JP2009091494A - カーボンブラックおよびそれを含む機能性部材配合用ゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】機能性ゴム部材のゴム配合要求特性である引張り強さやモジュラス値などの機械的特性を維持し、高位の耐へたり性を付与するともに、加工性(押出特性)を低下させないソフト系カーボンブラックの提供。
【解決手段】ジブチルフタレート吸収量(DBPA)が90cm/100gを超え110cm/100g未満、よう素吸着量(IA)が25g/kgを超え40mg/kg未満という基本特性を有するカーボンブラックにおいて、
(A)窒素吸着比表面積(NSA)とIAとの比(NSA/IA)が0.80〜1.00であり、
(B)遠心沈降分析によるストークス相当径の最多頻度値(Dst)が、下記(1)式
Dst≧(DBPA)−7.5(IA)+415・・・(1)
を満足するものであり、
(C)比着色力が下記式(2)
比着色力≦IA+15・・・(2)
を満足するものであることを特徴とするカーボンブラックとおよびそれを含む機能性部材配合用ゴム組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えばドアやトランク用のウェザーストリップ、ドアグラスラン、ウィンドシールドなどの自動車用ゴム部品、および各種の機能性ゴム部材に配合されるソフト系カーボンブラックとそれを含むゴム組成物に関し、より詳しくは配合ゴムの押出し加工性を低下させることなく、高位の耐へたり性(小さな圧縮永久歪み)を付与するとともに高周波加硫時における加硫効率を改良することが可能な新規なカーボンブラックおよびそれを含む機能性部材配合用ゴム組成物に関する。
カーボンブラックは、その主たる用途のゴム配合用としての特性である加工性と補強性で分類されており、ゴム配合時に比較的柔らかい組成物を与えるソフト系カーボンブラックでは、半補強性ファーネスブラック(Semi Reinforcing Furnace−SRF)、汎用ファーネスブラック(General Purpose Furnace−GPF)、良押出性ファーネスブラック(Fast Extruding Furnace−FEF)などに分類されている。
ソフト系カーボンブラックは、ゴム組成物用としては作業性が良い、発熱が低い、多量配合できるなどの、またプラスチック用としては底色が青いなどの特徴を有しており、この特性を生かしてタイヤカーカス用、チューブ用、シール材、ウェザーストリップ用などのゴム部材ならびにプラスチック用着色剤として利用されている。
しかしながら、ソフト系カーボンブラックは上記の特色・利点を有している一方で、多量配合した場合にカーボンブラックとプロセスオイルが凝集を起こし、ゴムマトリックス中に均一に分散しにくいという欠点がある。また、カーボンブラックを配合したスポンジ製品や低硬度ゴム製品などでは押出加工性が低下し、その作業性において問題があった。これらの欠陥を解決することを目的として、本発明者らは従来よりも粒子径が大きくかつストラクチャーを発達させたソフト系カーボンブラックを開発した(特許文献1)。このソフト系カーボンブラックは、よう素吸着量(IA)が15〜25g/kg、ジブチルフタレート吸油量(DBPA)が100〜150cm/100gの特性を有するファーネスカーボンブラックにおいて、遠心沈降分析によるストークス相当径の最多頻度値(Dst:nm)が下記式
Dst(nm)≧(DBPA)−7.5(IA)+350
を満足するものであり、かつ着色力が下記式
比着色力(%)≦(IA)+25
を満足するものであった。
このソフト系カーボンブラックの開発により、ゴムおよびプラスチックへの分散性は大幅に改良され、またゴム配合時においても優れた反発弾性と補強性を付与するとともに押出加工性でも大きく特性を改善することが可能となった。このように特許文献1に開示されたソフト系カーボンブラックは従来にない優れた特性を有しており、そのほかにも圧縮永久歪が少ないことやゴム組成物の表面肌が平滑であるなどの特徴も同時に満足させることができる。しかし、特許文献1記載のカーボンブラックは上記の特色・利点を有しているが、通常のSRF級カーボンブラックよりもさらに粒子径が大きく、このためにゴムに配合し、加硫方法として高周波(UHF−Ultra High Frequency)加硫を採用した場合には、加硫時間が遅延するという欠点があった。
これを改良するために本出願人は特許文献2として、ジブチルフタレート吸収量(DBPA)が110〜140ml/100g、よう素吸着量(IA)が25g/kgを超え35g/kg未満という基本特性を有するカーボンブラックにおいて、窒素吸着比表面積(NSA)とIAとの比、NSA/IAが0.85〜1.00であり、遠心沈降分析によるストークス相当径の最多頻度値(Dst)が下記(A)式より大きく、かつ着色力が下記(B)式より小さいことを特徴とするカーボンブラックを出願した。
Dst≧(DBPA)−7.5(IA)+405・・・(イ)
比着色力≦IA+20・・・(ロ)
しかしながら、特許文献2で開示された特性を有するソフト系カーボンブラックではよう素吸着量を高い側に設定し、ストラクチャーはほぼその範囲を維持した特性としたために、ゴムマトリックス成分に対して配合割合を高くしたとき、具体的には110重量部以上でより顕著に配合ゴム組成物の粘度が上昇し、このため練り作業時での加工性(押出特性)が低下するという欠点が見られた。
特開平2−011664号公報 特開平6−145554号公報
配合ゴム組成物の粘度を低下させ、配合物の加工性(押出特性)を改良するためには、一般的にカーボンブラックの比表面積を下げるあるいはストラクチャーを下げることが有効な手段として考えられる。例えば、比表面積を特許文献2の範囲であるよう素吸着量を25g/kg以下に設定した場合、特許文献2に記載しているようにゴム加硫方法として高周波加硫時を採用した場合には、加硫時間が遅延してしまい好ましくない。
また、ストラクチャーについて例えば、特許文献2のストラクチャー範囲を110cm/100g未満に設定した場合、ゴムマトリックスへのカーボンブラックの分散性が低下し、結果的にゴム組成物の機械的特性、すなわち引張り強さやモジュラス値などの低下を招き好ましくない。
本発明の課題は、カーボンブラック配合量が多くなった場合であっても先願発明(特許文献2)の特徴、すなわち機能性ゴム部材のゴム配合要求特性である引張り強さやモジュラス値などの機械的特性を維持し、高位の耐へたり性を付与するともに、配合ゴム組成物の粘度上昇、加工性(押出特性)の低下をさせることなく、かつ高周波加硫時における加硫効率を改良することが可能な新規ソフト系カーボンブラックを提供することを目的としたものである。
本発明者らは、上記課題の解決に取り組み、ソフト系カーボンブラックの基本的特性に加えて、最小分散単位であるアグリゲート特性と、これに深く関連する比着色力を与えられた範囲に制御することにより目的とするゴム配合特性を満足させることを見い出した。
すなわち、本発明者らは、特許文献2のストラクチャー範囲を90cm/100gを超えて110cm/100g未満という低下した領域に設定するとともに、従来の特許文献1および2よりもDstモード径(カーボンブラックアグリゲートの最多頻度値)をさらに大きい側(定数項の数値を更に大きくする)に設定するとともに、比着色力値を大きくし、かつ比着色力値を従来よりも低位に制御することにより、配合ゴム組成物の粘度上昇、加工性(押出特性)の低下をさせることなく機械的特性(引張り強さ、モジュラス値など)を維持し、高位の耐へたり性(小さな圧縮永久歪み)を付与することのできるソフト系カーボンブラックを提供できることを見いだし、本発明を完成させた。
本発明の第1は、ジブチルフタレート吸収量(DBPA)が90cm/100gを超え110cm/100g未満、よう素吸着量(IA)が25g/kgを超え40g/kg未満という基本特性を有するカーボンブラックにおいて、
(A)窒素吸着比表面積(NSA)とIAとの比(NSA/IA)が0.80〜1.00であり、
(B)遠心沈降分析によるDstモード径{Dst(nm)}が、下記(1)式
Dst(nm)≧(DBPA)−7.5(IA)+415・・・(1)
を満足するものであり、
(C)比着色力が下記(2)式
比着色力(%)≦IA+15・・・(2)
を満足するものであることを特徴とするカーボンブラックに関する。
本発明の第2は、非極性ゴム100重量部に対して、請求項1記載のカーボンブラックを80〜200重量部、好ましくは110〜200重量部を配合したことを特徴とする機能性部材配合用ゴム組成物に関する。
本発明の第3は、前記非極性ゴムがエチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)である請求項2記載の機能性部材配合用ゴム組成物に関する。
前記(A)、(B)、(C)の3つの特性は、従来では比表面積が大きくなる(粒子径が小さくなる)と発現される配合ゴム特性として粘度上昇、分散性低下、表面肌の荒れなどを引きおこすが、本発明ではそのようなことは全くなく、また圧縮永久歪み、押出し特性の点においてもこれらの特性を何等低下させることがない。
特に、本発明のカーボンブラックは、Dstモード径(Dst)と比着色力の関係は、前記特許文献1および2に対して同じDstモード径(Dst)対比で比着色力がさらに低位にあるという特異なカーボンブラックである。
さらに詳しくは、通常では、よう素吸着量が大きくなるにつれてDstモード径(Dst)は小さくなり、比着色力は大きくなるのが一般的であるが、本発明カーボンブラックでは前記特許文献2よりもよう素吸着量範囲が大きくなっているにも拘らず、前記特許文献2より比着色力は大きくなっていないという特性を有しており、これが本発明の効果に大きく貢献している。
本発明は、ジブチルフタレート吸収量(DBPA)が90cm/100gを超え110cm/100g未満、よう素吸着量(IA)が25g/kgを超え40g/kg未満という基本特性を有するカーボンブラックでなければならず、これらの範囲外では、配合ゴム特性の機械的特性(引張強さ、モジュラス値)と加工性(粘度、押出加工性)との両立が困難となり、好ましくない。
本発明における窒素吸着比表面積(NSA)とIAとの比(NSA/IA)は0.80〜1.00であることが必要であり、0.80を下回った場合には配合ゴムの機械的特性(引張強さ、モジュラス値)の低下を招き、好ましくない。また、1.00を上まわった場合には、配合ゴムの耐へたり性を悪化(大きい圧縮永久歪)させるので好ましくない。
本発明におれる前記ジブチルフタレート吸収量(DBPA)、よう素吸着量(IA)および窒素吸着比表面積(NSA)とIAとの比(NSA/IA)に関する条件限定は遠心沈降分析によるDstモード径{Dst(nm)}が、下記(1)式
Dst(nm)≧(DBPA)−7.5(IA)+415・・・(1)
を満足し、かつ比着色力が下記(2)式
比着色力(%)≦IA+15・・・(2)
を満足するものであり、これらの式を満足しない場合は、カーボンブラックがゴムマトリックス中に均一に分散しにくく、配合ゴム特性として局部的な粘度上昇や表面肌荒れなどを引き起こすことがあるので好ましくない。
本発明のカーボンブラックは、非極性ゴム100重量部に対して、80〜200重量部を配合することが好ましい。
本発明は、高部配合時に欠陥が発生する特許文献2の発明を改善するものであるが、カーボンブラックの配合量が80重量部を下回ると特許文献2記載のカーボンブラック配合物と本発明の配合ゴム組成物との特性の差が小さくなり、また、200重量部を上回るとゴム配合物の加工性・取り扱いが著しく困難となり、ゴム製品の成形が難しくなるので好ましくない。
本発明により、特許文献2のストラクチャー範囲を低く、表面積領域高く設定し、Dstモード径(カーボンアグリゲートの最多頻度値)を大きく、かつ比着色力値を従来よりも低位に制御することにより機械的特性(引っ張り強さ、引っ張り応力など)を維持するとともに、高位の耐へたり性(小さな圧縮永久歪み)を付与することのできるカーボンブラックを提供することができた。
本発明のカーボンブラックを配合をゴム組成物に配合することにより、その機械的特性(引張り応力)に対しの圧縮永久歪が低く、かつムーニー粘度に対する押出ダイスウエルが低く、高位の耐へたり性と加工性、押出特性の両立が可能となる。
また、本発明のカーボンブラックを配合し、高周波(UHF−Ultra High Frequency)加硫を採用した場合には圧縮永久歪に対する加硫時間も効果的に短縮できるという特異な性能をも付与することができる。
以下に本発明の実施例を比較例と対比しながら詳しく説明するが、これにより本発明の範囲が限定されるものではない。
本実施例のカーボンブラックは、特許第1059132号(特許権者:旭カーボン株式会社)に記載した製造炉と同様の構成である図1のオイルファーネス炉(直径1000mm)の炉頭部中心軸方向から炉内に原料油噴霧ノズル4を挿入し、炉の接線方向に上下それぞれに設けられた第1空気孔(AとA′)、第2空気孔(BとB′)ならびに第3空気孔(CとC′)およびAとA′に補助原料導入装置5を設置し、各空気孔からの導入空気量、補助原料導入量ならびに原料油の導入量・温度をそれぞれ表2〜表3に示す条件に調整することにより、表2〜表3に示す物理化学特性を有するソフト系ファーネスカーボンブラックを製造した。原料油としては表1に示した性状のものを使用し、補助原料としてはC重油を使用した。なお、ストラクチャー(DBPA値など)については通常の調整剤(アルカリ金属化合物、たとえば水酸化カリウム)を適宜使用した。カーボンブラックの製造条件およびその物理化学特性は表2〜3に示した通りである。
Figure 2009091494
Figure 2009091494
注1)導入原料油に対するカリウムイオンとしての添加量
表中の第1空気孔(A)空気量とは、図2に示すようにAとA′の1組の空気孔から導入される空気量の和を示すものであり、第2空気孔(B)空気量とは、BとB′の1組の空気孔から導入される空気量の和を示すものであり、第3空気孔(C)空気量とは、CとC′〔なお、B′とC′は図示していない〕の1組の空気孔から導入される空気量の和を示すものである。
Figure 2009091494
注1)導入原料油に対するカリウムイオンとしての添加量
なお製造例のRun No.1〜6は本発明にかかるソフト系カーボンブラックであり、RunNo.7はRun No.6とほぼ同じ基本特性であるが、NSA/IA比が本発明範囲よりも大きく、本発明の必要条件である
Dst(nm)≧(DBPA)−7.5(IA)+415・・・(1)

比着色力(%)≦IA+15・・・(2)
の条件を満たさない例である。
Run No.8はIA値が大きい側に本発明の範囲を外れた例である。
また、Run No.9はDBPA吸収量が本発明の範囲を大きい側に外れた例である。
Run No.10は逆に本発明の範囲を小さい側に外れ、また本発明の必要条件である(1)式
Dst(nm)≧(DBPA)−7.5(IA)+415・・・(1)
と(2)式
比着色力(%)≦IA+15
の条件を満たさない例である。
Run No.11は、よう素吸着量が本発明の範囲より小さい側に外れた例である。
Run No.12は、DBPA吸収量が本発明の範囲より大きい側に外れ、また本発明の必要条件である(1)式
Dst≧(DBPA)−7.5(IA)+415・・・(1)
と(2)式
比着色力≦IA+15・・・(2)
の条件を満たさない例である。
Run No.13は出願人が市販しているSRF級のカーボンブラック(商品名:#50H)の特性を示したものである。
本発明にかかるカーボンブラックの物理化学特性はつぎのようにして測定されたものである。
(i)よう素吸着量(IA):JIS K6217−1:2001に記載された方法により測定され、単位重量(kg)当たりのよう素の吸着量g/kgで表示される。
(ii)DBP吸収量(DBPA):JIS K6217−4:2001に記載された2項A法方法により測定され、100g当たりのDBP吸収量cm/100gで表示される。
(iii)窒素吸着比表面積(NSA):JIS K6217−2:2001に記載された方法により測定され、単位重量(g)当たりの比表面積m/gで表示される。
(iv)比着色力:JIS K6217−5:2001に記載された方法により測定され、ペーストの反射率に対する試料ペーストの反射率の指数(%)で表示される。
(v)遠心沈降分析によるアグリゲートサイズの測定
使用機器:Disk Centrifuge Photo sediment meter〔Joyce Loeble社製、4型機(MarkVI)〕
測定方法:30V/V%メタノール水溶液50mlを三角フラスコに入れ、0.1mlの界面活性剤ノニライトPN−10(共栄社油脂化学工業製)を加える。0.03〜0.04重量%のカーボンブラックを加え、超音波処理(400W、38KHz、5分)を施して完全に分散させる。25V/V%グリセリン水溶液(スピン液)20mlを注加した回転ディスクの回転数を4000rpmとし、上記分散液0.02〜0.03mlを注加する。分散液の注加と同時に記録計を作動させ、回転ディスクの外周近傍の一定点で沈降により通過するカーボンブラックのアグリゲート量を光学的に測定し、その量を時間に対する連続曲線として記録する。沈降時間を下記のストークスの一般式によりストークス径に換算し、アグリゲートのストークス相当径とその頻度の対応曲線を得る。
Figure 2009091494
式(1)において、dは沈降開始t分後での回転ディスクの光学測定点を通過するカーボンブラックアグリゲートのストークス相当径であり、定数Kは測定温度24℃、カーボンブラックの真比重1.86g/cmとして937.5を使用した。
Dstモード径の定義:前記の操作で得られたアグリゲートのストークス相当径の測定曲線において、最多頻度値(ピーク値であり、実際には光学的測定なので最大吸光度に当たる)を与えるストークス相当径をDstモード径と定義する。
ゴム配合特性表2〜3で示したカーボンブラックを表4に示した配合割合でゴムに配合し、150℃で30分間加硫して、各種ゴム特性を測定した。ゴム特性の結果を表5〜6に示した。
Figure 2009091494
注1) EPDM:エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴムで、JSR株式会社製、
エチレン含有量54%、第三成分ENB9%
注2)M :2−メルカプトベンゾチアゾール、
〔大内新興化学工業(株)製、商品名ノクセラーM〕
注3)TT :テトラメチルチウラムジスルフィド
〔大内新興化学工業(株)製、商品名ノクセラーTT〕
注4)TRA :ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド
〔大内新興化学工業(株)製、商品名ノクセラーTRA〕
注5)BZ :ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛
〔大内新興化学工業(株)製、商品名ノクセラーBZ〕
Figure 2009091494
注)前記5つの指数は、いずれも対照例の値を100としたときの指数である。
Figure 2009091494
注)前記5つの指数は、いずれも対照例の値を100としたときの指数である。
表5〜6におけるゴム特性は、次のようにして測定した。
(1)未加硫ゴム特性(ムーニー粘度指数)評価
JIS K6300:1994の第6項に記載の方法により測定し、比較例(Run No.13 旭#50H)の試験片のムーニー粘度を100としてそれぞれのムーニー粘度指数を表示した。なお、指数値が小さい程、ムーニー粘度が低く、作業性・加工性が良いことを示す。
(2)未加硫ゴム押出特性(押出ダイスウェル)評価
押出ダイスウェル指数はプロセッサビリティテスター(モンサント社製)で測定し、比較例(Run No.13 旭#50H)の試験片の測定値を100としてそれぞれの押出ダイスウェル指数を表示した。なお、指数値が小さい程、押出ダイスウェルが低く、寸法安定性が良いことを示す。
(3)加硫ゴム特性評価
加硫ゴムの特性JIS K6301(加硫ゴム物理試験方法)に記載の方法により測定し、比較例(Run No.13 旭#50H)の試験片の測定値を100として、指数で表示した。なお、指数値が大きい程、機械的特性(引張り強さ、200%モジュラス)が高いことを示す。
(4)加硫ゴム圧縮永久歪特性評価
圧縮永久歪指数については、70℃で22時間加熱後の試料について測定し、比較例(Run No.13 旭 #50H)の試験片の測定値を100としてそれぞれの圧縮永久歪指数を表示した。なお、指数値が小さい程、圧縮永久歪が低く耐へたり性が良いことを示す。
(5)加硫開始時間(min)
表4に示したゴム配合割合で未加硫ゴム組成物を調製し、この組成物を厚さ約6mm、直径40mmの円盤状に打ち抜いて試料とした。この試料片を電子レンジ(形式番号 PR−1−AF型、三菱電気(株)製、高周波出力300W)の加熱用皿の中央に一枚置き、タイマーにより加熱時間を10秒に設定して加熱を開始した。設定時間経過後に試料片を取り出し、試料片を指で折り曲げて硬い部分が存在するかどうかを調べた。このとき、硬い部分(核)が発見されたときの加熱時間を高周波加熱での加硫開始時間とした。もし、見つけられなかった場合には前記の処理、すなわち同一練り生地の別の試料片を電子レンジ(室温まで冷却)中にいれ、電子レンジの設定時間を10秒延長して、硬い核が発生するまでの加熱時間を測定した。なお、加熱時間が短い程、加硫方法として高周波(UHF−Ultra High Frequency)加硫を採用した場合に加硫時間が短くなることを示す。
表2〜3に示した物理化学特性を有する実施例および比較例のカーボンブラックをEPDMゴムに配合した表5〜6のゴム特性表から、本発明カーボンブラックの効果について説明する。
Run No.8および11は、よう素吸着量から本発明の必要条件が外れた例であり、機械的特性(引張り応力)に対して圧縮永久歪が高くて好ましくない。また、ムーニー粘度に対する押出ダイスウエルが高く、加工性、押出特性ともに好ましくない。
Run No.7は、Run No.6とほぼ同じ基本特性であるが、NSA/IA比が本発明の範囲よりも大きく、本発明の必要条件である(1)式の
Dst(nm)≧(DBPA)−7.5(IA)+415・・・(1)
と(2)式の
比着色力(%)≦IA+15・・・(2)
の条件を満たしておらず、機械的特性(引張り応力)に対して圧縮永久歪が高くて好ましくない。また、ムーニー粘度に対する押出ダイスウエルが高く、加工性、押出特性ともに好ましくない。
Run No.9はDBPA吸収量(DBPA)が本発明の必要条件が外れた例であり、機械的特性(引張り応力)に対して圧縮永久歪が高く好ましくない。また、ムーニー粘度に対する押出ダイスウエルが高く、加工性、押出特性ともに好ましくない。
Run No.10および12は、DBP吸収量が本発明の必要条件が外れていることに加え、本発明の必要条件である(1)式の
Dst(nm)≧(DBPA)−7.5(IA)+415・・・(1)
と(2)式の
比着色力(%)≦IA+15・・・(2)
の条件を満たさない例であり、機械的特性(引張り応力)に対して圧縮永久歪が高く好ましくない。
また、ムーニー粘度に対する押出ダイスウエルが高く、加工性、押出特性ともに好ましくない。
以上により、本発明の必要条件すなわち、ジブチルフタレート吸収量(DBPA)が90cm/100gを超え110cm/100g未満、よう素吸着量(IA)が25g/kgを超え40g/kg未満という基本特性を有するカーボンブラックにおいて、窒素吸着比表面積(NSA)とIAとの比、NSA/IAが0.80〜1.00であり、遠心沈降分析によるストークス相当径の最多頻度値(Dst)が(1)式より大きく、かつ比着色力が(2)式より小さいことを特徴とするカーボンブラックを配合することで、
Dst(nm)≧(DBPA)−7.5(IA)+415・・・(1)
比着色力(%)≦IA+15・・・(2)
機械的特性(引張り応力)に対しの圧縮永久歪が低くかつムーニー粘度に対する押出ダイスウエルが低く、高位の耐へたり性と加工性、押出特性の両立が可能となる。
また、本発明の重要課題である高周波加硫時での加硫速度については、効果的に加硫時間が短縮できている。
本発明のカーボンブラックを製造するのに好適な製造炉の1例を示す縦断正面図である。 第1図におけるD−D矢視の断面図である。
符号の説明
1 製造炉(オイルファーネス炉)
2 燃焼帯域
3 反応帯域
4 原料油噴霧ノズル
5 バーナー
A 第1空気孔
B 第2空気孔
C 第3空気孔

Claims (3)

  1. ジブチルフタレート吸収量(DBPA)が90cm/100gを超え110cm/100g未満、よう素吸着量(IA)が25g/kgを超え40g/kg未満という基本特性を有するカーボンブラックにおいて、
    (A)窒素吸着比表面積(NSA)とIAとの比(NSA/IA)が0.80〜1.00であり、
    (B)遠心沈降分析によるDstモード径{Dst(nm)}が、下記(1)式
    Dst(nm)≧(DBPA)−7.5(IA)+415・・・(1)
    を満足するものであり、
    (C)比着色力が下記(2)式
    比着色力(%)≦IA+15・・・(2)
    を満足するものであることを特徴とするカーボンブラック。
  2. 非極性ゴム100重量部に対して、請求項1記載のカーボンブラックを80〜200重量部を配合したことを特徴とする機能性部材配合用ゴム組成物。
  3. 前記非極性ゴムがエチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)である請求項2記載の機能性部材配合用ゴム組成物。
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