JP5027335B2 - プリント配線板用ガラスクロス - Google Patents
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Description
しかしながら、40μm以下の薄地ガラスクロスは、厚地ガラスクロスに比べてX−Y面方向の機械的強度が弱く、その異方性も大きい。また、目曲がりや目ズレも生じやすい。このため、40μm以下のガラスクロスを用いた銅張り積層板の加工では、厚地ガラスクロスに比べ、寸法変化の異方性や、反り・ねじれの問題が著しく発生しやすいという問題を抱えていた。
しかしながら、一般にガラスクロスは、タテ糸方向に張力が作用した状態で長尺ものとして生産されるため、タテ糸とヨコ糸とで同一種類の糸が同じ織り密度となるよう製織したとしても、張力が作用するタテ糸に比べ、張力が作用しないヨコ糸のうねりが大きくなる傾向にある。その結果、寸法変化に異方性が生じる原因となる。また、プレプリグを作製する際にもタテ糸方向に張力が作用した状態で樹脂が含浸・乾燥されるため、張力の大きさにもよるが、タテ糸方向のうねりは幾分解消されるため、ヨコ糸方向とのうねり状態の差は大きくなり、補強効果の差は広がる傾向にある。更に、厚さ40μm以下の薄地のガラスクロスでは、構成するガラス糸が細くて剛性が弱いため、製織時やプリプレグ作製時にタテ糸方向にかかる張力の異方性に対する影響が、薄型化に伴い大きくなり、寸法変化の異方性の問題はより大きく現れる問題がある。したがって、タテ糸方向、ヨコ糸方向のガラス充填量を同等にする方法は、特に厚さ40μm以下の薄地のガラスクロスにおいて、寸法変化の異方性を改善するには不十分であった。
しかしながら、特許文献2に開示されているガラスクロスは高布重量とするために太い糸を多く打込むので、ガラスクロスの厚さは、特許文献2の実施例1〜6に開示されているように178〜183μmと比較的厚いものである。
しかしながら、特許文献3〜5のガラスクロスは、フィラメント径9μm又は7μmと太い糸を用いているため、ガラスクロスの厚さがこれら特許文献の実施例に開示されているように、90μm以上と比較的厚いものである。通常、ガラスクロスの厚さを40μm以下の薄地にするには、フィラメント径5μm以下の細い糸を使う必要がある。フィラメント径5μm以下の細い糸は剛性が小さいため、製織時にタテ糸方向にかかる張力によりタテ糸の織り縮み率は小さく、逆にヨコ糸の織り縮み率が大きくなる傾向にあり、タテ方向とヨコ方向の補強効果が同等になるように織り縮み率を適化するのは困難であった。
しかしながら、タテ糸方向とヨコ糸方向の機械的強度や伸び特性は、糸の剛性やうねりの状態にも影響をうけるため、開繊処理により糸間隔を狭くするだけでは、寸法変化率の異方性改善に対して十分な効果が得られるものではなかった。
[1]タテ糸及びヨコ糸が1.8×10−6kg/m以上14×10−6kg/m以下のガラスヤーンで構成され、該タテ糸の平均フィラメント径に対する該ヨコ糸の平均フィラメント径の(ヨコ/タテ)比が1.01以上1.27未満であり、かつ、厚さが10μm以上40μm以下であることを特徴とするガラスクロス。
プリント配線板の寸法変化を小さくし、そのタテ・ヨコ異方性を小さくするには、補強材であるガラスクロスの引張り応力に対する耐性を強くし、同時にそのタテ・ヨコ異方性を小さくする方法が有効である。ガラスクロスは織物構造をしていることから、X−Y面の一方向の張力に対して伸びる特性を有しているが、その伸び量は、構成するガラス糸の剛性に由来する補強効果に加え、ガラス糸のうねり状態に依存するところが大きい。したがって、ガラスクロスを構成するガラス糸の剛性と糸のうねりのバランスを調整し、X−Y面の伸び特性を適切化することが、プリント配線板の寸法安定性を改善する方法の1つであるといえる。
ガラスクロスにタテ糸方向又はヨコ糸方向に張力をかけた際の伸び量を、JIS R3420のガラス試験一般試験法、7.4引張り強さの項に記載された方法を準用して測定する。該JIS規定の方法では、幅約30mm、長さ約250mmの試験片を織物のタテ糸方向とヨコ糸方向から採り、該試験片の両端部の糸をほぐし幅約25mmとし、約150mmのつかみ間隔を確保してつかみ部に取り付け、引張り速度約200mm/minで引っ張り、破断時の荷重を求める。本発明においては、測定精度を向上させるために引っ張り速度を約10mm/minとし、採取する試験片の幅を約35mm、長さを約175mm、つかみ間隔を75mmとした以外は上記JIS規定の方法と同一の条件で引っ張り試験を行い、ガラスクロスの幅25mm当り荷重が5N作用した際の変位量を求め、下記式(1):
伸び率={(荷重時の間隔−無荷重時の間隔)/無荷重時の間隔}×100
を用いて求めた値を「伸び率」と定義する
また、本発明の薄地ガラスクロスはヨコ糸方向の伸び率とタテ糸方向の伸び率とが共に小さいことも特徴であり、ヨコ糸方向とタテ糸方向の好ましい伸び率はともに0.25%以下であり、より好ましい伸び率は0.24%以下であり、更に好ましい伸び率は0.23%以下である。ヨコ糸方向とタテ糸方向の伸び率がともに0.25%以下であると、ヨコ糸方向、タテ糸方向ともに、プリント配線板の寸法変化を小さく抑えることができるので好ましい。ヨコ糸方向とタテ糸方向の伸び率は小さい方がプリント配線板の寸法変化を小さく抑えることができて好ましいが、ガラスクロスが織物構造である以上、下限はせいぜい0.1%である。
まず、本発明のガラスクロスは、厚さが10μm以上40μm以下である。ガラスクロスの厚さが40μmより薄いと、目的の厚さのプリント配線板が得られるので好ましい。強度の観点からガラスクロスの厚さは10μmより厚いことが好ましい。厚さ10μm以上40μm以下の範囲において、実用上問題のない強度を有し、且つ、プリント配線板の薄型化の要求に合致するガラスクロスが得られるので好ましい。
この際の成型条件としては、加熱温度が100℃〜230℃、圧力が1MPa〜5MPaの条件とすることが好ましく、この条件下に0.5時間〜2.0時間保持することが好ましい。
また、形成されたIVHに導電性ペーストを充填する場合、銅・銀等の公知の各種素材の導電性ペーストが使用可能である。
実施例及び比較例中のガラスクロスの物性を、JIS R3420に従い測定した。尚、ガラスクロスのタテ糸方向の伸び率、及びヨコ糸方向の伸び率は、JIS3420を準用した前述の方法に従って測定した。
タテ糸に平均フィラメント径4.0μm、フィラメント数100本、撚り数1.0Z、単位長さ辺りの重量3.4×10−6kg/mのガラス糸、ヨコ糸に平均フィラメント径4.5μm、フィラメント数100本、撚り数1.0Z、単位長さ辺りの重量4.2×10−6kg/mのガラス糸を使用し、エアジェットルームを用い、タテ糸75本/25mm、ヨコ糸40本/25mmの織密度でガラスクロスを製織した。得られた生機に400℃で24時間加熱処理し脱糊した。次いで、シランカップリング剤であるSZ6032(東レ・ダウコーニング社製)を用いた処理液にガラスクロスを浸漬し、絞液後、120℃で1分乾燥し、さらに柱状流による開繊加工を施し、重量15g/m2、厚さ17μmのガラスクロスAを得た。ガラスクロスAのタテ糸方向の伸び率、ヨコ糸方向の伸び率は5N時点で、それぞれ、0.21%、0.25%、タテ糸方向の伸び率に対するヨコ糸方向の伸び率の(ヨコ/タテ)比は1.30であり、等方性に優れるものであった。
基板Aの寸法変化率は、タテ方向−0.021%、ヨコ方向−0.042%であり、寸法変化率、タテ方向とヨコ方向の異方性ともに小さいものであった。
ヨコ糸の織密度を48本/25mmとする以外は実施例1と同様の方法でガラスクロスの製織とそれに次ぐ処理を行い、重量18g/m2、厚さ18μmのガラスクロスBを得た。ガラスクロスBのタテ糸方向の伸び率、ヨコ糸方向の伸び率は5N時点で、それぞれ、0.20%、0.24%、タテ糸方向の伸び率に対するヨコ糸方向の伸び率の(ヨコ/タテ)比は1.20であり、等方性に優れるものであった。
次いで、実施例1と同様の方法で基板Bの作製と寸法変化率の測定を実施した。基板Bの寸法変化率は、タテ方向−0.014%、ヨコ方向−0.035%であり、寸法変化率、タテ方向とヨコ方向の異方性ともに小さいものであった。
ヨコ糸の織密度を60本/25mmとする以外は実施例1と同様の方法でガラスクロスの製織とそれに次ぐ処理を行い、重量20g/m2、厚さ19μmのガラスクロスCを得た。ガラスクロスBのタテ糸方向の伸び率、ヨコ糸方向の伸び率は5N時点で、それぞれ、0.21%、0.22%、タテ糸方向の伸び率に対するヨコ糸方向の伸び率の(ヨコ/タテ)比は1.09であり、等方性に優れるものであった。
次いで、実施例1と同様の方法で基板Cの作製と寸法変化率の測定を実施した。基板Cの寸法変化率は、タテ方向−0.016%、ヨコ方向−0.031%であり、寸法変化率、タテ方向とヨコ方向の異方性ともに小さいものであった。
ヨコ糸の織密度を67本/25mmとする以外は実施例1と同様の方法でガラスクロスの製織とそれに次ぐ処理を行い、重量21g/m2、厚さ21μmのガラスクロスDを得た。ガラスクロスBのタテ糸方向の伸び率、ヨコ糸方向の伸び率は5N時点で、それぞれ、0.21%、0.20%、タテ糸方向の伸び率に対するヨコ糸方向の伸び率の(ヨコ/タテ)比は0.95であり、等方性に優れるものであった。
次いで、実施例1と同様の方法で基板Dの作製と寸法変化率の測定を実施した。基板Dの寸法変化率は、タテ方向−0.018%、ヨコ方向−0.025%であり、寸法変化率、タテ方向とヨコ方向の異方性ともに小さいものであった。
ヨコ糸の織密度を72本/25mmとする以外は実施例1と同様の方法でガラスクロスの製織とそれに次ぐ処理を行い、重量23g/m2、厚さ25μmのガラスクロスEを得た。ガラスクロスBのタテ糸方向の伸び率、ヨコ糸方向の伸び率は5N時点で、それぞれ、0.23%、0.18%、タテ糸方向の伸び率に対するヨコ糸方向の伸び率の(ヨコ/タテ)比は0.78であり、等方性に優れるものであった。
次いで、実施例1と同様の方法で基板Eの作製と寸法変化率の測定を実施した。基板Eの寸法変化率は、タテ方向−0.019%、ヨコ方向−0.029%であり、寸法変化率、タテ方向とヨコ方向の異方性ともに小さいものであった。
ヨコ糸に平均フィラメント径4.5μm、フィラメント数50本、撚り数1.0Z、単位長さ辺りの重量2.1×10−6kg/mのガラス糸を使用し、ヨコ糸の織密度を135本/25mmとする以外は実施例1と同様の方法でガラスクロスの製織とそれに次ぐ処理を行い、重量19g/m2、厚さ21μmのガラスクロスFを得た。ガラスクロスFのタテ糸方向の伸び率、ヨコ糸方向の伸び率は5N時点で、それぞれ、0.20%、0.25%、タテ糸方向の伸び率に対するヨコ糸方向の伸び率の(ヨコ/タテ)比は1.25であり、等方性に優れるものであった。
次いで、実施例1と同様の方法で基板Fの作製と寸法変化率の測定を実施した。基板Fの寸法変化率は、タテ方向−0.024%、ヨコ方向−0.044%であり、寸法変化率、タテ方向とヨコ方向の異方性ともに小さいものであった。
ヨコ糸に平均フィラメント径4.5μm、フィラメント数200本、撚り数1.0Z、単位長さ辺りの重量8.4×10−6kg/mのガラス糸を使用し、ヨコ糸の織密度を33本/25mmとする以外は実施例1と同様の方法でガラスクロスの製織とそれに次ぐ処理を行い、重量21g/m2、厚さ38μmのガラスクロスGを得た。ガラスクロスGのタテ糸方向の伸び率、ヨコ糸方向の伸び率は5N時点で、それぞれ、0.24%、0.29%、タテ糸方向の伸び率に対するヨコ糸方向の伸び率の(ヨコ/タテ)比は0.79であり、等方性に優れるものであった。
次いで、実施例1と同様の方法で基板Gの作製と寸法変化率の測定を実施した。基板Gの寸法変化率は、タテ方向−0.026%、ヨコ方向−0.033%であり、寸法変化率、タテ方向とヨコ方向の異方性ともに小さいものであった。
タテ糸に平均フィラメント径4.5μm、フィラメント数100本、撚り数1.0Z、単位長さ辺りの重量4.2×10−6kg/mのガラス糸、ヨコ糸に平均フィラメント径5.0μm、フィラメント数100本、撚り数1.0Z、単位長さ辺りの重量5.6×10−6kg/mのガラス糸を使用し、タテ糸70本/25mm、ヨコ糸58本/25mmの織密度とする以外は実施例1と同様の方法でガラスクロスの製織とそれに次ぐ処理を行い、重量24g/m2、厚さ27μmのガラスクロスHを得た。ガラスクロスHのタテ糸方向の伸び率、ヨコ糸方向の伸び率は5N時点で、それぞれ、0.23%、0.24%、タテ糸方向の伸び率に対するヨコ糸方向の伸び率の(ヨコ/タテ)比は1.06であり、等方性に優れるものであった。
次いで、実施例1と同様の方法で基板Hの作製と寸法変化率の測定を実施した。基板Hの寸法変化率は、タテ方向−0.034%、ヨコ方向−0.039%であり、寸法変化率、タテ方向とヨコ方向の異方性ともに小さいものであった。
タテ糸の織密度を90本/25mm、ヨコ糸の織密度を63本/25mmとする以外は実施例1と同様の方法でガラスクロスの製織とそれに次ぐ処理を行い、重量28g/m2、厚さ28μmのガラスクロスIを得た。ガラスクロスIのタテ糸方向の伸び率、ヨコ糸方向の伸び率は5N時点で、それぞれ、0.17%、0.18%、タテ糸方向の伸び率に対するヨコ糸方向の伸び率の(ヨコ/タテ)比は1.06であり、等方性に優れるものであった。
次いで、実施例1と同様の方法で基板Gの作製と寸法変化率の測定を実施した。基板Gの寸法変化率は、タテ方向−0.007%、ヨコ方向−0.009%であり、寸法変化率、タテ方向とヨコ方向の異方性ともに小さいものであった。
ヨコ糸の織密度を73本/25mmとする以外は実施例9と同様の方法でガラスクロスの製織とそれに次ぐ処理を行い、重量30g/m2、厚さ29μmのガラスクロスJを得た。ガラスクロスJのタテ糸方向の伸び率、ヨコ糸方向の伸び率は5N時点で、それぞれ、0.19%、0.16%、タテ糸方向の伸び率に対するヨコ糸方向の伸び率の(ヨコ/タテ)比は0.84であり、等方性に優れるものであった。
次いで、実施例9と同様の方法で基板Jの作製と寸法変化率の測定を実施した。基板Jの寸法変化率は、タテ方向0.003%、ヨコ方向−0.012%であり、寸法変化率、タテ方向とヨコ方向の異方性ともに小さいものであった。
タテ糸に平均フィラメント径5μm、フィラメント数100本、撚り数1.0Z、単位長さ辺りの重量5.6×10−6kg/mのガラス糸、ヨコ糸に平均フィラメント径6.0μm、フィラメント数100本、撚り数1.0Z、単位長さ辺りの重量8.3×10−6kg/mのガラス糸を使用し、タテ糸70本/25mm、ヨコ糸51本/25mmの織密度とする以外は実施例1と同様の方法でガラスクロスの製織とそれに次ぐ処理を行い、重量32g/m2、厚さ36μmのガラスクロスKを得た。ガラスクロスKのタテ糸方向の伸び率、ヨコ糸方向の伸び率は5N時点で、それぞれ、0.23%、0.25%、タテ糸方向の伸び率に対するヨコ糸方向の伸び率の(ヨコ/タテ)比は1.09であり、等方性に優れるものであった。
次いで、実施例1と同様の方法で基板Kの作製と寸法変化率の測定を実施した。基板Kの寸法変化率は、タテ方向−0.024%、ヨコ方向−0.029%であり、寸法変化率、タテ方向とヨコ方向の異方性ともに小さいものであった。
タテ糸、ヨコ糸ともに平均フィラメント径4μm、フィラメント数100本、撚り数1.0Z、単位長さ辺りの重量3.4×10−6kg/mのガラス糸を使用し、タテ糸75本/25mm、ヨコ糸75本/25mmの織密度とする以外は実施例1と同様の方法でガラスクロスの製織とそれに次ぐ処理を行い、重量20g/m2、厚さ20μmのガラスクロスLを得た(タテ糸の平均フィラメント径に対するヨコ糸の平均フィラメント径の(ヨコ/タテ)比=1.00)。ガラスクロスLのタテ糸方向の伸び率、ヨコ糸方向の伸び率は5N時点で、それぞれ、0.19%、0.28%、タテ糸方向の伸び率に対するヨコ糸方向の伸び率の(ヨコ/タテ)比は1.44であり、ヨコ糸方向の伸び率がタテ糸の伸び率に比べ著しく大きいものであった。
次いで、実施例1と同様の方法で基板Lの作製と寸法変化率の測定を実施した。基板Lの寸法変化率は、タテ方向−0.024%、ヨコ方向−0.059%であり、タテ方向とヨコ方向の異方性の大きいものであった。
タテ糸、ヨコ糸ともに平均フィラメント径4.5μm、フィラメント数100本、撚り数1.0Z、単位長さ辺りの重量4.2×10−6kg/mのガラス糸を使用し、タテ糸70本/25mm、ヨコ糸73本/25mmの織密度とする以外は実施例1と同様の方法でガラスクロスの製織とそれに次ぐ処理を行い、重量24g/m2、厚さ26μmのガラスクロスMを得た(タテ糸の平均フィラメント径に対するヨコ糸の平均フィラメント径の(ヨコ/タテ)比=1.00)。ガラスクロスMのタテ糸方向の伸び率、ヨコ糸方向の伸び率は5N時点で、それぞれ、0.16%、0.29%、タテ糸方向の伸び率に対するヨコ糸方向の伸び率の(ヨコ/タテ)比は1.82であり、ヨコ糸方向の伸び率がタテ糸の伸び率に比べ著しく大きいものであった。
次いで、実施例1と同様の方法で基板Mの作製と寸法変化率の測定を実施した。基板Mの寸法変化率は、タテ方向−0.075%、ヨコ方向−0.068%であり、寸法変化率の大きいものであった。
タテ糸に平均フィラメント径7.0μm、フィラメント数200本、撚り数1.0Z、単位長さ辺りの重量22×10−6kg/mのガラス糸、ヨコ糸に平均フィラメント径9.0μm、フィラメント数200本、撚り数1.0Z、単位長さ辺りの重量33×10−6kg/mのガラス糸を使用し、タテ糸60本/25mm、ヨコ糸52本/25mmの織密度とする以外は実施例1と同様の方法でガラスクロスの製織とそれに次ぐ処理を行い、重量113g/m2、厚さ96μmのガラスクロスNを得た(タテ糸の平均フィラメント径に対するヨコ糸の平均フィラメント径の(ヨコ/タテ)比=1.29、タテ糸、ヨコ糸ともに、単位長さ当り重量14×10−6kg/m超)。ガラスクロスNのタテ糸方向の伸び率、ヨコ糸方向の伸び率は5N時点で、それぞれ、0.26%、0.32%、タテ糸方向の伸び率に対するヨコ糸方向の伸び率の(ヨコ/タテ)比は1.23であり、ヨコ糸方向の伸び率がタテ糸の伸び率に比べ著しく大きいものであった。
次いで、実施例1と同様の方法で基板Nの作製と寸法変化率の測定を実施した。基板Nの寸法変化率は、タテ方向−0.085%、ヨコ方向−0.098%であり、寸法変化率の大きいものであり、寸法変化率、タテ方向とヨコ方向の異方性ともに大きいものであった。
Claims (7)
- タテ糸及びヨコ糸が1.8×10−6kg/m以上14×10−6kg/m以下のガラスヤーンで構成され、該タテ糸の平均フィラメント径に対する該ヨコ糸の平均フィラメント径の(ヨコ/タテ)比が1.01以上1.20未満であり、かつ、厚さが10μm以上40μm以下であることを特徴とするガラスクロス。
- タテ糸及びヨコ糸が1.8×10−6kg/m以上8×10−6kg/m以下のガラスヤーンで構成される、請求項1に記載のガラスクロス。
- タテ糸のフィラメント数に対するヨコ糸のフィラメント数の(ヨコ/タテ)比が0.8以上1.2以下である、請求項1又は2に記載のガラスクロス。
- タテ糸の体積に対するヨコ糸の体積の(ヨコ/タテ)比が0.75以上1.15以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラスクロス。
- ガラスクロスの幅25mm当り5Nの荷重をヨコ糸方向にかけた際に生じるヨコ糸方向の伸び率と、該荷重をタテ糸方向にかけた際に生じるタテ糸方向の伸び率が共に0.25%以下であり、且つ、タテ糸方向の伸び率に対するヨコ糸方向の伸び率の比(ヨコ/タテ比)が0.5以上1.3以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のガラスクロス。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のガラスクロスと半硬化状態のマトリックス樹脂を含むプリント配線板用プリプレグ。
- 請求項6に記載のプリント配線板用プリプレグを用いて作製されたプリント配線板。
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