JP2006188695A - フルオロカーボン加工助剤を用いた動的加硫 - Google Patents

フルオロカーボン加工助剤を用いた動的加硫 Download PDF

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Abstract

【課題】加工性に優れ、容易にリサイクルが可能な硬化性フルオロカーボンエラストマー組成物を提供する。
【解決手段】
硬化性フルオロカーボンエラストマーは多量の非硬化性熱可塑性材料と少量の動的加硫条件下では硬化しない第二のフルオロカーボンエラストマーの存在下で動的硬化させる。該非硬化性エラストマーは好ましくは硬化性フルオロカーボンエラストマー100部基準で1〜20部存在する。加工性ゴム組成物は連続相の熱可塑性材料と、連続相に分散した硬化フルオロカーボンエラストマーの粒子と、硬化フルオロカーボンエラストマー100部基準で10部以下のレベルでの未硬化フルオロカーボンエラストマーとから成る。成形物品、例えばガスケットとシールは加工性ゴム組成物の熱可塑化加工で製造される。
【選択図】なし

Description

序 論
本発明は熱加工性エラストマー組成物に関する。特に本発明は低レベルの第二の非硬化性エラストマーの存在下でフルオロカーボンエラストマーの動的加硫による組成物の製造方法に関する。
硬化フルオロカーボンゴムから製造した成形物品、例えばガスケット、ホース、シール、等はいろいろな工業的、およびその他の用途での使用に物品を適切なものにする物性の望ましい組合せがある。例えば、物品の高温安定性と耐薬品性は高温および/もしくは腐食化学環境に曝される自動車、およびその他の用途での物品の使用を適切なものとする。
フルオロカーボンゴムはゴム成形技術で加工されるので、装置が高度となりエネルギー・コストが高く、しかも所要時間が比較的遅くなる。更に、製造工程で発生するスクラップは一般にリサイクル不能で例えば埋立てで処理しなければならない。
近年、フルオロカーボンエラストマーを含有する熱加工性組成物が開示されている。熱加工性組成物は熱可塑化手段、例えば射出成形、圧縮成形、等で加工できる。組成物はその製造でいわゆる加工助剤を存在させることが必要となることが多い。加工助剤は組成物の粘度を低くし、摩擦を低下させ、物品の製造効率を向上させるその他の望ましい性質を与える。
加工助剤は耐高温性があり、組成物に存在するフルオロカーボンエラストマーとの相溶性がなければならない。普通に使用する加工助剤はパーフルオロポリエーテルに基づくものである。熱可塑化工程の高温に耐え、その上更に相溶性のある加工助剤の発見と開発が望まれている。
総 括
成形物品、例えばホース、シール、ガスケットは硬化フルオロカーボンと、未硬化フルオロカーボンエラストマー・ポリマーから成る加工助剤とを含有する動的加硫ゴムを熱可塑化加工して製造する。本発明の加工助剤は動的加硫ゴムの硬化エラストマー成分と熱可塑性ポリマー成分との相溶性があり、次の熱可塑化加工で特に可塑化と摩擦低減が得られる。もし動的加硫ゴムのフルオロカーボンエラストマーがパーオキサイドで硬化されているときは、加工助剤は動的加硫条件下でパーオキサイドにより硬化されないフルオロカーボンエラストマー・ポリマーである。もしフルオロカーボンエラストマーがフェノールで硬化されているときは、加工助剤は加硫条件下でフェノールで硬化されないフルオロカーボンエラストマー・ポリマーである。
各種の側面では、本発明は多量の非硬化性熱可塑性材料と動的加硫条件で硬化しない少量のエラストマーの存在下での硬化性フルオロカーボンエラストマーの動的加硫に関する。非硬化性エラストマーは好ましくは硬化性フルオロカーボンエラストマー100部基準で1〜20部存在する。
また、本発明は連続相の熱可塑性材料と、連続相内に分散した硬化フルオロカーボンエラストマーの粒子と、硬化フルオロカーボン100部当り10部以下のレベルの未硬化フルオロカーボンエラストマーとから成る加工性ゴム組成物を提供する。成形物品は本発明の加工性ゴム組成物の熱可塑化加工により製造される。各種の実施態様では、成形物品は硬化性フルオロカーボンエラストマーと、熱可塑性ポリマー材料と、非硬化性フルオロカーボンエラストマーとの熱可塑化的に加工した動的加硫ゴムから成り、硬化性炭化水素エラストマーは動的加硫条件下で硬化し、非硬化性エラストマーは動的加硫条件下で不完全硬化するか、または全然硬化しない。
本発明の応用のこの他の分野は以下に記載の詳細な説明から明らかになる。詳細な説明と特定の実施例は本発明の好ましい実施態様を示すものであるが、単に例示を目的としたものであり、本発明の範囲を制限することを意図したものでないことを理解されたい。
詳細な説明
以下の好ましい実施態様の説明は全く単なる例示的のものであって、本発明、その応用、または用途を何等限定するものではない。
本明細書で用いる見出し(例えば「序論」、「総括」)は本発明の開示内での論題の一般的な構成を意図するだけのもので、本発明の開示、または本発明の如何なる側面を限定する意図はない。特に、「序論」に開示した主題は本発明の範囲内の技術の側面を含みうるもので、先行技術の記載を構成するものではない。「総括」に開示した主題は本発明の全範囲、または本発明の任意の実施態様の包括的、または完全開示ではない。
本明細書での引例の記載はこれらの引例が先行技術であり、または本明細書に開示の本発明の特許性への何等かの関連性があることの容認を構成するものではない。本明細書の「説明」部で引用する全引例はこれを言及することでそれら全体がこれにより組込まれる。
説明と特定の実施例は本発明の実施態様を示すものであるが、単に例示を目的としたものであり、本発明の範囲を限定する意図はない。更に、明言した特徴を有する複数の実施態様の記載は追加的特徴を有する他の実施態様、または明言した特徴の異なる組合せを取入れた他の実施態様を排除する意図はない。特定の実施例は本発明の組成物と方法の製造法、使用法、実施法の例示を目的とするものであり、他に明言しない限り本発明の所与の実施態様は製造、または試験したこと、またはしなかった事を陳述するためのものではない。
本明細書で用いる用語「好ましい」および「好ましくは」はある状況下である利点がある本発明の実施態様を言及するものである。しかし、他の実施態様も同一、または他の状況下では好ましいこともある。更に、一つ、または多数の好ましい実施態様の記載は他の実施態様が有用でないことを意味するものではなく、他の実施態様を本発明の範囲から排除する意図はない。
本明細書で用いる用語「含む」およびその変形体は非限定的であることを意図したもので、従ってリストでの項目の記載は本発明の材料、組成物、装置、方法でも有用である他の類似項目の排除を意図するものではない。
用語「エラストマー材料」、「エラストマー」、等はエラストマーの性質がある、または改質した(すなわち、硬化、または架橋した)エラストマーの性質がある化学的組成物を指す。文脈により、この用語はエラストマーの性質が完全に発現していない未硬化、または部分硬化材料を指すか、またはエラストマーの性質が完全に発現した硬化ゴム状の材料を指す。明細書中のある箇所では、はっきりさせるために例えば「硬化」、「部分硬化」または「未硬化」という修飾語と共に使用する。
用語「硬化剤」(curing agent、curative、curative agent等)が互換的に用いられているが、(未硬化)エラストマーと反応して硬化エラストマーを生成し、硬化生成物のエラストマーの性質を発現させる化学的化合物、または組成物を表わす。文脈により、この用語は正式の硬化開始剤(例えば、パーオキサイドのようなラジカル開始剤)を、同様に開始剤と共に用いる架橋剤(例えば、トリアリルイソシアネート)を指すのに用いる。ある箇所では用語「硬化系」、または類似表現が開始剤、架橋剤、硬化に使用する随意の添加成分の組合せを指すのに用いている。硬化系はエラストマー供給業者によって提供されたものが多く(しかもエラストマー中に含有されていて)、製造業者の指示により使われている点を理解されたい。
一実施態様では、本発明は熱可塑化的に加工した動的加硫ゴムから製造した成形物品を提供する。動的加硫ゴムは硬化性フルオロカーボンエラストマー、熱可塑性ポリマー材料、および非硬化性フルオロカーボンエラストマーから製造される。硬化性、非硬化性フルオロカーボンエラストマーは動的加硫中に硬化性エラストマーは硬化し、一方非硬化性エラストマーは不完全に硬化するか、または全然硬化しないためにそのように呼ばれている。各種の実施態様では、非硬化性エラストマーは硬化性エラストマー100部基準で1〜20部、好ましくは1〜10部存在する。好ましい実施態様では、硬化性エラストマー、非硬化性エラストマー、および熱可塑性ポリマー材料はすべてフルオロカーボンポリマーに基づくものである。
別の実施態様では、本発明は加工性ゴム組成物を提供する。組成物は連続相の熱可塑性ポリマー材料と、この連続相中に分散した硬化フルオロカーボンエラストマー粒子とを含有する。加工性ゴム組成物は更に未硬化フルオロカーボンエラストマーを硬化フルオロカーボンエラストマー100部当り10部またはそれ以下のレベルで含有する。各種の実施態様では、熱可塑性ポリマー材料はフルオロカーボン熱可塑性ポリマーから成る。硬化フルオロカーボンエラストマー粒子は硬化フルオロカーボンエラストマーと熱可塑性材料の重量基準で好ましくは35重量%またはそれ以上のレベルで存在する。各種の実施態様では、硬化フルオロカーボンエラストマーは硬化エラストマーと熱可塑性材料の合計重量の50重量%またはそれ以上を構成する。
別の実施態様では、本発明は熱加工性ポリマー組成物製造用の動的加硫方法を提供する。第一のフルオロカーボンエラストマー組成物は熱可塑性ポリマー材料の存在下、およびその上更に第二のフルオロカーボンエラストマー組成物の存在下で動的加硫、または硬化する。加硫、または硬化は動的加硫工程中に第一のフルオロカーボンエラストマー組成物は完全硬化し、また第二のフルオロカーボンエラストマー組成物は部分硬化、または全然硬化しない条件下で行われる。各種の実施態様では、第二のフルオロカーボンエラストマーは第一のフルオロカーボンエラストマー組成物100部基準で10部まで存在する。各種の実施態様では、熱可塑性ポリマー材料は熱可塑性フルオロカーボンポリマーであり、第一のフルオロカーボンエラストマーは第一のフルオロカーボンエラストマー組成物と熱可塑性ポリマー材料の合計重量基準で35重量%またはそれ以上のレベルで存在する。
各種の実施態様では、動的加硫は第一のフルオロカーボンエラストマー組成物のパーオキサイド硬化、またはフェノール硬化から成る。従って、一実施態様では、第一のフルオロカーボンエラストマー組成物はパーオキサイド硬化性エラストマー、パーオキサイド、および架橋剤、例えばトリアリルイソシアヌレートを含有する。または、第一のフルオロカーボンエラストマー組成物はフェノール硬化性エラストマーと、フェノール架橋剤、例えばビスフェノールAと、架橋促進剤、例えば酸化マグネシウムおよび/もしくは水酸化カルシウムとから成る。
一側面では、本発明の方法は、第一のフルオロカーボンエラストマー組成物の硬化速度が第二のフルオロカーボンエラストマー組成物の硬化速度の2倍またはそれ以上であるという条件下での加硫、または硬化を伴う。各種の好ましい実施態様では、第一のエラストマー組成物の硬化速度は第二のエラストマー組成物の硬化速度の5倍またはそれ以上、好ましくは10倍またはそれ以上、好ましくは100倍またはそれ以上である。好ましい実施態様では、第一のエラストマー組成物の硬化速度は第二のエラストマー組成物の硬化速度よりも非常に大きいので、後者はこの条件下では本質的に非硬化であると考えられる。
各種の実施態様では、この方法はパーオキサイド硬化性の第一のフルオロカーボンエラストマーと、パーオキサイド化合物と、パーオキサイド架橋剤と、熱可塑性ポリマー組成物と、第二のフルオロカーボンエラストマーとを含む混合物を形成して行う。次いで、この混合物は機械的および熱的エネルギーをこの混合物にかけて動的硬化させる。この硬化は、第一のエラストマーの硬化速度が第二のエラストマーの硬化速度の少くとも2倍、好ましくは第一のエラストマーの硬化速度が第一のエラストマーの硬化速度の少くとも10倍、より好ましくは少くとも100倍という条件下で行う。各種の実施態様では、第二のエラストマーの少くとも一部は動的硬化後未硬化のまま残る。好ましい実施態様では、第二のエラストマーは本質的に未硬化である。
各種の好ましい実施態様では、第一のエラストマーは硬化サイトモノマーを含有し、第二のエラストマーは硬化サイトモノマーを含有しない。硬化サイトモノマーはパーオキサイドによる急速硬化用のサイトを提供する。従って、好ましい実施態様では第二のエラストマーはパーオキサイド架橋条件下で硬化したとしても、ただ非常にゆっくりと硬化するフルオロカーボンエラストマーから成る。もし第二のフルオロカーボンエラストマーがフェノール、もしくは類似の架橋剤による硬化性があるときは、第二のフルオロカーボンエラストマーはポリオール架橋剤、またはそのポリオール硬化促進剤を存在させずに提供することが好ましい。
代わりの別の実施態様では、熱加工性組成物の製造方法はポリオール硬化性の第一のフルオロカーボンエラストマー、ポリオール架橋剤、ポリオール架橋促進剤、熱可塑性ポリマー組成物、および第二のフルオロカーボンエラストマーを含有する混合物を形成することから成る。この混合物は、機械的および熱的エネルギーを第一のエラストマーが硬化するのに充分な時間この混合物にかけて動的硬化、または加硫させる。硬化、または加硫は第一のフルオロカーボンエラストマーの硬化速度が第二のフルオロカーボンエラストマーの硬化速度の少くとも2倍となる条件で行う。好ましい実施態様では、第一のエラストマーはポリオール硬化性フルオロカーボンエラストマー、例えばフッ化ビニリデンのコポリマーから成る。第二のエラストマーの少くとも一部は混合物の動的加硫後未硬化のまま残る。
各種の側面では本発明の特徴は動的加硫ゴムと相溶性があり、動的加硫と次の熱可塑化加工の条件下で硬化しない加工助剤を選択することである。動的加硫ゴムがパーオキサイド硬化するときは、加工助剤はパーオキサイドで硬化しないフルオロカーボンエラストマーとして選択することである。または、加工助剤がもしパーオキサイド硬化性のときは、加工助剤は他のエラストマーよりも遅い速度での硬化性があるものとする。もし動的加硫ゴムがフェノールで硬化するときは、加工助剤は好ましくはフェノールで硬化しないフルオロカーボンエラストマー、またはもしフェノール硬化性のときは他のエラストマーよりも遅い速度での硬化性のあるフルオロカーボンエラストマーから選択される。望ましくは、本発明の加工助剤は動的加硫中に硬化するフルオロカーボンエラストマー100部基準で1〜20、好ましくは約1〜10部の割合で組成物中に存在する。本明細書および請求項全体を通していろいろな所で、加工助剤を第二のエラストマー、または第二のフルオロカーボンエラストマーとして言及しているが、一方動的加硫中に硬化する他のエラストマーは第一のエラストマー、または第一のフルオロカーボンエラストマーとして言及している。第二のエラストマーは時には「非硬化性」エラストマーとして言及し、一方第一のエラストマーは「硬化性」と命名している。
加工助剤(すなわち、未硬化第二のエラストマーが本発明の熱加工性組成物中に存在するといくつかの利点が得られる。加工助剤を含有する組成物の溶融粘度は低くなる傾向がある。その結果、射出成形圧力は低下し、省エネとなる。この組成物から製造した成形物品も物理的一体性と物性が改善される傾向にあり、同様に内部と表面の欠陥が殆んど皆無となる。
各種の実施態様では、第一のフルオロカーボンエラストマー、または硬化性フルオロカーボンエラストマーは、パーオキサイド硬化性エラストマー、およびポリオール、またはフェノール硬化性エラストマーから成る群から選ばれる。第一のエラストマーは下記に記載するパーオキサイド硬化、またはフェノール硬化の条件下で動的加硫中に第一に硬化する。第二のエラストマーは動的加硫の条件で硬化しないエラストマー成分から選ばれる。パーオキサイドおよびポリオール硬化系は技術的に公知である。適切なフルオロカーボンエラストマーと架橋、または硬化系について以下に略記する。
フルオロカーボンエラストマーはフッ素含有ポリマーに基づく硬化性組成物である。いろいろな型のフッ素エラストマーが本発明の第一、第二のエラストマー、または「硬化性」、「非硬化性」エラストマーとして使用できる。各種の実施態様では、フルオロカーボンエラストマーはフルオロシリコーンゴムとフルオロカーボンポリマーゴムから選ばれる。フルオロカーボンポリマーゴムの一つの分類がASTM D1418「ゴムとゴム格子命名法の標準的プラクティス」に記載されている。FKMなる命名はコモノマーとしてフッ化ビニリデンを用いるフッ素ゴムに用いている。FKMフルオロエラストマーのいくつかの変種が市販されている。第一の変種はヘキサフルオロプロピレンとフッ化ビニリデンとのコポリマーとして化学的に規定することができる。これらのFKMエラストマーは傾向として総合的な性質の有利な組合せがある。市販実施態様はフッ素約66重量%で利用されている。別の型のFKMエラストマーはテトラフルオロエチレンと、ヘキサフルオロプロピレンとフッ化ビニリデンとのターポリマーとして化学的に規定することができる。このようなエラストマーは傾向として耐熱性が高く、耐芳香族溶媒性が良い。これらは例えばフッ素68〜69.5重量%で市販されている。別のFKMエラストマーがテトラフルオロエチレンと、フッ素化ビニルエーテルと、フッ化ビニリデンのターポリマーとして化学的に規定されている。このようなエラストマーは傾向として低温性能が改善されている。これらはフッ素62〜68重量%で利用される。第4の型のFKMエラストマーはテトラフルオロエチレンと、プロピレンと、フッ化ビニリデンとのターポリマーとして規定されている。このようなFKMエラストマーは傾向として耐塩基性が改善されている。いくつかの商業的実施態様は約67重量%のフッ素を含有している。第5の型のFKMエラストマーはテトラフルオロエチレンと、ヘキサフルオロプロピレンと、エチレンと、フッ化ビニルエーテルと、フッ化ビニリデンとのペンタポリマーとして規定されている。このようなエラストマーは典型的には耐塩基性が改善され、低温性能が改善されている。
別の種類のフルオロカーボンエラストマーはFFKMと呼ばれる。これらのエラストマーは、ポリマーが完全にフッ素化していて、炭素−水素結合を含有していないのでパーフルオロエラストマーと呼ぶことができる。一側面では、これらは構成モノマーの一つとしてフッ化ビニリデンを含有していないフルオロカーボンポリマーに基づいている。FFKMフッ素エラストマーは一つの群として耐流体性にすぐれた傾向がある。これらはカルレズ(登録商標)という商品名でデュポン社が導入したものであり、この他の供給業者にはダイキンとアウシモント社が含まれる。
第3の種類のフルオロカーボンエラストマーはFTPMと呼ばれる。この種類の典型はプロピレンとテトラフルオロエチレンとのコポリマーである。この種類は塩基物質、例えばアミンに対する耐性が高いという特徴がある。
各種の実施態様では、フルオロシリコーンゴムは本発明の方法と組成物で第一の硬化性エラストマーとして用いられる。フルオロシリコーンゴムは信越とダウ・コーニング社を含む多くの供給業者から市販されている。これらは2部分構成で供給される。第1の部分は樹脂を含有するもの、第2部分は硬化系、または架橋剤系を含有するものである。フルオロシリコーンゴムは室温でも硬化する傾向があり、そのため硬化剤は熱可塑性相が溶融流動化温度に加熱されるまでは動的硬化系に添加しない。この時点で硬化剤を添加し、フルオロシリコーンゴムが完全に硬化するまで硬化を続ける。商業的実施態様は信越市販のザイフェル(登録商標)、ダウ・コーニング社市販のシラスティク(登録商標)FL65-2001を含む。
好ましいフルオロカーボンエラストマーは一種またはそれ以上のフッ素含有モノマー、主としてフッ化ビニリデン(VDF)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、テトラフルオロエチレン(TFE)、およびパーフルオロビニルエーテル(PFVE)の市販のコポリマーを含む。好ましいPFVEはC1-8のパーフルオロアルキル基、好ましくは炭素数が1〜6のパーフルオロアルキル基をもつもの、特にパーフルオロメチルビニルエーテルとパーフルオロプロピルビニルエーテルを含む。更に、これらのコポリマーはオレフィン、例えばエチレン(Et)とプロピレン(Pr)から誘導した繰返し単位も含有できる。
各種の実施態様では、フルオロカーボンエラストマー材料は10〜90モル%のテトラフルオロエチレンと、10〜90モル%のC2〜4のオレフィンと、および30モル%までの一種またはそれ以上のフッ素含有モノマーとから誘導した繰返し単位から成る。好ましくは、繰返し単位は25〜90モル%のテトラフルオロエチレンと10〜75モル%のC2〜4のオレフィンから誘導される。別の好ましい実施態様では、繰返し単位は45〜65モル%のテトラフルオロエチレンと20〜55モル%のC2〜4のオレフィンから誘導される。
各種の実施態様では、テトラフルオロエチレン単位のC2〜4オレフィン繰返し単位に対するモル比は60:40〜40:60である。別の実施態様では、エラストマー材料はC2〜4オレフィンとテトラフルオロエチレンの交互単位から成る。このようなポリマーではテトラフルオロエチレンのC2〜4オレフィンに対するモル比は約50:50である。
別の実施態様では、エラストマー材料はA−B−A構造のブロックコポリマーとして提供され、Aはポリテトラフルオロエチレンのブロックを表わし、Bはポリオレフィンのブロックを表わす。
好ましいC2〜4のオレフィンはプロピレンである。テトラフルオロエチレンとプロピレンに基づくエラストマー材料は例えばアフラス(登録商標)の商品名で旭から市販されている。
加硫エラストマー材料での好ましい追加モノマーは二フッ化ビニリデンである。本発明のエラストマー材料で使用できるこの他のフッ素含有モノマーはパーフルオロアルキルビニル化合物、パーフルオロアルキルビニリデン化合物、およびパーフルオロアルコキシビニル化合物を含み、これらに限定されない。ヘキサフルオロプロピレン(HFP)はパーフルオロアルキルビニルモノマーの一例である。パーフルオロメチルビニルエーテルは好ましいパーフルオロアルコキシビニルモノマーの一例である。例えば、テトラフルオロエチレンと、エチレンと、パーフルオロメチルビニルエーテルとのコポリマーに基づくゴムはバイトン(登録商標)ETPの商品名でデュポン社から市販されている。
別の実施態様では、エラストマー材料はフルオロモノマーであるフッ化ビニリデン(VDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)とから誘導された繰返し単位を含有する硬化性フルオロカーボンエラストマーである。若干の実施態様では、エラストマーは更にテトラフルオロエチレンから誘導した繰返し単位を含有する。
化学的に本実施態様では、エラストマー材料は随意の硬化サイトモノマーを有するVDFとHFPとのコポリマー、またはVDFとHFPとテトラフルオロエチレン(TFE)とのターポリマーから構成される。好ましい実施態様では、これらは約66〜約70重量%のフッ素を含有している。これらのエラストマーはデュポン・ダウ・エラストマーズ社からバイトン(登録商標)A、バイトン(登録商標)B、バイトン(登録商標)Fのエラストマーシリーズとして市販され、例示される。ガムポリマーを単独に含有したり、硬化剤含有プレコンパウンドとしての各種品位のものが市販されている。
別の実施態様では、エラストマーは化学的にTFEとPFVEとのコポリマーとして、随意的にはVDFとのターポリマーとして規定することができる。エラストマーは更に硬化サイトモノマーから誘導された繰返し単位を含有できる。
本発明の加工性ゴム組成物製造に用いるフルオロカーボンエラストマー材料は典型的には所望のモル比の出発モノマーを含有するモノマー混合物のラジカル乳化重合で製造できる。開始剤は典型的には有機、または無機のパーオキサイド化合物であり、乳化剤は典型的にはフッ素化酸石けんである。生成ポリマーの分子量は、モノマーレベルに対して使用する開始剤の相対量と、移動剤を使用するときは移動剤の選択で制御できる。典型的な移動剤は四塩化炭素、メタノール、アセトンを含む。乳化重合は回分式、または連続式条件下で行うことができる。このようなフルオロエラストマーは上記の如く市販されている。
コポリマーはまた以下に記載する比較的少量の硬化サイトモノマー(CSM)を含有することができる。エラストマー中に硬化サイトモノマーを存在させると傾向としてエラストマーのパーオキサイド硬化での硬化速度が向上する。好ましいコポリマーであるフルオロカーボンエラストマーはVDF/HFP、VDF/HFP/CSM、VDF/HFP/TFE、VDF/HFP/TFE/CSM、VDF/PFVE/TFE/CSM、TFE/Pr、TFE/Pr/VDF、TFE/Et/PFVE/VDF/CSM、TFE/Et/PFVE/CSM、およびTFE/PFVE/CSMを含む。エラストマーの表記はエラストマーガムが合成されるモノマーを示す。各種の実例態様では、エラストマーガムの粘度はムーニー粘度で一般に約15〜160(ML1+10、大ローター、約121℃)であり、これは流動性と物性の組合せから選択される。エラストマーの供給業者はダイネオン社(3M)、旭硝子フルオロポリマーズ社、ソルベー/アウシモント社、デュポン社、ダイキンを含む。
硬化サイトモノマーは好ましくは臭素化、塩素化、ヨウ素化オレフィン;臭素化、塩素化、ヨウ化素不飽和エーテル;非共役ジエンから成る群から選ばれる。ハロゲン化硬化サイトは共重合硬化サイトモノマー、またはフルオロエラストマーポリマー鎖の末端位置に存在するハロゲン原子でもよい。硬化サイトモノマー、反応性二重結合、またはハロゲン化末端基は特に触媒作用、またはパーオキサイドの作用による開始条件下で反応して架橋を形成できる。
臭素化硬化サイトモノマーはこの他のハロゲン、好ましくはフッ素を含有できる。その例はブロモトリフルオロエチレン、4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1、およびその他のもの、例えば臭化ビニル、1−ブロモ−2,2−ジフルオロエチレン、臭化パーフルオロアリル、4−ブロモ−1,1,2−トリフルオロブテン、4−ブロモ−1,1,3,3,4,4−ヘキサフルオロブテン、4−ブロモ−3−クロロ−1,1,3,4,4−ペンタフルオロブテン、6−ブロモ−5,5,6,6−テトラフルオロヘキセン、4−ブロモパーフルオロブテン−1、および臭化3,3−ジフルオロアリルである。本発明に有用な臭素化不飽和エーテル硬化サイトモノマーは例えば2−ブロモ−パーフルオロエチルパーフルオロビニルエーテルの如きエーテル、CF2Br−Rf−O−CF=CF2クラスのフッ素化化合物(式中、Rfはパーフルオロアルキレン)、例えばCF2BrCF2O−CF=CF2、およびROCF=CFBr、またはROCBr=CF2クラスのフルオロビニルエーテル(式中、Rは低級アルキル基、またはフルオロアルキル基)、例えばCH3OCF=CFBrまたはCF3CH2OCF=CFBrを含む。
ヨウ素化オレフィンもまた硬化サイトモノマーとして使用できる。適切なヨウ素化モノマーは米国特許第5,674,959号に開示の式:CHR=CH−Z−CH2CHR−Iのヨウ素化オレフィン(式中、Rは−H、または−CH3;ZはC1〜C18の(パー)フルオロアルキレン基、直鎖状、または分岐状で、随意的に一種またはそれ以上のエーテル形の酸素原子を含有し、または(パー)フルオロポリオキシアルキレン基である)を含む。有用なヨウ素化硬化サイトモノマーのこの他の例は式:I(CH2CF2CF2)nOCF=CF2、およびICH2CF2O[CF(CF3)CF2O]nCF=CF2、等の不飽和エーテル(式中、n=1〜3)であり、例えば米国特許第5,717,036号に開示されているものである。更に、ヨードエチレン、4−ヨード−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1、3−クロロ−4−ヨード−3,4,4−トリフルオロブテン、2−ヨード−1,1,2,2−テトラフルオロ−1−(ビニロキシ)エタン、2−ヨード−1−(パーフルオロビニロキシ)−1,1,2,2−テトラフルオロエチレン、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヨード−1−(パーフルオロビニロキシ)プロパン、2−ヨードエチルビニルエーテル、3,3,4,5,5,5−ヘキサフルオロ−4−ヨードペンテン、およびヨードトリフルオロエチレンを含む適切なヨウ素化硬化サイトモノマーは米国特許第4,694,045号に開示されている。
非共役ジエン硬化サイトモノマーの例は1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、およびその他のもの、例えばカナダ特許第2,067,891号に開示のものを含む。適切なトリエンは8−メチル−4−エチリデン−1,7−オクタジエンである。
上記にリストした硬化サイトモノマーの内、好ましい化合物は4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1、4−ヨード−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1、およびブロモトリフルオロエチレンを含む。
追加的に、または代りにヨウ素、臭素、またはこれらの混合物は、フルオロエラストマーの製造中に連鎖移動剤、または分子量制御剤を使用した結果として、フルオロエラストマー鎖端に存在してもよい。このような試薬はポリマー分子の一端、または両端に結合ヨウ素を発生させるヨウ素含有化合物を含む。ヨウ化メチレン、1,4−ジヨードパーフルオロ−n−ブタン、および1,6−ジヨード−3,3,4,4−テトラフルオロヘキサンがこのような試薬の代表である。この他のヨウ素化連鎖移動剤は1,3−ジヨードパーフルオロプロパン、1,4−ジヨードパーフルオロブタン、1,6−ジヨードパーフルオロヘキサン、1,3−ジヨード−2−クロロパーフルオロプロパン、1,2−ジ(ヨードジフルオロメチル)パーフルオロシクロブタン、モノヨードパーフルオロエタン、モノヨードパーフルオロブタン、および2−ヨード−1−ハイドロパーフルオロエタンを含む。特に好ましくは二ヨウ素化連鎖移動剤である。臭素化連鎖移動剤の例は1−ブロモ−2−ヨードパーフルオロエタン、1−ブロモ−3−ヨードパーフルオロプロパン、1−ヨード−2−ブロモ−1,1−ジフルオロエタン、その他のもの、例えば米国特許第5,151,492号に開示のものを含む。
低レベル、好ましくは約5モル%またはそれ以下、より好ましくは約3モル%またはそれ以下の官能基、例えばエポキシ、カルボン酸、カルボン酸ハロゲン化物、カルボキシルエステル、カルボン酸塩、スルホン酸基、スルホン酸アルキルエステル、およびスルホン酸塩を導入するその他の硬化モノマーが使用できる。このようなモノマーと硬化は例えば神谷、等の米国特許第5,354,811号に記載されている。
硬化サイトモノマーに基づくフルオロカーボンエラストマーは市販されている。非限定的例はデュポン社市販のバイトンGF、GLT-305、GLT-505、GBL-200、およびGBL-900のグレードを含む。その他はダイキン市販のG-900とLTシリーズ、NOK社市販のFXシリーズとREシリーズ、およびソルベー社市販のテクノフロンP457とP757を含む。
いろいろな広範囲のフルオロカーボンエラストマーはパーオキサイド硬化剤と架橋助剤の組合せで架橋、または硬化できる。一般に、エラストマーは、側鎖または主鎖のいずれかに炭素−フッ素結合以外の結合を含有するときはパーオキサイド架橋する。例えば、パーオキサイド硬化剤は炭素−水素結合と反応して架橋助剤との反応により更に架橋され得るフリーラジカルが発生させる。好ましい実施態様では、パーオキサイド硬化性エラストマーは上記の硬化サイトモノマーを含有するものである。硬化サイドモノマーはパーオキサイド硬化剤の攻撃サイトとなる官能基、例えば炭素−臭素結合、炭素−ヨウ素結合、または二重結合を導入する。パーオキサイド硬化速度はフルオロカーボンエラストマー中に存在する任意の硬化サイトモノマーの存在と性質に影響される。一般に硬化サイトモノマー含有エラストマーの硬化は硬化サイトモノマーを含有していないエラストマーの硬化よりもいちじるしく速い。
好ましいパーオキサイド硬化剤は有機パーオキサイド、例えばジアルキルパーオキサイドである。一般に、有機パーオキサイドは硬化操作に先立つ混合、またはその他の操作中に有害量の硬化を起さずに硬化操作中の使用温度下でその他の成分の存在下に組成物用の硬化剤として機能するように選択できる。49℃よりも高い温度で分解するジアルキルパーオキサイドは組成物が硬化前に高温で加工処理されるときに好ましい。多くの場合、パーオキシ形態の酸素に付加した第三級炭素原子を有するジ−t−ブチルパーオキサイドを用いるのが好ましい。非限定例は2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、および1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンを含む。パーオキシ硬化剤のこの他の非限定的例はジクミルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、ジ[1,3−ジメチル−3−(t−ブチルパーオキシ)ブチル]カーボネート、等を含む。
一種またはそれ以上の架橋助剤をパーオキサイドと組合せてもよい。その例はトリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリ(メタアリル)−イソシアヌレート、トリス(ジアリルアミン)−s−トリアジン、トリアリルホスファイト、N,N−ジアリルアクリルアミド、ヘキサアリルホスホルアミド、N,N,N′,N′−テトラアリルテレフタルアミド、N,N,N′,N′−テトラアリルマロンアミド、トリビニルイソシアヌレート、2,4,6−トリビニルメチルトリシロキサン、およびトリ(5−ノルボルネン−2−メチレン)シアヌレートを含む。
別の群のフルオロカーボンエラストマーはいろいろなポリオールの作用による硬化性がある。ポリオール架橋剤による硬化はフェノール硬化とも呼ばれる。これはフェノールがこの目的のために普通に使用されるポリオールだからである。ポリオールで硬化できるフルオロカーボンエラストマーの多くはまたパーオキサイドで硬化できる。硬化系のいずれかでの硬化性と硬化の相対速度は下記の動的加硫中の条件に左右される。
フルオロカーボンエラストマー用のフェノール、またはポリオール硬化剤系はオニウム塩と一種またはそれ以上のポリオール架橋剤を含有している。更に、フェノール試薬とポリオール試薬による架橋はフェノール硬化促進剤、または硬化安定剤の存在で促進される。普通用いる硬化促進剤は受酸化合物、例えば二価金属の酸化物と水酸化物を含む。非限定的例は水酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、および酸化亜鉛を含む。多くの実施態様では、フェノール硬化剤の硬化速度は受酸化合物が動的加硫する混合物中に存在しないときはかなり低下する。換言すれば、商業的実施態様がフェノール硬化性エラストマーと、エラストマー中に取込んだフェノールおよびオニウム硬化剤とを含有したとしても、もし混合物が添加受酸化合物を含有しないときはフェノール硬化速度は極めて低いか、または存在しない。
適切なオニウム塩は例えば米国特許第4,233,421号、第4,912,171号、および第5,262,490号に記載されており、そのそれぞれがこれを言及することで組入れられるものとする。その例はトリフェニルベンジルホスホニウムクロライド、トリブチルアルキルホスホニウムクロライド、トリブチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライド、およびトリアリールスルホニウムクロライドを含む。
もう一つの種類の有用なオニウム塩は下記の式で表わされる:
Figure 2006188695
式中、
Qは窒素、またはリン;
Zは水素原子、または式−COOAの基(式中、Aは水素原子、またはNH4 +陽イオンである)を末端基とする炭素数が4〜20の置換、または未置換の環式、または非環式アルキル基であり、またはZは式−CY2COOR′{式中、Yは水素原子、またはハロゲン原子、また随意的に一種またはそれ以上の第4級ヘテロ原子を含有する炭素数が1〜約6の置換、または未置換のアルキル基、またはアリール基であり、R′は水素原子、NH4 +陽イオン、アルキル基、または非環式無水物、例えば式−COR[式中、Rはアルキル基、またはそれ自体オルガノオニウム(例えばビス−オルガノオニウムを生ずる)基]、好ましくはR′は水素である}の基であり;Zはまた式−COOA(式中、Aは水素原子、またはNH4 +陽イオンである)の基を末端基とする炭素数が4〜約20の置換、または未置換の環式、または非環式アルキル基であり;
R1、R2、R3はそれぞれ独立して水素原子、またはアルキル、アリール、アルケニル、またはこれらの任意の組合せであり、R1、R2、R3はそれぞれ塩素、フッ素、臭素、シアノ、−OR″または−COOR″(式中、R″はC1〜C20のアルキル、アリール、アラルキル、またはアルケニルである)で置換することができ、R1、R2、R3基の任意の対は互に、またはQと結合して複素環式の環を形成でき;R1、R2、R3基の一種以上は式Z(式中、Zは上記で定義した通り)の基であってもよく;
Xは有機、または無機陰イオン(例えば、ハライド、サルフェート、アセテート、ホスフェート、ホスホネート、ハイドロキサイド、アルコキサイド、フェノキサイド、またはビスフェノキサイドであり、これらに限定されない)であり;
nは陰イオンXの原子価に等しい数である。
ポリオール架橋剤はフルオロエラストマー用の架橋剤、または硬化助剤として機能する技術的に公知の任意ポリヒドロキシ化合物、例えば米国特許第4,259,463号(モッジ、等)、米国特許第3,876,654号(パチソン)、米国特許第4,233,421号(ウォーム)、米国防衛公報T107,801(ナーサシアン)で開示されているポリヒドロキシ化合物である。好ましいポリオールは芳香族ポリヒドロキシ化合物、脂肪族ポリヒドロキシ化合物、フェノール樹脂を含む。
代表的な芳香族ポリヒドロキシ化合物は下記のいずれか一つを含む:すなわち、ジ−、トリ−、テトラヒドロキシベンゼン、−ナフタレン、−アンスラセン、および下記の式のビスフェノール:
Figure 2006188695
式中、Aは炭素数が1〜13の二官能性脂肪族、脂環式、または芳香族基、またはチオ、オキシ、カルボニル、またはスルホニル基であり、Aは随意的に少くとも一個の塩素原子、またはフッ素原子で置換されており、xは0、または1、aは独立的に1、または2であり、ポリヒドロキシ化合物の任意の芳香族環は随意的に少くとも一個の塩素、フッ素の原子、または臭素原子、またはカルボキシル基、またはアシル基[例えば、−COR(式中、RはH、またはC1〜C8のアルキル、アリール、またはシクロアルキル基)]、または例えば炭素数が1〜8のアルキル基で置換されている。上記のビスフェノール式IIIから−OH基はいずれかの環内の任意の位置(但し位置1以外とする)に付着できることが判る。二種またはそれ以上のかかる化合物のブレンド物も用いることができる。好ましいビスフェノール化合物は2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンであるビスフェノールAFである。この他の非限定的例は4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン(ビスフェノールS)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)を含む。芳香族ポリヒドロキシ化合物、例えばハイドロキノンも硬化剤として使用できる。更に、非限定的例はカテコール、レゾルシノール、2−メチルレゾルシノール、5−メチルレゾルシノール、2−メチルハイドロキノン、2,5−ジメチルハイドロキノン、2−t−ブチルハイドロキノン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、9,10−ジヒドロキシアントラセンを含む。
脂肪族ポリヒドロキシ化合物はまたポリオール硬化剤として用いられる。その例はフルオロ脂肪族ジオール、例えば1,1,6,6−テトラヒドロオクタフルオロヘキサンジオール、およびその他の、例えば米国特許第4,358,559号(ホルコム、等)、およびこれに引用されている引例に記載のものを含む。ポリヒドロキシ化合物の誘導体、例えば米国特許第4,446,270号(ガンスナー、等)に記載のものも用いることができ、例えば2−(4−アリロキシフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを含む。このポリヒドロキシ化合物の二種またはそれ以上の混合物を使用できる。
ゴムポリマーを架橋できるフェノール樹脂をポリオール硬化剤として使用できる。フェノール樹脂を言及することでこれらの樹脂の混合物を含むことができる。これに関連して米国特許第2,972,600号、同第3,287,440号が本発明に取込まれる。これらのフェノール樹脂を使用すると他の硬化剤を使用せずに所望の硬化度を得ることができる。
フェノール樹脂硬化剤はアルカリ性媒体中でアルキル置換フェノール、または未置換フェノールをアルデヒド、好ましくはホルムアルデヒドと縮合させるか、二官能性フェノールジアルコールを縮合させて製造できる。アルキル置換フェノールのアルキル置換基は典型的には炭素数が1〜約10である。炭素数が1〜約10のアルキル基をパラ位置に置換したジメチロールフェノール、またはフェノール樹脂が好ましい。有用な市販フェノール樹脂はアルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、ブロモメチル化アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂を含む。
一実施態様では、フェノール樹脂硬化剤は下記の一般式で表わされる:
Figure 2006188695
式中、Qは−CH2−と−CH2−O−CH2−から成る群から選択された2価の基;mは0、または1〜20の正の整数;R1は水素、または有機ラジカルである。好ましくは、Qは−CH2−O−CH2−の2価の基、mは0、または1〜10の正の整数、R1は水素、または炭素数が20未満の有機ラジカルである。もう一つの実施態様ではmは0、または1〜5の正の整数、R1は炭素数が4〜12の有機ラジカルである。この他の好ましいフェノール樹脂はまた米国特許第5,952,425号にも定義されており、これはこれを言及することで本発明に組入れられる。
各種の実施態様では、フェノール硬化性フルオロカーボンエラストマーはフッ化ビニリデン含有コポリマーに基づくものを含む。フッ化ビニリデンモノマーのメチレン基はフェノール架橋剤の攻撃サイトを提供すると考えられる。従って、硬化性組成物はフッ化ビニリデンポリマーを含む。フェノール架橋剤と極めてゆっくりと反応する適切な種類のエラストマーは云わゆるFFKMエラストマーであり、これらは主鎖が完全にフッ素化されていて、フッ化ビニリデンを含有していない。市販のFKKMエラストマーはユニマテックZF7710(NOK社)、カルレズ(デュポン・ダウ・エラストマーズ社)、PFR−91、PFR−94、PFR−95(ソルベー・ソレクシス社)を含む。
本発明は熱可塑性材料と第二のエラストマーの存在下で第二のエラストマーは第一のエラストマーよりもゆっくりと硬化する条件で第一のエラストマーを動的加硫、または硬化させることを伴う。好ましい実施態様では、第二のエラストマーの硬化速度は非常にゆっくりしていて非硬化と考えられる。典型的には、第一のエラストマーは第二のエラストマーが極めてゆっくりとした速度で硬化するか、または全然硬化しない条件で硬化させる。
パーオキサイド硬化剤による高硬化速度を助ける傾向にある条件はエラストマー中に硬化サイトモノマーが存在すること、パーオキサイド硬化剤が存在すること、およびパーオキサイド架橋助剤が存在することを含む。これらの条件のいずれかが欠けるとパーオキサイドによる相対的硬化速度は低下する傾向にある。
フェノール硬化剤による高硬化速度を助ける因子、または条件は組成物中にフェノール、オニウム、および受酸剤が存在すること、エラストマー構造中にフッ化ビニリデンモノマーに対応する繰返し単位が存在することを含む。更に、フルオロカーボンエラストマーのフェノールに基づく硬化速度は例えば多くの供給業者から市販されているように硬化剤を事前混合という形で提供することで向上させることができる。好ましい実施態様では、硬化剤はエラストマー内の特別に有利な分散物として提供する。商業的実施態様はソルベー社市販のテクノフロンFOR 50HSとFOR 80HSシリーズである。一般にエラストマー組成物中での硬化剤の分散が細かいほどフェノール硬化剤の硬化速度はそれだけ速くなる。
上記のような因子、および当業者にとって公知であるその他の因子を考慮して第二のエラストマーの硬化よりも第一のエラストマーの硬化に助けとなるような動的加硫の条件を選択する。第一のエラストマーは選択した条件下では第二のエラストマーが硬化するよりもより高度に硬化するため、第一のエラストマーは「硬化性」と呼び、一方第二のエラストマーは「非硬化性」と呼ぶ。多くの条件下では第二のエラストマーは第一のエラストマーの動的加硫中に硬化、または架橋し、架橋した第二のエラストマーは硬化した第一のエラストマー粒子と共に熱可塑性母材中に分散した粒子として存在することを理解されたい。これらの場合、第二のエラストマーの未硬化の部分は加工助剤として利用可能なものとして残留する。本発明の加工性組成物と成形物品の好ましい実施態様では、第二のエラストマーの未硬化部は硬化した第一のエラストマー100部基準で1〜約20部、好ましくは約1〜約10部を構成する。その結果、動的加硫工程後は第二のエラストマーは未硬化、または部分硬化のまま残留する。次いで、未硬化の第二のエラストマーは動的加硫で製造した組成物の次の熱可塑化加工で加工助剤、可塑剤、またはこの他の添加剤として作用するのに利用できる。このような条件の非限定的例は以下の実施例に示す。
一側面では、組成物と成形物品は第一の(硬化性)エラストマーが完全硬化し、一方第二の(非硬化性)エラストマーが不完全に硬化し、第二のエラストマーの未硬化部は加工助剤として組成物中に存在するという条件下での動的加硫によって製造される。適切な第二のエラストマーは動的加硫条件下で第一のエラストマーよりも遅い速度で硬化するものを含む。好ましくは第一のエラストマーの硬化速度は第二のエラストマーの速度の少くとも2倍、より好ましくは少くとも10倍、または少くとも100倍である。この条件下でのエラストマーの硬化速度は当業者にとって公知の標準速度測定法を用いて測定できる。
動的加硫の条件下での第一、第二のエラストマーの相対硬化速度と反応時間はそれぞれのエラストマーが工程中に硬化する進み具合を決める。各種の実施態様では、動的加硫工程は第一のエラストマーではt90よりも長い時間、かつ第二のエラストマーではt90未満の時間実施する。好ましくはtは第二のエラストマーのt50未満、より好ましくはt10未満である。パラメーターt10、t50、およびt90は標準試験で測定され、硬化中に最終混合トルクのそれぞれ10%、50%、および90%に達する時間を表わす。混合トルクの発展は反応中の硬化の進み具合の尺度である。時間は工業的に標準の装置、例えばRPA2000ゴム加工分析計、モンサントディスクレスレオメーター、およびオシレートリーディスクレオメーターで測定する。硬化時間の絶対値はある程度機械依存性がある。本発明の目的では第一、第二のエラストマーの硬化時間は同一機械で評価するものとする。
各種の実施態様では、ある条件下では第二のエラストマーは動的加硫条件下で硬化しない。これらの場合にはパラメーター、例えばt10、t50、およびt90は決定できないか、または測定が非常に困難であると考えられる。非限定的例は第一のエラストマーが硬化サイトモノマーを含有するパーオキサイド硬化性フルオロカーボンであり、第二のエラストマーが硬化サイトモノマーを含有していないフルオロカーボンポリマーである場合である。別の例は第一のエラストマーがフェノール硬化性であり、第二のエラストマーがフェノールと反応するサイトを含有していないFFKMエラストマーである場合である。もう一つの例は硬化性樹脂がパーオキサイド機構で硬化し、非硬化性樹脂がフェノール架橋剤を組入れたフェノール硬化性樹脂(硬化サイトモノマーは含有していない)の場合である。受酸剤を含有しない組成物ではフェノール硬化性樹脂はたとえ架橋剤が組入れられていたとしても感知し得るほどには硬化しない。
一実施態様では、硬化性フルオロカーボンエラストマーは組成物中に高度に分散した硬化剤を含有したフェノール硬化性樹脂である。動的硬化される混合物はまた受酸剤、例えば酸化マグネシウムを促進剤として含む。硬化サイトモノマーを含有するパーオキサイド硬化性エラストマーから成る非硬化性エラストマーが提供される。しかし、パーオキサイド架橋剤が動的硬化される混合物中に含有されていないときは、パーオキサイド硬化性エラストマーは硬化するにしても混合物に存在するフェノール硬化剤だけによる硬化を受けることになる。フェノール硬化性エラストマー組成物は上記のように細く分散した架橋剤を含有しているので、その硬化速度はパーオキサイド硬化性エラストマーの硬化速度よりも速い。
別の例示的実施態様では、硬化性、または第一のエラストマーは硬化サイトモノマー含有パーオキサイド硬化性エラストマーから成る。この混合物は更に有機パーオキサイドと架橋助剤、例えばトリアリルイソシアヌレートを含有する。非硬化性エラストマーは細く分散した硬化剤を含有したフェノール硬化性エラストマーから成るが、この混合物は受酸剤を含有していない。その結果、動的加硫中はパーオキサイド硬化性エラストマーの硬化速度はフェノール硬化性エラストマーの硬化速度よりも速い。
別の実施態様では、硬化性エラストマーは受酸剤、例えば水酸化カルシウム、または酸化マグネシウムと共に、硬化を組入れたフェノール硬化性樹脂から成る。非硬化性エラストマーはパーオキサイド硬化性エラストマーターポリマーである。この混合物はパーオキサイドを含有していないので、パーオキサイド硬化性エラストマーはたとえ硬化するとしても混合物中に存在するフェノール架橋剤との反応だけで硬化する。しかし、この実施態様では、パーオキサイド硬化性エラストマーのフェノール硬化速度はフェノール硬化性の第一のエラストマーのフェノール硬化性エラストマーの硬化速度よりも遅い。これは架橋剤が最終的に第一のエラストマー中に分散して硬化速度を高めるからである。
別の実施態様では、硬化性エラストマーは硬化サイトモノマー含有パーオキサイド硬化性エラストマーであり、この混合物は更にパーオキサイドと架橋助剤とから成る。非硬化性エラストマーは硬化サイトモノマーを含有しないパーオキサイド硬化性組成物である。その結果、非硬化性エラストマーの硬化速度は硬化性エラストマーの硬化速度よりもかなり低い。
または、非硬化性エラストマーはフェノール硬化性エラストマーでもよいが、その混合物はフェノール架橋剤は含有しない。または、その混合物は酸促進剤を含有しない。更に別の実施態様では、混合物はフェノール架橋剤も、オニウム化合物も、受酸剤も含有していない。すべての場合、名目上のフェノール硬化性エラストマーはあえて硬化するとすればパーオキサイド硬化機構下でのみ硬化する。上記のように、硬化サイトモノマー含有パーオキサイド硬化性エラストマーは上記の如何なるフェノール硬化性エラストマーよりも速く硬化する。
更に別の実施態様では、硬化性エラストマーは硬化を組入れたフェノール硬化性エラストマー組成物で更に酸促進剤を混合物中に含有するものから選ばれる。このようなエラストマーはかなり高速度で硬化する。これらの状況下では非硬化性エラストマーは同一条件下でかなりよりゆっくりと硬化するエラストマー組成物から選ぶことができる。一実施態様では、フェノール硬化剤を含有していないパーオキサイド硬化性エラストマーはよりゆっくりした速度で硬化する。他の実施態様では、フッ化ビニリデン繰返し単位を含有していないFFKMエラストマーは硬化性樹脂よりもフェノール架橋剤とよりゆっくりと反応する。更にこの他の実施態様では、非硬化性樹脂は硬化剤が組込れてあるが、硬化性エラストマーの硬化剤のように最終的に組込れられるものではないフェノール硬化性エラストマーから選ぶことができる。その結果、硬化性エラストマーは非硬化性エラストマーよりも速く硬化する。
更に別の実施態様では、比較的より速いフェノール硬化性エラストマーが硬化性エラストマーとして用いられ、一方より遅い硬化性成分が非硬化性エラストマーとして用いられる。例えば一般にジポリマーフェノール硬化性エラストマーは対応するターポリマーフェノール硬化性エラストマーよりも同一条件下ではより速く硬化する。
エラストマーと条件、例えば上記のものを用いることで、本発明の熱加工性組成物が得られる条件と組成物を選ぶことができる。
本発明の成形物品と加工性組成物の連続相は熱可塑性ポリマー材料から作られる。熱可塑性ポリマーと、これを含有する動的加硫ゴムは溶融加工性があり、加熱すると軟化、流動する。加硫ゴムは熱可塑化技術、例えば射出成形、押出し、圧縮成形、およびブロー成形で容易に加工できる。この材料は溶融と再加工で容易にリサイクルできる。
好ましい実施態様では、熱可塑性ポリマーはフルオロカーボンポリマーで、「フッ素樹脂」とも云う。フッ素59〜76重量%含有する商業的実施態様が利用できる。これらは完全フッ素化しているか、または部分フッ素化していてもよい。各種のこの他の好ましい実施態様では、熱可塑性樹脂は熱可塑性エラストマー、高分子量プラスチック材料、およびこの他のフッ素を含有していない熱可塑性ポリマー材料から選ばれる。フッ素樹脂と非フッ素樹脂の混合物も使用できる。
完全フッ素化熱可塑性ポリマーはテトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとのコポリマーを含む。パーフルオロアルキル基は好ましくは炭素数が1〜6である。コポリマーの例はPFA(TFEとパーフルオロプロピルビニルエーテルとのコポリマー)、およびMFA(TFEとパーフルオロメチルビニルエーテルとのコポリマー)である。完全フッ素化熱可塑性ポリマーのこの他の例はTFEと炭素数が3〜8のパーフルオロオレフィンとのコポリマーを含む。非限定的例はFEP(TFEとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマー)を含む。
部分フッ素化熱可塑性ポリマーはE-TFE(エチレンとTFEとのコポリマー)、E-CTFE(エチレンとクロロトリフルオロエチレンとのコポリマー)、およびPVDF(ポリフッ化ビニリデン)を含む。多くのフッ化ビニリデン熱可塑性コーポリマーはまた本発明で使用するのに適した熱可塑性ポリマーである。これらはパーフルオロオレフィン、例えばヘキサフルオロプロピレンとのコポリマー、クロロトリフルオロエチレンとのコポリマーを含み、これらに制限されない。熱可塑性ターポリマーを使用できる。これらはTFEと、HFPと、フッ化ビニリデンとの熱可塑性ターポリマーを含む。完全フッ素化フッ素樹脂は本発明のフッ素樹脂ブレンド物にも含まれるフッ化ビニリデン系熱可塑性樹脂と比較したとき、融点が比較的高いことを特徴としている。例えば、PFAは融点が約305℃、MFAは融点が280〜290℃、FEPは融点が約260〜290℃である。個々のグレードの融点は正確な構造、加工条件、およびその他の因子に左右されるが、ここに記載した値は代表的なものである。
部分フッ素化フッ素樹脂、例えば上記のフッ化ビニリデン単独ポリマーおよびコポリマーは完全フッ素化フッ素樹脂に比べて融点は相対的により低い。例えばポリフッ化ビニリデンは融点が約160〜170℃である。いくつかのコポリマーである熱可塑性樹脂は少量のコモノマーの存在で融点が更に低い。例えば、商業的実施態様であるカイナール・フレックスシリーズで例示されている少量のヘキサフルオロプロピレンを含むフッ化ビニリデンコポリマーは融点が約105〜160℃の範囲、典型的には約130℃である。これらの低融点により熱可塑化加工上での利点が得られる。すなわち、溶融温度が低いとエネルギーコストが低くなり、組成物中の硬化エラストマーの劣化問題が回避されるからである。
各種の実施態様では、本発明の熱可塑性材料は高温度、好ましくは約100℃よりも高温度、より好ましくは約150℃以上の温度でゴム/熱可塑性樹脂の組合せの性質が向上する。かかる熱可塑性物は物性(例えば引張強さ、弾性率、破断時伸びの少くとも一種)を高温下での許容度まで維持するものを含む。好ましい一実施態様では熱可塑性物は高温下での物性が同等する温度下での硬化フルオロカーボンエラストマー(ゴム)の物性よりも高い(すなわち、引張強さがより高く、弾性率がより高く、および/もしくは破断時伸びがより高い)。
本発明で用いる熱可塑性ポリマー材料は熱可塑性エラストマーでもよい。熱可塑性エラストマーは若干のゴム物性、例えば軟質性、可撓性、レジリエンスがあるが、熱可塑性物と同じように加工できる。溶融物から固形のゴム状組成物への転移は冷却するとかなり急速に行われる。これは、加熱するとゆっくり硬化する従来のエラストマーとは対照的である。熱可塑性エラストマーは従来のプラスチック装置、例えば射出成形機、押出成形機で加工できる。スクラップは一般にリサイクルが容易である。
熱可塑性エラストマーは多相構造であり、相同志は一般に密に混合しあっている。多くの場合、相同志はグラフト、またはブロック共重合で互に保持されている。少くとも一つの相は室温で硬質であるが、加熱すると流体となる材料から構成されている。もう一つの相は室温でゴム状である、比較的軟質な材料である。
ある熱可塑性エラストマーはA−B−Aのブロック・コポリマー構造であり、Aは硬質セグメント、Bは軟質セグメントを表わす。多くのポリマー材料は互に不相溶性の傾向があり、熱可塑性エラストマーの硬質セグメントと軟質セグメントは互に会合して硬質相と軟質相を形成する。例えば硬質セグメントは連続エラストマー相中に分散した球状の領分、または領域を形成する傾向がある。室温では、これらの領域は硬質で立体的網目構造でエラストマー鎖を互に連結する物理的架橋部として作用する。このような領域は材料を加熱、または溶媒に溶解したとき強度を失う傾向がある。
他の熱可塑性エラストマーは(A−B)nで表わす繰返し構造であり、上記のようにAは硬質セグメント、Bは軟質セグメントを表わす。
多くの熱可塑性エラストマーは公知である。A−B−A型の熱可塑性エラストマーの非限定的例はポリスチレン/ポリシロキサン/ポリスチレン、ポリスチレン/ポリエチレン−コ−ブチレン/ポリスチレン、ポリスチレン/ポリブタジエン/ポリスチレン、ポリスチレン/ポリイソプレン/ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン/ポリブタジエン/ポリ−α−メチルスチレン、ポリ−α−メチルスチレン/ポリイソプレン/ポリ−α−メチルスチレン、およびポリエチレン/ポリエチレン−コ−ブチレン/ポリエチレンを含む。
(A−B)n繰返し構造の熱可塑性エラストマーの非限定的例はポリアミド/ポリエーテル、ポリスルホン/ポリジメチルシロキサン、ポリウレタン/ポリエステル、ポリウレタン/ポリエーテル、ポリエステル/ポリエーテル、ポリカーボネート/ポリジメチルシロキサン、およびポリカーボネート/ポリエーテルを含む。もっとも多くの普通の市販熱可塑性エラストマーは硬質セグメントとしてポリスチレンを含有するものである。硬質セグメントとしてポリスチレン、軟質セグメントとしてポリブタジエン、ポリイソプレン、またはポリエチレン−コ−ブチレンのいずれかを有するトリブロック・エラストマーが利用できる。同様に、ポリスチレン/ポリイソプレン繰返しポリマーと同じく、スチレン・ブタジエンの繰返しコポリマーも市販されている。
好ましい一実施態様では、ポリアミドとポリエーテルの交互ブロックを有する熱可塑性エラストマーが用いられる。このような材料は市販されており、例えばピーバックス(登録商標)という商品名でアトフィナ社から市販されている。ポリアミド・ブロックは二酸成分とジアミン成分のコポリマーから誘導され、または環状ラクタムの単独重合で得られる。ポリエーテル・ブロックは一般に環状エーテル、例えば酸化エチレン、酸化プロピレン、およびテトラヒドロフランのホモポリマーまたはコポリマーから誘導される。
熱可塑性ポリマー材料はまた固体、一般には高分子量のプラスチック材料から選ばれる。好ましくは、これらの材料は結晶性、または半結晶性のポリマーであり、より好ましくは示差走査熱量測定で測定して少くとも25%の結晶度を有する。ガラス転移温度が適度に高い非晶質ポリマーも熱可塑性ポリマー材料として受け入れられる。これらの熱可塑性物はまた好ましくは溶融温度、またはガラス転移温度が約80℃〜約350℃の範囲にあるが、溶融温度は一般に熱可塑性加硫ゴムの分解温度よりも低いことが必要である。
熱可塑性ポリマーの非限定的例はポリオレフィン、ポリエステル、ナイロン、ポリカーボネート、スチレン−アクリロニトリルコポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリスチレン、ポリスチレン誘導体、ポリフェニレンオキサイド、ポリオキシメチレン、および上記のフッ素含有熱可塑性樹脂を含む。
ポリオレフィンはα−オレフィン、例えばエチレン、プロピレン,1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、2−メチル−1−プロペン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、5−メチル−1−ヘキセン、およびこれらの混合物(但し、これらに限定されるものではない)の重合により形成される。エチレンとプロピレンとのコポリマー、またはエチレン、またはプロピレンと他のα−オレフィン(例えば1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、2−メチル−1−プロペン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、5−メチル−1−ヘキセン、またはこれの混合物)とのコポリマーも考慮される。これらの単独ポリマーとコポリマー、およびこれのブレンド物は本発明の熱可塑性ポリマー材料として組入れられる。
ポリエステル熱可塑性物はポリマー背骨中に繰返しエステル結合単位を含有する。一実施態様では、これらのポリエステル熱可塑性樹脂は低分子量のジオールと低分子量の芳香族二酸から誘導された繰返し単位を含有する。非限定的例は市販品グレードのポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートを含む。またはこれらのポリエステルは脂肪族ジオールと脂肪族二酸に基づくものでもよい。この例はエチレングリコール、またはブタンジオールとアジピン酸とのコポリマーである。別の実施態様では、熱可塑性ポリエステルはヒドロキシルとカルボキシルの両官能性を有するモノマーを重合して得たポリラクトンである。ポリカプロラクトンはこの種類の熱可塑性ポリエステルの非限定的例である。
ポリアミド熱可塑性物はポリマー背骨中に繰返しアミド結合を含有する。一実施態様では、これらのポリアミドはジアミンモノマーと二酸モノマーから誘導された繰返し単位を含有する。例えば、公知のナイロン66、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸とのポリマーである。他のナイロンはジアミン成分と二酸成分の大きさを変えて得られた構造を有する。非限定的例はナイロン610、ナイロン612、ナイロン46、およびナイロン6/66コポリマーを含む。別の実施態様では、これらのポリアミドはアミンとカルボキシルの両官能性があるモノマーを重合して得られる構造を有する。非限定的例はナイロン6(ポリカプロラクタム)、ナイロン11、およびナイロン12を含む。
ジアミン成分と二酸成分から製造したこの他のポリアミドはジアミンと芳香族二酸、例えばテレフタル酸とから誘導した繰返し単位を含有する高温芳香族ポリアミドを含む。これらの市販例はジェネスターの商品名でクラレが販売しているPA6T(ヘキサンジアミンとテレフタル酸とのコポリマー)、PA9T(ノナンジアミンとテレフタル酸とのコポリマー)を含む。若干の用途ではいくつかの芳香族ポリアミドの融点は熱可塑化加工の最適温度よりも高い。このような場合には、融点は適切なコポリマーを製造することで低下させることができる。非限定的実施例では溶融温度が約370℃であるPA6Tの場合、ポリマー製造時に有効量の非芳香族二酸、例えばアジピン酸を含ませることで実際にその融点を320℃の成形可能温度以下に低下させることができる。
別の好ましい実施態様では、芳香族二酸、例えばテレフタル酸と炭素数が6よりも多い、好ましくは炭素数が9またはそれ以上のジアミンとのコポリマーに基づく芳香族ポリアミドを用いる。ジアミンの炭素鎖長の上限はポリマー合成に適したモノマーの入手性という実用上の見地から制約される。原則として、適切なジアミンは炭素数が7〜20、好ましくは9〜15の範囲、より好ましくは9〜12の範囲のものを含む。好ましい実施態様は、C9、C10、C11のジアミン系の芳香族ポリアミドを含む。かかる芳香族ポリアミドは炭素数が6よりも多い炭素鎖の親油性に基づいて耐溶媒性が高レベルを示すものと考えられる。融点を好ましい成形温度(典型的には320℃またはそれ以下)よりも低下させたいときは、炭素数が6よりも多いジアミンに基づく芳香族ポリアミドは、炭素数が6のジアミンに基づく芳香族ポリアミドに関して上述したように、有効量の非芳香族二酸を含有してもよい。このような二酸の有効量は所望の耐溶媒性を受け入れ難いものとはせずに、融点を所望の温度範囲内に低下させるのに充分な量である。
高温熱可塑性物のその他の非限定的例はポリフェニレンサルファイド、液晶ポリマー、および高温ポリイミドを含む。液晶ポリマーは化学的に繰返し直鎖状に並んだ芳香族環を含有する直鎖状ポリマーに基づくものである。芳香族構造のため、この材料はX線回析法で検出できる特性間隔があるネマチック溶融状態にある領域を形成する。この材料の例はヒドロキシ安息香酸のコポリマー、またはエチレングリコールと直鎖状芳香族ジエステル、例えばテレフタル酸、またはナフタレンジカルボン酸とのコポリマーを含む。
高温熱可塑性ポリイミドは芳香族二無水物と芳香族ジアミンとの高分子反応生成物を含む。これらは多くの供給業者から市販されている。一例は1,4−ベンゼンジアミンと1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物とのコポリマーである。
本発明の加工性ゴム組成物はジェスラー、等の米国特許第3,037,945号(1962年6月5日)に開示されているような動的加硫工程で製造され、この特許はその全部がこれを言及することで本発明に組込まれる。動的加硫、または動的硬化は熱可塑性組成物に含有されているゴム(ここではフルオロカーボンエラストマー)の加硫、または硬化工程である。硬化性ゴムは充分に高い剪断条件下に、熱可塑性成分の融点より高い温度で熱可塑性組成物の存在下で加硫される。硬化性ゴムは同時に架橋され、熱可塑性母材内に分散され、一方非硬化性ゴムは未硬化で、または完全硬化されずに残留する。
動的加硫は機械的エネルギーを適用して実施し、エラストマー成分と熱可塑性成分を高温下硬化剤の存在下で混合する。用語「機械的エネルギーを適用する」とは従来の混合装置、例えばロールミル、モリヤマ混合機、バンバリー混合機、ブラベンダー混合機、連続式混合機、混合押出機、例えば一軸、二軸−スクリュー押出機、等で実施する混合、攪拌、混練、素練り、および類似の操作を指す。同時に、熱エネルギーをかけて熱可塑性物を溶融流動化温度まで加熱して、硬化性エラストマー成分を硬化させる。前記のように硬化条件と加硫条件は第一の(硬化性)エラストマーが第二の(非硬化性)エラストマーよりも高速で硬化するように選択する。動的硬化組成物のすぐれた特徴はエラストマー成分が完全に硬化されている事実にもかかわらず組成物が従来のプラスチック加工技術(例えば押出し、射出成形、圧縮成形)で加工、再加工できることである。スクラップ、またはバリは熱可塑化技術で回収して再加工できる。
動的加硫工程で得られた加硫エラストマー材料は一般に連続熱可塑性ポリマー母材内に小粒子として存在する。共通連続形態も、熱可塑性材料に対するエラストマー材料の相対量、硬化系、硬化の機構、および混合の量と程度如何で可能となる。(第二のエラストマーの)未加硫材料は動的加硫ゴムの連続熱可塑性相中に少くとも部分的に存在し、次のプラスチック加工中での可塑化性と潤滑性を与えると考えられる。
動的加硫後、均質混合物が得られ、硬化フルオロエラストマーは平均粒径が約50μmよりも小さく、好ましくは平均粒径が約25μmよりも小さい分散小粒子の形をとる。粒径は加工性ゴム組成物から成形した成形物品の極低温薄切断面の原子力間顕微鏡検査法で作成したマップで測定できる。
典型的には、粒子は原子力間顕微鏡検査技術で測定して平均径が10μmまたはそれ以下、好ましくは5μmまたはそれ以下である。いくつかの実施態様では粒子の平均径は1μmまたはそれ以下である。他の実施態様では、たとえ平均粒径が大きくても、熱可塑性母材中に分散した直径が1μm未満のかなりの数の硬化エラストマー粒子が存在する。
第一、第二のエラストマー材料(上記の「硬化性」および「非硬化性」エラストマー)、熱可塑性ポリマー材料、および硬化剤に加えて、本発明の加工性ゴム組成物はこの他の添加剤、例えば安定剤、従来の加工助剤、硬化促進剤、充填剤、顔料、接着剤、粘着剤、およびワックスを含む。本発明の組成物と物品の性質は加硫前または加硫後にゴム、熱可塑性樹脂、およびこれらのブレンド物のコンパウンディングで従来からある成分を添加することで改質することができる。
いろいろの広範囲の従来の加工助剤(可塑剤と離型剤を含めて)が本発明の非硬化性第二のエラストマー組成物に加えて使用できる。加工助剤の非限定的例はカルナウバワックス、フタル酸エステル可塑剤、例えばジオクチルフタレート(DOP)、およびケイ酸ジブチルフタレート(DBS)、脂肪酸塩、例えばステアリン酸亜鉛、およびステアリン酸ナトリウム、ポリエチレンワックス、およびケラミドを含む。いくつかの実施態様では、高温加工助剤が望ましい。これは直鎖状脂肪アルコール、例えばC10〜C28のアルコールのブレンド物、オルガノシリコーン、および官能化パーフルポリエーテルを含み、これらに制限されない。いくつかの実施態様では、組成物は約1〜約15重量%、好ましくは約5〜約10重量%の加工助剤を含有する。
受酸化合物は特にポリオール、またはフェノール硬化性のフルオロカーボンにとって硬化促進剤、または硬化安定剤として普通に使用されている。好ましい受酸化合物は二価金属の酸化物と水酸化物で、Ca(OH)2、MgO、CaO、およびZnOを含む。
充填剤の非限定的例は有機、および無機充填剤の両者、例えば硫酸バリウム、硫化亜鉛、カーボン・ブラック、シリカ、二酸化チタン、粘土、タルク、ガラス繊維、フュームド・シリカ、および不連続繊維、例えば無機質繊維、木質セルローズ繊維、炭素繊維、硼素繊維、およびアラミド繊維(ケブラー)を含む。加工助剤の若干の非限定的例はステアリン酸とラウリン酸を含む。カーボン・ブラック、展伸油、またはこれら両者を好ましくは動的加硫前に添加することが特に好ましい。カーボン・ブラック充填剤の非限定的例はSAFブラック、HAFブラック、SRPブラック、およびオースチンブラックを含む。カーボン・ブラックは引張強さを改善し、展伸油は加工性、耐油膨潤性、熱安定性、ヒステリシス、コスト、および永久歪を改善できる。各種の実施態様では、充填剤、例えばカーボン・ブラックは本発明の組成物の全重量の約40重量%まで構成できる。好ましくは組成物は1〜40重量%の充填剤から成る。他の実施態様では充填剤は組成物の10〜25重量%を構成する。
加硫温度での加熱と混合、または素練りは一般的に数分以下で第一のエラストマーの加硫を完了させるのに充分であるが、もしより短い加硫時間を望むときはより高い温度および/またはより高い剪断を利用することができる。加硫温度の適切な範囲はおよそ熱可塑性材料の溶融温度から約300℃以上までである。混合は加硫が生じるか、また完了するまで中断することなく続けることが好ましい。
もし混合停止後にかなりの硬化を行うと、非加工性の熱可塑性加硫ゴムが得られることがある。この場合、ある種のポスト硬化工程を行って硬化処理を完成させる。いくつかの実施態様では、ポスト硬化は冷却期間内にエラストマーと熱可塑性物の混合を続ける形をとる。
動的加硫後、均質な混合物が得られる。各種の実施態様では、硬化した第一のエラストマーは本質的に平均粒径が約50μmよりも小さい、好ましくは平均粒径が約25μmよりも小さい分散小粒子の形である。更に典型的で好ましくは、粒子は平均径が約10μmまたはそれ以下、好ましくは約5μmまたはそれ以下、より好ましくは約1μmまたはそれ以下である。この他の実施態様では、たとえ平均粒径がより大きくても粒径が1μm未満の硬化エラストマー粒子がかなりの数熱可塑性母材中に分散して存在する。
上述の粒径は球形粒子の直径、または均等の容積の球の直径と等しいと考えられる。粒子はすべて球形である必要はないことを理解されたい。若干の粒子はかなり等方性があり、球の直径に近い径が容易に測定される。他の粒子は一方または二方の寸法がもう一方の寸法よりも長いことから異方性であると考えられる。この場合は、上記の好ましい粒径は粒子寸法のうちの最小のものに該当する。
いくつかの実施態様では硬化エラストマー材料は分散相、離散相、または非連続相の形をとり、この場合粒子は熱可塑性母材から構成した連続相により互に分離されている。このような構造は硬化エラストマーの比較的低い充填時により好都合であると期待される。すなわち、熱可塑性材料が組成物の比較的大容量を占めるからである。この他の実施態様では、硬化材料は熱可塑性材料と共通連続相の形をとる。このような構造は硬化エラストマーが比較的高容積のとき好都合と考えられる。中間のエラストマー充填のときは、二相組成物の構造は硬化エラストマーの若干が離散粒子の形をとり、若干が共通連続相の形をとるので中間状態をとると考えられる。
組成物の均質性、相間の接触表面積が大きいことを示す小粒径、および工業的用途で有用な充分な硬度、引張強さ、弾性率、破断時伸び、または圧縮永久歪を有する成形物品への組成物の成形性からエラストマー相と熱可塑性相間の相溶性の程度は比較的高いことが判る。
この加硫の進行は混合中の混合トルク、または混合エネルギー要件をモニターして追跡できる。混合トルク、または混合エネルギー曲線は一般に最大値を通り、この後混合をやや長時間続けてブレンド物の製造性を改善することができる。ある実施態様では、追加成分を動的加硫が完了した後添加できる。例えば、安定剤パッケージを加硫が本質的に完了した後で、すなわち、硬化剤が本質的に消費されてしまった後で熱可塑性加硫ゴムに添加することができる。
本発明の加工性ゴム組成物は回分式方法、または連続式方法で製造できる。回分式方法では、エラストマー材料、熱可塑性ポリマー材料、および硬化剤の一定の投入量を混合装置に加える。例示的回分式方法では、エラストマー材料と熱可塑性材料を最初に混合、ブレンド、素練り、または他の物理的手段で混合して、エラストマー材料の所望の粒径が熱可塑性材料の連続相中に得られるまで続ける。エラストマー材料の構造が所望されるとき、機械的エネルギーを適用してエラストマー材料と熱可塑性材料の混合を継続しながら、硬化剤を添加する。硬化剤の存在下で熱可塑性材料とエラストマー材料の混合物を加熱し、または加熱しながら硬化を行う。硬化が完了したとき、加工性ゴム組成物を反応器(混合室)から取り出して、次の加工用とする。
または、第一のエラストマーは硬化剤を組入れたものとして商業的に提供される。このような商業的材料はフェノール硬化性フルオロカーボンエラストマーでは特に公知である。各種の実施態様では、フェノール架橋剤と随意的にオニウム化合物とはフルオロカーボンエラストマー中に事前調合される。これらの実施態様では、硬化のタイミングは何時硬化促進剤、例えばMgO、Ca(OH)2、等を添加するかで変化、調整できる。パーオキサイド硬化性フルオロカーボンエラストマー組成物は硬化を組入れた商業製品としてはあまり多くは用いられない。より普通には適切なパーオキサイド硬化剤とオレフィン官能性架橋助剤が回分式、または連続式工程中に添加され、所望の速度と時間とで硬化を行う。
エラストマー材料と熱可塑性材料は熱可塑性材料が軟化、流動する温度で混合することが好ましい。このような温度が硬化剤が活性化する温度よりも低いときは、硬化剤は回分式方法の初期の粒子分散工程の間は混合物の一部となることも可能である。いくつかの実施態様では硬化剤は硬化温度よりも低い温度でエラストマー材料とフッ素樹脂材料とに混合される。所望の分散が達成されたとき、温度を昇温して硬化を行うことができる。または、更に、急速硬化を必要とする成分、例えば受酸促進剤、または架橋助剤は戦略的に混合物に添加して工程中での硬化の開始を制御する。
一実施態様では、エラストマー中に前配合した硬化剤を含有する市販のエラストマー材料が用いられる。しかし、硬化剤が初期の混合温度で活性化するときは、熱可塑性母材中でエラストマー材料の所望の粒径分布が達成するまでは硬化剤は取除いておくことが好ましい。もう一つの実施態様では、エラストマー材料とフッ素樹脂ブレンド物が混合されてから硬化剤を添加する。好ましい実施態様では、硬化剤はエラストマー材料と熱可塑性材料の混合物に添加し、一方混合物全体を機械的攪拌、かきまぜ、または他の手段で混合し続ける。
本発明の加工性ゴム組成物を製造するのに連続式方法も使用できる。好ましい実施態様では、同一方向回転型、または反対方向スクリュー型の二軸スクリュー押出装置は二軸スクリュー装置のモジュラー要素から成る材料供給口と反応室が設けてある。典型的な連続式方法では、熱可塑性材料とエラストマー材料とは供給器(目減り型、または定量型供給器)を用いた第1のホッパーからスクリュー押出機内に一緒に挿入して混合される。温度とスクリューの操作条件を調節して、温度と剪断を適正にして熱可塑性材料母材中の未硬化エラストマー成分の所望の混合と粒径分布を達成することができる。混合期間の制御は押出装置の長さを長くしたり、短かくしたりして、または混合相の間を通過するエラストマー材料と熱可塑性材料との混合物用のスクリュー回転速度を制御して行うことができる。混合の程度もスクリューシャフトの混合スクリュー要素の形状、例えば集中型、中間型、または温和型のスクリュー設計で制御できる。非限定的例では次いで、下流口から側面供給器(目減り型、または容積型供給器)を用いて硬化剤、硬化促進剤、または類似の材料を連続的に熱可塑性材料とエラストマー材料との混合物に添加でき、混合物は二軸スクリュー押出し路を下流方向に移動し続ける。硬化剤添加口の下流では混合操作条件と通過時間を上記のように変えることができる。混合装置からの押出し後、動的加硫ストランドは水浴中で冷却し、後の用途用のペレットに切断してもよい。
剪断速度、温度、混合時間、混合スクリュー要素の形状を、硬化剤、硬化促進剤、等の添加時間と同様に、調整することで、本発明の加工性ゴム組成物は連続式方法で製造できる。回分式方法と同様に、加工性エラストマー材料は商業的に調合して硬化剤、一般にフェノール、またはフェノール樹脂硬化剤を含有させてもよい。
各種の実施態様では、本発明の組成物と物品は充分な量の加硫エラストマー材料(「ゴム」)を含有させてゴム状組成物を形成させると、すなわち、可撓性、柔軟性、圧縮永久歪の所望の組合せを呈するようになる。好ましくは、組成物はゴムと熱可塑性ポリマーを合せた100重量部当りゴムが少くとも約25重量部、好ましくは少くとも約35重量部、より好ましくは少くとも約40重量部、更により好ましくは少くとも約45重量部、なおより好ましくは少くとも約50重量部から成る。熱可塑性加硫ゴム内の硬化ゴム量は一般にゴムと熱可塑性ポリマーを合せた合計重量の約5〜約95重量%、好ましくは約35〜約95重量%、より好ましくは約40〜約90重量%、より好ましくは約50〜約80重量%である。
本発明の加工性ゴム組成物内の熱可塑性ポリマー量は一般にゴムとフッ素樹脂ブレンド物を合せた合計重量の約5〜約95重量%、好ましくは約10〜約65重量%、より好ましくは約20〜約50重量%である。未硬化エラストマーは硬化エラストマー100部当り1〜20部、好ましくは1〜10部のレベルで加工性ゴム組成物中に存在する。都合のよいことには、本発明の成形物品は従来のゴムとは異なり熱可塑性材料のように加工、リサイクルできるゴム状材料である。これらの材料はASTM D1566に規定されているように室温で元の長さの2倍に延伸し、解除前に1分間保持した後1分以内にその元の長さの1.5倍未満まで収縮するという点でゴム状である。また、これらの材料はASTM D412に規定されている一定の引張り要件を満たし、またASTM D395の圧縮歪に関する弾性要件を満たしている。
実施例1〜6は本発明の成形性組成物の製造用の配合例を示す。これらは回分式、または連続式方法のいずれかで製造できる。
実施例
回分式方法では、加工性ゴム組成物は内部混合装置がある回分式混合機、例えばバンバリー混合機、モリヤマ混合機、またはブラベンダー混合機でコンパウンディングする。成分を混合機にチャージし、約130℃の温度で10〜15分間、50rpmのロータ速度で混合する。次いで、フェノール硬化組成物を約190℃に加熱する(実施例1、3、5)。パーオキサイド硬化組成物は150℃に加熱する(実施例2、4、6)。もしエラストマーに硬化が添加されていないときは、硬化剤をこの時点でも添加できる。攪拌は、例えば混合機内で定常状態のトルク読みになったことで測定される第一の(硬化性)エラストマーが完全硬化するのに必要な追加時間だけ続ける。実施例1〜6ではこの追加時間は約3〜約10分の範囲にある。次いで、組成物を回分式混合機から取出し、造粒して次の製造工程、例えば射出成形、圧縮成形、ブロー成形、単層押出し、多層押出し、挿入成形、等で用いる小粒径の粒子を製造する。
連続式方法は二軸スクリュー押出機で実施する。成分を混合域で130℃、3〜10分間ブレンドし、次いで第一のエラストマーが完全硬化するまで反応域で上記のように190℃、または150℃で硬化させる。硬化したエラストマー/フッ素樹脂ブレンド物は1〜3mm直径のストランド・ダイから押出し、ストランド・ペレタイザーを通過させる前に水浴中で冷却して急冷させる。ペレットはいろいろな広範囲の熱可塑化技術で成形物品に加工できる。この材料を物性測定用の試験片にも形成できる。
実施例1〜6では、下記の材料を使用する。
テクノフロンFOR 50HSとFOR 80HSはソルベー社市販の非(低)ポスト硬化ビスフェノール硬化性フルオロカーボンエラストマーであり、樹脂中にビスフェノール硬化剤が調合されている。
カイナール・フレックス2500-20はアトフィナ・ケミカルズ社市販のフッ化ビニリデン/HFPコポリマーに基づく熱可塑性物である。
エラストマーグ170はローム・アンド・ハース社市販の水酸化マグネシウム粉末である。
MT N-990はカーボンブラック充填剤である。
ストラクトールWS-280はストラクトール社市販の加工助剤である。
テクノフロンFPA-1はソルベー社市販の高温加工助剤である。
フルオレルFE5840はダイネオン社市販の高フッ素(70%F)硬化含有フッ素エラストマーである。
ダイネオンBRE 7231Xはダイネオン社市販の耐塩基性硬化含有フルオロエラストマーであり、TFEと、プロピレンと、フッ化ビニリデンとのターポリマーに基づくものである。
PFAはTFEとパーフルオロプロピルビニルエーテルとのコポリマーである。
レノフィットCFはライン・ヘミー社市販の水酸化カルシウムである。
オースチン・ブラックはカーボンブラック充填剤である。
ハイラールMP-10はアウシモント社市販のポリフッ化ビニリデンフルオロ樹脂である。
テクノフロンP757はソルベー社市販の中程度パーオキサイド硬化性フルオロエラストマー(67%F)である。
テクノフロンP457はソルベー社市販の低粘度パーオキサイド硬化性フルオロエラストマー(67%F)である。
TAIC、75%はトリアリルイソシアヌレートの75%溶液である。
ZnOは酸化亜鉛である。
ルパーコ101XLはアトケム社市販のパーオキサイド硬化剤であり、その活性成分は2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンである。
実施例1
実施例1では、硬化性エラストマーはテクノフロンFOR 50HSであり、これは硬化含有フェノール架橋剤であり、同じく硬化促進剤を含有している。非硬化性エラストマーはテクノフロンP457であり、これはパーオキサイド硬化性エラストマーである。実施例1の組成物はパーオキサイド硬化剤を含有していないので、非硬化性エラストマーはテクノフロンFOR 50HSよりも極めて遅い速度で硬化する。
Figure 2006188695
実施例2
実施例2では、硬化性エラストマーはテクノフロンP457で、これはパーオキサイド硬化性エラストマーである。実施例2の非硬化性エラストマーはテクノフロンFOR 50HSである。硬化は150℃で行う。動的加硫条件下では、テクノフロンP457エラストマーはパーオキサイド(ルパーコ101XL)と架橋助剤(TAIC)で硬化させる。加硫温度(150℃)では、テクノフロンFOR 50HSの硬化速度は、たとえテクノフロン材料がフェノール硬化剤を含有していても、テクノフロンP457に比べて低い。
Figure 2006188695
実施例3
実施例3では、硬化性エラストマーはフェノール含有材料(テクノフロンFOR 80HS)、非硬化性エラストマーはパーオキサイド硬化性エラストマー(テクノフロンP757)である。テクノフロンP757は、硬化性組成物がパーオキサイドを含有していないのでテクノフロンFOR 80HSに比べて低速度で硬化する。
Figure 2006188695
実施例4
実施例4では、硬化性エラストマーはテクノフロンP757で、これはルパーコ101XLとTAICの作用で硬化する。非硬化性エラストマー・テクノフロンFOR 80HSは、硬化が150℃の温度で行われるので低速度で硬化する。
Figure 2006188695
実施例5
実施例5では、硬化性エラストマーはフェノール硬化剤含有エラストマー(ダイネオンFE5840とダイネオンBRE7321X)である。これらのエラストマーの硬化は受酸剤のレノフィットCFとエラストマーグ170の存在で促進される。加硫は190℃の温度で行われる。これらの条件下、ダイネオン材料の硬化はテクノフロンP457の硬化に比べて速い。上記のように、P457材料はパーオキサイド硬化性であり、硬化サイトモノマーを含有している。それにもかかわらず、パーオキサイド硬化剤がない動的加硫条件下ではフェノール硬化性エラストマーはより速く硬化する。
Figure 2006188695
実施例6
実施例6では、硬化性エラストマーはテクノフロンP457とルパーコ101XLとTAICとの組成物である。これら三成分が共に150℃の加硫温度で速い硬化速度の硬化性エラストマー組成物を形成する。非硬化性エラストマーは実施例5のダイネオン材料の組成物である。ダイネオン材料は硬化剤(フェノール)を含有しているが、150℃での硬化は硬化サイト含有パーオキサイド硬化性エラストマーよりも遅い。
Figure 2006188695
本発明を実施する上で一番有利、または好ましいと現在考えられるものを含めたいろいろの実施態様を考慮して本発明を記載したが、本発明はこれらの開示実施態様に限定されないことを了解されたい。むしろ、本開示を読んで専門家に考えつく変更、改修は、本明細書に添付した請求項で定義した本発明の範囲内にあるものと考える。

Claims (52)

  1. 連続相の熱可塑性ポリマー材料と、連続相内に分散した硬化フルオロカーボンエラストマーの粒子と、100硬化フルオロカーボンエラストマー100部当り10部またはそれ以下のレベルの未硬化フルオロカーボンエラストマーとから成る、加工性ゴム組成物。
  2. 熱可塑性材料がフッ素樹脂から成る、請求項1に記載の組成物。
  3. 硬化フルオロカーボンエラストマーが硬化フルオロカーボンエラストマーと熱可塑性材料との合計重量の35%またはそれ以上存在している、請求項1に記載の組成物。
  4. 硬化フルオロカーボンエラストマーが硬化フルオロカーボンエラストマーと熱可塑性材料との合計重量の50%またはそれ以上存在している、請求項1に記載の組成物。
  5. 硬化フルオロカーボンエラストマーがVDF/HFP、VDF/HFP/TFE、VDF/PFVE/TFE、TFE/Pr、TFE/Pr/VDF、TFE/Et/PFVE/VDF、TFE/Et/PFVE、TFE/PFVE、および上記ポリマーが更に硬化サイトモノマーから成る群から選ばれた一種またはそれ以上のフルオロカーボンポリマーから成る、請求項1に記載の組成物。
  6. 硬化フルオロカーボンエラストマーがパーオキサイド硬化エラストマーから成る、請求項1に記載の組成物。
  7. 硬化フルオロカーボンエラストマーがポリオール硬化エラストマーから成る、請求項1に記載の組成物。
  8. 硬化フルオロカーボンエラストマーがフルオロシリコーンゴムから成る、請求項1に記載の組成物。
  9. 請求項1に記載の組成物の熱可塑化加工で製造した成形物品。
  10. 熱可塑化的に加工した動的加硫ゴムから成る成形物品であって、動的加硫ゴムが硬化性フルオロカーボンエラストマーと、熱可塑性材料と、非硬化性フルオロカーボンエラストマーとの動的硬化生成物から成り、硬化性フルオロカーボンエラストマーは動的硬化条件下で完全に硬化し、非硬化性フルオロカーボンエラストマーは不完全に硬化、または全然硬化せず、非硬化性エラストマーは硬化性フルオロカーボンエラストマー100部基準で1〜10phr存在する、成形物品。
  11. 熱可塑性材料がフッ素樹脂から成る、請求項10に記載の物品。
  12. 硬化性フルオロカーボンエラストマーがフルオロシリコーンゴムから成る、請求項11に記載の物品。
  13. 硬化性フルオロカーボンエラストマーがパーオキサイド硬化フルオロカーボンポリマーゴムから成る、請求項11に記載の物品。
  14. 硬化性フルオロカーボンエラストマーがフェノール硬化フルオロカーボンポリマーゴムから成る、請求項11に記載の物品。
  15. 第一のフルオロカーボンエラストマー組成物を熱可塑性ポリマー材料の存在下で、更には第二のフルオロカーボンエラストマー組成物の存在下で、動的加硫中は第一のフルオロカーボンエラストマー組成物は完全に硬化し、第二のフルオロカーボンエラストマー組成物は完全硬化よりも少く硬化し、または全然硬化しない条件下で動的加硫して成る、熱加工性ポリマー組成物の製造方法であって、第二のフルオロカーボンエラストマーが第一のフルオロカーボンエラストマー組成物の100部基準で10部まで存在する、製造方法。
  16. 熱可塑性ポリマー材料がフルオロカーボンポリマーから成る、請求項15に記載の方法。
  17. 第一のフルオロカーボンエラストマー組成物をパーオキサイド硬化することから成る、請求項15に記載の方法。
  18. 第一のフルオロカーボンエラストマー組成物をフェノール硬化することから成る、請求項15に記載の方法。
  19. 第一のフルオロカーボンカーボンエラストマー組成物がパーオキサイドと架橋剤とから成る、請求項15に記載の方法。
  20. 架橋剤がトリアリルイソシアヌレートから成る、請求項19に記載の方法。
  21. 第一のフルオロカーボンエラストマー組成物がフェノール架橋剤と架橋促進剤とから成る、請求項15に記載の方法。
  22. 架橋促進剤が水酸化カルシウム、酸化マグネシウム、およびこれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項21に記載の方法。
  23. 第一のフルオロカーボンエラストマー組成物がVDF/HFP、VDF/HFP/TFE、VDF/PFVE/TFE、TFE/Pr、TFE/Pr/VDF、TFE/Et/PFVE/VDF、TFE/Et/PFVE、TFE/PFVE、および上記ポリマーが更に硬化サイトモノマーから成る群から選ばれた一種またはそれ以上のフルオロカーボンポリマーから成る、請求項15に記載の方法。
  24. 第二のフルオロカーボンエラストマーがVDF/HFP、VDF/HFP/TFE、VDF/PFVE/TFE、TFE/Pr、TFE/Pr/VDF、TFE/Et/PFVE/VDF、TFE/Et/PFVE、TFE/PFVE、および上記ポリマーが更に硬化サイトモノマーから成る群から選ばれた一種以上のフルオロカーボンポリマーから成る、請求項15に記載の方法。
  25. 第一のフルオロカーボンエラストマー組成物が硬化サイトモノマーから成るフルオロカーボンポリマーから成り、第二のフルオロカーボンエラストマー組成物が硬化サイトモノマーを含まないフルオロカーボンポリマーから成る、請求項15に記載の方法。
  26. 第一のフルオロカーボンエラストマー組成物がフッ化ビニリデンモノマー含有ポリマーから成り、第二のフルオロカーボンエラストマー組成物がフッ化ビニリデンモノマーを含まないポリマーから成る、請求項15に記載の方法。
  27. 第一のフルオロカーボンエラストマー組成物のt90よりも長い時間、かつ第二のフルオロカーボンエラストマー組成物のt90未満の時間加硫することから成る、請求項15に記載の方法。
  28. 第一のフルオロカーボンエラストマー組成物をt90よりも長い時間、かつ第二のフルオロカーボンエラストマー組成物のt50未満の時間加硫することから成る、請求項15に記載の方法。
  29. 第一のフルオロカーボンエラストマー組成物のt90よりも長い時間、かつ第二のフルオロカーボンエラストマー組成物のt10未満の時間加硫することから成る、請求項15に記載の方法。
  30. 第一のフルオロカーボンエラストマー組成物の硬化速度は第二のフルオロカーボンエラストマー組成物の硬化速度の100倍またはそれ以上である温度で加硫することから成る、請求項15に記載の方法。
  31. パーオキサイド硬化性の第一の硬化性フルオロカーボンエラストマー、パーオキサイド化合物、架橋剤、熱可塑性ポリマー組成物、および第二の非硬化性フルオロカーボンエラストマーから成る混合物を形成し、機械的および熱的エネルギーを混合物にかけて第一のエラストマーを動的加硫することから成る、熱加工性ポリマー組成物の製造方法。
  32. 第一のエラストマーをt90よりも長い時間、かつ第二のエラストマーのt90未満の時間加硫することから成る、請求項31に記載の方法。
  33. 第一のエラストマーをt90よりも長い時間、かつ第二のエラストマーのt10未満の時間加硫することから成る、請求項31に記載の方法。
  34. 第一のエラストマーの硬化速度が第二のエラストマーの硬化速度の少くとも100倍である条件下で硬化を行う、請求項31に記載の方法。
  35. 第一のエラストマーが硬化サイトモノマーから成り、第二のエラストマーは硬化サイトモノマーを含まない、請求項31に記載の方法。
  36. 混合物がポリオール架橋剤を含まない、請求項31に記載の方法。
  37. 混合物はフェノール硬化促進剤を含有しない、請求項31に記載の方法。
  38. 架橋剤はトリアリルイソシアヌレートから成る、請求項31に記載の方法。
  39. 熱可塑性ポリマーはフルオロカーボンポリマーから成る、請求項31に記載の方法。
  40. 混合物はフェノール架橋剤から成るが、フェノール架橋促進剤を含まない、請求項31に記載の方法。
  41. 混合物は、第一のエラストマー100部基準で第二のエラストマーが1〜10部から成る、請求項31に記載の方法。
  42. 第二のエラストマーの少くとも一部が動的加硫後未硬化のまま残留する、請求項31に記載の方法。
  43. 第一のエラストマーはVDF/HFP/CSM、VDF/HFP/TFE/CSM、VDF/PFVE/TFE/CSM、TFE/Pr/CSM、TFE/Pr/VDF/CSM、TFE/Et/PFVE/VDF/CSM、TFE/Et/PFVE/CSM、およびTFE/PFVE/CSMから成る群から選ばれた一種またはそれ以上のフルオロカーボンポリマーから成り、CSMは第一のエラストマーのC-F、またはC-H結合よりも容易にパーオキサイドと反応するサイトを提供する硬化サイトモノマーを表わす、請求項31に記載の方法。
  44. 第一のエラストマーはテクノフロンFOR 50HS、またはテクノフロンFOR 80HSから成る、請求項31に記載の方法。
  45. 第一のエラストマーはテクノフロンP747、またはテクノフロンP457から成る、請求項31に記載の方法。
  46. ポリオール硬化性の第一のフルオロカーボンエラストマー、ポリオール架橋剤、ポリオール架橋促進剤、熱可塑性ポリマー組成物、および第二のフルオロカーボンエラストマーから成る混合物を形成し、機械的および熱的エネルギーを混合物にかけて第一のフルオロカーボンエラストマーを動的加硫することから成る熱加工性組成物の製造方法であって、第一のエラストマーは完全に硬化し、第二のエラストマーは完全硬化よりも少く硬化し、または全然硬化しない条件下で硬化を行う、製造方法。
  47. 第一のフルオロカーボンエラストマーのt90よりも長い時間、かつ第二のフルオロカーボンエラストマーのt10未満の時間硬化させることから成る、請求項46に記載の方法。
  48. 第一のフルオロカーボンエラストマーの硬化速度は第二のフルオロカーボンエラストマーの硬化速度の100倍またはそれ以上である、請求項46に記載の方法。
  49. 第一のフルオロカーボンエラストマーはフッ化ビニリデンのコポリマーから成り、第二のフルオロカーボンエラストマーはフッ化ビニリデンに基づかないフルオロカーボンポリマーである、請求項46に記載の方法。
  50. 第一のフルオロカーボンエラストマーはFKMエラストマーであり、第二のフルオロカーボンエラストマーはFFKMエラストマーである、請求項46に記載の方法。
  51. 熱可塑性ポリマーはフルオロカーボンポリマーである、請求項46に記載の方法。
  52. 混合物は第一のエラストマー100部基準で10部までの第二のエラストマーから成る、請求項46に記載の方法。
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