JP2002030233A - 機能性ゴム部品配合用カーボンブラック - Google Patents
機能性ゴム部品配合用カーボンブラックInfo
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Abstract
く、高位の耐へたり性を付与するとともにUHF加硫時
の発熱性が高く、優れた耐へたり性とUHF加硫性能を
高位で両立し得る機能性ゴム部品配合用カーボンブラッ
クを提供する。 【解決手段】 窒素吸着比表面積(N2SA)が20〜40m2/g、
DBP 吸収量が100 〜135cm3/100g、トルエン着色透過度
(LT)が85%以上の特性範囲にあって、かつ、比着色力(T
int)が、Tint≧1.4 N2SA+2 …(1) 式の関係を満たすこ
とを特徴とする機能性ゴム部品配合用カーボンブラッ
ク。なお、トルエン着色透過度(LT)が90%以上であっ
て、Tint≧1.4 N2SA+4 …(2) 式を満たすことがより好
ましい。
Description
ザーストリップやガラスラン等の機能性ゴム部品に配合
されるカーボンブラック、特に高周波(UHF;Ultra
High Frequency)誘導加熱により加硫(UHF加硫)す
るのに好適な機能性ゴム部品配合用カーボンブラックに
関する。
等の機能性ゴム部品、例えばスポンジ材には優れた耐へ
たり性や押出し加工性(表面平滑性、寸法安定性)を備
えていることが要求され、従来から配合するカーボンブ
ラックにはSRFやGPFなどの粒子径が大きく(比表
面積が小さく)、適度にストラクチャーが発達したソフ
ト系のカーボンブラックが有用されている。そして、配
合するソフト系カーボンブラックのコロイダル特性によ
りゴム性能の改善を図る研究も盛んに行われている。
う素吸着量(IA)が15〜25mg/g、ジブチルフタレート
(DBPA)が100 〜150ml/100gの特性を有するファーネスカ
ーボンブラックにおいて、遠心沈降分析によるストーク
ス相当径の最頻度値(Dst) が下記式よりも大きく、か
つ着色力が式よりも小さい、ソフト系ファーネスカー
ボンブラックが提案されている。 式 Dst≧(DBPA)−7.5(IA) +350 、式 着色力≦
(IA)+25
法(DCF法) により測定されるモード径(Dst) が150nm 以
上、(2) 前記モード径(Dst) とその半値幅 (ΔDst)の比
(ΔDst /Dst)が1.05以上、(3) 着色力(T) とブラ
ックネス(B) との比(B/T)が1.20以上、の特性を備
える機能部品ゴム配合用カーボンブラック(特開平3−
14848 号公報)を提案している。
高周波(UHF;Ultra High Freq-uency )加硫(以
下、「UHF加硫」ともいう)が採用されてきており、
へたり性が小さいばかりでなく、UHF加硫時間の短縮
化、すなわち、高周波誘導分子振動による発熱性に優れ
ていることが必要となってきている。高周波による発熱
効果はカーボンブラックの粒子径を小さくすることによ
り上昇するが、耐へたり性が低下するため、耐へたり性
とUHF加硫時における高発熱性とを両立させることは
困難である。
遅延を改善する目的で、特開平6−145554号公報
には、ジブチルフタレート吸油量(DBPA)が110〜14
0ml/100g 、よう素吸着量(IA)が25mg/gを超え35mg
/g未満という基本特性を有するカーボンブラックにおい
て、窒素吸着比表面積(N2SA)とIAとの比、N2SA/IAが
0.85〜1.00であり、遠心沈降分析によるストー
クス相当径の最多頻度値(Dst) が式より大きく、かつ
着色力が式より小さいことを特徴とするカーボンブラ
ックが提案されている。 Dst ≧(DBPA)−7.5(IA) +405 着色力≦IA+
20
554号公報とは異なる観点から、機能部品用のゴム部
材として、配合ゴムに高位の耐へたり性を付与するとと
もにUHF加硫時における発熱性が高く、両特性を高位
で両立化し得るカーボンブラックの開発研究を進めた結
果、カーボンブラックの比表面積および表面性状が大き
く影響することを知見し、CTAB比表面積が20〜4
0m2/g、50kg/cm2の圧力で圧縮した時の電気比抵抗が
0.3Ω・cm以下、トルエン着色透過度(LT)が95%以
上の特性を有する機能部品ゴム配合用カーボンブラック
を開発提案(特願平11−224899号)した。
ーボンブラック特性とUHF加硫時の発熱性および配合
ゴムの耐へたり性との関係について鋭意研究を進めた結
果、比表面積が小さく、またレギュラーストラクチャー
からハイストラクチャーの適度に高いストラクチャーレ
ベルのカーボンブラックを対象として、カーボンブラッ
ク粒子表面に存在する未分解炭化水素量を少なく、かつ
一定比表面積当たりの比着色力を高位に設定することに
より、配合ゴムのUHF加硫性能の向上と配合ゴムの押
出し加工性を維持しながら耐へたり性が改善されること
を見出した。
たもので、その目的は配合ゴムの押出し加工性を劣化さ
せることなく、高位の耐へたり性を付与するとともにU
HF加硫時における発熱性が高く、優れた耐へたり性と
UHF加硫性能を高位で両立化し得る、機能性ゴム部品
配合用のカーボンブラックを提供することにある。
めの本発明による機能性ゴム部品配合用のカーボンブラ
ックは、窒素吸着比表面積(N2SA)が20〜40m2/g、D
BP吸収量が100〜135cm3/100g、トルエン着色透
過度(LT)が85%以上の特性範囲にあって、かつ、比着
色力(Tint)が下記(1) 式の関係を満たすことを構成上の
特徴とする。 Tint ≧ 1.4N2SA+2 … (1)
イダル特性のうち、窒素吸着比表面積(N2SA)は、この値
が小さな値ほど粒子径は大きく、耐へたり性は向上する
が、UHF加硫性能が低下する。すなわち、この値が2
0m2/g未満では配合ゴムの耐へたり性は良好であるが補
強性が低く、またUHF加硫性能が悪化する。一方、4
0m2/gを越えると耐へたり性の低下が著しくなる。
レベルに維持するための特性要素であって、DBP吸収
量が100cm3/100gを下回る場合には配合ゴムの膨潤率
が高くなり、寸法安定性が低下するとともに表面肌(平
滑性)が劣化する。しかし、135cm3/100gを上回ると
嵩高く、粘度が上昇することとなり、混練り加工性が低
下する。
〜40m2/g、およびDBP吸収量が100〜135cm3/
100gの特性範囲は、配合ゴムの押出し加工性を維持しな
がら優れた耐へたり性、およびUHF加硫時の発熱性能
を高位に保持させるための前提的特性要件となるもので
ある。
ク粒子表面に残留する未分解炭化水素量の程度を示すも
ので、残留する未分解炭化水素量が少ない程トルエン着
色透過度(LT)の値は大きくなる。この残留する未分解炭
化水素はカーボンブラックの耐へたり性を阻害する物質
であり、本発明は耐へたり性を阻害するこの未分解炭化
水素量を規制するためにトルエン着色透過度(LT)の値を
85%以上と設定するものである。その結果、ゴムとカ
ーボンブラックの過剰な相互作用が抑制されてゴム弾性
が回復し、耐へたり性の向上が図られる。
ボンブラックは、比着色力(Tint)と窒素吸着比表面積(N
2SA)とが (1)式の関係、すなわち、Tint≧1.4N2SA+
2の関係を満たすことが必要であり、この関係を充足し
ない場合には配合ゴムの押出し加工性を維持しながら、
耐へたり性を高位に保持するとともにUHF加硫時の発
熱性能の向上を図ることができない。比着色力(Tint)を
1.4N2SA+2式で算出される値以上に設定するのは、
一定比表面積当たりの比着色力(Tint)、すなわち、一定
粒子径当たりの比着色力(Tint)値を高く設定することに
よってゴム中のカーボンブラック相互間の距離が短くな
り、高周波分子振動による熱が伝わり易くなるため、他
の物性を維持しつつUHF加硫性能を向上させることが
可能となる。
用カーボンブラックは、主要な特性要件であるトルエン
着色透過度(LT)の値を85%以上、および、比着色力(T
int)を1.4N2SA+2からの算出値以上、に設定するこ
とにより、前提となる窒素吸着比表面積(N2SA)およびD
BP吸収量の特性とが総合的に機能して、配合ゴムの押
出し加工性を劣化させることなく、高位の耐へたり性が
付与されるとともに、UHF加硫性能の向上、すなわち
UHF加硫時間の短縮化に有効機能する。
は、トルエン着色透過度(LT)の値を90%以上に、ま
た、比着色力(Tint)を1.4N2SA+4からの算出値以上
に、各設定することにより、配合ゴムの耐へたり性およ
び押出し加工性とUHF加硫性能とをより高位に両立す
ることができる。
特性は、下記の方法によって測定された値が用いられ
る。 窒素吸着比表面積(N2SA); (m2/g) ASTM D3037−88“Standard Test Methods for Ca
rbon Black−SurfaceArea by Nitrogen Adsorption"に
よる。 DBP吸収量; (cm3/100g) JIS K6217−97「ゴム用カーボンブラックの基本性
能の試験方法」による。 トルエン着色透過度(LT); (%) JIS K6218−97「ゴム用カーボンブラックの付随的
性質の試験方法」による。 比着色力(Tint); (%) JIS K6217−97「ゴム用カーボンブラックの基本性
能の試験方法」による。
ラックは、常法に従って、加硫剤、加硫促進剤、加硫助
剤、老化防止剤、軟化剤、可塑剤などの必要成分ととも
に、ゴム成分100重量部に対して20〜200重量
部、好ましくは50〜150重量部の割合で配合し、混
練り、加硫処理して目的とする機能性ゴム部品が得られ
る。ゴム成分としては、天然ゴムやスチレンブタジエン
ゴム、ポリブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプ
レンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エチレ
ン−プロピレンゴム、ブチルゴム、その他カーボンブラ
ックにより補強可能な常用の各種合成ゴム、あるいはそ
れらを混合したブレンドゴムなどが例示される。
する鼓状絞り部をもつ広径の円筒型反応炉を用い、二段
で導入した燃料油と空気または酸素を含む適宜な酸化剤
とによる高温燃焼ガス中に原料油を霧化導入し、熱分解
により原料油をカーボンブラックに転化する方法によっ
て製造される。
接線方向空気供給口1と炉軸方向に装着された複数の一
次燃焼バーナ2および水冷外套を有し炉軸方向に進退可
能な外筒二次燃焼バーナ3とこれに挿着された伸縮自在
な中軸筒原料油ノズル4からなる二重筒構造の燃料油お
よび原料油噴射ノズル5を備えた燃焼室6と、同軸的に
鼓状の狭径部7を介して広径反応室8が連設され、下流
域に水冷クエンチ9を備えた急冷部10を経て垂直に立
ち上がる煙道11に接続する円筒反応炉を用いて製造さ
れる。なお、原料油導入位置は中軸筒原料油ノズル4の
伸縮により適宜変更することができる。
体的に説明する。
給口1を備えたウインドボックスと、下流側出口部が緩
やかに収斂する燃焼室6(内径 700mm、長さ1200mm)、
該燃焼室と同軸的に連結する狭径部7(内径 350mm、長
さ 300mm)、これに引き続き開拡するする広径反応室8
(内径 800mm、長さ7000mm)、および反応室の下流域に
位置変更し得る水冷クエンチ9を設けた図1に示した形
態の円筒反応炉を設置した。炉頭から炉中心軸に沿って
二重筒構造の燃料油および原料油霧化噴射ノズル5を挿
着し、その周辺に4本の一次燃焼バーナ2を設置した。
燃料油および原料油噴射ノズル5は、燃料油導入点(外
筒二次燃焼バーナ3の噴出孔)が収斂部入口に、原料油
導入点(中軸筒原料油ノズル4の噴出孔)が狭径部入口
にそれぞれ位置するように調整した。
の原料油及び燃料油を用いて、全空気供給量、1段目及
び2段目燃料油供給量(燃料燃焼率)、原料油供給量及
び噴出圧、クエンチまでの炉内滞留時間、などの発生条
件を変えて特性の異なるカーボンブラックを製造した。
カーボンブラックの製造条件と得られたカーボンブラッ
クの特性を対応させて表2(実施例)および表3(比較
例)に示した。なお、表4に参考例1〜3として市販の
ソフト系カーボンブラックの特性を示した。
ンブラック試料を表5に示す配合割合でEPDMゴムに
配合した。なお、カーボンブラックの配合量は、配合ゴ
ムの硬度(JIS) が60となるように変量とした。
温度で15分間加硫して、得られた各ゴム組成物につい
てJIS K6301「加硫ゴム物理試験方法」によりゴム
物性を測定した。なお、UHF加硫時の発熱性、圧縮永
久歪みおよびダイスウエ ルの測定は下記の方法により行
った。
ト・パッカード(株)製Q- METER(4342 A)を用い
て、下記の条件で誘電率(ε)および損失係数(D)を
測定した。UHF加硫時の発熱性は、誘電率(ε)×損
失係数(D)の値(誘電体損)を指標として評価し、こ
の値が大きいほど、UHF加硫時の発熱性が高く、短時
間でUHF加硫を行うことが可能である。 試験片;径45mm、厚さ2mm、 周波数;20MHz 、
温度;室温 圧縮永久歪み(%)の測定 JIS K6301「加硫ゴム物理試験方法」により、70
℃、70時間の条件にて測定した。なお、この値が小さ
いほど、耐へたり性が高いことを示す。 ダイスウエ ルの測定 Monsanto Processability Tester (MONSANT
O社製)を用いて、ダイの径(D);1.51mm、L/
D=10、温度;100℃、剪断速度;1000 sec-1
の条件にて測定し、ダイの径に対する押出し物の径の膨
潤率 (%) で示した。この値が小さいほど、寸法安定性
および表面肌が良好で、押出し加工性に優れることを示
す。
損失係数(D)の算出値、を表6(実施例)、表7(比
較例)、表8(参考例)に示した。また、測定結果のう
ち、耐へたり性(繰り返し応力を与えたときに生じる永
久的な歪み現象に耐え得る抗力)の指標となる圧縮永久
歪みと、UHF加硫時の発熱特性の指標となる誘電体損
(ε×D)との関係グラフを図2に示した。
件を具備するカーボンブラックを配合した実施例のゴム
配合物は、比較例および参考例のゴム配合物と比べて、
良好な表面平滑性および寸法安定性(低いダイスウエ
ル)を維持しながら、一定圧縮永久歪み当たりの誘電体
損が高い傾向が認められ、優れた耐へたり性と高いUH
F加硫性能とが両立付与されていることが判る。
配合用カーボンブラックは、配合ゴムに良好な表面平滑
性および寸法安定性(低いダイスウエ ル)を維持しなが
ら、優れた耐へたり性と高いUHF加硫性能とをバラン
ス良く付与することが可能である。したがって、自動車
ウェザーストリップやガラスランをはじめとするスポン
ジ材などの一般にUHF加硫が行われる各種工業用機能
性ゴム部品に配合されるカーボンブラックとして産業上
極めて有用である。
クを製造するために用いられる反応炉を例示した側断面
図である。
誘電体損の関係を示した散布図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 窒素吸着比表面積(N2SA)が20〜40m2
/g、DBP吸収量が100〜135cm3/100g、トルエン
着色透過度(LT)が85%以上の特性範囲にあって、か
つ、比着色力(Tint)が下記(1) 式の関係を満たすことを
特徴とする機能性ゴム部品配合用カーボンブラック。 Tint ≧ 1.4N2SA+2 … (1) - 【請求項2】 トルエン着色透過度(LT)が90%以上
で、かつ、比着色力(Tint)が下記(2) 式の関係を満たす
請求項1記載の機能性ゴム部品配合用カーボンブラッ
ク。 Tint ≧ 1.4N2SA+4 … (2)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000217105A JP4068289B2 (ja) | 2000-07-18 | 2000-07-18 | 機能性ゴム部品配合用カーボンブラック |
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-
2000
- 2000-07-18 JP JP2000217105A patent/JP4068289B2/ja not_active Expired - Lifetime
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US10546665B2 (en) | 2013-02-15 | 2020-01-28 | Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. | Resin composition for high dielectric constant materials, molded article containing same, and master batch for coloring |
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