JP2005132857A - プリプレグ - Google Patents

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康之 木村
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真士 吉川
Yoshinobu Gondo
義宣 権藤
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Abstract

【課題】 多層プリント配線板の接続信頼性の向上、及び高密度配線化を両立可能なプリプレグを提供する。
【解決手段】 基材として使用されるガラスクロスの厚さが0.010mmから0.100mmであり、該ガラスクロスを構成するガラス糸のたて糸、及びよこ糸が、0から0.2回/インチ以下の撚り数であり、かつ該ガラス糸の少なくともたて糸またはよこ糸のいずれか一方の隣り合う糸同士の隙間が100μm以下であるプリプレグ。
【選択図】 なし

Description

本発明は、多層プリント配線板用途に用いられるプリプレグに関するものである。
プリント配線板の製造においては、まず、ガラスクロス等の基材にエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸したプリプレグを単数もしくは複数枚積層して銅箔を貼り、加熱加圧して硬化させた銅張り積層板を作成する。次に、該銅張り積層板の両面に回路パターンを作成した後、ドリルによりスルーホールを形成し、洗浄して無電解銅メッキ等の公知の加工工程を経ることにより両面の電気的接続をとったプリント配線板が作成される。
そして、上述の銅張り積層板を作成する積層工程の熱と圧力、および上述の加工工程中に、銅張り積層板の寸法が変化することが一般的に知られている。
また、多層プリント配線板においては、上述の銅張り積層板のさらにその表層にプリプレグを単数もしくは複数枚重ね合わせ、金属箔を貼り、加熱加圧して硬化接着することにより成型製造される。
近年、プリント配線板のさらなる小型化、高密度化要求に伴い、従来の多層プリント配線板において層間接続の主流となっていた、スルーホール内壁の銅めっきを必要としない方法が提案されている。
例えば、多層プリント配線板において両面プリント配線板を接着する中間接続体の貫通孔(インタースティシャルビアホール、またはインナビアホールを略して、以下、IVHという。)に導電体を充填して接続することによって、部品ランド直下や任意の層間にIVHを形成可能で、基板サイズの小型化や高密度実装が実現できる全層IVH構造の多層プリント配線板が提案されている(特許文献1参照)。
該特許文献1によれば、レーザー加工が容易なアラミド等の有機質の不織布にエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させた被圧縮性の多孔質基材を、レーザーでIVH加工した後、導電性ペーストにより該IVHを充填したプリプレグ(以下、IVH接続用プリプレグという。)を作成する。次に、該IVH接続用プリプレグと、2枚の銅箔とを加熱加圧接着することで基板を成型し、回路パターンを形成して両面プリント配線板を製造する。最後に、該両面プリント配線板とIVH接続用プリプレグとを交互に重ね合わせ、一括で加熱成型硬化することで、IVH接続用プリプレグにより各層間を接続した、設計自由度に優れた多層プリント配線板を実現することができる。
また、同様の手法として、レーザーでIVH加工した後、導電性ペーストにより該IVHを充填されたBステージ状態の絶縁シート(以下、IVH接続用絶縁シートという)へ加熱積層プレスによって回路パターンを転写して得られた両面導体配線シートと、IVH接続用絶縁シートとを交互に配し、一括で加熱成型硬化させて、多層プリント配線板を実現する手法も提案されている。
しかしながら、一般的にプリプレグはBステージの状態のために、プリプレグを基準とした基板成型過程までの寸法変化を測定した場合、収縮が非常に大きくなり、プリプレグ面内の寸法変化量のばらつきも大きくなることが知られている。従って、上述の手法により多層プリント配線板を実現する場合には、両面プリント配線板とIVH接続用プリプレグの収縮の差を考慮して回路パターンを作成しておく必要がある。しかしながら、上述の収縮の差を見込んだ回路パターン上で加熱成形硬化前にある層のIVHの中心と隣接する層のIVH接続部分(以下、ランドという。)の中心とをすべて位置ずれなく一致させたとしても、加熱成形硬化後はプリプレグの面内の寸法変化量のばらつきにより位置ずれが発生してしまうことになる。そして、その量が大きい場合には経時変化や高温高湿条件下等の信頼性(以下、層間の接続信頼性、あるいは単に、接続信頼性という。)を低下させることになる。
前述のIVH接続用プリプレグ、及びIVH接続用絶縁シートは、基材としてレーザー加工性に優位な有機質不織布、または無機フィラー等を使用しているため、成型時の加熱加圧によって多層プリント配線板として使用される際の面内の寸法変化量のばらつきが大きくなるという問題がある。その結果、層間の接続信頼性の確保のために接続されるランド径の大径化が必要となり、さらなる高密度配線への不適性が指摘されている。また、IVH接続用プリプレグ、及びIVH接続用絶縁シートの製造においては、レーザー加工性の向上や寸法挙動のばらつきを抑制するために、低熱膨張率の特殊な基材や、樹脂を使用しなければならないなど、低コスト化は困難な状況にある。
また、基板に実装されるLSIの高密度配線化、小型化が進むにつれ、上述した基板の面内の寸法変化量のばらつきに加えて、パッケージやコアとして使用される基板のそりやねじれによる接合不良が生じることもあり、信頼性低下の問題が大きくなっている。
特開平06−268345号公報
本発明の目的は、多層プリント配線板の接続信頼性の向上、及び高密度配線化を両立可能とするため、成型時に面内の寸法変化量のばらつき、及びそりねじれ量を低減させることができるプリプレグを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、プリプレグを基準とした加熱成型硬化後の寸法変化量のばらつきに着目した。
そして、たて糸、及びよこ糸が共に低撚糸、または無撚糸であり、かつ開繊処理を施したガラスクロスを基材とすることによって、加熱成型硬化後のそりねじれ量が少なく、かつ寸法変化量のばらつきを低減させたプリプレグを製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、多層プリント配線板の製造過程で使用されるプリプレグにおいて、基材として使用されるガラスクロスの厚さが0.010mmから0.100mmであり、該ガラスクロスを構成するガラス糸のたて糸、及びよこ糸が、0から0.2回/インチ以下の撚り数であり、かつ該ガラス糸の少なくともたて糸またはよこ糸のいずれか一方の隣り合う糸同士の隙間が100μm以下であることを特徴とするプリプレグである。
本発明のプリプレグにおいては、ガラスクロスを構成するガラス糸の単繊維径がJIS R3413に規定される単繊維の呼び径3以上、かつ呼び径7以下であることが好ましい。また、金属箔が少なくとも片面に張り合わせられたプリプレグであることが好ましい。
本発明のプリプレグにより、接続信頼性の向上、及び高密度配線化を両立させた多層プリント配線板を提供することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
(1)プリプレグの特徴
本発明のプリプレグは、多層プリント配線板においてIVH接続用プリプレグとして使用可能なプリプレグであり、プリプレグを基準として基板に成型した際の寸法変化量のばらつき(以下、単に「寸法変化量のばらつき」という。)が、基材であるガラスクロスを構成するガラス糸のたて糸方向、及びよこ糸方向のいずれか一方、又は両方について少ないものである。本発明においては、寸法変化量のばらつきは下記の方法によって測定される値で定義する。
たて340mm、よこ340mmのプリプレグを準備し、その上下面の中央部に15mmφの12μm厚銅箔を、125mm間隔で、たて糸方向3カ所×よこ糸方向3カ所の合計9カ所に同時に熱圧着(条件:300℃、0.3MPa、1分間)して標点とし、たて糸方向、よこ糸方向のそれぞれについて、隣接する2標点の標点間隔6箇所を測定する(i=1〜6で、測定値a(i)とする。)。次に、該プリプレグを175℃、3.9MPaで1時間加熱加圧することによって硬化させた後、該標点間隔を再度測定する(i=1〜6で、測定値b(i)とする。)。測定値aと測定値bの差(i=1〜6で、a(i)−b(i)で計算される値)を寸法変化量とする。たて糸方向、よこ糸方向それぞれについて、6つの寸法変化量の測定値を平均したものの絶対値を、「寸法変化量の平均」と定義する。同様に、たて糸方向、よこ糸方向それぞれについて、6つの寸法変化量の測定値の標準偏差を「寸法変化量のばらつき」と定義する。なお、たて340mm、よこ340mmのプリプレグより小さいプリプレグを使用する場合は、標点を125mm間隔で、たて糸方向2カ所×よこ糸方向2カ所の合計4カ所とすることにより同様に測定するものとする。
通常、多層プリント配線板において、層間接続に必要なランド径はIVH径に対し約2から3倍程度である。従って高密度配線を可能にするためには、ランド径は、大きくともIVH径の2倍以下にすることが必要である。
ランド径をIVH径の2倍とすると、多層プリント配線板の成型前後で、ランドとIVHが位置ずれなく完全に層間接続した状態(ある層のIVHが、隣接する層のランド内に完全に包含された状態)を実現するためには、成型により発生する位置ずれ量を中心からのプラスマイナスでIVH径の半分以下に抑える必要がある。従って、本発明者は、寸法変化量のばらつきが一定以下のプリプレグであれば、接続信頼性は確保できるものと考えた。
一方、レーザー加工によるIVH径は30μmから150μm程度である。検討の結果、ランドと接続する直径125μmのIVHを有する基板を想定した場合、プリプレグのたて糸方向、及びよこ糸方向の寸法変化量のばらつきが、共に125μm以下であることが接続信頼性確保のために好ましいことが判明した。なお、IVH径が100μmより小さい場合には、該寸法変化量のばらつきを100μm以下にすることがより好ましい。
(2)ガラスクロスの特徴
ガラスクロスはたて糸とよこ糸が交互に浮沈している平織り構造が一般的であり、通常、1インチあたり0.7から1.0回の撚りを施されたガラス糸を用い、織物を製造する。糸の撚りの効果として、単繊維により構成されるガラス糸の断面を円形状にして他の糸との接触面積を小さくし毛羽の発生を抑えるほかに、撚りによって伸度の小さいガラス糸に伸縮性を与え、整経される数千本のたて糸の張力のばらつきを緩和し、製織性を高めることがある。しかしながら、全体の糸のばらつきは緩和されるものの、個々の糸は伸縮によって調整されるため、残留応力にばらつきが存在することとなる。また、糸の撚りによって集束部と拡幅部が交互に生じるため、すなわち糸幅の拡幅状態にもばらつきを生じる。これらのばらつきの存在により、通常の撚りを施されたガラス糸を製織したガラスクロスを基材とするプリプレグを用いてプリント配線板を製造した場合、その寸法変化量には、撚りに由来する面内のばらつきが発生する。
そこで、本発明のプリプレグを製造するためには、糸の撚りによる寸法変化量のばらつきを軽減するために、構成するガラス糸として1インチあたりの撚り数が0から0.2回の低撚糸(以下、特に撚り数が0回の低撚糸を無撚糸ともいう。)を用いることが好ましい。あるいは、通常の撚り糸を解撚しながら製織することによって、1インチあたりの撚り数が0.2回以下に低撚糸化されたガラスクロスを用いても良い。低撚糸化により、糸の撚りによる基板のそりねじれ量も同時に抑制できる。
低撚糸は集束性がないために単繊維同士がばらけ易く、樹脂系のバインダーで固める等の方法で集束性を高めて生産性を向上させる必要がある。しかしながら、このような方法で集束性が高まった低撚糸は最密充填に近い状態となるため、ワニスの含浸性が低下し、寸法変化量のばらつき等の種々の特性も低下する。そのため、ガラスクロスに後述する開繊処理をすることによりガラス糸束中の単繊維をばらけさせ、ワニスの含浸性をあげることが好ましい。
一方、レーザーでIVH加工を行う際に、ガラスクロスを構成するガラス糸の単繊維径が細いほうが効果的であるが、細すぎると強度上の問題がある。そのため具体的にはガラス糸はJIS R3413に規定される単繊維の呼び径3(直径約3.0μm)以上、呼び径7(直径約7.0μm)以下が好ましく、呼び径3(直径3.0μm)以上、呼び径6(直径約6.0μm)以下がより好ましい。
(3)ガラスクロスの開繊処理
本発明のプリプレグに使用されるガラスクロスを得るためには、上述の低撚糸化に加えて、開繊処理を行うことが好ましい。
開繊処理としては、例えば、水流圧力による開繊、液体を媒体とした高周波の振動による開繊、面圧を有する流体の圧力による加工、ロールによる加圧での加工等があげられ、該開繊処理を施すことによって、より糸束中の単繊維はばらけた状態となる。これらの開繊処理法の中では、水流圧力による開繊、または液体を媒体とした高周波の振動による開繊を使用することが、均一性のためにより好ましい。また、該開繊処理の効果を高めるためには、ガラスクロスにかかる張力を少なくした状態で開繊処理を行うことが好ましい。
さらに、ガラス糸に滑剤の特性を示す有機物が付着した状態のガラスクロス、または通常のガラスクロスを製織する際に使用されるバインダー、糊剤等が付着した状態のガラスクロス(通常、生機という。)において、開繊処理と低撚糸化の組み合わせによって、さらに糸束中の単繊維をばらけた状態にする効果をより大きくすることが可能となる。
また、開繊処理を行なった後に、次に述べる表面処理を施し、さらに開繊処理を施すことにより、集束したガラス単繊維間の隙間をさらに広げることが容易になる。
開繊処理により拡幅された糸束の状態とは、少なくともたて糸及びよこ糸のどちらか一方のガラス糸において、隣り合う糸同士の隙間が100μm以下となるまで拡幅していることが好ましく、50μm以下となるまで拡幅していることがより好ましい。さらに好ましくは、糸束の拡幅状態を隣り合う糸同士の間に隙間が無い状態に近づけることにより、さらに均一性が高まり、寸法変化量のばらつきは減少する。
また、低撚糸化による基板のそりねじれ量抑制効果に加え、開繊処理により拡幅された状態の糸束は、面方向への補強効果及びたて糸、よこ糸より構成される織物の拘束力等を高めるので、樹脂の含浸むら等のその他の要因により生じる基板のそりやねじれの発生要因をさらに抑制可能となる。
ガラスクロスの糸束が拡幅された状態の場合、レーザー加工性(穴径分布の均一性、加工速度など)の向上も可能となることは言うまでもない。
(4)ガラスの組成および表面処理
プリント配線板等に使用される積層板のガラスクロスには、通常Eガラス(無アルカリガラス)と呼ばれるガラスが使用されるが、Dガラス等の低誘電率ガラス、Sガラス等の高強度ガラス、Hガラス等の高誘電率ガラス等を使用してもよい。
同様に、プリント配線板等に使用される積層板のガラスクロスには、通常シランカップリング剤を含んだ処理液による表面処理が施されるが、該シランカップリング剤としては通常一般に用いられるシランカップリング剤を使用することができ、必要に応じて、酸、染料、顔料、界面活性剤などを添加しても良い。
(5)プリプレグの製造
本発明のプリプレグを製造するには定法に従えばよい。例えば、ガラスクロスにエポキシ樹脂のようなマトリックス樹脂を有機溶剤で希釈した熱硬化性樹脂ワニス(以下、単にワニスともいう。)を含浸した後、乾燥炉にて有機溶剤を揮発させ、熱硬化性樹脂をBステージ状態(半硬化状態)、まで硬化させた樹脂含浸プリプレグを作ればよい。この際に、極力ガラスクロスに張力を与えないようにすると、さらに寸法安定性に優れたプリプレグを得ることができるのでより好ましい。
マトリックス樹脂としては、上述のエポキシ樹脂の他に、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、BT樹脂、シアネート樹脂等の熱硬化性樹脂や、PPO樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、フッ素樹脂等の熱可塑性樹脂、またはそれらの混合樹脂などが挙げられる。また、樹脂中に水酸化アルミニウム等の無機充填剤を混在させた樹脂を使用してもかまわない。
本発明のプリプレグに使用するガラスクロスの厚さは、0.010〜0.100mmのものが好ましく、0.020〜0.085mmのものがより好ましい。0.100mmより厚いと多層プリント配線板用には適さず、0.010mmより薄いと強度が不足する。また、該ガラスクロスへのマトリックス樹脂付着量は、ワニスの固形分とガラスクロスの質量の合計に対して、ワニス固形分の質量が20%から80%になるようにするのが好ましい。
また、本発明のプリプレグに金属箔を少なくとも片面に張り合わせたプリプレグ(以下、金属箔付きプリプレグともいう。)の製造方法については、プリプレグに金属箔を加熱接着する方法、又はガラスクロスと金属箔に同時にワニスを塗工する方法が好適に使用できる。
従来の金属箔付きプリプレグの製造方法においては、ガラスクロスを連続的にワニスに含浸、乾燥、半硬化させる方法で製造したプリプレグを適当な大きさに切断した後、金属箔を加熱接着させて製造していた。
本発明のプリプレグを製造するにあたっては、上述の従来の製造方法も使用できるが、ガラスクロスを金属箔に重ねた状態で連続的にワニスを塗工、乾燥、半硬化させる方法で一度に金属箔付きプリプレグを作成する製造方法をとることが好ましい。該製造方法によって、工程を減らすことができるのみならず、金属箔の補強効果があるために連続的に製造する際にガラスクロスにかける張力を低下させることが可能となる。その結果、プリプレグの残留応力や、ガラスクロスの目曲がり等が低減し、従来の製造方法で作成した金属箔付きプリプレグに比較して、寸法安定性の向上が可能となる。また、プリプレグの波打ち性の改善、ハンドリング性の向上による生産性の向上も可能となるという利点を有する。
上述の金属箔付きプリプレグの金属箔としては、通常は銅箔を用いるが、アルミニウム箔も用いることができる。金属箔の厚さは用途にもよるが、3μmから100μmのものが好適に使用される。
(6)多層プリント配線板の製造
本発明のプリプレグを用いた多層プリント配線板は、従来技術に示す方法及び関連する公知技術に従えばよい。例えば、本発明のプリプレグを、レーザーで穴加工した後導電性ペーストによりIVHを充填してIVH接続用プリプレグとして用い、両面プリント配線板、又は両面導体配線シートと交互に重ねて加熱加圧成型することにより、多層プリント配線板とする方法が好適に使用できる。
この際の成型条件としては加熱温度が100度から230度、圧力が1MPaから5MPaの条件とすることが好ましく、この条件下に0.5時間から2.0時間保持することが好ましい。また加熱加圧、レーザーによるIVH加工の前後で、プリプレグの保護、または加工性向上等のために有機フィルム等をプリプレグに張り合わせて用いても良い。この際の有機フィルムとしてはポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリフッ化エチレンフィルム等が使用できる。
本発明のプリプレグへのレーザーによるIVH加工の方法については、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、又はエキシマレーザーなどの加工方法が適宜使用できる。また、形成されたIVHに充填する導電性ペーストにおいても、銅・銀等の公知の各種素材の導電性ペーストが使用可能であり、また該ペーストにおける導電性粒子の粒径等についても特に限定するものではない。
以下、本発明を実施例により詳しく説明する。
実施例、比較例中のガラスクロスの物性、ガラスクロスの糸束断面幅、ガラス クロスを用いたプリプレグの作成方法、および試験方法は以下の方法により測定した。
1.ガラスクロスの物性測定方法
JIS−R−3420に従い測定した。
2.たて糸及びよこ糸の糸束断面幅の測定方法
ガラスクロスを常温硬化のエポキシで包埋し、研磨してガラス糸束断面を削り出し、たて糸及びよこ糸をそれぞれ電子顕微鏡(日立製作所製S−570)にて測定倍率220倍で断面写真を撮影した。糸束断面幅(糸幅)の測定は、たて糸及びよこ糸それぞれ150(本)を実施し、その糸束断面幅の平均値を計算した。
3.プリプレグの作成方法
ガラスクロスに、下記調合割合で調製したエポキシ樹脂ワニスを浸漬し、各ガラスクロス厚さの約2倍のスリットで余剰樹脂ワニスを掻き落とし、170℃で3分間乾燥させてプリプレグを得た。
[エポキシ樹脂ワニス調合割合]5046B80(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名):70質量%、180S75B70(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名):14質量%、ジシアンジアミド:1.6質量%、2−エチル−4−メチル−イミダゾール:0.2質量%、ジメチルホルムアミド:7.1質量%、メチルセロソルブ:7.1質量%。
4.基板のそりねじれ量の測定方法
上述のプリプレグの作成方法により得たプリプレグの両面に12μmの銅箔を配し、175℃、3.9MPaで、1時間加熱加圧し、硬化させた後、得られた両面銅張り積層板の銅箔を除去し、50mm×50mm角に裁断する。裁断後の積層板を、230℃で30秒、3回加熱した後平面上に静置し、1隅を押さえた際に残る3隅と該平面とのすきまをものさしで測定し、最も大きいものを基板のそりねじれ量とした。
<実施例1>
ガラスクロスとして、たて糸およびよこ糸にD450 1/0 無撚糸を使用し、エアジェットルームで、たて糸56本/25mm、よこ糸54本/25mmの織物密度で平織りに製織し、得られた生機に高圧散水流による開繊加工を施した後、ヒートクリーニングした。なお、上記のD450はJIS R3413におけるECD450を略した標記であり、Dは呼び径5を意味している(以下、同様)。
続いて、表面処理として、シランカップリング剤であるSZ6032(東レ・ダウコーニング(株)製:商品名)を用いて処理液とし、ガラスクロスを浸漬し、絞液後乾燥し、さらに高圧水流による開繊加工を施し、ガラスクロスを得た後、上述のプリプレグ作成方法により実施例1のプリプレグとした。評価結果は表1に示すように、該プリプレグを基準として得られた基板の寸法変化量のばらつき、及びそりねじれ量は小さいものであった。
<実施例2>
ガラスクロスとして、たて糸およびよこ糸にD450 1/0 無撚糸を使用し、エアジェットルームで、たて糸56本/25mm、よこ糸54本/25mmの織物密度で平織りに製織し、得られた生機に液体を媒体とした高周波の振動による開繊加工を施した後、ヒートクリーニングした。
続いて、表面処理として、シランカップリング剤であるSZ6032(東レ・ダウコーニング(株)製:商品名)を用いて処理液とし、ガラスクロスを浸漬し、絞液後乾燥し、ガラスクロスを得た後、上述のプリプレグ作成方法により実施例2のプリプレグとした。評価結果は表1に示したように、該プリプレグを基準として得られた基板の寸法変化量のばらつき、及びそりねじれ量は小さいものであった。
<実施例3>
ガラスクロスとして、たて糸およびよこ糸にD450 1/0 0.2Z(撚りが0.2回/インチの低撚糸を示す。)を使用し、エアジェットルームで、たて糸56本/25mm、よこ糸54本/25mmの織物密度で平織りに製織し、得られた生機に高圧散水流による開繊加工を施した後、ヒートクリーニングした。
続いて、表面処理として、シランカップリング剤であるSZ6032(東レ・ダウコーニング(株)製:商品名)を用いて処理液とし、ガラスクロスを浸漬し、絞液後乾燥し、高圧水流による開繊加工を施し、ガラスクロスを得た後、上述のプリプレグ作成方法により実施例3のプリプレグとした。評価結果は表1に示したように、該プリプレグを基準として得られた基板の寸法変化量のばらつき、及びそりねじれ量は小さいものであった。
<実施例4>
ガラスクロスとして、たて糸およびよこ糸にD225 1/0 無撚糸を使用し、エアジェットルームで、たて糸60本/25mm、よこ糸57本/25mmの織物密度で平織りに製織した他は、実施例1と同様の方法で、ガラスクロスを得た後、上述のプリプレグ作成方法により実施例4のプリプレグとした。評価結果は表1に示したように、該プリプレグを基準として得られた基板の寸法変化量のばらつき、及びそりねじれ量は小さいものであった。
<比較例1>
ガラスクロスとして、たて糸およびよこ糸にD450 1/0 無撚糸を使用し、エアジェットルームで、たて糸56本/25mm、よこ糸54本/25mmの織物密度で平織りに製織し、得られた生機をヒートクリーニングした。
続いて、表面処理として、シランカップリング剤であるSZ6032(東レ・ダウコーニング(株)製:商品名)を用いて処理液とし、ガラスクロスを浸漬し、絞液後乾燥し、ガラスクロスを得た後、上述のプリプレグ作成方法により比較例1のプリプレグとした。表2に示した評価結果からわかるように、該プリプレグを基準として得られた基板の寸法変化量のばらつき、及びそりねじれ量は大きいものであった。
<比較例2>
ガラスクロスとして、たて糸およびよこ糸にD450 1/0 1.0Z(撚りが1.0回/インチの糸を示す。)を使用し、エアジェットルームで、たて糸56本/25mm、よこ糸54本/25mmの織物密度で平織りに製織した他は、比較例1と同様の方法で、ガラスクロスを得た後、上述のプリプレグ作成方法により比較例2のプリプレグとした。表2に示した評価結果からわかるように、該プリプレグを基準として得られた基板の寸法変化量のばらつき、及びそりねじれ量は大きいものであった。
<比較例3>
ガラスクロスとして、たて糸およびよこ糸にD450 1/0 1.0Z(撚りが1.0回/インチの糸を示す。)を使用し、エアジェットルームで、たて糸56本/25mm、よこ糸54本/25mmの織物密度で平織りに製織した他は、実施例1と同様の方法で、ガラスクロスを得た後、上述のプリプレグ作成方法により比較例3のプリプレグとした。表2に示した評価結果からわかるように、該プリプレグを基準として得られた基板の寸法変化量のばらつき、及びそりねじれ量は大きいものであった。
<比較例4>
ガラスクロスとして、たて糸およびよこ糸にD225 1/0 1.0Zを使用し、エアジェットルームで、たて糸60本/25mm、よこ糸57本/25mmの織物密度で平織りに製織した他は、比較例1と同様の方法で、ガラスクロスを得た後、上述のプリプレグ作成方法により比較例4のプリプレグとした。表2に示した評価結果からわかるように、該プリプレグを基準として得られた基板の寸法変化量のばらつき、及びそりねじれ量は大きいものであった。
Figure 2005132857
Figure 2005132857
本発明により、多層プリント配線板を作成する工程で、そりねじれ量、及び寸法変化量のばらつきを低減させることができるプリプレグを提供することができる。

Claims (3)

  1. 多層プリント配線板の製造過程で使用されるプリプレグであって、基材として使用されるガラスクロスの厚さが0.010mmから0.100mmであり、該ガラスクロスを構成するガラス糸のたて糸、及びよこ糸が、0から0.2回/インチ以下の撚り数であり、かつ該ガラス糸の少なくともたて糸またはよこ糸のいずれか一方の隣り合う糸同士の隙間が100μm以下であることを特徴とするプリプレグ。
  2. ガラスクロスを構成するガラス糸の単繊維径がJIS R3413に規定される単繊維の呼び径3以上、かつ呼び径7以下である請求項1記載のプリプレグ。
  3. 金属箔が少なくとも片面に張り合わせられた請求項1又は請求項2に記載のプリプレグ。
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