JP4908240B2 - 積層板補強用有機繊維織布 - Google Patents

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Description

本発明は、積層板の補強に供せられる有機繊維織布に関するものであり、更には該有機繊維織布を用いてなるプリプレグ、および該プリプレグを加熱加圧硬化させた積層板に関する。
プリント配線板の製造においては、まず、ガラス繊維織布やアラミド不織布等の繊維基材にエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させたプリプレグを作製する。次に、該プリプレグを単数もしくは複数枚積層して銅箔等の導電体を貼り、加熱加圧して硬化させた銅張り積層板を作製する。次に、該銅張り積層板の両面の導電体にフォトリソグラフィー法によって回路パターンを作成する。最後に、ドリルやレーザ等によりスルーホールを形成し、洗浄して無電解銅メッキ等の加工工程を経ることにより、硬化したプリプレグを絶縁層とし、回路パターンを作製した導電体を導体層とし、両面の該導体層の電気的接続をとった両面プリント配線板が作成される。
また、多層プリント配線板の製造においては、上述の両面プリント配線板のさらにその表層にプリプレグを単数もしくは複数枚重ね合わせ、さらに金属箔を貼り、加熱加圧硬化させる逐次成型法、または複数のプリント配線板を、繊維基材を含まない液状樹脂、樹脂フィルム、樹脂付き銅箔等のビルドアップ樹脂層(またはそれに導体層を積層したもの)を配置し、場合によっては銅箔等の金属箔を貼り加圧加熱して硬化接着するビルドアップ成型法により製造される。
近年のデジタル機器の高機能・小型軽量化に伴い、使用されるプリント配線板にもさらなる小型・薄型・高密度化が要求されている。さらに、デジタル機器を構成する筐体にも、小型・薄型・軽量化が要求されている。また、電子回路の高速化のためには積層板を構成する材料の誘電率を低くする必要がある。従って、そのような用途においては、ガラス繊維織布を含まない、またはガラス繊維織布にかわって有機繊維織布を基材とした積層板が望まれている。
これらプリント配線板や筐体(以下まとめて、積層板という。)の製造工程において、積層工程の熱と圧力、および加工工程中に、積層板の寸法が変化することが一般的に知られている。また、基材として用いられるガラスクロスやアラミド不織布を構成する繊維の粗密により、積層板の寸法安定性等の特性に悪影響を及ぼすことが知られている。また、チップサイズパッケージの開発が進むに連れ、積層板上に実装する素子と積層板との熱膨張係数の差に起因する熱ストレスの影響が懸念されている。特に、XY面方向で熱膨張係数の差異が大きい場合、接続部分にかかる熱ストレスが大きくなり、接続信頼性に悪影響を及ぼすことが知られている。
これら課題を解決するものとして、特に積層板補強用ガラス繊維織布では、物理加工方法を検討し、糸束の拡幅化などの対応から織布構造の拘束力を高め、織布やプリプレグの製造あるいはプレス成型等の各種工程で生じる織布自体の構造変形を抑制し、種々の工程要因の影響を軽減することが検討されてきた(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、張力等の工程要因により寸法安定性は悪影響を受けやすく、従来に比較し、より高い寸法安定性を備えた積層板の基材である補強用繊維織布が求められている。また熱ストレスの観点からは、ガラス繊維織布にかわって有機繊維織布を使用した積層板、例えばアラミド繊維不織布に熱硬化性樹脂を含浸させたアラミド基板が知られている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、例え低い熱膨張係数を有するアラミド繊維を用いても、不織布構造である限り、素子と積層板との熱膨張係数の差異を無くすことはできていない。
また、有機繊維織布による積層体の検討もされている(例えば、特許文献3参照)。特許文献3においては、PTFEシートと熱可塑性樹脂フィルムと耐熱性有機繊維とが一体化された積層シートが提案されている。しかしながら、該シートはテント用膜材等に使用する目的で有機繊維織布の坪量を100g/m2以上であることが好ましいとされている。ゆえに必然的にその厚さは厚くなり、上述の小型・軽量化されたプリント配線板や筐体に用いるには、有機繊維織布の更なる薄型化の検討が必要である。
特開2002−038367号公報 特開平05−090721号公報 特開2000−301671号公報
本発明の目的は、寸法安定性が良好で、熱膨張係数が小さい積層板の作成を可能とする補強用有機繊維織布、及び該織布を使用したプリプレグ、さらには該プリプレグを使用した積層板を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、たて糸及びよこ糸がマルチフィラメントの有機繊維糸束で構成される有機繊維織布の織物形態に着目して鋭意研究した結果、加圧加熱加工によって形態を制御することにより、従来の織布に比較し、積層板の寸法安定性や熱膨張等の機械特性の向上が可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1は、たて糸及びよこ糸がマルチフィラメントの有機繊維糸束で構成される加圧加熱加工された有機繊維織布であって、加圧加熱加工後のたて糸の糸束厚さ(Tt)及び加圧加熱加工後のよこ糸の糸束厚さ(Ty)が、加圧加熱加工後の該たて糸の厚さ方向の平均モノフィラメント本数(Nt)及び加圧加熱加工後の該よこ糸の厚さ方向の平均モノフィラメント本数(Ny)、並びに加圧加熱加工前の該たて糸の平均モノフィラメント直径(Dt)及び加圧加熱加工前の該よこ糸の平均モノフィラメント直径(Dy)を用いて表される式(1)または式(2)の少なくともどちらか一方の関係を有し、かつたて糸及びよこ糸の少なくとも一方の糸束幅が該糸の糸束厚さの2〜100倍であることを特徴とする積層板補強用有機繊維織布である。
0.5×Nt×Dt<Tt<0.95×Nt×Dt ・・・(1)
0.5×Ny×Dy<Ty<0.95×Ny×Dy ・・・(2)
本発明の積層板補強用有機繊維織布は、厚さが10μm以上100μm以下であることが好ましい。また、有機繊維が、コポリパラフェニレン・3,4’オキシジフェニレン・テレフタラミド、パラフェニレンテレフタラミド、ポリケトン、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール、及びポリアリレートからなる群から選ばれる1種以上の樹脂からなる繊維であることが好ましい。
本発明の第2は、たて糸及びよこ糸がマルチフィラメントの有機繊維糸束で構成される織布を製織する工程、及び該織布を加圧加熱することによって該マルチフィラメントの全部または一部を変形させる工程を含むことを特徴とする本発明の第1の積層板補強用有機繊維織布の製造方法である。
本発明の第3は、本発明の第1の積層板補強用有機繊維織布と半硬化状態のマトリックス樹脂からなることを特徴とするプリプレグである。
本発明の第4は、本発明の第3のプリプレグを加熱加圧硬化させたことを特徴とする積層板である。
本発明の積層板補強用有機繊維織布を使用したプリプレグで成型した積層板は、寸法変化率の平均及びばらつきの低減、並びに低熱膨張化が可能であるという効果を奏する。
本発明について以下に説明する。積層板に関して、特にプリント配線板を例に挙げ、具体的に説明する。
(1)補強用有機繊維織布の特徴
本発明の積層板補強用有機繊維織布を構成する有機繊維は、高強度有機繊維であることが好ましく、弾性率が70〜300GPaであり、撚りが無く、負の熱膨張係数を有した、マルチフィラメントの糸束である高強度有機繊維糸束であることがより好ましい。該高強度有機繊維としては、コポリパラフェニレン・3,4’オキシジフェニレン・テレフタラミド、パラフェニレンテレフタラミド、ポリケトン、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール、及びポリアリレートから選ばれる1種以上の繊維が好適に用いられるが、これに限定されるものでは無い。たて糸とよこ糸が同じ糸種であることがより好ましいが、異なる糸種であってもよい。
糸束を構成するフィラメントの直径は、織布を薄くするという観点から細いものが好適に用いられ5〜20μmであることが好ましく、フィラメントの本数は10〜200本が好ましい。
織布の織構造は、平織り構造が好適に用いられるが、これに限定されるものではなく、例えば、表組織と裏組織から構成される二重織り構造や、朱子織、綾織、斜文織など、公知の織構造であってもよい。
織布の製織方法としては、上述の高強度有機繊維を製織できればこれに限定することは無いが、例えば、エアージェット織機やウォータージェット織機等のジェット織機、レピヤ織機等が挙げられる。
上述の繊維や製織方法を用いて得られた有機繊維織布から、本発明の積層板補強用有機繊維織布を得るためには、物理加工を行うことが好ましい。有機繊維織布は、ガラス繊維織布のように細いフィラメントの糸が生産されていないため太いフィラメントの糸を使用して薄い織布を得る必要があるためである。
該物理加工としては、加圧加工、例えば、水流の圧力による加工、液体を媒体とした高周波の振動による加工、及び面圧を有する流体の圧力による加工、並びに加圧加熱加工、例えば、熱ロールによる加圧での加工等が挙げられるが、特に熱ロールによる加圧での加工が好適に用いられる。また、水流の圧力による加工や、面圧を有する流体の圧力による加工を施した後に、熱ロールによる加圧加工を施すという組合せを用いることが、より好ましい。
熱ロールの温度は、100〜500℃で加工することが好ましく、300〜400℃で加工することがより好ましい。熱ロールによる加圧における圧力は、800〜5000N/cmであることが好ましい。有機繊維織布を加工する時の温度は、有機繊維を構成するフィラメントの全部または一部を塑性変形させ、糸束を扁平化することが可能となる温度であって該有機繊維が溶融、分解、あるいは炭化しない範囲の温度であることが好ましいため、該有機繊維の種類に応じて適宜設定する。また、該物理加工の効果を高めるためには、補強用繊維織布にかかる張力をできる限り少なくした状態で加工を実施することが好ましく、具体的には10〜300N/mであることが好ましく、10〜100N/mであることがより好ましい。
また、物理加工を行った後に、公知の表面処理、例えばシランカップリング剤による表面処理を施すことにより、マトリックス樹脂との接着性を高めることが可能である。
上述の物理加工によって得られる積層板補強用有機繊維織布の物理加工後のたて糸の糸束厚さ(Tt)、及び物理加工後のよこ糸の糸束厚さ(Ty)が、物理加工後の該たて糸の厚さ方向の平均モノフィラメント本数(Nt)、及び物理加工後の該よこ糸の厚さ方向の平均モノフィラメント本数(Ny)、並びに物理加工前の該たて糸の平均モノフィラメント直径(Dt)及び物理加工前の該よこ糸の平均モノフィラメント直径(Dy)を用いて表される次の式(1)、(2)の少なくともどちらか一方の関係を有することが好ましく、式(1)、(2)の両方の関係を有することがより好ましい。
0.5×Nt×Dt<Tt<0.95×Nt×Dt ・・・(1)
0.5×Ny×Dy<Ty<0.95×Ny×Dy ・・・(2)
物理加工前の平均モノフィラメント直径(Dt)または(Dy)とは、それぞれたて糸またはよこ糸の長さ方向に垂直な断面において、任意に選択した糸束1つの全てのモノフィラメント直径を測定し、平均した値をいう。測定方法は、物理加工前の織布をエポキシ樹脂に包埋して断面を削りだし、導電性処理を行った後に電子顕微鏡で観測することによって行う。
また、物理加工後の厚さ方向の平均モノフィラメント本数(Nt)または(Ny)とは、それぞれ物理加工後の糸束断面から得られた該たて糸またはよこ糸の糸束幅(Wt)または(Wy)、糸束のモノフィラメント本数(nt)または(ny)、平均モノフィラメント直径(Dt)または(Dy)を用いた次の式(3)、式(4)により求められる。
Nt=nt×Dt/Wt ・・・(3)
Ny=ny×Dy/Wy ・・・(4)
式(1)および式(2)を満たす糸束の厚さ(Tt)、および(Ty)は、理想的に配置されたフィラメントによって構成されるたて糸およびよこ糸の糸束厚さよりも薄いことを意味する。すなわち、フィラメントが塑性変形し、隣り合うフィラメント同士が互いに拘束されていることを表す。
さらに、該職布を構成するたて糸及びよこ糸の少なくとも一方の糸束幅が、該糸の糸束厚さの2〜100倍であることが好ましい。
つまり、糸束幅を拡げることにより、織物構造の拘束力を高め、プリプレグの製造あるいはプレス成型等の各種工程で生じる織布の構造変形を抑制し、長さ方向の張力の影響や種々の工程要因の影響を軽減することはもとより、マトリックス樹脂の含浸状態の均一化、糸のうねり角度の低減による平面度の向上、及び繊維充填量の増加を図ることができ、さらなる寸法変化のばらつきを低減することが可能となる。
さらに、本発明の補強用有機繊維織布の厚さは、10μm以上100μm以下であることが好ましく、10μm以上50μm以下であることがより好ましい。特に10μm以上30μm以下である場合、小型・薄型・高密度化が要求されるプリント配線板用途に、好適に利用できる。
(2)プリプレグの製造及び特徴
本発明のプリプレグを製造するには定法に従えばよい。例えば、補強用繊維織布にエポキシ樹脂のようなマトリックス樹脂を有機溶剤で希釈したワニスを含浸した後、乾燥炉にて有機溶剤を揮発させ、熱硬化性樹脂をBステージ状態(半硬化状態)まで硬化させた樹脂含浸プリプレグを作ればよい。この際に、極力補強用繊維織布に張力を与えないようにするとさらに寸法安定性に優れたプリプレグを得ることができるのでより好ましい。
マトリックス樹脂としては、上述のエポキシ樹脂の他に、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、BT樹脂、シアネート樹脂等の熱硬化性樹脂や、PPO樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、フッ素樹脂等の熱可塑性樹脂、またはそれらの混合樹脂などが挙げられる。また、樹脂中に水酸化アルミニウム等の無機充填剤を混在させた樹脂を使用してもかまわない。
また、該補強用繊維織布へのマトリックス樹脂付着量は、ワニスの固形分と補強用繊維織布の質量の合計に対して、ワニス固形分の質量が20〜80質量%になるようにするのが好ましい。
また、本発明のプリプレグに金属箔を少なくとも片面に張り合わせて金属箔付きプリプレグとしてもよく、その製造方法については、プリプレグに金属箔を加熱接着する方法、又は補強用繊維織布と金属箔に同時にワニスを塗工する方法等が好適に使用できる。
上述の金属箔付きプリプレグの金属箔としては、通常は銅箔を用いるが、アルミニウム箔も用いることができる。金属箔の厚さは用途にもよるが、3〜100μmのものが好適に使用される。
(3)プリント配線板の製造
本発明のプリプレグを用いたプリント配線板は、従来技術に示す方法及び関連する公知技術に従えばよい。例えば、本発明のプリプレグを、レーザで穴加工した後、導電性ペーストによりインターステイシャルビアホール(IVH)を充填してIVH接続用の中間接続プリプレグとして用い、両面プリント配線板、又は両面導体配線シートと交互に重ねて加熱加圧成型することにより多層プリント配線板とする方法なども好適に使用できる。
この際の成型条件としては、加熱温度が100〜230℃、圧力が1〜5MPaの条件とすることが好ましく、この条件下に0.5〜2.0時間保持することが好ましい。
本発明のプリプレグへのレーザによるIVH加工の方法については、炭酸ガスレーザ、YAGレーザ、又はエキシマレーザなどの加工方法が適宜使用できる。また加熱加圧、レーザによるIVH加工の前後で、プリプレグの保護、または加工性向上等のために有機フィルム等をプリプレグに張り合わせて用いても良い。この際の有機フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリフッ化エチレンフィルム等が使用できる。
また、形成されたIVHに導電性ペーストを充填する場合、銅・銀等の公知の各種素材の導電性ペーストが使用可能である。
本発明を実施例などに基づいて、より具体的に説明するが、本発明はこれら実施例などにより何ら限定されるものではない。
実施例、比較例中の補強用繊維織布の物性、該補強用繊維織布を用いたプリプレグ、及びプリント配線板用基板の作成方法、並びに試験方法は以下の方法で行った。
1.補強用繊維織布の物性測定方法
JIS−R−3420に準じて測定した。
2.プリプレグの作成方法
補強用繊維織物に、下記調合割合で調製したエポキシ樹脂ワニスを浸漬し、各補強用繊維織物厚さの約2倍のスリットで余剰樹脂ワニスを掻き落とし、170℃で3分間乾燥させてプリプレグを得た。
[エポキシ樹脂ワニス調合割合]
5046B80(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名):70質量%、180S75B70(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名):14質量%、ジシアンジアミド:1.6質量%、2−エチル−4−メチル−イミダゾール:0.2質量%、ジメチルホルムアミド:7.1質量%、メチルセロソルブ:7.1質量%。
3.基板の寸法安定性の評価方法
上述のプリプレグの作成方法により得た、たて340mm、よこ340mmのプリプレグ1枚の両面に12μmの銅箔を配し、175℃、3.9MPaで1時間加熱加圧し、硬化させて寸法安定性測定用の1ply(1層)基板を得た。その基板に125mm間隔で、たて糸方向3カ所×よこ糸方向3カ所の合計9カ所の標点をつけ、たて糸方向、よこ糸方向のそれぞれについて、隣接する2標点の標点間隔6箇所を測定した(測定値a)。次に、エッチング処理によって銅箔を除去し、170℃、30分加熱した後、該標点間隔を再度測定した(測定値b)。測定値aと測定値bの差の測定値aに対する割合(%)を寸法変化率とした。たて方向、よこ方向それぞれについて、6つの寸法変化率の測定値を平均値(後述の表1では「寸法変化率の平均」という。)、及び6つの寸法変化率測定値の最大値から最小値を引いた後の絶対値(後述の表1では「寸法変化率のばらつき」という。)を算出した。
4.熱膨張係数の評価方法
上述のプリプレグの作成方法により得た、たて340mm、よこ340mmのプリプレグ1枚の両面に12μmの銅箔を配し、175℃、3.9MPaで1時間加熱加圧し、硬化させて熱膨張係数測定用の1ply(1層)基板を得た。得られた積層板の銅箔を両面エッチアウトした後、たて30mm、よこ5mmのサンプルを切り出し、セイコーインスツルメンツ(株)製;TMA/SS6100を使用し、5gの引っ張り荷重をかけながら、50℃から100℃に1分あたり5℃の昇温速度で加熱した際の、たて糸方向の熱膨張係数を測定した。
[実施例1]
補強用有機繊維織布として、たて糸およびよこ糸に、引張弾性率が74GPaのポリアリレート繊維、テクノーラ(帝人テクノプロダクツ株式会社製、商品名、110dtex;15μm×50本)を使用し、エアジェットルームで、たて糸50本/25mm、よこ糸50本/25mmの織物密度で製織した補強用有機繊維織布の生機を得た。得られた織布の生機に熱ロールによる加圧加工(加熱温度400℃、加圧圧力4000N/cm)を施し、実施例1の補強用有機繊維織布を得た。表1に示した評価結果からわかるように、実施例1の補強用有機繊維織布を用いて得られた積層板の寸法変化量のばらつきは非常に小さく、熱膨張係数も小さいものであった。
[実施例2]
補強用有機繊維織布として、たて糸およびよこ糸に、引張弾性率が74GPaのポリアリレート繊維、テクノーラ(帝人テクノプロダクツ株式会社製、商品名、61dtex;15μm×25本)を使用し、エアジェットルームで、たて糸45本/25mm、よこ糸45本/25mmの織物密度で製織した補強用有機繊維織布の生機を得た。得られた織布の生機に高圧散水流による物理加工(加圧圧力300N/cm2)、および熱ロールによる加圧加工(加熱温度400℃、加圧圧力4000N/cm)を施し、実施例2の補強用有機繊維織布とした。表1に示した評価結果からわかるように、実施例2の補強用有機繊維織布を用いて得られた積層板の寸法変化量のばらつきは非常に小さく、熱膨張係数も小さいものであった。
<比較例1>
補強用有機繊維織布として、たて糸およびよこ糸に、引張弾性率が74GPaのポリアリレート繊維、テクノーラ(帝人テクノプロダクツ株式会社製、商品名、61dtex)を使用し、エアジェットルームで、たて糸45本/25mm、よこ糸45本/25mmの織物密度で製織し、比較例1の補強用有機繊維織布を得た。表1に示した評価結果からわかるように、比較例1の補強用有機繊維織布を用いて得られた積層板の寸法変化量のばらつきは大きく、熱膨張係数も大きいものであった。
<比較例2>
補強用有機繊維布として、アラミド繊維不織布N478(デュポン帝人アドバンスドペーパー株式会社製、商品名)を用い、比較例2の補強用有機繊維布とした。表1に示した評価結果からわかるように、比較例2の補強用有機繊維布を用いて得られた積層板の寸法変化量のばらつきは大きく、熱膨張係数も大きいものであった。
Figure 0004908240
本発明の積層板補強用有機繊維織布は、積層板製造の分野で好適に利用できる。

Claims (6)

  1. たて糸及びよこ糸がマルチフィラメントの有機繊維糸束で構成される加圧加熱加工された有機繊維織布であって、加圧加熱加工後のたて糸の糸束厚さ(Tt)及び加圧加熱加工後のよこ糸の糸束厚さ(Ty)が、加圧加熱加工後の該たて糸の厚さ方向の平均モノフィラメント本数(Nt)及び加圧加熱加工後の該よこ糸の厚さ方向の平均モノフィラメント本数(Ny)、並びに加圧加熱加工前の該たて糸の平均モノフィラメント直径(Dt)及び加圧加熱加工前の該よこ糸の平均モノフィラメント直径(Dy)を用いて表される次の式(1)または式(2)の少なくともどちらか一方の関係を有し、かつたて糸及びよこ糸の少なくとも一方の糸束幅が該糸の糸束厚さの2〜100倍であることを特徴とする積層板補強用有機繊維織布。
    0.5×Nt×Dt<Tt<0.95×Nt×Dt ・・・(1)
    0.5×Ny×Dy<Ty<0.95×Ny×Dy ・・・(2)
  2. 厚さが10μm以上100μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の積層板補強用有機繊維織布。
  3. 有機繊維が、コポリパラフェニレン・3,4’オキシジフェニレン・テレフタラミド、パラフェニレンテレフタラミド、ポリケトン、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール、及びポリアリレートからなる群より選ばれる1種以上の樹脂からなる繊維であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層板補強用有機繊維織布。
  4. たて糸及びよこ糸がマルチフィラメントの有機繊維糸束で構成される織布を製織する工程、及び該織布を加圧加熱することによって該マルチフィラメントの全部または一部を変形させる工程を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層板補強用有機繊維織布の製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層板補強用有機繊維織布と半硬化状態のマトリックス樹脂からなることを特徴とするプリプレグ。
  6. 請求項5に記載のプリプレグを加熱加圧硬化させたことを特徴とする積層板。
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