JPH10119170A - 可とう性積層フィルム - Google Patents

可とう性積層フィルム

Info

Publication number
JPH10119170A
JPH10119170A JP8276064A JP27606496A JPH10119170A JP H10119170 A JPH10119170 A JP H10119170A JP 8276064 A JP8276064 A JP 8276064A JP 27606496 A JP27606496 A JP 27606496A JP H10119170 A JPH10119170 A JP H10119170A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
layer
laminated film
organic layer
flexible laminated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8276064A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideki Goto
英樹 後藤
Junji Tanaka
順二 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority to JP8276064A priority Critical patent/JPH10119170A/ja
Publication of JPH10119170A publication Critical patent/JPH10119170A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Non-Insulated Conductors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工性、導電性、ガスバリヤー性、耐打鍵
性、可とう性の優れた透明導電性フィルムを提供する。 【解決手段】 光学特性、耐熱性に優れた高分子フィル
ムの少なくとも片側に密着性、耐打鍵性、耐熱性に優れ
た有機層1、次にバリヤ性、耐打鍵性、可とう性を有す
る無機層、密着性、耐打鍵性、耐熱性、無機層保護特性
を有する有機層2、更に希酸に対し容易に溶ける導電層
を順次設けた積層フィルムである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィルム液晶表示
装置に用いられる導電性フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶用導電性フィルムとしては、特公昭
62−32101号、特公昭63−34018号、特公
平1−12666号等に記載のポリエステル、ポリエー
テルサルフォン、ポリカーボネート等の高分子フィルム
表面に酸化インジウム、酸化錫、あるいは錫、インジウ
ム合金の酸化膜等の半導体膜や金、銀、パラジウムある
いはそれらの合金等の金属膜、半導体膜と金属膜を組み
合わせて形成されたもの等が知られている。
【0003】しかしながら、プラスチック上に上記の透
明導電膜を形成する際、基板から発生するガスの影響
や、結晶化によりエッチングが難しくなる等の欠点があ
り、ロット間の安定性に欠け、設計上の困難を伴うと言
う大きな問題があった。この為いくつかの検討はされて
いるが、確立、採用された技術は未だ無い状況であっ
た。 また、プラスチック基板の耐熱性が低いことより
高温での加熱成膜が出来ない点や、放出ガスの影響によ
り導電膜として最も重要な比抵抗が下がらない等の欠点
があり、ガラス基板並の高精細パターンに求められる表
面抵抗を得る透明導電膜としては問題があった。低抵抗
を得るために膜厚を厚くすると、液晶表示に於いてパタ
ーンが見える、いわゆる骨見えの現象が起き、表示品位
が落ちる欠点があった。
【0004】更に、プラスチック基板を用いた液晶セル
の最大の欠点は、基板を透過する酸素によりセル内の液
晶に気泡が発生する事であった。この為、プラスチック
基板を用いる場合はガスバリヤー層が不可欠に成り各種
の検討がなされている。ガスバリヤー層として、無機層
を設ける方法は、液晶用途以外では特公昭53−129
53号、液晶用では特開昭50−142194号等に高
分子フィルム上にSiO2等を蒸着したもの、あるい
は、高分子フィルム上に塩化ビニリデン系ポリマーや特
願昭59−207168号記載のビニルアルコール系ポ
リマーなど、更には、これらと無機層を併用した特願昭
59−201886号、特願昭59−201887号等
相対的にガスバリヤー性のあるポリマーのコーティング
層を設けたものが知られている。
【0005】更に、液晶用途として使用するには、フィ
ルム液晶の最大の特徴である耐打鍵性に代表される耐衝
撃性が必要であり、これは液晶表示部に対する外部押圧
に対応するものである。液晶セルの打鍵性試験として
は、先端7Rの硬質ゴムに荷重200gfを掛け、スト
ローク3mmで1Hzの周期で360万回打鍵して液晶
セル内の気泡の有無で判断する。また、可とう性の試験
方法としては、35mmΦのロールに巻き付けて高温高
湿下で無機層に与えるダメージによる特性劣化評価が一
般的である。何れも、気泡の直接原因となる無機層の酸
素バリヤー性は無機層の可とう性、緻密性に依存してお
り、製造条件、基板の前処理法等多くの要因が有り、例
えば特開昭55−114563号に記載されている加水
分解による酸化物等があるが、ただ単に無機層を設けた
だけでは液晶用基板としては満足出来るものでは無かっ
た。
【0006】更に、無機層の形成方法としては、蒸着、
スパッタリング、イオンプレーティング、プラズマCV
Dに代表される気相成膜法などが用いられてきた。しか
し、これらの方法は一般に巨大な装置を必要とするた
め、これに要する設備投資が莫大であり、容易に実用化
できないという欠点があった。
【0007】フィルム液晶表示装置には、ガスバリヤー
性、透明導電性、耐打鍵性、可とう性を合わせ持つ積層
フィルムが不可欠な要素であるが、更に、パターン加工
性は歩留まりの上から重要である。しかし、これらの機
能を有する各層を組み合わせ、加工性の良い透明導電
性、ガスバリアー性を付与し、液晶表示装置材料として
必要な耐久性のすべてが十分な透明導電性フィルムは、
いまだ工業的には生産されていなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる現状
に鑑みなされたもので、加工性、導電性、ガスバリヤー
性、耐打鍵性、可とう性の優れた透明導電性を有するフ
ィルムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の目的は、図1に示
す様に、光学特性、耐熱性に優れた高分子フィルムの少
なくとも片側に、密着性、耐打鍵性、耐熱性に優れた有
機層1、次にバリヤー性、耐打鍵性、可とう性を有する
を有する無機層、密着性、耐打鍵性、耐熱性、無機層保
護特性を有する有機層2、更に希酸に対し容易に溶ける
導電層を順次設けた可とう性積層フィルムにより達成さ
れる。
【0010】即ち、高分子フィルムの少なくとも片側に
有機層1、無機層、有機層2、導電層を順次設けた積層
フィルムであり、無機層が低温硬化型ペルヒドロポリシ
ラザン溶液の無機化によって形成され、更に好ましい態
様としては、先端7Rの硬質ゴムによる周期1Hz、荷
重200gfで、360万回の打鍵によりクラックが生
じない耐衝撃性を有し、曲率220mmΦのロールに表
裏各10000回を巻き付けてもクラックが生じない曲
げサイクル性を有し、曲率35mmΦのロールに固定
し、60℃、90%RH、1000時間放置後クラック
が生じない曲面保存性を有し、導電層がInとSnの酸
化物、あるいは、第三成分としてZn、Mg、Gaの酸
化物のうち少なくとも1種を含む酸化物からなり、有機
層1及び有機層2が融点50℃以上のエポキシアクリレ
ートプレポリマーあるいは融点50℃以上のウレタンア
クリレートプレポリマーの紫外線硬化膜であり、かつ厚
みは0.3〜1.5μmであり、無機層の全光線透過率
が85%以上、膜厚が0.1〜1μm、表面抵抗率が1
×1012Ω以上、酸素バリヤー性が1cc/atm・2
4h・m2以下の積層フィルムである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に於ける高分子フィルムは
ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネート、ポリアリ
レート、ノルボルネン、紫外線硬化型樹脂、エポキシ樹
脂に代表される熱硬化型樹脂等からなり、全光線透過率
が85%以上の透明性を有し、光学異方性が少ないフィ
ルムである。また、加工性の点より極力耐熱性があるこ
とが望ましく、Tgが223℃と最も高いポリエーテル
サルフォンや紫外線硬化樹脂、熱硬化型樹脂がより好ま
しい。
【0012】高分子フィルムの厚みとしては、ガラスに
対し軽い、割れない、可とう性を有する等の点より0.
05〜0.5mmのものであり、必要に応じて複数のフ
ィルムを屈折率を合わせた接着剤等を介し積層した構成
のものであっても良い。尚、光学異方性としては、出来
るだけ0が望ましいが、リタゼーション値として15n
m以下、角度依存性としては45度で2倍以内が好まし
い。これは、色差として2以下並びに角度依存性に関し
ては色ずれ防止からの要求である。
【0013】有機層1としては、融点50℃以上のエポ
キシアクリレートプレポリマーあるいは融点50℃以上
のウレタンアクリレートプレポリマーの紫外線硬化膜で
あり、液晶用途としての特性を満足出来れば、熱的によ
り安定な熱硬化型を用いても良い。しかしながら、生産
性に優れた紫外線硬化型樹脂がより好ましい。高分子フ
ィルムや無機層との密着力は不可欠であり、可とう性、
耐薬品性が優れている事が必要である。この目的のため
に、通常行われているプライマー層を設けても良い。用
いる樹脂の融点が50℃未満であると導電膜の真空中で
の成膜時に発生するガスにより目的の膜質が得られない
ことや液晶セルの加工時に掛かる熱により変形するとい
う問題がある。
【0014】ここで重要なのは、耐打鍵性保持の為、有
機層1の厚みを制限することである。通常のコート樹脂
の厚みとして用いられている2〜5μm程度の厚みを塗
布し、耐打鍵性試験を行うと一般的に30万回程度でク
ラックが生じる。従って、液晶用途として実用上充分安
定した領域で使用するためには、有機層1の厚みとして
0.3〜1.5μmの範囲である。これは、紫外線硬化
樹脂は硬化時に10〜20%程の硬化収縮が起こること
によって、潜在的な内部応力を持ち、打鍵試験の様な局
部的な外力が働くと一気にクラックが入るためである。
また、厚みを薄くすることによって高分子フィルムとの
密着力も向上する。有機層1を2.5μmに塗布した際
の高分子フィルムとの密着力は200g/cmに対し、
0.5μm品では1000g/cmと5倍大きくなる。
更に薄化する優位点として、液晶用途では極力透明性を
有することが望ましく、2μmの厚みにに対して、0.
5μm厚みを低減する毎に0.5%の透過率の改善が認
めらる。有機層1の厚みが0.3μm未満では塗布ムラ
が生じ易くなり外観上問題が生じ、1.5μmを越える
と密着力が低下し、クラックが発生し易くなる。
【0015】無機層として、全光線透過率は85%以上
で表面抵抗率が1×1012Ω以上、酸素バリヤー性は1
cc/24h・m2以下である。更に可とう性として、
35mmΦのロールに巻き付け60℃90%RHの環境
下で1000時間放置後クラックが生じない曲面保存性
を有し、且つ曲げサイクルとして曲率220mmΦのロ
ールに表裏各10000回巻き付けてもクラックが生じ
ない事が必要である。更に、フィルム液晶の最大の特徴
である耐衝撃性を示す耐打鍵性試験としては、先端7R
の硬質ゴムによる周期1Hz、荷重200gfで、36
0万回の打鍵によりクラックが入らないことが必要であ
る。
【0016】無機層としては、例えばSiOx、Six
Ny、AlxOy等あるいはこれらの多層、複合膜が考
えられる。無機層としてはポリシラザンを無機化した無
機膜が製膜性等の点より好ましい。ポリシラザンとして
は、例えば東燃株式会社製のPHPS−1ペルヒドロポ
リシラザン溶液を用いることができる。無機層の形成方
法としては、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティ
ング、プラズマCVDに代表される気相成膜法などが、
バリアー性を目的とした用途でこれまで主に用いられて
きた。ところがこれらの方法は一般に巨大な装置を必要
とするため、これに要する設備投資が莫大であり、容易
に実用化できないという欠点があった。それと比較して
ポリシラザン溶液あるいは金属アルコキサイドを原料と
した塗布法においては、装置も比較的安価である上に、
生産性も高いことから製品の低コスト化に非常に効果が
あるという特徴を有している。
【0017】また、無機層の形成として金属アルコキシ
ドの加水分解により緻密な膜を形成する方法があるが、
一般に500℃以上の温度が必要であるといわれてお
り、1cc/24h・atm・m2以下のガスバリアー
性を有する塗膜をプラスチック上に形成することは困難
である。特開平7−223867号記載の様にポリシラ
ザン溶液によるSiOx膜形成においては、無機化のた
めの焼成温度が80−120℃と非常に低温であるた
め、プラスチック基板へ緻密な塗膜を形成することが可
能である。但し、バリヤー性、透明性、耐打鍵性、曲げ
特性等を満足させるためには、膜厚として0.1〜1μ
mであることが必要である。0.1μm未満では1cc
以下のバリヤー性を有する事は困難で有り、1μmを越
えるとクラックが生じやすくなるからである。
【0018】またコーティング溶液に、樹脂等を加える
ことにより、耐熱性、硬度、密着性、撥水性、耐汚染
性、透明性、平滑性等の物性を向上させることが可能で
あり、UV吸収剤を添加する等の方法により新たな機能
を付与することも可能である。例えば、フッ素樹脂(特
開平7−305029号)、アクリル樹脂(特開平7−
292321号)、ZnO、TiO2微粒子(特開平7
−252453号)を用いた例が挙げられる。
【0019】全光線透過率としては出来るだけ高いこと
が望ましいが、高分子フィルム並びに導電層の透過率を
考慮すれば、実質上85%以上であれば使用可能とな
る。全光線透過率が85%未満であると透明性が不十分
となり本用途には使用出来ない。
【0020】液晶電極材料の基板としては表面抵抗率は
1×1012Ω以上が必要である。通常TN、STNモー
ドで使用される液晶の抵抗率が1×1010Ω程度である
ため100倍以上の差を設ける必要が有るからである。
1×1012Ω以下であるとセルの消費電流が上昇し、セ
ルの寿命が短くなるという問題が発生する。このために
は結晶光学的に理想に近いSiO2、Si34、Al2
3が好ましい。また、セル寿命の点からは、イオン性不
純物は極力少ない方が望ましく通常20ppm以下が望
まれる。このためには材料の選定や成膜中の不純物管理
が重要になる。
【0021】更に無機膜の酸素バリヤー性として1cc
/24h・atm・m2以下であることが重要である。
塩化ビニリデン系ポリマーやビニルアルコール系ポリマ
ーに代表される有機バリヤーと比較して、温湿度の変化
に対して影響が無いことが最大の特徴であり、有機バリ
ヤーの常温常湿での酸素バリヤー性として要求されてい
る1cc/24h・atm・m2の値以下であれば実用
上問題ない。尚、測定方法はモコン法である。無機層を
プラスチック基板に直接形成するか、あるいはその形成
に先立ち有機層1との密着力を高めるために、脱ガス処
理、コロナ放電処理、火炎処理等の表面処理やアクリル
系、エポキシ系等の公知のアンカーコートが施されてい
てもよい。
【0022】次に耐打鍵性、耐熱性を有し、且つ、導電
性膜との密着性、無機層保護特性を有する有機層2を設
ける。有機層2としては、有機層1と同等のもので良
い。当然ながら、無機層や導電層との密着力は不可欠で
あり、可とう性及び各パターニング工程や配向材塗布工
程を経る事から耐薬品性が優れている事が重要である。
更には、無機層の微量な未反応物の液晶への溶質防止や
無機膜の保護としての役割も重要である。この目的のた
めには、通常行われているプライマー層を設けても良
い。
【0023】有機層2の厚みとしては、有機層1と同様
の0.3〜1.5μmである。硬化時に10〜20%程
の硬化収縮によって生じた潜在的内部応力を持った紫外
線硬化樹脂に於いて、各種の局部的な外力が働いてもク
ラックが生じ難くさせる為には極力薄くさせて応力自体
を軽減する事が最も有効であり、樹脂として低応力タイ
プにする事は不可欠な技術である。有機層2の厚みが
0.3μm未満では塗布ムラが生じ易くなり、外観上問
題が生じる為であり、1.5μmを越えると密着力が低
下し、クラックが発生し易くなる為である。有機層1と
同様に、厚みを薄くすることによって有機層2の密着
力、透明性を向上させることができる。
【0024】最上層として導電層を形成する。導電層と
しては、極力比抵抗が低く、歩留まりに影響を与えるパ
ターン加工性が良く、希酸に対し容易に溶ける導電層が
好ましい。InとSnの酸化物から成る導電層は、最も
比抵抗、透明性が良いために通常広く用いられている。
組成比としてはSn/(In+Sn)が0.05〜0.
15が望ましい。0.15を越えると比抵抗の上昇とと
もに、エッチング性が悪くなり、0.05未満では比抵
抗の上昇とともに黄色味を帯び、外観上の問題が生じる
ためである。
【0025】液晶用途では高精細のパネル化が進んでお
り、それに伴い細線のパターニングが必要不可欠となっ
てきた。InとSnの酸化物の希酸に対する溶解性を向
上させるために、第三成分としてZn、Mg、Gaの酸
化物のうち少なくとも1種を添加することができ、これ
により著しくエッチング性が向上する。但し、添加量の
増大により比抵抗は上昇するため、必要とされるエッチ
ング特性に応じて適時調整する必要があり、層中にその
3種すべてを混合させるか、あるいはエッチング特性の
異なる成分を積層してもよい。In+Snに対し20%
未満の原子比で有れば比抵抗、エッチング性は両立す
る。
【0026】
【実施例】
《実施例1》高分子フィルムとして溶融押し出し法によ
り作製した厚み200μm、リタゼーション5nmのポ
リエーテルサルフォンフィルムを用いた。高分子フィル
ム上に、有機層1として分子量1540、融点70℃の
エポキシアクリレートプレポリマー(昭和高分子製、V
R−60)100重量部、酢酸ブチル400重量部、セ
ロソルブアセテート100重量部、ベンゾインエチルエ
ーテル2重量部を50℃にて攪拌、溶解して均一な溶液
としものをグラビアロールコーターで塗布し、80℃で
10分間加熱して溶媒を除去し、80w/cmの高圧水
銀灯により15cmの距離で30秒間照射して樹脂を硬
化させ、0.5μm厚の有機層1を形成した。次にこの
上に東燃株式会社製PHPS−1ペルヒドロポリシラザ
ン溶液をグラビアコーターにより塗布した後、150℃
で3時間の加熱を行い、更に85℃、85%R.H.で
30時間処理しSiO2の無機膜を得た。無機化後の膜
厚は0.5μmであった。この無機膜の酸素バリヤー性
はモコン法により測定したところ0.8cc/m2・d
ayであり、表面抵抗率は8.1×1012Ωであった。
又、全光線透過率は89%であった。
【0027】次に有機層1と同様の樹脂、作成方法によ
り0.5μm厚の有機層2を形成した。次に導電層とし
てDCマグネトロン法により導電膜を形成した。初期真
空度3×10-4Paに引き、酸素/アルゴンガス2%の
混合ガスを導入し、1×10-1Paの条件下において成
膜し、Sn/In+Snの原子比が0.07である導電
層を得た。測定の結果、膜厚は1100Å、比抵抗は
4.3×10-4Ω−cm、全光線透過率83%であっ
た。
【0028】以上の条件で得られた導電膜にレジストを
塗布、露光、現像し、エッチング液としてHCl濃度1
5vol%、液温40℃中で200μmピッチの回路を
作製した。ライン/スペースとしては、150/50μ
mである。エッチング時間は20秒で残差もなく良好な
ストレートラインが得られた。
【0029】このパターンを作製したフィルムを用いて
以下の試験を行った。耐打鍵性として、先端7Rの硬質
ゴムによるストローク3mm、周期1Hz、荷重200
gfで、360万回の打鍵を行った。曲げサイクルとし
て、曲率220mmΦのロールに表裏各10000回を
巻き付け試験を行った。曲面保存性として、曲率35m
mΦのロールに固定し、60℃、90%RH、1000
時間放置試験を行った。試験後の各試験片を1000倍
の金属顕微鏡により表面観察をしたが、何れもクラック
は無く良好であった。
【0030】《比較例1》実施例1と同一ロットフィル
ム、同一ロット材料を用い、同一構成で形成した。但し
有機層1の厚みのみ3μmとした。次に実施例1と同一
手法によりパターン化したフィルムを用い、耐打鍵性、
曲げサイクル、曲面保存性の試験を行った。耐打鍵性試
験に於いて10万回ではクラックは認められなかった
が、15万回検査時にクラックが認められた。又、曲げ
サイクル試験の導電層を表にした曲げに於いて7500
回までは異常が無かったが10000回の検査時にクラ
ックが認められた。一方、曲面保存性試験では、異常は
認められ無かった。
【0031】《比較例2》実施例1と同一ロットフィル
ム、同一ロット材料を用い、同一構成で形成した。但し
有機層1、2の厚みを2.5μmとし、又、無機層の厚
みを1.5μmにした。次に実施例1と同一手法により
パターン化したフィルムを用い、耐打鍵性、曲げサイク
ル、曲面保存性の試験を行った。耐打鍵性試験に於いて
10000回検査時にクラックが認められた。又、曲げ
サイクル試験の導電層を表にした曲げに於いて5000
回後の初回検査時で既にクラックが認められた。また、
曲面保存性試験では、500時間後の初回検査時でクラ
ックが認められた。
【0032】
【発明の効果】本発明により、エッチング性が良好で耐
衝撃性に優れ、透明性、ガスバリヤー性、可とう性を満
足する透明導電性フィルムを提供することが可能となっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に掛かる積層フィルムの一部断面図を示
す。
【符号の説明】
1:高分子フィルム 2:有機層1 3:無機層 4:有機層2 5:導電層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子フィルムの少なくとも片側に有機
    層1、無機層、有機層2、導電層を順次設けた積層フィ
    ルムにおいて、該無機層が低温硬化型ペルヒドロポリシ
    ラザン溶液の無機化によって形成されたことを特徴とす
    る可とう性積層フィルム。
  2. 【請求項2】 先端7Rの硬質ゴムによる周期1Hz、
    荷重200gfで、360万回の打鍵によりクラックが
    生じない耐衝撃性を有することを特徴とする請求項1記
    載の可とう性積層フィルム。
  3. 【請求項3】 曲率220mmΦのロールに表裏各10
    000回を巻き付けてもクラックが生じない曲げサイク
    ル性を有することを特徴とする請求項1または2記載の
    可とう性積層フィルム。
  4. 【請求項4】 曲率35mmΦのロールに固定し、60
    ℃、90%RH、1000時間放置後クラックが生じな
    い曲面保存性を有することを特徴とする請求項1、2ま
    たは3記載の可とう性積層フィルム。
  5. 【請求項5】 該導電層がInとSnの酸化物、あるい
    は、InとSnの酸化物に第三成分としてZn、Mg、
    Gaの酸化物のうちの少なくとも1種を含む酸化物から
    なることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の
    可とう性積層フィルム。
  6. 【請求項6】 該有機層1及び有機層2が融点50℃以
    上のエポキシアクリレートプレポリマーあるいは融点5
    0℃以上のウレタンアクリレートプレポリマーの紫外線
    硬化膜であり、それぞれの厚みが0.3〜1.5μmで
    あることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記
    載の可とう性積層フィルム。
  7. 【請求項7】 該無機層の全光線透過率が85%以上、
    膜厚が0.1〜1μm、表面抵抗率が1×1012Ω以
    上、酸素バリヤー性が1cc/atm・24h・m2
    下であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5ま
    たは6記載の可とう性積層フィルム。
JP8276064A 1996-10-18 1996-10-18 可とう性積層フィルム Pending JPH10119170A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8276064A JPH10119170A (ja) 1996-10-18 1996-10-18 可とう性積層フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8276064A JPH10119170A (ja) 1996-10-18 1996-10-18 可とう性積層フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10119170A true JPH10119170A (ja) 1998-05-12

Family

ID=17564306

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8276064A Pending JPH10119170A (ja) 1996-10-18 1996-10-18 可とう性積層フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10119170A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003089164A (ja) * 2001-09-18 2003-03-25 Toppan Printing Co Ltd 透明ガスバリア材及びその製造方法
JP2011194587A (ja) * 2010-03-17 2011-10-06 Konica Minolta Holdings Inc ガスバリアフィルム、その製造方法、それを用いた有機光電変換素子及び太陽電池
JP2013056546A (ja) * 2000-04-20 2013-03-28 Samsung Display Co Ltd Tg基体上の平滑層及びバリア層
CN108602314A (zh) * 2016-01-29 2018-09-28 富士胶片株式会社 阻气膜及阻气膜的制造方法
CN108666341A (zh) * 2017-03-30 2018-10-16 昆山国显光电有限公司 显示装置及其制作方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013056546A (ja) * 2000-04-20 2013-03-28 Samsung Display Co Ltd Tg基体上の平滑層及びバリア層
JP2003089164A (ja) * 2001-09-18 2003-03-25 Toppan Printing Co Ltd 透明ガスバリア材及びその製造方法
JP4701570B2 (ja) * 2001-09-18 2011-06-15 凸版印刷株式会社 透明ガスバリア材及びその製造方法
JP2011194587A (ja) * 2010-03-17 2011-10-06 Konica Minolta Holdings Inc ガスバリアフィルム、その製造方法、それを用いた有機光電変換素子及び太陽電池
CN108602314A (zh) * 2016-01-29 2018-09-28 富士胶片株式会社 阻气膜及阻气膜的制造方法
CN108666341A (zh) * 2017-03-30 2018-10-16 昆山国显光电有限公司 显示装置及其制作方法
CN108666341B (zh) * 2017-03-30 2021-04-02 昆山国显光电有限公司 显示装置及其制作方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI383404B (zh) Transparent conductive laminate and transparent touch panel
JP3400324B2 (ja) 導電性フィルム
US20130089734A1 (en) Lamination film and process for producing the same, as well as electronic device
US10809864B2 (en) Film touch sensor
JP2002316378A (ja) 透明導電性積層体及びそれを用いたタッチパネル
JP2003191371A (ja) ガスバリア性透明フィルム
TWI397926B (zh) 透明導電性薄膜及使用它之觸控面板
JPH10119170A (ja) 可とう性積層フィルム
JP2000082338A (ja) 透明導電性フィルム、透明タッチパネルおよび液晶表示素子
JPH08201791A (ja) 透明電極基板
JP2003262854A (ja) プラスチック基板および液晶表示装置
JP3313303B2 (ja) 導電性フィルム
JP2004099754A (ja) 光学用フィルム
JP3119583B2 (ja) 積層フィルム
JP3114853B2 (ja) 積層フィルム
JP3833296B2 (ja) タッチパネル用透明導電積層体
JP3403882B2 (ja) 透明導電フィルム
JPH09254303A (ja) 透明導電フィルム
JP3093151B2 (ja) 積層フィルム
JPH08294989A (ja) 積層フィルム
JP3114852B2 (ja) 積層フィルム
JP3629333B2 (ja) タッチパネル用透明導電積層体及びその製造方法
JP2000347170A (ja) 液晶表示パネル用基板
JPH09277427A (ja) 透明導電フィルム及びその製造方法
JPH09262926A (ja) タッチパネル用透明導電積層体及びその製造方法