JP2013542271A - 硬化フルオロエラストマーホットエアホース - Google Patents
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Abstract
硬化フルオロエラストマーホットエアホースは、A)少なくとも53重量%のフッ素を有するフルオロエラストマーと、B)70〜150m2/gの窒素吸着比面積および90〜180ml/100gのフタル酸ジブチル吸収量を有する、フルオロエラストマー100重量部当たり10〜30重量部のカーボンブラックとを含む。
Description
本発明は、フルオロエラストマー、ならびに70〜150m2/gの窒素吸着比面積(N2SA)および90〜180ml/100gのフタル酸ジブチル(DBP)吸収量を有する、フルオロエラストマー100重量部当たり10〜30重量部のカーボンブラックを含む硬化フルオロエラストマーホットエアホースに関する。
排ガス規制の強化のために、ターボチャージャー付きエンジンを有する乗り物の割合が増加している。また、ターボチャージャー付きエンジンでエアダクトが曝される温度も高くなっている。フルオロエラストマーは、典型的には高温エアダクトに用いられている。
エマルション重合法によるこのようなフルオロエラストマーの製造は、当技術分野で周知である。例えば、米国特許第4,214,060号明細書および同第3,876,654号明細書を参照されたい。
ターボチャージャー用ホースは、運転中に高温で反復振動を受ける。したがって、ホースに用いられるゴムは、力学的疲労および高温に対して十分な耐性を有するべきである。力学的疲労性能は、典型的には室温と高温の両方で破断点伸び(Eb)によって評価される。Ebが大きければ大きいほど、耐疲労性はより良好である。Ebは、静的熱老化の間に低下する傾向がある。したがって、高温で適切な性能を保証するためには、室温での高い初期Ebが有利である。
200℃の環境に曝されるターボチャージャー用ホースで用いられるゴムは、200℃で少なくとも150%および150℃で少なくとも250%のEbを有するべきである。このようなゴムは、少なくとも350%の室温での初期Ebを有するべきである。
比較的低い架橋密度および比較的低いフィラー補強を用いることによって、少なくとも350%の室温での初期Ebを有するゴムを作製することは可能である。しかし、従来の手段によって高温で必要なEbを得ることは難しい。高温でのゴムの物理的特性は、通常エントロピー弾性よりもむしろ、内部エネルギー(すなわち、エネルギー弾性)の要素によって支配される。内部エネルギーは、フィラー要素に主に起因する。カーボンブラックは、ゴム配合に用いられる典型的な補強フィラーである。比較的低い表面積のカーボンブラック(例えば、MT、N−990)が、典型的にはフルオロエラストマー配合に用いられ、補強効果は通常低い。これは、フルオロエラストマーコンパウンドにとって高温でEb性能不良をもたらす。
ゴム網状組織マトリックス中に強固な内部エネルギー(すなわち、内部弾性)を発生させるために必須であるフィラーゲルは、フルオロエラストマー中へのカーボンブラックの混合に典型的に用いられるロールミルミキサー上での低せん断速度混合によって得ることができないので、フルオロエラストマーコンパウンド中に高表面積カーボンブラックを使用することからなんらかの利点を得ることは困難であった。高せん断速度混合(例えば、Banbury(登録商標)またはKneaderなどの内部ミキサーにおける)を適用することによって高表面積カーボンブラックによってフィラーゲルを形成することは可能である。しかし、内部ミキサーによってフルオロエラストマー中にカーボンブラックを取り込む問題があった。
フルオロエラストマーは、一般にポリヒドロキシ化合物(例えば、ビスフェノールAF)によってまたは有機過酸化物と多官能性助剤(例えば、トリアリルイソシアヌレート)との組合せによって硬化(すなわち、架橋)される。典型的には、低表面積カーボンブラック(例えば、N−990)がフィラーとして用いられる場合、物理的特性の適切なバランスを得るために、フルオロエラストマー100重量部当たり少なくとも2重量部のポリヒドロキシ化合物または多官能性助剤が用いられる。
驚くべきことに、ある種の非常に補強性のカーボンブラックフィラーが、フルオロエラストマーに優れた特性を与えることが見出された。本発明の一つの態様は、
(A)フッ化ビニリデンと少なくとも1種の共重合性モノマーとの共重合単位を含む、少なくとも53重量パーセントのフッ素を有するフルオロエラストマーと、
(B)70〜150m2/gの窒素吸着比面積および90〜180ml/100gのフタル酸ジブチル吸収量を有する、フルオロエラストマー100重量部当たり10〜30重量部のカーボンブラックと、
(C)フルオロエラストマー100重量部当たり0.8〜1.8重量部のポリオール硬化剤と、
(D)フルオロエラストマー100重量部当たり0.2〜1重量部の硬化促進剤と
を含む、硬化フルオロエラストマーホットエアホースを提供する。
(A)フッ化ビニリデンと少なくとも1種の共重合性モノマーとの共重合単位を含む、少なくとも53重量パーセントのフッ素を有するフルオロエラストマーと、
(B)70〜150m2/gの窒素吸着比面積および90〜180ml/100gのフタル酸ジブチル吸収量を有する、フルオロエラストマー100重量部当たり10〜30重量部のカーボンブラックと、
(C)フルオロエラストマー100重量部当たり0.8〜1.8重量部のポリオール硬化剤と、
(D)フルオロエラストマー100重量部当たり0.2〜1重量部の硬化促進剤と
を含む、硬化フルオロエラストマーホットエアホースを提供する。
本発明の別の態様は、
(A)フッ化ビニリデンと少なくとも1種の共重合性モノマーとの共重合単位を含む、少なくとも53重量パーセントのフッ素を有するフルオロエラストマーと、
(B)70〜150m2/gの窒素吸着比面積および90〜180ml/100gのフタル酸ジブチル吸収量を有する、フルオロエラストマー100重量部当たり10〜30重量部のカーボンブラックと、
(C)フルオロエラストマー100重量部当たり0.25〜2重量部の有機過酸化物と、
(D)フルオロエラストマー100重量部当たり0.3〜1.3重量部の多官能性助剤と
を含む、硬化フルオロエラストマーホットエアホースである。
(A)フッ化ビニリデンと少なくとも1種の共重合性モノマーとの共重合単位を含む、少なくとも53重量パーセントのフッ素を有するフルオロエラストマーと、
(B)70〜150m2/gの窒素吸着比面積および90〜180ml/100gのフタル酸ジブチル吸収量を有する、フルオロエラストマー100重量部当たり10〜30重量部のカーボンブラックと、
(C)フルオロエラストマー100重量部当たり0.25〜2重量部の有機過酸化物と、
(D)フルオロエラストマー100重量部当たり0.3〜1.3重量部の多官能性助剤と
を含む、硬化フルオロエラストマーホットエアホースである。
本発明は、硬化(すなわち、架橋)フルオロエラストマーホットエアホースに関する。「フルオロエラストマー」とは、非晶質エラストマー性フルオロポリマーを意味する。フルオロエラストマーは、少なくとも53重量パーセントのフッ素、好ましくは少なくとも64重量%のフッ素を含む。本発明の方法で用いられてもよいフルオロエラストマーは、フルオロエラストマーの重量に基づいて、フッ化ビニリデン(VF2)の共重合単位を25〜70重量パーセント含む。フルオロエラストマー中の残りの単位は、フッ素含有オレフィン、フッ素含有ビニルエーテル、炭化水素オレフィンおよびこれらの混合物からなる群から選択される、前記VF2とは異なる1種以上のさらなる共重合モノマーを含む。
VF2と共重合可能なフッ素含有オレフィンには、限定されるものではないが、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、テトラフルオロエチレン(TFE)、1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1−HPFP)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)およびフッ化ビニルが含まれる。
VF2と共重合可能なフッ素含有ビニルエーテルには、限定されるものではないが、パーフルオロ(アルキルビニル)エーテルが含まれる。モノマーとしての使用に好適なパーフルオロ(アルキルビニル)エーテル(PAVE)は、式
CF2=CFO(Rf’O)n(Rf”O)mRf (I)
(式中、Rf’およびRf”は、異なる直鎖または分岐の2〜6個の炭素原子のパーフルオロアルキレン基であり、mおよびnは、独立して0〜10であり、Rfは、1〜6個の炭素原子のパーフルオロアルキル基である)
のものを含む。
CF2=CFO(Rf’O)n(Rf”O)mRf (I)
(式中、Rf’およびRf”は、異なる直鎖または分岐の2〜6個の炭素原子のパーフルオロアルキレン基であり、mおよびnは、独立して0〜10であり、Rfは、1〜6個の炭素原子のパーフルオロアルキル基である)
のものを含む。
好ましいクラスのパーフルオロ(アルキルビニル)エーテルは、式
CF2=CFO(CF2CFXO)nRf (II)
(式中、Xは、FまたはCF3であり、nは、0〜5であり、Rfは、1〜6個の炭素原子のパーフルオロアルキル基である)の組成物を含む。
CF2=CFO(CF2CFXO)nRf (II)
(式中、Xは、FまたはCF3であり、nは、0〜5であり、Rfは、1〜6個の炭素原子のパーフルオロアルキル基である)の組成物を含む。
最も好ましいクラスのパーフルオロ(アルキルビニル)エーテルは、nが0または1であり、Rfが1〜3個の炭素原子を有するエーテルを含む。このようなパーフッ素化エーテルの例には、パーフルオロ(メチルビニル)エーテル(PMVE)およびパーフルオロ(プロピルビニル)エーテル(PPVE)が含まれる。他の有用なモノマーは、式
CF2=CFO[(CF2)mCF2CFZO]nRf (III)
(式中、Rfは、1〜6個の炭素原子を有するパーフルオロアルキル基であり、m=0または1、n=0〜5、Z=FまたはC3F7である)
の化合物を含む。このクラスの好ましいメンバーは、RfがCF3であり、m=0、n=1であるものである。
CF2=CFO[(CF2)mCF2CFZO]nRf (III)
(式中、Rfは、1〜6個の炭素原子を有するパーフルオロアルキル基であり、m=0または1、n=0〜5、Z=FまたはC3F7である)
の化合物を含む。このクラスの好ましいメンバーは、RfがCF3であり、m=0、n=1であるものである。
さらなるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)モノマーは、式
CF2=CFO[(CF2CF{CF3}O)n(CF2CF2CF2O)m(CF2)p]CxF2x+1 (IV)
(式中、mおよびnは、独立して=0〜10、p=0〜3、x=1〜5である)
の化合物を含む。このクラスの好ましいメンバーは、n=0〜1、m=0〜1、x=1である化合物を含む。
CF2=CFO[(CF2CF{CF3}O)n(CF2CF2CF2O)m(CF2)p]CxF2x+1 (IV)
(式中、mおよびnは、独立して=0〜10、p=0〜3、x=1〜5である)
の化合物を含む。このクラスの好ましいメンバーは、n=0〜1、m=0〜1、x=1である化合物を含む。
有用なパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)の他の例は、
CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2O)mCnF2n+1 (V)
(式中、n=1〜5、m=1〜3、かつ好ましくはn=1である)
を含む。
CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2O)mCnF2n+1 (V)
(式中、n=1〜5、m=1〜3、かつ好ましくはn=1である)
を含む。
PAVEの共重合単位が、本発明で用いられるフルオロエラストマー中に存在する場合、PAVE含有量は、一般にフルオロエラストマーの全重量に基づいて、25〜75重量パーセントの範囲である。パーフルオロ(メチルビニル)エーテルが用いられる場合、フルオロエラストマーは、好ましくは30〜55重量%の共重合PMVE単位を含む。
本発明の硬化物品で用いられるフルオロエラストマーはまた、任意選択的に、1つ以上の硬化部位モノマーの単位を含んでもよい。好適な硬化部位モノマーの例には、i)臭素含有オレフィン;ii)ヨウ素含有オレフィン;iii)臭素含有ビニルエーテル;iv)ヨウ素含有ビニルエーテル;v)1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(2−HPFP);viii)パーフルオロ(2−フェノキシプロピルビニル)エーテル;およびvi)非共役ジエンが含まれる。
臭素化硬化部位モノマーは、他のハロゲン、好ましくはフッ素を含んでもよい。臭素化オレフィン硬化部位モノマーの例は、CF2=CFOCF2CF2CF2OCF2CF2Br;ブロモトリフルオロエチレン;4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1(BTFB);ならびにその他のもの、例えば、臭化ビニル、1−ブロモ−2,2−ジフルオロエチレン;パーフルオロアリルブロミド;4−ブロモ−1,1,2−トリフルオロブテン−1;4−ブロモ−1,1,3,3,4,4−ヘキサフルオロブテン;4−ブロモ−3−クロロ−1,1,3,4,4−ペンタフルオロブテン;6−ブロモ−5,5,6,6−テトラフルオロヘキセン;4−ブロモパーフルオロブテン−1および3,3−ジフルオロアリルブロミドである。本発明で有用な臭素化ビニルエーテル硬化部位モノマーには、2−ブロモ−パーフルオロエチルパーフルオロビニルエーテル、およびCF2Br−Rf−O−CF=CF2(Rfは、パーフルオロアルキレン基である)のクラスのフッ素化化合物、例えば、CF2BrCF2O−CF=CF2、およびROCF=CFBrまたはROCBr=CF2(ここで、Rは、低級アルキル基またはフルオロアルキル基である)のクラスのフルオロビニルエーテル、例えば、CH3OCF=CFBrまたはCF3CH2OCF=CFBrが含まれる。
好適なヨウ素化硬化部位モノマーは、式:CHR=CH−Z−CH2CHR−I(式中、Rは−Hまたは−CH3であり;Zは、1個以上のエーテル酸素原子を任意選択的に含有する、直鎖もしくは分岐のC1〜C18(パー)フルオロアルキレン基、または米国特許第5,674,959号明細書に開示されたとおりの(パー)フルオロポリオキシアルキレン基である)のヨウ素化オレフィンを含む。有用なヨウ素化硬化部位モノマーの他の例は、米国特許第5,717,036号明細書に開示された通りの、式:I(CH2CF2CF2)nOCF=CF2およびICH2CF2O[CF(CF3)CF2O]nCF=CF2など(式中、n=1〜3である)の不飽和エーテルである。さらに、ヨードエチレン、4−ヨード−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1(ITFB);3−クロロ−4−ヨード−3,4,4−トリフルオロブテン;2−ヨード−1,1,2,2−テトラフルオロ−1−(ビニルオキシ)エタン;2−ヨード−1−(パーフルオロビニルオキシ)−1,1,−2,2−テトラフルオロエチレン;1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヨード−1−(パーフルオロビニルオキシ)プロパン;2−ヨードエチルビニルエーテル;3,3,4,5,5,5−ヘキサフルオロ−4−ヨードペンテン;およびヨードトリフルオロエチレンを含む好適なヨウ素化硬化部位モノマーが、米国特許第4,694,045明細書に開示されている。ヨウ化アリルおよび2−ヨード−パーフルオロエチルパーフルオロビニルエーテルも、有用な硬化部位モノマーである。
非共役ジエン硬化部位モノマーの例には、限定されるものではないが、1,4−ペンタジエン;1,5−ヘキサジエン;1,7−オクタジエン;3,3,4,4−テトラフルオロ−1,5−ヘキサジエン;ならびにその他のもの、例えば、カナダ特許第2,067,891号明細書および欧州特許出願公開第0784064A1号明細書に開示されたものが含まれる。好適なトリエンは、8−メチル−4−エチリデン−1,7−オクタジエンである。
上に列挙された硬化部位モノマーのうちで、フルオロエラストマーが過酸化物で硬化される場合の好ましい化合物には、4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1(BTFB);4−ヨード−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1(ITFB);ヨウ化アリル;およびブロモトリフルオロエチレンが含まれる。フルオロエラストマーがポリオールで硬化される場合、2−HPFPが好ましい硬化部位モノマーである。しかし、硬化部位モノマーは、ポリオールで硬化させるためにフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマーにおいては必要とされない。
硬化部位モノマーの単位は、本発明の硬化物品に用いられるフルオロエラストマー中に存在する場合、典型的には0.05〜10重量%(フルオロエラストマーの全重量に基づいて)、好ましくは0.05〜5重量%、最も好ましくは0.05〜3重量%のレベルで存在する。
本発明で用いられるフルオロエラストマー組成物を架橋するために用いられる硬化剤のレベルは、破断点伸びおよび引張強度などの特性のバランスをとるように設定される。硬化剤のレベルが低ければ低いほど、破断点伸びは高くなる。
さらに、ヨウ素含有末端基、臭素含有末端基またはこれらの混合物は、任意選択的に、フルオロエラストマーの調製の間に連鎖移動剤または分子量調節剤の使用の結果としてフルオロエラストマーポリマー鎖末端の片方または両方に存在していてもよい。連鎖移動剤の量は、用いられる場合、0.005〜5重量%、好ましくは0.05〜3重量%の範囲でフルオロエラストマー中のヨウ素または臭素のレベルをもたらすように計算される。
連鎖移動剤の例には、ポリマー分子の片末端または両末端で結合ヨウ素の取込みをもたらすヨウ素含有化合物が含まれる。ヨウ化メチレン;1,4−ジヨードパーフルオロ−n−ブタン;および1,6−ジヨード−3,3,4,4−テトラフルオロヘキサンは、このような剤の代表的なものである。他のヨウ素化連鎖移動剤には、1,3−ジヨードパーフルオロプロパン;1,6−ジヨードパーフルオロヘキサン;1,3−ジヨード−2−クロロパーフルオロプロパン;1,2−ジ(ヨードジフルオロメチル)−パーフルオロシクロブタン;モノヨードパーフルオロエタン;モノヨードパーフルオロブタン;2−ヨード−1−ヒドロパーフルオロエタンなどが含まれる。欧州特許出願公開第0868447A1号明細書に開示されたシアノ−ヨウ素連鎖移動剤も含まれる。ジヨウ素化連鎖移動剤が特に好ましい。
臭素化連鎖移動剤の例には、1−ブロモ−2−ヨードパーフルオロエタン;1−ブロモ−3−ヨードパーフルオロプロパン;1−ヨード−2−ブロモ−1,1−ジフルオロエタン、および米国特許第5,151,492号明細書に開示された通りのその他のものが含まれる。
本発明で用いられるフルオロエラストマーにおける使用に好適な他の連鎖移動剤には、米国特許第3,707,529号明細書に開示されたものが含まれる。このような剤の例には、イソプロパノール、マロン酸ジエチル、酢酸エチル、四塩化炭素、アセトンおよびドデシルメルカプタンが含まれる。
本発明の硬化物品に用いられてもよい具体的なフルオロエラストマーには、限定されるものではないが、少なくとも53重量%のフッ素を有し、i)フッ化ビニリデンおよびヘキサフルオロプロピレン;ii)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレンおよびテトラフルオロエチレン;iii)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレンおよび4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1;iv)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレンおよび4−ヨード−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1;v)フッ化ビニリデン、パーフルオロ(メチルビニル)エーテル、テトラフルオロエチレンおよび4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1;vi)フッ化ビニリデン、パーフルオロ(メチルビニル)エーテル、テトラフルオロエチレンおよび4−ヨード−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1;ならびにvii)フッ化ビニリデン、パーフルオロ(メチルビニル)エーテル、テトラフルオロエチレンおよび1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロペンの共重合単位を含むものが含まれる。
本発明の硬化部品に用いられてもよいフルオロエラストマーは、典型的にはエマルション重合法で製造されてもよく、連続、半バッチまたはバッチプロセスであってもよい。
本発明で用いられるカーボンブラックフィラーは、70〜150(好ましくは80〜120)m2/gの窒素吸着比表面積(ASTM D−6556)および90〜180(好ましくは100〜130)ml/100gのフタル酸ジブチル吸収量(ASTM D−2414)を有する非常に補強性で、高次構造のブラックである。このような種類のカーボンブラックの例には、限定されるものではないが、HAF(ASTM N330)、ISAF(ASTM N220)およびSAF(ASTM N110)が含まれる。HAFが好ましい。種々のカーボンブラックの混合物が用いられてもよい。
本発明の硬化物品中に用いられるカーボンブラックの量は、フルオロエラストマー100重量部当たり10〜30(好ましくは15〜20)重量部である。
フルオロエラストマーおよび選択された非常に補強性のカーボンブラックは、内部ミキサー(例えば、Banbury(登録商標)、KneaderまたはIntermix(登録商標))中で混合される。内部ミキサーは、微細なフィラー顔料を低流動性フルオロエラストマーポリマーとともに取り込むには、それらの固有の設計において十分なせん断変形を欠いている。しかし、低いせん断変形は、ポリマー温度が少なくとも90℃(好ましくは、少なくとも100℃)に達するまで内部ミキサー中でフルオロエラストマーポリマーを単独で予備混合することによって補償され得ることが発見されている。次いで、非常に補強性のカーボンブラックは、高温フルオロエラストマーポリマーに添加され得る。強固なフィラーゲルの形成は、高せん断速度および高温を適用することによって達成され得る。強固なフィラーゲルの適切な形成のために、最高混合温度は、150℃〜180℃(好ましくは、155℃〜170℃)である。ミキサーロータは、平均せん断速度が500〜2500(好ましくは1000〜2000)/秒であるように1分当たり20〜80(好ましくは30〜60)回転(rpm)に設定される。
過酸化物硬化系が、本発明の物品を架橋するために用いられる場合、多官能性助剤(例えば、トリアリルイソシアヌレート)のレベルは、フルオロエラストマー100重量部当たり0.3〜1.3、好ましくは0.5〜1.0重量部である。過酸化物のレベルは、フルオロエラストマー100重量部当たり0.25〜2、好ましくは0.7〜1.5重量部である。
ポリオール化合物(例えば、ビスフェノールAF)が本発明の物品を架橋するために用いられる場合、その硬化剤レベルは、フルオロエラストマー100重量部当たり0.8〜1.8、好ましくは1.0〜1.5重量部である。促進剤(例えば、四級アンモニウムまたはホスホニウム塩)のレベルは、典型的にはフルオロエラストマー100重量部当たり0.2〜1.0、好ましくは0.4〜0.8重量部である。
硬化剤は、早期加硫を防止するために、120℃未満の温度でフルオロエラストマーとカーボンブラックとの混合物に添加される。次いで、このコンパウンドは、本発明の硬化ホットエアホースを製造するために成形および硬化される。
任意選択的に、本発明の硬化ホットエアホースは、ゴム工業で一般に用いられるさらなる成分、例えば、加工助剤、着色剤、酸受容体などを含み得る。
本発明の硬化(すなわち、架橋)ホットエアホース(例えば、ターボチャージャー用ホース)は、耐熱性と機械的性能の卓越したバランスを示す。破断点伸び(Eb)は、25℃で350%以上(好ましくは≧400%)、150℃で≧250%(好ましくは≧280%)、および200℃で≧150%(好ましくは≧180%)である。
上記されたフルオロエラストマーコンパウンドは、高温で耐動的疲労性を必要とする他の用途、例えば、ダイヤフラムにおいても有用である。
試験方法
引張特性 JIS K 6251
引張特性 JIS K 6251
本発明は、以下の実施例によってさらに例証されるが、それらに限定されるものではない。
本発明の比較実施例および実施例を製造するために、3種類の異なる混合技術を用いた。
比較実施例1〜3、12〜14ならびに実施例1、2、4、5、7〜9および11〜17は、1.0LのKneader内部ミキサー中で行った。最初に、フルオロエラストマーを混合チャンバーに加え、混合を開始した。ポリマー温度が少なくとも90℃になった後に、硬化剤を除く成分を加えた。混合は、50〜70rpmのロータ速度で数分間であった。コンパウンドの温度が150℃を超えると直ちに、コンパウンドを降ろした。次いで、帯状のコンパウンドをロールミル上で作製し、硬化系を加えた。
比較実施例4、5、11、15、16および23は、ロールミル上で帯状のフルオロエラストマーを作製し、成分すべてを加え、混合することによって行った。
比較実施例6〜10、17〜22ならびに実施例3、6および10は、1.0LのKneader内部ミキサー上で行った。最初に、フルオロエラストマーを混合チャンバーに加え、混合を開始した。ポリマー温度が少なくとも90℃になった後に、硬化剤を除く成分を加えた。混合は、30〜50rpmのロータ速度で数分間であった。混合化合物を降ろす前にコンパウンドの温度が105℃〜135℃であるように、ロータ速度を調整した。次いで、帯状のコンパウンドをロールミル上で作製し、硬化系を加えた。
配合および破断点伸び(Eb)を、以下の表に示す。
Claims (8)
- (A)フッ化ビニリデンと少なくとも1種の共重合性モノマーとの共重合単位を含む、少なくとも53重量パーセントのフッ素を有するフルオロエラストマーと、
(B)70〜150m2/gの窒素吸着比面積および90〜180ml/100gのフタル酸ジブチル吸収量を有する、フルオロエラストマー100重量部当たり10〜30重量部のカーボンブラックと、
(C)フルオロエラストマー100重量部当たり0.8〜1.8重量部のポリオール硬化剤と、
(D)フルオロエラストマー100重量部当たり0.2〜1重量部の硬化促進剤と
を含むことを特徴とする硬化フルオロエラストマーホットエアホース。 - 前記カーボンブラックが、ASTM N330、ASTM N220およびASTM N110からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載のフルオロエラストマーエアホース。
- 前記カーボンブラックが、ASTM N330であることを特徴とする請求項2に記載のフルオロエラストマーエアホース。
- 前記エアホースが、25℃で少なくとも350%の破断点伸びおよび200℃で少なくとも150%の破断点伸びを有することを特徴とする請求項1に記載のフルオロエラストマーエアホース。
- (A)フッ化ビニリデンと少なくとも1種の共重合性モノマーとの共重合単位を含む、少なくとも53重量パーセントのフッ素を有するフルオロエラストマーと、
(B)70〜150m2/gの窒素吸着比面積および90〜180ml/100gのフタル酸ジブチル吸収量を有する、フルオロエラストマー100重量部当たり10〜30重量部のカーボンブラックと、
(C)フルオロエラストマー100重量部当たり0.25〜2重量部の有機過酸化物と、
(D)フルオロエラストマー100重量部当たり0.3〜1.3重量部の多官能性助剤と
を含むことを特徴とする硬化フルオロエラストマーホットエアホース。 - 前記カーボンブラックが、ASTM N330、ASTM N220およびASTM N110からなる群から選択されることを特徴とする請求項5に記載のフルオロエラストマーエアホース。
- 前記カーボンブラックが、ASTM N330であることを特徴とする請求項6に記載のフルオロエラストマーエアホース。
- 前記エアホースが、25℃で少なくとも350%の破断点伸びおよび200℃で少なくとも150%の破断点伸びを有することを特徴とする請求項5に記載のフルオロエラストマーエアホース。
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