JP2005289052A - ガスバリア性積層フィルム及びその製造方法、並びに該フィルムを用いた画像表示素子 - Google Patents

ガスバリア性積層フィルム及びその製造方法、並びに該フィルムを用いた画像表示素子 Download PDF

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Abstract

【課題】 フィルムの製造工程における巻き取り及び搬送において、巻きずれ、たるみ、しわによるクラックの発生を防止し、商品の歩留まりの高いガスバリア性積層フィルム、その製造方法及び前記フィルムを用いた画像表示素子の提供。
【解決手段】 支持体の少なくとも一方の面上にガスバリア層を積層してなるガスバリア性積層フィルムにおいて、前記支持体のガスバリア層が積層される面とは反対側の表面のRa値を1〜20nmとする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、プラスチック製フラットパネルディスプレイに好ましく用いられるガスバリア性積層フィルム及びその製造方法、並びに該フィルムを用いた画像表示素子に関する。特に本発明は、エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイなどの高度なガスバリア性が要求されるフラットパネルディスプレイ等の画像表示素子に適用可能なガスバリア性積層フィルム及びその製造方法、並びに該フィルムを用いた画像表示素子に関する。
フラットパネルディスプレイの支持体としては、従来ガラス基板が用いられていた。しかし、最近のディスプレイの軽量化、破損防止、曲面化、及び基材のロール化による連続製造を目的としたプラスチック基板の開発が盛んに行われている。プラスチック基板を用いる場合の課題としては、酸素と水に対するバリア性能の向上、耐熱性の向上、及び熱膨張の抑制があり、各社から様々な提案がなされている。中でもガスバリア性能の向上については有機層と無機層とを交互に積層することにより、無機層を卓越したガスバリア性を活かしながら、ガスバリア層生成時に発生する欠陥の補修と緩衝作用を有機層に持たせる方法に関し、多数の技術が開示されている。
例えば、特許文献1には、珪素を含む金属酸化物による無機層と6官能のアクリロイル基、メタクリロイル基を有する有機層とを交互に積層する方法が記載されている。また、特許文献2には、有機層と無機層の積層順序と有機層の厚みを工夫する方法が記載されている。また特許文献3には、有機層に2官能エポキシと2官能フェノールを用い、無機層に酸素割合を工夫した酸化珪素を用いる方法が記載されている。
このような積層構造を有するガスバリア層において、ガスバリア性能は、無機層の格子欠陥密度だけではなく、有機層のガスバリア性も非常に重要である。すなわち、第1の無機層の欠陥を通過して進入した酸素及び水の分子は、第1の無機層上に積層された有機層を通過して第2の無機層の欠陥部に到達するため、第1及び第2の無機層の間に存在する有機層のガスバリア性が膜全体のガスバリア性を決定する因子となる(特許文献4参照)。このような観点から、有機層におけるガスバリア性能は非常に重要な要素である。
さらに有機層は、ガスバリア層に加わる応力に伴う無機層の変形、ずれを吸収すると同時に、変形、ずれが大きくなりすぎて無機層が破壊されるのを防止する機能を持つ。ガスバリア性と無機層の過度の変形、ずれを防止する観点から、近年、有機層は高硬度膜化する傾向にあり、積層膜としてはガラス基板に近い脆弱な膜になってきている。一方、上記ガスバリア層を有する支持体をフラットパネルディスプレイ、特にEL表示装置で用いる場合、表示装置の内側に接触する面については、その表面には高度な平滑性が要求される。
このような脆弱かつ高度な平滑面を有する支持体をロール形態で製造する場合、フィルムの巻き取り、搬送において、巻ずれ、たるみ、しわが発生して、商品の歩留まり、商品性を下げるだけでなく、ガスバリア層に静電気が放電することによってピンホールが発生したり、静電気により工程中の異物を付着させたり、ブロッキングによるバリア層、導電層の剥離が発生したりして、巻ずれ、しわによるクラックが発生する等によりバリア性能、伝導性能が低下し、極度に歩留まりを低下させる原因になっていた。
特開2003−94572号公報(特許請求の範囲) 特開2002−264274号公報(特許請求の範囲) 特開2003−48271号公報(特許請求の範囲) 米国特許第6413645号明細書
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、フィルムの製造工程における巻きずれ、たるみ、しわによるクラックの発生を防止し、商品の歩留まりの高いガスバリア性積層フィルム及びその製造方法を提供することにある。また、本発明のもう一つの目的は、前記フィルムを用いた画像表示素子を提供することにある。
本発明者は、フィルムの巻き取り時及び搬送時に起こる巻ずれ、たるみ及びしわは、フィルムに発生するわずかな歪みがフィルムの巻き取り時又は搬送時にフィルム表面と裏面とを密着させ、その後に補正できないことに起因することを見出した。さらに本発明者は、密着したフィルムには静電気が発生しており、その密着面積の大きさに比例して剥離帯電量が大きくなり、異物の付着、放電によるピンホールの発生を引き起こしていることを見出した。
本発明者は、このような発見に基づき、フィルム同士の接触面積を低下させ、静電気の発生を除去する観点から、画像表示装置の外側のフィルム面に凹凸を形成することを試みた結果、ガスバリア層に傷を発生させ、又は塗布したマット剤の脱落による異物故障、画像の滲み、ぎらつき、白濁等の問題が凹凸の形状、大きさ、硬度、凸部の形成周期の不整合により発生することを突き止めた。
本発明者は、上記知見に基づき上記の問題を発生しない凹凸の形状、大きさ、硬度及び凹凸の周期につき鋭意検討した結果、フィルムの裏面側に所定の凹凸を形成することにより上記問題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の目的は、以下のガスバリア性積層フィルム及びその製造方法により達成される。
(1) 支持体の少なくとも一方の面上にガスバリア層を積層してなるガスバリア性積層フィルムであって、前記支持体のガスバリア層が積層された面とは反対側の表面が、Ra値1〜20nmの凹凸を有する面であることを特徴とするガスバリア性積層フィルム。
(2) 前記ガスバリア層が有機層と無機層とを交互に積層した少なくとも3層からなる(1)に記載のガスバリア性積層フィルム。
(3) 前記支持体のガスバリア層が積層された面と反対側の表面に、平均粒子サイズが球相当径で1μm未満のマット剤50〜150mg/m2、及び/又は平均粒子サイズが球相当径で1〜3μmのマット剤10〜25mg/m2を有する(1)又は(2)に記載のガスバリア性積層フィルム。
(4) 前記マット剤の微小硬度が100〜250N/mm2である(3)に記載のガスバリア性積層フィルム。
(5) 前記支持体のガスバリア層が積層された面とは反対側の表面が、コロナ放電、電子線照射及び火炎処理からなる群から選ばれる少なくとも一種の処理方法により形成された凹凸を有する面である(1)又は(2)に記載のガスバリア性積層フィルム。
(6) 前記支持体のガスバリア層が積層された面と反対側の面が、Ra値10nm〜1μm、RSm値20μm以下のエンボスロールを圧着することにより形成された凹凸を有する面である(1)又は(2)に記載のガスバリア性積層フィルム。
(7) 前記支持体のガスバリア層が積層された面と反対側の面の表面抵抗が1〜1×1010Ω/□である(1)〜(6)のいずれかに記載のガスバリア性積層フィルム。
(8) 前記支持体が、ガラス転移温度200℃以上であるポリマーからなる耐熱性支持体である(1)〜(7)のいずれかに記載のガスバリア性積層フィルム。
(9) 前記支持体が下記一般式(1)で表されるスピロ構造を有するポリマー又は下記一般式(2)で表されるカルド構造を有するポリマーからなるフィルムである請求項1〜8のいずれか一項に記載のガスバリア性積層フィルム。
Figure 2005289052
一般式(1)中、環αは、単環式又は多環式の環を表し、2つの環はスピロ結合によって結合されている。
Figure 2005289052
一般式(2)中、環β及び環γは、単環式又は多環式の環を表し、2つの環γはそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、環β上の1つの4級炭素に連結されている。
(10) 耐熱性支持体の少なくとも一方の面上にガスバリア層を積層してなるガスバリア性積層フィルムの製造方法であって、前記支持体にガスバリア層を積層する前、積層中又は積層後に前記支持体のガスバリア層を積層した面とは反対側の面を、コロナ放電、イオンビーム及び火炎処理からなる群から選ばれる少なくとも一種の処理方法で処理することにより、前記処理面にRa値1〜20nmの凹凸を形成することを特徴とする前記製造方法。
(11) 耐熱性支持体の少なくとも一方の面上にガスバリア層を積層してなるガスバリア性積層フィルムの製造方法であって、前記支持体にガスバリア層を積層する前、積層中又は積層後に前記支持体のガスバリア層を積層した面とは反対側の面を、Ra値10nm〜1μm、RSm値20μm以下のエンボスロールで圧着することにより、前記処理面にRa値1〜20nmの凹凸を形成することを特徴とする前記製造方法。
本発明のもう一つの目的は、(1)〜(9)のいずれか一項に記載のガスバリア性積層フィルムを用いた画像表示素子により達成される。
本発明のガスバリア性積層フィルムは、支持体のガスバリア層が積層された面と反対側の面にRa値1〜20nmの凹凸を形成する。これにより本発明によれば、巻き取り時や搬送時における支持体の裏面とガスバリア層との密着・剥離を有効に防止でき、ガスバリア層を傷つけることなく、支持体のハンドリングによるガスバリア性能、導電性能の劣化の少ないフラットパネルディスプレイなどの画像表示素子に適したガスバリア性積層フィルムを提供できる。
また、本発明の画像表示素子であれば、優れたガスバリア性能を有する画像表示素子を提供でき、フラットパネルディスプレイなどに好適に用いることができる。
以下に本発明のガスバリア性積層フィルム及び該フィルムを用いた画像表示素子について詳細に説明する。
なお、本明細書において「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味として使用される。
[ガスバリア性積層フィルム]
本発明は、フィルム裏面の特性を調整することにより、製造工程におけるガスバリア性能の劣化を防止できるガスバリア性積層フィルム(以下「本発明のフィルム」という)である。
なお、本明細書において「支持体のガスバリア層が積層される面とは反対側の表面」とは、ガスバリア層が積層される側の支持体の表面とは反対側の支持体の表面を意味する。また、フィルムの両面にガスバリア層が積層される場合、前記「反対側の表面」は、フラットパネルディスプレイを作製する際に、支持体の発光層、液晶層などの表示層が形成される面とは反対側の最表面、すなわち支持体にガスバリア層を積層して酸素、水などを遮断する側の表面とは反対側の最表面を意味する。
以下、本明細書において、便宜上、支持体のガスバリア層が積層される面とは反対側の表面を「裏面」と表現し、この裏面と反対側の表面を「表面」と表現する。
本発明のフィルムは、フィルム裏面にRa値1〜20nmの凹凸を有する。本発明のフィルム裏面のRa値(算術平均粗さ)は、1〜20nmであり、2〜8nmであることが好ましく、3〜7nmであることがさらに好ましい。Ra値が1nm以上であれば、充分な滑り性、耐ブロッキング性を確保することができる。一方、Ra値が20nm以下であれば、形成される凸部によりフィルム表面が傷つけられたり、フィルム表面側のガスバリア層にクラックやピンホールが発生したりすることがなく、さらに凸部が破壊、脱落してフィルム表面に転写され、異物故障を引き起こすこともない。また凸部が20nm以下であれば、凹凸の存在により解像度が低下したり、外光が当たった場合に表面が白く光り、画像が見えにくくなったりすることもない。
なお、フィルム裏面のRa値は、(株)RYOKA SYSTEM社製の「マイクロマップ」機を用いて測定できる。
本発明において、フィルム裏面にRa値1〜20nmの凹凸を有する面を形成する方法として、化学的エッチング、物理的エッチング、型押し、マット剤(いわゆる艶消し剤であり、所定サイズの有機、無機の微粒子)の塗布等の種々の形成方法を適用できる。さらにフィルム(支持体)の製造時にキャスティングドラム表面を意図的に粗面化して凹凸を形成する方法も採用できる。特に、低コスト及びマット剤の脱落等の防止という観点からは、支持体が高硬度な樹脂でない限り、支持体自体に凹凸を形成する方法を採用することが好ましい。さらに、フィルム裏面に透明導電層、アンチカール層等の機能層を形成する場合には、蒸着法では蒸着速度を上げる、蒸着源との距離を近づけるなどの方法により、また塗布法では乾燥速度を速くする、マット剤を添加する等の方法により、フィルム裏面に凹凸を形成できる。
化学的エッチング方法を用いる場合、溶剤による溶解、酸・アルカリによる加水分解、オゾンなどによる酸化でフィルム裏面に凹凸を形成できる。また、物理的エッチング方法を用いる場合、研磨剤による研磨、イオンビーム、プラズマ、コロナ放電などによるエッチングや火炎処理でフィルム裏面に凹凸を形成できる。好ましくは、コロナ放電、イオンビーム及び火炎処理からなる群から選ばれる少なくとも一種の処理方法である。これらの凹凸の形成方法は、単独で行ってもよいし、複数の方法を組み合わせて用いてもよい。
フィルム裏面に凹凸を形成する場合、少なくともフィルム表面にガスバリア層を形成した後から最初にフィルムが巻き取られるまでの間、あるいはガスバリア層を積層し終えるまでの間に形成することが好ましい。より好ましくは、ガスバリア層を支持体に積層する前に支持体の裏面に凹凸を形成する場合である。
マット剤を塗布してフィルム裏面に凹凸を形成する場合、使用されるマット剤の種類は無色の粒子であれば特に限定されず、有機、無機のいずれの微粒子も用いることができる。有機微粒子としては、例えば、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート等の一般的な熱可塑性樹脂や、本発明の支持体において好適に使用できる耐熱性熱可塑性樹脂の微粒子などを用いることができる。また有機の微粒子として、ベンゾグアナミン、ウレタン、フェノールなどの熱硬化性樹脂を用いることもできる。また、無機微粒子としては、例えば、シリカ、酸化チタン、タルク、炭酸カルシウムなどの無機粒子を用いることができる。
これらの粒子の中でも溶融製法の微粒子は、粒子に鋭利な凸部がないため、粒子による光の乱反射が少なく、またフィルム表面を傷つけることが少ないため好ましく用いることができる。
使用するマット剤は、耐熱性を有することが好ましく、例えば、Tg200℃以上の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、融点200℃以上の無機素材のマット剤を用いることができる。
使用するマット剤の粒子サイズは、大きすぎると光の乱反射が大きくなり、画像が鮮明でなくなるだけでなく、マット剤部分に応力が集中し、バリア層の破壊が起こる可能性がある。一方、粒子サイズが小さすぎると、マット剤の添加効果が低下してしまう場合がある。このような観点から、マット剤の平均粒子サイズは、球相当径で0.05〜3μmの範囲であることが好ましく、0.1〜1μmの範囲ものがさらに好ましい。
なお、ここにいう「球相当径」とは、マット剤の平均粒子サイズをそれと体積が等しい球に換算したときの球の直径を意味する。
使用するマット剤の形状は、鋭利な凸部がない粒子形状であることが好ましく、球形又はラグビーボール型のものが好ましく用いられる。
マット剤の支持体への塗布量は、粒子サイズによっても異なるが、平均粒子サイズが球相当径で1〜3μmのものでは1〜50mg/m2、好ましくは3〜40mg/m2、より好ましくは5〜30mg/m2、さらに好ましくは10〜25mg/m2、最も好ましくは10〜15mg/m2である。一方、平均粒子サイズが球相当径で1μm未満のものでは50〜150mg/m2、より好ましくは75〜125mg/m2であり、さらに好ましくは85〜100mg/m2である。平均粒子サイズが球相当径で1〜3μmのものを1〜50mg/m2塗布すれば、高透明性を維持したまま支持体間の密着を防止できるため好ましい。また平均粒子サイズが球相当径で1μm未満のものを50〜150mg/m2塗布すれば、高透明性を維持したまま支持体間の密着を防止できるため好ましい。
使用するマット剤の屈折率は、周囲のバインダーと近い屈折率を有することが好ましく、バインダーとの屈折率差が0.1以下、好ましくは0.05以下、最も好ましくは0.005以下であることが望ましい。この観点から、使用するマット剤は、バインダーと同じ材質からなる粒子を用いることが好ましい。なお、バインダーの耐熱温度は200℃以上であることが好ましい。
マット剤の硬度は、低すぎると圧力で容易に変形し、フィルム表裏面の間の接着面積が増大し、接着強度が増大する可能性があり、また硬度が高すぎるとフィルム表面を傷つける可能性がある。このような観点から、マット剤の硬度はフィルム表面の硬度を超えないことが望ましく、100〜250N/mm2であることが好ましく、120〜200N/mm2であることがより好ましく、130〜170N/mm2であることがさらに好ましい。
マット剤の硬度は、同一材質で大粒子サイズのマット材や同一材質の板材を用いて、微小表面硬度計((株)フィッシャー・インスツルメンツ社製:フィッシャースコープH100VPーHCU)を用いて求められる。具体的には、ガラス基板上にマット剤をバインダーと共に分散した塗布液をできるだけ薄く塗布し、ダイヤモンド製の四角錐圧子(先端対面角度:136°)を使用し、押し込み深さが0.5μm以上、マット剤粒子サイズの10%を超えない範囲で、適当な試験荷重下での押し込み深さを測定し、除荷重時の荷重と変位の変化から求めることができる。また大粒子サイズのマット剤が得られない場合はAFMを用いて測定することもできる。
支持体にエンボス加工を施して凹凸を形成する場合、エンボスロールとバックアップロールとの間に支持体を挟み込むことにより、エンボス加工を施すことができる。エンボス加工の時期は、支持体の製造時に行っても、あるいは支持体製造とは別に行ってもよい。エンボスのパターンは、規則的なパターンでもランダムなパターンでもよいが、モアレの出にくさ、凹凸の目立ちにくさの観点からランダムなパターンであることが好ましい。
エンボス加工で用いるエンボス版の凹凸の周期(凹凸の平均間隔:RSm値)は、大きすぎると画像の滲み、ぼけを発生し、精細度が落ちる場合がある。一方、凹凸の周期が小さすぎると表面が白濁した状態になる場合がある。このような観点からエンボス版の凹凸の周期(RSm値)は、5〜50μmであることが好ましく、8〜30μmであることがさらに好ましく、10〜20μmであることが最も好ましい。またエンボス版の凹凸の算術平均粗さ(Ra値)は、10nm〜1μmであることが好ましく、20〜500nmであることがさらに好ましく、50〜300nmであることが最も好ましい。
エンボス版の凹凸の形成方法は、放電加工、レーザー加工、サンドブラスト等の既存の方法を用いることができ、凹凸のランダム性、凹凸の周期と大きさ、及び均一性の観点から放電加工が好ましく用いられる。
本発明のフィルム裏面の25℃50%RHの環境下における表面抵抗は、1〜1×1010Ω/□であることが好ましく、1〜1×108Ω/□であることがさらに好ましく、1〜1×106Ω/□であることが最も好ましい。フィルム裏面の表面抵抗が1×1010Ω/□以下であれば、フィルムのガスバリア層に傷を発生させることもなく、またマット剤の脱落による異物故障もない。
フィルム裏面の表面抵抗は、例えば、25℃50%RHに3時間以上調湿した後、KEITHLEY製の8009型、RESISTIVITY TEST FIXTUREとKEITHLEY製の6517A型とを用いて測定することができる。
次に、本発明のガスバリア性積層フィルムを構成する各構成部材について詳細に説明する。
<支持体>
本発明のフィルムの支持体材料は、耐熱性を有していれば熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂のいずれも用いることができる。好ましい支持体材料は、ガラス転移温度(Tg)200℃以上、好ましくはTg250〜600℃、より好ましくはTg300〜550℃の樹脂である。実質的にガラス転移温度が観測されない(例えば、400℃以下の測定範囲で)樹脂も本発明では好ましく使用できる。
上記樹脂は、Tgが高いか、あるいは実質的に無色透明であるものが好ましい。具体的には、ポリイミド樹脂(例えば、Kapton(商品名:DuPont製:400℃以上)、Upilex−R(商品名:宇部興産製:285℃)、Upilex−S(商品名:宇部興産製:400℃以上))、フッ素化ポリイミド樹脂(例えばFlupi―01(商品名:NTT製:335℃))、ポリアリレート樹脂(例えば、ビスフェノールAとイソフタル酸、テレフタル酸縮合物:210℃)、ポリエーテルイミド(例えばUltem(商品名:GEプラスチック製:215℃))、ポリエーテルスルホン(PES:220℃)、フルオレン環変性ポリカーボネート樹脂(BCF−PC:特開2000−227603号公報の実施例4の化合物:225℃)、脂環変性ポリカーボネート樹脂(IP−PC:特開2000−227603号公報の実施例−5の化合物:205℃)、アクリロイル樹脂(特開2002−80616号公報の実施例−1の化合物:300℃以上)などを好ましく用いることができる(括弧内の温度はTgを表わす)。
また、上記支持体で用いられるTg200℃以上の樹脂の特に好ましい例として一般式(1)で表されるスピロ構造を有するポリマー又は一般式(2)で表されるカルド構造を有する樹脂を挙げることができる。これらのポリマーは、高耐熱性、高弾性率かつ高い引張り破壊応力を有する化合物であり、さらには光学透明性、光学等方性にも優れ、製造プロセスにおいて種々の加熱操作が要求され、かつ屈曲させても破壊しにくい性能が要求される有機EL素子等のディスプレイ用基板材料として好適である。
Figure 2005289052
一般式(1)中、環αは、単環式又は多環式の環を表し、2つの環はスピロ結合によって結合されている。
Figure 2005289052
一般式(2)中、環β及び環γは、単環式又は多環式の環を表し、2つの環γはそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、環β上の1つの4級炭素に連結されている。
一般式(1)で表されるスピロ構造を有するポリマーの好ましい例として、下記一般式(3)で表されるスピロビインダン構造を繰り返し単位中に含むポリマー、下記一般式(4)で表されるスピロビクロマン構造を繰り返し単位中に含むポリマー、下記一般式(5)で表されるスピロビベンゾフラン構造を繰り返し単位中に含むポリマーを挙げることができる。
また、一般式(2)で表されるカルド構造を有する樹脂の好ましい例として、下記一般式(6)で表されるフルオレン構造を繰り返し単位中に含むポリマーを挙げることができる。
Figure 2005289052
一般式(3)中、R31、R32は、それぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、R33は置換基を表す。また、それぞれが連結して環を形成してもよい。m及びnは0〜3の整数を表す。好ましい置換基の例は、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基である。R31、R32のより好ましい例は水素原子、メチル基、フェニル基であり、R33のより好ましい例は塩素原子、臭素原子、メチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基又はフェニル基である。
Figure 2005289052
一般式(4)中、R41は水素原子又は置換基を表し、R42は置換基を表す。また、それぞれが連結して環を形成してもよい。m及びnは0〜3の整数を表す。好ましい置換基の例は、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基である。R41のより好ましい例は、水素原子、メチル基又はフェニル基であり、R42のより好ましい例は、塩素原子、臭素原子、メチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基又はフェニル基である。
Figure 2005289052
一般式(5)中、R51は水素原子又は置換基を表し、R52は置換基を表す。また、それぞれが連結して環を形成してもよい。m及びnは0〜3の整数を表す。好ましい置換基の例は、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基である。R51のより好ましい例は、水素原子、メチル基又はフェニル基であり、R52のより好ましい例は、塩素原子、臭素原子、メチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基又はフェニル基である。
Figure 2005289052
一般式(6)中、R61、R62はそれぞれ独立に置換基を表す。また、それぞれが連結して環を形成してもよい。j及びkは0〜4の整数を表す。好ましい置換基の例は、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基である。R61及びR62のより好ましい例は、塩素原子、臭素原子、メチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基又はフェニル基である。
一般式(3)〜(6)で表される構造を繰り返し単位中に含むポリマーは、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタンなど種々の結合方式で連結されたポリマーであってもよいが、一般式(3)〜(6)で表される構造を有するビスフェノール化合物から誘導されるポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタンが光学透明性の観点で好ましい。
以下に一般式(1)及び一般式(2)で表される構造を有するポリマーの好ましい具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2005289052
Figure 2005289052
Figure 2005289052
Figure 2005289052
Figure 2005289052
本発明の支持体で用いられる上記一般式(1)及び一般式(2)で表される構造を有するポリマーは、単独で用いてもよく、複数種混合して用いてもよい。また、ホモポリマーであってもよく、複数種構造を組み合わせたコポリマーであってもよい。コポリマーとする場合、一般式(1)又は(2)で表される構造を繰り返し単位中に含まない公知の繰り返し単位を本発明の効果を損ねない範囲で共重合してもよい。なお、ホモポリマーとして用いるよりもコポリマーとした方が溶解性、透明性の観点で改良される場合が多く、好ましく用いることができる。
本発明の支持体で用いられる一般式(1)及び一般式(2)で表される構造を有するポリマーの好ましい分子量は、重量平均分子量で10,000〜500,000、より好ましくは20,000〜300,000、特に好ましくは30,000〜200,000である。分子量が低すぎると、フィルム成形が難しくなったり、力学特性が低下したりする場合がある。一方、分子量が高すぎると、合成上分子量のコントロールが難しかったり、溶液の粘度が高すぎて取扱いが難しくなったりする場合がある。なお、分子量は対応する粘度を目安にすることもできる。
本発明において、支持体で用いられる樹脂は、Tg200℃以上であれば熱可塑性樹脂のほかに、耐溶剤性、耐熱性などに優れた硬化性樹脂(架橋樹脂)を用いることができる。硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂及び放射線硬化樹脂のいずれも用いることができ、それらは公知のものを特に制限なく用いることができる。熱硬化性樹脂の例としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フラン樹脂、ビスマレイミド樹脂、シアネート樹脂などが挙げられる。
その他、上記硬化性樹脂の架橋方法は、共有結合を形成する反応であれば特に制限なく用いることができ、ポリアルコール化合物とポリイソシアネート化合物とを用いて、ウレタン結合を形成するような室温で反応が進行する系も特に制限なく使用できる。但し、このような系は製膜前のポットライフが問題になる場合が多く、通常、製膜直前にポリイソシアネート化合物を添加するような2液混合型として用いられる。一方で1液型として用いる場合、架橋反応に携わる官能基を保護しておくことが有効であり、ブロックタイプ硬化剤として市販もされている。
市販されているブロックタイプ硬化剤として、三井武田ケミカル(株)製B−882N、日本ポリウレタン工業(株)製コロネート2513(以上ブロックポリイソシアネート)、三井サイテック(株)製サイメル303(メチル化メラミン樹脂)などが知られている。また、エポキシ樹脂の硬化剤として用いることのできるポリカルボン酸を保護した下記B−1のようなブロック化カルボン酸も知られている。
Figure 2005289052
放射線硬化樹脂としては、ラジカル硬化性樹脂とカチオン硬化性樹脂とに大別される。ラジカル硬化性樹脂の硬化性成分としては分子内に複数個のラジカル重合性基を有する化合物が用いられ、代表的な例として分子内に2〜6個のアクリル酸エステル基を有する多官能アクリレートモノマーと称される化合物やウレタンアクリレート、ポリエステルアリレート、エポキシアクリレートと称される分子内に複数個のアクリル酸エステル基を有する化合物が用いられる。
ラジカル硬化性樹脂の代表的な硬化方法として、電子線を照射する方法、紫外線を照射する方法が挙げられる。通常、紫外線を照射する方法においては紫外線照射によりラジカルを発生する重合開始剤を添加する。なお、加熱によりラジカルを発生する重合開始剤を添加すれば、熱硬化性樹脂として用いることもできる。
カチオン硬化性樹脂の硬化性成分としては、分子内に複数個のカチオン重合性基を有する化合物が用いられ、代表的な硬化方法として紫外線の照射により酸を発生する光酸発生剤を添加し、紫外線を照射して硬化する方法が挙げられる。カチオン重合性化合物の例としては、エポキシ基などの開環重合性基を含む化合物やビニルエーテル基を含む化合物を挙げることができる。
本発明の支持体で用いられる樹脂において、上述の熱硬化性樹脂又は放射線硬化樹脂のそれぞれの中から種類の異なる樹脂を選択して混合して用いてもよく、熱硬化性樹脂と放射線硬化樹脂とを併用してもよい。また、硬化性樹脂(架橋性樹脂)と架橋性基を有さないポリマーと混合して用いてもよい。
上記硬化性樹脂(架橋性樹脂)を混合した場合、支持体において耐溶剤性、耐熱性、光学特性及び強靭性が得られるため好ましい。また、支持体で用いられる樹脂には架橋性基を導入することも可能であり、ポリマー主鎖末端、ポリマー側鎖、ポリマー主鎖中のいずれの部位に架橋性基を有していてもよい。この場合、上記の汎用の架橋性樹脂を併用せずに基材を作製してもよい。
本発明のフィルムを液晶表示用途などで使用する場合、光学的均一性を達成するために、用いられる樹脂は非晶性ポリマーであることが好ましい。さらに、レタデーション(Re)及びその波長分散を制御する目的で、樹脂の固有複屈折の符号が異なる樹脂を組み合わせたり、波長分散の大きい(あるいは小さい)樹脂を組み合わせたりすることもできる。
本発明において、支持体は、レターデーション(Re)の制御を行ったり、ガス透過性や力学特性の改良を行ったりする目的で異種樹脂の積層等を好適に用いることができる。異種樹脂の好ましい組み合わせは、特に制限はなく、前述したいずれの樹脂も併用可能である。
本発明で用いられる支持体は、延伸されていてもよい。延伸により耐折強度など機械的強度が改善され、取扱性が向上する利点がある。特に延伸方向のオリエンテーションリリースストレス(ASTM D1504、以下「ORS」と略記する)が0.3〜3GPaであるものは機械的強度が改善されているため好ましい。ORSは、延伸フィルム又は延伸シートに内在する、延伸により生じた内部応力である。
延伸方法は、公知の方法を用いることができ、例えば樹脂のTgより10℃高い温度から、50℃高い温度の間の温度で、ロール一軸延伸法、テンター一軸延伸法、同時二軸延伸法、逐次二軸延伸法、インフレーション法により延伸できる。延伸倍率は1.1〜3.5倍であることが好ましい。
本発明で用いられる支持体の厚みは特に限定されないが、30〜700μmであることが好ましく、40〜400μmであることがより好ましく、50〜200μmであることがさらに好ましい。またヘイズ値(平行光透過率)は3%以下であることが好ましく、2%以下であることがより好ましく、1%以下であることがさらに好ましい。また、全光透過率は70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。
本発明で用いられる支持体には、必要により本発明の効果を損なわない範囲で、可塑剤、染顔料、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、無機微粒子、剥離促進剤、レベリング剤、無機層状珪酸塩化合物及び潤滑剤などの樹脂改質剤を添加してもよい。
<ガスバリア層>
次に本発明のガスバリア層として好ましく用いられる有機層と無機層を積層したガスバリア層の各構成部材について説明する。
(無機層)
本発明において無機層は、その種類及び製膜方法は特に限定されず、公知の無機層及びその製膜方法を適用することができる。無機層の製膜方法は、目的の薄膜を形成できる方法であれば、いかなる方法でもよいが、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法などが適しており、例えば、特許第3400324号明細書、特開2002−322561号公報、特開2002−361774号公報に記載の方法で製膜することができる。
無機層の構成成分は特に限定されないが、例えばSi、Al、In、Sn、Zn、Ti、Cu、Ce、Ta等の1種以上を含む酸化物又は窒化物又は酸化窒化物などを用いることができる。無機層の厚みに関しても特に限定されないが、厚すぎると曲げ応力によるクラックのおそれがあり、薄すぎると膜が島状に分布するため、いずれもガスバリア性が悪くなる傾向がある。したがって、無機層の1層当りの厚みは5〜1000nmの範囲であることが好ましく、10〜1000nmであることがさらに好ましく、10〜200nmであることが最も好ましい。
また、無機層を2層以上有する場合、各々が同じ組成でも別の組成でもあってもよく、特に制限はない。ガスバリア性と高透明性を両立させるためには、無機層の組成として珪素酸化物や珪素酸化窒化物を使うことが好ましい。珪素酸化物は、SiOxと表記され、例えば、無機物層としてSiOxを用いる場合、良好なガスバリア性と高い光線透過率を両立させるためには1.6<x<1.9であることが望ましい。珪素酸化窒化物はSiOxyと表記されるが、このxとyとの比率は密着性向上を重視する場合、酸素リッチの膜とし、1<x<2、0<y<1であることが好ましく、ガスバリア性向上を重視する場合、窒素リッチの膜とし、0<x<0.8、0.8<y<1.3であることが好ましい。
(有機層)
本発明のフィルムは、上記無機層のバリア性能を向上させるために、無機層と隣接する有機層を設ける。
なお、本明細書における「有機層」とは、無機層の欠陥を補償する機能を有する層(欠陥補償層)を意味し、ゾルゲル法により形成される無機酸化物層や有機無機ハイブリッド層も含まれる。また本明細書における有機層は、有機成分以外の成分、すなわち無機物や無機元素、金属元素を含有していてもよい。
本発明のフィルムにおいて、有機層は、アクリレート基、メタクリレート基などのビニル基を有するラジカル重合性モノマー、エポキシ基、オキセタニル基などの環状エーテル基を有するカチオン開環重合性モノマーを硬化させて形成させることが望ましい。これらのモノマーはその用途により単官能性であっても多官能性であってもよく、両者を混在させて用いてもよい。
本発明のフィルムにおいて、有機層は、さらに金属アルコキシドの加水分解、重縮合反応を併用して有機−無機ハイブリッド材料で形成してもよい。金属アルコキシドとしては、アルコキシシラン及び/又はアルコキシシラン以外の金属アルコキシドを使用する。アルコキシシラン以外の金属アルコキシドとしては、ジルコニウムアルコキシド、チタンアルコキシド、アルミニウムアルコキシド等が好ましい。また、必要に応じて有機層に公知の無機微粒子や層状ケイ酸塩等の無機フィラーを混合させてもよい。
有機層を形成させる方法としては、塗布による方法、真空成膜法等を挙げることができる。真空成膜法としては、特に制限はないが、蒸着、プラズマCVD等の成膜方法が好ましく、有機物質モノマーの成膜速度を制御しやすい抵抗加熱蒸着法がより好ましい。有機物質モノマーの架橋方法に関しては何らその制限はないが、活性エネルギー線照射による電子線や紫外線等による架橋が、真空槽内に容易に取り付けられる点や架橋反応による高分子量化が迅速である点で望ましい。
塗布方式で有機層を形成する場合、従来用いられる種々の塗布方法、例えば、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、ディップコート、カーテンフローコート、スプレーコート、バーコート等の方法を用いることができる。
本発明の有機物質モノマーの架橋における活性エネルギー線は、紫外線、X線、電子線、赤外線、マイクロ波等の照射することによりエネルギーを伝播し得る放射線であり、その種類とエネルギーは用途に応じて任意に選択できる。
上記モノマーのカチオン開環重合は、前記モノマーを含む組成物を塗布又は蒸着した後、熱重合開始剤を用いた場合、ヒーター等による接触加熱、赤外線やマイクロ波等の放射加熱により開始させることができる。光重合開始剤を用いた場合には、活性エネルギー線を照射して開始させることができる。また紫外線を照射する場合には、様々な光源を使用することができ、例えば、水銀アークランプ、キセノンアークランプ、蛍光ランプ、炭素アークランプ、タングステンーハロゲン輻射ランプ及び日光による照射光で硬化させることができる。
紫外線の照射強度は、少なくとも0.01J/cm2である。硬化を連続的に行う場合は、1〜20秒内に組成物を硬化できるように照射速度を設定することが好ましい。電子線により硬化させる場合には300eV以下のエネルギーの電子線で硬化させるが、1〜5Mradの照射量で瞬時に硬化させることも可能である。
本発明のフィルムにおいて、有機層の厚みは特に制限されないが、10〜5000nmであることが好ましく、10〜2000nmであることがさらに好ましく、10〜500nmであることが最も好ましい。有機層の厚みが10nm以上あれば、均一な厚みの製膜が可能であり、無機層の構造欠陥を効率よく有機層で埋めることができ、ガスバリア性能を向上できる。一方、有機層の厚みが5000μm以下であれば、曲げ等の外力により有機層にクラックが発生し、バリア性が低下してしまう不具合もない。
本発明のフィルムにおいて、ガスバリア層は、少なくとも1組の無機層と有機層を交互に積層した構成を積層単位とし、支持体の少なくとも片面に形成される。ガスバリア層は、支持体の両面に形成されていてもよい。ガスバリア層は、前記積層単位に隣接してさらに1以上の無機層若しくは有機層(好ましくは有機層と無機層を交互に積層してなる3層以上の層)、又は1組以上の前記積層単位を繰り返し積層させてもよい。このような繰り返し単位を形成する場合、5単位以下、好ましくは2単位以下とすることがガスバリア性と製造効率等の観点から好ましい。また繰り返し単位を形成する場合は各々の無機層、各々の有機層は同じ組成であっても、異なる組成であってもよい。
<機能層>
本発明のフィルムは、前記ガスバリア層以外に以下の各種機能層を形成してもよい。以下、各構成層別に説明する。
(透明電極層)
本発明のフィルムに形成可能な透明導電層は、公知の金属膜、金属酸化物膜が適用できるが、中でも透明性、導電性、機械的特性の点から、金属酸化物膜を適用することが好ましい。例えば、不純物としてスズ、テルル、カドミウム、モリブデン、タングステン、フッ素等を添加した酸化インジウム、酸化カドミウム及び酸化スズ、不純物としてアルミニウムを添加した酸化亜鉛、酸化チタン等の金属酸化物膜が挙げられる。特に、酸化スズを2〜15質量%含有した酸化インジウム(ITO)の薄膜が、透明性、導電性の点で優れており、好ましく用いられる。透明導電層の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンビームスパッタリング法等の方法が挙げられる。また上述の金属及び/又は金属酸化物微粒子をバインダーと混合して塗布する方法も用いることができる。またフッ素系の界面活性剤やカチオン性界面活性剤、両性の界面活性剤をバインダーと共に塗布することもできる。
透明導電層の膜厚は、蒸着型の薄膜では15〜300nmであることが好ましい。15nm未満では不連続な膜となり導電性が不十分となる場合がある。一方、300nmを超えると、透明性が低下したり、耐屈曲性が悪くなったりする場合がある。また、塗布型の薄膜では、50〜1000nmであることが好ましい。50nm以下では不連続な膜となる可能性が高く、1000nmを超えると耐屈曲性が悪化する場合がある。
支持体裏面の透明導電層の形成位置は、支持体の裏面であればいずれの位置にあってもよいが、静電気除去能力を考慮すれば、裏面の最上層に形成することが好ましい。一方、支持体表面の透明導電層の形成位置は、最外層であれば基材側でもガスバリア層側に形成してもよいが、支持体に含まれる微量水分の浸入を防ぐ意味でガスバリア層側に形成することが好ましい。
(プライマー層)
本発明のフィルムは、支持体とガスバリア層との間に、公知のプライマー層又は無機薄膜層を形成できる。プライマー層としては、例えばアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等を用いることが可能であるが、本発明においてはこのプライマー層として有機−無機ハイブリッド層を、無機薄膜層としては、無機蒸着層又はゾル−ゲル法による緻密な無機コーティング薄膜が好ましい。無機蒸着層としては、シリカ、ジルコニア、アルミナ等の蒸着層が好ましい。無機蒸着層は真空蒸着法、スパッタリング法等により形成することができる。
(その他の機能層)
ガスバリア層上又は最外層には必要に応じ、それぞれ種々の公知である機能層を設置してもよい。該機能層の例としては、反射防止層・偏光層・カラーフィルター・紫外線吸収層・光取出効率向上層等の光学機能層や、ハードコート層・応力緩和層等の力学的機能層、帯電防止層・導電層などの電気的機能層、防曇層、防汚層、被印刷層などが挙げられる。
本発明のフィルムは、38℃、相対湿度90%における酸素透過率が0〜0.02ml/m2・day・atmであることが適当であり、0〜0.01ml/m2・day・atmであることが好ましく、0〜0.005ml/m2・day・atmであることさらに好ましい。38℃、相対湿度90%における酸素透過率が0.02ml/m2・day・atm以下であれば、例えば有機ELやLCDに用いた場合、酸素によるEL素子の劣化を実質的になくすことができるため好ましい。
また、本発明のフィルムは、38℃、相対湿度90%における水蒸気透過率は、0〜0.02g/m2・dayであることが適当であり、0〜0.01g/m2・dayであることが好ましく、0〜0.005g/m2・dayであることがさらに好ましい。
本発明のフィルムの酸素透過率及び水蒸気透過率は、例えば、MOCON法(酸素透過率:MOCON OX−TRAN 2/20L、水蒸気透過率:MOCON PERMATRAN−W3/31)により測定できる。
[ガスバリア性積層フィルムの製造方法]
本発明のフィルムの製造方法は、前記支持体にガスバリア層を積層する前、積層中又は積層後において、前記支持体のガスバリア層を積層した面とは反対側の面を、コロナ放電、イオンビーム及び火炎処理からなる群から選ばれる少なくとも一種の処理方法で処理することにより、前記処理面にRa値1〜20nmの凹凸を形成することを特徴とする。
処理方法におけるコロナ放電、イオンビーム、火炎処理における放電又は照射エネルギー、処理時間等は、各種の処理方法で用いられる条件を適宜選択して行うことができる。
フィルム裏面にRa値1〜20nmの凹凸を有する面を形成する時期は、支持体にガスバリア層を積層する前、ガスバリア層を積層する間、又はガスバリア層を積層した後のいずれの時期であってもよい。好ましくは、ガスバリア層を積層する前である。
本発明の製造方法において、フィルム裏面のRa値1〜20nmの凹凸は、前記支持体にガスバリア層を積層する前、積層中又は積層後に前記支持体のガスバリア層を積層した面とは反対側の面を、Ra値10nm〜1μm、RSm値20μm以下のエンボスロールで圧着することによっても形成することができる。
エンボスロールにより上記凹凸を形成する場合、エンボスロールとバックアップロールとの間に支持体を挟み込むことにより、エンボス加工を施すことが好ましい。エンボスロールによる圧着時期は、ガスバリア層を積層する前の支持体の製造時に行っても、あるいはガスバリア層の積層中又は積層後に行ってもよい。
[画像表示素子]
本発明のフィルムの用途は特に限定されないが、光学特性と機械特性に優れるため、画像表示素子の透明電極用基板として好適に用いることができる。本明細書において「画像表示素子」とは、円偏光板・液晶表示素子、タッチパネル、有機EL素子などを意味する。
また、本発明のフィルムを用いて表示品質に優れたフラットパネルディスプレイを作製できる。フラットパネルディスプレイとしては液晶、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンス(EL)、蛍光表示管、発光ダイオードなどが挙げられ、これら以外にも従来ガラス基板が用いられてきたディスプレイ方式のガラス基板に代替する基板として用いることができる。さらに、本発明のフィルムは、太陽電池、タッチパネルなどの用途にも利用可能である。タッチパネルは、特開平5−127822号公報、特開2002−48913号公報等に記載のものに応用することができる。
<液晶表示素子>
反射型液晶表示装置は、下から順に、下基板、反射電極、下配向膜、液晶層、上配向膜、透明電極、上基板、λ/4板、そして偏光膜からなる。このうち本発明のフィルムは、光学特性の調節によりλ/4板、偏光膜用保護フィルムとして用いてもよいが、その耐熱性の観点から基板としての利用が好ましく、さらには透明性の観点から透明電極及び配向膜付上基板として使用することが好ましい。また、必要に応じてガスバリア層、TFTなどを設けることもできる。カラー表示の場合には、さらにカラーフィルター層を反射電極と下配向膜との間、又は上配向膜と透明電極との間に設けることが好ましい。
透過型液晶表示装置は、下から順に、バックライト、偏光板、λ/4板、下透明電極、下配向膜、液晶層、上配向膜、上透明電極、上基板、λ/4板、そして偏光膜からなる。このうち本発明のフィルムは、光学特性の調節によりλ/4板、偏光膜用保護フィルムとして用いてもよいが、その耐熱性の観点から基板としての利用が好ましく、透明電極及び配向膜付基板として使用することが好ましい。また、必要に応じてガスバリア層、TFTなどを設けることもできる。カラー表示の場合には、さらにカラーフィルター層を下透明電極と下配向膜との間、又は上配向膜と透明電極との間に設けることが好ましい。
液晶セルは特に限定されないが、TN(Twisted Nematic)、IPS(In-P1ane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crysta1)、AFLC(Anti-ferroelectric Liquid Crystal)、
OCB(Optica1ly Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)およぴ、HAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードが提案されている。また、上記表示モードを配向分割した表示モードも提案されている。本発明のフイルムは、いずれの表示モードの液晶表示装置においても有効である。また、透過型、反射型、半透過型のいずれの液晶表示装置においても有効である。
これらは特開平2−176625号公報、特公平7−69536号公報、MVA(SID97, Digest of tech. Papers(予稿集)28 (1997) 845頁)、SID99, Digest of tech. Papers (予稿集) 30 (1999) 206頁、特開平11−258605号公報、SURVAIVAL(月刊ディスプレイ、第6巻、第3号 (1999) 14頁)、PVA(Asia Display 98, Proc. of the-18th-Inter. Display res. Conf.(予稿集) (1998) 383頁)、Para−A(LCD/PDP International 99)、DDVA(SID98, Digest of tech. Papers (予稿集) 29 (1998) 838頁)、EOC(SID98, Digest of tech. Papers(予稿集) 29 (1998) 319頁)、PSHA(SID98, Digest of tech. Papers (予稿集) 29 (1998) 1081頁)、RFFMH(Asia Display 98, Proc. of the-18th-Inter. Display res. Conf. (予稿集) (1998) 375頁)、HMD(SID98, Digest of tech. Papers (予稿集) 29 (1998) 702頁)、特開平10−123478号公報、国際公開W098/48320号公報、特許第3022477号公報、及び国際公開WO00/65384号公報等に記載されている。
<タッチパネル>
タッチパネルは、特開平5-127822号公報、特開2002-48913号公報等に記載されたものに応用することができる。
<有機EL素子>
本発明のフィルムは、必要に応じてTFTを設けて透明電極付基板として有機EL表示用途に使用できる。有機EL表示素子としての具体的な層構成としては、陽極/発光層/透明陰極、陽極/発光層/電子輸送層/透明陰極、陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/透明陰極、陽極/正孔輸送層/発光層/透明陰極、陽極/発光層/電子輸送層/電子注入層/透明陰極、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/透明陰極等が挙げられる。
本発明のフィルムが使用できる有機EL素子は、前記陽極と前記陰極との間に直流(必要に応じて交流成分を含んでもよい)電圧(通常2〜40ボルト)、又は直流電流を印加することにより、発光を得ることができる。これら発光素子の駆動については、特開平2−148687号、特開平6−301355号、特開平5−29080号、特開平7−134558号、特開平8−234685号、特開平8−241047号等の各公報、米国特許第5828429号、同6023308号、日本特許第2784615号等の各明細書に記載の方法を利用することができる。
以下、実施例に基づき本発明のガスバリア性積層フィルムを詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下に実施例における特性値の測定方法を示す。
算術平均粗さ(Ra値)の測定
表面の算術平均粗さ(Ra)は、(株)RYOKA SYSTEM社製の「マイクロマップ」機を用いて測定した。
フィルム巻姿の評価
巻き取り後のロール端面部の平滑性を評価した。評価方法は、巻き取り開始部分の位置に対して最大ずれ量を計測し、その絶対値で評価した。
ガスバリア性の評価
巻芯近傍のサンプルの幅方向にほぼ中央部分をサンプリングし、38℃90%RHの環境下でMOCON法(MOCON PERMATRAN−W3/31)によりフィルムの水蒸気透過率を測定した。
フィルム表面の傷の評価
長さ方向、幅方向ともほぼ中央付近のサンプルをサンプリングし、傷の有無を点光源の照明下で目視評価して五段階に分類した。結果は傷のないもの(0)から傷が多数存在するもの(4)までの5段階で評価した。
透明度(平行光透過率)の測定
市販のヘイズメータを使用して通常の方法で平行光透過率を測定した。
[実施例1]
1.マット剤塗布液の調製及び塗布
ポリイミドワニス、マット剤及びN−メチルピロリドンを表1に示す分量(表1は質量部で表わされる)で混合し、樹脂を溶解しながらマット剤を分散した塗布液を調製した。得られた塗布液を、ポリイミドフィルム(ユーピレックス50S、宇部興産株式会社製)裏面にコロナ放電処理を行った後に、塗布量が15ml/m2、30ml/m2及び60ml/m2となるようにワイヤーバーを用いてそれぞれ塗布し、100℃で30分間乾燥した後、200℃で30分間乾燥し、さらに300℃で60分間乾燥して縮合を行った。
Figure 2005289052
2.塗布型有機バリア層(A)を含むガスバリア層の形成
ソアノールD2908(日本合成化学工業(株)製、エチレン−ビニルアルコール共重合体)8gを1−プロパノール118.8g及び水73.2gの混合溶媒に80℃で溶解した。この溶液の10.72gに2M(2N)塩酸を2.4ml加えて混合した。この溶液を攪拌しながらテトラエトキシシラン1gを滴下して30分間攪拌を続けた。次いで、得られた塗布液の塗布直前にpH調整剤としてジメチルベンジルアミンを添加し、この溶液をコロナ放電処理を行った支持体表面(マット剤を塗布した面と反対側の面)にワイヤバーで塗布した。その後、マイクロ波を全面に照射した後、120℃で乾燥することにより、支持体表面に膜厚約1μmの塗布型有機バリア層を形成した。
このフィルム上に、珪素蒸発量と酸素ガス導入量をコントロールしつつ、真空下で反応蒸着させ、厚み60nmの酸化珪素層(無機バリア層)を形成した。
以上の操作を3回繰り返し、6層構成のガスバリア層を有するガスバリア性積層フィルムを作製した。
3.フラッシュ蒸着法による有機バリア層(B)を含むガスバリア層の形成
50mlのテトラエチレングリコール・ジアクリレート、14.5mlのトリプロピレングリコールモノアクリレート、7.25mlのカプロラクトンアクリレート、10.15mlのアクリル酸、10.15mlのEZACURE(Sartomer社ベンゾフェノン混合物光重合開始剤)の混合物を、多分散の粒子サイズ分布を有する固体のN,N'−ビス(3−メチルフェニル)−N,N'−ジフェニルベンジジンの粒子36.25gと混合した。混合物をその後、20kHz超音波ティッシュ・ミンサー(tissue mincer)で約1時間撹拌して、固体粒子を粉砕して微細なサスペンションにした。混合物を約20体積%(すなわち36.25g)まで薄め、約45℃に加熱し撹拌した。混合物を内径2.0mmで長さ610mmの毛管を通して1.30mmのスプレーノズルにポンプで送り込み、そこで混合物を25kHzの超音波噴霧器で小滴に噴霧し、約340℃に維持された表面に落とした。フラッシュ蒸発チャンバ壁を約290℃に維持し、フラッシュ蒸発チャンバ壁上のモノマークライオ凝縮を防いだ。約13℃の冷却水で冷却したフィルム表面(マット剤を塗布した面と反対側の面)上に蒸気をクライオ凝縮させた後、UV硬化させ、厚み4μmのポリマー層を形成させた。フラッシュ蒸発を行う装置は特表2001−518530号公報に記載の装置を製作し実験に用いた。
上記の有機バリア層上に、アルミニウム蒸発量と酸素ガス導入量をコントロールしつつ、真空下で反応蒸着させ、厚み60nmの酸化アルミニウム層(無機バリア層)を形成させた。
以上の操作を3回繰り返し、6層構成のガスバリア層を有するガスバリア性積層フィルムを作製した。
上記フィルム2000mを線速50m/min、張力10kg/mの条件で巻き取り、巻き取り後の算術平均粗さ(Ra値)、巻姿、巻芯近傍の水蒸気透過率、長さ方向中央付近の傷、透明度(平行光透過率)をそれぞれ評価した。結果を表2に示す。
[比較例1]
表1の塗布液をマット剤を添加しなかったことを除いて同じ塗布液を塗布し、実施例1と同様の方法によりガスバリア性積層フィルムを作製した。
Figure 2005289052
表2より本発明のフィルムは、いずれも巻き取り時の巻姿が2cm未満であり、水蒸気透過率が0.005g/m2・day未満であり、傷も評価0〜2の範囲である。これに対し、比較例のフィルムは、巻取り時の巻姿が20cm以上であり、水蒸気透過率も8g/m2・dayを超え、かつ傷も評価3以上であった。
これより本発明のフィルムであれば、巻き取り時に支持体の裏面とガスバリア層との密着・剥離を有効に防止でき、ガスバリア層を傷つけることなく、優れたガスバリア性能が得られることが分かる。
[実施例2]
1.有機EL素子の作製
フィルム1aを真空チャンバ内に導入し、IXOターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタリングにより、厚さ0.2μmのIXO薄膜からなる透明電極を形成した。透明電極(IXO)より、アルミニウムのリ−ド線を結線し、積層構造体を形成した。透明電極の表面に、ポリエチレンジオキシチオフェン・ポリスチレンスルホン酸の水性分散液(BAYER社製、Baytron P:固形分1.3質量%)をスピンコートした後、150℃で2時間真空乾燥し、厚さ100nmのホール輸送性有機薄膜層を形成した。これを基板Xとした。
一方、厚さ188μmのポリエーテルスルホン(住友ベークライト(株)製スミライトFS−1300)からなる仮支持体の片面上に、下記組成を有する発光性有機薄膜層用塗布液をスピンコーターを用いて塗布し、室温で乾燥することにより、厚さ13nmの発光性有機薄膜層を仮支持体上に形成した。これを転写材料Yとした。
ポリビニルカルバゾール(Mw=63000、アルドリッチ社製) 40質量部
トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体(オルトメタル化錯体): 1質量部
ジクロロエタン: 3200質量部
基板Xの有機薄膜層の上面に転写材料Yの発光性有機薄膜層側を重ね、一対の熱ローラーを用い160℃、0.3MPa、0.05m/minで加熱・加圧し、仮支持体を引き剥がすことにより、基板Xの上面に発光性有機薄膜層を形成した。これを基板XYとした。
また、25mm角に裁断した厚さ50μmのポリイミドフィルム(UPILEX−50S、宇部興産製)片面上に、パターニングした蒸着用のマスク(発光面積が5mm×5mmとなるマスク)を設置し、約0.1mPaの減圧雰囲気中でAlを蒸着し、膜厚0.3μmの電極を形成した。Al23ターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタリングにより、Al23をAl層と同パターンで蒸着し、膜厚3nmとした。Al電極よりアルミニウムのリード線を結線し、積層構造体を形成した。得られた積層構造体の上に下記組成を有する電子輸送性有機薄膜層用塗布液をスピンコーター塗布機を用いて塗布し、80℃で2時間真空乾燥することにより、厚さ15nmの電子輸送性有機薄膜層をLiF上に形成した。これを基板Zとした。
ポリビニルブチラール2000L(Mw=2000、電気化学工業社製): 10質量部
1−ブタノール: 3500質量部
下記構造を有する電子輸送性化合物: 20質量部
Figure 2005289052
基板XYと基板Zを用い、電極同士が発光性有機薄膜層を挟んで対面するように重ね合せ、一対の熱ローラーを用い160℃、0.3MPa、0.05m/minで加熱・加圧し、貼り合せ、有機EL素子1を作製した。
また、比較用の有機EL素子として、基板Xの作製において、支持体としてフィルム7aを用いて有機EL素子2を作製した。
得られた有機EL素子1及び2にソースメジャーユニット2400型(東洋テクニカ(株)製)を用いて、直流電圧を印加し、発光させた。有機EL素子1及び2ともに良好に発光した。
有機EL素子1及び2を素子作製後25℃、相対湿度75%下に1ヶ月放置し、同様にして発光させてみたところ、有機EL素子1は同様に良好な発光が見られたものの、有機EL素子2においては、欠陥が増大していた。
これより本発明のフィルムを用いた有機EL素子であれば、多湿環境下で長期保存した場合であっても優れたガスバリア性を維持できることが分かる。
本発明のガスバリア性積層フィルムは、巻き取り時や搬送時における支持体の裏面とガスバリア層との密着・剥離を有効に防止でき、傷の少ないガスバリア層が得られるため、ガスバリア性能、導電性能の劣化の少ないガスバリア性積層フィルムとして、フラットパネルディスプレイなど各種の画像表示素子に適用することができる。

Claims (12)

  1. 支持体の少なくとも一方の面上にガスバリア層を積層してなるガスバリア性積層フィルムであって、前記支持体のガスバリア層が積層される面とは反対側の表面が、算術平均粗さ(Ra値)1〜20nmの凹凸を有する面であることを特徴とするガスバリア性積層フィルム。
  2. 前記ガスバリア層が有機層と無機層とを交互に積層した3層以上の層である請求項1に記載のガスバリア性積層フィルム。
  3. 前記支持体のガスバリア層が積層される面とは反対側の表面に、平均粒子サイズが球相当径で1μm未満のマット剤50〜150mg/m2、及び/又は平均粒子サイズが球相当径で1〜3μmのマット剤10〜25mg/m2を有する請求項1又は2に記載のガスバリア性積層フィルム。
  4. 前記マット剤の微小硬度が100〜250N/mm2である請求項3に記載のガスバリア性積層フィルム。
  5. 前記支持体のガスバリア層が積層される面とは反対側の表面が、コロナ放電、イオンビーム及び火炎処理からなる群から選ばれる少なくとも一種の処理方法により形成された凹凸を有する面である請求項1又は2に記載のガスバリア性積層フィルム。
  6. 前記支持体のガスバリア層が積層される面とは反対側の表面が、算術平均粗さ(Ra値)10nm〜1μm、平均長さ(RSm値)20μm以下のエンボスロールを圧着することにより形成された凹凸を有する面である請求項1又は2に記載のガスバリア性積層フィルム。
  7. 前記支持体のガスバリア層が積層される面とは反対側の25℃50%RHの環境下における表面抵抗が1〜1×1010Ω/□である請求項1〜6のいずれか一項に記載のガスバリア性積層フィルム。
  8. 前記支持体が、ガラス転移温度200℃以上であるポリマーからなる耐熱性支持体である請求項1〜7のいずれか一項に記載のガスバリア性積層フィルム。
  9. 前記支持体が、下記一般式(1)で表されるスピロ構造を有するポリマー又は下記一般式(2)で表されるカルド構造を有するポリマーからなるフィルムである請求項1〜8のいずれか一項に記載のガスバリア性積層フィルム。
    Figure 2005289052
    一般式(1)中、環αは、単環式又は多環式の環を表し、2つの環はスピロ結合によって結合されている。
    Figure 2005289052
    一般式(2)中、環β及び環γは、単環式又は多環式の環を表し、2つの環γはそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、環β上の1つの4級炭素に連結されている。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のガスバリア性積層フィルムを用いた画像表示素子。
  11. 耐熱性支持体の少なくとも一方の面上にガスバリア層を積層してなるガスバリア性積層フィルムの製造方法であって、前記支持体にガスバリア層を積層する前、積層中又は積層後に前記支持体のガスバリア層を積層した面とは反対側の面を、コロナ放電、電子線照射及び火炎処理からなる群から選ばれる少なくとも一種の処理方法で処理することにより、前記処理面に算術平均粗さ(Ra値)1〜20nmの凹凸を形成することを特徴とする前記製造方法。
  12. 耐熱性支持体の少なくとも一方の面上にガスバリア層を積層してなるガスバリア性積層フィルムの製造方法であって、前記支持体にガスバリア層を積層する前、積層中又は積層後に前記支持体のガスバリア層を積層した面とは反対側の面を、算術平均粗さ(Ra値)10nm〜1μm、平均長さ(RSm値)20μm以下のエンボスロールで圧着することにより、前記処理面にRa値1〜20nmの凹凸を形成することを特徴とする前記製造方法。
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