(プレス加硫)した後、二
次加硫して、加硫させたゴムアロイ組成物を得た。な
お、加硫させるゴムアロイ組成物の加硫条件は、以下に
示す第3表から第5表まで同じである。
【0035】実施例1 ニトリル基含有高飽和重合体ゴムであるHNBR1の1
00部に対して、あらかじめ一次加硫させたプロピレン
含有三元系フッ素ゴム配合物FKM3−C1を43.3
部(HNBRに対するフッ素ゴムのゴム分重量組成比率
25(%))、ステアリン酸を1部、置換ジフェニルア
ミンを2部、酸化亜鉛を5部、FEFカーボンを50
部、架橋助剤であるトリアリルイソシアヌレートを2.
3部、有機過酸化物であるパーヘキサ25Bを4.5部
とした。
【0036】実施例2 あらかじめ一次加硫させたプロピレン含有三元系フッ素
ゴム配合物FKM3−C1を86.7部(HNBRに対
するフッ素ゴムのゴム分重量組成比率40(%))、架
橋助剤であるトリアリルイソシアヌレートを3.2部、
有機過酸化物であるパーヘキサ25Bを6.3部とした
以外は、前記実施例1と同じ配合割合とした。
【0037】実施例3 あらかじめ一次加硫させたプロピレン含有三元系フッ素
ゴム配合物FKM3−C1を241.1部(HNBRに
対するフッ素ゴムのゴム分重量組成比率65(%))、
架橋助剤であるトリアリルイソシアヌレートを5.3
部、有機過酸化物であるパーヘキサ25Bを10.5部
とした以外は、前記実施例1と同じ配合割合とした。
【0038】比較例1 比較のため、ゴムをHNBR1のみとし、加硫系である
トリアリルイソシアヌレートおよびパーヘキサ25Bの
配合量比が、実施例1の全ゴム分と同じとなるよう、そ
れぞれを1.6部、3.2部とした以外は、前記実施例
1と同じ配合割合とした。
【0039】比較例2 比較のため、ゴムを未加硫のフッ素ゴム配合物FKM3
−C0を130部のみとした。
【0040】比較例3 比較のため、未加硫のフッ素ゴム配合物FKM3−C0
を、FKM3−C1の代りに配合させた以外は、前記実
施例1と同じ配合割合とした。
【0041】評 価 実施例1から実施例3、比較例1から比較例3の二次加
硫物の常態物性、耐熱老化性、耐圧縮永久ひずみ性、耐
油性、耐燃料油性および耐メタノール混合燃料油性の評
価結果を、配合と加硫条件と併せて第2表に示す。
【0042】この第2表に示すように、実施例1の耐油
性ゴムアロイ組成物の耐熱老化性を示す引張強さ変化率
は、それぞれの単一ゴム二次加硫物である比較例1およ
び比較例2より小さく、伸び変化率および硬さ変化率は
比較例1および比較例2の中間にあって、耐熱老化性に
優れている。圧縮永久ひずみ性も同様に優れている。ま
た、実施例1の耐油性ゴムアロイ組成物は、HNBR
(比較例1)より耐油性、耐燃料油性、耐メタノール混
合燃料油性において体積変化率が小さく優れている。更
に、未加硫のフッ素ゴム配合物との混合物(比較例3)
に比べて、耐熱老化性、耐油性、耐燃料油性、耐メタノ
ール混合燃料油性に優れていることが判明した。
【0043】実施例2および実施例3の耐油性ゴムアロ
イ組成物の耐熱性も比較例1より優れており、耐油性、
耐燃料油性、耐メタノール混合燃料油性は、実施例1よ
り更に向上しており、前記と同様の効果を発揮すること
が判明した。
【0044】耐燃料油性、耐メタノール混合燃料油性を
示す体積変化率について、HNBR1の単独配合物であ
る比較例1およびフッ素ゴム単独配合物である比較例2
に対する実施例1、2、3の値をプロットした結果を図
1に示す。
【0045】図1から明らかなように、実施例1から実
施例3の耐燃料油性、耐メタノール混合燃料油性は、H
NBRとフッ素ゴムの加成性以上に優れていることがわ
かる。
【0046】次に、実施例4から7において、用いるフ
ッ素ゴム配合物の作成条件および形態を変えて前記と同
様に評価した。配合と評価結果を第3表に示す。
【0047】実施例4 あらかじめ二次加硫させたフッ素ゴム配合物FKM3−
C2を、FKM3−C1の代りに用いた以外は、前記実
施例1と同じ配合割合とした。
【0048】実施例5 圧縮成型加硫で発生したフッ素ゴム配合物のバリ未粉砕
品FKM3−C1Bを、FKM3−C1の代りに用いた
以外は、前記実施例1と同じ配合割合とした。
【0049】実施例6 圧縮成型加硫で発生したフッ素ゴム配合物のバリを機械
粉砕し、3mm以下にふるい分けしたFKM3−C1B
を、FKM3−C1の代りに用いた以外は、前記実施例
1と同じ配合割合とした。
【0050】実施例7 圧縮成型加硫で発生したフッ素ゴム配合物のバリを機械
粉砕後、ジェット気流粉砕し、100μm以下にふるい
分けしたFKM3−C1Bを、FKM3−C1の代りに
用いた以外は、前記実施例1と同じ配合割合とした。
【0051】評 価 第3表に示すように、実施例4からあらかじめ二次加硫
させたフッ素ゴム配合物でも、実施例5から圧縮成型加
硫で発生したバリでも、本発明の耐油性ゴムアロイ組成
物は前記と同様の優れた特徴を発揮する。実施例6およ
び実施例7から、フッ素ゴム配合物のバリ粉砕品は、そ
れぞれの特性がさらに若干向上することが判明した。
【0052】さらに、実施例8から11において、フッ
素ゴム配合物を、HNBRに対するフッ素ゴムのゴム重
量組成比率が25(%)となるようにして、フッ素ゴム
配合物を2元系フッ素ゴムとした場合、3元系フッ素ゴ
ムとした場合、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)
を含有する3元系フッ素ゴムとした場合および純ゴム配
合とした場合について評価した。比較例を含めた配合と
評価結果を第4表に示す。
【0053】実施例8 あらかじめ一次加硫させた2元系フッ素ゴム配合物FK
M1−C1の44.5部を、FKM3−C1の代りに用
いた以外は、前記実施例1と同じ配合割合とした。
【0054】実施例9 あらかじめ一次加硫させた3元系フッ素ゴム配合物FK
M2−C1の44.5部を、FKM3−C1の代りに用
いた以外は、前記実施例1と同じ配合割合とした。
【0055】実施例10 あらかじめ一次加硫させたパーフルオロ(メチルビニル
エーテル)を含有する3元系フッ素ゴム配合物FMK4
−C1の46.1部を、FKM3−C1の代りに用いた
以外は、前記実施例1と同じ配合割合とした。
【0056】実施例11 あらかじめ一次加硫させたフッ素ゴムの純ゴム配合物F
KM5−C1の35部を、FKM3−C1の代りに用い
た以外は、前記実施例1と同じ配合割合とした。
【0057】比較例4 比較のため、未加硫の2元系フッ素ゴム配合物FKM1
−C0を用いた以外は、前記実施例8と同じ配合割合と
した。
【0058】比較例5 比較のため、未加硫の3元系フッ素ゴム配合物FKM2
−C0を用いた以外は、前記実施例9と同じ配合割合と
した。
【0059】評 価 実施例8から11において、フッ素ゴムを組成の異なる
2元系、3元系、パーフロ(メチルビニルエーテル)を
含有する3元系および純ゴム配合とした場合でも、優れ
た耐熱老化性、耐油性、耐燃料油性および耐メタノール
混合燃料油性を発揮する。また、実施例8と比較例4お
よび実施例9と比較例5の比較から、本発明の耐油性ゴ
ムアロイ組成物は、未加硫のフッ素ゴムを用いた場合よ
り、前記の優れた特徴を発揮していることがわかる。
【0060】また、実施例12から14において、組成
とヨウ素価の異なる各種HNBRとのアロイ組成物を、
それぞれのHNBR単独および未加硫フッ素ゴムとの混
合物を用いた比較例6から11までと対比して評価し
た。これらの配合と評価結果を第5表に示す。
【0061】実施例12 ヨウ素価の小さいHNBR2を、HNBR1の代りに用
いた以外は、前記実施例1と同じ配合割合とした。
【0062】実施例13 ニトリル含量が高いHNBR3を、HNBR1の代りに
用いた以外は、前記実施例1と同じ配合割合とした。
【0063】実施例14 ニトリル含量が低く、ヨウ素価もやや低い低温タイプH
NBR4を、HNBR1の代りに用いた以外は、前記実
施例1と同じ配合割合とした。
【0064】比較例6 比較のため、ゴムをHNBR2のみとした以外は、前記
実施例12と同じ配合割合とした。
【0065】比較例7 比較のため、未加硫のフッ素ゴム配合物FKM3−C0
を、FKM3−C1の代りに用いた以外は、前記実施例
12と同じ配合割合とした。
【0066】比較例8 比較のため、ゴムをHNBR3のみとした以外は、前記
実施例13と同じ配合割合とした。
【0067】比較例9 比較のため、未加硫のフッ素ゴム配合物FKM3−C0
を、FKM3−C1の代りに用いた以外は、前記実施例
13と同じ配合割合とした。
【0068】比較例10 比較のため、ゴムをHNBR4のみとした以外は、前記
実施例14と同じ配合割合とした。
【0069】比較例11 比較のため、未加硫のフッ素ゴム配合物FKM3−C0
を、FKM3−C1の代りに用いた以外は、前記実施例
14と同じ配合割合とした。
【0070】評 価 実施例12と比較例6と7、実施例13と比較例8と
9、実施例14と比較例10と11およびこれらと比較
例1との比較から、組成やヨウ素価の異なる各種HNB
Rを用いた場合でも、これら実施例の耐油性ゴムアロイ
組成物は、前記と同様な優れた特徴を発揮することが判
明した。
【0071】
【図面の簡単な説明】
【図1】 HNBRに対するFKMの組成比率と体積変
化率との関係を示す特性図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−3077(JP,A) 特開 昭60−141737(JP,A) 特開 昭62−156144(JP,A) 特開 平8−193197(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 9/02 C08L 27/12 - 27/20

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニトリル基含有高飽和重合ゴムに、一次
    加硫成形加工の際に発生するバリや端材からなるあらか
    じめ加硫させたフッ素ゴムおよびまたはその配合物を含
    有させてなる加硫可能な耐油性ゴムアロイ組成物。
  2. 【請求項2】 あらかじめ加硫させたフッ素ゴムを、ニ
    トリル基含有高飽和重合ゴムに対して重量基準で10/
    90〜90/10の割合で含有させたことを特徴とする
    請求項1に記載の耐油性ゴムアロイ組成物。
  3. 【請求項3】 あらかじめ加硫させたフッ素ゴムは、ビ
    ニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重
    合体、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピ
    レン−テトラフルオロエチレン共重合体、ビニリデンフ
    ルオライド−テトラフルオロエチレン−パーフルオロ
    (メチルビニルエーテル)共重合体、テトラフルオロエ
    チレン−プロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン
    −ビニリデンフルオライド−プロピレン共重合体の1種
    もしくは複数種であることを特徴とする請求項1または
    請求項2に記載の耐油性ゴムアロイ組成物。
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