JP2007279243A - 偏光板の製造方法、偏光板、および画像表示装置 - Google Patents

偏光板の製造方法、偏光板、および画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】低透湿フィルムを用いた偏光板の安定な製造方法を提供すること。そのような製造方法により得られる、優れた偏光特性および耐久性を有する偏光板を提供すること。
【解決手段】第一の700g/m2・24h以下の透湿度を有する樹脂層を少なくとも含むフィルムと第二のフィルムとを水系接着剤を用いて偏光子の両面に貼り合わせて積層体を形成した偏光板の作成方法であって、第一のフィルムと第二のフィルムを逐次に貼合することを特徴とする偏光板の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は偏光板の製造方法、該製造方法により得られる偏光板及び液晶表示装置に関するものである。
情報産業の著しい発達に伴って、各所で表示装置が活用されるようになっている。特に液晶表示装置の発達はめざましく、様々な機器に搭載されるようになった。
これら液晶表示装置において、設置環境での表示品質の安定性は重要な項目となっている。
通常、偏光板は2枚の保護フィルムで偏光子をサンドイッチして作られており、偏光板保護フィルムとしてはトリアセチルセルロース(TAC)が好ましく用いられている。
しかしながら、TACは水分をある程度透過させるため長期間の高湿状態や低湿状態にさらされると光漏れ等が発生し、表示品質が保てず特にTNモードでは問題となる場合がある。
また、近年偏光板の薄型化の要求があり、偏光板を薄くするために、保護フィルムであるトリアセチルセルロースフィルム(TACフィルム)を薄くすると透湿性が悪化したり、寸法安定性が低下するといった問題があり、特に40μm未満の薄膜フィルムでは著しい物性低下が起こるために、偏光板に十分な耐久性を付与することが困難であった。
偏光板の耐久性向上のために、偏光板保護フィルムとしてセルロースエステル樹脂の代わりに、ポリエステル樹脂を主成分とする保護フィルムを用いることが開示されている。(特許文献1)
しかしながら、低透湿フィルムを用いる場合には偏光子との接着に用いる接着剤の乾燥が遅いという問題があり,偏光子の片面に保護フィルムを貼り合わせて積層体を巻き取らずに、その後保護フィルムが貼り合わされていない偏光子の面に次の保護フィルムを貼り合わせる方法 (特許文献2参照)等があった。
しかし、この方法では、貼り合せがうまくいかない場合が発生していた。
特開2004−219620号公報 WO2005/093472 A1
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであり、低透湿フィルムを用いた偏光板の安定な製造方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、そのような製造方法により得られる、優れた偏光特性および耐久性を有する偏光板を提供することにある。
本発明の更に別の目的は、そのような偏光板を用いた画像表示装置を提供することにある。
本発明の発明者は、第一の低透湿のフィルムと第二のフィルムとを、水系接着剤を用い、逐次に偏光子に貼り合せることにより、安定に偏光板を製造できることを見出した。特に、最初の保護フイルムの貼り合わせ後に、該保護フィルムと偏光子とからなる積層体の含水量を一定量以下にすることによって、従来生じていた貼り合せの不具合を解消できる
ことを知見した。
即ち、本発明は以下の通りである。
(1)700g/m2・24h以下の透湿度を有する樹脂層を少なくとも含む第一のフィルムと、第二のフィルムとを水系接着剤を用いて偏光子の両面に貼り合わせて積層体を形成した偏光板の作成方法であって、第一のフィルムと第二のフィルムを逐次に貼合することを特徴とする偏光板の製造方法。
(2)逐次貼合において最初の貼合により形成された積層体の含水量が7%以下となった状態で次の貼合が行われることを特徴とする上記(1)に記載の偏光板の製造方法。
(3)逐次貼合が、最初の貼合により形成された積層体を巻き取ることなしに連続で行われることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の偏光板の製造方法。
(4)第一のフィルムが、前記樹脂層として、ポリエステル樹脂を主成分とする層を少なくとも含むフィルムであることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の偏光板の製造方法。
(5)第二のフィルムがセルロースエステルフィルムを主成分とするフィルムであることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の偏光板の製造方法。
(6)前記ポリエステル樹脂がスルホン酸又はその塩から選ばれる基を有することを特徴とする上記(4)または(5)に記載の偏光板の製造方法。
(7)前記ポリエステル樹脂を主成分とする層を少なくとも含むフィルムにおいて、前記ポリエステル樹脂を主成分とする層の少なくとも一方の面がコロナ放電処理されていることを特徴とする上記(4)〜(6)のいずれかに記載の偏光板の製造方法。
(8)前記ポリエステル樹脂を主成分とする層を少なくとも含むフィルムにおいて、前記ポリエステル樹脂を主成分とする層の少なくとも一方の面がグロー放電処理されていることを特徴とする上記(4)〜(6)のいずれかに記載の偏光板の製造方法。
(9)前記ポリエステル樹脂を主成分とする層を少なくとも含むフィルムが、ポリエステル樹脂を主成分とする層の少なくとも一方の面に易接着層を含むことを特徴とする上記(4)〜(8)のいずれかに記載の偏光板の製造方法。
(10)前記易接着層が、アクリル酸エステル系ラテックス、メタクリル酸系ラテックス、スチレン系ラテックスから選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする上記(9)に記載の偏光板の製造方法。
(11)前記ポリエステル樹脂を主成分とする層を少なくとも含むフィルムが、前記易接着層上にさらに親水性高分子を含有する層を含むことを特徴とする上記(9)または(10)に記載の偏光板の製造方法。
(12)表面ヘイズが5〜70%であることを特徴とする上記(1)〜(11)のいずれかに記載の偏光板の製造方法。
(13)前記ポリエステル樹脂を主成分とする層を少なくとも含むフィルムの380nmの透過率が0〜50%であり、600nmの透過率が80〜100%であることを特徴とする上記(4)〜(12)のいずれかに記載の偏光板の製造方法。
(14)前記ポリエステル樹脂を主成分とする層を少なくとも含むフィルムが紫外線吸収剤を含有していることを特徴とする上記(4)〜(13)のいずれかに記載の偏光板の製造方法。
(15)前記紫外線吸収剤が、窒素ガス下、300℃の温度に到達するまで10℃/分の昇温速度で昇温した場合の質量減量%が10%以下である紫外線吸収剤を含有していることを特徴とする上記(14)に記載の偏光板の製造方法。
(16)前記紫外線吸収剤が、下記一般式(1)で表される紫外線吸収剤の少なくとも一種であることを特徴とする特徴とする上記(14)または(15)に記載の偏光板の製造方法。
Figure 2007279243
式中、X1、Y1およびZ1は、それぞれ独立して、置換もしくは無置換の、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基またはヘテロ環基を示し、X1、Y1およびZ1のうち少なくとも一つは下記構造式(A)で示される置換基を表す。
Figure 2007279243
式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、アシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、カルボキシル基もしくはその塩またはスルホ基もしくはその塩を表す。隣り合うR1およびR2が連結して環を形成してもよい。
(17)第二のフィルムが視野角補償機能を有することを特徴とする上記(1)〜(16)のいずれかに記載の偏光板の製造方法。
(18)第二のフィルムが光学異方性層を有することを特徴とする上記(1)〜(17)のいずれかに記載の偏光板の製造方法。
(19)上記(1)〜(18)のいずれかに記載の方法で作成された偏光板。
(20)液晶セルを挟む偏光板のうち少なくとも一方が上記(19)に記載の偏光板であることを特徴とする液晶表示装置。
(21)表示モードがTNモードであることを特徴とする上記(20)に記載の液晶表示装置。
本発明によれば、特に、最初の保護フィルムの貼り合わせ後に、該フィルムと偏光子とからなる積層体の含水量を一定量以下にすることにより、透湿度の小さい保護フィルムを用いた場合でも、偏光板を安定に作製することが出来るようになった。その結果、優れた耐久性および偏光特性を有する偏光板が優れた生産性で得られる。
偏光板は、通常、偏光子と該偏光子の両面に透明保護フィルムとを有してなる。
本発明の偏光板は、偏光子の両面に貼り付けられる透明保護フィルムとして、700g/m2・24h以下の透湿度を有する樹脂層を少なくとも含む第一のフィルム(以下、「第一の透明保護フィルム」とも称する)と第二のフィルム(以下、「第二の透明保護フィルム」とも称する)を有し、第一のフィルムと第二のフィルムを逐次に貼合することにより得られる。
第一のフィルムと第二のフィルムを貼り合せる順番は特に限定されるものではなく、それぞれのフイルムの特性により適宜調整される。
なお、本発明では偏光板の透明保護フィルムは、該透明保護フィルムを支持体として更に他の層、例えば、光散乱層、光学異方性層等を積層した機能フィルムであっても良い(以下、透明保護フィルムを「(透明)支持体」と称することもある)。
[偏光板の製造方法]
以下、本発明の偏光板の製造方法の好ましい一例について説明する。
まず、偏光子の製造方法について説明する。ここでは、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素などの二色性物質を吸着させて一軸延伸した偏光子の製造方法について説明する。このような偏光子は、例えば、膨潤工程と染色工程と架橋工程と延伸工程とを含む製造方法によって製造される。
膨潤工程においては、ポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬し、当該フィルムを膨潤させる。水に浸漬して水洗することにより、ポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができる。さらに、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることにより、染色のムラなどの不均一を防止する効果がある。染色工程においては、ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素等の二色性物質や二色性染料等の染料の入った浴中にて染色する。
架橋工程においては、ポリビニルアルコール系フィルムをホウ酸やホウ砂等の架橋剤の入った浴巾にて架橋する。
延伸工程においては、ポリビニルアルコール系フィルムを元長の3-7倍に延伸する。これらの工程の順番は特に限定されるものではなく、また、いくつかの工程を同時に行ってもよい。例えば、延伸はヨウ素で染色した後に行ってもよく、染色しながら延伸してもよく、延伸してからヨウ素で染色してもよい。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液中や水浴中でも延伸することができる。
次に、偏光子と透明保護フィルムとを貼り合わせる。本発明の製造方法においては、上記第一の透明保護フィルムおよび上記第二の透明保護フィルムを、偏光子の片面ずつ別々に貼り合わせる。上記第一の透明保護フィルムおよび上記第二の透明保護フィルムは、それぞれ異なる特性(例えば、弾性率、透湿度)を有するので、偏光子と2枚の透明保護フィルムとを3枚同時に貼り合わせると、カールや剥がれが生じる場合があるためである。
張り合わせる順番はそれぞれのフイルムの特性により適宜調整する。さらに、本発明の製造方法においては、透明保護フィルムを偏光子の一方の面に貼り合わせて積層体を形成した後、乾燥処理により当該積層体の含水量が7質量%以下好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下に乾燥させた状態で、次の透明保護フィルムを偏光子の他方の面に貼り合わせて偏光板を得る。これにより、剥がれ、カール等の問題が解消される。PVAに二番目に張り合わされるフィルムは、一番目に貼り合せた積層体を一度巻き取った後に貼り合せても良いし、巻き取らずに連続で貼り合せても良いが、巻き取らずに張り合わせたほうが生産効率の点で好ましい。
乾燥処理の条件(例えば、乾燥温度、乾燥時間、乾燥方法)は、目的に応じて適宜設定され得る。例えば、乾燥温度は40-90℃であり、乾燥時間は1-10分である。好ましくは、上記偏光子と第一の透明保護フィルムとの貼り合わせ、および、上記積層体と第二の透明保護フィルムとの貼り合わせは、貼り合わせ後の状態がフラットになるような処理を施しながら行われる。本発明においては、貼り合わせ後の状態がフラットか否かは、カール量を基準にして判断される。積層体または偏光板のカール量は、小さければ小さいほど貼り合わせ後の状態がフラットであり好ましい。具体的には、カール量は、好ましくは5mm以下であり、さらに好ましくは3mm以下である。
上記貼り合わせ後の状態がフラットになるような処理の代表例としては、偏光子と第一の透明保護フィルムとを、偏光子および第一の透明保護フィルムに張力を付与した状態で貼り合わせる方法が挙げられる。この方法は、積層体と第二の透明保護フィルムとの貼り合わせにも同様に適用される。張力を付与する方法としては、例えば、偏光子および透明保護フィルムを搬送するガイドロールの周速差を利用する方法が挙げられる。より具体的には、例えば偏光子と第一の透明保護フィルムを貼り合わせる場合には、巻き取り側のロールの回転速度を送り出し側のロールの回転速度よりも速くすればよい。ロールの回転速度は、目的や所望の張力に対応して適宜設定され得る。
上記偏光子と上記第一または第二の透明保護フィルムとの貼り合わせは、代表的には、接着剤を用いて行われる。接着剤としては、偏光子および透明保護フィルムに対して良好な接着性を有する任意の適切な接着剤が採用され得るが、特に本発明においては水系接着剤が用いられる。水系接着剤とは、水に溶解または分散された成分が水が乾燥することにより接着力を発現する接着剤である。
水系接着剤としては、例えば、偏光子がポリビニルアルコール(PVA)系フィルムである場合には、PVA系樹脂を含む接着剤が好ましい。偏光子との接着性に特に優れるからである。
PVA系樹脂としては、任意の適切なPVA系樹脂が採用され得る。代表例としては、無置換のPVA、反応性の高い官能基を有するPVAが挙げられる。反応性の高い官能基を有するPVAが特に好ましい。得られる偏光板の耐久性がさらに顕著に向上し得るからである。
反応性の高い官能基を有するPVAの具体例としては、アセトアセチル基変性したPVA樹脂が挙げられる。接着剤のバインダー樹脂(例えば、PVA樹脂)の重合度は、好ましくは100〜3000である。このような範囲の重合度を有することにより、偏光子および透明保護フィルムとの接着性が特に良好になり得る。
接着剤層の厚みは、偏光板が用いられる画像表示装置の目的や用途に応じて適宜設定され得るが、好ましくは30〜300nm、さらに好ましくは50〜150nmである。なお、接着剤層は、接着剤水溶液を塗布および乾燥して形成される。好ましくは、接着剤は、架橋剤をさらに含有し得る。架橋剤は、好ましくは水溶性架橋剤である。
水溶性架橋剤の具体例としては、ホウ酸、ホウ砂、グルタルアルデヒド、メラミン、シュウ酸等が挙げられる。必要に応じて、接着剤は、任意の適切な添加剤(例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤)および/または触媒(例えば、酸)をさらに含有し得る。
偏光子の2枚の透明保護フィルムのうち、第二のフィルムが、光学異方層を含んでなる光学補償層を有する光学補償フィルムであることが好ましい。光学補償フィルム(位相差フィルム)は視野角補償機能を有し、液晶表示画面の視野角特性を改良することができる。
光学補償フィルムとしては、公知のものを用いることができるが、視野角を広げるという点では、特開2001−100042号公報に記載されている光学補償フィルムが好ましい。
本発明の製造方法により得られる偏光板(以下、「本発明の偏光板」とも称する)を液晶表示装置等とともに用いる際には、液晶セルと反対側の視認側に第一のフィルムが配置されることが好ましい。
以下、第一のフィルムについて詳細に説明する。
(透湿度700g/m2・24h以下の樹脂層)
本発明の第一のフィルムは、透湿度が700g/m2・24h以下の樹脂層を少なくとも含むフィルムである。樹脂層の透湿度は好ましくは300g/m2・24h以下、より好ましくは100g/m2・24h以下である。
透湿度が低いことにより、偏光板に加工し液晶表示装置に使用した際に、高湿低湿の環境下であっても光漏れ、偏光度の低下等の不具合が発生しづらい。
このような透湿度を有する樹脂フィルムを形成する代表的な材料としては、非晶性ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。
非晶性ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマーのような環状オレフィンの重合単位を有する樹脂、環状オレフィンと鎖状オレフィンとの共重合体からなる樹脂などが挙げられる。
また、側鎖に置換および/または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換および/または非置換フェニル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物から形成されたフィルムであってもよい。樹脂組成物は、オレフィン成分を有していてもよい。具体例としては、N一メチルグルタルイミドとメチルメタクリレートからなるグルタルイミド共重合体とアクリロニトリル・スチレン共重合体とを含有する樹脂組成物の高分子フィルム、イソブチレンとN一メチルマレイミドからなる交互共重合体とアクリロニトリル・スチレン共重合体とを含有する樹脂組成物の高分子フィルム等が挙げちれる。
《ポリエステル樹脂を主成分とする層》
透湿度700g/m2・24h以下の樹脂層としては、ポリエステル樹脂を主成分として含む層(以下、「ポリエステル樹脂層」あるいは「ポリエステルフィルム」とも称する)が好ましい。ここでいう「主成分」とは、重量%で80%以上を意味する。
ポリエステル樹脂は特に構造的な限定はないが、その中で特に望ましいものは、芳香族系ジカルボン酸と、脂肪族系グリコールを用い縮重合させて得られる樹脂である。
芳香族ジカルボン酸としてはテレフタル酸のほか、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などがあり、またこれらの低級アルキルエステル(無水物、低級アルキルエステル等のエステル形成可能な誘導体)を使用することができる。
脂肪族系グリコールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、p−キシリレングリコールなどがある。
なかでもテレフタル酸とエチレングリコールの反応により得られたポリエチレンテレフタレートを主成分とすることが好ましい。
主成分がポリエチレンテレフタレートであるとは、ポリエチレンテレフタレートの繰返し単位が80モル%以上の共重合体、あるいはブレンドされている場合は、ポリエチレンテレフタレートを80質量%以上含有していることをいう。
本発明では、ポリエステル樹脂中にスルホン酸又はその塩から選ばれる基を有することが好ましい。該基を樹脂中に導入することにより偏光板の接着力が高まる効果が得られる。
本発明において用いられる、ポリエステル中にスルホン酸基を含有させるために用いられるスルホン酸およびその塩から選ばれる基を有する芳香族ジカルボン酸としては、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2−ナトリウムスルホイソフタル酸、4−ナトリウムスルホイソフタル酸、4−ナトリウムスルホ−2,6−ナフタレンジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体、およびこれらのナトリウムを他の金属(例えばカリウム、リチウムなど)で置換した化合物が用いられる。
また、グリコール中にスルホン酸およびその塩から選ばれる基を導入したものを用いてもよいが、ポリエステル中にスルホン酸基を含有させるために化合物として好ましいのは、前記スルホン酸基またはその塩を有する芳香族ジカルボン酸を用いることである。
これらのスルホン酸基またはその塩を有する芳香族ジカルボン酸成分が製造時に用いられる全芳香族ジカルボン酸の10モル%を越えると延伸性が劣ったり、機械的強度が劣ったものとなる場合があり、また1モル%未満では、十分な乾燥性が得られない場合がある。
本発明で用いられるポリエステルには、本発明の効果を阻害しない範囲で、さらに他の成分が共重合されていても良いし、他のポリマーがブレンドされていても良い。
上記以外の他の芳香族ジカルボン酸又はその誘導体として、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸及びその低級アルキルエステル(無水物、低級アルキルエステル等のエステル形成可能な誘導体)を用いることができる。また製造の際、シクロプロパンジカルボン酸、シクロブタンジカルボン酸及びヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環式ジカルボン酸及びその誘導体(無水物、低級アルキルエステル等のエステル形成可能な誘導体)、アジピン酸、コハク酸、シュウ酸、アゼライン酸、セバシン酸及
びダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸及びその誘導体(無水物、低級アルキルエステルなどのエステル形成可能な誘導体)を全ジカルボン酸の10モル%以下の量で使用しても良い。
本発明で使用することができる上記以外のグリコールとしてはエチレングリコールおよび前記のグリコールの他、トリメチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、p,p′−ジヒドロキシフェニルスルフォン、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ポリアルキレン(例、エチレン、プロピレン)グリコール、及びp−フェニレンビス(ジメチロールシクロヘキサン)などを挙げることができ、これらは用いられるグリコールの10モル%以下の量で使用しても良い。
本発明に用いられるポリエステルは、例えば安息香酸、ベンゾイル安息香酸、ベンジルオキシ安息香酸、メトキシポリアルキレングリコールなどの1官能性化合物によって末端の水酸基および/またはカルボキシル基を封鎖したものであってもよく、あるいは、例えば極く少量のグリセリン、ペンタエリスリトールの如き3官能、4官能エステル形成化合物で実質的に線状の共重合体が得られる範囲内で変性されたものでもよい。
また、本発明に用いられるポリエステルには、フィルムの耐熱性を向上する目的で、ビスフェノール系化合物、ナフタレン環又はシクロヘキサン環を有する化合物を共重合することができる。
また、本発明に用いられるポリエステルはガラス転移温度(Tg)が80℃以上であることが好ましく、更に90℃以上であることが好ましい。80℃未満では得られたフィルムの高温高湿下での寸法安定性に劣る場合がある。Tgは動的粘弾性測定のtanδのピークより求めた。
〔酸化防止剤〕
本発明に用いられるポリエステルフィルムには、酸化防止剤が含有されていてもよい。特にポリエステルが、ポリオキシアルキレン基を有する化合物を含む場合に効果が顕著となる。含有させる酸化防止剤はその種類につき特に限定はなく、各種の酸化防止剤を使用することができるが、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、ホスファイト系化合物、チオエーテル系化合物等の酸化防止剤を挙げることができる。中でも透明性の点でヒンダードフェノール系化合物の酸化防止剤が好ましい。酸化防止剤の含有量は、通常、ポリエステル樹脂固形分に対して0.01〜2質量%、好ましくは0.1〜0.5質量%である。
本発明のポリエステルフィルムには、必要に応じて易滑性を付与することもできる。易滑性付与手段としては、特に限定はないが、ポリエステルに不活性無機粒子を添加する外部粒子添加方法、ポリエステルの合成時に添加する触媒を析出させる内部粒子析出方法、或いは界面活性剤等をフィルム表面に塗布する方法等が一般的である。
〔紫外線吸収剤〕
本発明のポリエステルフィルムには、偏光子および液晶の劣化防止のため必要に応じて紫外線吸収剤を添加することもできる。
紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観点から、紫外線吸収剤としては、紫外線吸収剤を添加したポリエステルフィルムの、波長380nmの透過率が0〜50%、好ましくは0〜30%、より好ましくは0〜10%、600nmの透過率が80〜100%、好ましくは85〜100%、より好ましくは90〜100%であるものが好ましく用いられる。
本発明では、下記(a)〜(c)のいずれかの性能を有する紫外線吸収剤を少なくとも一種、樹脂中に練りこむことが好ましい。
(a)窒素ガス雰囲気下、300℃の温度に到達するまで10℃/分の昇温速度で昇温した場合の質量減量%が10%以下である揮散性の少ない紫外線吸収剤、
(b)紫外線吸収剤が、該紫外線吸収剤を0.4質量%含み、含水率が50ppm以下のポリエステル樹脂を300℃で1分加熱した後、厚さ1.5mmに成形した板のb値と、前記ポリエステル樹脂を8分加熱した後、厚さ1.5mmに成形した板のb値との差が3.0以下であるような紫外線吸収剤、
(c)前記揮散性および耐熱性に関する性能を併せもつ紫外線吸収剤
窒素ガス下、300℃の温度に到達するまで10℃/分の昇温速度で昇温した場合の質量減量%が10%以下である揮散性の少ない紫外線吸収剤を用いると、透明ポリエステル樹脂に該紫外線吸収剤を添加して溶融混練した後、ダイ部から排出された直後のフィルムから紫外線吸収剤が揮散することが少ないため、紫外線吸収能の低下が防がれ、あるいは多量の紫外線吸収剤の使用を不要とする。また、紫外線吸収剤が多量に揮散すると、製造ラインにおいて揮散(昇華)した紫外線吸収剤がラインを汚し、これがまた、ライン中を進む支持体フィルムに付着するなどを起こすことにもなるが、本発明においてはこのようなことも回避することができる。前記の質量減量は好ましくは5%以下、さらには1%以下にすることがより好ましい。一般的に紫外線吸収剤の分子量を400以上とすることにより、質量減量を5%以下に抑制することができる。
前記の特性を有する紫外線吸収剤としては、下記一般式(1)に示される構造式を有する紫外線吸収剤のほか、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸エステル系、シアノアクリレート系、ベンゾオキサジン系、トリアジン−クマリン共重合体系又、特開平6−148430号公報記載の高分子紫外線吸収剤、特開2002−31715号公報の高分子紫外線吸収剤も用いられる。
また、前記のごとき耐熱性を示す紫外線吸収剤は、ポリエステル樹脂と溶融混練する際の樹脂温度(たとえば300℃)においても安定であり熱分解しないため、ポリエステル樹脂フィルムに用いた場合、紫外線吸収剤の分解に基づく樹脂フィルムの黄色化や紫外線吸収能の低下を抑制することができる。また、紫外線吸収剤の分解に起因して生ずるポリエステル樹脂の分解(ポリエステル樹脂の低分子量化)を防ぐこともできる。前記b値の差が好ましくは2.0以下、さらには1.0以下にすることが好ましい。前記の特性を有する紫外線吸収剤としては、下記一般式(1)に示される構造式を有する紫外線吸収剤のほか、ベンゾオキサジン系紫外線吸収剤等が挙げられる。
また、前記(a)および(b)の2つの特性を併せ持つ紫外線吸収剤(c)を用いることにより、前記の効果を併せ発揮することが可能となる。このような特性を有する紫外線吸収剤としては、下記一般式(1)に示される構造式を有する紫外線吸収剤のほか、ベンゾオキサジン系紫外線吸収剤等が挙げられる。
さらに、前記のごとき揮散性および/または耐熱性を有する紫外線吸収剤を、フィルムを成膜する際に、同時に混練せしめて、紫外線吸収能を有するフィルムを容易に作製することができる。
以下、一般式(1)で示される紫外線吸収剤について詳細に説明する。
下記一般式(1)で示される紫外線吸収剤は、高温において安定でありかつ揮散性が少ないので、ポリエステル樹脂に前記紫外線吸収剤を添加して溶融混練する際の樹脂温度(たとえば300℃)においても安定であり熱分解せず、また、ダイ部から出た直後において揮散することもない。したがって、フィルムの黄色化や紫外線吸収能の低下を抑制することができる。また、前記の工程簡素化等の効果を有することも勿論である。
Figure 2007279243
式中、X1、Y1およびZ1は、それぞれ独立して、置換もしくは無置換の、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基またはヘテロ環基を示し、X1、Y1およびZ1のうち少なくとも一つは下記構造式(A)で示される置換基を表す。
Figure 2007279243
式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、アシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、カルボキシル基もしくはその塩またはスルホ基もしくはその塩を表す。隣り合うR1およびR2が連結して環を形成してもよい。
前記一般式(1)および構造式(A)におけるX1、Y1、Z1、R1およびR2のアルキル基は、炭素数1〜20が好ましく、置換基〔例えば、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子(例えば塩素、臭素、フッ素)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、ブトキシ、オクチルオキシ、フェノキシエトキシ)、アリーロキシ基(例えばフェノキシ)、エステル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、オクチルオキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル)、カルボニルオキシ基(例えば、エチルカルボニルオキシ、ヘプチルカルボニルオキシ、フェニルカルボニルオキシ)、アミノ基(例えば、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ)、アリール基(例えば、フェニル、トリル、4−メトキシフェニル)、カルボンアミド基(例えば、メチルカルボニルアミド、フェニルカルボニルアミド)、カルバモイル基(例えば、エチルカルバモイル、フェニルカルバモイル)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド)、スルファモイル基(例えば、ブチルスルファモイル、フェニルスルファモイル、メチルオクチルアミノスルホニル)、カルボキシル基およびその塩、スルホ基およびその塩〕を有していてもよい。具体的には、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、t−ペンチル、ヘキシル、オクチル、2−エチルヘキシル、t−オクチル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、ベンジル、フェネチル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ビシクロ[2,2,2]オクチル等の基及び上述の置換基を有するこれらの基を挙げることができる。
前記一般式(1)および構造式(A)におけるX1、Y1、Z1、R1およびR2のアリール基は、炭素数6〜10が好ましく、置換基〔例えばアルキル基(メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、t−ペンチル、オクチル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル)及び前記のアルキル基が有してもよい置換基として挙げた基〕を有していてもよい。アリール基として具体的には、フェニル、ナフチルを挙げることができる。
前記一般式(1)および構造式(A)におけるX1、Y1、Z1、R1およびR2のアルコキシ基は、炭素数1〜20が好ましく、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、イソブトキシ、n−オクトキシ、イソオクトキシ、ドデシルオキシ、ベンジルオキシ、オクタデシルオキシ等を挙げることができ、これらは前記したアルキル基が有してもよい置換基として挙げた基で置換されていてもよい。
前記一般式(1)および構造式(A)におけるX1、Y1、Z1、R1およびR2のアリールオキシ基は、炭素数6〜10が好ましく、例えばフェノキシ、ナフトキシを挙げることができ、これらは前記したアリール基が有してもよい置換基として挙げた基で置換されて
いてもよい。
前記一般式(1)および構造式(A)におけるX1、Y1、Z1、R1およびR2のアルキルチオ基は、炭素数1〜20が好ましく、例えば、メチルチオ、ヘキシルチオ、オクチルチオ、ヘキサデシルチオ等を挙げることができる。
前記一般式(1)および構造式(A)におけるX1、Y1、Z1、R1およびR2のアリールチオ基は、炭素数6〜10が好ましく、例えば、フェニルチオ、ナフチルチオを挙げることができる。これらのアルキルチオ基及びアリールチオ基は前記したアルキル基又はアリール基が有してもよい置換基として挙げた基で置換されていてもよい。
前記一般式(1)におけるX1、Y1およびZ1のヘテロ環基は、フラン、チオフェン、インドール、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、ピリジン等を挙げることができ、前記したアリ−ル基が有してもよい置換基として挙げた基で置換されていてもよい。
前記構造式(A)におけるR1およびR2のアルケニル基は、炭素数3〜20が好ましく、アリル、2−ブテニル、3−ブテニル、オレイルを挙げることができ、これらは前記アルキル基が有してもよい置換基として挙げた基で置換されていてもよい。
前記構造式(A)におけるR1およびR2のアシルオキシ基は、炭素数2〜20が好ましく、アセチルオキシ、ヘキサノイルオキシ、デカノイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ等を挙げることができ、前記したアリール基が有してもよい置換基として挙げた基で置換されていてもよい。
前記構造式(A)におけるR1およびR2のアミノ基は、炭素数0〜40の置換もしくは無置換のアミノ基が好ましく、例えば無置換のアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、オクチルアミノ、ジヘキシルアミノ、ジステアリルアミノ、ジイソブチルアミノ、アニリノ、ジフェニルアミノ、メチルフェニルアミノ、ホルムアミド、アセチルアミノ、ヘキサノイルアミノ、デカノイルアミノ、ステアロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、メタンスルホンアミド、エタンスルホンアミド、ノナンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド、ドデカンスルホンアミド、オクタデカンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、メトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、カルバモイルアミノ、シクロヘキシルカルバモイルアミノ、ジエチルカルバモイルアミノ等を挙げることができ、前記したアリール基が有してもよい置換基として挙げた基で置換されていてもよい。
前記構造式(A)におけるR1およびR2のアシル基は、炭素数1〜20が好ましく、アセチル、ブタノイル、ピバロイル、オクタノイル、ヘキサデカノイル、ベンゾイル等を挙げることができ、前記したアリール基が有してもよい置換基として挙げた基で置換されていてもよい。
前記構造式(A)におけるR1およびR2のオキシカルボニル基は、炭素数2〜20が好ましく、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、ヘプチルオキシカルボニル、テトラデシルオキシカルボニル、オクタデシルオキシカルボニル、フェノキシカルボニル等を挙げることができ、前記したアリール基が有してもよい置換基として挙げた基で置換されていてもよい。
前記構造式(A)におけるR1およびR2のカルバモイル基は、炭素数1〜20が好ましく、例えば無置換のカルバモイル、メチルカルバモイル、プロピルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、オクチルカルバモイル、ドデシルカルバモイル、ヘキサデシルカルバモイル、オクタデシルカルバモイル、フェニルカルバモイル等を挙げることができ、前記したアリール基が有してもよい置換基として挙げた基で置換されていてもよい。
前記構造式(A)におけるR1およびR2のスルファモイル基は、炭素数0〜20が好ましく、無置換のスルファモイル、エチルスルファモイル、ブチルスルファモイル、ヘプチルスルファモイル、テトラデシルスルファモイル、ジブチルスルファモイル、オクタデシルスルファモイル、フェニルスルファモイル等を挙げることができ、前記したアリール基
が有してもよい置換基として挙げた基で置換されていてもよい。
前記構造式(A)におけるR1およびR2のハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素等を挙げることができる。
また、前記一般式(1)で示される紫外線吸収剤の分子量は400以上であることが好ましい。分子量が400以上の紫外線吸収剤は、特に揮散性が低いので製造ラインを汚すことなく、低添加量で必要な紫外線吸収能を与えることができる。
ベンズオキサジンの具体例としては下記の分子(BO-1)が挙げられる。
分子(BO-1)
Figure 2007279243
(ポリエステルの合成方法)
本発明に用いるポリエステルの合成方法は、特に限定があるわけではなく、前述したように従来公知のポリエステルの製造方法に従って製造できる。例えば、ジカルボン酸成分をジオール成分と直接エステル化反応させる直接エステル化法、初めにジカルボン酸成分としてジアルキルエステルを用いて、これとジオール成分とでエステル交換反応させ、これを減圧下で加熱して余剰のジオール成分を除去することにより重合させるエステル交換法を用いることができる。この際、必要に応じてエステル交換触媒或いは重合反応触媒を用い、或いは耐熱安定剤を添加することができる。この際、共重合成分である金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸類やポリエチレングリコールをエステル交換反応後に添加し、重縮合を行うことが好ましい。また、合成時の各過程で着色防止剤、酸化防止剤、結晶核剤、すべり剤、安定剤、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、粘度調節剤、消泡剤、透明化剤、帯電防止剤、pH調整剤、染料、顔料等を添加させてもよい。
(ポリエステルフィルムの製造方法)
次に本発明のポリエステルフィルムの製造方法について説明する。
本発明においてポリエステルフィルムは、二軸延伸製膜されたポリエステルフィルムであることが好ましい。
上記ポリエステルフィルムを得るには、従来公知の方法で行うことができ、特に限定されないが、以下の様な方法で行うことができる。この場合、縦方向とは、フィルムの製膜方向(長手方向)を、横方向とはフィルムの製膜方向と直角方向のことをいう。
先ず、原料のポリエステルをペレット状に成型し、熱風乾燥又は真空乾燥した後、溶融押出し、Tダイよりシート状に押出して、静電印加法等により冷却ドラムに密着させ、冷却固化させ、未延伸シートを得る。次いで、得られた未延伸シートを複数のロール群及び/又は赤外線ヒーター等の加熱装置を介してポリエステルのガラス転移温度(Tg)からTg+100℃の範囲内に加熱し、一段又は多段縦延伸する方法である。
次に、上記のようにして得られた縦方向に延伸されたポリエステルフィルムを、Tg〜Tm(融点)の温度範囲内で、横延伸し次いで熱固定する。
熱固定されたフィルムは通常Tg以下まで冷却され、フィルム両端のクリップ把持部分をカットし巻き取られる。この際、最終熱固定温度以下、Tg以上の温度範囲内で、横方向及び/又は縦方向に0.1〜10%弛緩処理することが好ましい。冷却、弛緩処理する手段は特に限定はなく、従来公知の手段で行えるが、特に複数の温度領域で順次冷却しながら、これらの処理を行うことが、フィルムの寸法安定性向上の点で好ましい。
これら熱固定条件、冷却、弛緩処理条件のより最適な条件は、フィルムを構成するポリエステルにより異なるので、得られた延伸フィルムの物性を測定し、好ましい特性を有するように適宜調整して決定すればよい。
また、上記フィルム製造に際し、延伸の前及び/又は後で帯電防止層、易滑性層、接着層、バリアー層等の機能性層を塗設してもよい。この際、コロナ放電処理、グロー放電処理、大気圧プラズマ処理、薬液処理等の各種表面処理を必要に応じて施すことができる。
カットされたフィルム両端のクリップ把持部分は、粉砕処理された後、或いは必要に応じて造粒処理や解重合・再重合等の処理を行った後、同じ品種のフィルム用原料として又は異なる品種のフィルム用原料として再利用してもよい。
(膜厚)
本発明のポリエステルフィルムの厚みは5〜200μm、好ましくは5〜100μm、さらに好ましくは膜厚40〜100μmである。
(弾性率)
本発明のポリエステルフィルムの弾性率は3〜7GPaであることが好ましい。
弾性率がこの範囲であると、偏光板に加工し液晶表示装置に使用した際に、高湿低湿の環境下であっても光漏れ、偏光度の低下等の不具合が発生しづらい。
(含水率)
本発明のポリエステルフィルムの含水率は1%以下であることが好ましい。
含水率がこの範囲であると、偏光板に加工し液晶表示装置に使用した際に、高湿低湿の環境下であっても光漏れ、偏光度の低下等の不具合が発生しづらい。
本発明の第一のフィルムは、上記ポリエステルフィルムからなる単独(単層)のフィルムでもよいが、本発明の効果を阻害しない範囲で、上記ポリエステルからなる層を少なくとも1層含む、複数の樹脂層からなる多層フィルムとしてもよい。上記ポリエステル層をA、その他の樹脂層をB及びCとすると、例えばA/B、A/B/A、B/A/B、B/A/Cのように構成できる。もちろん4層以上の構成にすることもできる。この様に多層構成にすることで、例えば、強度や水バリアー性の高いフィルムをコア層や外層に積層することにより、複数の機能を同時に付与することができる。
樹脂層としては、易接着層や親水性高分子を少なくとも含む層が挙げられる。また、光学機能を発生する層として、光散乱層や反射防止層などを付与しても良い。
また、滑り性を付与するためマット剤等の微粒子を添加する場合は、最外層のみに添加すれば効果が得られるので、透明性等を劣化させずに機能付与することが可能となる。
(添加できる微粒子)
添加できる微粒子としては特に限定はされないが、無機化合物の微粒子または有機化合物の微粒子が挙げられる。
無機化合物としては、珪素を含む化合物、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウム等が好ましく、更に好ましくは、ケイ素を含む無機化合物や酸化ジルコニウムであるが、二酸化珪素が特に好ましく用いられる。
二酸化珪素の微粒子としては、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、
R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル社製)等の市販品が使用できる。
酸化ジルコニウムの微粒子としては、例えば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロジル社製)等の市販品が使用できる。
有機化合物としては、例えば、シリコーン樹脂、弗素樹脂及びアクリル樹脂等のポリマーが好ましく、中でも、シリコーン樹脂が好ましく用いられる。
上記記載のシリコーン樹脂の中でも、特に三次元の網状構造を有するものが好ましく、例えば、トスパール103、同105、同108、同120、同145、同3120及び同240(以上東芝シリコーン社製)等の商品名を有する市販品が使用できる。
《光散乱層》
光散乱層は、本発明で好適に用いられるポリエステル樹脂を用いたフィルムに発生し易い複屈折干渉による虹状ムラを散乱により低減し、好ましくはフィルムの耐擦傷性を向上するためのハードコート性をフィルムに付与する目的で形成される。
光散乱性(防眩性)を形成する方法としては、特開平6−16851号公報記載のような表面に微細な凹凸を有するマット状の賦型フィルムをラミネートして形成する方法、特開2000−206317号公報記載のように電離放射線照射量の差による電離放射線硬化型樹脂の硬化収縮により形成する方法、特開2000−338310号公報記載のように乾燥にて透光性樹脂に対する良溶媒の質量比が減少することにより透光性微粒子および透光性樹脂とをゲル化させつつ固化させて塗膜表面に凹凸を形成する方法、特開2000−275404号公報記載のように外部からの圧力により表面凹凸を付与する方法などが知られており、これら公知の方法を利用することができる。
本発明で用いることができる光散乱層は好ましくはハードコート性を付与することのできるバインダー、光散乱性を付与するための透光性粒子、および溶媒を必須成分として含有し、透光性粒子自体の突起あるいは複数の粒子の集合体で形成される突起によって表面の凹凸を形成されるものであることが好ましい。
マット粒子の分散によって形成される光散乱層は、バインダーとバインダー中に分散された透光性粒子とからなる。光散乱性を有する光散乱層は、光散乱性とハードコート性を兼ね備えていることが好ましい。
上記マット粒子の具体例としては、例えばシリカ粒子、TiO2粒子等の無機化合物の粒子;アクリル粒子、架橋アクリル粒子、ポリスチレン粒子、架橋スチレン粒子、メラミン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子等の樹脂粒子が好ましく挙げられる。なかでも架橋スチレン粒子、架橋アクリル粒子、シリカ粒子が好ましい。
マット粒子の形状は、球形あるいは不定形のいずれも使用できる。
また、粒子径の異なる2種以上のマット粒子を併用して用いてもよい。より大きな粒子径のマット粒子で光散乱性を付与し、より小さな粒子径のマット粒子で別の光学特性を付与することが可能である。例えば、133ppi以上の高精細ディスプレイに光散乱性フィルムを貼り付けた場合に、「ギラツキ」と呼ばれる表示画像品位上の不具合が発生する場合がある。「ギラツキ」は、光散乱性フィルム表面に存在する凹凸により、画素が拡大もしくは縮小され、輝度の均一性を失うことに由来するが、光散乱性を付与するマット粒子よりも小さな粒子径で、バインダーの屈折率と異なるマット粒子を併用することにより大きく改善することができる。
上記マット粒子は、形成された光散乱層中のマット粒子量が好ましくは10〜1000
mg/m2、より好ましくは100〜700mg/m2となるように光散乱層に含有される。
マット粒子の粒度分布はコールターカウンター法により測定し、測定された分布を粒子数分布に換算する。
光散乱層の膜厚は、1〜10μmが好ましく、1.2〜8μmがより好ましい。薄すぎるとハード性が不足し、厚すぎるとカールや脆性が悪化して加工適性が低下する場合があるので、前記範囲内とするのが好ましい。
表面散乱にて、虹状ムラを抑える場合は、全ヘイズは10%〜80%が好ましく、20%〜70%であることがより好ましい。また、表面ヘイズが5%〜70%であることが好ましく、10%〜20%であることがより好ましい。
さらに、光散乱層の内部散乱により液晶パネルの模様や色ムラ、輝度ムラ、ギラツキなどを見難くしたり、散乱により視野角を拡大する機能を付与する場合は、内部ヘイズ値(全ヘイズ値から表面ヘイズ値を引いた値)は10%〜80%であることが好ましく、更に好ましくは15%〜70%であり、最も好ましくは20%〜60%である。
本発明にかかる光散乱層を有するフィルムは、目的に応じて、表面ヘイズ及び内部ヘイズを自由に設定可能である。
一方、光散乱層の中心線平均粗さ(Ra)を0.10〜0.40μmの範囲が好ましい。0.40μmを超えると、ギラツキや外光が反射した際の表面の白化等の問題が発生する。また、透過画像鮮明度の値は、5〜60%とするのが好ましい。
光散乱層の強度は、鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
〔高屈折率層、中屈折率層〕
本発明にかかる透明保護フィルムには、高屈折率層、中屈折率層を設け、反射防止性を高めることができる。
以下の本明細書では、この高屈折率層と中屈折率層を高屈折率層と総称して呼ぶことがある。なお、本発明において、高屈折率層、中屈折率層、低屈折率層の「高」、「中」、「低」とは層相互の相対的な屈折率の大小関係を表す。また、透明支持体との関係で言えば屈性率は、透明支持体>低屈折率層、高屈折率層>透明支持体の関係を満たすことが好ましい。
また、本明細書では高屈折率層、中屈折率層、低屈折率層を総称して反射防止層と総称して呼ぶことがある。
高屈折率層の上に低屈折率層を構築して、反射防止フィルムを作製するためには、高屈折率層の屈折率は1.55〜2.40であることが好ましく、より好ましくは1.60〜2.20、更に好ましくは、1.65〜2.10、最も好ましくは1.80〜2.00である。
支持体から近い順に中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層を塗設し、反射防止フィルムを作成する場合、高屈折率層の屈折率は、1.65乃至2.40であることが好ましく、1.70乃至2.20であることがさらに好ましい。中屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈折率との間の値となるように調整する。中屈折率層の屈折率は、1.55乃至1.80であることが好ましい。
高屈折率層および中屈折率層に用いるTiO2を主成分とする無機粒子は、分散物の状態で高屈折率層および中屈折率層の形成に使用する。
無機粒子の分散において、分散剤の存在下で分散媒体中に分散する。
本発明に用いる高屈折率層および中屈折率層は、分散媒体中に無機粒子を分散した分散液に、好ましくは、さらにマトリックス形成に必要なバインダー前駆体(例えば、後述する電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーなど)、光重合開始剤等を加えて高屈折率層および中屈折率層形成用の塗布組成物とし、透明支持体上に高屈折率層および中屈折率層形成用の塗布組成物を塗布して、電離放射線硬化性化合物(例えば、多官能モノマーや多官能オリゴマーなど)の架橋反応又は重合反応により硬化させて形成することが好ましい。
さらに、高屈折率層および中屈折率層のバインダーを層の塗布と同時または塗布後に、分散剤と架橋反応又は重合反応させることが好ましい。
このようにして作製した高屈折率層および中屈折率層のバインダーは、例えば、上記の好ましい分散剤と電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーとが、架橋又は重合反応し、バインダーに分散剤のアニオン性基が取りこまれた形となる。さらに高屈折率層および中屈折率層のバインダーは、アニオン性基が無機粒子の分散状態を維持する機能を有し、架橋又は重合構造がバインダーに皮膜形成能を付与して、無機粒子を含有する高屈折率層および中屈折率層の物理強度、耐薬品性、耐候性を改良する。
高屈折率層のバインダーは、該層の塗布組成物の固形分量に対して、5〜80質量%添加する。
高屈折率層における無機粒子の含有量は、高屈折率層の質量に対し10〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは15〜80質量%、特に好ましくは15〜75質量%である。無機粒子は高屈折率層内で二種類以上を併用してもよい。
高屈折率層の上に低屈折率層を有する場合、高屈折率層の屈折率は透明支持体の屈折率より高いことが好ましい。
高屈折率層に、芳香環を含む電離放射線硬化性化合物、フッ素以外のハロゲン化元素(例えば、Br,I,Cl等)を含む電離放射線硬化性化合物、S,N,P等の原子を含む電離放射線硬化性化合物などの架橋又は重合反応で得られるバインダーも好ましく用いることができる。
高屈折率層の膜厚は用途により適切に設計することができる。高屈折率層を後述する光学干渉層として用いる場合、30〜200nmが好ましく、より好ましくは50〜170nm、特に好ましくは60〜150nmである。
高屈折率層のヘイズは、防眩機能を付与する粒子を含有しない場合、低いほど好ましい。5%以下であることが好ましく、さらに好ましくは3%以下、特に好ましくは1%以下である。
高屈折率層は、前記透明支持体上に直接、又は、他の層を介して構築することが好ましい。
〔低屈折率層〕
さらに透明保護フィルムの反射率を低減するため、低屈折率層を積層することが好ましい。
低屈折率層の屈折率は、1.20〜1.46であることが好ましく、1.25〜1.46であることがより好ましく、1.30〜1.46であることが特に好ましい。
低屈折率層の厚さは、50〜200nmであることが好ましく、70〜100nmであることがさらに好ましい。低屈折率層のヘイズは、3%以下であることが好ましく、2%
以下であることがさらに好ましく、1%以下であることが最も好ましい。具体的な低屈折率層の強度は、500g荷重の鉛筆硬度試験でH以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
また、フィルムの防汚性能を改良するために、表面の水に対する接触角が90度以上であることが好ましい。更に好ましくは95度以上であり、特に好ましくは100度以上である。
硬化性組成物は、(A)含フッ素ポリマー、(B)無機粒子、(C)オルガノシラン化合物を含有してなるのが好ましい。
低屈折率層には、微粒子を分散・固定するためにバインダーが用いられる。バインダーとしては、バインダー自身の屈折率の低い含フッ素ポリマー、あるいは含フッ素ゾルゲル素材などを用いることが好ましい。含フッ素ポリマーあるいは含フッ素ゾルゲルとしては、熱または電離放射線により架橋し、形成される低屈折率層表面の動摩擦係数0.03〜0.30であり、水に対する接触角85〜120°となる素材が好ましい。
〔帯電防止層、導電性層〕
本発明においては、帯電防止層を設けることがフィルム表面での静電気防止の点で好ましい。帯電防止層を形成する方法は、例えば、導電性微粒子と反応性硬化樹脂を含む導電性塗工液を塗工する方法、或いは透明膜を形成する金属や金属酸化物等を蒸着やスパッタリングして導電性薄膜を形成する方法等の従来公知の方法を挙げることができる。導電性層は、支持体に直接又は支持体との接着を強固にするプライマー層を介して形成することができる。また、帯電防止層を反射防止膜の一部として使用することもできる。この場合、最表層から近い層で使用する場合には、膜の厚さが薄くても十分に帯電防止性を得ることができる。
帯電防止層の厚さは、0.01〜10μmが好ましく、0.03〜7μmであることがより好ましく、0.05〜5μmであることがさらに好ましい。帯電防止層の表面抵抗は、105〜1012Ω/sqであることが好ましく、105〜109Ω/sqであることがさらに好ましく、105〜108Ω/sqであることが最も好ましい。帯電防止層の表面抵抗は、四探針法により測定することができる。
帯電防止層は、実質的に透明であることが好ましい。具体的には、帯電防止層のヘイズが、10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、3%以下であることがさらに好ましく、1%以下であることが最も好ましい。波長550nmの光の透過率が、50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、65%以上であることがさらに好ましく、70%以上であることが最も好ましい。
本発明の帯電防止層は、強度が優れており、具体的な帯電防止層の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがより好ましく、3H以上であることがさらに好ましく、4H以上であることが最も好ましい。
〔防汚層〕
透明保護フィルムの最表面には防汚層を設けることができる。防汚層は反射防止層の表面エネルギーを下げ、親水性あるいは親油性の汚れを付きにくくするものである。
防汚層には含フッ素ポリマーや防汚剤を用いて形成することができる。
防汚層の厚さは2〜100nmであることが好ましく、5〜30nmであることがさらに好ましい。
<密着>
本発明では上記光散乱層および偏光板の偏光子との密着を向上させるため、本発明の偏
光板透明保護フィルムではポリエステルフィルム上にコロナ放電処理、グロー放電処理を行って密着性を向上させることが出来る。
《易接着層》
本発明ではさらに密着を向上させるために易接着層を形成することが好ましい。
易接着層としては、偏光子とポリエステルフィルムとの密着を向上させるものであれば特に限定されるものではないが、ポリエステルフィルム上に、アクリル酸エステル系ラテックス、メタクリル酸系ラテックス、スチレン系ラテックスからなる易接着層を形成することが好ましい。また、このラテックスは、(a)ジオレフィン系単量体、(b)ビニル単量体、(c)分子内に2個以上のビニル基、アクリロイル基、メタアクリロイル又はアリル基を有する単量体からなる単量体混合物に対し、(d)α−メチルスチレンダイマーと他の重合連鎖移動剤とからなる重合連鎖移動剤の存在下において、水性媒体中で乳化重合して得られる共重合体ラテックスでも良い。
共重合体を形成する一方の単量体である(a)ジオレフイン単量体には、共役ジエンであるブタジエン、イソプレン、クロロプレン、等を挙げることができ、とりわけブタジエンが好ましく用いられる。
本発明に用いられる共重合体の第2成分である(b)ビニル単量体としては、ビニル基を固有する単量体なら何でもよいが、好ましくは下記に示すものであり、スチレン、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、塩化ビニル、酢酸ビニル及びこれらの誘導体、アクリル酸のアルキルエステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクロレイン、メタアクロレイン、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、N−メチロール化アクリルアミド、N−メチロール化メタクリルアミド、ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート等を挙げることができる。
上記スチレンの誘導体としては、例えば、メチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、シクロヘキシルスチレン、デシルスチレン、ベンジルスチレン、クロルメルスチレン、トリフルオロメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレン、メトキシスチレン、4−メトキシ−3−メチルスチレン、ジメトキシスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、トリクロルスチレン、テトラクロスチレン、ペンタクロルスチレン、ブロムスチレン、ジブロムスチレン、ヨードスチレン、フルオロスチレン、トリフルオルスチレン、2−ブロム−4−トリフルオルメチルスチレン、4−フルオル−3−トリフルオルメチルスチレン、ビニル安息香酸メチルエステル等を挙げることができる。
アクリル酸のエステルの中で好ましいものとしては、アクリル酸エステル、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを挙げることができる。
また、本発明に用いられる共重合体の第3成分である(c)分子内に2個以上のビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基を有する単量体としては、ジビニルベンゼン、1,5−ヘキサジエン−3−イン、ヘキサトリエン、ジビニルエーテル、ジビニルスルホン、ジアリルフタレート、ジアリルカルビノール、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート等の通常ビニル単量体の重合の際に添加されるいわゆる架橋剤を挙げることができる。
本発明の共重合体中の(a)ジオレフイン系単量体の含有量が共重合体全体の10〜6
0質量%、特に15〜40質量%であることが好ましい。(b)ビニル単量体としては全体の90〜40質量%であるが、特に、上記ビニル単量体、とりわけスチレン類が共重合全体の70〜40質量%であることが好ましい。(c)分子内に2個以上のビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基を有する単量体は、(a)ジオレフイン単量体と(b)ビニル単量体との合計に対して0.01〜10質量%、特に0.1〜5質量%であることが好ましい。
(d)重合連鎖移動剤中のα−メチルスチレンダイマーとしては、異性体として、(イ)2−4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、(ロ)2−4−ジフェニル−4−メチル−2−ペンテン、(ハ)1−1−3−トリメチル−3−フェニルインダンがある。α−メチルスチレンダイマーとして好ましい組成は、(イ)成分が40質量%以上、(ロ)成分及び/又は(ハ)成分が60質量%以下、さらに好ましくは(イ)成分が50質量%以上、(ロ)成分及び/又は(ハ)成分が50質量%以下、特に好ましくは(イ)成分が70質量%以上、(ロ)成分及び/又は(ハ)成分が30質量%以下である。(イ)成分の組成比率が増加するに従って連鎖移動効果に優れる。
α−メチルスチレンダイマーは、本発明の目的を損なわない範囲で、不純物、例えば、未反応のα−メチルスチレン、前記(イ)、(ロ)、(ハ)成分以外のα−メチルスチレンオリゴマー、α−メチルスチレンポリマーを含むものであってもよい。α−メチルスチレンダイマーを使用する場合、その目的を損なわないものであれば、α−メチルスチレンダイマーを合成後、これを未精製の状態で使用することができる。
(d)重合連鎖移動剤中のα−メチルスチレンダイマーの割合は2〜100質量%、好ましくは3〜100質量%、さらに好ましくは5〜95質量%である。このα−メチルスチレンダイマーの割合が2質量%未満では接着強度と耐ブロッキング性に優れた共重合体ラテックスを得ることができない。また、α−メチルスチレンダイマーと他の重合連鎖移動剤との併用により、重合時における反応性を高めることができる。
(d)重合連鎖移動剤の使用量は、単量体混合物100質量部当たり、0.3〜10質量部、好ましくは0.5〜7質量部である。この(d)重合連鎖移動剤の使用量が0.3質量部未満では耐ブロッキング性が劣り、一方10質量部を越えると接着強度が低下して好ましくない。なお、α−メチルスチレンダイマーの使用量については、単量体混合物の100質量部当り、0.1〜5質量部の範囲で使用することが好ましい。
次に、(d)重合連鎖移動剤におけるα−メチルスチレンダイマーと併用する他の連鎖移動剤としては、一般の乳化重合に使用されている公知の重合連鎖移動剤を使用することができる。具体的には、例えば、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、t−テトラデシルメルカプタンなどのメルカプタン類;ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジエチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィドなどのキサントゲンジスルフィド類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィドなどのチウラムジスルフィド類;四塩化炭素、臭化エチレンなどのハロゲン化炭化水素類;ペンタフェニルエタンなどの炭化水素類;およびアクロレイン、メタクロレイン、アリルアルコール、2−エチルヘキシルチオグリコレート、ターピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテンなどを挙げることができる。これらは単独でも、あるいは2種以上を組み合わせて使用することもできる。これらのうち、メルカプタン類、キサントゲンジスルフィド類、チウラムジスルフィド類、四塩化炭素などが好適に使用される。
本発明における共重合体ラテックスは、上記の単量体混合物及び重合連鎖移動剤を使用
する点を除けば、従来公知の乳化重合法によって製造することができる。すなわち、水等の水性媒体に単量体混合物及び重合開始剤、乳化剤、重合連鎖移動剤等を加えて乳化重合を行うことによって得られる。
上記の共重合体ラテックスは、ポリエステルフィルム上に下塗層として塗布される。塗布膜厚は50〜1000nmが好ましく、50〜300nmがより好ましく、さらに好ましくは50nm〜200nmである。
本発明において、ポリエステルフィルム上に下塗層を形成する際に、共重合体ラテックスに対してジクロロ−s−トリアジン系架橋剤を併用することが好ましい。ジクロロ−s−トリアジン系架橋剤の併用により常湿条件下、高湿条件下、低湿条件下での接着力が著しく向上し、低湿条件下での亀裂が生じなくなり、その他、帯電防止性、耐傷性、耐水性、耐溶剤性等に優れた効果を付与できる。
本発明に使用されるジクロロ−s−トリアジン系架橋剤は、下記に示すものが好ましい。
一般式(3)
Figure 2007279243
(一般式(3)中、Aはアルキル基、環状アルキル基、アリール基、アルアルキル基、金属、水素原子である。)
及び/又は一般式(4)
Figure 2007279243
(一般式(4)中、R1、R2は、水素、アルキル基、環状アルキル基、アリール基、アルアルキル基、−NHR3(R3はアルキル基、アシル基、アリール基)、R1とR2は結合してもよく、また、O、S、N−R4(R4はアルキル基)を含む5または6員の環を形成していてもよい。)
これらのジクロロ−s−トリアジン系架橋剤は、単量体混合物100質量部に対して0.1〜100質量部添加することができる。ジクロロ−s−トリアジン系架橋剤の添加量が0.1質量部より少ないと、接着力の向上が不充分となり、その他、低湿条件下での亀裂防止効果や帯電防止性、耐傷性、耐水性、耐溶剤性等効果が不充分となり易い。一方、ジクロロ−s−トリアジン系架橋剤の添加量が100質量部を超えると、未反応の架橋剤が多量に残り、上層のゼラチン層に移行して過硬膜となり、乳剤又はバック層との接着性が低下し、好ましくない。
これらのジクロロ−s−トリアジン系架橋剤の具体例としては、次に示すものがある。
Figure 2007279243
〔親水性高分子を主成分とする層〕
本発明において、上記の下塗層上に親水性ポリマーを主バインダーとする第2の下塗層を設けることが望ましい。
層中において、親水性ポリマーは80質量%〜100質量%で含まれる事が好ましく、より好ましくは85質量%〜100質量%である。
ここで、親水性ポリマーとして、ゼラチン、フタル化ゼラチン、マレイン化ゼラチン等のアシル化ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、アクリル酸、メタクリル酸もしくはアミド等をゼラチンにグラフトさせたグラフト化ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリヒドロキシアルキルアクリレート、ポリビニルピロリドン、コポリ−ビニルピロリドン−酢酸ビニル、カゼイン、アガロース、アルブミン、アルギン酸ソーダ、ポリサッカライド、寒天、でんぷん、グラフトでんぷん、ポリアクリルアミド、N−置換アクリルアミド、N−置換メタクリルアミド等の単独もしくは共重合体、あるいはそれらの部分加水分解物等合成もしくは天然の親水性高分子化合物が用いられる。これらのものは、単独または混合して使用される。好ましい親水性ポリマーとしては、ゼラチンあるいはその誘導体である。
本発明に係る下塗液は、一般によく知られた塗布方法、例えば、ディップコート法、エアナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビヤコート法、あるいは米国特許第2681294号明細書に記載のホッパーを使用するエクストルージョン法等により塗布することができる。
易接着層の厚みとしては0.05〜1.0μmの範囲が好ましい。0.05μmより薄いと十分な接着性が得られ難く、また、1.0μmより厚いと接着性の効果は飽和する。
親水性高分子を含有する層の厚みとしては、0.05〜1.0μmの範囲が好ましい。0.05μmより薄いと十分な接着性が得られ難く、また、1.0μmより厚いと接着性の効果は飽和する。
易接着層、親水性高分子を含有する層には、必要に応じて紫外線吸収剤を添加することもできる。
紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観点から、紫外線吸収剤としては、各層に紫外線吸収剤を添加した後の偏光板透明保護フィルム全体での、波長380nmの透過率が0〜50%、好ましくは0〜30%、より好ましくは0〜10%、600nmの透過率が80〜100%、好ましくは85〜100%、より好ましくは90〜100%であるものが好ましく用いられる。
〔カール防止層〕
本発明の透明保護フィルム(透明樹脂フィルム)には、カール防止加工を施すこともできる。カール防止加工とは、これを施した面を内側にして丸まろうとする機能を付与するものであるが、この加工を施すことによって、透明樹脂フィルムの片面に何らかの表面加工をして、両面に異なる程度・種類の表面加工を施した際に、その面を内側にしてカールしようとするのを防止する働きをするものである。
カール防止層は透明樹脂フィルムの光散乱層または反射防止層を有する側と反対側に設ける態様或いは、例えば透明樹脂フィルムの片面にカール防止層として易接着層を塗設する場合もあり、また逆面にカール防止加工を塗設するような態様が挙げられる。
カール防止加工の具体的方法としては、溶剤塗布によるもの、溶剤とセルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートプロピオネート等の透明樹脂層を塗設するもの等が挙げられる。溶剤による方法とは、具体的には偏光板用保護フィルムとして用いるセルロースアシレートフィルムを溶解させる溶剤または膨潤させる溶剤を含む組成物を塗布することによって行われる。これらのカールを防止する機能を有する層の塗布液は従ってケトン系、エステル系の有機溶剤を含有するものが好ましい。好ましいケトン系の有機溶媒の例としてはアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、乳酸エチル、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、イソホロン、エチル−n−ブチルケトン、ジイソプロピルケトン、ジエチルケトン、ジ−n−プ
ロピルケトン、メチルシクロヘキサノン、メチル−n−ブチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、メチル−n−へプチルケトン等であり、好ましいエステル系の有機溶剤の例としては酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル等が挙げられる。しかしながら、用いる溶剤としては溶解させる溶剤および/または膨潤させる溶剤の混合物の他、さらに溶解させない溶剤を含む場合もあり、これらを透明樹脂フィルムのカール度合や樹脂の種類によって適宜の割合で混合した組成物および塗布量を用いて行う。この他にも、透明ハード加工や帯電防止加工を施してもカール防止機能を発揮する。
〔プライマー層・無機薄膜層〕
支持体と支持体上に設けられた層との間に、公知のプライマー層または無機薄膜層を設置することでガスバリアー性を高めたりすることができる。
プライマー層としては、例えばアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等を用いることが可能であるが、本発明においてはこのプライマー層として有機無機ハイブリッド層を、無機薄膜層として無機蒸着層またはゾルーゲル法による緻密な無機コーティング薄膜が好ましい。無機蒸着層としては、シリカ、ジルコニア、アルミナ等の蒸着層が好ましい。無機蒸着層は真空蒸着法、スパッタリング法等により形成することができる。
〔硬化〕
支持体上に硬化層(例えば光散乱層等)を有するフィルムの形成は、溶剤の乾燥の後に、ウェブで電離放射線および/または熱により、各種硬化層を形成しうる各塗膜を硬化させるゾーンを通過させ、塗膜を硬化することができる。
本発明における電離放射線種は特に制限されるものではなく、皮膜を形成する硬化性組成物の種類に応じて、紫外線、電子線、近紫外線、可視光、近赤外線、赤外線、X線などから適宜選択することができが、紫外線、電子線が好ましく、特に取り扱いが簡便で高エネルギーが容易に得られるという点で紫外線が好ましい。
紫外線反応性化合物を光重合させる紫外線の光源としては、紫外線を発生する光源であれば何れも使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。また、ArFエキシマレーザ、KrFエキシマレーザ、エキシマランプまたはシンクロトロン放射光等も用いることができる。このうち、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプを好ましく利用できる。
また、電子線も同様に使用できる。電子線としては、コックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される50〜1000keV、好ましくは100〜300keVのエネルギーを有する電子線を挙げることができる。
照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、照射光量は10mJ/cm2以上が好ましく、更に好ましくは、50mJ/cm2〜10000mJ/cm2であり、特に好ましくは、50mJ/cm2〜2000mJ/cm2である。その際、ウェブの幅方向の照射量分布は中央の最大照射量に対して両端まで含めて50〜100%の分布が好ましく、80〜100%の分布がより好ましい。
本発明では、支持体上に積層された少なくとも一層を、電離放射線を照射しかつ電離放射線照射開始から0.5秒以上の間、膜面温度60℃以上に加熱した状態で、酸素濃度10体積%以下の雰囲気で電離放射線を照射する工程によって硬化することが好ましい。
また電離放射線照射と同時および/または連続して酸素濃度3体積%以下の雰囲気で加
熱されることも好ましい。
特に最外層であり、かつ膜厚が薄い低屈折率層がこの方法で硬化されることが好ましい。硬化反応が熱で加速され、物理強度、耐薬品性に優れた皮膜を形成することができる。
電離放射線を照射する時間については0.7秒以上60秒以下が好ましく、0.7秒以上10秒以下がより好ましい。0.5秒以下では、硬化反応が完了することができず、十分な硬化を行うことができない。また長時間低酸素条件を維持することは、設備が大型化し、多量の不活性ガスが必要であり好ましくない。
酸素濃度は6体積%以下の雰囲気で電離放射線硬化性化合物の架橋反応、又は、重合反応により形成することが好ましく、更に好ましくは酸素濃度が4体積%以下、特に好ましくは酸素濃度が2体積%以下、最も好ましくは1体積%以下である。必要以上に酸素濃度を低減するためには、窒素などの不活性ガスの多量の使用量が必要であり、製造コストの観点から好ましくない。
酸素濃度を10体積%以下にする手法としては、大気(窒素濃度約79体積%、酸素濃度約21体積%)を別の気体で置換することが好ましく、特に好ましくは窒素で置換(窒素パージ)することである。
硬化の際、フィルム面が60℃以上170℃以下で加熱されることが好ましい。60℃未満では加熱の硬化は少なく、170℃を超えると支持体の変形などの問題が生じる。更にこの好ましい温度は60℃〜100℃である。フィルム面とは硬化しようとする層の膜面温度を指す。またフィルムが前記温度になる時間は、UV照射開始から0.1秒以上、300秒以下が好ましく、更に10秒以下が好ましい。フィルム面の温度を上記の温度範囲に保つ時間が短すぎると、皮膜を形成する硬化性組成物の反応を促進できず、逆に長すぎてもフィルムの光学性能が低下し、また設備が大きくなるなどの製造上の問題も生じる。
加熱する方法に特に限定はないが、ロールを加熱してフィルムに接触させる方法、加熱した窒素を吹き付ける方法、遠赤外線あるいは赤外線の照射などが好ましい。特許2523574号に記載の回転金属ロールに温水や蒸気・オイルなどの媒体を流して加熱する方法も利用できる。加熱の手段としては誘電加熱ロールなどを使用しても良い。
紫外線照射は、構成する複数の層それぞれに対して1層設ける毎に照射してもよいし、積層後照射してもよい。あるいはこれらを組み合わせて照射してもよい。生産性の点から、多層を積層後、紫外線を照射することが好ましい。
本発明では、支持体上に積層された少なくとも一層を複数回の電離放射線により硬化することができる。この場合、少なくとも2回の電離放射線が酸素濃度3体積%を超えることのない連続した反応室で行われることが好ましい。複数回の電離放射線照射を同一の低酸素濃度の反応室で行うことにより、硬化に必要な反応時間を有効に確保することができる。
特に高生産性のため製造速度をあげた場合には、硬化反応に必要な電離放射線のエネルギーを確保するために複数回の電離放射線照射が必要となる。
また、硬化率(100−残存官能基含率)が100%未満のある値となった場合、その上に層を設けて電離放射線および/または熱により硬化した際に下層の硬化率が上層を設ける前よりも高くなると、下層と上層との間の密着性が改良され、好ましい。
〔ハンドリング〕
本発明のフィルムを連続的に製造するために、ロール状の支持体フィルムを連続的に送り出す工程、塗布液を塗布・乾燥する工程、塗膜を硬化する工程、硬化した層を有する支持体フィルムを巻き取る工程が行われる。
ロール状のフィルム支持体からフィルム支持体がクリーン室に連続的に送り出され、クリーン室内で、フィルム支持体に帯電している静電気を静電除電装置により除電し、引き続きフィルム支持体上に付着している異物を、除塵装置により除去する。引き続きクリーン室内に設置されている塗布部で塗布液がフィルム支持体上に塗布され、塗布されたフィルム支持体は乾燥室に送られて乾燥される。
乾燥した塗布層を有するフィルム支持体は乾燥室から硬化室へ送り出され、塗布層に含有されるモノマーが重合して硬化する。さらに、硬化した層を有するフィルム支持体は硬化部へ送られ硬化を完結させ、硬化が完結した層を有するフィルム支持体は巻き取られてロール状となる。
上記工程は、各層の形成毎に行ってもよいし、塗布部−乾燥室−硬化部を複数設けて、各層の形成を連続的に行うことも可能である。
本発明のフィルムを作成するためには、前記したように塗布液の精密濾過操作と同時に、塗布部における塗布工程および乾燥室で行われる乾燥工程が高い清浄度の空気雰囲気下で行われ、かつ塗布が行われる前に、フィルム上のゴミ、ほこりが充分に除かれていることが好ましい。塗布工程および乾燥工程の空気清浄度は、米国連邦規格209Eにおける空気清浄度の規格に基づき、クラス10(0.5μm以上の粒子が353個/(立方メートル)以下)以上であることが望ましく、更に好ましくはクラス1(0.5μm以上の粒子が35.5個/(立方メートル)以下)以上であることが望ましい。また、空気清浄度は、塗布−乾燥工程以外の送り出し、巻き取り部等においても高いことがより好ましい。
〔第二のフィルム〕
本発明の偏光板の第二のフィルムとしては特に限定されないが、透湿度が700〜3000g/m2・dayの偏光板保護フィルムを張り合わることが好ましく、さらに好ましくは1000〜1700g/m2・dayである。特に、セルロースエステルを主成分(好ましくはフィルム固形分に対して70〜100質量%、より好ましくは80〜100質量%)とするフィルムが好ましい。本発明においては、通常使用されているTACは好適に用いられる。
通常のセルロースアセテートフィルムを用いてもよいが、溶液製膜法で製造され、且つ10〜100%の延伸倍率でロールフィルム形態における巾方向に延伸したセルロースアセテートフィルムを用いても良い。
更には、本発明の偏光板において、第二のフィルムが液晶性化合物からなる光学異方性層を有する光学補償フィルムであっても良い。
また、本発明の偏光板において、第二のフィルムがReが0〜10nm、Rthが20〜20nmであるフィルム(たとえば、特開2005−301227号公報段落番号[0095]参照)であっても良い。
《液晶表示装置》
本発明の偏光板は、液晶表示装置等の画像表示装置に有利に用いることができ、ディスプレイの最表層に用いることが好ましい。
液晶表示装置は、液晶セルおよびその両側に配置された二枚の偏光板を有し、液晶セルは、二枚の電極基板の間に液晶を担持している。さらに、光学異方性層が、液晶セルと一方の偏光板との間に一枚配置されるか、あるいは液晶セルと双方の偏光板との間に二枚配置されることもある。
液晶セルは、TNモード、VAモード、OCBモード、IPSモードまたはECBモードであることが好ましい。
<TNモード>
TNモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向し、さらに60〜120゜にねじれ配向している。
TNモードの液晶セルは、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。
<VAモード>
VAモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に垂直に配向している。
VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of Tech. Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)および(4)SURVAIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。
<OCBモード>
OCBモードの液晶セルは、棒状液晶性分子を液晶セルの上部と下部とで実質的に逆の方向に(対称的に)配向させるベンド配向モードの液晶セルであり、米国特許第4583825号、同5410422号の各明細書に開示されている。棒状液晶性分子が液晶セルの上部と下部とで対称的に配向しているため、ベンド配向モードの液晶セルは、自己光学補償機能を有する。そのため、この液晶モードは、OCB(Optically Compensatory Bend)液晶モードと呼ばれる。ベンド配向モードの液晶表示装置は、応答速度が速いとの利点がある。
<IPSモード>
IPSモードの液晶セルは、ネマチック液晶に横電界をかけてスイッチングする方式であり、詳しくはProc.IDRC(Asia Display ’95),p.577−580及び同p.707−710に記載されている。
<ECBモード>
ECBモードの液晶セルは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向している。ECBモードは、最も単純な構造を有する液晶表示モードの一つであって、例えば特開平5−203946号公報に詳細が記載されている。
<輝度向上フィルム>
輝度向上フィルム(DBEF 3M製)を使用している液晶表示装置の場合には、本発明にかかる偏光板は視認側の偏光板にのみ使用し、バックライト側には通常のTACを用いた偏光板を使用することが好ましい。該構成により、虹ムラ、色味変化が大幅に抑えられる。
<タッチパネル>
本発明の偏光板は、特開平5−127822号公報、特開2002−48913号公報等に記載されるタッチパネルなどに応用することができる。
<有機EL素子>
本発明の偏光板は、有機EL素子等の基板(基材フィルム)や保護フィルムとして用いることができる。
本発明のフィルムを有機EL素子等に用いる場合には、特開平11−335661号、特開平11−335368号、特開2001−192651号、特開2001−192652号、特開2001−192653号、特開2001−335776号、特開2001−247859号、特開2001−181616号、特開2001−181617号、特開2002−181816号、特開2002−181617号、特開2002−056976号等の各公報記載の内容を応用することができる。また、特開2001−148291号、特開2001−221916号、特開2001−231443号の各公報記載の内容と併せて用いることが好ましい。
《測定法》
以下、本明細書に記載のある各種の量を測定する方法について、説明する。
〔透湿度〕
透湿度の測定法は、「高分子の物性II」(高分子実験講座4 共立出版)の285頁〜294頁:蒸気透過量の測定(質量法、温度計法、蒸気圧法、吸着量法)に記載の方法を適用することができ、本発明にかかるフィルム試料70mmφを60℃、95%RHでそれぞれ24時間調湿し、JIS Z−0208に従って、単位面積あたりの水分量を算出(g/m2)し、透湿度=調湿後質量−調湿前質量で求めた。
〔Tg〕
Tgは動的粘弾性測定で得られるtanδのピーク温度から決定する。動的粘弾性測定装置はDVA−225(アイティー計測制御(株)社製)を用いtanδは測定周波数1Hzでの測定する。
〔弾性率〕
東洋ボールドウィン製万能引っ張り試験機STM T50BPを用い、25℃・60%雰囲気中、引っ張り速度10%/分で0.5%伸びにおける応力を測定し、弾性率を求める。
〔含水量〕
フィルムサンプルを120度で120分間乾燥させ、乾燥前後の重量差を水分量とし、水分量(g)を試料質量(g)で除して算出する。
〔レターデーション〕
本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は各々、波長λにおける面内のリターデーションおよび厚さ方向のリターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADHまたはWR(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。
測定されるフィルムが1軸または2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレタデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレタデーシ
ョンの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレタデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
尚、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレタデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基に、以下の式(1)及び式(2)よりRthを算出することもできる。
式(1)
Figure 2007279243
注記:
上記のRe(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレタデーション値をあらわす。
式(1)におけるnxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnx及びnyに直交する方向の屈折率を表す。
式(2)
Rth=((nx+ny)/2 - nz) x d
測定されるフィルムが1軸や2軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(optic axis)がないフィルムの場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレタデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
上記の測定において、平均屈折率の仮定値は ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADHまたはWRはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx,ny,nzよりNz=(nx-nz)/(nx-ny)が更に算出される。
〔表面粗さ〕
中心線平均粗さ(Ra)の測定は、JIS−B0601に準じて行うことができる。
〔ヘイズ〕
本発明にかかるフィルムのヘイズはJIS−K7105に規定されたヘイズ値のことであり、JIS−K7361−1で規定された測定法に基づき、日本電色工業(株)製の濁度計「NDH−1001DP」を用いて測定したヘイズ=(拡散光/全透過光)×100(%)として自動計測される値を全ヘイズとした。
フィルムにシリコンオイルを滴下し、表面ヘイズをキャンセルした状態で上記条件で測定した値を内部ヘイズとした。表面ヘイズは全ヘイズから内部ヘイズを差し引いた値とした。
〔カール量〕
貼り合わせで得られた積層体または偏光板を偏光子の吸収軸に対して45度の方向に100mm×100mmの大きさに打ち抜いてサンプルとし、当該サンプルを平坦面に置いたときに当該平坦面から持ち上がった空間距離Pをいう。
〔硬度〕
<鉛筆硬度>
本発明のフィルムの強度は、JIS―K5400に従う鉛筆硬度試験で評価することが出来る。
鉛筆硬度はH以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
また、特開2004−354828号公報記載のナノインデンテーションによって表面硬度をもとめることができ、この場合の硬度としては2GPa〜4GPa、ナノインデンテーション弾性率は10GPa〜30GPaであることが好ましい。
〔密着性評価〕
フィルムの層間、あるいは支持体と支持体上に設けられた塗布層との密着性は以下の方法により評価することが出来る。
塗布層を有する側の表面にカッターナイフで碁盤目状に縦11本、横11本の切り込みを1mm間隔で入れて合計100個の正方形の升目を刻み、日東電工(株)製のポリエステル粘着テープ(NO.31B)を圧着し、24時間放置後引き剥がす試験を同じ場所で繰り返し3回行い、剥がれの有無を目視で観察する。
100個の升目中、剥がれが10升以内であることが好ましく、2升以内であることが更に好ましい。
〔分光特性〕
試料13mm×40mmを、25℃,60%RHで分光光度計(U−3210、(株)日立製作所)にて、波長300〜800nmにおける透過率を測定した。
b値は、日本電色工業(株)製 SZ-Σ90型色差計により測定した。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるものではない。
<原料樹脂合成>
ポリエチレンテレフタレートの合成は常法によりポリエステルAを得た。
また、スルホン酸基を含むものは以下の方法により合成した。
〔スルホン酸基を含有したポリエチレンテレフタレートの合成〕
テレフタル酸ジメチル100質量部、エチレングリコール64質量部に酢酸カルシウム水和物0.1質量部を添加し、常法によりエステル交換反応を行なった。
得られた生成物に5−ナトリウムスルホジ(β−ヒドロキシエチル)イソフタル酸のエチレングリコール溶液(濃度31質量%)35質量部(6.3モル%/全ジカルボン酸成分)、ポリエチレングリコール(数平均分子量3000)5.8質量部(5質量%/生成したポリエステル)、三酸化アンチモン0.05質量部、リン酸トリメチルエステル0.13質量部を添加した。
次いで徐々に昇温、減圧にし、280℃、40Paで重合を行ない、ポリエステルSを得た。
実施例1
〔偏光板保護フィルムの作製〕
(偏光板保護フィルム1)
<ポリエステルフィルムの作成>
上記ポリエステルAのチップ材料を、ヘンシェルミキサーおよびパドルドライヤー乾燥機内で含水率50ppm以下に乾燥させた後、ヒーター温度を280度〜300度に設定した押し出し機内で溶融させた。溶融させたポリエステル樹脂を、ダイ部より静電印加されたチラーロール上に吐出させ、非結晶ベースを得た。この非結晶ベースをベース流れ方向に延伸比3.3倍に延伸後、ベース幅方向に延伸比3.9倍に延伸し、厚さ100μmのポリエステルフィルムを作成した。
<下塗り層S1>
上記ポリエステルフィルムの一方の面(光散乱層との接着界面となる面)に、塗布直前にコロナ放電処理を行い、以下の塗布液を乾燥膜厚が90nmとなるように塗布(S1)した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
スチレンブタジエンラテックス(固形分43%) 300g
2,4−ジクロロ−6ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム塩(8%)
49g
蒸留水 1600g
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
<光散乱層形成>
(ゾル液a−2の調製)
温度計、窒素導入管、滴下ロートを備えた1,000mlの反応容器に、アクリロキシオキシプロピルトリメトキシシラン187g(0.80mol)、メチルトリメトキシシラン27.2g(0.20mol)、メタノール320g(10mol)とKF0.06g(0.001mol)を仕込み、攪拌下室温で水15.1g(0.86mol)をゆっくり滴下した。滴下終了後室温で3時間攪拌した後、メタノール還溜下2時間加熱攪拌した。この後、低沸分を減圧留去し、更にろ過することによりゾル液a−2を120g得た。このようにして得た物質をGPC測定した結果、質量平均分子量は1500であり、オリゴマー成分以上の成分のうち、分子量が1000〜20000の成分は30%であった。
また1H−NMRの測定結果から、得られた物質の構造は、以下の一般式で表される構造であった。
Figure 2007279243
更に、29Si−NMR測定による縮合率αは0.56であった。この分析結果から、本シランカップリング剤ゾルは直鎖状構造部分が大部分であることが分かった。
また、ガスクロマトグラフィー分析から、原料のアクリロキシプロピルトリメトキシシランは5%以下の残存率であった。
(1)光散乱層用塗布液の調製
────────────────────────────────────
光散乱層(防眩性ハードコート層)用塗布液A−1の組成
────────────────────────────────────
PET−30 50.0g
イルガキュア184 2.0g
SX−350(30%) 1.5g
架橋アクリル−スチレン粒子(30%) 13.0g
SP−14 0.75g
ゾル液a−2 9.5g
トルエン 38.5g
────────────────────────────────────
上記塗布液を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して光散乱層用塗布液A−1を調製した。
それぞれ使用した化合物を以下に示す。
・PET−30:ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物[日本化薬(株)製]
・イルガキュア184:重合開始剤[チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製]
・SX−350:平均粒径3.5μm架橋ポリスチレン粒子[屈折率1.60、綜研化学(株)製、30%トルエン分散液、ポリトロン分散機にて10000rpmで20分分散後使用]
・架橋アクリル−スチレン粒子:平均粒径3.5μm[屈折率1.55、綜研化学(株)製、30%トルエン分散液、ポリトロン分散機にて10000rpmで20分分散後使用]
・SP−14:フッ素系表面改質剤
フッ素系表面改質剤
Figure 2007279243
(2)光散乱層の塗設
下塗り層(S1)を設けたポリエステルフィルムをロール形態で巻き出してS1を塗布してある面に直接、光散乱層塗布液を線数135本/インチ、深度60μmのグラビアパターンを有する直径50mmのマイクログラビアロールとドクターブレードを用いて、搬送速度10m/分の条件で塗布し、60℃で150秒乾燥の後、さらに窒素パージ下で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量250mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、巻き取った。
この光散乱層の特性は全ヘイズが55%、表面ヘイズが17%、内部ヘイズが38%であった。
<偏光子用下塗り>
偏光子との接着面に以下の処方の下塗りを行った。
<下塗り層SS1>
前記光散乱層を設けたポリエステルフィルムのS1塗布の反対面に、コロナ放電処理を行い、以下の塗布液を乾燥膜厚が90nmとなるように塗布(SS1)した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
スチレンブタジエンラテックス(固形分43%) 300g
2,4−ジクロロ−6ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム塩(8%)
49g
蒸留水 1600g
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
<親水性高分子層SS2>
さらに、SS1の塗布乾燥後、SS1塗布層の上に、コロナ放電処理を行い、次の親水性高分子を含む層を乾燥膜厚100nmとなるように塗布(SS2)を行い偏光板保護フィルム1を得た。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ゼラチン 30g
酢酸(20%) 20g
蒸留水 1900g
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(他の偏光板保護フィルム)
光学異方性層が塗布されているWVフィルム(富士写真フイルム(株)製)を55℃の1.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液中に120秒間浸漬した後、水洗乾燥した。
〔偏光板の作製〕
(偏光板1)
厚み75μm、重合度2400のポリビニルアルコールを30℃の純水に1分間浸漬しながら2.5倍に延伸した。次いで、ヨウ素とヨウ化カリウム配合の染色浴巾に30℃で1分間浸漬しながら1.2倍に延伸した。次いで、60℃4%のホウ酸浴中に2分間浸漬しながら2倍に延伸した。さらに、ヨウ化カリウム濃度5%の水溶液に30℃で5秒間浸漬した後、35℃で5分間乾燥し、偏光子を得た。この偏光子の片面にPVA系接着剤を用いて偏光板保護フィルム1のSS2を施した面側を貼り合せて、積層体を形成した。貼り合わせに際しては、得られる積層体がフラットになるように張力を制御して貼り合わせた。得られた積層体を60℃で3分間乾燥処理をし、積層体の含水量が7%となった後、引き続いて(すなわち、積層体を巻き取って保存することなく)、偏光子のもう一方の面にPVA系接着剤を用いて上記鹸化したWVフィルムの光学異方性層が塗布されていない面を貼り合わせ、70℃で7分間乾燥して偏光板1を得た。貼り合わせに際しては、得られる偏光板がフラットになるように張力を制御して貼り合わせた。得られた偏光板の接着性試験である60℃温水浸漬試験に供した。
結果を下記表2に示す。
(60℃温水浸漬試験)
偏光板を25×50mmにカットし、60℃の温水の巾に浸漬し、偏光板の保護フィルムがはがれるまでの時間(h)を測定した(表2参照)。
〔偏光板保護フィルムの作製〕
(偏光板保護フィルム2〜7)
偏光板保護フィルム1と同様の作成方法により、表1に示す様に、偏光板保護フィルム1に代え、光散乱層塗布液に散乱粒子(SX−350、架橋アクリル−スチレン粒子)を入れないで塗布した偏光板保護フィルム2、ポリエステルフィルムの原料ポリエステルをポリエステルS変更した偏光板保護フィルム3、紫外線吸取剤を混錬した偏光板保護フィルム4、また、40μmのポリエステルフィルムを用いた偏光板保護フィルム5を作製した。
紫外線吸収剤を入れたPET4は以下の様に作成した。
下記化合物12と13を1:1で樹脂固形分量の0.5質量%をポリエステル樹脂に練り込んだチップの形態とし、ポリエステルAのチップとブレンドした。このチップ材料を、ヘンシェルミキサーおよびパドルドライヤー乾燥機内で含水率50ppm以下に乾燥させた後、ヒーター温度を280度〜300度に設定した押し出し機内で溶融させた。溶融させたポリエステル樹脂を、ダイ部より静電印加されたチラーロール上に吐出させ、非結晶ベースを得た。この非結晶ベースをベース流れ方向に延伸比3.3倍に延伸後、ベース幅方向に延伸比3.9倍に延伸し、厚さ100μmのフィルムを得た。得られたフィルムの
紫外線吸収剤の染み出しは観察されなかった。紫外線吸収剤染み出しはフィルムシート60度・90%相対湿度雰囲気下に10日間放置し、表面の紫外線吸収剤の染み出し(ブリードアウト)を目視観察した。
フィルムの質量減少は0.6%であり、380nmと600nmの透過率はそれぞれ40,85%であった。
Figure 2007279243
Figure 2007279243
また、以下の様にノルボルネンを用いた偏光板保護フイルム6を作成した。
ノルボルネン系フィルム(目本ゼオン社製、商品名「ZEONOR」、100μm)の片面を200w・min/m2の放電量でコロナ処理した。次いで、その処理面にシリコンプライマー(目本ユニカ社製、商品名「APZ-6601」5wt%)を流延した後、120℃で30分間加熱処理して、透湿度3g/m2・24hの偏光板保護フイルム6を得た。
偏光板保護フィルム7として、セルロースアシレートフィルム(富士写真フイルム株式会社製、商品名「TD80」、80μm、透湿度1400g/m2・24h)を用いた。
Figure 2007279243
〔偏光板の作製〕
(偏光板2〜15、TD,Z,N,TP1,TP2、TP3)
偏光板1と同様にして、表2の様に各種偏光板保護フィルムを用い乾燥条件(積層体含水量)、貼合条件(逐次、同時)を変化させ偏光板2〜15、TD、Z、N、TP1、TP2、TP3を作製し、60℃温水浸漬試験を実施した。(表2参照)
「TD80」とは、富士写真フイルム(株)製のTACであり、「Z−TAC」は富士写真フイルム(株)製の低レターデーションTACである(透明)。
Figure 2007279243
実施例2
〔液晶表示装置の性能〕
(液晶表示装置1)
TN型液晶セルを使用した液晶表示装置(MRT−191S、三菱電機 製)に設けられている偏光板を剥がし、代わりに本発明の偏光板1を、ポリエステル樹脂フィルム面が外側(空気界面側)に、且つ偏光板の透過軸が製品に貼られていた偏光板と一致するように粘着剤を介して貼り付けた。暗室にて、液晶表示装置を表示して、種々の視角から目視により以下の特性を評価したところ良好な結果を得た。
<高湿および低湿処理後の光漏れ評価(額縁ムラ評価)>
液晶表示装置を60℃90%RH50時間、または70℃10%RH50時間処理後に、25℃60%RHの環境下で2時間放置した後、液晶表示装置を黒表示させ、正面からの光漏れを複数の観察者により目視評価したところ光漏れは観察されず良好な結果を得た。
下記評価基準に従い、高湿・低湿での光漏れを評価した。画面の観察は、光の入らない暗室で、画面を黒表示させた状態を目視観察した。
◎:光漏れがほとんど分からない。
○:光漏れが抑制されている。
×:光漏れが観察される。
〔液晶表示装置の性能〕
(液晶表示装置2〜25)
液晶表示装置1と同様にして、偏光板1の代わりに偏光板2〜13、TD,Z,TP1,TP2、TP3を用いたものについても、同様の評価を行なった。
さらに、VA型液晶表示装置(LC−26GD3 シャープ株式会社製)に設けられている偏光板を位相差膜を残したまま剥がし、代わりに本発明の偏光板TDをポリエステル樹脂フィルム面が外側(空気界面側)に、且つ偏光板の透過軸が製品に貼られていた偏光板と一致するように貼り付けた。また、同様に偏光板12、13を用いた物についてもノルボルネン側が外側にくるようにして液晶表示装置を作成した。
IPS型液晶表示装置(TH−26LX300 松下電器産業株式会社製)に設けられている偏光板を剥がし、代わりに本発明の偏光板Zをポリエステル樹脂フィルム面が外側(空気界面側)に、且つ偏光板の透過軸が製品に貼られていた偏光板と一致するように貼り付けた。また、同様に偏光板12、13を用いた物についてもノルボルネン側が外側にくるようにして液晶表示装置を作成した。
また、IPS型液晶表示装置(32LC100 株式会社東芝製)に設けられている偏光板を表側の位相差膜を残し、裏側の位相差膜は剥がし、代わりに本発明の偏光板Zをポリエステル樹脂フィルム面が外側(空気界面側)に、且つ偏光板の透過軸が製品に貼られていた偏光板と一致するように貼り付けた。また、同様に偏光板12、13を用いた物についてもノルボルネン側が外側にくるようにして液晶表示装置を作成した。
これらについても、高湿・低湿での光漏れを評価した。(表3参照)
また、虹ムラの発生はノルボルネンでは起こらず、光散乱層を付与したPETでも、十分に虹ムラが低減できていた。
Figure 2007279243

Claims (21)

  1. 700g/m2・24h以下の透湿度を有する樹脂層を少なくとも含む第一のフィルムと、第二のフィルムとを水系接着剤を用いて偏光子の両面に貼り合わせて積層体を形成した偏光板の作成方法であって、第一のフィルムと第二のフィルムを逐次に貼合することを特徴とする偏光板の製造方法。
  2. 逐次貼合において最初の貼合により形成された積層体の含水量が7%以下となった状態で次の貼合が行われることを特徴とする請求項1に記載の偏光板の製造方法。
  3. 逐次貼合が、最初の貼合により形成された積層体を巻き取ることなしに連続で行われることを特徴とする請求項1または2に記載の偏光板の製造方法。
  4. 第一のフィルムが、前記樹脂層として、ポリエステル樹脂を主成分とする層を少なくとも含むフィルムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の偏光板の製造方法。
  5. 第二のフィルムがセルロースエステルフィルムを主成分とするフィルムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の偏光板の製造方法。
  6. 前記ポリエステル樹脂がスルホン酸又はその塩から選ばれる基を有することを特徴とする請求項4または5に記載の偏光板の製造方法。
  7. 前記ポリエステル樹脂を主成分とする層を少なくとも含むフィルムにおいて、前記ポリエステル樹脂を主成分とする層の少なくとも一方の面がコロナ放電処理されていることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の偏光板の製造方法。
  8. 前記ポリエステル樹脂を主成分とする層を少なくとも含むフィルムにおいて、前記ポリエステル樹脂を主成分とする層の少なくとも一方の面がグロー放電処理されていることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の偏光板の製造方法。
  9. 前記ポリエステル樹脂を主成分とする層を少なくとも含むフィルムが、ポリエステル樹脂を主成分とする層の少なくとも一方の面に易接着層を含むことを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載の偏光板の製造方法。
  10. 前記易接着層が、アクリル酸エステル系ラテックス、メタクリル酸系ラテックス、スチレン系ラテックスから選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項9に記載の偏光板の製造方法。
  11. 前記ポリエステル樹脂を主成分とする層を少なくとも含むフィルムが、前記易接着層上にさらに親水性高分子を含有する層を含むことを特徴とする請求項9または10に記載の偏光板の製造方法。
  12. 表面ヘイズが5〜70%であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の偏光板の製造方法。
  13. 前記ポリエステル樹脂を主成分とする層を少なくとも含むフィルムの380nmの透過率が0〜50%であり、600nmの透過率が80〜100%であることを特徴とする請求項4〜12のいずれかに記載の偏光板の製造方法。
  14. 前記ポリエステル樹脂を主成分とする層を少なくとも含むフィルムが紫外線吸収剤を含有していることを特徴とする請求項4〜13のいずれかに記載の偏光板の製造方法。
  15. 前記紫外線吸収剤が、窒素ガス下、300℃の温度に到達するまで10℃/分の昇温速度で昇温した場合の質量減量%が10%以下である紫外線吸収剤を含有していることを特徴とする請求項14に記載の偏光板の製造方法。
  16. 前記紫外線吸収剤が、下記一般式(1)で表される紫外線吸収剤の少なくとも一種であることを特徴とする特徴とする請求項14または15に記載の偏光板の製造方法。
    Figure 2007279243
    式中、X1、Y1およびZ1は、それぞれ独立して、置換もしくは無置換の、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基またはヘテロ環基を示し、X1、Y1およびZ1のうち少なくとも一つは下記構造式(A)で示される置換基を表す。
    Figure 2007279243
    式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、アシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、カルボキシル基もしくはその塩またはスルホ基もしくはその塩を表す。隣り合うR1およびR2が連結して環を形成してもよい。
  17. 第二のフィルムが視野角補償機能を有することを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の偏光板の製造方法。
  18. 第二のフィルムが光学異方性層を有することを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の偏光板の製造方法。
  19. 請求項1〜18のいずれかに記載の方法で作成された偏光板。
  20. 液晶セルを挟む偏光板のうち少なくとも一方が請求項19に記載の偏光板であることを特徴とする液晶表示装置。
  21. 表示モードがTNモードであることを特徴とする請求項20に記載の液晶表示装置。
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