JP2014009239A - 透明複合基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学特性と表面平滑性に優れる透明複合樹脂を提供する。
【解決手段】透明樹脂とガラスクロスとを有する透明複合基板であって、該ガラスクロスを構成するタテ糸及びヨコ糸は、ともに複数のフィラメントから造られており、ともに1.8×10−6kg/m以上14.0×10−6kg/m以下の線密度を有し、かつ該タテ糸の平均フィラメント径に対する該ヨコ糸の平均フィラメント径の(ヨコ/タテ)比が、1.01以上1.27以下であり、該タテ糸の体積に対する前記ヨコ糸の体積の(ヨコ/タテ)比が、0.70以上1.25以下である、透明複合基板。
【選択図】図1

Description

本発明は優れた光学特性と表面平滑性を有する透明複合基板に関する。
一般に、液晶表示素子や有機EL素子用の表示素子基板、カラーフィルター基板、タッチパネル基板、太陽電池基板等には、ガラス基板が多く用いられている。近年、これら用途には、軽い、割れ難い、曲げられる等の機能が求められており、ガラス基板の代替として透明性を有する光学用のプラスチック基板が検討されている。
透明性を有するプラスチック基板としては、透明性を有する樹脂とガラスクロスの複合材料が、透明性を有し、且つ、線熱膨張を小さく抑えられる点で優れていることが知られている(特許文献1〜3)。一方で、透明樹脂とガラスクロスの複合材料は、ガラスクロスの凹凸に起因する表面凹凸が生じる課題を有しており、表面平滑性が求められる表示素子基板用途等では改善が求められているのが現状である。
透明複合基板の表面平滑性を改善する方法として、透明複合基板の表面に硬化収縮が5%未満のコーティング剤を塗装することによって表面の凹凸を埋めて平坦にならして平滑化する方法(特許文献4)、転写用基板に熱硬化性樹脂組成物を塗布後、室温でタック性を持たない程度に反応を進めた後に透明複合基板に熱ラミネートし、次いで転写用基材を剥離する方法(特許文献5)、表面粗さRaが100nm以下のロール間で透明樹脂のガラス転移温度以上でロールプレスする方法(特許文献6)等が開示されている。
特許第3728441号公報 特許第4393077号公報 特開2007−293048号公報 特開2009−241522号公報 特許第4407265号公報 特開2009−242715号公報
しかしながら、もともとガラスクロスに起因する表面凹凸は大きいために、上述の方法を用いても、表示素子基板やカラーフィルターの製造プロセスに適合できるほど十分な平滑性を得るのは困難であった。
また、補強材として用いられるガラスクロスは、通常、タテ糸に張力をかけた状態で製織され、それに続いて化学的、物理的加工が施されるため、糸の断面形状やうねりの構造に基づく補強効果が、タテ糸方向とヨコ糸方向とで異なるのが現状である。その結果、透明樹脂を硬化させる過程で、タテ糸方向とヨコ糸方向とで、樹脂の硬化収縮に伴う応力と、ガラスクロスの応力に対する補強効果とが、タテ糸方向とヨコ糸方向とで異なるため、ガラスクロスと透明樹脂との界面に歪が生じ、複屈折性が大きくなってしまうという課題も有していた。
上記した状況の下、本発明が解決しようとする課題は、光学特性と表面平滑性に優れる透明複合基板、特に光学用透明複合基板を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、透明複合基板の補強材として用いられるガラスクロスの織物構造が、透明複合基板の光学特性と表面平滑性とに及ぼす影響に着目し、鋭意検討した。その結果、ヨコ糸に、タテ糸のフィラメントより太い径のフィラメントを用いて、そのフィラメントの比を特定範囲とすることによって、タテ糸とヨコ糸とが同じように扁平化され、かつ、タテ糸とヨコ糸とが同じようにうねったガラスクロスとなり、その結果、タテ糸方向にもヨコ糸方向にも凹凸が小さく抑えられること、タテ糸方向とヨコ糸方向の補強効果が等しくなることを見出した。
そして、前記ガラスクロスを透明複合材料の補強材として用いることにより、ガラスクロスの凹凸に起因する樹脂塗工量の斑がタテ糸方向とヨコ糸方向のどちらも小さく抑えられ、樹脂の硬化収縮に伴う凹凸の拡大(樹脂量が多い部分ほど大きく凸になる)が抑制された表面平滑性に優れた透明複合材料が得られること、更には、タテ糸方向の硬化収縮とヨコ糸方向の硬化収縮が同程度に抑えられるため、局部的に大きな応力が発生してしまうことに起因する複屈折現象を防ぐことが可能となり、光学的にもすぐれた透明基板となることを見出し、この知見に基づき本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1] 透明樹脂とガラスクロスとを有する透明複合基板であって、該ガラスクロスを構成するタテ糸及びヨコ糸は、ともに複数のフィラメントから造られており、ともに1.8×10−6kg/m以上14.0×10−6kg/m以下の線密度を有し、かつ該タテ糸の平均フィラメント径に対する該ヨコ糸の平均フィラメント径の(ヨコ/タテ)比が、1.01以上1.27以下であり、該タテ糸の体積に対する前記ヨコ糸の体積の(ヨコ/タテ)比が、0.70以上1.25以下である、透明複合基板。
[2] 厚さが20μm以上120μm以下である、[1]に記載の透明複合基板。
[3] 前記ガラスクロスの厚さは、10μm以上40μm以下である、[1]又は[2]に記載の透明複合基板。
[4] 前記ガラスクロスを構成するタテ糸及びヨコ糸の線密度が、1.8×10−6kg/m以上8.0×10−6kg/m以下である、[1]〜[3]のいずれか一つに記載の透明複合基板。
[5] 前記タテ糸の平均フィラメント径に対する前記ヨコ糸の平均フィラメント径の前記(ヨコ/タテ)比が、1.01以上1.20未満である、[1]〜[4]のいずれか一つに記載の透明複合基板。
[6] 前記タテ糸のフィラメント数に対する前記ヨコ糸のフィラメント数の(ヨコ/タテ)比が、0.8以上1.2以下である、[1]〜[5]のいずれか一つに記載の透明複合基板。
[7] 前記ガラスクロスの幅25mmあたり5Nの荷重を、ヨコ糸方向にかけた際に生じるヨコ糸方向の歪と、該荷重をタテ糸方向にかけた際に生じるタテ糸方向の歪が共に0.25%以下であり、且つ、前記ヨコ糸方向の歪と前記タテ糸方向との比(ヨコ/タテ比)が0.5以上1.3以下である、[1]〜[6]のいずれか一つに記載の透明複合基板。
[8] 前記ヨコ糸方向の歪と前記タテ糸方向との前記比(ヨコ/タテ比)が、0.8以上1.2以下である、[7]に記載の透明複合基板。
本発明によれば、透明性と表面平滑性に優れた透明複合基板を提供することができる。
本発明で用いるガラスクロスの断面図である。 比較のガラスクロスの断面図である。
以下、本願発明について具体的に説明する。
本発明の透明複合基板は、可視光線の透過性が高い方が良く好ましく、波長400nmにおける光線透過率が78%以上、全光線透過率が80%以上であることが好ましい。より好ましくは波長400nmにおける光線透過率が79%以上、全光線透過率が83%以上であり、更に好ましくは波長400nmにおける光線透過率が80%以上、全光線透過率が85%以上である。波長400nmにおける光線透過率と全光線透過率とが上述の範囲にあると、ガラスと同等の透明性が得られるため好ましい。
本発明の透明複合基板は、透明樹脂と透明樹脂を含浸しているガラスクロスとを有する。本発明の透明樹脂とガラスクロスは、高い透明性を得るために、お互いの屈折率が実質的に等しいものを用いるのが好ましい。透明樹脂とガラスクロスの屈折率の差は、波長589nmにおいて0.02以下であることが好ましく、更に好ましくは0.01以下である。透明樹脂とガラスクロスの屈折率の差が上述の範囲にあると、透明樹脂とガラスクロスの境界が判別できない程度に透明性を高めることが可能である。透明複合基板の厚さは、20μm以上120μm以下とすることができ、好ましくは30μm以上110μm以下であり、更に好ましくは40μm以上105μm以下とすることができる。この範囲であれば、透明性、平滑性、及び強度の点で好ましい。
また、本発明に用いる透明樹脂は、アッベ数40以上65以下であることが好ましい。より好ましくはアッベ数42以上63以下、更に好ましくはアッベ数45以上60以下である。アッベ数(νd)とは、屈折率の波長依存性を示すもので、νd=(ηD−1)/(ηF−ηC)で求められる値である。ここでηC、ηD、ηFは、それぞれC線(波長656nm)、D線(波長589nm)及びF線(波長486nm)に対する屈折率である。一般に、ガラスのような無機材料ではアッベ数が比較的大きい値となるため、アッベ数が上述の範囲の透明樹脂を用いることにより、可視光領域の広い範囲で透明樹脂とガラスクロスの屈折率が近くなり、高い透明性が得られるので好ましい。
本発明の透明樹脂は、特に限定されるものではなく、例えば、エポキシ系樹脂、イソシアネート系樹脂、アクリレート系樹脂、オレフィン系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、ジアリルカーボネート系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シルセスキオキサン縮合物等が挙げられる。
しかるに、本発明の透明複合基板は、液晶表示素子や有機EL素子等の表示素子基板、カラーフィルター基板、タッチパネル基板、太陽電池基板等の耐熱性が求められる光学用途に用いる場合、それぞれの製造プロセスに耐え得る耐熱性が必要となるため、エポキシ系樹脂、イソシアネート系樹脂等の熱硬化性樹脂が好ましく、その中でもガラス転移温度が150℃以上の耐熱性を有する熱硬化性樹脂がより好ましく、200℃以上の耐熱性を有する熱硬化性樹脂が更に好ましい。耐熱性が上述の範囲にあると、液晶表示素子や有機EL素子等の表示素子基板、カラーフィルター基板、タッチパネル基板、太陽電池基板等の製造プロセスにおいて、熱による反りや歪などの発生を防止することが可能となる。
エポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂等が挙げられる。
イソシアネート系樹脂としては、芳香族系のトリレンジイソシアネート、4,4’ジフェニルメタンジイソシアネートや脂肪族系のヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
ジアリルフタレート系樹脂としては、ジアリルオルソフタレートプレポリマー、ジアリルイソフタレートプレポリマー、ジアリルテレフタレートプレポリマーなどが挙げられる。
本発明に用いる透明樹脂は1種の樹脂からなるものでもよいが、ガラスクロスとの屈折率の差をより小さくする目的等で2種以上の樹脂を組み合わせてもよい。例えば、ガラスクロスより屈折率の高い透明樹脂と、ガラスクロスより屈折率の低い透明樹脂とを適当量混合し、ガラスクロスの屈折率に近似するように調整することが可能である。また、樹脂以外の他の成分として、例えば無機系材料、各種屈折率調整剤等を組み合わせて用いることも可能である。
本発明に用いるガラスクロスとしては、タテ糸方向とヨコ糸方向ともに凹凸が少なく、かつタテ糸方向とヨコ糸方向の補強効果が同等であることが好ましい。このようなガラスクロスを用いることによって、ガラスクロスの凹凸に起因する樹脂塗工量の斑をタテ糸方向とヨコ糸方向のどちらも小さく抑えることができ、樹脂の硬化収縮に伴う凹凸の発生も小さく抑えることができ、結果として、表面平滑性に優れた透明複合材料とすることが可能となる。また、タテ糸方向の硬化収縮とヨコ糸方向の硬化収縮とが同程度に小さく抑えられるため、局部的に大きな応力が発生してしまうことに起因する複屈折現象を防ぐことが可能となり、光学的にすぐれた透明基板とすることが可能となる。
以下に、上述の特性を有するガラスクロスについて説明する。
まず、本発明に用いるガラスクロスは、透明樹脂を含浸しており、当然に透明複合基板よりも薄い。そのガラスクロスの厚さは、10μm以上40μm以下とすることができ、好ましくは10μm以上35μm以下、更に好ましくは10μm以上30μm以下とすることができる。ガラスクロスの厚さが40μmより薄いと、目的とする透明複合基板の厚さにもよるが、透明複合基板における樹脂の割合を多くすることが可能となり、ガラスクロスの凹凸に起因する塗工量の斑の影響が少なくなるため、表面平滑性や透明性に優れた透明複合基板が得られるため好ましい。強度の観点からガラスクロスの厚さは10μmより厚いことが好ましい。厚さ10μm以上40μm以下の範囲において、実用上問題のない強度を有し、且つ、表面平滑性や透明性に優れた透明複合基板が得られるので好ましい。
次に、本発明に用いるガラスクロスを構成するタテ糸及びヨコ糸は、複数のフィラメントから造られており、ともに1.8×10−6kg/m以上14.0×10−6kg/m以下の線密度とすることができる。線密度は、好ましくは2.2×10−6kg/m以上8.0×10−6kg/m以下であり、さらに好ましくは2.9×10−6kg/m以上6.0×10−6kg/m以下である。構成するタテ糸及びヨコ糸が14×10−6kg/mより小さいと、ガラスクロスの表面粗度を小さくすることが可能なので好ましい。タテ糸及びヨコ糸の単位長さ当たりの重さは小さい方が表面粗度を小さくできるので好ましいが、ガラスクロスの強度の観点から、1.8×10−6kg/m以上が好ましい。構成するタテ糸及びヨコ糸を1.8×10−6kg/m以上14.0×10−6kg/m以下のガラス糸とすることで、表面粗度が小さく、実用的な強度を有するので好ましい。
さらに、本発明に用いるガラスクロスは、タテ糸の平均フィラメント径に対するヨコ糸の平均フィラメント径の(ヨコ/タテ)比が1.01以上1.27以下とすることができる。好ましくは1.05以上1.20未満、より好ましくは1.07以上1.17未満とすることができる。タテ糸の平均フィラメント径に対するヨコ糸の平均フィラメント径の(ヨコ/タテ)比が1.01より大きいと、ヨコ糸の剛性の方がタテ糸の剛性より強くなるため、製織過程で張力がかかり保持されているタテ糸と、張力がかかっていないヨコ糸のうねりが同等となり、その結果、タテ糸方向とヨコ糸方向の補強効果が同等となるため好ましい。また、タテ糸が開繊加工などにより拡幅されやすくなるため、タテ糸による凸部を小さくし、タテ糸方向とヨコ糸方向のどちらも凹凸を小さくすることが可能となるため好ましい。タテ糸の平均フィラメント径に対するヨコ糸の平均フィラメント径の(ヨコ/タテ)比が1.27未満だと、ヨコ糸の剛性とタテ糸の剛性の比を適度に大きい範囲におさめることができるため、ヨコ糸の機械的強度がタテ糸の機械的強度と同等になり、タテ糸方向とヨコ糸方向の補強効果が同等となるため好ましい。タテ糸の平均フィラメント径に対するヨコ糸の平均フィラメント径の(ヨコ/タテ)比が1.01以上1.27以下の範囲にある時、ヨコ糸の剛性向上とうねりの低減、ならびにタテ糸のうねりの増加が適度となり、タテ糸方向とヨコ糸方向のどちらも凹凸が小さく、かつ、タテ糸方向とヨコ糸方向の補強効果が小さくなるので好ましい。ここで、ヨコ糸の平均フィラメント径は、好ましくは3.0μm以上7.0μm以下とすることができ、より好ましくは3.5μm以上6μm以下、更に好ましくは3.8μm以上6.0μm以下とすることができる。ヨコ糸の平均フィラメント径が3.0μm以上であれば、透明樹脂の熱膨張等に対する補強効果を強くできるため好ましい。また、ヨコ糸の平均フィラメント径が7.0μm以下であれば、ガラスクロスの凹凸を小さくしやすいため好ましい。ヨコ糸の平均フィラメント径が上述の範囲にある時、熱膨張率が小さく、表面平滑性に優れる透明基板が得られるので好ましい。
また、本発明に用いるガラスクロスは、ガラスクロスの幅25mmあたり5Nの荷重をヨコ糸方向にかけた際に生じるヨコ糸方向の歪と、該荷重をタテ糸方向にかけた際に生じるタテ糸方向の歪が、共に0.25%以下となることができ、且つ、ヨコ糸方向の歪とタテ糸方向の歪の比(ヨコ/タテ比)が、0.5以上1.3以下であることが好ましい。
ヨコ糸方向の歪及びタテ糸方向の歪のより好ましい範囲は、0.24%以下であり、更に好ましい範囲は0.23%以下である。また、ヨコ糸方向の歪とタテ糸方向の歪の比(ヨコ/タテ比)のより好ましい範囲は、0.8以上1.2以下であり、更に好ましい範囲は、0.9以上1.1以下である。ヨコ糸方向の歪とタテ糸方向の歪、及びその比が上述の範囲にある時、ガラスクロスの補強効果が大きく、かつ、タテ糸方向とヨコ糸方向の補強効果が同等となるので好ましい。
また、本発明に用いるガラスクロスを構成するタテ糸に対するヨコ糸のフィラメント数の(ヨコ/タテ)比は、0.8以上1.2以下であることが好ましく、より好ましくは0.85以上1.15以下、さらに好ましくは0.9以上1.0以下である。フィラメント数の比が0.8以上1.2以下で、タテ糸或いはヨコ糸の補強効果が強くなりすぎることなく、表面平滑性にも優れるので好ましい。
また、本発明に用いるガラスクロスは糸束のZ方向のフィラメント分布が少ない方が表面粗度が小さくなるため糸束は充分に拡幅されている状態が好ましい。そのためには糸束のフィラメント数は少ない方が好ましいが、ガラス糸として取扱うためには50本以上有することが好ましい。よって、糸束が充分に拡幅され表面粗度を小さくするためには、ガラス糸のフィラメント数は50本以上204本以下が好ましく、102本程度がより好ましい。
また、タテ糸の体積に対するヨコ糸の体積の(ヨコ/タテ)比は、0.70以上1.25以下であることが好ましく、より好ましくは0.75以上1.20以下、さらに好ましくは0.80以上1.15以下である。タテ糸に対するヨコ糸の体積(ヨコ/タテ)比が0.8以上1.2以下の範囲にあれば、ヨコ糸の剛性向上とうねりの低減、及びタテ糸のうねりの増加が適度となり、タテ糸とヨコ糸の補強効果の同等性が保たれる範囲でヨコ糸の機械的強度がタテ糸と同等以上になるので好ましい。ここで、タテ糸の体積とは、幅25mm、長さ1mのガラスクロスに存在するタテ糸の体積であり、タテ糸を構成するフィラメントの本数と平均径(直径)、およびタテ糸の織密度を用いて求める値である。
タテ糸の体積(m)=((平均フィラメント径(m)×0.5)×3.14)×1m×フィラメント本数×織密度
また、ヨコ糸の体積とは、幅25mm、長さ1mのガラスクロスに存在するヨコ糸の体積であり、タテ糸の体積と同様の方法で求める値である。
また、本発明に用いるガラスクロスは、タテ糸の打ち込み密度に対するヨコ糸の打ち込み密度の(ヨコ/タテ)比が1.01以上1.65以下であることが好ましく、より好ましくは1.08以上1.55以下、さらに好ましくは1.1以上1.5以下である。タテ糸の打ち込み密度に対するヨコ糸の打ち込み密度の(ヨコ/タテ)比が1.01以上1.65以下の範囲であれば、ヨコ糸のうねりの低減、及びタテ糸のうねりの増加が適度となり、タテ糸方向とヨコ糸方向の補強効果が同等になるので好ましい。
また、本発明に用いるガラスクロスは、開繊処理等を実施することにより構成する糸の扁平化加工を行うことが好ましい。扁平化加工を行うことにより、ガラスクロスの凹凸を小さくすることができるので好ましい。また、扁平化加工を行うことにより、ガラスクロスの厚みを厚くすることなく、ガラス充填量を比較的多くすることができるため、ガラスクロス全体の剛性が向上し、補強効果が増強する方向に作用するので好ましい。
開繊処理としては、例えば、水流圧力による開繊、液体を媒体とした高周波の振動による開繊、面圧を有する流体の圧力による加工、ロールによる加圧での加工等が挙げられる。これらの開繊処理法の中では、水流圧力による開繊、又は液体を媒体とした高周波の振動による開繊を使用することが、均一性のためにより好ましい。また、扁平化加の効果を高めるためには、搬送のためにガラスクロスにかかる張力を小さくした状態で開繊処理等を実施することが好ましい。
さらに、ガラス糸に滑剤の特性を示す有機物が付着した状態のガラスクロス、又は通常のガラスクロスを製織する際に使用されるバインダー、糊剤等が付着した状態のガラスクロス(以下、「生機」という。)での扁平化加工、或いはこれらの手法を組み合わせた扁平化加工を行うことは、ガラスクロスの厚みを低減する効果が大きく、ガラスクロスの厚みを厚くすることなく充填できるガラス量を多くすることができるので好ましい。また、開繊処理を行った後に、次に述べるシランカップリング剤による表面処理を施し、さらに開繊処理を施すことにより、集束したフィラメント間の隙間をさらに広げることが可能である。
ここで、開繊処理により糸束が拡幅された状態となると、樹脂ワニスの含浸性が改善されるため、ガラスとマトリックス樹脂とがより均一となり、耐熱性等が向上する利点も得られる。
本発明に用いるガラスクロスを構成するガラス糸は特に限定されるものでなく、一般に商業生産されているEガラス(無アルカリガラス)、Dガラス、Lガラス、NEガラス等の低誘電率ガラス、Sガラス、Tガラス等の高強度ガラス、Hガラス等の高誘電率ガラス等を使用してもよい。
また、ガラスクロスには、通常シランカップリング剤を含んだ処理液による表面処理が施されるが、該シランカップリング剤としては通常一般に用いられるシランカップリング剤を使用することができ、必要に応じて、酸、染料、顔料、界面活性剤などを添加してもよい。
本発明の透明複合基板は、常法に従って製造することができる。例えば、上述のガラスクロスに、上述の透明樹脂を有機溶剤で希釈したワニスを含浸させた後、乾燥炉にて有機溶剤を揮発させ、熱硬化性樹脂をBステージ状態(半硬化状態)にまで硬化させた後に真空プレスで成形する方法など、積層板の製造方法の全てを利用することが可能である。
本発明の透明複合基板は、必要に応じて、透明性、耐熱性等の特性を損なわない範囲で、少量の酸化防止剤、紫外線吸収剤、染顔料、他の無機フィラー等の充填剤等を含んでいても良い。また同様に、透明性、耐熱性等の特性を損なわない範囲で、必要に応じて平面平滑化処理を実施することができる。平面平滑化処理の方法としては体積収縮率が10%未満の硬化性有機塗料及び/又は硬化性無機有機ハイブリッド塗料の塗布及び塗布後の光硬化及び/又は熱硬化処理が挙げられる。更には、必要に応じて複合材料の片面又は両面に無機ガスバリヤー層を設けることができる。これらは無機蒸着及び/又は無機スパッタにより形成可能であり、単層であっても複数層の繰り返し積層物であっても構わない。望ましいガスバリヤー層としてはSiNx及びSiOxから成る積層物であって複合材料の両面に設けられたものが挙げられる。ガスバリヤー層の厚みとしては、製造される無機層の緻密さによって異なり一概には言えないが、一般的には0μmより大きく1μm以下が好ましい。また、上記ガスバリヤー層は反射防止の機能も有するので、全光線透過率を向上させる効果を与える。例えば0.1μmの厚みのSiOxのガスバリヤー層を設けると全光線透過率は4〜5%程度向上する。
本発明の透明複合基板は、複屈折性により生じるレターデーションが小さい方が好ましく、正面レターデーション値が1.0以下、角度40°のレターデーション値が8.0以下であることが好ましい。より好ましくは正面レターデーション値が0.8以下、角度40°のレターデーション値が7.5以下であり、更に好ましくは正面レターデーション値が0.7以下、角度40°のレターデーション値が7.0以下である。レターデーション値が上述の範囲にあると、ガラスと同等の透明性が得られるため好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例などにより何ら限定されるものではない。なお、実施例、比較例における各物性の測定方法は以下の通りである。
(1)ガラスクロスに荷重5N/25mmかけた時のタテ糸方向およびヨコ糸方向の歪
JIS3420を準用して測定した。
(2)全光線透過率
透明複合基材から任意に30mm四方に裁断したフィルムを評価試料とし、ヘイズメーター(日本電色工業株式会社製、NDH;2000)を用いて、JIS−K−7361に準拠して測定した。
(3)波長400nmにおける光線透過率
透明複合基材から任意に30mm四方に裁断したフィルムを評価試料とし、分光光度計(株式会社島津製作所制、UV−2450)を用いて測定した。
(4)Re0及びRe40(レターデーション値)
透明複合基材から任意に30mm四方に裁断したフィルムを評価試料とし、下記(5)の方法で屈折率を測定した。次いで、位相複屈折測定装置(王子計測機器株式会社製、KOBRA−WR)を用いて、複合材料の正面レターデーション値(Re0)及び複屈折の角度依存性の指標である膜厚100μmに換算した角度40°のレターデーション値(Re40)を測定した。具体的には計測波長として589nmの光を用い、遅相軸を自動的に決定したあと、その遅相軸を傾斜回転軸として、評価試料の法線方向に対して0°から+40°、次いで−40°から+40°の範囲でステージを連続的に傾斜させながら、測定を実施した。法線方向に対して0°のレターデーションをRe0、+40°及び−40°の各角度のレターデーション値を平均化し、事前に測定した試料厚みを用いて100μm厚みに換算した値をRe40とした。
(5)屈折率
25℃の恒温室に設置したメトリコン社製モデル2010プリズムカップラーを用いて測定した。サンプルとしては一昼夜測定を実施する25℃の恒温室で養生したものを使用した。同装置により波長532nm、632.8nm、824nmの測定結果からコーシーの式を利用して屈折率の波長分散図を求め、波長589nmの屈折率を求めた。
(6)表面平滑性
透明複合基材から任意に50mm四方に裁断したフィルムを評価試料とし、触針式表面粗さ測定器(東京精密株式会社製:SUFKOM E―MD)を用い、CUTOFF0.8mm、LENGTH4mm、SPEED0.3mm/sの条件にて測定した。
実施例1
タテ糸に平均フィラメント径4.5μm、フィラメント数100本、撚り数1.0Z、単位長さ当りの重量4.2×10−6kg/mのEガラスの糸、ヨコ糸に平均フィラメント径5.0μm、フィラメント数100本、撚り数1.0Z、単位長さ当りの重量5.6×10−6kg/mのEガラスの糸を使用し、タテ糸90本/25mm、ヨコ糸62本/25mmの織密度でガラスクロスを製織した。得られた生機に400℃で24時間加熱処理し脱糊した。次いで、シランカップリング剤であるSZ6032(東レ・ダウコーニング社製)を用いた処理液にガラスクロスを浸漬し、絞液後、120℃で1分乾燥し、さらに柱状流による開繊加工を施し、重量27g/m、厚さ28μmのガラスクロスaを得た。
ガラスクロスaの断面図を図1に示した。ガラスクロスaは、ガラスクロスh(図2、比較例1)と比べて、タテ糸、ヨコ糸ともにバランスよく扁平化されており、糸のうねりもタテ糸とヨコ糸とでバランスの良いものであった。また、ガラスクロスaを一定速度で引っ張った際の5N時点での歪を測定し、表1に示した。ガラスクロスaは等方性に優れるものであった。
次いで、特開2009−221320号公報の実施例に記載された方法で作成したエポキシ樹脂80重量部、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(シグマアルドリッチ社製)20重量部、アニオン触媒(U−CAT12XD、サンアプロ社製)3重量部を、トルエンとシクロヘキサノンの混合溶媒(トルエン:シクロヘキサノン=3:1、重量比)200重量部に溶解し、透明樹脂ワニスXを得た。
次いで、ガラスクロスaを透明樹脂ワニスXに浸漬し、スリットで余分なワニスを掻き落とした後、140℃のオーブン内で6分間乾燥し、該透明樹脂Xを半硬化(Bステージ化)させたプリプレグを得た。次いで、該プリプレグを2枚重ね、真空プレスを用いて200℃、20kgf/cmの条件で圧縮成型し、厚さ93μmの透明複合基板Aを得た。
透明複合基板Aの全光線透過率、波長400nmにおける光線透過率、表面平滑性、レタデーション(Re0、Re40)を測定し、表2に示した。透明複合基板Aは、光学特性(特に複屈折の角度依存性が小さい)、表面平滑性の優れたものであった。
実施例2
特開2009−221320号公報の実施例に記載された方法で作成したエポキシ樹脂60重量部、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(シグマアルドリッチ社製)10重量部、ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物(DIC製、HP−7200)30重量部、カチオン触媒(SP150、ADEKA製)8重量部をトルエンとシクロヘキサノンの混合溶媒(トルエン:シクロヘキサノン=3:1、重量比)200重量部に溶解し、透明樹脂ワニスYを得た。
次いで、実施例1で得られたガラスクロスaを透明樹脂ワニスYに浸漬し、実施例1と同様の方法で厚さ94μmの透明複合基板Bを得た。
透明複合基板Bの全光線透過率、波長400nmにおける光線透過率、表面平滑性、レタデーション(Re0、Re40)を測定し、表2に示した。透明複合基板Bは、光学特性(特に複屈折の角度依存性が小さい)、表面平滑性の優れたものであった。
実施例3
タテ糸に平均フィラメント径4.0μm、フィラメント数100本、撚り数1.0Z、単位長さ当りの重量3.4×10−6kg/mのEガラスの糸、ヨコ糸に平均フィラメント径4.5μm、フィラメント数100本、撚り数1.0Z、単位長さ当りの重量4.2×10−6kg/mのEガラスの糸を使用し、タテ糸75本/25mm、ヨコ糸50本/25mmの織密度でガラスクロスを製織した。得られた生機に400℃で24時間加熱処理し脱糊した。次いで、シランカップリング剤であるSZ6032(東レ・ダウコーニング社製)を用いた処理液にガラスのクロスを浸漬し、絞液後、120℃で1分乾燥し、さらに柱状流による開繊加工を施し、重量18g/m、厚さ18μmのガラスクロスbを得た。ガラスクロスbを一定速度で引っ張った際の5N時点での歪を測定し、表1に示した。ガラスクロスbは等方性に優れるものであった。
次いで、ガラスクロスbを用いる以外は実施例1と同様の方法で透明樹脂ワニスの含浸とプレスを行い、厚さ79μmの透明複合基板Cを得た。透明複合基板Cの全光線透過率、波長400nmにおける光線透過率、表面平滑性、レタデーション(Re0、Re40)を測定し、表2に示した。透明複合基板Cは、光学特性(特に複屈折の角度依存性が小さい)、表面平滑性の優れたものであった。
実施例4
ヨコ糸の織密度を60本/25mmとする以外は実施例3と同様の製法でガラスクロスの製織とそれに次ぐ処理を行い、重量20g/m、厚さ19μmのガラスクロスcを得た。ガラスクロスcを一定速度で引っ張った際の5N時点での歪を測定し、表1に示した。ガラスクロスcは等方性に優れるものであった。
次いで、ガラスクロスcを用いる以外は実施例1と同様の方法で透明樹脂ワニスの含浸とプレスを行い、厚さ81μmの透明複合基板Dを得た。透明複合基板Dの全光線透過率、波長400nmにおける光線透過率、表面平滑性、レタデーション(Re0、Re40)を測定し、表2に示した。透明複合基板Dは、光学特性(特に複屈折の角度依存性が小さい)、表面平滑性の優れたものであった。
実施例5
ヨコ糸の織密度を67本/25mmとする以外は実施例3と同様の製法でガラスクロスの製織とそれに次ぐ処理を行い、重量21g/m、厚さ21μmのガラスクロスdを得た。ガラスクロスdを一定速度で引っ張った際の5N時点での歪を測定し、表1に示した。ガラスクロスdは等方性に優れるものであった。
次いで、ガラスクロスdを用いる以外は実施例1と同様の方法で透明樹脂ワニスの含浸とプレスを行い、厚さ83μmの透明複合基板Eを得た。透明複合基板Eの全光線透過率、波長400nmにおける光線透過率、表面平滑性、レタデーション(Re0、Re40)を測定し、表2に示した。透明複合基板Eは、光学特性(特に複屈折の角度依存性が小さい)、表面平滑性の優れたものであった。
実施例6
ヨコ糸の織密度を42本/25mmとする以外は実施例3と同様の製法でガラスクロスの製織とそれに次ぐ処理を行い、重量15g/m、厚さ17μmのガラスクロスeを得た。ガラスクロスeを一定速度で引っ張った際の5N時点での歪を測定し、表1に示した。ガラスクロスeは等方性に優れるものであった。
次いで、ガラスクロスeを用いる以外は実施例1と同様の方法で透明樹脂ワニスの含浸とプレスを行い、厚さ80μmの透明複合基板Fを得た。透明複合基板Fの全光線透過率、波長400nmにおける光線透過率、表面平滑性、レタデーション(Re0、Re40)を測定し、表2に示した。透明複合基板Fは、光学特性(特に複屈折の角度依存性が小さい)、表面平滑性の優れたものであった。
実施例7
ヨコ糸の織密度を72本/25mmとする以外は実施例3と同様の製法でガラスクロスの製織とそれに次ぐ処理を行い、重量23g/m、厚さ25μmのガラスクロスfを得た。ガラスクロスfを一定速度で引っ張った際の5N時点での歪を測定し、表1に示した。ガラスクロスfは等方性に優れるものであった。
次いで、ガラスクロスfを用いる以外は実施例1と同様の方法で透明樹脂ワニスの含浸とプレスを行い、厚さ83μmの透明複合基板Gを得た。透明複合基板Gの全光線透過率、波長400nmにおける光線透過率、表面平滑性、レタデーション(Re0、Re40)を測定し、表2に示した。透明複合基板Gは、光学特性(特に複屈折の角度依存性が小さい)、表面平滑性の優れたものであった。
実施例8
タテ糸及びヨコ糸の撚り数を0.2Zとする以外は実施例4と同様の方法でガラスクロスの製織とそれに次ぐ処理を行い、重量20g/m、厚さ19μmのガラスクロスgを得た。ガラスクロスgを一定速度で引っ張った際の5N時点での歪を測定し、表1に示した。ガラスクロスgは等方性に優れるものであった。
次いで、ガラスクロスgを用いる以外は実施例1と同様の方法で透明樹脂ワニスの含浸とプレスを行い、厚さ80μmの透明複合基板Hを得た。透明複合基板Hの全光線透過率、波長400nmにおける光線透過率、表面平滑性、レタデーション(Re0、Re40)を測定し、表2に示した。透明複合基板Hは、光学特性(特に複屈折の角度依存性が小さい)、表面平滑性の優れたものであった。
比較例1
タテ糸、ヨコ糸ともに平均フィラメント径4.5μm、フィラメント数100本、撚り数1.0Z、単位長さ当りの重量4.2×10−6kg/mのEガラスの糸を使用し、タテ糸90本/25mm、ヨコ糸93本/25mmの織密度とする以外は実施例1と同様の方法でガラスクロスの製織とそれに次ぐ処理を行い、重量26g/m、厚さ30μmのガラスクロスhを得た。
ガラスクロスhの断面図を図2に示した。ガラスクロスhは、タテ糸の扁平化が不十分でタテ糸のみ大きく盛り上がっており、また、ヨコ糸のみ大きくうねっており、タテ糸ヨコ糸のバランスの悪いものであった。また、ガラスクロスhを一定速度で引っ張った際の5N時点での歪を測定し、表1に示した。ガラスクロスhは等方性に欠けるものであった。
次いで、ガラスクロスhを用いる以外は実施例1と同様の方法で透明樹脂ワニスの含浸とプレスを行い、厚さ96μmの透明複合基板Iを得た。透明複合基板Iの全光線透過率、波長400nmにおける光線透過率、表面平滑性、レタデーション(Re0、Re40)を測定し、表2に示した。透明複合基板Iは透明性、表面平滑性に欠けるものであった。
比較例2
タテ糸、ヨコ糸ともに平均フィラメント径4.0μm、フィラメント数100本、撚り数1.0Z、単位長さ当りの重量3.4×10−6kg/mのEガラスの糸を使用し、タテ糸75本/25mm、ヨコ糸75本/25mmの織密度とする以外は実施例1と同様の方法でガラスクロスの製織とそれに次ぐ処理を行い、重量20g/m、厚さ21μmのガラスクロスiを得た。ガラスクロスiを一定速度で引っ張った際の5N時点での歪を測定し、表1に示した。ガラスクロスiは等方性に欠けるものであった。
次いで、ガラスクロスiを用いる以外は実施例1と同様の方法で透明樹脂ワニスの含浸とプレスを行い、厚さ86μmの透明複合基板Jを得た。透明複合基板Jの全光線透過率、波長400nmにおける光線透過率、表面平滑性、レタデーション(Re0、Re40)を測定し、表2に示した。透明複合基板Jは透明性、表面平滑性に欠けるものであった。
比較例3
タテ糸、ヨコ糸ともに平均フィラメント径4.0μm、フィラメント数100本、撚り数1.0Z、単位長さ当りの重量3.4×10−6kg/mのEガラスの糸を使用し、タテ糸75本/25mm、ヨコ糸75本/25mmの織密度でガラスクロスを製織した。得られた生機に4.9N/mの張力下で高圧散水流による開繊加工(加工圧196N/cm2)方法を施した。その後400℃で24時間加熱処理し脱糊した。続いて、シランカップリング剤であるSZ6032(東レ・ダウコーニング社製)を用いた処理液にガラスのクロスを浸漬し、絞液後、120℃で1分乾燥し、さらに柱状流による開繊加工を施し、重量20g/m、厚さ20μmのガラスクロスjを得た(ガラスクロスの化学的、物理的処理はWO2004/027136号公報の実施例2の方法に準拠した)。
ガラスクロスjを一定速度で引っ張った際の5N時点での歪を測定し、表1に示した。ガラスクロスjは等方性に欠けるものだった。
次いで、ガラスクロスjを用いる以外は実施例1と同様の方法で透明樹脂ワニスの含浸とプレスを行い、厚さ84μmの透明複合基板Kを得た。透明複合基板Kの全光線透過率、波長400nmにおける光線透過率、表面平滑性、レタデーション(Re0、Re40)を測定し、表2に示した。透明複合基板Kは透明性、表面平滑性に欠けるものであった。
本発明の透明複合基板は、液晶表示素子や有機EL素子用の表示素子基板、カラーフィルター基板、タッチパネル基板、太陽電池基板等の用途に広く用いることができる。

Claims (8)

  1. 透明樹脂とガラスクロスとを有する透明複合基板であって、該ガラスクロスを構成するタテ糸及びヨコ糸は、ともに複数のフィラメントから造られており、ともに1.8×10−6kg/m以上14.0×10−6kg/m以下の線密度を有し、かつ該タテ糸の平均フィラメント径に対する該ヨコ糸の平均フィラメント径の(ヨコ/タテ)比が、1.01以上1.27以下であり、該タテ糸の体積に対する前記ヨコ糸の体積の(ヨコ/タテ)比が、0.70以上1.25以下である、透明複合基板。
  2. 厚さが20μm以上120μm以下である、請求項1に記載の透明複合基板。
  3. 前記ガラスクロスの厚さは、10μm以上40μm以下である、請求項1又は2に記載の透明複合基板
  4. 前記ガラスクロスを構成するタテ糸及びヨコ糸の線密度が、1.8×10−6kg/m以上8.0×10−6kg/m以下である、請求項1〜3の何れか1項に記載の透明複合基板。
  5. 前記タテ糸の平均フィラメント径に対する前記ヨコ糸の平均フィラメント径の前記(ヨコ/タテ)比が、1.01以上1.20未満である、請求項1〜4の何れか1項に記載の透明複合基板。
  6. 前記タテ糸のフィラメント数に対する前記ヨコ糸のフィラメント数の(ヨコ/タテ)比が、0.8以上1.2以下である、請求項1〜5の何れか1項に記載の透明複合基板。
  7. 前記ガラスクロスの幅25mmあたり5Nの荷重を、ヨコ糸方向にかけた際に生じるヨコ糸方向の歪と、該荷重をタテ糸方向にかけた際に生じるタテ糸方向の歪が共に0.25%以下であり、且つ、前記ヨコ糸方向の歪と前記タテ糸方向との比(ヨコ/タテ比)が0.5以上1.3以下である、請求項1〜6の何れか1項に記載の透明複合基板。
  8. 前記ヨコ糸方向の歪と前記タテ糸方向との前記比(ヨコ/タテ比)が、0.8以上1.2以下である、請求項7に記載の透明複合基板。
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