JP4393077B2 - 透明基板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はエレクトロルミネセンス(EL)素子、液晶(LCD)素子などの各種エレクトロニクス表示素子に用いられる透明基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶素子等のエレクトロニクス表示素子に対して、薄膜化、軽量化、大型化、任意の形状化、曲面表示対応など高度な要求がなされている。特に、携帯機器用のエレクトロニクス表示素子に対しては、軽量化、高耐久性が強く要求され、これら用途への展開が拡大されるに従い、従来のガラス基板のものに替り、樹脂基板の表示パネルが検討、一部実用化されている。加えて、液晶素子のカラー動画化の流れに伴い、高速応答性が必要となり、TFT液晶素子への需要が高まりつつあるが、TFT液晶素子用透明基板には依然として、ガラス基板が主として使われており、軽量化、高耐久性化、フレキシブル性(以下「フレキ性」ともいう。)化の強い要求から樹脂基板化が望まれている。
【0003】
しかしながら、上述の樹脂基板では、耐熱性が不十分であり、金属半導体膜や絶縁体膜をCVDで蒸着する工程において、ソリや変形を発生させることがある。さらに、該樹脂基板を形成する樹脂と蒸着したITO膜等の透明電極との熱膨張率差から、特に蒸着時に高い温度変化にさらされるTFT液晶素子用の透明基板用途においては、該透明電極に亀裂が生じることもあり、その実用化には到っていない。
一方、それらを回避する目的で、ガラスエポキシ積層板等の樹脂を含浸させたガラス繊維布を含む積層板を表示素子用基板として使用することが知られているが(特許文献1参照)、透明性を要しない反射型液晶表示基板用途であり、透明基板としては使用できないものであった。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−2812号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、液晶素子等のエレクトロニクス表示素子に対して要求される、薄膜化、軽量化、大型化、任意の形状化、曲面表示などに対応しつつ、かつ、加工時の寸法安定性等、機械的特性にも優れたエレクトロニクス表示素子に用いられる透明基板を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、透明基板としてガラスクロスで補強された透明な樹脂基板を使用することで、従来のガラス基板に比較し、薄く軽量でフレキ性に優れ、かつ寸法安定性等の機械的特性にすぐれた透明基板を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下のエレクトロニクス表示素子に用いる透明基板である。
1.ガラスクロスと樹脂からなる基板であって、波長400nmから700nmの全領域に亘って光透過率が80%以上であり、ガラスクロスがEガラスよりなり、ガラスクロスを構成するタテ糸同士、またヨコ糸同士の少なくとも片方において、隣り合う糸間の間隙が実質的に存在しないことを特徴とするエレクトロニクス表示素子に用いる透明基板。
2.上述の樹脂が熱硬化樹脂であることを特徴とする上記1に記載のエレクトロニクス表示素子に用いる透明基板。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のガラスクロスを補強材とした透明基板は、使用される波長領域で透明であることが必須である。ここで、「透明」とは波長400nmから700nmの全領域において、光透過率が80%以上であることをいうものとする。そして、所謂可視光領域である380nmから800nmの全領域において光透過率が80%以上であることがより好ましい。
【0008】
複合材料において透明であることは、該複合材料を構成する各材料のそれぞれが透明であることに加えて、各材料が有する屈折率が互いにほぼ等しいことが必要条件となる。一般に商業的に生産されているガラスクロス用のガラスとしてはその良好な電気絶縁性、機械的特性等からEガラスが用いられてきた。このEガラスの屈折率(ナトリウムD線波長での値をいう。)は1.56(日本電気硝子株式会社カタログ値)であり、その他特殊な場合に使用される特殊ガラス、例えば、Dガラスは1.46(日本電気硝子株式会社カタログ値)、Tガラスは1.525(日東紡績株式会社技術資料)等である。
【0009】
一方、ガラスクロス樹脂積層板に使用される樹脂としては、例えば、エポキシ基を有する化合物を、アミン基を有する化合物、イソシアネート基を有する化合物、ジシアンジアミド、ヒドラジド基を有する化合物、酸無水物、カルボキシル基を有する化合物等で硬化させるエポキシ樹脂;エポキシアクリレートや不飽和ポリエステルを熱重合及び/またはベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物で硬化させる樹脂;水酸基及び/またはアミノ基を有する化合物を、イソシアネート基を有する化合物により硬化させるウレタン樹脂;メラミン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0010】
しかるに、本発明の透明基板に使用する樹脂としては、液晶パネルを組み立てるパネル化プロセス等で要求される耐熱性を満足させるために、熱硬化性樹脂が好ましい。その中でも、ガラス転移温度が150℃以上の耐熱性を有する熱硬化性樹脂がより好ましく、170℃以上の耐熱性を有する熱硬化性樹脂が最も好ましい。該透明基板を構成する樹脂のガラス転移温度が150℃以上であれば、透明電極の形成工程、封止剤の熱硬化工程及びヒートシール工程のプロセスにおいて、熱によるソリや変形の発生を防止することが可能となる。
【0011】
また、本発明の透明基板に使用する樹脂は、該透明基板の透明性を確保するために、波長400nmから700nmの全領域に亘っての樹脂自体の光透過率が高く、かつ基材として使用するガラスとほぼ同じ屈折率であることが必要である。すなわち、該透明基板を構成する樹脂とガラスの屈折率差は、波長400nmから700nmの全領域に亘って0.04以下であることが好ましく、0.03以下であることがより好ましく、0.02以下であることが最も好ましい。該屈折率差が0.04より大きい場合は、透明基板の光透過率を80%以上にするためには、透明基板が含有するガラス含量を極めて少なくするか極めて薄い透明基板とする必要があり、実用的な透明基板を得ることは困難になる。
【0012】
経済性を考慮した場合、本発明の透明基板に使用する樹脂は、その屈折率を使用するガラスの屈折率にあわせるように選択することが好ましく、これらの条件を鑑み、適宜、上述のエポキシ樹脂等の樹脂群の中から選択して使用することができる。樹脂の選択にあたっては、樹脂フィルムを作成してその屈折率を測定しガラスとの屈折率差を求めてもよいし、実際にガラスクロスと樹脂からなる透明基板を作成してその光透過率を測定しても良い。屈折率の測定には、屈折計を使用する方法や分光器で表面反射率を測定して計算により屈折率を算出する方法が好適に使用できる。また、光透過率の測定には、分光器で測定する方法が好適に使用できる。
【0013】
このようにして選択した樹脂の屈折率とガラスの屈折率との差が大きく、80%以上の光透過率が得られない場合は、以下のようにして組成を補正することが可能である。
樹脂の屈折率がガラスより低い場合には、硬化時に高屈折率を示す成分を添加、ないしはその含有量を増加させる。このような成分としては、芳香環、環状脂肪族を有する化合物、又は、臭素等のハロゲン元素(但しフッ素を除く。)やイオウを導入した化合物が挙げられる。臭素化された化合物は着色または環境上の問題があり、多環縮合型の芳香族化合物は400nm付近に吸収を持つ可能性があるので、ビスフェノールA型ノボラックエポキシ樹脂等のフェニル基を有する化合物を添加するのが好ましい。また、紫外線による影響を受けにくく、且つ屈折率が高い構造を有するシクロヘキサンジカルボン酸無水物等の脂環式化合物、水素添加されたビスフェノールAからのエポキシ樹脂を添加することも好ましい。
樹脂の屈折率がガラスより高い場合には、硬化時に低屈折率を示す成分を添加、ないしはその含有量を増加させる。このような成分としては、脂肪族の化合物またはフッ素化された化合物が挙げられる。エポキシ樹脂の場合、エチレン−グリシジルメタクリレートの共重合体や、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルなどの添加が好ましい。
【0014】
本発明において、透明基板を構成するガラスクロスとしてEガラスを使用する場合には、樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、もしくはそれらの混合物のいずれかを酸無水物で硬化することによって得られる樹脂、またはジアリルフタレート樹脂が好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、またはそれらの混合物のいずれかを酸無水物で硬化することによって得られる樹脂がより好ましい。
本発明の透明基板の場合には、フレキ性の観点、及び基板の薄型要求から、構成する基材としてのガラスクロスの厚みは10〜100μmが好ましく、10〜50μmであることがより望ましい。
【0015】
また、エレクトロニクス表示素子に用いられる透明電極用基板においては、表面粗度が小さいことが要求される。そのためには、ガラスクロスを構成する糸の単糸径が細い方が効果的であり、平均単糸径が3.5〜6.0μmであることが好ましく、3.5〜5.0μmであることがより望ましい。なお、本発明において表面粗度は表面粗度計(商品名SUFCOM E−MD S75A:東京精密株式会社製)によって測定されたRmax値で定義するものとする。
また、ガラスクロスのフレキ性はガラスクロスを構成する糸の単糸径が細いほど高くなるので、この点からも上述の範囲の単糸径であることが好ましい。
【0016】
また、織物構造から該透明基板の表面粗度を小さくする手段としては、織物のバスケットホールを小さくすること、つまり、織物平面上にガラス繊維が分布していない面積の割合をできる限り少なくすることが重要である。これは熱硬化性樹脂の硬化収縮により、バスケットホールに沿って微小な凹凸が発生し、表面粗度が悪化することを防ぐことを目的としている。さらには、ガラスクロスを構成するタテ糸とヨコ糸の形状を同等にし、かつそれぞれの糸のうねり状態を同等にすることでガラスクロスの異方性を軽減することも、該透明基板の表面粗度の改善に効果がある。同時に、該糸束の厚み方向(以下、「Z方向」という。)の単糸分布が少ない方が該透明基板の表面粗度は改善される。
【0017】
上述のバスケットホールが小さく、異方性が少なく、糸束の厚み方向の単糸分布が少ない織物構造を実現するためには、糸束が充分に拡幅されている状態が好ましい。具体的にはガラスクロスを構成するタテ糸及びヨコ糸が拡幅され、タテ糸同士、またはヨコ糸同士の少なくとも片方において、隣り合う糸間の隙間が実質的に存在しないことが好ましい。ここでいう、隣り合う糸間の隙間が実質的に存在しないこととは、隣り合う糸間の隙間の平均が、該糸を構成する単糸の平均直径の5倍以内である状態を意味する。隣り合う糸間の隙間の平均は、該糸を構成する単糸の平均直径の2倍以内であることがより望ましい。
さらに、Z方向の単糸分布が少なく充分に拡幅した状態とするためには、タテ糸及びヨコ糸を構成する単糸の本数が少ない方が好ましいが、ガラス糸として取り扱うためには少なくとも50本の単糸本数が必要である。よって、タテ糸及びヨコ糸を構成する単糸の本数は50〜204本であることが好ましく、50〜100本であることがより望ましい。
【0018】
本発明の透明基板に使用するガラスクロスを得るためには、通常使用される撚り数(0.7〜1.0回/インチ)を有するガラス糸でも可能ではあるが、撚り数を下げたガラス糸を使用することが好ましい。つまり、ガラス糸の撚り数は0〜0.5回/インチが好ましく、0〜0.3回/インチであることがより好ましい。このように低撚糸化することにより、糸幅はより拡がり易く、透明基板の表面粗度の改良が可能となる。また、低撚糸を使用することにより、糸が扁平化し、糸自体の断面形状が楕円の形状から平板の形状に近づき、ガラスクロス中のガラス繊維の分布がより均一となる。
また、水流によるところの圧力による開繊、液体を媒体とした高周波の振動による開繊、極力低い張力下での連続超音波加工による開繊、ロールによる加圧加工等のガラスクロスの扁平化加工を施すことにより、より糸幅は拡がり、タテ糸及びヨコ糸ともに隣り合う糸同士が実質的に隙間なく配列された構造を形成しやすくなる。また、糸が扁平化し、糸自体の断面形状が楕円の形状から平板の形状に近づくので、糸の低撚糸化と同様に、ガラスクロス中のガラス繊維の分布がより均一となる。
【0019】
さらに、ガラス糸に滑剤の特性を示す有機物が付着した状態のガラスクロス、または通常のガラスクロスを製織する際に使用されるバインダー、糊剤等が付着した状態(通常、生機という)での扁平化加工やこれらの手法の組み合わせによって、より効果的となる。また、両手法の組み合わせにより、さらに効果的となる。さらに、ガラスクロスにおいて通常実施される表面処理として、ガラスクロスの風合いを固くする処理、例えば処理剤の付着量を上げる、被膜性の高い処理剤を使用する、処理剤に一般に使用されるシランカップリング剤のシラノール基の縮重合度合いを上げる等、もしくはガラス糸の目止め効果を有する処理等を実施することでガラスクロスの取り扱い性を向上させたものを使用することもできる。
【0020】
本発明の透明基板は、上述のガラスクロスに樹脂ワニスを含浸硬化させることで得ることができる。該樹脂ワニスは掻き落としバーにより付着量を制御しつつガラスクロスに含浸させることが好ましい。ガラスクロスを形成するガラス糸のうねりによる光沢ムラを減じるために、透明基板の表面に樹脂のみからなる層が5μm以上形成されるように含浸することが好ましく、10μm以上形成されるように含浸することがより好ましい。透明基板の表面に樹脂のみからなる層を形成する方法としては、樹脂の含浸量を増加させる方法以外に、一度樹脂を含浸させたガラスクロスに再度樹脂を塗布する方法、または硬化後の透明基板に再度樹脂を塗布する方法でも可能である。
【0021】
本発明の透明基板を使用して、透明電極用導電性基板を以下のようにして得ることができる。
まず、該透明基板の表面に酸化インジウム、酸化スズ、スズ−インジウム合金の酸化膜等の半導体膜や、金、銀、パラジウムあるいはそれらの合金等の金属膜、半導体膜と金属膜との組み合わせを、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の公知の物理堆積法により形成する。次に、水蒸気や酸素が該透明基板を透過することによって液晶素子等に性能劣化が生じることを防ぐため、SiO2 等からなる誘電体層の蒸着、あるいは塩化ビニリデン系ポリマーやビニルアルコール系ポリマーなど相対的にガスバリヤー性の高いポリマーの塗布によりガスバリヤー層を設ける。
【0022】
また、表面粗度を改善するため、さらには組み立て工程における機械的あるいは化学的な損傷からの保護を目的として、本発明の透明基板の表面に、硬化性樹脂ワニスを塗布硬化させた硬化皮膜を形成することも好適に実施できる。該硬化性樹脂ワニスとしては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート等のアクリル酸エステルを含有する光硬化性樹脂や、o−クレゾールノボラック型、ビスフェノール型等のエポキシ樹脂、ウレタン、アクリル酸エステル、又は不飽和ポリエステル等を含有する熱硬化性樹脂や、電子線硬化性樹脂などが挙げられるが、生産性等の点から、光硬化性樹脂が好ましい。また、該硬化皮膜は実質的に透明で、光学的に等方性であることが必要である。基板に該硬化皮膜を形成させる方法としてはグラビアコート法、リバースロールコート法、キスロールコート法などが使用できる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
実施例中のガラスクロスを基材とした透明基板の作成方法、及び試験方法は以下の方法により実施した。
(1)透明基板の作成方法
掻き落としバーにより付着量を制御しつつ、ガラスクロスへ樹脂ワニスを含浸し、乾燥・硬化して、透明基板を作成した。なお、樹脂の含量は乾燥させた透明基板の重量(A)を測定し、樹脂部分を600℃で焼却除去した後の重量(B)を測定し、透明基板の樹脂含量(質量%)=〔(A−B)/A〕×100を計算することにより求めた。
【0024】
(2)透明基板の寸法変化率測定
寸法340mm×340mmに切断した透明基板に、タテヨコそれぞれ125mm間隔で3×3の格子状に9点の標点を付し、上列の標点を左よりA11,A12,A13、中列の標点を左よりA21,A22,A23、下列の標点を左よりA31,A32,A33とする。
タテ方向の6個の標点間隔A11A21間、A12A22間、A13A23間、A21A31間、A22A32間、A23A33間、を測定し、その平均値を加熱前寸法L0 とする。該透明基板を厚さ約1cmのガラス板にはさみ、180℃雰囲気下で30分間加熱し、冷却後、再度該標点間隔を測定して平均を求め、加熱後寸法Lとする。加熱によるタテ方向の寸法変化率(%)を〔(L−L0 )/L0 〕×100によって算出する。
同様にヨコ方向の6個の標点間隔A11A12間、A12A13間、A21A22間、A22A23間、A31A32間、A32A33間、を測定し、加熱によるヨコ方向の寸法変化率を算出する。
【0025】
(3)透明基板の吸水率測定
50mm角に切断した透明基板を、大気中で24時間、50℃で保持し乾燥させた後の重量(C)を測定し、水中に24時間、23℃で保持した後の重量(D)を測定する。透明基板の吸水率(質量%)は、〔(D−C)/C〕×100によって求められる。
(4)透明基板の熱膨張率測定
測定装置としてセイコーインスツルメンツ株式会社製;EXSTAR6000を用い、測定は昇温速度10℃/minで室温から200℃までの温度範囲で実施した。
【0026】
(5)透明基板の光透過率測定
測定装置として日本分光株式会社製;V−550を用い、波長380から800nmの領域で光透過率を測定した。
(6)基板のガラス転移温度測定
基板をRDAII(レオメトリックス株式会社製)装置で昇温速度3℃/分で粘弾性挙動を測定し、tanδのピークが現れる温度をガラス転移温度(以下、Tgともいう。)とした。
(7)ガラスクロスの拡幅状態の評価
ガラスクロスを光学顕微鏡で拡大観察し、タテ糸同志及びヨコ糸同志の隙間間隔を測定した。
【0027】
【実施例−1】
以下の配合の樹脂ワニスを作成した。
特殊ノボラック型エポキシ樹脂 100部
(ジャパンエポキシレジン株式会社製;エピコート157)
4−メチルシクロヘキサン1,2−ジカルボン酸無水物 80部
ベンジルジメチルアミン 5部
ジメチルホルムアミド 40部
ガラスクロスは以下の旭シュエーベル株式会社製;スタイル1027TFクロスを使用した。該ガラスクロスは開繊加工を行うことによって、隣り合う糸間の隙間を実質的に存在しなくした(平均単糸径4.1μm、タテ糸間19μm、ヨコ糸間19μm)ものである。
使用糸種 ECC1500 1/0 1Z
織物密度 タテ方向:75本/インチ ヨコ方向:75本/インチ
厚み 16μm
布重量 20g/m2
前記の透明基板の作成方法により、実施例−1の基板を得た。特性を表1に、また、光透過率は図1に示す。
【0028】
【実施例−2】
以下の配合の樹脂ワニスを作成した。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂 100部
(ジャパンエポキシレジン株式会社製;エピコート828)
4−メチルシクロヘキサン1,2−ジカルボン酸無水物 80部
ベンジルジメチルアミン 5部
ジメチルホルムアミド 40部
ガラスクロスは以下の旭シュエーベル株式会社製;スタイル1037TFクロスを使用した。該ガラスクロスは開繊加工を行うことによって、隣り合う糸間の隙間を実質的に存在しなくした(平均単糸径4.5μm、タテ糸間22μm、ヨコ糸間9μm)ものである。
使用糸種 ECC1200 1/0 1Z
織物密度 タテ方向:70本/インチ ヨコ方向:73本/インチ
厚み 26μm
布重量 24g/m2
前記の透明基板の作成方法により、実施例−2の基板を得た。特性を表1に、また、光透過率は図2に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】
本発明の透明基板は、薄膜化、軽量化、大型化、任意の形状化、曲面表示などに対応し、かつ、加工時の寸法安定性等、機械的特性にも優れるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である透明基板の光透過率を測定した図である。
【図2】本発明の別の一実施例である透明基板の光透過率を測定した図である。
Claims (2)
- ガラスクロスと樹脂からなる基板であって、波長400nmから700nmの全領域に亘って光透過率が80%以上であり、ガラスクロスがEガラスよりなり、ガラスクロスを構成するタテ糸同士、またヨコ糸同士の少なくとも片方において、隣り合う糸間の間隙が実質的に存在しないことを特徴とするエレクトロニクス表示素子に用いる透明基板。
- 樹脂が熱硬化樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のエレクトロニクス表示素子に用いる透明基板。
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