JP2013539494A - 耐熱性フルオロエラストマー回転軸リップシール - Google Patents

耐熱性フルオロエラストマー回転軸リップシール Download PDF

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Abstract

A)少なくとも53重量%のフッ素を有するフルオロエラストマー、ならびにB)70〜150m/gの窒素吸着比面積および90〜180ml/100gのフタル酸ジブチル吸収量を有する、フルオロエラストマー100重量部当たり10から50重量部のカーボンブラックを含む硬化フルオロエラストマー回転軸リップシール。

Description

本発明は、フルオロエラストマー、ならびに70〜150m/gの窒素吸着比面積(N2SA)および90〜180ml/100gのフタル酸ジブチル(DBP)吸収量を有する、フルオロエラストマー100重量部当たり10から50重量部のカーボンブラックを含む硬化フルオロエラストマー回転軸リップシールに関する。
優れた耐熱性、耐油性および耐薬品性を有するフルオロポリマーは、シーリング材料、容器およびホース用に広範に用いられている。
エマルション重合法によるこのようなフルオロエラストマーの製造は、当技術分野で周知である;例えば、米国特許第4,214,060号明細書および同第3,876,654号明細書を参照されたい。
フルオロエラストマー組成物は、典型的には引張特性を最適化するために黒色フィラー(例えば、カーボンブラック)または白色フィラー(例えば、硫酸バリウム)のいずれかで充填されている。N990などのミディアムサーマル(MT)カーボンブラックが、よく知られているフィラーである。
フルオロエラストマーは、一般にポリヒドロキシ化合物(例えば、ビスフェノールA)によってまたは有機過酸化物と多官能性助剤(例えば、トリアリルイソシアヌレート)との組合せによって硬化(すなわち、架橋)される。典型的には、良好な耐圧縮永久歪み性を得るために、フルオロエラストマー100重量部当たり少なくとも2重量部のポリヒドロキシ化合物または多官能性助剤が用いられる。
いくつかの回転軸リップシール(例えば、クランクおよびカムシャフトシール、トランスミッションシール)が、自動車産業で用いられている。このようなシールは、使用中に非常に高い温度および磨耗に曝される。したがって、シールは、高温、例えば、200℃で良好な破断点伸びおよび良好な引張強度を有しなければならない。
驚くべきことに、ある種の非常に補強性のカーボンブラックフィラーが、高温での改善された破断点伸びおよび引張強度を含めて、フルオロエラスマーに優れた特性を与えることが見出された。本発明の一つの態様は、
(A)フッ化ビニリデンと少なくとも1種の共重合性モノマーとの共重合単位を含む、少なくとも53重量パーセントのフッ素を有するフルオロエラストマー;
(B)70〜150m/gの窒素吸着比面積(N2SA)および90〜180ml/100gのフタル酸ジブチル吸収量を有する、フルオロエラストマー100重量部当たり10から30重量部のカーボンブラック:
(C)フルオロエラストマー100重量部当たり0.8から1.8重量部のポリオール硬化剤;ならびに
(D)フルオロエラストマー100重量部当たり0.2から1重量部の硬化促進剤
を含む、硬化フルオロエラストマー回転軸リップシールを提供する。
本発明の別の態様は、
(A)フッ化ビニリデンと少なくとも1種の共重合性モノマーとの共重合単位を含む、少なくとも53重量パーセントのフッ素を有するフルオロエラストマー;
(B)70〜150m/gの窒素吸着比面積(N2SA)および90〜180ml/100gのフタル酸ジブチル吸収量を有する、フルオロエラストマー100重量部当たり10から30重量部のカーボンブラック:
(C)フルオロエラストマー100重量部当たり0.25から2重量部の有機過酸化物;ならびに
(D)フルオロエラストマー100重量部当たり0.3から1.3重量部の多官能性助剤
を含む、硬化フルオロエラストマー回転軸リップシールを提供する。
本発明は、硬化(すなわち、架橋)フルオロエラストマー回転軸リップシールに関する。「フルオロエラストマー」によって、非晶質エラストマー性フルオロポリマーが意味される。フルオロエラストマーは、少なくとも53重量パーセント、好ましくは少なくとも64重量%のフッ素を含む。本発明の方法で用いられてもよいフルオロエラストマーは、フルオロエラストマーの重量に基づいて、25から70重量パーセントのフッ化ビニリデン(VF)の共重合単位を含む。フルオロエラストマー中の残りの単位は、フッ素含有オレフィン、フッ素含有ビニルエーテル、炭化水素オレフィンおよびこれらの混合物からなる群から選択される、前記VFとは異なる1種以上のさらなる共重合モノマーからなる。
VFと共重合可能なフッ素含有オレフィンには、限定されるものではないが、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、テトラフルオロエチレン(TFE)、1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1−HPFP)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)およびフッ化ビニルが含まれる。
VFと共重合可能なフッ素含有ビニルエーテルには、限定されるものではないが、パーフルオロ(アルキルビニル)エーテルが含まれる。モノマーとしての使用に好適なパーフルオロ(アルキルビニル)エーテル(PAVE)には、式
CF=CFO(Rf’O)(Rf”O) (I)
(式中、Rf’およびRf”は、異なる直鎖または分岐の2〜6個の炭素原子のパーフルオロアルキレン基であり、mおよびnは、独立して0〜10であり、Rは、1〜6個の炭素原子のパーフルオロアルキル基である)
のものを含む。
好ましいクラスのパーフルオロ(アルキルビニル)エーテルは、式
CF=CFO(CFCFXO) (II)
(式中、Xは、FまたはCHであり、nは、0〜5であり、Rは、1〜6個の炭素原子のパーフルオロアルキル基である)の組成物を含む。
最も好ましいクラスのパーフルオロ(アルキルビニル)エーテルは、nが0または1であり、Rが1〜3個の炭素原子を有する、それらのエーテルを含む。このようなパーフッ素化エーテルの例には、パーフルオロ(メチルビニル)エーテル(PMVE)およびパーフルオロ(プロピルビニル)エーテル(PPVE)が含まれる。他の有用なモノマーは、式
CF=CFO[(CFCFCFZO] (III)
(式中、Rは、1〜6個の炭素原子を有するパーフルオロアルキル基であり、m=0または1、n=0〜5、Z=FまたはCFである)
の化合物を含む。このクラスの好ましいメンバーは、RがCであり、m=0、n=1であるものである。
さらなるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)モノマーは、式
CF=CFO[(CFCF{CF}O)(CFCFCFO)(CF]C2x+1 (IV)
(式中、mおよびnは、独立して、=0〜10、p=0〜3、x=1〜5である)
の化合物を含む。このクラスの好ましいメンバーは、n=0〜1、m=0〜1、x=1である化合物を含む。
有用なパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)の他の例は、
CF=CFOCFCF(CF)O(CFO)2n+1 (V)
(式中、n=1〜5、m=1〜3、かつ好ましくはn=1である)
を含む。
PAVEの共重合単位が、本発明で用いられるフルオロエラストマー中に存在する場合、PAVE含有量は、一般にフルオロエラストマーの全重量に基づいて、25から75重量パーセントの範囲である。パーフルオロ(メチルビニル)エーテルが用いられる場合、フルオロエラストマーは、好ましくは30から55重量%の共重合PMVE単位を含む。
本発明の硬化物品で用いられるフルオロエラストマーはまた、任意選択により、1つ以上の硬化部位モノマーの単位を含んでもよい。好適な硬化部位モノマーの例には、i)臭素含有オレフィン;ii)ヨウ素含有オレフィン;iii)臭素含有ビニルエーテル;iv)ヨウ素含有ビニルエーテル;v)1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(2−HPFP);およびvi)非共役ジエンが含まれる。
臭素化硬化部位モノマーは、他のハロゲン、好ましくはフッ素を含んでもよい。臭素化オレフィン硬化部位モノマーの例は、CF=CFOCFCFCFOCFCFBr;ブロモトリフルオロエチレン;4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1(BTFB);ならびにその他のもの、例えば、臭化ビニル、1−ブロモ−2,2−ジフルオロエチレン;パーフルオロアリルブロミド;4−ブロモ−1,1,2−トリフルオロブテン−1;4−ブロモ−1,1,3,3,4,4−ヘキサフルオロブテン;4−ブロモ−3−クロロ−1,1,3,4,4−ペンタフルオロブテン;6−ブロモ−5,5,6,6−テトラフルオロヘキセン;4−ブロモパーフルオロブテン−1および3,3−ジフルオロアリルブロミドである。本発明で有用な臭素化ビニルエーテル硬化部位モノマーには、2−ブロモ−パーフルオロエチルパーフルオロビニルエーテル、およびCFBr−R−O−CF=CF(Rは、パーフルオロアルキレン基である)のクラス、例えば、CFBrCFO−CF=CF、およびROCF=CFBrまたはROBr=CF(ここで、Rは、低級アルキル基またはフルオロアルキル基である)のクラスのフルオロビニルエーテル、例えば、CHOCF=CFBrまたはCFCHOCF=CFBrが含まれる。
好適なヨウ素化硬化部位モノマーは、式:CHR=CH−Z−CHCHR−I(式中、Rは−Hまたは−CHであり;Zは、1個以上のエーテル酸素原子を任意選択により含有する、直鎖もしくは分岐のC〜C18(パー)フルオロアルキレン基、または米国特許第5,674,959号明細書に開示されたとおりの(パー)フルオロポリオキシアルキレン基である)のヨウ素化オレフィンを含む。有用なヨウ素化硬化部位モノマーの他の例は、米国特許第5,717,036号明細書に開示されたような、式:I(CHCFCFOCF=CFおよびICHCFO[CF(CF)CFO]CF=CFなど(式中、n=1〜3)の不飽和エーテルである。さらに、ヨードエチレン、4−ヨード−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1(ITFB);3−クロロ−4−ヨード−3,4,4−トリフルオロブテン;2−ヨード−1,1,2,2−テトラフルオロ−1−(ビニルオキシ)エタン;2−ヨード−1−(パーフルオロビニルオキシ)−1,1,−2,2−テトラフルオロエチレン;1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヨード−1−(パーフルオロビニルオキシ)プロパン;2−ヨードエチルビニルエーテル;3,3,4,5,5,5−ヘキサフルオロ−4−ヨードペンテン;およびヨードトリフルオロエチレンを含む好適なヨウ素化硬化部位モノマーが、米国特許第4,694,045明細書に開示されている。ヨウ化アリルおよび2−ヨード−パーフルオロエチルパーフルオロビニルエーテルも、有用な硬化部位モノマーである。
非共役ジエン硬化部位モノマーの例には、限定されるものではないが、1,4−ペンタジエン;1,5−ヘキサジエン;1,7−オクタジエン;3,3,4,4−テトラフルオロ−1,5−ヘキサジエン;ならびにその他のもの、例えば、カナダ特許第2,067,891号明細書および欧州特許出願公開第0784064A1号明細書に開示されたものが含まれる。好適なトリエンは、8−メチル−4−エチリデン−1,7−オクタジエンである。
上に列挙された硬化部位モノマーのうちで、フルオロエラストマーが過酸化物で硬化される場合の好ましい化合物には、4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1(BTFB);4−ヨード−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1(ITFB);ヨウ化アリル;およびブロモトリフルオロエチレンが含まれる。フルオロエラストマーがポリオールで硬化される場合、2−HPFPが好ましい硬化部位モノマーである。しかし、硬化部位モノマーは、ポリオールで硬化させるために、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマーにおいては必要とされない。
硬化部位モノマーの単位は、本発明の硬化物品に用いられるフルオロエラストマー中に存在する場合、典型的には0.05〜10重量%(フルオロエラストマーの全重量に基づいて)、好ましくは0.05〜5重量%、最も好ましくは0.05から3重量%のレベルで存在する。
さらに、ヨウ素含有末端基、臭素含有末端基またはこれらの混合物は、任意選択により、フルオロエラストマーの調製の間に連鎖移動剤または分子量調節剤の使用の結果としてフルオロエラストマーポリマー鎖末端の片方または両方に存在していてもよい。連鎖移動剤の量は、用いられる場合、0.005〜5重量%、好ましくは0.05〜3重量%の範囲でフルオロエラストマー中のヨウ素または臭素のレベルをもたらすように計算される。
連鎖移動剤の例には、ポリマー分子の片末端または両末端で結合ヨウ素の取込みをもたらすヨウ素含有化合物が含まれる。ヨウ化メチレン;1,4−ジヨードパーフルオロ−n−ブタン;および1,6−ジヨード−3,3,4,4−テトラフルオロヘキサンは、このような剤の代表的なものである。他のヨウ素化連鎖移動剤には、1,3−ジヨードパーフルオロプロパン;1,6−ジヨードパーフルオロヘキサン;1,3−ジヨード−2−クロロパーフルオロプロパン;1,2−ジ(ヨードジフルオロメチル)−パーフルオロシクロブタン;モノヨードパーフルオロエタン;モノヨードパーフルオロブタン;2−ヨード−1−ヒドロパーフルオロエタンなどが含まれる。欧州特許出願公開第0868447A1号明細書に開示されたシアノ−ヨウ素連鎖移動剤も含まれる。ジヨウ素化連鎖移動剤が特に好ましい。
臭素化連鎖移動剤の例には、1−ブロモ−2−ヨードパーフルオロエタン;1−ブロモ−3−ヨードパーフルオロプロパン;1−ヨード−2−ブロモ−1,1−ジフルオロエタン、および米国特許第5,151,492号明細書に開示されたようなその他のものが含まれる。
本発明で用いられるフルオロエラストマーにおける使用に好適な他の連鎖移動剤には、米国特許第3,707,529号明細書に開示されたものが含まれる。このような剤の例には、イソプロパノール、マロン酸ジエチル、酢酸エチル、四塩化炭素、アセトンおよびドデシルメルカプタンが含まれる。
本発明の硬化物品に用いられてもよい具体的なフルオロエラストマーには、限定されるものではないが、少なくとも53重量%のフッ素を有し、i)フッ化ビニリデンおよびヘキサフルオロプロピレン;ii)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレンおよびテトラフルオロエチレン;iii)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレンおよび4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1;iv)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレンおよび4−ヨード−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1;v)フッ化ビニリデン、パーフルオロ(メチルビニル)エーテル、テトラフルオロエチレンおよび4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1;vi)フッ化ビニリデン、パーフルオロ(メチルビニル)エーテル、テトラフルオロエチレンおよび4−ヨード−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1;およびvii)フッ化ビニリデン、パーフルオロ(メチルビニル)エーテル、テトラフルオロエチレンおよび1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロペンの共重合単位を含むものが含まれる。
本発明の硬化物品に用いられてもよいフルオロエラストマーは、典型的にはエマルション重合法で製造され、連続、半バッチまたはバッチプロセスであってもよい。
本発明で用いられるカーボンブラックフィラーは、70〜150m/gの窒素吸着比表面積(ASTM D−6556)および90〜180ml/100gのフタル酸ジブチル(「DBP」)吸収量(ASTM D−2414)を有する非常に補強性で、高次構造のブラックである。このような種類のカーボンブラックの例には、限定されるものではないが、HAF(ASTM N330)、ISAF(ASTM N220)およびSAF(ASTM N110)が含まれる。HAFが好ましい。種々のカーボンブラックの混合物が用いられてもよい。
本発明の硬化物品中に用いられるカーボンブラックの量は、フルオロエラストマー100重量部当たり10から50(好ましくは15から30)重量部である。
フルオロエラストマーおよび選択された非常に補強性のカーボンブラックは、内部ミキサー(例えば、Banbury(登録商標)、KneaderまたはIntermix(登録商標))中で混合される。内部ミキサーは、微細なフィラー顔料を低流動性フルオロエラストマーポリマーとともに取り込むには、それらの固有の設計において十分なせん断変形を欠いている。しかし、低いせん断変形は、ポリマー温度が少なくとも90℃(好ましくは、少なくとも100℃)に達するまで内部ミキサー中でフルオロエラストマーポリマーを単独で予備混合することによって補償され得ることが発見されている。次いで、非常に補強性のカーボンブラックは、高温フルオロエラストマーポリマーに添加され得る。堅固なフィラーゲルの形成は、高せん断速度および高温を適用することによって達成され得る。堅固なフィラーゲルの適切な形成のために、最高混合温度は、150℃から180℃(好ましくは、155℃から170℃)である。ミキサーロータは、平均せん断速度が500〜2500(好ましくは1000〜2000)秒−1であるように1分当たり20から80(好ましくは30〜60)回転(rpm)に設定される。
過酸化物硬化系が、本発明の物品を架橋するために用いられる場合、多官能性助剤(例えば、トリアリルイソシアヌレート)のレベルは、フルオロエラストマー100重量部当たり0.3〜1.3、好ましくは0.5〜1.0の重量部である。過酸化物のレベルは、フルオロエラストマー100重量部当たり0.25〜2、好ましくは0.7〜1.5重量部である。
ポリオール化合物(例えば、ビスフェノールAF)が本発明の物品を架橋するために用いられる場合、その硬化剤レベルは、フルオロエラストマー100重量部当たり0.8〜1.8、好ましくは1.0〜1.5の重量部である。促進剤(例えば、四級アンモニウムまたはホスホニウム塩)のレベルは、典型的にはフルオロエラストマー100重量部当たり0.2〜1.0、好ましくは0.4〜0.8重量部である。
硬化剤は、早期加硫を防止するために、120℃未満の温度でフルオロエラストマーとカーボンブラックとの混合物に添加される。次いで、この化合物は、本発明の硬化物品を製造するために成形および硬化される。
任意選択により、本発明の硬化回転軸リップシールは、ゴム工業で一般に用いられるさらなる成分、例えば、加工助剤、着色剤、酸受容体などを含み得る。
本発明の硬化(すなわち、架橋)フルオロエラストマー回転軸リップシールは、高温での引張強度、破断点伸び及び耐磨耗性の優れた組合せを示す。200℃で測定された、破断点引張強度(Tb)は、少なくとも7MPa、好ましくは少なくとも9MPaである。200℃で測定された、破断点伸びは、少なくとも140%、好ましくは少なくとも160%である。
試験方法
引張特性 JIS K 6251
本発明は、以下の実施例によってさらに例示されるが、それらに限定されるものではない。
実施例1および比較例1
試験用の試料は、カーボンブラック、金属酸化物およびViton(登録商標)A−200フルオロエラストマー(本件特許出願人から入手できる)を、1分当たり20〜80回転のロータ速度、500から2500秒−1の平均せん断速度および120℃から180℃の混合温度で運転する1.0LのKneader内部ミキサー中で混合することによって作製した。得られた混合物をゴムミル上でまとめて、硬化剤を加えた。配合は表Iに示す。化合物をシート化し、スラブに切断し、177℃で10分間加圧硬化および空気オーブン中232℃で24時間後硬化させた。引張特性も表Iに示す。
Figure 2013539494
実施例2および比較例2
試験用の試料は、カーボンブラック、金属酸化物およびViton(登録商標)GBL−200Sフルオロエラストマー(本件特許出願人から入手できる)を、1分当たり20〜80回転のロータ速度、500から2500秒−1の平均せん断速度および120℃から180℃の混合温度で運転する1.0LのKneader内部ミキサー中で混合することによって作製した。得られた混合物をゴムミル上でまとめて、硬化剤を加えた。配合は表Iに示す。化合物をシート化し、スラブに切断し、177℃で10分間加圧硬化および空気オーブン中180℃で2時間後硬化させた。引張特性も表IIに示す。
Figure 2013539494

Claims (8)

  1. (A)フッ化ビニリデンと少なくとも1種の共重合性モノマーとの共重合単位を含む、少なくとも53重量パーセントのフッ素を有するフルオロエラストマー;
    (B)70〜150m/gの窒素吸着比面積および90〜180ml/100gのフタル酸ジブチル吸収量を有する、フルオロエラストマー100重量部当たり10から30重量部のカーボンブラック:
    (C)フルオロエラストマー100重量部当たり0.8から1.8重量部のポリオール硬化剤;ならびに
    (D)フルオロエラストマー100重量部当たり0.2から1重量部の硬化促進剤
    を含むことを特徴とする硬化フルオロエラストマー回転軸リップシール。
  2. 前記カーボンブラックが、ASTM N330、ASTM N220およびASTM N110からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載のフルオロエラストマー回転軸リップシール。
  3. 前記カーボンブラックが、ASTM N330であることを特徴とする請求項2に記載のフルオロエラストマー回転軸リップシール。
  4. 前記リップシールが、200℃で少なくとも140%の破断点伸びおよび200℃で少なくとも7MPaの破断点引張強度を有することを特徴とする請求項1に記載のフルオロエラストマー回転軸リップシール。
  5. (A)フッ化ビニリデンと少なくとも1種の共重合性モノマーとの共重合単位を含む、少なくとも53重量パーセントのフッ素を有するフルオロエラストマー;
    (B)70〜150m/gの窒素吸着比面積および90〜180ml/100gのフタル酸ジブチル吸収量を有する、フルオロエラストマー100重量部当たり10から30重量部のカーボンブラック:
    (C)フルオロエラストマー100重量部当たり0.25から2重量部の有機過酸化物;ならびに
    (D)フルオロエラストマー100重量部当たり0.3から1.3重量部の多官能性助剤
    を含むことを特徴とする硬化フルオロエラストマー回転軸リップシール。
  6. 前記カーボンブラックが、ASTM N330、ASTM N220およびASTM N110からなる群から選択されることを特徴とする請求項5に記載のフルオロエラストマー回転軸リップシール。
  7. 前記カーボンブラックが、ASTM N330であることを特徴とする請求項6に記載のフルオロエラストマー回転軸リップシール。
  8. 前記リップシールが、200℃で少なくとも140%の破断点伸びおよび200℃で少なくとも7MPaの破断点引張強度を有することを特徴とする請求項5に記載のフルオロエラストマー回転軸リップシール。
JP2013526116A 2010-08-25 2011-08-24 耐熱性フルオロエラストマー回転軸リップシール Withdrawn JP2013539494A (ja)

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