JPWO2015093307A1 - 積層ポリエステルフィルム、及び、それを用いた偏光板 - Google Patents

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Abstract

【課題】二軸延伸ポリエステルフィルムでありながらタッチパネル用途、偏光子保護用途などに使用した際に干渉色を呈することないポリエステルフィルム、および偏光板を提供する。【解決手段】ポリエステルA層とポリエステルA層より融点の低いポリエステルB層を有する10層以下の積層ポリエステルフィルムであって、積層フィルムの幅方向中心および、400mm幅におけるフィルム面に垂直な方向に対するリタデーション(Re)がいずれも1000nm以下である積層ポリエステルフィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、光学用途に用いられるポリエステルフィルムに関するものであり、特に偏光子保護用途に適して用いられるポリエステルフィルムに関するものである。ポリエステルA層とポリエステルA層より融点の低いポリエステルB層を有する積層構成で、中心および、400mm幅におけるフィルム面に垂直な方向に対するリタデーション(Re)がいずれも1000nm以下であるであるため、タッチパネル用途、偏光子保護用途などに使用した際に干渉色を呈することないポリエステルフィルム、および偏光板に関する。
熱可塑性樹脂フィルム、中でも二軸延伸ポリエステルフィルムは、機械的性質、電気的性質、寸法安定性、透明性、耐薬品性などに優れた性質を有することから磁気記録材料、包装材料などの多くの用途において基材フィルムとして広く使用されている。特に近年、フラットパネルディスプレイやタッチパネル分野において、偏光子保護フィルムや透明導電フィルムなど、各種光学用フィルムの需要が高まっている。その中でも、偏光子保護フィルム用途では、低コスト化を目的として、従来のTAC(トリアセチルセルロース)フィルムから二軸延伸ポリエステルフィルムへの置換えが盛んに検討されている。
しかし、従来検討されている二軸延伸ポリエステルフィルムでは、延伸時のポリマーの配向に起因してTACフィルムと比較してリタデーションが高くなるため、液晶ディスプレイとして組み立てた際にリタデーションに起因した干渉色が生じ、画像を表示した際の品位が低下するという課題があった。本課題を解決するために、リタデーションを制御する方法が提案されている(たとえば特許文献1、特許文献2)。
特開2013−200435号公報 特開2013−210598号公報
しかしながら、特許文献1や2にて提案されている技術は、フィルムの幅方向におけるリタデーションについては制御しておらず、大画面の液晶ディスプレイなどの表示装置に搭載した際、フィルム幅方向で干渉色を呈してしまう課題があり、偏光子保護フィルムの用途では実用的なものではない。
そこで、本発明では上記の欠点を解消し、二軸延伸ポリエステルフィルムでありながら、タッチパネル用途、偏光子保護用途などに使用した際に干渉色を呈することないポリエステルフィルムを提供することを目的とする。
本発明は次の構成からなる。
[1] ポリエステルA層とポリエステルA層より融点の低いポリエステルB層を有する10層以下の積層ポリエステルフィルムであって、
積層フィルムの幅方向中心および、400mm幅におけるフィルム面に垂直な方向に対するリタデーション(Re)がいずれも1000nm以下である積層ポリエステルフィルム。
[2] 積層フィルムの幅方向中心におけるリタデーション(Re・C)と、400mm幅におけるリタデーション(Re・E)が下記(I)式を満足する[1]に記載の積層ポリエステルフィルム。
Re・E/Re・C≦1.5・・・(I)
[3] 温度60℃、湿度95%の条件下に、フィルムを400時間保持した前後のフィルムヘイズ差(Δヘイズ)が、1%未満である[1]または[2]に記載の積層ポリエステルフィルム。
[4] 積層フィルムの幅方向中心において、フィルム面に対して50°傾斜した角度に対するリタデーション(R50°)が2000nm以下である[1]〜[3]のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルム。
[5] 積層フィルムの幅方向中心において、フィルム面に対して50°傾斜した角度に対するリタデーション(R50°)が2000nm以下であって、
フィルム面内の任意一方向を方向X、方向Xに直交する方向を方向Yとすると、95℃におけるフィルム方向Xおよび方向Yの貯蔵弾性率がそれぞれ、800MPa以上である[1]〜[4]のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルム。
[6] フィルム面内の任意の一方向を方向X、方向Xに直交する方向を方向Y、フィルム厚み方向を方向Zとすると、ポリエステルB層のX、Y、Z方向の屈折率の平均値が1.51以上1.57以下である[1]〜[5]のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルム。
[7] 方向Xの85℃における熱収縮率が0.5%以下である[6]に記載の積層ポリエステルフィルム。
[8] 方向Yの85℃における熱収縮率が0.5%以下である[6]または[7]に記載の積層ポリエステルフィルム。
[9] 前記ポリエステルA層が、少なくとも一方の最外層に位置し、A層の面配向係数が0.16未満である[1]〜[8]のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルム。
[10] 前記ポリエステルA層が、少なくとも一方の最外層に位置し、A層の面配向係数が0.11よりも大きい[1]〜[9]のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルム。
[11] A層/B層/A層の3層構成である[1]〜[10]のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルム。
[12] A層の1層あたりの厚みが3.2μm未満である[1]〜[11]のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルム。
[13] ポリエステルB層が、ジオール由来の構造単位に対して、エチレングリコール由来の構造単位を60モル%以上90モル%以下、その他のジオール由来の構造単位を10モル%を超えて、40モル%以下含有してなる[1]〜[12]のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルム。
[14] ポリエステルB層が、ジカルボン酸由来の構造単位に対して、テレフタル酸由来の構造単位を60モル%以上90モル%以下、その他のジカルボン酸由来の構造単位を10モル%を超えて、40モル%以下含有してなる[1]〜[13]のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルム。
[15] 積層フィルムの幅方向中心において、フィルム面に対して50°傾斜した角度に対するリタデーション(R50°)が2000nm以下であり、フィルム面内の任意の一方向を方向X、方向Xに直交する方向を方向Y、フィルム厚み方向を方向Zとすると、ポリエステルB層のX、Y、Z方向の屈折率の平均値が1.51以上1.57以下であり、A層/B層/A層の3層構成である[1]に記載の積層ポリエステルフィルム。
[16] 前記積層ポリエステルフィルムの少なくとも一方の最表面に、ハードコート性、自己修復性、防眩性、反射防止性、低反射性、及び帯電防止性からなる群より選択される1種以上の機能を示す層が積層されていることを特徴とする、[1]〜[15]のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルム
[17] 偏光子の両面に偏光子保護フィルムを有してなる偏光板であって、少なくとも一方の面に用いられる偏光子保護フィルムが[1]〜[16]のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルムである偏光板。
本発明の積層ポリエステルフィルムは、液晶ディスプレイなどの表示装置に搭載した際にも高品位で表示することができる効果を奏する。
リタデーションの測定に供せられるフィルムであって、400mm幅を持つフィルムを示した図である。 リタデーションの測定に供せられるフィルムであって、1000mm幅を持つフィルムを示した図である。 リタデーションの測定に供せられるフィルムであって、1500mm幅を持つフィルムを示した図である。
(積層ポリエステルフィルム)
以下、本発明の積層ポリエステルフィルムについて詳細に説明する。
本発明において積層ポリエステルフィルムとしては、ポリエステルA層とポリエステルA層より融点の低いポリエステルB層を有する10層以下の積層ポリエステルフィルムであり、ポリエステルB層は、ポリエステルA層より融点が低いことが必要である。ポリエステルA層よりも融点の低いポリエステルB層を有することで、フィルム製膜時の熱処理工程等でポリエステルB層の配向を緩和しやすくなり、リタデーションを低く制御することが可能となる。本発明における融点としては、示差走査熱量計(DSC)を用いて、昇温速度20℃/分で測定を行った際の融解現象で発現する吸熱ピーク温度である。異なる組成のポリエステル樹脂をブレンドして使用し、フィルムとした場合などには複数の融解に伴う吸熱ピークが現れる場合があるが、その場合、熱流の絶対値が最も大きい温度を融点とする。なお、本発明におけるポリエステルB層は、フィルム製膜時の熱処理工程等で配向緩和させ、リタデーションを低く制御することを目的としているため、結晶性が低く、明確な融点を有さないポリエステルについても包含するものとし、ポリエステルB層が明確な融点を示さない場合は、A層の融点よりも低いとみなすものとする。
本発明の積層ポリエステルフィルムは、ポリエステルA層とポリエステルA層より融点の低いポリエステルB層を有し、10層以下の積層ポリエステルフィルムであれば特に限定されず、その他の層を有してもよいが、製膜性、層間密着性の観点から、ポリエステルA層とポリエステルB層が交互に積層されている構成が好ましく、ポリエステルA層とポリエステルB層のみから構成されていることが好ましい。
本発明の積層ポリエステルフィルムの積層する層数は10層以下であることが必要である。積層する層数が10層よりも多い場合には、各層の厚みが薄くなるため、製膜時の積層性が低くなり、フローマーク等が発生し、フィルム品位が低下する場合がある。積層ポリエステルフィルムは、特に、低リタデーションを保ちつつ、高い寸法安定性を両立させる必要がある場合は、ポリエステルA層をより多く有するようにするために、積層する層数を5層以上9層以下とすることが好ましい。一方、低リタデーションを達成しつつ、製造コストを抑えたい場合は、積層する層数を2層以上5層未満とすることが好ましい。
本発明の積層ポリエステルフィルムは、積層フィルムの幅方向中心(以下、単に「中心」と称することがある。)および、400mm幅におけるフィルム面に垂直な方向に対するリタデーション(Re)がいずれも1000nm以下であることが必要である。つまり、本発明では、積層フィルムの幅方向中心におけるフィルム面に垂直な方向に対するリタデーション(Re)が1000nm以下であり、かつ、400mm幅におけるフィルム面に垂直な方向に対するリタデーション(Re)が1000nm以下である必要がある。
本発明において、フィルム面に垂直な方向に対するリタデーション(Re)とは、フィルムの面内における直交する2方向の屈折率差の最大値とフィルム厚みの積から算出されるものであり、具体的には、王子計測機器株式会社から販売されている測定装置であって、光学的な手法をもってリタデーションを測定する位相差測定装置KOBRAシリーズにて計測される値である。具体的には、フィルム幅方向が当該測定装置にて定義されている角度0°となるように装置に設置し、入射角0°(フィルム面に垂直な方向)にて測定した値である。
また、本発明における400mm幅とは、フィルムの幅方向における中心より、幅方向に沿って2方向にそれぞれ200mm幅を採ったフィルムを指す(図1)。
つまり、中心および、400mm幅におけるフィルム面に垂直な方向に対するリタデーション(Re)の評価は、フィルム幅方向の中心および、中心より、幅方向に沿って2方向にそれぞれ200mm幅に採った位置にて実施する(測定は、フィルム幅方向中心より、幅方向に沿って2方向にそれぞれ165mm幅位置から35mm×35mm角で切り出したサンプルにて測定)。本発明におけるフィルム幅方向とは、ロール上の積層フィルムであれば、ロールの巻き方向をフィルム長手方向とし、ロールの幅方向がフィルム幅方向とし、カットされたシート状である場合には、フィルムの長辺方向と長辺方向に直交する方向のフィルム端部(フィルム端より35mm位置を中心として、35mm×35mm角に切り出したサンプルにて測定)においてリタデーション(Re)を計測し、フィルム中心との差が大きい方向をフィルム幅方向とする。
一般に、ポリエステルフィルムを、偏光子保護用途に用いる場合、偏光子と貼りあわせた際、リタデーション(Re)の値が高くなると液晶ディスプレイに実装した際に干渉色を生じるようになり、品位が低下するため問題となる。二軸延伸ポリエステルフィルムにおいては、製造時に直交した二軸方向への延伸を実施するが、その延伸工程においてフィルムの面内にてリタデーション(Re)のバラツキが生じる。さらに具体的には、一般的に二軸延伸フィルムによく用いられる逐次二軸延伸においては、フィルム長手方向へ延伸を行ったのちにフィルム幅方向へ延伸、場合によっては、その後熱処理を実施することもあるが、特にフィルム幅方向への延伸を行う際に、フィルム長手方向とフィルム幅方向との応力のバラツキからフィルム幅方向でリタデーション(Re)の差が生じるものである。そのため、たとえフィルム幅方向の中央にてリタデーション(Re)を抑制したとしても、フィルム幅方向でみると末端に近づくに従いリタデーション(Re)が増加することが一般的に知られている。このようにフィルム幅方向でのリタデーション(Re)のバラツキが生じることで、特に32インチ以上の大型ディスプレイ向けの偏光子の保護フィルムとして用いた際に、偏光板としての面内でのリタデーション(Re)のバラツキが生じ、液晶ディスプレイなどの表示装置に実装した際にも高リタデーション(Re)の部位にて色づきが生じる原因となる。本発明の積層ポリエステルフィルムは、大型ディスプレイ向けへの搭載性の観点から、フィルム幅は400mm以上であることが必要であり、より好ましくは1000mm幅以上であり、1500mm幅以上であれば最も好ましい。
なお、上記した理由より本発明の積層ポリエステルフィルムは、1000mm幅以上ある場合は、1000mm幅におけるフィルム面に垂直な方向に対するリタデーション(Re)が1000nm以下であることが好ましく、フィルム幅が1500mm幅以上ある場合は、1500mm幅におけるフィルム面に垂直な方向に対するリタデーション(Re)が1000nm以下であることが好ましい。ここで、本発明の1000mm幅、1500mm幅の定義は、400mm幅と同様に、それぞれ、フィルムの幅方向における中心より、幅方向に沿って2方向にそれぞれ500mm幅を採ったフィルム(測定は、フィルム幅方向中心より、幅方向に沿って2方向にそれぞれ465mm幅位置から35mm×35mm角で切り出したサンプルにて測定)、750mm幅を採ったフィルム(測定は、フィルム幅方向中心より、幅方向に沿って2方向にそれぞれ715mm幅位置から35mm×35mm角で切り出したサンプルにて測定。)を指す。つまり、1000mm幅および、1500mm幅におけるフィルム面に垂直な方向に対するリタデーション(Re)の評価は、それぞれ、フィルム幅方向の中心より、幅方向に沿って2方向にそれぞれ500mm幅に採った位置、750mm幅に採った位置にて実施する(図2および図3を参照)。
本発明の積層ポリエステルフィルムは、液晶ディスプレイに実装した際の干渉色発生を抑制させるために、中心および、400mm幅におけるフィルム面に垂直な方向に対するリタデーション(Re)がいずれも750nm以下であればより好ましく、500nm以下であればさらに好ましく、1nm以上200nm以下であれば最も好ましい。
上記のとおりリタデーション(Re)を抑制する手法としては特に限定されないが、ポリエステルA層と、ポリエステルA層よりも融点の低いポリエステルB層を有する10層以下の積層フィルムとし、ポリエステルB層の配向を緩和させる方法、が挙げられる。本発明の積層ポリエステルフィルムは、耐熱性、寸法安定性、取り扱い性の観点から二軸配向ポリエステルフィルムであることが好ましい。そして、二軸配向ポリエステルフィルムでポリエステルB層の配向を緩和させる方法としては、フィルムの延伸温度を高温化させ、さらに二軸延伸後の熱処理温度を高温とする方法が好ましい。二軸配向ポリエステルフィルムは、未延伸フィルムを長手方向に延伸した後、幅方向に延伸する、あるいは、幅方向に延伸した後、長手方向に延伸する逐次二軸延伸方法、フィルムの長手方向、幅方向をほぼ同時に延伸していく同時二軸延伸方法などにより延伸を行うことができるが、この延伸温度を高温化することで、フィルムが配向しにくくなる。具体的には、長手方向の延伸温度としては、95℃以上130℃以下であれば好ましく、100℃以上120℃以下であればさらに好ましい。また、幅方向の延伸温度としては、100℃以上150℃以下とすることが好ましい。
また、二軸延伸後の熱処理温度としては、[(ポリエステルB層の融点)−10℃]以上、[(ポリエステルB層の融点)+30℃]以下の温度で行うことが好ましい。上記のような温度範囲で熱処理を行うことで、ポリエステルB層の配向が緩和し、リタデーション(Re)を低く制御することが可能となる。
また、リタデーション(Re)を低く制御する方法としては、二軸延伸時の長手方向および、幅方向の延伸配向をできるだけ等方とすることが好ましく、例えば、長手方向の延伸倍率と幅方向の延伸倍率を同倍率とする方法が好ましく用いられる。
本発明の積層ポリエステルフィルムは、フィルムの中心におけるリタデーション(Re・C)と、400mm幅におけるリタデーション(Re・E)が下記(I)式を満足することが好ましい。
Re・E/Re・C≦1.5・・・(I) 。
(I)式を満足するということは、フィルム幅方向のリタデーション(Re)のバラツキが小さいことを表し、液晶ディスプレイに実装した場合に視野角に伴う色づきや輝度の低下を抑制することができる。より好ましくは、(I’)式を満足し、(I”)式を満足すれば最も好ましい。
Re・E/Re・C≦1.4・・・(I’)
0.8≦Re・E/Re・C≦1.3・・・(I”) 。
(I)式を満足させる方法としては、積層フィルム幅方向中心および、400mm幅における配向角の差を20°以下とすることが好ましい。ここでいう配向角とは、フィルム上の屈折率が最も大きくなる方向をさし、実際には、リタデーションと同様に光学的手法にて計測されるものである。積層フィルム幅方向中心および、400mm幅における配向角の差を20°以下とする方法としては、幅方向の延伸を複数ゾーンに分けて段階的に昇温しながら延伸する方法が好ましく、例えば延伸前半温度を100℃以上120℃以下、延伸中盤温度を105℃以上130℃以下、さらに延伸後半温度を110℃以上150℃以下とし、延伸前半温度、延伸中盤温度、延伸後半温度の順に温度を高くしていく方法が挙げられる。
本発明の積層ポリエステルフィルムは、温度60℃、湿度95%の条件下に、フィルムを400時間保持した前後のフィルムヘイズ差(Δヘイズ)が、1%未満であることが好ましい。上記した、高温、高湿度下で長時間保持した際のΔヘイズを1%未満と低く保つことで、本発明のフィルムを用いた偏光板を高温、高湿度下にさらしても、外観変化を抑制することが可能となる。温度60℃、湿度95%の条件下に、フィルムを400時間保持した前後のフィルムヘイズ差(Δヘイズ)を1%未満とする方法としては、ポリエステルフィルム中の環状三量体量を、フィルム全体を100質量%として、1質量%以下、より好ましくは、0.9質量%以下、さらに好ましくは0.85質量%以下とすることが好ましい。なお、ヘイズの下限値は特に限定されるものではないが、実施的な下限は0%である。
本発明の積層ポリエステルフィルムは、フィルムの中心において、フィルム面に対して50°傾斜した角度に対するリタデーション(R50°)が2000nm以下であることが好ましい。ここで、フィルム面に対して50°傾斜した角度に対するリタデーション(R50°)とは、上記したフィルム面に垂直な方向に対するリタデーション(Re)と同様に、王子計測機器株式会社から販売されている測定装置であって、光学的な手法をもってリタデーションを測定する位相差測定装置KOBRAシリーズにて計測された値を用いて、フィルム面に対して50°傾斜した角度に対するリタデーション(R50°)の値である。
フィルム面に対して50°傾斜した角度に対するリタデーション(R50°)を2000nm以下と低く制御することで、本発明のフィルムを使用した偏光板が搭載された液晶ディスプレイを観る際、観る角度による色づきや輝度の低下を高精度に抑制することができる。フィルム面に対して50°傾斜した角度に対するリタデーション(R50°)は、1500nm以下であればさらに好ましく、1nm以上1000nm以下であれば最も好ましい。
フィルム面に対して50°傾斜した角度に対するリタデーション(R50°)を2000nm以下とする方法としては、フィルム面内の任意の一方向を方向X、方向Xに直交する方向を方向Y、フィルム厚み方向を方向Zとすると、ポリエステルB層のXとYの屈折率の平均値と、Z方向の屈折率の差をできるだけ小さくすることが好ましい。本発明の積層ポリエステルフィルムは、二軸配向とすることが好ましいが、二軸配向とする場合、フィルム面内の屈折率は、フィルム厚み方向の屈折率より大幅に大きくなる。このため、二軸配向としながら、フィルム面内の屈折率を低くすることが重要となる。フィルム面内の屈折率を低くする方法としては、ポリエステルB層が、ジオール由来の構造単位に対して、エチレングリコール由来の構造単位を60モル%以上90モル%以下、その他のジオール由来の構造単位を10モル%を超えて、40モル%以下含有する構成とする方法や、ポリエステルB層が、ジカルボン酸由来の構造単位に対して、テレフタル酸由来の構造単位を60モル%以上90モル%以下、その他のジカルボン酸由来の構造単位を10モル%を超えて、40モル%以下含有する構成とする方法が挙げられる。エチレングリコール由来の構造単位は、90モル%未満であることが好ましい。また、テレフタル酸由来の構造単位は、90モル%未満であることが好ましい。
ポリエステルB層のジオール由来の構造単位に対して、エチレングリコール由来の構造単位以外のジオール由来の構造単位を10モル%を超えて含有することで、二軸配向時のフィルム面内の屈折率を低く制御しやすくなる。同様に、ポリエステルB層のジカルボン酸由来の構造単位に対して、テレフタル酸由来の構造単位以外のジカルボン酸由来の構造単位を10モル%を超えて含有することで、二軸配向時のフィルム面内の屈折率を低く制御しやすくなる。
ここで、エチレングリコール由来の構造単位以外のジオール由来の構造単位としては、例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、イソソルベート、スピログリコールなどを挙げることができる。中でもネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、イソソルベート、スピログリコールが好ましく用いられる。これらのジオール由来の構造単位は、エチレングリコール由来の構造単位以外に1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよい。
また、テレフタル酸由来の構造単位以外のジカルボン酸由来の構造単位としては、例えば、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′-ジフェニルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルスルホンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸由来の構造単位、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ダイマー酸、ドデカンジオン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸由来の構造単位とそれらのエステル誘導体などが挙げられる。中でもイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸が好ましく用いられる。これらのジカルボン酸由来の構造単位は、テレフタル酸由来の構造単位以外に1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよく、さらには、ヒドロキシ安息香酸等のオキシ酸などを一部共重合してもよい。
また、本発明の積層ポリエステルフィルムは、観る角度による色づきや輝度の低下の高精度抑制と、耐熱性を両立するために、フィルムの中心において、フィルム面に対して50°傾斜した角度に対するリタデーション(R50°)が2000nm以下であって、かつ、フィルム面内の任意一方向を方向X、方向Xに直交する方向を方向Yとすると、95℃におけるフィルム方向Xおよび方向Yの貯蔵弾性率がそれぞれ、800MPa以上であることが好ましい。95℃におけるフィルム方向Xおよび方向Yの貯蔵弾性率が800MPa以上とすることで、蒸着、コーティング、ラミネートといった加工工程での寸法安定性も保持することができる。本発明の積層ポリエステルフィルムへの耐熱性の観点から、95℃におけるフィルム方向Xおよび方向Yの貯蔵弾性率はそれぞれ、850MPa以上であればより好ましく、900MPa以上であれば最も好ましい。
本発明の積層ポリエステルフィルムを使用した偏光板が搭載された液晶ディスプレイを観る際、観る角度による色づきや輝度の低下を高精度に抑制し、同時に加工工程での寸法安定性を保持するために、フィルム面に対して50℃傾斜した角度に対するリタデーション(R50°)は、1nm以上1000nm以下であることが好ましく、95℃におけるフィルム方向Xおよび方向Yの貯蔵弾性率は、900MPa以上5000MPa以下であれば最も好ましい。
本発明の積層ポリエステルフィルムのフィルムの中心において、フィルム面に対して50°傾斜した角度に対するリタデーション(R50°)を2000nmとし、かつ、95℃における前記方向Xと方向Yの貯蔵弾性率をそれぞれ800MPa以上とする方法としては、ポリエステルB層に用いる樹脂の固有粘度を0.7以上とすることが好ましく、また、B層の組成としては、ジオール由来の構造単位に対して、エチレングリコール由来の構造単位を75モル%以上90モル%未満、その他のジオール由来の構造単位を10モル%以上25モル%未満含有する構成とすること、もしくは、ポリエステルB層が、ジカルボン酸由来の構造単位に対して、テレフタル酸由来の構造単位を75モル%以上90モル%未満、その他のジカルボン酸由来の構造単位を10モル%以上25モル%以下含有する構成とすることが好ましい。さらに、二軸延伸後の熱処理温度としては、[(ポリエステルB層の融点)−10℃]以上、[(ポリエステルB層の融点)+10℃]以下の温度で行うことが好ましい。
また、ポリエステルA層に用いる樹脂は、ジオール由来の構造単位に対して、エチレングリコール由来の構造単位を98モル%以上含有し、ジカルボン酸由来の構造単位に対して、テレフタル酸由の構造単位を98モル%以上とすることが好ましい。
本発明の積層ポリエステルフィルムは、フィルム面内の任意の一方向を方向X、方向Xに直交する方向を方向Y、フィルム厚み方向を方向Zとすると、ポリエステルB層のX、Y、Z方向の屈折率の平均値が1.51以上1.57以下であることが好ましい。X、Y、Z方向の屈折率の平均値を上記範囲のように低く制御することで、フィルム面に垂直方向に対するリタデーション(Re)、フィルム面に対して50°傾斜した角度に対するリタデーション(R50°)の絶対値も低く制御しやすくなるため、本発明の目的である、液晶ディスプレイなどの表示装置に搭載した際の高品位表示を達成しやすくなる。
ポリエステルB層のX、Y、Z方向の屈折率の平均値を上記範囲とする方法としては、ポリエステルB層のジオール由来の構造単位に対して、エチレングリコール由来の構造単位を65モル%以上85モル%未満、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、イソソルベート、スピログリコールの中から選ばれるジオール由来の構造単位を15モル%以上35モル%未満含有する方法や、ポリエステルB層が、ジカルボン酸由来の構造単位に対して、テレフタル酸由来の構造単位を65モル%以上85モル%未満、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸由来の構造単位を15モル%以上35モル%未満含有する方法が挙げられ、中でもポリエステルB層のジオール由来の構造単位に対して、エチレングリコール由来の構造単位を65モル%以上85モル%未満、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、イソソルベート、スピログリコールの中から選ばれるジオール由来の構造単位を15モル%以上35モル%未満含有する方法がより好ましく用いられる。
本発明の積層ポリエステルフィルムは、偏光子保護用途に用いられる場合、偏光子に貼り合わせる際の反りを低減させるために、フィルム面内の任意の一方向Xの85℃における熱収縮率が0.5%以下であることが好ましい。X方向の85℃における熱収縮率を0.5%以下とすることで、偏光子に貼り合わせる際にフィルムにかかる熱によりフィルムが収縮することが抑制され、偏光板の反り発生を低減することができる。また、同様に本発明の積層ポリエステルフィルムは、方向Xに直交する方向Yの85℃における熱収縮率が0.5%以下であることが好ましい。
X方向、Y方向の85℃における熱収縮率は、0.3%以下であればさらに好ましく、0.1%以下であれば最も好ましい。さらに、発明の積層ポリエステルフィルムは、反りを低減させる観点から、85℃における熱収縮率は、取り扱い性の観点から、−0.5%以上0.1%以下が非常に好ましい。X方向、Y方向の85℃における熱収縮率を0.5%以下とする方法としては、ポリエステルA層とポリエステルB層の積層する層数を5層以上9層以下とすることが好ましい。また、長手方向、幅方向に延伸する際の予熱工程において、85℃の条件下で1秒以上予熱することが好ましい。目標となる温度での熱収縮率を低くするために、延伸前の予熱工程で、目標温度でのフィルムの歪みを除去することが有効である。
本発明の積層ポリエステルフィルムは、ポリエステルA層が少なくとも一方の最外層に位置し、A層の面配向係数が0.11よりも大きいことが好ましい。上記のような構成とすることで、低リタデーションを達成しながら、同時にフィルムの剛性を保持することが可能となるため、取り扱い性が向上する。A層の面配向係数は0.115以上であればさらに好ましく、0.12以上であれば最も好ましい。また、取り扱い性、製膜安定性の観点より、ポリエステルA層が少なくとも一方の最外層に位置し、A層の面配向係数が0.16未満であることが好ましい。A層の面配向係数を上記範囲とする方法としては、ポリエステルA層が、ジオール由来の構造単位に対して、エチレングリコール由来の構造単位を95モル%以上100モル%以下含有し、かつ、ジカルボン酸由来の構造単位に対して、テレフタル酸由来の構造単位を95モル%以上100モル%以下含有することが好ましい。
なお、面配向係数は、ナトリウムD線(波長589nm)を光源として、アッベ屈折計を用いて、フィルム面内の任意の一方向Xの屈折率(nX)と、方向Xに直交する方向Yの屈折率(nY)、厚み方向Zの屈折率(nZ)を測定し、下記式から面配向係数(fn)を算出する。
fn=(nX+nY)/2−nZ 。
なお、本発明においては、ポリエステルA層と、ポリエステルA層よりも融点の低いポリエステルB層を有するため、X方向、Y方向、Z方向ともに複数の屈折率が観測される。このため、観測された屈折率のなかで、X方向、Y方向については、最も低い値をポリエステルB層の屈折率、最も高い値をポリエステルA層の屈折率とし、Z方向については、最も低い値をポリエステルA層の屈折率、最も高い値をポリエステルB層の屈折率とする。
本発明の積層ポリエステルフィルムは、[A層の層厚みの総和/B層の層厚みの総和]が、0.1以上1以下であることが好ましい。ここでいう層厚みの総和とは、積層フィルムの幅方向の中央において切り出した断面において、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて積層状態の観察を実施し、同一の樹脂からなる層について得られた層厚みをすべて足し合わせた総和である。A層の層厚みの総和に対して、A層の層厚みの総和/B層の層厚みの総和が小さいほどリタデーションを低く制御しやすくなるため、A層の層厚みの総和/B層の層厚みの総和は、0.1以上0.5以下であればより好ましく、0.1以上0.3以下であれば最も好ましい。
また、本発明の積層フィルムは、設備の汎用性を重視する場合は、A層/B層/A層の3層構成であることが好ましい。
また、フィルム面に垂直方向に対するリタデーション(Re)は、フィルムの面内における直交する2方向の屈折率差の最大値とフィルム厚みの積から算出されるものであるため、リタデーションを低く制御するためにはフィルム厚みは薄い方が好ましい。このため、本発明の積層ポリエステルフィルムは、取り扱い性、低リタデーション制御の観点から、厚みが5μm以上75μm以下であることが好ましく、10μm以上50μm以下であることがさらに好ましく、15μm以上45μm以下であれば最も好ましい。
また、低リタデーション制御と剛性とを両立するために、ポリエステルA層1層あたりの厚みが3.2μm未満であることが好ましい。剛性を維持するためにポリエステルA層は、ポリエステルB層よりも融点が高く、ジオール由来の構造単位に対して、エチレングリコール由来の構造単位を95モル%以上100モル%以下含有し、かつ、ジカルボン酸由来の構造単位に対して、テレフタル酸由来の構造単位を95モル%以上100モル%以下含有することが好ましいため、ポリエステルB層と比較して位相差がつきやすい。このためポリエステルA層の厚みは薄くすることが好ましい。ポリエステルA層の1層あたりの厚みは、3μm以下であればさらに好ましく、1μm以上2.8μm以下であれば最も好ましい。なお、本発明の積層ポリエステルフィルムがポリエステルA層を複数有する場合は、各ポリエステルA層1層あたりの厚みが3.2μm未満とすることが好ましい。
また、本発明の積層ポリエステルフィルムは、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機系易滑剤、顔料、染料、有機又は無機の微粒子、充填剤、帯電防止剤、核剤などがその特性を悪化させない程度に添加してもよい。
(表面層)
また、前述の課題に加えて、製造工程における工程安定化や、使用環境における耐久性を付与するため、本発明の積層ポリエステルフィルムは、少なくとも一方の最表面にハードコート性、自己修復性、防眩性、反射防止性、低反射性、紫外線遮蔽性、及び帯電防止性からなる群より選択される1種以上の機能を示す層(係る層を「表面層」とも称する)を有することが好ましい。中でも、本発明の積層ポリエステルフィルムの少なくとも一方の最表面に、ハードコート性、自己修復性、防眩性、反射防止性、低反射性、及び帯電防止性からなる群より選択される1種以上の機能を示す層が積層されていることが特に好ましい。
前記表面層の厚みは、その機能により異なるが、好ましくは10nmから30μmの範囲であり、50nmから20μmがより好ましい。これよりも薄いと効果が不十分になり、厚くなると光学性能などに悪影響を及ぼす可能性がある。
ここでハードコート性とは、表面の硬度を高めることにより傷をつきにくくする機能である。その機能としては、JIS K5600−5−4(1999)に記載の引っかき硬度(鉛筆法)による評価にて、好ましくはHB以上、より好ましくは2H以上であるか、#0000のスチールウールを用いて、200g/cm、10往復の条件で行う耐擦傷性試験(スチールウール耐擦傷性試験)において、好ましくは弱い傷が5本以下、より好ましくは傷がつかないものである。
ここで自己修復性とは、弾性回復などより傷を修復することにより傷をつくにくくする機能であり、その機能としては、500gの荷重をかけた真鍮ブラシでフィルム表面を擦過した際、好ましくは3分以内で、より好ましくは1分以内で傷が回復するものである。
防眩性とは、表面での光散乱により外光の映り込みを抑制することで、視認性を向上させる機能である。その機能としては、JIS K7136(2000)に記載の、ヘイズ(ヘーズ)の求め方に基づく評価にて、2〜50%であることが好ましく、より好ましくは2〜40%、特に好ましくは2〜30%である。
反射防止性、低反射性とは、光の干渉効果により表面での反射率を低減することで、視認性を向上させる機能である。その機能としては反射率分光測定により、好ましくは2%以下、特に好ましくは1%以下である。なお、ここでの反射率とは、波長550nmにおける値を指す。
帯電防止性とは、表面からの剥離や表面への擦過により発生した摩擦電気を、漏洩させることにより除去する機能である。その機能の目安としては、JIS K6911(2006)に記載の表面抵抗率が、好ましくは1011Ω/□以下であり、より好ましくは10Ω/□以下である。帯電防止性の付与は、公知の帯電防止剤を含有した層である他、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子を含有した層からなるものであってもよい。以下、ハードコート性と防眩性の付与について、さらに詳しく述べる。
前記ハードコート性を付与する表面層(以下、ハードコート層とする)に用いられる材料は、公知のハードコート層に用いられる材料を用いることができ、特に限定されないが、乾燥、熱、化学反応、もしくは電子線、放射線、紫外線のいずれかを照射することによって重合、および/または反応する樹脂化合物を用いることができる。このような、硬化性樹脂としては、メラミン系、アクリル系、シリコン系、ポリビニルアルコール系の硬化性樹脂が挙げられるが、高い表面硬度もしくは光学設計を得る点で電子線又は紫外線により硬化するアクリル系硬化性樹脂が好ましい。
電子線又は紫外線により硬化するアクリル樹脂とは、アクリレート系の官能基を有するものであり、例えば、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アクリレート等のオリゴマーまたはプレポリマーおよび反応性希釈剤としてエチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー並びに多官能モノマー、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等を含有するものが使用できる。
電子線又は紫外線硬化型樹脂の場合には、前述の樹脂中に光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチラウムモノサルファイド、チオキサントン類や、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等を混合して用いることができる。上記光重合開始剤の添加量は、電子線紫外線硬化型樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましい。
上記塗膜の硬化方法としては特に限定されないが、紫外線照射によって行うことが好ましい。紫外線によって硬化を行う場合、190〜380nmの波長域の紫外線を使用することが好ましい。紫外線による硬化は、例えば、メタルハライドランプ灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト蛍光灯等によって行うことができる。電子線源の具体例としては、コッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が挙げられる。
また、シロキサン系熱硬化性樹脂もハードコート層の樹脂として有用であり、酸または塩基触媒下においてオルガノシラン化合物を単独または2種以上混合して加水分解及び縮合反応させて製造することができる。
上記ハードコート層の膜厚は、0.5μm〜20μmが好ましく、1μm〜20μmがさらに好ましく、1μm〜15μmがさらに好ましい。
前記防眩性を付与する表面層(以下、防眩層とする)に使用される樹脂としては、前述の電子線又は紫外線硬化型樹脂と同様のものも使用することができる。また、前記記載の樹脂から1種類もしくは2種類以上を混合して使用することができる。また、可塑性や表面硬度などの物性を調整するために、電子線又は紫外線で硬化しない樹脂を混合することもできる。防眩層に用いうる電子線または紫外線で硬化しない樹脂としては、ポリウレタン、セルロース誘導体、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、ポリアミドなどが挙げられる。
防眩層に使用する粒子の具体例としては、例えばシリカ粒子、アルミナ粒子、TiO粒子等の無機化合物の粒子、あるいはポリメチルメタクリレート粒子、アクリル−スチレン共重合体粒子、架橋アクリル粒子、メラミン粒子、架橋メラミン粒子、ポリカーボネート粒子、ポリ塩化ビニル粒子、ベンゾグアナミン粒子、架橋ベンゾグアナミン粒子、ポリスチレン粒子、架橋ポリスチレン粒子などの樹脂粒子が好ましく挙げられる。形状としては、表面突起形状が揃う真球状粒子が好適に用いられるが、タルク、ベントナイトなどの層状無機化合物などの不定形のものも使用できる。また、異なる2種以上の粒子を併用して用いてもよい。素材種が2種類以上でも、異なる粒度分布を持つ粒子が2種類以上用いられたものであってもよく、その制限は無い。
防眩層で使用する粒子の粒径は、0.5〜10μmであり、0.5〜5μmがより好ましく、0.5〜3μmがさらに好ましく、0.5〜1.5μmがより一層好ましい。また、前記粒子の含有量は、防眩層を構成する樹脂に対して1〜50質量%であり、2〜30質量%がさらに好ましい。
上記防眩層の膜厚は、0.5μm〜20μmが好ましく、1μm〜20μmがさらに好ましく、1μm〜10μmがさらに好ましい。
本発明に用いられる防眩層としては、特開平6−18706号公報、特開平10−20103号公報、特開2009−227735号公報、特開2009−86361号公報、特開2009−80256号公報、特開2011−81217号公報、特開2010−204479号公報、特開2010−181898号公報、特開2011−197329号公報、特開2011−197330号公報、特開2011−215393号公報などに記載の防眩層も好適に使用できる。
前記表面層には、上記記載された成分以外に、必要に応じて、発明の効果を失わない範囲でその他の成分を含んでもよい。その他の成分としては、限定されるわけではないが、例えば、無機または有機顔料、重合体、重合開始剤、重合禁止剤、酸化防止剤、分散剤、界面活性剤、光安定剤、レベリング剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、触媒、赤外線吸収剤、難燃剤、消泡剤、導電性微粒子、導電性樹脂などを添加することができる。
(偏光子保護用途、偏光板)
本発明の積層フィルムは、偏光子保護用途に用いられることが好ましい。また、本発明の偏光板は、偏光子の片面もしくは、両面に偏光子保護フィルムを有してなる偏光板であって、少なくとも一方の面の偏光子保護フィルムが前記積層ポリエステルフィルムであることが好ましい。偏光子の他方の表面に用いられる偏光子保護フィルムは、本発明の積層ポリエステルフィルムであっても良いし、トリアセチルセルロースフィルムやアクリルフィルム、ノルボルネン系フィルムに代表されるような複屈折が無いフィルムを用いることも好ましい。
偏光子としては、例えばポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素などの二色性材料を含むものが挙げられる。偏光子保護フィルムは偏光子と直接または接着剤層を介して貼り合わされるが、接着性向上の点からは接着剤を介して貼り合わせることが好ましい。本発明のポリエステルフィルムを接着させるのに好ましい偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素や二色性材料を染色・吸着させ、ホウ酸水溶液中で一軸延伸し、延伸状態を保ったまま洗浄・乾燥を行うことにより得られる偏光子が挙げられる。一軸延伸の延伸倍率は、通常4〜8倍程度である。ポリビニルアルコール系フィルムとしてはポリビニルアルコールが好適であり、「クラレビニロン」[(株)クラレ製]、「トーセロビニロン」[東セロ(株)製]、「日合ビニロン」[日本合成化学(株)製]などの市販品を利用することができる。二色性材料としてはヨウ素、ジスアゾ化合物、ポリメチン染料などが挙げられる。本発明の積層フィルムは、幅方向においてリタデーションを低く制御しているため、大画面の液晶ディスプレイなどの表示装置に搭載した際に干渉色を呈することがなく、好ましく用いられる。
(タッチパネル用途)
本発明の積層フィルムは、タッチパネル用途にも好適に用いられる。具体的には、本発明の積層フィルムの上にハードコート層や酸化インジウムスズ(以降ITOと称する)などの導電層が設けられる用途に好適に供せられる。
(製造方法)
次に、本発明のフィルムの好ましい製造方法を以下に具体例を挙げて説明する。しかし、本発明はかかる例に限定して解釈されるものではない。
ポリエステルA層に用いるポリエステルAと、ポリエステルA層より融点の低いポリエステルB層に用いるポリエステルBをそれぞれ別々のベント式二軸押出機に供給し溶融押出する。この際、押出機内を流通窒素雰囲気下で、酸素濃度を0.7体積%以下とし、樹脂温度を265℃〜295℃に制御することが好ましい。ついで、フィルターやギヤポンプを通じて、異物の除去、押出量の均整化を各々行い、Tダイより冷却ドラム上にシート状に吐出する。その際、高電圧を掛けた電極を使用して静電気で冷却ドラムと樹脂を密着させる静電印加法、キャスティングドラムと押出したポリマーシート間に水膜を設けるキャスト法、キャスティングドラム温度を[ポリエステル樹脂のガラス転移点(ガラス転移温度)]〜[(ポリエステル樹脂のガラス転移点)−20℃]にして押出したポリマーを粘着させる方法、もしくは、これらの方法を複数組み合わせた方法により、シート状ポリマーをキャスティングドラムに密着させ、冷却固化し、未延伸フィルムを得る。これらのキャスト法の中でも、ポリエステルを使用する場合は、生産性や平面性の観点から、静電印加する方法が好ましく使用される。
本発明のポリエステルフィルムは、耐熱性、寸法安定性の観点から二軸配向フィルムとすることが好ましい。二軸配向フィルムは、未延伸フィルムを長手方向に延伸した後、幅方向に延伸する、あるいは、幅方向に延伸した後、長手方向に延伸する逐次二軸延伸方法により、または、フィルムの長手方向、幅方向をほぼ同時に延伸していく同時二軸延伸方法などにより延伸を行うことで得ることができる。
かかる延伸方法における延伸倍率としては、長手方向に、好ましくは、2.8倍以上3.5倍以下、さらに好ましくは3倍以上3.3倍以下が採用される。また、延伸速度は1,000%/分以上200,000%/分以下であることが望ましい。また長手方向の延伸温度は、95℃以上130℃以下が好ましく、延伸前に85℃で1秒以上予熱することが好ましい。また、幅方向の延伸倍率としては、好ましくは2.8倍以上3.5倍以下、さらに好ましくは、3倍以上3.5倍以下で、長手方向の延伸倍率にそろえることが好ましい。幅方向の延伸速度は1,000%/分以上200,000%/分以下であることが望ましい。また、フィルムの中心におけるリタデーション(Re)と、400mm幅におけるリタデーション(Re)のバラツキを小さくするため、延伸前半温度を100℃以上120℃以下、延伸中盤温度を105℃以上130℃以下、さらに延伸後半温度を110℃以上150℃以下とし、延伸前に85℃で1秒以上予熱することが好ましい。
さらに、二軸延伸の後にフィルムの熱処理を行う。熱処理はオーブン中、加熱したロール上など従来公知の任意の方法により行うことができる。この熱処理は120℃以上ポリエステルの結晶融解ピーク温度以下の温度で行われるが、好ましくは、[(ポリエステルB層の融点)−10℃]以上、[(ポリエステルB層の融点)+30℃]以下である。ここで好ましい熱処理温度とは、二軸延伸後に行う熱処理温度の中で、最も高温となる温度を示す。また、熱処理時間は特性を悪化させない範囲において任意とすることができ、好ましくは5秒以上60秒以下、より好ましくは10秒以上40秒以下、最も好ましくは15秒以上30秒以下で行うのがよい。
さらに、偏光子との接着力を向上させるため、少なくとも片面にコロナ処理を行ったり、易接着層をコーティングさせることもできる。コーティング層をフィルム製造工程内のインラインで設ける方法としては、少なくとも一軸延伸を行ったフィルム上に、コーティング層組成物を水に分散させたものを、メタリングリングバーやグラビアロールなどを用いて均一に塗布し、延伸を施しながら塗剤を乾燥させる方法が好ましく、その際、易接着層厚みとしては0.01μm以上1μm以下とすることが好ましい。また、易接着層中に各種添加剤、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、顔料、染料、有機または無機粒子、帯電防止剤、核剤などを添加してもよい。易接着層に好ましく用いられる樹脂としては、接着性、取扱い性の点からアクリル樹脂、ポリエステル樹脂およびウレタン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂であることが好ましい。さらに、140〜200℃条件下でオフアニールすることも好ましく用いられる。ここで、オフアニールとは、一度巻き取ったポリエステルフィルムを、再度熱処理を施す方法をいう。
本発明の積層ポリエステルフィルムは、ポリエステルA層と、ポリエステルA層より融点の低いポリエステルB層とを有する積層構成で、中心および、400mm幅におけるフィルム面に垂直な方向に対するリタデーション(Re)がいずれも1000nm以下であるであるため、大画面の液晶ディスプレイなどの表示装置に搭載した際に干渉色を呈することないため、PVA中にヨウ素を含有させて配向させて作成されたPVAシート(偏光子)と貼り合わされて偏光板として好適に用いられる。
本発明の積層ポリエステルフィルムにおいて、ハードコート性、自己修復性、防眩性、反射防止性、低反射性、又は帯電防止性といった機能を付与するため、最表面に表面層を積層する場合には、前述の塗料組成物を塗布−乾燥−硬化することにより形成する製造方法を用いることが好ましい。
塗布により表面層を製造する方法は特に限定されないが、塗料組成物をディップコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やダイコート法(米国特許第2681294号明細書)などにより支持基材に塗布することにより表面層を形成することが好ましい。さらに、これらの塗布方式のうち、グラビアコート法または、ダイコート法が塗布方法としてより好ましい。ここで、支持基材とは、本発明の積層ポリエステルのことを指す。
次いで、塗布された液膜を乾燥することで完全に溶媒を除去するため、乾燥工程では液膜の加熱を伴うことが好ましい。乾燥方法については、伝熱乾燥(高熱物体への密着)、対流伝熱(熱風)、輻射伝熱(赤外線)、その他(マイクロ波、誘導加熱)などが挙げられる。この中でも、精密に幅方向でも乾燥速度を均一にする必要から、対流伝熱、または輻射伝熱を使用した方式が好ましい。
さらに、熱またはエネルギー線を照射することによるさらなる硬化操作(硬化工程)を行ってもよい。硬化工程において、熱で硬化する場合の温度は、室温から200℃であることが好ましく、また、硬化反応の活性化エネルギーの観点からは、100℃以上200℃以下がより好ましく、130℃以上200℃以下であることがさらに好ましい。
また、活性エネルギー線により硬化する場合には汎用性の点から電子線(EB線)及び/又は紫外線(UV線)であることが好ましい。また紫外線により硬化する場合は、酸素阻害を防ぐことができることから酸素濃度ができるだけ低い方が好ましく、窒素雰囲気下(窒素パージ)で硬化する方がより好ましい。酸素濃度が高い場合には、最表面の硬化が阻害され、表面の硬化が不十分となる場合がある。また、紫外線を照射する際に用いる紫外線ランプの種類としては、例えば、放電ランプ方式、フラッシュ方式、レーザー方式、無電極ランプ方式等が挙げられる。放電ランプ方式である高圧水銀灯を用いて紫外線硬化させる場合、紫外線の照度が100〜3,000mW/cm、好ましくは200〜2,000mW/cm、さらに好ましくは300〜1,500mW/cmとなる条件で紫外線照射を行うことが好ましく、紫外線の積算光量が100〜3,000mJ/cm、好ましく200〜2,000mJ/cm、さらに好ましくは300〜1,500mJ/cmとなる条件で紫外線照射を行うことがより好ましい。
ここで、紫外線の照度とは、単位面積当たりに受ける照射強度をいい、ランプ出力、発光スペクトル効率、発光バルブの直径、反射鏡の設計及び被照射物との光源距離によって変化する。しかし、搬送スピードによって照度は変化しない。また、紫外線積算光量とは単位面積当たりに受ける照射エネルギーで、その表面に到達するフォトンの総量である。積算光量は、光源下を通過する照射速度に反比例し、照射回数とランプ灯数に比例する。
(特性の測定方法および効果の評価方法)
本発明における特性の測定方法、および効果の評価方法は次のとおりである。
(1)ポリエステルの組成
ポリエステル樹脂およびフィルムをヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)に溶解し、H−NMRおよび13C−NMRを用いて各モノマー残基成分や副生ジエチレングリコールについて含有量を定量することができる。積層フィルムの場合は、積層厚みに応じて、フィルムの各層を削り取ることで、各層単体を構成する成分を採取し、評価することができる。なお、以下の実施例や比較例においては、フィルム製造時の混合比率から計算により、組成を算出した。
(2)ポリエステルの固有粘度
ポリエステル樹脂およびフィルムの極限粘度は、ポリエステルをオルトクロロフェノールに溶解し、オストワルド粘度計を用いて25℃にて測定する。積層フィルムの場合は、積層厚みに応じて、フィルムの各層を削り取ることで、各層単体の固有粘度を評価することができる。
(3)フィルム厚み、層厚み
フィルムをエポキシ樹脂に包埋し、フィルム断面をミクロトームで切り出す。該断面を透過型電子顕微鏡(日立製作所製TEM H7100)で適切な倍率で観察し、フィルム厚みおよびポリエステル層の厚みを求める(以下の実施例や比較例においては、5000倍の倍率で観察した)。
(4)融点
示差走査熱量計(セイコー電子工業製、RDC220)を用い、JIS K7121−1987、JIS K7122−1987に準拠して測定および、解析を行う。ポリエステルフィルム5mgをサンプルとして用い、25℃から20℃/分で300℃まで昇温した際のDSC曲線より得られた吸熱ピークの頂点の温度を融点とする。なお、積層フィルムの場合は、積層厚みに応じて、フィルムの各層を削り取ることで、各層単体の融点を測定することができる。本発明において、ポリエステルA層とポリエステルB層とを有する積層ポリエステルフィルムの場合は、各層の融点を測定し、融点の高い層をポリエステルA層、低い方の層をポリエステルB層とする。
(5)リタデーション・配向角
王子計測機器(株)製 位相差測定装置(KOBRA−21ADH)を用いて測定する。
(5−1)フィルム面に垂直な方向に対するリタデーション(Re)
フィルム幅方向が本測定装置にて定義されている角度0°となるように装置に設置し、入射角0°(フィルム面に垂直な方向)における波長590nmのリタデーションとその配向角を測定する。
(5−2)フィルム面に対して50°傾斜した角度に対するリタデーション(R50°)
(5−1)と同様にしてフィルムンプルを設置し、入射角50°における波長590nmのリタデーション(R50°)とその配向角を測定する。なお、以下の実施例や比較例における測定サンプルは、下記の通りに採取して使用した。
・フィルム幅方向の中心:フィルム幅方向中心から3.5cm×3.5cm角で切り出した。
・400mm幅:フィルム幅方向中心より、幅方向に沿って2方向にそれぞれ165mm幅位置から35mm×35mm角で切り出した。なお、サンプルのそれぞれの測定を行い、その平均値を400mm幅の値とした。
・1000mm幅:フィルム幅方向中心より、幅方向に沿って2方向にそれぞれ465mm幅位置から35mm×35mm角で切り出した。なお、サンプルのそれぞれの測定を行い、その平均値を1000mm幅の値とした。
・1500mm幅:フィルム幅方向中心より、幅方向に沿って2方向にそれぞれ715mm幅位置から35mm×35mm角で切り出した。なお、サンプルのそれぞれの測定を行い、その平均値を1500mm幅の値とした。
また、フィルム幅方向の中心(Re・C)および、400mm幅におけるリタデーション(Re・E)を下記式に当てはめた。
Re・E/Re・C 。
(6)貯蔵弾性率
フィルムを任意のX方向長およびY方向に長さ60mm×幅5mmの矩形に切り出しサンプルとした。動的粘弾性測定装置(セイコーインスツルメンツ製、DMS6100)を用い、下記の条件下で、70℃での貯蔵弾性率(E’)を求めた。
周波数:10Hz、試長:20mm、最小荷重:約100mN、振幅:10μm、
測定温度範囲:30℃〜150℃、昇温速度:5℃/分。
(7)耐湿熱試験
温度60℃、湿度95%の恒温・恒湿槽中に5cm×5cm角のフィルムサンプルを投入し、400時間保持し、投入前、投入後のヘイズをJIS K 7105(1985年)に基づいて、ヘーズメーター(スガ試験器社製HGM−2GP)を用いて測定する。測定は任意の3ヶ所で行い、その平均値を採用する。
(8)屈折率、面配向係数
ナトリウムD線(波長589nm)を光源として、アッベ屈折計を用いて、フィルム面内の任意の一方向Xの屈折率(nX)と、方向Xに直交する方向Yの屈折率(nY)、厚み方向Zの屈折率(nZ)を測定する。また、得られた屈折率を下記式に当てはめ、面配向係数(fn)を算出する。
fn=(nX+nY)/2−nZ 。
なお、本発明の積層フィルムは、ポリエステルA層と、ポリエステルA層よりも融点の低いポリエステルB層を有するため、X方向、Y方向、Z方向ともに複数の屈折率が観測される。このため、観測された屈折率のなかで、X方向、Y方向については、最も低い値をポリエステルB層の屈折率、最も高い値をポリエステルA層の屈折率とし、Z方向については、最も低い値をポリエステルA層の屈折率、最も高い値をポリエステルB層の屈折率とする。
(9)85℃熱収縮率
フィルムを任意の一方向XおよびX方向に直交する方向Yにそれぞれ長さ150mm×幅10mmの矩形に切り出しサンプルとする。サンプルに100mmの間隔で標線を描き、3gの錘を吊して85℃に加熱した熱風オーブン内に30分間設置し加熱処理を行う。熱処理後の標線間距離を測定し、加熱前後の標線間距離の変化から下記式により熱収縮率を算出する。測定は各フィルムともX方向およびY方向に5サンプル実施して平均値で評価を行う。
熱収縮率(%)={(加熱処理前の標線間距離)−(加熱処理後の標線間距離)}/(加熱処理前の標線間距離)×100。
(10)視認性テスト
PVA中にヨウ素を吸着・配向させて作成した偏光度99.9%の偏光子の一方の面にフィルムの幅方向中央部分から幅方向2方向にそれぞれ200mm(フィルム幅400mm)、長手方向に310mmのサイズで切り出したサンプルに85℃に設定したラミネーターロールを通して、貼り合わせ、テストピースとする。作成したテストピースとフィルムを貼り付けていない偏光板とをクロスニコルの配置にて重ね合わせて、それをLED光源(トライテック製A3−101)上においた場合の視認性を確認する。
A:干渉色はほとんどみられない。
B:干渉色が若干見られるものの実用に問題ない。
C:干渉色がはっきりみられるため、ディスプレイ用途には適さない。
(11)カール性
(10)で得られたテストピースを、水平なガラス板上に置き、ガラス板面から垂直方向での四隅の浮き上がり量を測定し、当該四隅の浮き上がり量(高さ)のうち最大の高さ(最大値)を当該テストピースのカール高さとして下記基準で評価する。
A:カール高さが5mm未満。
B:カール高さが5mm以上7mm未満。
C:カール高さが7mm以上10mm未満。
D:カール高さが10mm以上。
(12)取扱性
(10)で得られたテストピースの観察を行い、偏光子とフィルムの間にエアの噛み込みによるシワ発生度合いを下記基準で評価する。
A:全くシワの発生なし。
B:端部に若干シワが見られるが、実用に問題ない。
C:目立つシワが発生した。
(13)耐熱性
(10)と同様にして、PVA中にヨウ素を吸着・配向させて作成した偏光度99.9%の偏光子の一方の面にフィルムの幅方向中央部分から幅方向2方向にそれぞれ200mm(フィルム幅400mm)、長手方向に310mmのサイズで切り出したサンプルに95℃に設定したラミネーターロールを通して、貼り合わせ、テストピースとする。得られたテストピースの観察を行い、偏光子とフィルムの間にエアの噛み込みによるシワ発生度合いを下記基準で評価する。
A:全くシワの発生なし。
B:端部に若干シワが見られるが、実用に問題ない。
C:目立つシワが発生した。
なお、本試験におけるラミネート条件は厳しい条件であり、C評価でも用途によっては十分に使用可能となる場合がある。
(14)鉛筆硬度試験
(10)で得られたテストピースについて、JIS K5600−5−4(1999)に記載の引っかき硬度(鉛筆法)による評価を行い、HB以上を合格とする。
(15)スチールウール耐擦傷性試験
(10)で得られたテストピースについて、ラビングテスターを用いて、以下の条件でこすりテストをおこなうことで、耐擦傷性の指標とする。
評価環境条件:25℃、60%RH
こすり材:スチールウール(日本スチールウール(株)製、グレードNo.0000)
試料と接触するテスターのこすり先端部(1cm×1cm)に巻いて、バンド固定。
移動距離(片道):13cm、
こすり速度:13cm/秒、
荷重:200g/cm
先端部接触面積:1cm×1cm、こすり回数:10往復。
こすり終えた試料の裏側に油性黒インキを塗り、こすり部分の傷を反射光で目視観察し、以下の基準で評価した。評価は上記テストを3回繰り返して各々を下記の5段階で評価し、その点数を平均した。3点以上を合格とする。
5点: 0本
4点: 1本以上 5本未満
3点: 5本以上 10本未満
2点: 10本以上 20本未満
1点: 20本以上。
(ポリエステルの製造)
製膜に供したポリエステル樹脂は以下のように準備した。
(ポリエステルA)
ジカルボン酸成分(ジカルボン酸由来の構造単位)としてテレフタル酸(TPA)成分(TPA由来の構造単位)が100モル%、グリコール由来の構造単位成分(グリコール由来の構造単位)としてエチレングリコール(EG)成分(EG由来の構造単位)が100モル%であるポリエチレンテレフタレート樹脂(固有粘度0.65)。
(ポリエステルB)
ジカルボン酸由来の構造単位としてテレフタル酸(TPA)由来の構造単位が100モル%、グリコール由来の構造単位として、エチレングリコール(EG)由来の構造単位が80モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)成分(CHDM由来の構造単位)が、20モル%である共重合ポリエステルを、樹脂(固有粘度0.75)。
(ポリエステルC)
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸成分が82.5モル%、イソフタル酸(IPA)成分(IPA由来の構造単位)が17.5モル%、グリコール成分としてエチレングリコール成分が100モル%であるイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂(固有粘度0.7)。
(ポリエステルD)
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸成分が85モル%、シクロヘキサンジカルボン酸(CHDC)(CHDC由来の構造単位)が15モル%、グリコール成分としてエチレングリコール成分が88モル%、スピログリコール(SPG)成分(SPG由来の構造単位)が12モル%であるシクロヘキサンジカルボン酸/スピログリコール共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂(固有粘度0.7)。
(ポリエステルE)
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸成分が82.5モル%、イソフタル酸(IPA)成分が17.5モル%、グリコール成分としてエチレングリコール成分が100モル%であるイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂(固有粘度0.68)。 (粒子マスター)
ポリエステルA中に数平均粒子径2.2μmの凝集シリカ粒子を粒子濃度2質量%で含有したポリエチレンテレフタレート粒子マスター(固有粘度0.65)。
(ハードコート層形成用塗料組成物)
下記材料を混合し、メチルエチルケトンを用いて希釈し固形分濃度40質量%のハードコート層形成用塗料組成物を得た。
トルエン30質量部
多官能ウレタンアクリレート25質量部(ダイセルオルネクス株式会社製 KRM8655)
ペンタエリスリトールトリアクリレート混合物25質量部(日本化薬株式会社 PET30)
多官能シリコーンアクリレート1質量部(ダイセルオルネクス株式会社製 EBECRYL1360)
光重合開始剤3質量部(チバスペシャリティーケミカルズ社製イルガキュア184)。
(防眩層形成用塗料組成物)
下記材料を混合し、メチルエチルケトンを用いて希釈し固形分濃度40質量%の防眩層形成用塗料組成物を得た。
トルエン30質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート50質量部(日本化薬株式会社 PET30)
シリカ分散物(数平均粒径1μm)12質量部
多官能シリコーンアクリレート1質量部(ダイセルオルネクス株式会社製 EBECRYL1360)
光重合開始剤3質量部(チバスペシャリティーケミカルズ社製イルガキュア184)。
(実施例1)
組成を表の通りとして、原料をそれぞれ酸素濃度を0.2体積%とした別々のベント同方向二軸押出機に供給した。すなわち、ポリエステルA層を形成するための原料(樹脂)をA層押出機に投入し、ポリエステルB層を形成するための原料(樹脂)をB層押出機に投入した。なお、A層押出機とB層押出機には、ベント同方向二軸押出機を用いた。A層押出機シリンダー温度を280℃、B層押出機シリンダー温度を270℃で溶融し、A層とB層合流後の短管温度を275℃、口金温度を280℃で、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸シートを得た。次いで、長手方向への予熱温度85℃で1.5秒間予熱を行い、延伸温度115℃で長手方向に3.3倍延伸し、すぐに40℃に温度制御した金属ロールで冷却化した。次いでテンター式横延伸機にて予熱温度85℃で1.5秒予熱を行い、延伸前半温度115℃、延伸中盤温度135℃、延伸後半温度145℃で幅方向に3.3倍延伸し、そのままテンター内にて、熱処理温度220℃で、幅方向に5%のリラックスを掛けながら、つまり、幅方向に弛緩させながら、熱処理を行い、フィルム厚み40μm、フィルム幅1550mmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例2)
熱処理温度を230℃と変更した以外は、実施例1と同様にしてフィルム厚み40μm、フィルム幅1550mmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例3)
組成を表の通りに変更した以外は、実施例2と同様にしてフィルム厚み40μm、フィルム幅1550mmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例4)
長手方向予熱温度を70℃、幅方向予熱温度を70℃、熱処理温度を220℃に変更した以外は実施例3と同様にして、フィルム厚み40μm、フィルム幅1550mmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例5)
組成を表の通りに変更した以外は、実施例2と同様にしてフィルム厚み40μm、フィルム幅1550mmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例6)
組成を表の通りに変更した以外は、実施例2と同様にしてフィルム厚み40μm、フィルム幅1550mmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例7)
フィルム厚みを変更した以外は、実施例2と同様にしてフィルム厚み25μm、フィルム幅1550mmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例8)
フィルム幅を変更した以外は、実施例2と同様にしてフィルム厚み40μm、フィルム幅1350mmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例9)
フィルム幅を変更した以外は、実施例2と同様にしてフィルム厚み40μm、フィルム幅500mmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例10)
組成を表の通りとして、原料をそれぞれ酸素濃度を0.2体積%とした別々のベント同方向二軸押出機に供給し、A層押出機シリンダー温度を280℃、B層押出機シリンダー温度を270℃で溶融し、A層とB層をスリット数5個の積層装置にて合流させて、合流後の短管温度を275℃、口金温度を280℃で、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸シートを得た。次いで、長手方向への予熱温度85℃で1.5秒間予熱を行い、延伸温度115℃で長手方向に3.3倍延伸し、すぐに40℃に温度制御した金属ロールで冷却化した。次いでテンター式横延伸機にて予熱温度85℃で1.5秒予熱を行い、延伸前半温度115℃、延伸中盤温度135℃、延伸後半温度145℃で幅方向に3.3倍延伸し、そのままテンター内にて、熱処理温度230℃で、幅方向に5%のリラックスを掛けながら、つまり、幅方向に弛緩させながら、熱処理を行い、フィルム厚み40μm、フィルム幅1550mmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例11)
組成を表の通りとして、原料をそれぞれ酸素濃度0.2体積%とした別々のベント同方向二軸押出機に供給し、A層押出機シリンダー温度を280℃、B層押出機シリンダー温度を270℃で溶融し、A層とB層をスリット数9個の積層装置にて合流させて、合流後の短管温度を275℃、口金温度を280℃で、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸シートを得た。次いで、長手方向への予熱温度85℃で1.5秒間予熱を行い、延伸温度115℃で長手方向に3.3倍延伸し、すぐに40℃に温度制御した金属ロールで冷却化した。次いでテンター式横延伸機にて予熱温度85℃で1.5秒予熱を行い、延伸前半温度115℃、延伸中盤温度135℃、延伸後半温度145℃で幅方向に3.3倍延伸し、そのままテンター内にて、熱処理温度230℃で、幅方向に5%のリラックスを掛けながら、つまり、幅方向に弛緩させながら、熱処理を行い、フィルム厚み40μm、フィルム幅1550mmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例12)
組成を表の通りに変更した以外は、実施例10と同様にしてフィルム厚み40μm、フィルム幅1550mmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例13)
熱処理温度を240℃と変更した以外は、実施例8と同様にしてフィルム厚み32μm、フィルム幅1350mmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例14)
組成を表の通りに変更した以外は、実施例8と同様にしてフィルム厚み32μm、フィルム幅1550mmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例15)
組成を表の通りに変更し、長手方向の延伸温度95℃、幅方向の延伸前半温度95℃、延伸中盤温度95℃、延伸後半温度95℃、熱処理温度を235℃とした以外は、実施例2と同様にして、フィルム厚み40μm、フィルム幅1550mmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(比較例1)
組成を表の通りに変更し、長手方向の延伸温度95℃、幅方向の延伸前半温度95℃、延伸中盤温度95℃、延伸後半温度95℃とした以外は、実施例2と同様にして、フィルム厚み40μm、フィルム幅1550mmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(比較例2)
長手方向の延伸倍率を3倍、幅方向の延伸倍率を3.8倍とした以外は比較例1と同様にして、フィルム厚み40μm、フィルム幅1550mmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(比較例3)
フィルム幅を変更した以外は、実施例1と同様にして、フィルム厚み40μm、フィルム幅200mmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例2−2、7−2、8−2、11−2)
前述の実施例2、7、8、11の二軸配向ポリエステルフィルム上に、前述のハードコート層形成用塗料組成物を、乾燥後の厚みが5μmになるように流量を制御してスロットダイコーターを用いて塗布し、100℃で1分間乾燥し、溶媒を除去した。次いで、ハードコート層を塗布したフィルムに高圧水銀灯を用いて300mJ/cmの紫外線を照射し、ハードコート層が積層された積層ポリエステルフィルムを得た。
(実施例2−3、7−3、8−3、11−3)
前述の実施例2,7、8、11の二軸配向ポリエステルフィルム上に、前述の防眩層形成用塗料組成物を、スロットダイコーターで塗布し、100℃で1分間乾燥し、溶剤を除去した。次いで、防眩層を塗布したフィルムに高圧水銀灯を用いて300mJ/cmの紫外線を照射し、厚み5μmの防眩層が積層された積層ポリエステルフィルムを得た。
Figure 2015093307
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なお、表の「樹脂」欄における単位は質量%である。
本発明の積層ポリエステルフィルムは、ポリエステルA層とポリエステルA層より融点の低いポリエステルB層を有する積層構成で、中心および、400mm幅におけるフィルム面に垂直な方向に対するリタデーションがいずれも1000nm以下であるであるため、大画面の液晶ディスプレイなどの表示装置に搭載した際に干渉色を呈することないため、PVA中にヨウ素を含有させて配向させて作成されたPVAシート(偏光子)と貼り合わされて偏光板として用いられる。
A 積層フィルム
B 積層フィルムの幅方向
C 積層フィルムの幅方向中心(積層フィルムの幅方向中心線)

Claims (17)

  1. ポリエステルA層とポリエステルA層より融点の低いポリエステルB層を有する10層以下の積層ポリエステルフィルムであって、
    積層フィルムの幅方向中心および、400mm幅におけるフィルム面に垂直な方向に対するリタデーション(Re)がいずれも1000nm以下である積層ポリエステルフィルム。
  2. 積層フィルムの幅方向中心におけるリタデーション(Re・C)と、400mm幅におけるリタデーション(Re・E)が下記(I)式を満足する請求項1に記載の積層ポリエステルフィルム。
    Re・E/Re・C≦1.5・・・(I)
  3. 温度60℃、湿度95%の条件下に、フィルムを400時間保持した前後のフィルムヘイズ差(Δヘイズ)が、1%未満である請求項1または2に記載の積層ポリエステルフィルム。
  4. 積層フィルムの幅方向中心において、フィルム面に対して50°傾斜した角度に対するリタデーション(R50°)が2000nm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルム。
  5. 積層フィルムの幅方向中心において、フィルム面に対して50°傾斜した角度に対するリタデーション(R50°)が2000nm以下であって、
    フィルム面内の任意一方向を方向X、方向Xに直交する方向を方向Yとすると、95℃におけるフィルム方向Xおよび方向Yの貯蔵弾性率がそれぞれ、800MPa以上である請求項1〜4のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルム。
  6. フィルム面内の任意の一方向を方向X、方向Xに直交する方向を方向Y、フィルム厚み方向を方向Zとすると、ポリエステルB層のX、Y、Z方向の屈折率の平均値が1.51以上1.57以下である請求項1〜5のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルム。
  7. 方向Xの85℃における熱収縮率が0.5%以下である請求項6に記載の積層ポリエステルフィルム。
  8. 方向Yの85℃における熱収縮率が0.5%以下である請求項6または7に記載の積層ポリエステルフィルム。
  9. 前記ポリエステルA層が、少なくとも一方の最外層に位置し、A層の面配向係数が0.16未満である請求項1〜8のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルム。
  10. 前記ポリエステルA層が、少なくとも一方の最外層に位置し、A層の面配向係数が0.11よりも大きい請求項1〜9のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルム。
  11. A層/B層/A層の3層構成である請求項1〜10のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルム。
  12. A層の1層あたりの厚みが3.2μm未満である請求項1〜11のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルム。
  13. ポリエステルB層が、ジオール由来の構造単位に対して、エチレングリコール由来の構造単位を60モル%以上90モル%以下、その他のジオール由来の構造単位を10モル%を超えて、40モル%以下含有してなる請求項1〜12のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルム。
  14. ポリエステルB層が、ジカルボン酸由来の構造単位に対して、テレフタル酸由来の構造単位を60モル%以上90モル%以下、その他のジカルボン酸由来の構造単位を10モル%を超えて、40モル%以下含有してなる請求項1〜13のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルム。
  15. 積層フィルムの幅方向中心において、フィルム面に対して50°傾斜した角度に対するリタデーション(R50°)が2000nm以下であり、フィルム面内の任意の一方向を方向X、方向Xに直交する方向を方向Y、フィルム厚み方向を方向Zとすると、ポリエステルB層のX、Y、Z方向の屈折率の平均値が1.51以上1.57以下であり、A層/B層/A層の3層構成である請求項1に記載の積層ポリエステルフィルム。
  16. 前記積層ポリエステルフィルムの少なくとも一方の最表面に、ハードコート性、自己修復性、防眩性、反射防止性、低反射性、及び帯電防止性からなる群より選択される1種以上の機能を示す層が積層されていることを特徴とする、請求項1〜15のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルム
  17. 偏光子の両面に偏光子保護フィルムを有してなる偏光板であって、少なくとも一方の面に用いられる偏光子保護フィルムが請求項1〜16のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルムである偏光板。
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