JP2005289052A - ガスバリア性積層フィルム及びその製造方法、並びに該フィルムを用いた画像表示素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 支持体の少なくとも一方の面上にガスバリア層を積層してなるガスバリア性積層フィルムにおいて、前記支持体のガスバリア層が積層される面とは反対側の表面のRa値を1〜20nmとする。
【選択図】 なし
Description
(1) 支持体の少なくとも一方の面上にガスバリア層を積層してなるガスバリア性積層フィルムであって、前記支持体のガスバリア層が積層された面とは反対側の表面が、Ra値1〜20nmの凹凸を有する面であることを特徴とするガスバリア性積層フィルム。
(2) 前記ガスバリア層が有機層と無機層とを交互に積層した少なくとも3層からなる(1)に記載のガスバリア性積層フィルム。
(3) 前記支持体のガスバリア層が積層された面と反対側の表面に、平均粒子サイズが球相当径で1μm未満のマット剤50〜150mg/m2、及び/又は平均粒子サイズが球相当径で1〜3μmのマット剤10〜25mg/m2を有する(1)又は(2)に記載のガスバリア性積層フィルム。
(4) 前記マット剤の微小硬度が100〜250N/mm2である(3)に記載のガスバリア性積層フィルム。
(5) 前記支持体のガスバリア層が積層された面とは反対側の表面が、コロナ放電、電子線照射及び火炎処理からなる群から選ばれる少なくとも一種の処理方法により形成された凹凸を有する面である(1)又は(2)に記載のガスバリア性積層フィルム。
(6) 前記支持体のガスバリア層が積層された面と反対側の面が、Ra値10nm〜1μm、RSm値20μm以下のエンボスロールを圧着することにより形成された凹凸を有する面である(1)又は(2)に記載のガスバリア性積層フィルム。
(7) 前記支持体のガスバリア層が積層された面と反対側の面の表面抵抗が1〜1×1010Ω/□である(1)〜(6)のいずれかに記載のガスバリア性積層フィルム。
(8) 前記支持体が、ガラス転移温度200℃以上であるポリマーからなる耐熱性支持体である(1)〜(7)のいずれかに記載のガスバリア性積層フィルム。
(9) 前記支持体が下記一般式(1)で表されるスピロ構造を有するポリマー又は下記一般式(2)で表されるカルド構造を有するポリマーからなるフィルムである請求項1〜8のいずれか一項に記載のガスバリア性積層フィルム。
(10) 耐熱性支持体の少なくとも一方の面上にガスバリア層を積層してなるガスバリア性積層フィルムの製造方法であって、前記支持体にガスバリア層を積層する前、積層中又は積層後に前記支持体のガスバリア層を積層した面とは反対側の面を、コロナ放電、イオンビーム及び火炎処理からなる群から選ばれる少なくとも一種の処理方法で処理することにより、前記処理面にRa値1〜20nmの凹凸を形成することを特徴とする前記製造方法。
(11) 耐熱性支持体の少なくとも一方の面上にガスバリア層を積層してなるガスバリア性積層フィルムの製造方法であって、前記支持体にガスバリア層を積層する前、積層中又は積層後に前記支持体のガスバリア層を積層した面とは反対側の面を、Ra値10nm〜1μm、RSm値20μm以下のエンボスロールで圧着することにより、前記処理面にRa値1〜20nmの凹凸を形成することを特徴とする前記製造方法。
また、本発明の画像表示素子であれば、優れたガスバリア性能を有する画像表示素子を提供でき、フラットパネルディスプレイなどに好適に用いることができる。
なお、本明細書において「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味として使用される。
本発明は、フィルム裏面の特性を調整することにより、製造工程におけるガスバリア性能の劣化を防止できるガスバリア性積層フィルム(以下「本発明のフィルム」という)である。
なお、本明細書において「支持体のガスバリア層が積層される面とは反対側の表面」とは、ガスバリア層が積層される側の支持体の表面とは反対側の支持体の表面を意味する。また、フィルムの両面にガスバリア層が積層される場合、前記「反対側の表面」は、フラットパネルディスプレイを作製する際に、支持体の発光層、液晶層などの表示層が形成される面とは反対側の最表面、すなわち支持体にガスバリア層を積層して酸素、水などを遮断する側の表面とは反対側の最表面を意味する。
以下、本明細書において、便宜上、支持体のガスバリア層が積層される面とは反対側の表面を「裏面」と表現し、この裏面と反対側の表面を「表面」と表現する。
なお、フィルム裏面のRa値は、(株)RYOKA SYSTEM社製の「マイクロマップ」機を用いて測定できる。
これらの粒子の中でも溶融製法の微粒子は、粒子に鋭利な凸部がないため、粒子による光の乱反射が少なく、またフィルム表面を傷つけることが少ないため好ましく用いることができる。
なお、ここにいう「球相当径」とは、マット剤の平均粒子サイズをそれと体積が等しい球に換算したときの球の直径を意味する。
フィルム裏面の表面抵抗は、例えば、25℃50%RHに3時間以上調湿した後、KEITHLEY製の8009型、RESISTIVITY TEST FIXTUREとKEITHLEY製の6517A型とを用いて測定することができる。
<支持体>
本発明のフィルムの支持体材料は、耐熱性を有していれば熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂のいずれも用いることができる。好ましい支持体材料は、ガラス転移温度(Tg)200℃以上、好ましくはTg250〜600℃、より好ましくはTg300〜550℃の樹脂である。実質的にガラス転移温度が観測されない(例えば、400℃以下の測定範囲で)樹脂も本発明では好ましく使用できる。
また、一般式(2)で表されるカルド構造を有する樹脂の好ましい例として、下記一般式(6)で表されるフルオレン構造を繰り返し単位中に含むポリマーを挙げることができる。
次に本発明のガスバリア層として好ましく用いられる有機層と無機層を積層したガスバリア層の各構成部材について説明する。
本発明において無機層は、その種類及び製膜方法は特に限定されず、公知の無機層及びその製膜方法を適用することができる。無機層の製膜方法は、目的の薄膜を形成できる方法であれば、いかなる方法でもよいが、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法などが適しており、例えば、特許第3400324号明細書、特開2002−322561号公報、特開2002−361774号公報に記載の方法で製膜することができる。
本発明のフィルムは、上記無機層のバリア性能を向上させるために、無機層と隣接する有機層を設ける。
なお、本明細書における「有機層」とは、無機層の欠陥を補償する機能を有する層(欠陥補償層)を意味し、ゾルゲル法により形成される無機酸化物層や有機無機ハイブリッド層も含まれる。また本明細書における有機層は、有機成分以外の成分、すなわち無機物や無機元素、金属元素を含有していてもよい。
上記モノマーのカチオン開環重合は、前記モノマーを含む組成物を塗布又は蒸着した後、熱重合開始剤を用いた場合、ヒーター等による接触加熱、赤外線やマイクロ波等の放射加熱により開始させることができる。光重合開始剤を用いた場合には、活性エネルギー線を照射して開始させることができる。また紫外線を照射する場合には、様々な光源を使用することができ、例えば、水銀アークランプ、キセノンアークランプ、蛍光ランプ、炭素アークランプ、タングステンーハロゲン輻射ランプ及び日光による照射光で硬化させることができる。
本発明のフィルムは、前記ガスバリア層以外に以下の各種機能層を形成してもよい。以下、各構成層別に説明する。
本発明のフィルムに形成可能な透明導電層は、公知の金属膜、金属酸化物膜が適用できるが、中でも透明性、導電性、機械的特性の点から、金属酸化物膜を適用することが好ましい。例えば、不純物としてスズ、テルル、カドミウム、モリブデン、タングステン、フッ素等を添加した酸化インジウム、酸化カドミウム及び酸化スズ、不純物としてアルミニウムを添加した酸化亜鉛、酸化チタン等の金属酸化物膜が挙げられる。特に、酸化スズを2〜15質量%含有した酸化インジウム(ITO)の薄膜が、透明性、導電性の点で優れており、好ましく用いられる。透明導電層の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンビームスパッタリング法等の方法が挙げられる。また上述の金属及び/又は金属酸化物微粒子をバインダーと混合して塗布する方法も用いることができる。またフッ素系の界面活性剤やカチオン性界面活性剤、両性の界面活性剤をバインダーと共に塗布することもできる。
本発明のフィルムは、支持体とガスバリア層との間に、公知のプライマー層又は無機薄膜層を形成できる。プライマー層としては、例えばアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等を用いることが可能であるが、本発明においてはこのプライマー層として有機−無機ハイブリッド層を、無機薄膜層としては、無機蒸着層又はゾル−ゲル法による緻密な無機コーティング薄膜が好ましい。無機蒸着層としては、シリカ、ジルコニア、アルミナ等の蒸着層が好ましい。無機蒸着層は真空蒸着法、スパッタリング法等により形成することができる。
ガスバリア層上又は最外層には必要に応じ、それぞれ種々の公知である機能層を設置してもよい。該機能層の例としては、反射防止層・偏光層・カラーフィルター・紫外線吸収層・光取出効率向上層等の光学機能層や、ハードコート層・応力緩和層等の力学的機能層、帯電防止層・導電層などの電気的機能層、防曇層、防汚層、被印刷層などが挙げられる。
本発明のフィルムの製造方法は、前記支持体にガスバリア層を積層する前、積層中又は積層後において、前記支持体のガスバリア層を積層した面とは反対側の面を、コロナ放電、イオンビーム及び火炎処理からなる群から選ばれる少なくとも一種の処理方法で処理することにより、前記処理面にRa値1〜20nmの凹凸を形成することを特徴とする。
エンボスロールにより上記凹凸を形成する場合、エンボスロールとバックアップロールとの間に支持体を挟み込むことにより、エンボス加工を施すことが好ましい。エンボスロールによる圧着時期は、ガスバリア層を積層する前の支持体の製造時に行っても、あるいはガスバリア層の積層中又は積層後に行ってもよい。
本発明のフィルムの用途は特に限定されないが、光学特性と機械特性に優れるため、画像表示素子の透明電極用基板として好適に用いることができる。本明細書において「画像表示素子」とは、円偏光板・液晶表示素子、タッチパネル、有機EL素子などを意味する。
反射型液晶表示装置は、下から順に、下基板、反射電極、下配向膜、液晶層、上配向膜、透明電極、上基板、λ/4板、そして偏光膜からなる。このうち本発明のフィルムは、光学特性の調節によりλ/4板、偏光膜用保護フィルムとして用いてもよいが、その耐熱性の観点から基板としての利用が好ましく、さらには透明性の観点から透明電極及び配向膜付上基板として使用することが好ましい。また、必要に応じてガスバリア層、TFTなどを設けることもできる。カラー表示の場合には、さらにカラーフィルター層を反射電極と下配向膜との間、又は上配向膜と透明電極との間に設けることが好ましい。
OCB(Optica1ly Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)およぴ、HAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードが提案されている。また、上記表示モードを配向分割した表示モードも提案されている。本発明のフイルムは、いずれの表示モードの液晶表示装置においても有効である。また、透過型、反射型、半透過型のいずれの液晶表示装置においても有効である。
タッチパネルは、特開平5-127822号公報、特開2002-48913号公報等に記載されたものに応用することができる。
本発明のフィルムは、必要に応じてTFTを設けて透明電極付基板として有機EL表示用途に使用できる。有機EL表示素子としての具体的な層構成としては、陽極/発光層/透明陰極、陽極/発光層/電子輸送層/透明陰極、陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/透明陰極、陽極/正孔輸送層/発光層/透明陰極、陽極/発光層/電子輸送層/電子注入層/透明陰極、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/透明陰極等が挙げられる。
算術平均粗さ(Ra値)の測定
表面の算術平均粗さ(Ra)は、(株)RYOKA SYSTEM社製の「マイクロマップ」機を用いて測定した。
巻き取り後のロール端面部の平滑性を評価した。評価方法は、巻き取り開始部分の位置に対して最大ずれ量を計測し、その絶対値で評価した。
巻芯近傍のサンプルの幅方向にほぼ中央部分をサンプリングし、38℃90%RHの環境下でMOCON法(MOCON PERMATRAN−W3/31)によりフィルムの水蒸気透過率を測定した。
長さ方向、幅方向ともほぼ中央付近のサンプルをサンプリングし、傷の有無を点光源の照明下で目視評価して五段階に分類した。結果は傷のないもの(0)から傷が多数存在するもの(4)までの5段階で評価した。
市販のヘイズメータを使用して通常の方法で平行光透過率を測定した。
1.マット剤塗布液の調製及び塗布
ポリイミドワニス、マット剤及びN−メチルピロリドンを表1に示す分量(表1は質量部で表わされる)で混合し、樹脂を溶解しながらマット剤を分散した塗布液を調製した。得られた塗布液を、ポリイミドフィルム(ユーピレックス50S、宇部興産株式会社製)裏面にコロナ放電処理を行った後に、塗布量が15ml/m2、30ml/m2及び60ml/m2となるようにワイヤーバーを用いてそれぞれ塗布し、100℃で30分間乾燥した後、200℃で30分間乾燥し、さらに300℃で60分間乾燥して縮合を行った。
ソアノールD2908(日本合成化学工業(株)製、エチレン−ビニルアルコール共重合体)8gを1−プロパノール118.8g及び水73.2gの混合溶媒に80℃で溶解した。この溶液の10.72gに2M(2N)塩酸を2.4ml加えて混合した。この溶液を攪拌しながらテトラエトキシシラン1gを滴下して30分間攪拌を続けた。次いで、得られた塗布液の塗布直前にpH調整剤としてジメチルベンジルアミンを添加し、この溶液をコロナ放電処理を行った支持体表面(マット剤を塗布した面と反対側の面)にワイヤバーで塗布した。その後、マイクロ波を全面に照射した後、120℃で乾燥することにより、支持体表面に膜厚約1μmの塗布型有機バリア層を形成した。
このフィルム上に、珪素蒸発量と酸素ガス導入量をコントロールしつつ、真空下で反応蒸着させ、厚み60nmの酸化珪素層(無機バリア層)を形成した。
以上の操作を3回繰り返し、6層構成のガスバリア層を有するガスバリア性積層フィルムを作製した。
50mlのテトラエチレングリコール・ジアクリレート、14.5mlのトリプロピレングリコールモノアクリレート、7.25mlのカプロラクトンアクリレート、10.15mlのアクリル酸、10.15mlのEZACURE(Sartomer社ベンゾフェノン混合物光重合開始剤)の混合物を、多分散の粒子サイズ分布を有する固体のN,N'−ビス(3−メチルフェニル)−N,N'−ジフェニルベンジジンの粒子36.25gと混合した。混合物をその後、20kHz超音波ティッシュ・ミンサー(tissue mincer)で約1時間撹拌して、固体粒子を粉砕して微細なサスペンションにした。混合物を約20体積%(すなわち36.25g)まで薄め、約45℃に加熱し撹拌した。混合物を内径2.0mmで長さ610mmの毛管を通して1.30mmのスプレーノズルにポンプで送り込み、そこで混合物を25kHzの超音波噴霧器で小滴に噴霧し、約340℃に維持された表面に落とした。フラッシュ蒸発チャンバ壁を約290℃に維持し、フラッシュ蒸発チャンバ壁上のモノマークライオ凝縮を防いだ。約13℃の冷却水で冷却したフィルム表面(マット剤を塗布した面と反対側の面)上に蒸気をクライオ凝縮させた後、UV硬化させ、厚み4μmのポリマー層を形成させた。フラッシュ蒸発を行う装置は特表2001−518530号公報に記載の装置を製作し実験に用いた。
上記の有機バリア層上に、アルミニウム蒸発量と酸素ガス導入量をコントロールしつつ、真空下で反応蒸着させ、厚み60nmの酸化アルミニウム層(無機バリア層)を形成させた。
以上の操作を3回繰り返し、6層構成のガスバリア層を有するガスバリア性積層フィルムを作製した。
表1の塗布液をマット剤を添加しなかったことを除いて同じ塗布液を塗布し、実施例1と同様の方法によりガスバリア性積層フィルムを作製した。
これより本発明のフィルムであれば、巻き取り時に支持体の裏面とガスバリア層との密着・剥離を有効に防止でき、ガスバリア層を傷つけることなく、優れたガスバリア性能が得られることが分かる。
1.有機EL素子の作製
フィルム1aを真空チャンバ内に導入し、IXOターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタリングにより、厚さ0.2μmのIXO薄膜からなる透明電極を形成した。透明電極(IXO)より、アルミニウムのリ−ド線を結線し、積層構造体を形成した。透明電極の表面に、ポリエチレンジオキシチオフェン・ポリスチレンスルホン酸の水性分散液(BAYER社製、Baytron P:固形分1.3質量%)をスピンコートした後、150℃で2時間真空乾燥し、厚さ100nmのホール輸送性有機薄膜層を形成した。これを基板Xとした。
一方、厚さ188μmのポリエーテルスルホン(住友ベークライト(株)製スミライトFS−1300)からなる仮支持体の片面上に、下記組成を有する発光性有機薄膜層用塗布液をスピンコーターを用いて塗布し、室温で乾燥することにより、厚さ13nmの発光性有機薄膜層を仮支持体上に形成した。これを転写材料Yとした。
トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体(オルトメタル化錯体): 1質量部
ジクロロエタン: 3200質量部
また、25mm角に裁断した厚さ50μmのポリイミドフィルム(UPILEX−50S、宇部興産製)片面上に、パターニングした蒸着用のマスク(発光面積が5mm×5mmとなるマスク)を設置し、約0.1mPaの減圧雰囲気中でAlを蒸着し、膜厚0.3μmの電極を形成した。Al2O3ターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタリングにより、Al2O3をAl層と同パターンで蒸着し、膜厚3nmとした。Al電極よりアルミニウムのリード線を結線し、積層構造体を形成した。得られた積層構造体の上に下記組成を有する電子輸送性有機薄膜層用塗布液をスピンコーター塗布機を用いて塗布し、80℃で2時間真空乾燥することにより、厚さ15nmの電子輸送性有機薄膜層をLiF上に形成した。これを基板Zとした。
1−ブタノール: 3500質量部
下記構造を有する電子輸送性化合物: 20質量部
また、比較用の有機EL素子として、基板Xの作製において、支持体としてフィルム7aを用いて有機EL素子2を作製した。
得られた有機EL素子1及び2にソースメジャーユニット2400型(東洋テクニカ(株)製)を用いて、直流電圧を印加し、発光させた。有機EL素子1及び2ともに良好に発光した。
これより本発明のフィルムを用いた有機EL素子であれば、多湿環境下で長期保存した場合であっても優れたガスバリア性を維持できることが分かる。
Claims (12)
- 支持体の少なくとも一方の面上にガスバリア層を積層してなるガスバリア性積層フィルムであって、前記支持体のガスバリア層が積層される面とは反対側の表面が、算術平均粗さ(Ra値)1〜20nmの凹凸を有する面であることを特徴とするガスバリア性積層フィルム。
- 前記ガスバリア層が有機層と無機層とを交互に積層した3層以上の層である請求項1に記載のガスバリア性積層フィルム。
- 前記支持体のガスバリア層が積層される面とは反対側の表面に、平均粒子サイズが球相当径で1μm未満のマット剤50〜150mg/m2、及び/又は平均粒子サイズが球相当径で1〜3μmのマット剤10〜25mg/m2を有する請求項1又は2に記載のガスバリア性積層フィルム。
- 前記マット剤の微小硬度が100〜250N/mm2である請求項3に記載のガスバリア性積層フィルム。
- 前記支持体のガスバリア層が積層される面とは反対側の表面が、コロナ放電、イオンビーム及び火炎処理からなる群から選ばれる少なくとも一種の処理方法により形成された凹凸を有する面である請求項1又は2に記載のガスバリア性積層フィルム。
- 前記支持体のガスバリア層が積層される面とは反対側の表面が、算術平均粗さ(Ra値)10nm〜1μm、平均長さ(RSm値)20μm以下のエンボスロールを圧着することにより形成された凹凸を有する面である請求項1又は2に記載のガスバリア性積層フィルム。
- 前記支持体のガスバリア層が積層される面とは反対側の25℃50%RHの環境下における表面抵抗が1〜1×1010Ω/□である請求項1〜6のいずれか一項に記載のガスバリア性積層フィルム。
- 前記支持体が、ガラス転移温度200℃以上であるポリマーからなる耐熱性支持体である請求項1〜7のいずれか一項に記載のガスバリア性積層フィルム。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載のガスバリア性積層フィルムを用いた画像表示素子。
- 耐熱性支持体の少なくとも一方の面上にガスバリア層を積層してなるガスバリア性積層フィルムの製造方法であって、前記支持体にガスバリア層を積層する前、積層中又は積層後に前記支持体のガスバリア層を積層した面とは反対側の面を、コロナ放電、電子線照射及び火炎処理からなる群から選ばれる少なくとも一種の処理方法で処理することにより、前記処理面に算術平均粗さ(Ra値)1〜20nmの凹凸を形成することを特徴とする前記製造方法。
- 耐熱性支持体の少なくとも一方の面上にガスバリア層を積層してなるガスバリア性積層フィルムの製造方法であって、前記支持体にガスバリア層を積層する前、積層中又は積層後に前記支持体のガスバリア層を積層した面とは反対側の面を、算術平均粗さ(Ra値)10nm〜1μm、平均長さ(RSm値)20μm以下のエンボスロールで圧着することにより、前記処理面にRa値1〜20nmの凹凸を形成することを特徴とする前記製造方法。
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