JP2015215593A - 光学用ポリエステルフィルム及びそれを用いた偏光板、透明導電性フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリエステルA層とポリエステルA層より融点の低いポリエステルB層を有する少なくとも2層以上の積層ポリエステルフィルムであって、
フィルムの10cm四方の範囲における光弾性係数の最大値(P・max)と最小値(P・min)が下記(I)式を満足する光学用ポリエステルフィルム。
P・max/P・min≦2.3・・・(I)
【選択図】なし
Description
(1) ポリエステルA層とポリエステルA層より融点の低いポリエステルB層を有する少なくとも2層以上の積層ポリエステルフィルムであって、
フィルムの10cm四方の範囲における光弾性係数の最大値(P・max)と最小値(P・min)が下記(I)式を満足する光学用ポリエステルフィルム。
P・max/P・min≦2.3・・・(I)
(2) フィルム10cm四方の範囲における光弾性係数の平均値(P・ave)が、2.5×10−12/Pa以下である、(1)に記載の光学用ポリエステルフィルム。
(3) フィルム面内の任意の一方向を方向X、方向Xに直行する方向を方向Yとすると、方向Xの85℃における熱収縮率(Sx)、方向Yの85℃における熱収縮率(Sy)がいずれも0.5%以下である、(1)または(2)に記載の光学用ポリエステルフィルム。
(4) 前記Sx、Syが下記(II)式を満たす、(1)〜(3)のいずれかに記載の光学用ポリエステルフィルム。
|Sx−Sy|≦0.3・・・(II)
(5) 少なくとも一方の面のスキューネス(Rsk)が下記(III)式を満たす、(1)〜(4)のいずれかに記載の光学用ポリエステルフィルム。
−1.0≦Rsk≦1.0・・・(III)
(6) 85℃×24h熱処理後の少なくとも一方の面のスキューネス(Rsk)が下記(IV)式を満たす、(1)〜(5)のいずれかに記載の光学用ポリエステルフィルム。
−1.0≦Rsk≦1.0・・・(IV)
(7)前記光学用ポリエステルフィルムの少なくとも一方の最表面に、ハードコート性、自己修復性、防眩性、反射防止性、低反射性、及び帯電防止性からなる群より選択される1種以上の機能を示す層が積層されていることを特徴とする、(1)から(6)のいずれかに記載の光学用ポリエステルフィルム
(8)偏光子保護用途である、(1)〜(7)のいずれかに記載の光学用ポリエステルフィルム。
(9)(1)〜(8)のいずれかに記載のポリエステルフィルムを有する偏光板。
(10)(1)〜(7)のいずれかに記載のポリエステルフィルムを有する透明導電性フィルム。
以下、本発明の光学用ポリエステルフィルムについて詳細に説明する。
例えば、B層を構成するジオール由来の構造単位としてエチレングリコール由来の構造単位を最も多く含み、ジカルボン酸由来の構造単位としてテレフタル酸を最も多く含む場合、エチレングリコール以外のジオール成分の割合、およびテレフタル酸以外のジカルボン酸成分の割合を増やしていくことで、ポリエステルB層の融点を下げることができる。
本発明の光学用ポリエステルフィルムは、フィルムの10cm四方の範囲における光弾性係数の最大値(P・max)と最小値(P・min)が下記(I)式を満足することが重要である。
P・max/P・min≦2.3・・・(I)
(I)式を満足するということは、フィルムの面方向の光弾性係数のばらつきが小さいことを示し、液晶ディスプレイに実装した場合に、ディスプレイの熱膨張などでフィルムに荷重がかかった場合も複屈折の変化が均一になるため、経時でディスプレイが変形した場合も干渉色を抑制することができる。より好ましくは、(I’)式を満足し、(I”)式を満足すれば最も好ましい。
P・max/P・min≦2.2・・・(I’)
1.0≦P・max/P・min≦2.1・・・(I”)
なお、本発明における光弾性係数は、所定のサイズのサンプルの一方向に応力を加えた際の位相差変化を測定し、応力と厚みで割ることで算出されるものであり、具体的には、一方向に荷重をかけたサンプルを、大塚電子(株)社製RETS−1200を用いて算出した値を用いるものとする。
|Sx−Sy|≦0.3・・・(II)
式(II)を満足するということは、ポリエステルフィルムの熱収縮の異方性がないことを示し、偏光子に貼り合わせる際にフィルムにかかる熱での収縮応力が一方向に強くかかることが抑制され、熱収縮が生じた場合にも等方的に収縮が起こるため、偏光子保護用途において偏光板の反り発生を抑制することができたり、透明導電性フィルム用途において、透明導電層を積層する際の寸法安定性が良好となったりする。より好ましくは、(I’)式を満足し、(I”)式を満足すれば最も好ましい。
|Sx−Sy|≦0.2・・・(II’)
|Sx−Sy|≦0.1・・・(II”)
本発明のポリエステルフィルムは、光学用途のうち、偏光子保護用途において、偏光子に貼り合わせた後の表面外観の観点から、ならびに、光学用途のうち、透明導電性フィルム用途において、透明導電層を積層した後の表面外観の観点から、少なくとも一方の面のスキューネス(Rsk)が下記(III)式を満足することが好ましい。
−1.0≦Rsk≦1.0・・・(III)
ここで、式(III)のスキューネス(Rsk)は、JIS−B0601−2001に基づいて求められる、歪度に関する指標であり、Rskが0に近いと表面粗さの断面形状が表面粗さ曲線の平均線に対して対称(正規分布)となっていることを示し、Rskが正の値として大きくなると、表面粗さ曲線の平均線に対して下側に偏っていることを示し、Rskが負の値として小さくなると、表面粗さ曲線の平均線に対して上側に偏っていることを示す。つまり、ここで式(III)を満足するということは、本発明のポリエステルフィルムの歪度が小さく、表面粗さ曲線が平均線に対して対称となっていることを示す。式(III)を満足することで、本発明のポリエステルフィルムの光沢や艶が良好となり、偏光子保護用途において、偏光子に張り合わせた後の表面外観が良好となることから、外観の良好な偏光板を得ることができたり、良好な外観の透明導電性フィルム、およびそれを用いたタッチパネル部材を得ることができたりする。より好ましくは、(III’)式を満足し、(III”)式を満足すれば最も好ましい。
−0.8≦Rsk≦0.8・・・(III’)
−0.6≦Rsk≦0.6・・・(III”)
本発明のポリエステルフィルムは、例えば、偏光子保護用途において、偏光子に貼り合わせた後の表面外観の経時変化を抑制する観点、あるいは、透明導電性フィルム用途において、透明導電層を積層した後の表面外観の経時変化を抑制する観点から、85℃×24h熱処理後の少なくとも一方の面のスキューネス(Rsk)が下記(IV)式を満足することが好ましい。
−1.0≦Rsk≦1.0・・・(IV)
ここで式(IV)を満足するということは、本発明のポリエステルフィルムの85℃×24h熱処理後歪度が小さく、表面粗さ曲線が平均線に対して対称となっていることを示す。式(IV)を満足することで、本発明のポリエステルフィルムを高温保管した後も、光沢や艶が良好であり、偏光子保護用途において外観の良好な偏光板を得ることができたり、良好な外観の透明導電性フィルム、およびそれを用いたタッチパネル部材を得ることができたりする。より好ましくは、(IV’)式を満足し、(IV”)式を満足すれば最も好ましい。
−0.8≦Rsk≦0.8・・・(IV’)
−0.6≦Rsk≦0.6・・・(IV”)
本発明のポリエステルフィルムは、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機系易滑剤、顔料、染料、有機又は無機の微粒子、充填剤、帯電防止剤、核剤などがその特性を悪化させない程度に添加してもよい。
また、前述の課題に加えて、製造工程における工程安定化や、使用環境における耐久性を付与するため、本発明の光学用ポリエステルフィルムは、少なくとも一方の面にハードコート性、自己修復性、防眩性、反射防止性、低反射性、紫外線遮蔽性、及び帯電防止性からなる群より選択される1種以上の機能を示す層(係る層を「表面層」ともいう)を有することが好ましい。
本発明の光学用フィルムは、液晶ディスプレイなどの表示装置に搭載した際に高品位な表示が可能となることから、各種光学用途に好適に用いることが可能であり、光学
用途の中でも、特に、偏光子保護用途、透明導電性フィルム用途、ガラスの飛散防止フィルム用途などに好適に用いることできる。
本発明の偏光板は、偏光子の両面に偏光子保護フィルムを有してなる偏光板であって、少なくとも一方の面の偏光子保護フィルムが前記偏光子保護ポリエステルフィルムであることが好ましい。他方の偏光子保護フィルムは、本発明の偏光子保護ポリエステルフィルムであっても良いし、トリアセチルセルロースフィルムやアクリルフィルム、ノルボルネン系フィルムに代表されるような複屈折が無いフィルムを用いることも好ましい。
偏光子としては、例えばポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素などの二色性材料を含むものが挙げられる。偏光子保護フィルムは偏光子と直接または接着剤層を介して貼り合わされるが、接着性向上の点からは接着剤を介して貼り合わせることが好ましい。本発明のポリエステルフィルムを接着させるのに好ましい偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素や二色性材料を染色・吸着させ、ホウ酸水溶液中で一軸延伸し、延伸状態を保ったまま洗浄・乾燥を行うことにより得られる偏光子が挙げられる。一軸延伸の延伸倍率は、通常4〜8倍程度である。ポリビニルアルコール系フィルムとしてはポリビニルアルコールが好適であり、「クラレビニロン」[(株)クラレ製]、「トーセロビニロン」[東セロ(株)製]、「日合ビニロン」[日本合成化学(株)製]などの市販品を利用することができる。二色性材料としてはヨウ素、ジスアゾ化合物、ポリメチン染料などが挙げられる。
(透明導電性フィルム)
本発明の透明導電性フィルムは、本発明の光学用ポリエステルフィルム上に、直接、または易接着層を介して透明導電層を積層したフィルムである。透明導電層は、透明な導電性の膜を形成できれば特に限定されず、例えば、酸化スズを含有する酸化インジウム(ITO)、アンチモンを含有する酸化スズ(ATO)、酸化亜鉛、亜鉛−アルミニウム複合酸化物、インジウム−亜鉛複合酸化物、CNTなどの薄膜が挙げられる。これらの化合物は、適切な生成条件を選択することにより、透明性と導電性を両立できる。
(製造方法)
次に、本発明の光学用ポリエステルフィルムの好ましい製造方法を以下に具体例を挙げて説明する。しかし、本発明はかかる例に限定して解釈されるものではない。
フィルムの10cm四方の範囲における光弾性係数の最大値(P・max)と最小値(P・min)が下記(I)式を満足する、すなわち光弾性係数のばらつきが小さいことから、大画面の液晶ディスプレイなどの表示装置に搭載した際に、ディスプレイの変形によっても干渉色を呈することがないため、PVA中にヨウ素を含有させて配向させて作成されたPVAシート(偏光子)と貼り合わされて偏光板として、好ましく用いられたり、良好な外観の透明導電性フィルム、およびそれを用いたタッチパネル部材として好ましく用いられたりする。を得ることができたりする。
ポリエステル樹脂およびフィルムをヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)に溶解し、1H−NMRおよび13C−NMRを用いて各モノマー残基成分や副生ジエチレングリコールについて含有量を定量した。積層フィルムの場合は、積層厚みに応じて、フィルムの各層を削り取ることで、各層単体を構成する成分を採取して評価した。なお、本発明のフィルムについては、フィルム製造時の混合比率から計算により、組成を算出した。
ポリエステル樹脂およびフィルムの極限粘度は、ポリエステルをオルトクロロフェノールに溶解し、オストワルド粘度計を用いて25℃にて測定した。積層フィルムの場合は、積層厚みに応じて、フィルムの各層を削り取ることで、各層単体の固有粘度を評価した。
フィルムをエポキシ樹脂に包埋し、フィルム断面をミクロトームで切り出した。該断面を透過型電子顕微鏡(日立製作所製TEM H7100)で5000倍の倍率で観察し、フィルム厚みおよびポリエステル層の厚みを求めた。
示差走査熱量計(セイコー電子工業製、RDC220)を用い、JIS K7121−1987、JIS K7122−1987に準拠して測定および、解析を行った。ポリエステルフィルムを5mg、サンプルに用い、25℃から20℃/分で300℃まで昇温した際のDSC曲線より得られた吸熱ピークの頂点の温度を融点とした。なお、積層フィルムの場合は、積層厚みに応じて、フィルムの各層を削り取ることで、各層単体の融点を測定することができる。本発明において、ポリエステルA層とポリエステルB層とを有する積層ポリエステルフィルムの場合は、各層の融点を測定し、融点の高い層をポリエステルA層、低い方の層をポリエステルB層とした。
大塚電子(株)社製RETS−1200を用い、589nm光源を用いて、測定スポット径を5mmφとして測定を行った。サンプルサイズを15mm×50mmとし、フィルムサンプル10cm四方から15mm×50mmのサイズのサンプルを6本切り取った。なお、切り取る場所は、10cm四方のフィルムサンプルの角を含み、かつ両辺にそれそれ並行な方向に2本ずつ(計4本)と、10cm四方のサンプルの各対角線方向に1本ずつ(計2本)の、合計6箇所とした。1本のサンプルについて、サンプルの長手方向の両端を冶具ではさみ、荷重をかけない状態で、大塚電子(株)社製RETS−1200を用いて位相差R1(nm)を測定した。なお、測定位置は、測定スポット系の中心がサンプルの中心(すなわち、測定スポットの中心が、長手方向において片側から25mmの位置、短手方向において片側から7.5mmの位置)になるようにして測定を行った。その後、サンプル長手方向に9.8×106Paの応力をかけた状態で、位相差R2(nm)を測定した。なお、測定位置は、測定スポットの中心がサンプルの中心(すなわち、R1を測定した際のサンプルの中心位置)になるようにして測定を行った。厚みをd(μm)としたとき、(光弾性係数P)=(R2−R1)/(9.8×106×d×103)として、光弾性係数P(10−12/Pa)を算出した。この測定を6本それぞれについて行い、最も大きな光弾性係数をP・max、最も小さな光弾性係数をP・min、6本の光弾性係数の平均値をP・aveとした。
フィルムを任意の一方向XおよびX方向に直交する方向Yにそれぞれ長さ70mm×幅10mmの矩形に切り出しサンプルとした。サンプルに50mmの間隔で標線を描き、3gの錘を吊して85℃に加熱した熱風オーブン内に30分間設置し加熱処理を行った。熱処理後の標線間距離を測定し、加熱前後の標線間距離の変化から下記式により熱収縮率を算出した。測定は各フィルムともX方向およびY方向に3サンプル実施して平均値で評価を行った。
熱収縮率(%)={(加熱処理前の標線間距離)−(加熱処理後の標線間距離)}/(加熱処理前の標線間距離)×100。
スキューネスは、JIS−B0601−2001に基づいて求めた。菱化システム社製、非接触表面・層断面形状計測システム、VertScan2.0を用いて測定した。測定条件は下記の通りとした。10cm四方のサンプルの5箇所についてRskの測定を実施し、平均値を算出した。なお、両面それぞれについて行い、小さいほうの面の値をRsk(A面)、大きい方の面の値をRsk(B面)とした。
測定長さ(Lr:基準長さ):1252μm
レンズ:10倍
(8)スキューネス(熱処理後)
10cm四方のサンプルを、85℃に加熱した熱風オーブンに24時間置いて加熱処理を行った後、(7)と同様にしてRsk(A面)、Rsk(B面)とした。
PVA中にヨウ素を吸着・配向させて作成した偏光度99.9%の偏光子の一方の面に、10cm四方のフィルムを貼り合わせてテストピースとした。なお、貼り合わせには、85℃に設定したラミネーターロールを使用した。作成したテストピースとフィルムを貼り付けていない偏光板とをクロスニコルの配置にて重ね合わせLED光源(トライテック製A3−101)上においた場合の視認性を確認した。
◎:干渉色はほとんどみられない。
○:フィルムのエッジ部分のみ干渉色が若干見られるものの、実用に問題ない。
△:フィルム全体に干渉色が若干見られるものの、実用に問題ない。
×:干渉色がはっきりみられるため、ディスプレイ用途には適さない。
(9)で得られたテストピースについて、85℃に加熱した熱風オーブンに30分置いて加熱処理を行った後、(9)と同様にして視認性を確認した。
(9)で得られたテストピースについて、水平なガラス板上に置き、ガラス板面から垂直方向での4隅の浮き上がり量を測定し、当該4角のうち最大の高さをカール高さとして下記基準で評価した。
◎:カール高さが5mm未満。
○:カール高さが5mm以上7mm未満。
△:カール高さが7mm以上10mm未満。
×:カール高さが10mm以上。
(9)で得られたテストピースについて、蛍光灯を反射させて、蛍光灯の映り込みの状態を下記基準で目視で評価した。
×:テストピースを動かして反射位置を変えると、ほとんど蛍光灯の輪郭がゆがんでいる。
(9)で得られたテストピースについて、85℃に加熱した熱風オーブンに30分置いて加熱処理を行った後、(12)と同様にして視認性を確認した。
(9)で得られたテストピースについて、JIS K5600−5−4(1999)に記載の引っかき硬度(鉛筆法)による評価を行い、HB以上を合格とした。
(9)で得られたテストピースについて、ラビングテスターを用いて、以下の条件でこすりテストをおこなうことで、耐擦傷性の指標とした。
こすり材:スチールウール(日本スチールウール(株)製、グレードNo.0000)
試料と接触するテスターのこすり先端部(1cm×1cm)に巻いて、バンド固定。
こすり速度:13cm/秒、
荷重:200g/cm2、
先端部接触面積:1cm×1cm、こすり回数:10往復。
5点: 0本
4点: 1本以上 5本未満
3点: 5本以上 10本未満
2点: 10本以上 20本未満
1点: 20本以上。
製膜に供したポリエステル樹脂は以下のように準備した。
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸成分が100モル%、グリコール成分としてエチレングリコール成分が100モル%であるポリエチレンテレフタレート樹脂(固有粘度0.65)。
1,4−シクロヘキサンジメタノールがグリコール成分に対し20モル%共重合された共重合ポリエステル(イーストマン・ケミカル社製 GN001)を、1,4−シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレートとして使用した(固有粘度0.75)。
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸成分が82.5モル%、イソフタル酸成分が17.5モル%、グリコール成分としてエチレングリコール成分が100モル%であるイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂(固有粘度0.7)。
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸成分が75モル%、イソフタル酸成分が25モル%、グリコール成分としてエチレングリコール成分が100モル%であるイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂(固有粘度0.68)。
ポリエステルA中に数平均粒子径2.2μmの凝集シリカ粒子を粒子濃度2質量%で含有したポリエチレンテレフタレート粒子マスター(固有粘度0.65)。
下記材料を混合し、メチルエチルケトンを用いて希釈し固形分濃度40質量%のハードコート層形成用塗料組成物を得た。
トルエン 30質量部
多官能ウレタンアクリレート 25質量部
(ダイセルオルネクス株式会社製 KRM8655)
ペンタエリスリトールトリアクリレート混合物 25質量部
(日本化薬株式会社 PET30)
多官能シリコーンアクリレート 1質量部
(ダイセルオルネクス株式会社製 EBECRYL1360)
光重合開始剤 3質量部
(チバスペシャリティーケミカルズ社製イルガキュア184)
(防眩層形成用塗料組成物)
下記材料を混合し、メチルエチルケトンを用いて希釈し固形分濃度40質量%の防眩層形成用塗料組成物を得た。
トルエン 30質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート 50質量部
(日本化薬株式会社 PET30)
シリカ分散物 12質量部
(数平均粒径1μm)
多官能シリコーンアクリレート 1質量部
(ダイセルオルネクス株式会社製 EBECRYL1360)
光重合開始剤 3質量部
(チバスペシャリティーケミカルズ社製イルガキュア184)
(実施例1)
組成を表の通りとして、原料をそれぞれ酸素濃度を0.2体積%とした別々のベント同方向二軸押出機に供給し、A層押出機シリンダー温度を280℃、B層押出機シリンダー温度を270℃で溶融し、フィードブロック内でA層/B層/A層の3層構成になるよう合流させ、合流後の短管温度を275℃、口金温度を280℃で、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸シートを得た。次いで、長手方向への予熱温度85℃で1.5秒間予熱を行い、延伸温度115℃で長手方向に3.3倍延伸し、すぐに40℃に温度制御した金属ロールで冷却化した。次いでテンター式横延伸機にて予熱温度85℃で1.5秒予熱を行い、延伸前半温度115℃、延伸中盤温度135℃、延伸後半温度145℃で幅方向に3.3倍延伸し、そのままテンター内にて、熱処理温度220℃で、幅方向に5%のリラックスを掛けながら熱処理を行い、フィルム厚み40μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
組成を表の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして厚み40μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
A層、B層の各押出機を、一軸押出機にした以外は、実施例1と同様にして厚み40μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
フィードブロックの構成を変更し、層構成を表の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして厚み40μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
フィードブロックの構成を変更し、層構成を表の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして厚み40μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
フィードブロックの構成を変更し、層構成を表の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして厚み40μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
組成を表の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして厚み40μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
組成を表の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして厚み40μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
組成を表の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして厚み40μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
組成を表の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして厚み40μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
組成を表の通りに変更し、長手方向の延伸温度95℃、幅方向の延伸前半温度95℃、延伸中盤温度95℃、延伸後半温度95℃とした以外は、実施例1と同様にして厚み40μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
前述の実施例2、5、6の二軸配向ポリエステルフィルム上に、前述のハードコート層形成用塗料組成物を、乾燥後の厚みが5μmになるように流量を制御してスロットダイコーターを用いて塗布し、100℃で1分間乾燥して溶剤を除去した。次いで、ハードコート層を塗布したフィルムに、高圧水銀灯を用いて300mJ/cm2の紫外線を照射し、ハードコート層が積層された光学用ポリエステルフィルムを得た。
前述の実施例2、5、6の二軸配向ポリエステルフィルム上に、前述の防眩層形成用塗料組成物を、乾燥後の厚みが5μmになるように流量を制御してスロットダイコーターを用いて塗布し、100℃で1分間乾燥し溶剤を除去した。次いで、防眩層を塗布したフィルムに高圧水銀灯を用いて300mJ/cm2の紫外線を照射し、防眩層が積層された光学用ポリエステルフィルムを得た。
前述の実施例2、比較例1の二軸配向ポリエステルフィルム上に、透明導電層としてITO膜を150℃雰囲気中でスパッタリング法にて30nmの厚みで形成し、透明導電性フィルムを作製した。その後、(9)視認性テスト(i)と同様の評価基準にて視認性を確認したところ、実施例2−4の透明導電性フィルムは、◎評価であったのに対し、比較例1−4の透明導電性フィルムは、×評価となった。
Claims (10)
- ポリエステルA層とポリエステルA層より融点の低いポリエステルB層を有する少なくとも2層以上の積層ポリエステルフィルムであって、
フィルムの10cm四方の範囲における光弾性係数の最大値(P・max)と最小値(P・min)が下記(I)式を満足する光学用ポリエステルフィルム。
P・max/P・min≦2.3・・・(I) - フィルム10cm四方の範囲における光弾性係数の平均値(P・ave)が、2.5×10−12/Pa以下である、請求項1に記載の光学用ポリエステルフィルム。
- フィルム面内の任意の一方向を方向X、方向Xに直行する方向を方向Yとすると、方向Xの85℃における熱収縮率(Sx)、方向Yの85℃における熱収縮率(Sy)がいずれも0.5%以下である、請求項1または請求項2に記載の光学用ポリエステルフィルム。
- 前記Sx、Syが下記(II)式を満たす、請求項1〜3のいずれかに記載の光学用ポリエステルフィルム。
|Sx−Sy|≦0.3・・・(II) - 少なくとも一方の面のスキューネス(Rsk)が下記(III)式を満たす、請求項1〜4のいずれかに記載の光学用ポリエステルフィルム。
−1.0≦Rsk≦1.0・・・(III) - 85℃×24時間熱処理後の少なくとも一方の面のスキューネス(Rsk)が下記(IV)式を満たす、請求項1〜5のいずれかに記載の光学用ポリエステルフィルム。
−1.0≦Rsk≦1.0・・・(IV) - 前記光学用ポリエステルフィルムの少なくとも一方の最表面に、ハードコート性、自己修復性、防眩性、反射防止性、低反射性、及び帯電防止性からなる群より選択される1種以上の機能を示す層が積層されていることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の光学用ポリエステルフィルム。
- 偏光子保護用である、請求項1〜7のいずれかに記載の光学用ポリエステルフィルム。
- 請求項1〜8のいずれかに記載のポリエステルフィルムを有する偏光板。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のポリエステルフィルムを有する透明導電性フィルム。
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