JP2003262854A - プラスチック基板および液晶表示装置 - Google Patents

プラスチック基板および液晶表示装置

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JP2003262854A
JP2003262854A JP2002065551A JP2002065551A JP2003262854A JP 2003262854 A JP2003262854 A JP 2003262854A JP 2002065551 A JP2002065551 A JP 2002065551A JP 2002065551 A JP2002065551 A JP 2002065551A JP 2003262854 A JP2003262854 A JP 2003262854A
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liquid crystal
plastic substrate
polycarbonate
layer
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Tsukasa Yamada
司 山田
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Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学特性変化が小さいプラスティック基板を
提供する。 【解決手段】 波長550nmで測定した面内レターデ
ーション値が30〜350nmであり、且つ100℃の
条件下における長さ方向の熱寸法変化率が0.001%
〜0.04%であるポリカーボネート系延伸位相差フィ
ルム上に透明導電膜を有することを特徴とするポリカー
ボネート系プラスチック基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置およ
びそれに用いられるプラスティック基板に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】ガラスは液晶表示装置の基板に要求され
る透明性、光学等方性、ガスバリア性、耐薬品性、耐熱
性、平滑性、寸法安定性等を満足する優れた材料であ
り、反射型液晶装置の液晶を挟持する基板として用いら
れている。しかし、柔軟性に欠けること、衝撃に弱いこ
とから、例えば電子手帳、ノート型パソコン等の携帯用
端末のディスプレーに用いられることが少なく、ガラス
基板の代替としてプラスチック基板を用いることが特開
平7−13176号、特開平10−142588号等で
検討されていた。しかしながら、プラスチック基板に
は、λ/4板、偏光板あるいは円偏光性としての機能、
ガスバリア層、透明電極、反射防止や防眩層、カラーフ
ィルター等を付与することが必要であるが、これらの機
能を含んだプラスチック基板はなかった。さらに、プラ
スチック基板として重要な観点である熱寸法安定性に優
れたプラスチック基板はなく、実用化には問題があっ
た。特に、薄層化のためにはプラスチック基板が特定の
範囲の面内レターデーションを有することが必要であっ
たが、面内レターデーションのあるプラスチック基板で
は光学特性が変化したり、表面抵抗特性が変化し、その
対策が必要であった。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、特
に携帯用として用いられる反射型液晶表示装置におい
て、軽量であるとともに可撓性を具え破損しにくい液晶
表示装置を提供することであり、そのための表示側のプ
ラスチック基板を提供することである。更なる本発明の
目的は光学特性変化や表面抵抗特性変化に優れ、特定の
範囲の面内レターデーションを有するプラスチック基板
を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ポリカーボ
ネート系樹脂について鋭意検討した結果、熱寸法変化率
を低減することによって、光学特性および熱安定性に優
れたプラスチック基板が得られること、および特定の面
内レターデーションを有するプラスチック基板の熱寸法
変化率は、延伸後に、延伸フィルムを低張力で熱処理す
ることによって効果的に低減できることを見出し、本発
明を完成するに至った。さらに、ポリカーボネート系樹
脂として、少なくとも一種のフルオレン骨格からなるビ
スフェノール誘導体と、少なくとも一種の非フルオレン
骨格からなるビスフェノール誘導体とを共重合させたポ
リカーボネート系樹脂を用いた場合に、高温でも位相差
の変化がより少なく、耐久性がより高く、また、延伸後
の面内レターデーションが長波長側ほど大きい、より広
い範囲でλ/4を実現できることを見出した。
【0005】すなわち上記の目的は、下記(1)から
(14)によって達成された。 (1)波長550nmで測定した面内レターデーション
値が30〜350nmであり、且つ100℃の条件下に
おける延伸方向の熱寸法変化率が0.001%〜0.0
4%であるポリカーボネート系延伸位相差フィルム上に
透明導電膜を有することを特徴とするポリカーボネート
系プラスチック基板。 (2)ポリカーボネート系延伸位相差フィルムが残存溶
媒濃度が0.3質量%以下、遅相軸角度分布が±10°
以下、厚みムラが±5%以内、且つヘイズ値が0.6%
以下であることを特徴とする(1)のポリカーボネート
系プラスチック基板。 (3)ポリカーボネート系延伸位相差フィルムが、少な
くとも一種のフルオレン骨格からなるビスフェノール誘
導体と、少なくとも一種の非フルオレン骨格からなるビ
スフェノール誘導体を共重合させたポリカーボネート系
樹脂を溶液流延し、少なくとも一方向に延伸してなるこ
とを特徴とする(1)、(2)のポリカーボネート系プ
ラスチック基板。 (4)下記一般式(1)で表されるフルオレン骨格から
なるビスフェノール誘導体の繰り返し単位と、下記一般
式(2)で表される非フルオレン骨格からなるビスフェ
ノール誘導体の繰り返し単位とからなることを特徴とす
る(1)〜(3)のポリカーボネート系プラスチック基
板。 一般式(1)
【0006】
【化1】
【0007】(一般式(1)において、R1〜R8はそれ
ぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子および炭素数1〜6
の炭化水素基から選ばれるいずれかを表すが、但し、R
1〜R8がすべて水素原子になることはない。) 一般式(2)
【0008】
【化2】
【0009】(一般式(2)において、R11〜R18はそ
れぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子および炭素数1〜
6の炭化水素基から選ばれるいずれかを表し、Xは炭素
数1〜15の炭化水素基を表す。) (5)前記一般式(1)で表されるフルオレン骨格から
なるビスフェノール誘導体の繰り返し単位が、9,9−
ビス(4−ヒドロキシ−3メチルフェニル)フルオレン
より誘導されたものであることを特徴とする(1)〜
(4)のポリカーボネート系プラスチック基板。 (6)前記一般式(2)で表される非フルオレン骨格か
らなるビスフェノール誘導体の繰り返し単位が、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンより誘導さ
れたものであることを特徴とする(4)〜(5)のポリ
カーボネート系プラスチック基板。 (7)該ポリカーボネート系延伸位相差フィルムがポリ
カーボネート系樹脂の溶液を流延製膜して膜を作製する
製膜工程と、作製された膜を少なくとも一方向に延伸し
て延伸フィルムを得る延伸工程と、前記延伸フィルムを
低張力条件下で熱処理する熱処理工程とを含むことを特
徴とする(1)〜(6)のポリカーボネート系プラスチ
ック基板の製造方法。 (8)該ポリカーボネート系延伸位相差フィルムの前記
熱処理工程が、前記延伸フィルムを0.04kg/cm
2〜20kg/cm2の低張力条件で、温度(Tg−5
0)℃〜(Tg+80)℃で熱処理する工程であること
を特徴とする(7)のポリカーボネート系プラスチック
基板の製造方法。 (9)該ポリカーボネート系延伸位相差フィルムの前記
熱処理工程が、前記延伸フィルムを0.04kg/cm
2〜20kg/cm2の張力で一旦ロール状に巻き取った
後、温度(Tg−50)℃〜(Tg+80)℃でロール
形態のまま熱処理する工程であることを特徴とする
(7)のポリカーボネート系プラスチック基板の製造方
法。 (10)電極を有する基板に挟まれた液晶層を有する液
晶表示装置において、2枚の基板のうち、少なくとも表
示面側が(1)〜(9)のポリカーボネート系プラステ
ィック基板で構成されることを特徴とする液晶表示装
置。 (11)該ポリカーボネート系延伸位相差フィルムがλ
/4板またはλ/2板の機能を有することを特徴とする
(10)の液晶表示装置。 (12)該ポリカーボネート系プラスチック基板が円偏
光板としての機能を有するか、または該ポリカーボネー
ト系プラスチック基板に偏光板が貼り合わされているこ
とを特徴とする(10)に記載の液晶表示装置。 (13)表示面側の該ポリカーボネート系プラスチック
基板に、バリア層、カラーフィルター、反射防止、およ
び、または防眩層を設置したことを特徴とする(10)
〜(12)の液晶表示装置。 (14)反対側の基板にカラーフィルターを有すること
を特徴とする(10)〜(13)の液晶表示装置。 (15)表示面側に反射防止、および、または防眩処理
がされていることを特徴とする(10)〜(14)の液
晶表示装置。 (16)反対側の電極が反射電極であることを特徴とす
る(10)〜(15)の反射型液晶表示装置。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明のポリカーボネート系位相差フィルムプラ
スチック基板は、ポリカーボネート系樹脂からなる。好
ましくは、少なくとも一種のフルオレン骨格からなるビ
スフェノール誘導体と、少なくとも一種の非フルオレン
骨格からなるビスフェノール誘導体を共重合させたポリ
カーボネート系樹脂からなる。ここで、「フルオレン骨
格からなるビスフェノール誘導体」とは、2つのフェノ
ールがフルオレン骨格によって連結された構造を有する
ビスフェノール誘導体をいう。
【0011】前記ポリカーボネート系樹脂は、下記一般
式(1)で表されるフルオレン骨格からなるビスフェノ
ール誘導体の繰り返し単位と、下記一般式(2)で表さ
れる非フルオレン骨格からなるビスフェノール誘導体の
繰り返し単位とを含む共重合ポリカーボネート系樹脂で
あるのが好ましい。前記ポリカーボネート系樹脂におい
て、下記一般式(1)で表される繰り返し単位は、下記
一般式(1)および(2)で表される各々の繰り返し単
位の合計に対して、5〜70モル%であるのが好まし
く、10〜60モル%であるのがより好ましく、20〜
50モル%であるのがさらに好ましい。但し、モル%が
減少しすぎると耐熱性が不十分となる場合があるため、
20〜50モル%の中でもより高いほうが好ましい。一
般式(1)
【0012】
【化3】
【0013】一般式(2)
【0014】
【化4】
【0015】前記一般式(1)において、R1〜R8はそ
れぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子および炭素数1〜
6の炭化水素基から選ばれるいずれかを表すが、但し、
1〜R8がすべて水素原子になることはない。ハロゲン
原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子等が例示
できる。炭素数1〜6の炭化水素基としてはメチル基、
エチル基が例示できる。前記一般式(1)で表される繰
り返し単位となるモノマーの具体例としては、9,9−
ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレ
ン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル
フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ
−3−クロロフェニル)フルオレン等が例示され、中で
も、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニ
ル)フルオレンが好ましい。
【0016】前記一般式(2)において、R11〜R18
それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子および炭素数1
〜6の炭化水素基から選ばれるいずれかを表し、Xは炭
素数1〜15の炭化水素基を表す。前記一般式(2)で
表される繰り返し単位となるモノマーの具体例として
は、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−
クロロフェニル)プロパン等が例示され、中でも、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフ
ェノールA)が好ましい。
【0017】前記一般式(1)で表される繰り返し単位
を2種類以上組み合わせてもよいし、および/または前
記一般式(2)で表される繰り返し単位を2種類以上組
み合わせてもよい。また、本発明には、2種類上のポリ
カーボネート系樹脂を混合して用いてもよい。
【0018】本発明のポリカーボネート系延伸位相差フ
ィルムプラスティック基板は、100℃の条件下におけ
る延伸方向の熱寸法変化率が0.001%〜0.04%
であることを特徴とする。延伸方向は通常長さ方向(縦
延伸)であり、その場合、更に、100℃の条件下にお
ける幅方向の熱寸法変化率が0%〜0.04%であるの
が好ましい。温度100℃における長さ方向の熱寸法変
化率が前記範囲であると、高温下で使用しても位相差フ
ィルムの面内レターデーション等の光学的変化を、実用
上問題のない範囲まで軽減することができる。例えば、
液晶表示装置に適用した場合に、高温下での使用による
表示品位の低下を抑制することができる。なお、本明細
書において「熱寸法変化率」は、温度25℃・相対湿度
60%において測定した長さL1と、絶対湿度をそのま
まに維持し、温度を100℃まで上昇させて所定の時間
経過した後、測定した長さL2とから、以下の式によっ
て算出される値をいう。 熱寸法変化率(%)={100×(L1−L2)/L1
の絶対値
【0019】本発明に用いるポリカーボネート系樹脂の
重合度は、ウベローデ型粘度計を用い、塩化メチレン溶
媒、20℃で測定し、外挿して求めた極限粘度ηが0.
15〜2.0dl/gであることが好ましい。ηが0.
15dl/gより低い場合は、十分な強度を有するフィ
ルムもしくはシート状成型物を得ることができないこと
がある。また、2.0dl/gより大きい場合は、成型
が困難になる場合がある。極限粘度は、より好ましくは
0.3〜1.5dl/gであり、さらに好ましくは0.
35〜1.0dl/gである。
【0020】また、共重合ポリカーボネート樹脂を2種
類以上混合して用いる場合には、上記極限粘度の範囲を
超える共重合ポリカーボネート樹脂を、かかる範囲内の
共重合ポリカーボネート樹脂と混合することで、好まし
い極限粘度範囲の共重合ポリカーボネート樹脂とするこ
とも可能である。
【0021】上記ポリカーボネート樹脂の重合方法は特
に限定するものではないが、通常の界面重合法、溶融重
合法等を挙げることができる。
【0022】本発明のポリカーボネート系延伸位相差フ
ィルムプラスチック基板の共重合ポリカーボネートの光
弾性係数は、80×10-8cm2/N以下であるのが好
ましい。80×10-8cm2/Nを超えると応力等で複
屈折性が発現し、位相差フィルムとしての品位が劣化す
る傾向がある。
【0023】ポリカーボネート系延伸位相差フィルムプ
ラスチック基板の厚みムラは±5%以下であることが好
ましい。一般的に、厚みムラの少ない基材は面内レター
デーションのバラツキも小さくなるため、ポリカーボネ
ート系プラスチック基板の均一性からも厚みムラは小さ
いほうがより好ましい。
【0024】前記ポリカーボネート系延伸位相差フィル
ムプラスティック基板のガラス転移温度(Tg)は15
0℃以上が望ましい。150℃未満の場合、位相差フィ
ルムの加工等において、制限が生じる可能性がある。液
晶表示用パネルの部材としての応用も考慮し、ガラス転
移温度は180℃以上であることが好ましい。なお、本
特許に記載されているガラス転移温度は樹脂自体のガラ
ス転移温度ではなく、フィルムのガラス転移温度であ
る。
【0025】位相差フィルムとして用いられるポリカー
ボネート系フィルムの面内レターデーション値は、波長
550nmで測定した場合30〜350nmの範囲にあ
ることが必要である。本発明では主にλ/4板として用
いられるため、波長550nmで測定した面内レターデ
ーション値(Re550)が110〜160nm、波長
450nmで測定した面内レターデーション値(Re4
50)が100〜125nmであり、かつ波長590n
mで測定した面内レターデーション値(Re590)が
120〜175nmであり、そして、{(Re590)
−(Re450)}≧2nmの関係を満足する。{(R
e590)−(Re450)}≧5nmであることがさ
らに好ましく、{(Re590)−(Re450)}≧
10nmであることが最も好ましい。波長450nmで
測定した面内レターデーション値(Re450)が10
8〜120nmであり、波長550nmで測定した面内
レターデーション値(Re550)が125〜142n
mであり、波長590nmで測定した面内レターデーシ
ョン値(Re590)が130〜152nmであり、そ
して、{(Re590)−(Re550)}≧2nmの
関係を満足することが好ましい。{(Re590)−
(Re550)}≧5nmであることがさらに好まし
く、{(Re590)−(Re550)}≧10nmで
あることが最も好ましい。また、{(Re550)−
(Re450)}≧10nmであることも好ましい。
【0026】また、本発明のポリマーフィルムをλ/2
板として使用する場合は、波長550nmで測定した面
内レターデーション値(Re550)が220〜320
nmであり、波長450nmで測定した面内レターデー
ション値(Re450)が200〜250nmであり、
かつ波長590nmで測定した面内レターデーション値
(Re590)が240〜350nmであり、そして、
{(Re590)−(Re450)}≧4nmの関係を
満足する。{(Re590)−(Re450)}≧10
nmであることがさらに好ましく、{(Re590)−
(Re450)}≧20nmであることが最も好まし
い。波長450nmで測定した面内レターデーション値
(Re450)が216〜240nmであり、波長55
0nmで測定した面内レターデーション値(Re55
0)が250〜284nmであり、波長590nmで測
定した面内レターデーション値(Re590)が260
〜304nmであり、そして、{(Re590)−(R
e550)}≧4nmの関係を満足することが好まし
い。また{(Re590)−(Re550)}≧10n
mであることがさらに好ましく、{(Re590)−
(Re550)}≧20nmであることが最も好まし
い。また、{(Re550)−(Re450)}≧20
nmであることも好ましい。
【0027】なお、面内レターデーション値(Re)
は、下記式に従って算出する。 Re=(nx−ny)×d 式中、nxは、位相差板の面内の遅相軸方向の屈折率
(面内の最大屈折率)であり、nyは位相差板の面内の
遅相軸に垂直な方向の屈折率であり、dは位相差板の厚
さ(nm)である。
【0028】さらに、本発明のポリカーボネート系延伸
位相差フィルムプラスティック基板は1枚で下記式を満
足するのが好ましい。 1≦{(nx−nz)/(nx−ny)}≦2 式中、nxは、位相差板の面内の遅相軸方向の屈折率で
あり、nyは位相差板の面内の遅相軸に垂直な方向の屈
折率であり、nzは厚み方向の屈折率である。
【0029】本発明のポリカーボネート系プラスチック
基板の厚みは30〜700μmが好ましい。30μmよ
り薄い場合は基材の作製プロセスにおいてハンドリング
が困難になるといった問題がある。700μmより厚い
場合は、軽量であるという樹脂基材の特徴が失われるの
みならず、視差が大きくなることによる表示品位の低下
が生じ好ましくない。より好ましくは50〜500μm
であり、さらに好ましくは80〜200μmである。
【0030】本発明のポリカーボネート系プラスチック
基板のヘイズの値は1%以下が好ましい。ヘイズが大き
い場合には、散乱等により位相差フィルムとしての特性
が十分発現しないことがある。従って、ヘイズの値はよ
り好ましくは0.5%以下である。
【0031】本発明のポリカーボネート系プラスチック
基板には、製造工程中で使用した溶媒が残存している場
合がある。残存溶媒濃度が多すぎると、温度による寸法
安定性、光学特性安定性が低下する傾向があるので、残
存溶媒濃度は少ない程好ましい。本発明のポリカーボネ
ート系プラスチック基板において、残存溶媒濃度は、
0.3質量%以下であるのが好ましく、0.1質量%以
下であるのがより好ましく、0.05質量%以下である
のがさらに好ましい。なお、本明細書において、「残存
溶媒濃度」とは、位相差フィルムを200℃で12時間
加熱し、加熱前後の質量変化から算出される値をいう。
【0032】上記ポリカーボネート系延伸位相差フィル
ムプラスティック基板の製造方法については、特に制限
はないが、上記ポリカーボネート樹脂を通常の押し出し
成形法、溶液キャスト法等により得る方法を例示するこ
とができる。溶液キャスト法により製造したほうが、レ
ターデーションの均一化といった点では有利であり、以
下に説明する、溶液流延を利用した本発明の製造方法は
特に好ましい。
【0033】また、ポリカーボネート系樹脂として、フ
ルオレン骨格からなるビスフェノール誘導体を含む共重
合ポリカーボネート樹脂を用いると、該樹脂は、通常の
ビスフェノールAのみからなるポリカーボネートと比較
して、塩化メチレン等の溶媒に高濃度で溶解可能であ
り、その溶液安定性も優れているので、溶液キャスト法
にてフィルム作製する場合(特にフィルム厚みが厚いも
のを作製する場合)、通常のビスフェノールAのみから
なるポリカーボネートと比較して、生産性に優れてい
る。
【0034】以下、本発明のポリカーボネート系延伸位
相差フィルムプラスティック基板の製造方法について説
明する。本発明のポリカーボネート系延伸位相差フィル
ムプラスティック基板の製造方法は、ポリカーボネート
系樹脂の溶液を流延製膜して膜を作製する製膜工程と、
作製した膜を少なくとも一方向に延伸して延伸フィルム
を得る延伸工程と、前記延伸フィルムを低張力条件下で
熱処理する熱処理工程とを含むことを特徴とする。
【0035】前記製膜工程では、前記ポリカーボネート
系樹脂の溶液を用いる。前記溶液は、一般的な方法(こ
こで、一般的な方法とは、0℃以上の温度(常温または
高温)で処理することを意味する)により調製すること
ができ、例えば、通常のソルベントキャスト法における
ドープの調製方法および装置を用いて実施することがで
きる。なお、前記溶液の溶媒としては、ハロゲン化炭化
水素(特にメチレンクロリド)、1,3−ジオキソラ
ン、トルエン、ジオキサン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等の有機溶媒を
用いることが好ましい。また、二種以上の有機溶媒を含
む混合溶媒を用いてもよい。
【0036】前記溶液中の前記ポリカーボネート系樹脂
の濃度は、10〜40質量%であるのが好ましく、10
〜30質量%であることがより好ましい。有機溶媒(主
溶媒)中には、後述する任意の添加剤を添加しておいて
もよい。前記溶液は、常温(0〜40℃)で前記ポリカ
ーボネート系樹脂と有機溶媒とを攪拌することにより調
製することができる。高濃度の溶液は、加圧および加熱
条件下で攪拌してもよい。具体的には、前記ポリカーボ
ネート系樹脂と有機溶媒とを加圧容器に入れて密閉し、
加圧下で溶媒の常温における沸点以上、かつ溶媒が沸騰
しない範囲の温度に加熱しながら攪拌する。加熱温度
は、通常は40℃以上であり、好ましくは60〜200
℃であり、さらに好ましくは80〜110℃である。
【0037】各成分は予め粗混合してから、攪拌機構を
備えた容器に投入することができる。窒素ガス等の不活
性気体を注入して容器を加圧することもできる。また、
加熱による溶媒の蒸気圧の上昇を利用してもよい。ある
いは、容器を密閉後、各成分を圧力下で添加してもよ
い。加熱する場合、容器の外部より加熱することが好ま
しい。例えば、ジャケットタイプの加熱装置を用いるこ
とができる。また、容器の外部にプレートヒーターを設
け、配管して液体を循環させることにより容器全体を加
熱することもできる。容器内部に攪拌翼を設けて、これ
を用いて攪拌することが好ましい。攪拌翼は、容器の壁
付近に達する長さのものが好ましい。攪拌翼の末端に
は、容器の壁の液膜を更新するため、掻取翼を設けるこ
とが好ましい。容器には、圧力計、温度計等の計器類を
設置してもよい。容器内で各成分を溶剤中に溶解する。
調製したポリマー溶液は冷却後容器から取り出すか、あ
るいは、取り出した後、熱交換器等を用いて冷却する。
【0038】また、前記ポリカーボネート系樹脂の溶液
は、冷却溶解法により調製することもできる。冷却溶解
法を利用することによって、一般的な方法では溶解させ
ることが困難な有機溶媒中にも前記ポリカーボネート系
樹脂を溶解させることができる。また、冷却溶解法によ
れば、より迅速に均一な溶液が得られるという効果もあ
る。冷却溶解法では、まず、室温で、有機溶媒中に前記
ポリカーボネート系樹脂を撹拌しながら徐々に添加す
る。溶液中のポリカーボネート系樹脂の好ましい濃度
は、上記と同様であり、10〜40質量%含まれるよう
に調製することが好ましく、10〜30質量%含まれる
ように調製することがより好ましい。さらに、混合物中
には後述する任意の添加剤を添加しておいてもよい。
【0039】次に、混合物を−100〜−10℃(好ま
しくは−80〜−10℃、さらに好ましくは−50〜−
20℃、最も好ましくは−50〜−30℃)に冷却す
る。冷却は、例えば、ドライアイス・メタノール浴(−
75℃)や、冷却したジエチレングリコール溶液(−3
0〜−20℃)中で実施できる。このように冷却する
と、ポリマーと有機溶媒の混合物は固化する。冷却速度
は、4℃/分以上であることが好ましく、8℃/分以上
であることがさらに好ましく、12℃/分以上であるこ
とが最も好ましい。冷却速度は、速いほど好ましいが、
10000℃/秒が理論的な上限であり、1000℃/
秒が技術的な上限であり、そして100℃/秒が実用的
な上限である。なお、冷却速度は、冷却を開始する時の
温度と最終的な冷却温度との差を冷却を開始してから最
終的な冷却温度に達するまでの時間で割った値である。
【0040】さらに、これを0〜200℃(好ましくは
0〜150℃、さらに好ましくは0〜120℃、最も好
ましくは0〜50℃)に加温すると、有機溶媒中にポリ
マーが溶解する。昇温は、室温中に放置するだけでもよ
し、温浴中で加温してもよい。加温速度は、4℃/分以
上であることが好ましく、8℃/分以上であることがさ
らに好ましく、12℃/分以上であることが最も好まし
い。加温速度は、速いほど好ましいが、10000℃/
秒が理論的な上限であり、1000℃/秒が技術的な上
限であり、そして100℃/秒が実用的な上限である。
なお、加温速度は、加温を開始する時の温度と最終的な
加温温度との差を加温を開始してから最終的な加温温度
に達するまでの時間で割った値である。以上のようにし
て、均一な溶液が得られる。なお、溶解が不充分である
場合は冷却、加温の操作を繰り返してもよい。溶解が充
分であるかどうかは、目視により溶液の外観を観察する
だけで判断することができる。
【0041】冷却溶解法においては、冷却時の結露によ
る水分混入を避けるため、密閉容器を用いることが望ま
しい。また、冷却加温操作において、冷却時に加圧し、
加温時の減圧すると、溶解時間を短縮することができ
る。加圧および減圧を実施するためには、耐圧性容器を
用いることが望ましい。
【0042】前記ポリカーボネート系樹脂の溶液には、
機械的物性の改良を目的として、または膜の乾燥速度の
向上を目的として、可塑剤を添加することができる。可
塑剤としては、特に限定はなく、また添加が必須ではな
いが、例えばリン酸エステルまたはカルボン酸エステル
が用いられる。リン酸エステルの例には、トリフェニル
フォスフェート(TPP)およびトリクレジルホスフェ
ート(TCP)が含まれる。カルボン酸エステルとして
は、フタル酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的
である。フタル酸エステルの例には、ジメチルフタレー
ト(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチ
ルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DO
P)、ジフェニルフタレート(DPP)およびジエチル
ヘキシルフタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸
エステルの例には、O−アセチルクエン酸トリエチル
(OACTE)およびO−アセチルクエン酸トリブチル
(OACTB)が含まれる。その他のカルボン酸エステ
ルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルア
セチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エ
ステルが含まれる。フタル酸エステル系可塑剤(DM
P、DEP、DBP、DOP、DPP、DEHP)が好
ましく用いられる。DEPおよびDPPが特に好まし
い。可塑剤は特に添加する必要がないが、添加する場合
その量は、溶液中のポリカーボネート系樹脂の質量に対
して0.1〜25質量%であることが好ましく、1〜2
0質量%であることがさらに好ましく、3〜15質量%
であることが最も好ましい。
【0043】その他、ポリカーボネート系樹脂の溶液中
には、劣化防止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、
ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)
を添加してもよい。劣化防止剤については、特開平3−
199201号、同5−1907073号、同5−19
4789号、同5−271471号、同6−10785
4号の各公報に記載がある。前記溶液における劣化防止
剤の含有量は、0.01〜1質量%であることが好まし
く、0.01〜0.2質量%であることがさらに好まし
い。添加量が0.01質量%未満であると、劣化防止剤
の効果がほとんど認められない。添加量が1質量%を越
えると、フィルム表面への劣化防止剤のブリードアウト
(滲み出し)が認められる場合がある。特に好ましい劣
化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン
(BHT)、トリベンジルアミン(TBA)を挙げるこ
とができる。
【0044】前記製膜工程における流延製膜は、常法に
従って行うことができる。例えば、前記溶液を、ベルト
またはドラム上に流延する。ドラムおよびベルトの表面
温度は10℃以下であるのが好ましい。また、ドラムま
たはバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好
ましい。前記溶液を流延後、膜を乾燥させる。膜の乾燥
は、送風により行うことができる。乾燥後、ベルトまた
はドラムから膜を剥ぎ取る。剥ぎ取った後、膜をさらに
乾燥して溶媒を蒸発させてもよい。乾燥は、例えば、1
00〜160℃まで逐次温度を変えた高温風で乾燥して
残留溶剤を蒸発させることもできる。ドラムまたはバン
ドの表面温度において、溶液がゲル化していると、流延
から剥ぎ取りまでの時間を短縮することができるので好
ましい。この方法については、特公平5−17844号
公報に記載があり、本発明にも適用することができる。
製膜工程において得られるフィルムの厚さは、40〜1
20μmであることが好ましく、70〜100μmであ
ることがさらに好ましい。
【0045】流延製膜およびそれに引き続いて実施する
乾燥については、米国特許2336310号、同236
7603号、同2492078号、同2492977
号、同2492978号、同2607704号、同27
39069号、同2739070号、英国特許6407
31号、同736892号の各明細書、特公昭45−4
554号、同49−5614号、特開昭60−1768
34号、同60−203430号、同62−11503
5号の各公報に記載があり、本発明にも適用することが
できる。
【0046】次に、延伸工程を実施する。前記延伸工程
では、作製された膜を少なくとも一方向に延伸する。延
伸により、フィルムの屈折率(面内の遅相軸方向の屈折
率nx、面内の遅相軸に垂直な方向の屈折率nyおよび
厚み方向の屈折率nz)を調整し、波長550nmで測
定した面内レターデーション値を40〜350nmにす
る。さらに、面内レターデーションがλ/4またはλ/
2となるように延伸することによって、各用途に供する
ことができる。延伸処理は、同時処理であっても、逐次
処理であってもよい。また、延伸処理は2以上繰り返し
行ってもよく、製膜工程時の加熱処理と同時に行っても
よい。
【0047】固有複屈折率が正であると、ポリマー鎖が
配向した方向に屈折率が高くなる。このような固有複屈
折率が正のポリマーを延伸すると、通常、屈折率は、n
x>ny≧nzとなる。これは、面内の方向に配向した
ポリマー鎖が、延伸によってx成分が多くなり、z成分
が最も小さくなるためである。 これにより、1≦
{(nx−nz)/(nx−ny)}の関係を満足する
ことができる。さらに、{(nx−nz)/(nx−n
y)}≦2の関係を満足するためには、一軸延伸の延伸
倍率を制御するか、あるいはアンバランスな二軸延伸を
実施して屈折率を調整すればよい。具体的には、最大の
延伸倍率SAと、その延伸方向に垂直な方向の延伸倍率
SBとが、1<(SA/SB)≦3の関係を満足するよ
うに、一軸延伸またはアンバランス二軸延伸を実施すれ
ばよい。延伸倍率は、延伸する前の長さを1とする場合
の相対的な値である。SBは、1未満の値となる(言い
換えると収縮する)場合もある。上記式の関係を満足す
れば、SBは1未満の値であってもよい。
【0048】前記延伸工程の前および/または後に、得
られたフィルムを加熱して、さらに溶媒を除去する乾燥
工程を実施してもよい。乾燥温度は、70℃〜220℃
が好ましく、80℃〜200℃がより好ましく、90℃
〜190℃がさらに好ましい。上記乾燥温度の調節はニ
クロムヒーター等を組み込んだパネル状のヒーターを用
いてもよく、ハロゲンランプ、IRヒーター等の熱源を
用いてもよく、熱風を送り込むことで行ってもよい。乾
燥ゾーン中には温度センサーを設置しておき、各所の温
度をモニターし、これらの熱源の出力を調整し温度制御
する。このためこれらの熱源はいくつかに分割され、個
別に制御できる構造にしておくことが、温度の不均一を
抑制する上で好ましい。これらの乾燥処理を行うケーシ
ングはガラスウール等の断熱材で囲うことが温度ムラを
なくす上で好ましい。乾燥時間は1分〜30分が好まし
く、2分〜20分がより好ましく、3分〜15分がさら
に好ましい。下記の熱処理工程に移行する前に、延伸フ
ィルム中に残存する溶媒の含有量は、0.3質量%以下
まで低減しておくのが好ましく、0.1質量%以下まで
低減しておくのがより好ましい。
【0049】次に、作製した延伸フィルム低張力条件下
で熱処理する。なお、本発明において、張力とは、延伸
フィルム(支持体)に与えた長手方向の力を、延伸フィ
ルム(支持体)の断面積(幅×厚み)で割った値をい
う。張力の調整は、巻取りモーターおよび/または送り
出しモーターのトルクを調整することで容易に行うこと
ができる。また、ダンサーロールを設置し、これに加え
る荷重を調整することでも容易に達成できる。さらに、
低い張力を制御するには、予め支持体の熱収縮量を測定
しておき、この量に見合う分だけ、巻取り量を少なくす
る方法も好ましい。上記方法で熱収縮応力により発生す
る張力も制御し、より弱い張力での処理が可能になる。
また、幅方向はクリップ等で規制せず、支持体を自由に
収縮させるようにするのが好ましい。このような低張力
で支持体を搬送するためには、なるべくロール搬送以外
に、空気浮上搬送を用いるのが好ましい。これは低下し
たロールホールド力に伴い発生する傷の発生を防止する
ためである。
【0050】前記熱処理工程の実施形態としては、後述
する(1)搬送熱処理および(2)ロール状での熱処理
の2つの形態が挙げられる。(1)および(2)の熱処
理を組み合わせて実施することもできる。(1)搬送熱
処理では、延伸フィルムは搬送方向に低張力を受け、ま
た(2)ロール状での熱処理においても、フィルムはロ
ール状態において低張力を受ける。(1)搬送熱処理お
よび(2)ロール状での熱処理の双方において、延伸フ
ィルムを低張力で熱処理することによって、熱寸法変化
率を低減することができるが、(2)ロール状での熱処
理を実施すると、熱寸法変化率がより小さくなるという
顕著に優れた効果がある。即ち、いかなるメカニズムに
よるのかについての詳細は不明であるが、延伸フィルム
をロール状態にして低張力を与えつつ、所定の温度範囲
で熱処理によると、優れた相乗効果が奏される。また、
(1)搬送熱処理を連続して実施するには、長大な乾燥
熱処理ゾーンが必要となり、設備費が増大するが、
(2)ロール状態での熱処理は、熱処理に要する設備費
を軽減できる点でも好ましい。
【0051】(1)搬送熱処理 延伸フィルム(支持体)(場合によっては、表面処理後
あるいは下塗り等の処理を行った後)を、0.04kg
/cm2〜6kg/cm2の張力で搬送しながら熱処理す
る。張力は0.04kg/cm2〜6kg/cm2である
のが好ましく、0.2kg/cm2〜5.5kg/cm2
であるのがより好ましく、1kg/cm 2〜5kg/c
2であるのがさらに好ましい。張力が前記範囲を超え
ると寸法変化が大きくなり、前記範囲を下回ると支持体
搬送中に搬送ロールにホールドさせることができず擦り
傷が発生し易くなる。なお、延伸フィルムを、一旦、延
伸フィルムの(Tg−50)℃より低い温度まで冷却し
てから、搬送熱処理を実施するのが好ましい。
【0052】熱処理時の温度は、ポリカーボネートフィ
ルムのTgの−50℃〜+80℃が好ましく、フィルム
のTgの−40℃〜+70℃がより好ましく、フィルム
のTgの−30℃〜+50℃であるのがさらに好まし
い。熱処理時間は1分〜60分が好ましく、2分〜40
分がより好ましく、3分〜30分がさらに好ましい。こ
の熱処理に引き続き、さらに後熱処理を行ってもよい。
後熱処理は、上記熱処理に引き続いて15℃〜70℃で
行うのが好ましく、20℃〜60℃がより好ましく、2
5℃〜50℃がさらに好ましい。処理時間は1秒〜5分
が好ましく、5秒〜3分がより好ましく、10秒〜1分
がさらに好ましい。後熱処理は、前記搬送熱処理に引き
続き、搬送しながら行うのが好ましい。後熱処理工程
は、張力0.04kg/cm2〜6kg/cm2で行うの
が好ましく、0.2kg/cm2〜5.5kg/cm2
行うのがより好ましく、1kg/cm2〜5kg/cm2
で行うのがさらに好ましい。
【0053】(2)ロ−ル状での熱処理 延伸フィルム(支持体)(場合によっては表面処理後あ
るいは下塗り等の処理を行った後)を、張力0.04k
g/cm2〜20kg/cm2、好ましくは0.1kg/
cm2〜18kg/cm2、より好ましくは0.5kg/
cm2〜15kg/cm2でロ−ルに巻き取った後に、ロ
ール状態のまま熱処理を行う。なお、延伸フィルムを、
一旦、延伸フィルムの(Tg−50)℃より低い温度ま
で冷却してから、ロール状での熱処理を実施するのが好
ましい。
【0054】熱処理時の温度は、ポリカーボネートフィ
ルムのTgの−50℃〜+80℃が好ましく、フィルム
のTgの−40℃〜+70℃がより好ましく、フィルム
のTgの−30℃〜+50℃がさらに好ましい。熱処理
時間は1分〜60分が好ましく、2分〜40分がより好
ましく、3分〜30分がさらに好ましい。
【0055】前記熱処理工程により、ポリカーボネート
系延伸フィルムにおける残存溶媒濃度を、0.3質量%
以下(より好ましくは0.1質量%以下、さらに好まし
くは0.05質量%以下)まで低減することができる。
【0056】本発明のポリカーボネート系プラスチック
基板は、特にλ/4板およびλ/2板としても兼用する
ことができる。また、本発明のポリカーボネート系プラ
スチック基板から、楕円偏光板用フィルム、および液晶
表示パネルを形成することに特に限定はない。場合によ
ってはガスバリア層、ハードコート層、透明導電層、耐
溶剤層、カラーフィルター層、反射防止層、光散乱層等
を設けることができる。以下にそれぞれについて記述す
る。
【0057】[プラスチック基板]液晶表示装置ける基
板は流動性のある液晶を挟持し、液晶セルの形を維持す
る重要な役割を持つ。本発明は表示側にプラスチック基
板を用いる反射型液晶表示装置に関するものであり、プ
ラスチック基板としては、可視光に対する透過率が高
く、熱的、力学的に安定で、可撓性を持ち、かつ液晶表
示装置を支えるための強度が必要である。
【0058】本発明でのプラスチック基板とは、プラス
チック、および、また他の層からなり、偏光板あるいは
円偏光性としての機能、ガスバリア層、透明電極、反射
防止や防眩層、カラーフィルター等を有していてもよ
い。
【0059】本発明では、少なくとも表示面側の基板に
上記ポリカーボネート系プラスチック基板を用いること
が好ましく、さらに反対側にもプラスチック基板を用い
ることもできる。
【0060】[偏光板]本発明に用いられる偏光板とし
ては、市販の偏光板または、従来の偏光板の保護フィル
ムの代わりに上記のプラスチック基板を用いたものでも
よい。さらに偏光板の偏光素子の作製方法は、ヨウ素ま
たは染料などの二色性分子を溶解又は吸着させ、その膜
を一方向に引き延ばして二色性分子を配列させる方法、
一軸方向に延伸したフィルムに上記の二色性分子を吸着
させる方法、ビスアゾ化合物、その互変異性体、又はそ
れらの塩の水溶性有機色素を含む二色性色素を用いて作
製する方法、あるいはビストリアジン化合物、その互変
異生体、およびそれらの塩から選択される水溶性化合物
を用いて作製する方法のいずれであってもよい。
【0061】本発明に用いる偏光板は、液晶表示装置の
コントラストを高める観点から、透過率は高い方が好ま
しく、偏光度は高い方が好ましい。透過率は好ましくは
550nmで30%以上が好ましく、40%以上がさら
に好ましい。偏光度は550nmで95.0%以上が好
ましく、99%以上がさらに好ましく、特に好ましくは
99.9%以上である。
【0062】さらに本発明に用いる偏光板の透過軸の傾
斜角度が、長手方向に対して好ましい40〜50°を持
つフィルムは、連続的に供給されるポリマーフィルムの
両端を保持手段により保持し、該保持手段をフィルムの
長手方向に進行させつつ張力を付与し、ポリマーフィル
ムの一方端の実質的な保持開始点から実質的な保持解除
点までの保持手段の軌跡L1及びポリマーフィルムのも
う一端の実質的な保持開始点から実質的な保持解除点ま
での保持手段の軌跡L2と、二つの実質的な保持解除点
の距離Wが、下記式(1)を満たし、かつポリマーフィ
ルムの支持性を保ち、揮発分率が5%以上の状態を存在
させて延伸、その後収縮させ揮発分率を低下させること
で、得ることができる。(米国特許公開2002−88
40A1号参照) 式(1) |L2−L1|>0.4W このような傾斜角度をもつ偏光板は、本発明の反射型液
晶表示装置を製造する際に、従来のように偏光板を斜め
に切出す必要がなく、液晶セルにそのまま貼り合わせる
ことができ、偏光板を有効に使用することができる。
【0063】[円偏光板]本発明の円偏光板は上記の偏
光板と下記のλ/4板との組み合わせからなる。本発明
のプラスチック基板が偏光板、またはλ/4板の機能を
持っていても良いし、プラスチック基板に別の偏光板ま
たはλ/4板を貼り合わせることも可能である。
【0064】[透明電極]本発明のプラスチック基板に
は透明電極が設置されているものである。透明電極の表
面抵抗率は、103Ω/□以下であることが好ましく、
100Ω/□以下であることがさらに好ましい。透明電
極の表面抵抗率を上記のような値にするためには、導電
性微粒子分散物、金属アルコキシドなどの塗布による方
法、スパッタリング、真空蒸着法、イオンプレーティン
グ法、CVD法などの真空成膜法、または大気圧での気
相成長法などが好ましい。
【0065】透明電極の材料としては金属酸化物として
は、In23系(Snなどドープ品含む)、SnO2
(F、Sbなどドープ品含む)、ZnO系(Al、Ga
などのドープ品含む)、TiO2、Al23、SiO2
MgO、BaO、MoO3、V25、またはこれらの複
合品In23−ZnO系などが挙げられる。さらに金属
窒化物としては、TiNなどが挙げられる。
【0066】スパッタ法により酸化インジウムを主とし
て含む膜を成膜する方法としては、インジウムを主成分
とする金属ターゲット、または酸化インジウムを主成分
とする焼結体であるターゲットを用いた反応性スパッタ
リングを行うことができる。反応の制御上、後者が好ま
しい。反応性スパッタリング法においてはスパッタリン
グガスとしては、アルゴンなどの不活性ガスを用い、反
応性ガスとしては酸素を用いる。放電形式としてはDC
マグネトロンスパッタ、RFマグネトロンスパッタなど
が利用できる。また、酸素の流量を制御する方法として
はプラズマエミッションモニター法で行うことが好まし
い。
【0067】[ガスバリア層]本発明におけるガスバリ
ア層は、プラスチック基板、あるいはカラーフィルター
からの水、有機物、空気などが液晶の状態を変化させ、
液晶表示装置としての耐久性が悪化することを防止す
る。したがって、ガスバリア層としては、水、有機物、
空気などの透過性の低い材料、例えば、酸化珪素、金
属、非金属、亜金属の酸化物等の無機酸化物からなるも
のが好ましい。ガスバリア層はλ/4板と透明電極の
間、またはカラーフィルターと透明電極の間にあること
が好ましい。
【0068】本発明における酸化珪素とはSiO、Si
2などのSiの酸化物でありSiOxと現す。中でも
ガスバリア性、透明性、表面平滑性、屈曲性等の点から
珪素原子数に対する酸素原子数の割合が1.5〜2.0の
珪素酸化物を主成分とする金属酸化物が良好である。珪
素酸化物に対する酸素原子数の割合は、X線電子分光
法、X線マイクロ分光法、オージェ電子分光法、ラザホ
ード後方散乱法などにより分析、決定される。この割合
が1.5よりも小さくなると透明性が悪くなることか
ら、1.5〜2.0が好ましい。
【0069】ガスバリア層として好ましい具体例として
は、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸
化インジウム、酸化カルシウム、酸化カドミウム、酸化
銀、酸化金、酸化クロム、珪素酸化物、酸化コバルト、
酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化鉄、酸
化銅、酸化ニッケル、酸化白金、酸化パラジウム、酸化
ビスマス、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化モリ
ブデン、酸化バナジウム、酸化バリウム等が挙げられる
が、珪素酸化物、酸化アルミニウムが高度な酸素バリア
性、水蒸気バリア性及び透明性とを兼ね備え、かつ工業
的に安価であるので特に好ましい。
【0070】かかる珪素酸化物、酸化アルミニウムは各
々単独で使用しても良いし、混合物として用いても良
い。なお、金属酸化物には、微量の金属、非金属、亜金
属単体やそれらの水酸化物、また、可塑性を向上させる
ために適宜炭素、フッ素、フッ化マグネシウムが含まれ
ていても良い。
【0071】該金属酸化物層の厚さとしては、5〜20
0nmの範囲が好ましい。5nmよりも薄くなると均一
に膜を形成することは困難であり、膜が形成されない部
分が発生し、この部分からガスが浸透し、ガスバリア性
が悪くなることがある。また、200nmよりも厚くな
ると透明性を欠くだけでなくクラックが発生しやすくな
りガスバリア性が損なわれることがある。
【0072】本発明の方法には、主にスパッタリング法
が使用される。例えば珪素酸化物SiOxを含む層を形
成するスパッタリング法には、シリコン、酸化珪素を主
成分とする焼結体をターゲットとして用いることができ
る。前者はアルゴンなどの不活性ガスおよび酸素ガスな
どの反応性ガスを真空槽内に導入して、反応性スパッタ
リングを行う。後者においては、アルゴンなどの不活性
ガスに微意量の酸素ガスなどの反応性ガスを混合したも
のを用いてスパッタリングを行う。スパッタリングの方
式は、直流または高周波二極スパッタリング、直流また
は高周波マグネトロンスパッタリング、イオンビームス
パッタなど公知の方式が適用できる。中でもマグネトロ
ン方式は基板へのプラズマ衝撃が少なく、高速成膜が可
能で好ましい。本発明においては特に成膜速度を速くす
るためにSi金属ターゲットを用い直流マグネトロンス
パッタリングによって成膜を行うことが好ましい。 S
i酸化物ターゲットを用いる場合もあるが、成膜速度が
極端に遅くまた放電安定性も悪いために生産性の観点か
らは好ましくない。また、スパッタリング装置としては
その生産性の観点からロールツーロール方式が望ましい
がバッチ式も使用しうる。
【0073】[カラーフィルタ]本発明に用いるカラー
フィルターは、染料法、顔料分散法、印刷法、電着法、
スピンコート法などのどの方法によって作製さることが
好ましい。特開平5−80503号公報記載の感光性転
写材料を用いる転写法や、特開平7―294714号公
報記載のハロゲン化銀カラー感光材料を用いる写真法、
特開平7−290731号公報記載の画像形成システム
を用いるレーザー法で作製されるが特に好ましい。
【0074】カラーフィルターは、λ/4板とガスバリ
ア層の間に設置してもよいし、λ/4板、ガスバリア
層、カラーフィルターの順に設置してもよい。本発明の
カラーフィルターは表示側のプラスチック基板に設置す
ること、または反体側の駆動回路上に設置することが好
ましい。
【0075】[反射防止層/防眩層]本発明の反射防止
/防眩層としては、薄膜の干渉層による反射防止層が好
ましい。また、防眩層としては、表面凹凸または内部に
屈折率の違う粒子を入れた散乱層が好ましい。
【0076】特公昭60−59250号公報は、微細空
孔と微粒子状無機物とを有する反射防止層を開示してい
る。特開昭59−50401号公報は、支持体、高屈折
率層および低屈折率層の順に積層した反射防止膜を開示
している。同公報は、支持体と高屈折率層の間に中屈折
率層を設けた反射防止膜も開示している。低屈折率層
は、ポリマーまたは無機微粒子の塗布により形成されて
いる。特開平2−245702号公報は、二種類以上の
超微粒子(例えば、MgF2 とSiO2 )を混在させ
て、膜厚方向にその混合比を変化させた反射防止膜を開
示している。混合比を変化させることにより屈折率を変
化させ、上記特開昭59−50401号公報に記載され
ている高屈折率層と低屈折率層を設けた反射防止膜と同
様の光学的性質を得ている。超微粒子は、エチルシリケ
ートの熱分解で生じたSiO2 により接着している。エ
チルシリケートの熱分解では、エチル部分の燃焼によっ
て、二酸化炭素と水蒸気も発生する。特開平2−245
702号公報の第1図に示されているように、二酸化炭
素と水蒸気が層から離脱することにより、超微粒子の間
に間隙が生じている。
【0077】特開平5−13021号公報は、上記特開
平2−245702号公報記載の反射防止膜に存在する
超微粒子間隙をバインダーで充填することを開示してい
る。特開平7−48527号公報は、多孔質シリカより
なる無機微粉末とバインダーとを含有する反射防止膜を
開示している。また、特開2001−100004号公
報は、少なくとも1層の、屈折率が1.38以上1.4
9以下の含フッ素樹脂を含む低屈折率層を設けた防眩性
反射防止フィルムであって、基材と低屈折率層の間に屈
折率が1.57〜2.00であるバインダを含む防眩層
を設けた防眩性反射防止フィルムを形成する方法を開示
している。本発明の反射防止/防眩層は、前記基材上
に、前記防眩層と前記低屈折率層とを順に設けることで
構成されていればよく、低屈折率層については、規定す
る屈折率層の間に、前記ハードコート層をさらに設ける
ことが好ましく、構成成分の異なるハードコート層を2
層以上設けていてもよい本発明の反射防止/防眩層はの
形成は、プラスチック基板の最表面に形成することが好
ましい。
【0078】本発明に用いられる液晶表示装置のモード
は特に限定されないが、TN(twisted nem
atic)型、VA(Vertical Alingm
ent)型、HAN(Hybrid Aliged N
ematic)型、STN(Supper Twist
ed Nematic)型、または、GH(Guest
Host)型であることが好ましい。
【0079】TN型液晶セルのツイスト角は、40〜1
00゜であることが好ましく、50〜90゜であること
がさらに好ましく、60〜80゜であることが最も好ま
しい。液晶層の屈折率異方性(Δn)と液晶層の厚み
(d)との積(Δnd)の値は、0.1〜0.5μmで
あることが好ましく、0.2〜0.4μmであることが
さらに好ましい。TN型液晶セルは、駆動回路がない単
純マトリックス方式、および駆動回路があるアクティブ
マトリックス方式で使用できる。駆動回路のあるアクテ
ィブマトリックス方式の方がより好ましい。
【0080】STN型液晶セルのツイスト角は、180
〜360゜であることが好ましく、220〜270゜で
あることがさらに好ましい。液晶層の屈折率異方性(Δ
n)と液晶層の厚み(d)との積(Δnd)の値は、
0.3〜1.2μmであることが好ましく、0.5〜
1.0μmであることがさらに好ましい。STN型液晶
セルは、駆動回路がない単純マトリックス方式、および
駆動回路があるアクティブマトリックス方式で使用でき
る。
【0081】HAN型液晶セルは、片方の基板上では液
晶が実質的に垂直に配向しており、他方の基板上のプレ
チルト角が0〜45゜であることが好ましい。液晶層の
屈折率異方性(Δn)と液晶層の厚み(d)との積(Δ
nd)の値は、0.1〜1.0μmであることが好まし
く、0.3〜0.8μmであることがさらに好ましい。
液晶を垂直配向させる側の基板は、反射板側の基板であ
ってもよいし、透明電極側の基板であってもよい。
【0082】GH型液晶セルは、液晶層が液晶と二色性
色素との混合物からなる。液晶、二色性色素ともに棒状
の化合物の場合、液晶のディレクタと二色性色素の長軸
方向が平行となる。電圧の印加によって液晶の配向状態
が変化すると、二色性色素も液晶と同様に長軸方向が変
化する。GH型液晶セルには、Heilmeir型や、
コレステリック液晶を用いたWhite−Taylor
型、二層型、λ/4板を用いた方式などが知られている
が、本発明においては、λ/4板を用いた方式を用いる
のが好ましい。λ/4板を備えたゲストホスト反射型液
晶表示素子については、特開平6−222350号、同
8−36174号、同10−268300号、同10−
292175号、同10−293301号、同10−3
11976号、同10−319442号、同10−32
5953号、同10−333138号、同11−384
10号の各公報に記載がある。λ/4板は、液晶層と反
射板との間に設けられる。液晶層は水平配向、垂直配向
のどちらを用いても構わないが、垂直配向を用いるのが
好ましい。液晶の誘電率異方性は負であることが好まし
い。
【0083】VA型液晶セルは、電圧無印加時に2枚の
基板間で液晶が垂直に配向している。一般的には誘電率
異方性が負の液晶が使用されており、上下電極間に電圧
を印加する事により液晶が水平配向する。一般的にはノ
ーマリーブラックモードで使用されており、非常に高い
コントラスト比が得られる。視角依存性を改善するため
に負の一軸性または負の二軸性の位相差フィルムが組合
される。また、電極上に突起、窪みを設ける事やスリッ
ト状の電極を使用することにより視角依存性が改善でき
る事が特開平11−258605号公報に開示されてい
る。液晶層の屈折率異方性(Δn)と液晶層の厚み
(d)との積(Δnd)の値は、0.1〜1.0μmで
あることが好ましく、0.3〜0.6μmであることが
さらに好ましい。誘電率異方性が正の液晶に基板水平方
向の電界を印加して、液晶を水平配向させる方式もVA
型液晶セルの1つとして考える事が出来る。
【0084】反射型液晶表示装置は、印加電圧が低い時
に明表示、高い時に暗表示であるノーマリーホワイトモ
ードでも、印加電圧が低い時に暗表示、高い時に明表示
であるノーマリーブラックモードでも用いることができ
る。
【0085】上述の液晶表示装置は1枚または2枚のλ
/4板を含んでおり、基本的に反射型、または半透過型
として用いられる。半透過型液晶表示装置の駆動方式に
ついては単純マトリックス方式よりも、アクティブマト
リックス方式が好ましく、TFT(Thin Film
Transistor)、TFD(Thin Fil
m Diode)またはMIM(Metal Insu
rator Metal)を使うことがより好ましい。
TFTについては低温ポリシリコンまたは連続粒界シリ
コンを使うことがより好ましい。
【0086】詳細については、「液晶デバイスハンドブ
ック」日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞
社、「液晶 応用編」岡野光治他、培風館、「カラー液
晶ディスプレイ」小林俊介他、産業図書、「次世代液晶
ディスプレイ技術」内田龍男、工業調査会、「液晶ディ
スプレイの最先端」液晶若手研究会編、シグマ出版、
「液晶:LCDの基礎と新しい応用」液晶若手研究会
編、シグマ出版等に記載されている。
【0087】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、操
作等は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更する
ことができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す
具体例に制限されるものではない。各実施例における特
性値は、以下の方法に従って測定した。 <極限粘度>極限粘度[η]は、溶媒として塩化メチレ
ンを用い、ウベローデ型粘度計により温度20℃で測定
して、外挿して求めた。 <熱寸法変化率>熱寸法変化率を測定するためのサンプ
ルとして、5cm×25cmの長方形のフィルムを用い
た。熱処理の完了した位相差フィルムを、原反フィルム
の中央、両端の3点の各々について、縦方向(MD)用
および横方向(TD)用としてサンプリングし、合計6
枚のサンプルを用意した。MD方向の寸法変化を測定す
るときは、25cmの片をMD方向に平行に、TD方向
の寸法変化を測定するときは25cmの片をTD方向に
平行にサンプリングした。熱寸法変化率は、まず、中央
に20cm間隔に孔を2点開けたサンプルを、25℃6
0%RHの雰囲気下に12時間以上静置し、調湿した
後、ピンゲ−ジを用いて孔間の長さを測定した(この長
さをL1とする)。その後、絶対湿度を変えずに温度の
み100℃に上昇させた雰囲気下に、12時間静置し、
その後、25℃60%RHの雰囲気下に12時間以上静
置し、調湿した後、再びピンゲ−ジを用いて孔間の長さ
を測定した(この長さをL2とする)。測定した値を用
いて、下記式に基づいて熱寸法変化率を求めた。熱寸法
変化率(%)={100×(L1−L2)/L1}の絶対
値これを各測定点(原反フィルムの中央、両端の3点で
MD、TDの2方向、合計6点)ごとに平均値を求め、
これら6点のなかで最も大きな値を示すものを求めた。
【0088】<レターデーション変化>上記<熱寸法変
化率>のサンプルについて、熱処理実施前後で日本分光
(株)製M−150型エリプソメータを用いて、450
nm、550nm、590nmのレターデーションを測
定し、その差を求めた。
【0089】<残存溶媒濃度>熱処理の完了した位相差
フィルムを温度200℃で12時間加熱し、加熱前後の
質量変化から求めた。
【0090】<厚みムラ>熱処理の完了した位相差フィ
ルムを、原反フィルムの中央、両端の3点において、縦
方向(MD)用および横方向(TD)用として、各々1
0枚ずつサンプリングした。サンプルは5cm×10c
mの長方形とした。これらのサンプルを、接触式厚み測
定器で各々10点ずつ測定し、各々の平均厚みの最大値
と最小値との差を全平均厚みで除することにより求め
た。
【0091】<遅相軸角度分布、レターデーション>熱
処理の完了した位相差フィルムを、原反フィルムの中
央、両端の3点において、縦方向(MD)に各10枚ず
つサンプリングした。サンプルは5cm×15cmの長
方形とした。これらのサンプルをエリプソメータ(KO
BRA−31PR、王子計測器(株)製)により450
nm、550nm、590nmでのレターデーション、
遅相軸MD方向からのずれを各10点ずつ測定し、レタ
ーでションは全点の平均から、遅相軸角度分布は各々の
角度のずれの最大と最小から求めた。
【0092】<ヘイズ>熱処理の完了した位相差フィル
ムをヘイズ計(1001DP型、日本電色工業(株)
製)を用いて測定した。
【0093】[実施例1] (位相差フィルムの作製)水酸化ナトリウム水溶液に、
9,9−ジ(3−メチル−4−フェノール)フルオレン
を36.8gおよび2,2−ビス(4―ヒドロキシフェ
ニル)プロパンを54.2g仕込み、少量のハイドロサ
ルファイトを加え、続いて塩化メチレンを加えて、20
℃でホスゲンを約60分かけて吹き込んだ後、さらに、
p−tert−ブチルフェノールを加えて乳化後、トリ
エチルアミンを加えて30℃で約3時間攪拌して反応さ
せた。得られた共重合ポリカーボネートの極限粘度
[η]は、0.72dl/gであった。ポリカーボネー
ト共重合体をメチレンクロリドに溶解させ、この溶液
(濃度10質量%)を用いて製膜したフィルムを表1に
示す温度(60〜140℃)で2時間乾燥し、ロール状
キャストフィルムを作製した。次に、得られたフィルム
を、温度216℃において実倍で1.74倍程度に縦一
軸延伸し、λ/4板を得た。得られた延伸フィルムのT
gは185℃であった。また膜厚は85μmであった。
【0094】(熱処理)得られた延伸フィルムを、各々
下記に示す熱処理条件にて低張力搬送処理した。但し、
比較のため一部については処理を行わなかった。 (1)搬送熱処理 表1に記載の温度、張力に設定した全長200mの熱処
理ゾーンを、搬送速度20m/分で搬送して、搬送熱処
理した。 (2)ロ−ル熱処理 表1に記載の温度に設定した熱処理ゾ−ンを通過させた
後、その温度雰囲気下で表1に記載の張力で直径30c
mの巻芯に巻取った。この後0.2回転/時間で回転さ
せながら−1℃/時間で室温まで冷却した。
【0095】(耐熱性評価)作製したフィルムを上記の
方法で熱処理し、上記の方法に従って種々の特性を測定
した。条件および結果を表1および表2にまとめた。
【0096】
【表1】
【0097】
【表2】
【0098】(偏光素子の作製)PVAフィルムをヨウ
素1.0g/l、ヨウ化カリウム60.0g/lの水溶
液に25℃にて30秒浸漬し、さらにホウ酸40g/
l、ヨウ化カリウム30g/lの水溶液に25℃にて1
20秒浸漬後、吸収軸が長手方向に対して45°傾いた
方向に延伸するための米国特許公開2002−8840
A1号のFig.2におけるテンター延伸機に導入し、
60℃90%雰囲気下で2倍に延伸し、テンターを延伸
方向に対し屈曲、収縮を繰り返し、80℃雰囲気で乾燥
させた後テンターから離脱した。延伸開始前の PVA
フィルムの含水率は31%で、乾燥後の含水率は1.5
%であった。左右のテンタークリップの搬送速度差は、
0.05%未満であり、導入されるフィルムの中心線と
次工程に送られるフィルムの中心線のなす角は、0゜で
あった。ここで米国特許公開2002−8840A1号
のFig.2における|L1−L2|は0.7m、Wは
0.7mであり、|L1−L2|=Wの関係にあった。
テンター出口における実質延伸方向は、次工程へ送られ
るフィルムの中心線に対し45゜傾斜していた。テンタ
ー出口におけるシワ、フィルム変形は観察されなかっ
た。このようにして、延伸して吸収軸が長手方向に45
°傾いた偏光素子を作製した。
【0099】(表示面側のプラスチック基板の作製)厚
さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮
支持体の上に下記の処方H1からなる塗布液を塗布、乾
燥させ、乾燥膜厚が20μmの熱可塑性樹脂層を設け
た。 熱可塑性樹脂層処方H1: メチルメタクリレート/2
−エチルヘキシルアクリレート/ベンジル メタクリレ
ート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)
=55/28.8/11.7/4.5、重量平均分子量
=90000)15質量部、ポリプロピレングリコール
ジアクリレート(平均分子量=822)6.5質量部、
テトレエチレングリコールジメタクリレート 1.5質
量部、p−トルエンスルホンアミド 0.5質量部、ベ
ンゾフェノン 1.0質量部、メチルエチルケトン 30
質量部。次に上記熱可塑性樹脂層上に下記処方B1から
成る塗布液を塗布、乾燥させ、乾燥膜厚が1.6μmの
中間層を設けた。 中間層処方B1: ポリビニルアルコール(クラレ
(株)製PVA205、鹸化率=80%)130質量
部、ポリビニルピロリドン(GAFコーポレーション社
製PVP、K−90)60質量部、弗素系界面活性剤
(旭硝子(株)社製サーフロンS−131) 10質量
部、蒸留水 3350質量部。上記熱可塑性樹脂層及び
中間層を有する4枚の仮支持体の上に、黒色(Bl層
用)、赤色(R層用)、緑色(G層用)及び青色(B層
用)の4色の感光性溶液を塗布、乾燥させ、乾燥膜厚が
2μmの着色感光性樹脂層を形成した。さらに上記感光
性樹脂層の上にポリプロピレン(厚さ12μmの被覆シ
ートを圧着し、赤色、青色、緑色および黒色感光性転写
材料を作成した。
【0100】この感光性転写材料を用いて、以下の方法
でカラーフイルターを作製した。赤色感光性転写材料の
被覆シートを剥離し、感光性樹脂層面を、上記で作成し
たポリカーボネート誘導体からなるλ/4板(幅680
mmのロール状で長手方向に遅相軸がある)上へにラミ
ネーター(大成ラミネータ(株)製VP−II)を用い
て加圧(0.8kg/cm2)、加熱(120℃)して
貼り合わせ、続いて仮支持体と熱可塑性樹脂層との界面
で剥離し、仮支持体を除去した。次に所定のフォトマス
クを介して露光し、1%トリエタノールアミン水溶液で
熱可塑性樹脂層及び中間層を除去した。この際、感光性
樹脂層は実質的に現像されていなかった。次いで、1%
炭酸ナトリウム水溶液で感光性樹脂層を現像して不要部
を除去し、λ/4板上に赤色画素パターンを形成した。
次いで、赤色画素パターンが形成されたλ/4板上に、
緑色感光性転写材料を上記と同様にして貼り合わせ、剥
離、露光、現像を行ない、緑色画素パターンを形成し
た。同様な工程を青色、黒色感光性転写材料で繰り返
し、λ/4板上にカラーフィルターを形成した。これら
の工程において、仮支持体は熱可塑性樹脂層からの申し
分の無い剥離性を示し、得られたカラーフィルターは画
素の欠落がなく、下地との密着性が良好で、更に汚れも
無かった。
【0101】さらに、このカラーフィルターを形成した
λ/4板を巻取り型のスパッタリング装置にセットし
て、カラーフィルター上に厚み10nmのSiOxのガ
スバリア層を、さらにその上に150nmのIn23
の透明電極を形成し、カラーフィルター、ガスバリア
層、透明電極を有するλ/4板を得た。
【0102】前記の長手方向に対して吸収軸が45°傾
いた上記の偏光素子の両側にポリビニルアルコール系粘
着剤を塗工し、一方に上記のλ/4板のポリカーボネー
ト側を、反対側にあらかじめ反射防止層/防眩層を付与
したセルローストリアセテートフィルム(保護フィル
ム)の反射防止層/防眩層の無い側をロールツーロール
で貼り合わせた。さらに80℃で乾燥して有効幅680
mmの円偏光板としての機能を有し、カラーフィルタ
ー、ガスバリア層、透明電極、反射防止層/防眩層を有
す、厚み0.4mmの表示面側のプラスチック基板を得
た。
【0103】透明電極の表面抵抗率をJIS H 060
2:1995記載の4端子法にて測定した結果、15Ω
/□であった。また、このプラスチック基板の酸素透過
性を異圧法で測定したところ、1.0cc/平方m・2
4Hr・気圧以下であった。
【0104】(反射型液晶表示装置の作製)反射電極と
13.3インチの駆動用ポリシリコンからなるTFTア
レイ1式が4組形成されている、550mm×650m
mの反対側ガラス基板を用意した。このガラス基板の電
極側に、ポリイミド配向膜(SE−7992、日産化学
(株)製)を形成し、ラビング処理を行ない、スペーサ
ーを介して、あらかじめポリイミド配向膜(SE−79
92、日産化学(株)製)を形成しラビング処理をした
550mm×650mmの前記表示面側のプラスチック
基板を、配向膜が向かい合うように重ねた。基板の間隙
に、液晶(MLC−6252、メルク社製)を注入し、
液晶層を形成した。このようにして、550mm×65
0mmのTN型液晶セルを作製した。得られた液晶セル
を裁断して、4組の反射型液晶表示装置を得た。
【0105】作製したそれぞれの反射型液晶表示装置に
1kHzの矩形波電圧を印加した。いずれの装置も白表
示1.5V、黒表示4.5Vとして分光測色計(CM−
2002 ミノルタ(株))にて評価を行った。その結
果、本発明のプラスチック基板を用いた液晶表示装置で
は、白表示(x=0.31、y=0.33)、黒表示(x
=0.31、y=0.30)となり白表示、黒表示とも
に、色味がなく、ニュートラルグレイが表示されている
ことが確認でき、また優れた色再現範囲を示し良好に動
作した。一方、比較例のプラスチック基板を用いた液晶
表示装置では、色再現性が十分でなく、所々に色ムラが
認められた。
【0106】さらに本発明に記載した透明電極付きのプ
ラスチック基板を25℃60%RHの雰囲気下に12時
間以上静置し、その後、絶対湿度を変えずに温度のみ1
00℃に上昇させた雰囲気下に、12時間静置した。静
置後の表面抵抗率をJISH 0602:1995記載
の4端子法にて測定した結果、本発明のプラスチック基
板では表面抵抗率の変化がほとんどなかったが、比較例
の基板では表面抵抗率の上昇が認められた。寸法変化に
より、透明電極に亀裂が生じ抵抗率が上昇したものと推
定される。結果を表2に合わせて記載した。
【0107】また、本発明に記載した液晶表示装置につ
いて−20℃と+70℃のヒートサイクル試験を行なっ
た。すなわち、その各温度を2時間ずつ保持し、これを
250サイクル繰り返した。この試験に供した液晶表示
装置のセル内に気泡は認められなかった。図1は本発明
の実施例1で作製した反射型液晶の断面図を現す模式図
である。
【0108】実施例に示すように、本発明のサンプルは
低張力熱処理を行うことにより100℃での熱寸法変化
が極めて小さくなり、光学特性変化も小さかった。これ
に対して、低張力条件から外れた熱処理を行ったサンプ
ル、および熱処理を行わないサンプルは、寸法変化が大
きく光学特性変化も無視できないものであった。更に
は、本発明によって、特に携帯用として用いられる反射
型液晶表示装置において、軽量であるとともに熱安定性
に優れたプラスチック基板を有する液晶表示装置とその
目的を達成するための表示側のプラスチック基板を得る
ことができる。さらに、長手方向に対して45°傾いて
いる透過軸を有する偏光板を用いることで、偏光板の有
効利用が可能になることが明らかになった。
【0109】
【発明の効果】電極を有する基板に挟まれた液晶層を有
する液晶表示装置において、2枚の基板のうち、少なく
とも表示面側が透明電極を有するプラスチック基板で構
成され、該プラスチック基板の熱寸法変化が小さいこと
を特徴とする液晶表示装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例におけるプラスチック基板の
断面図である。
【符号の説明】
1 反射防止層/防眩層 2 保護フィルム 3 偏光素子 4 本発明のポリカーボネート系プラスチック基板 5 カラーフィルター 6 ガスバリア膜 7 透明導電膜 8 配向膜 9 液晶層 10 反射電極 11 駆動回路つき下ガラス基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 1/11 C08L 69:00 4F100 5/30 G02B 1/10 A // C08L 69:00 Z Fターム(参考) 2H049 BA02 BA03 BA06 BA07 BB44 BB62 BB65 BB66 BC03 BC09 BC22 2H090 HC05 HC15 HC18 JB02 JB03 JB12 JB13 JC08 JD06 KA05 KA06 KA08 LA01 LA02 LA03 LA04 LA05 LA07 LA08 LA09 LA15 LA20 MA01 MA02 2K009 AA02 CC03 CC09 DD03 DD04 DD07 EE00 EE03 4F006 AA36 AB74 BA07 CA05 CA08 DA01 4F071 AA50 AA50X AA81 AF29 AF30 AF35 AF37 AF54 AF54Y AH12 AH16 BA02 BB02 BB07 BC01 BC17 4F100 AK45B AR00A AS00C BA02 BA03 BA07 BA10A BA10C EJ37B GB41 JG01A JL04 JL04B JN01A JN08B YY00B

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波長550nmで測定した面内レターデ
    ーション値が30〜350nmであり、且つ100℃の
    条件下における延伸方向の熱寸法変化率が0.001%
    〜0.04%であるポリカーボネート系延伸位相差フィ
    ルム上に透明導電膜を有することを特徴とするポリカー
    ボネート系プラスチック基板。
  2. 【請求項2】 電極を有する基板に挟まれた液晶層を有
    する液晶表示装置において、2枚の基板のうち、少なく
    とも表示面側が請求項1に記載の透明導電膜を有するポ
    リカーボネート系プラスチック基板で構成されることを
    特徴とする液晶表示装置。
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