JP2013088438A - 光学フィルム、その製造方法及び画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材フィルムの両面上に、活性線硬化型樹脂を含有する機能性層を有する光学フィルムであって、前記機能性層が、光学フィルムの長手方向に、不規則な形状の突起を有し、突起形状部分と非突起形状部分とが前記活性線硬化型樹脂と相容性の樹脂の連続相になっていることを特徴とする光学フィルム。
【選択図】なし
Description
さらに、本発明においては、前記機能性層における前記活性線硬化型樹脂に対し非相溶性である樹脂又は粒子の含有量が、機能性層の固形分に対し0.01質量%以下であることが好ましい。
本発明の光学フィルムは、基材フィルムの両面上(表裏二面上)に、活性線硬化型樹脂を含有する機能性層を有する光学フィルムであって、前記機能性層が、光学フィルムの長手方向に、不規則な形状の突起を有し、突起形状部分と非突起形状部分とが前記活性線硬化型樹脂と相容性の樹脂の連続相になっていることを特徴とする。一例として、図10に示すように、機能性層1の表面に現れる、幅も高さも異なる突起2が、不規則な形状の突起として挙げられる。なお、長手方向とは、光学フィルムの製造時、その組成物塗布液が流延された製膜方向をいう。
一方、「相溶性」とは、同種又は二種類以上の樹脂の溶融混合物の融解温度Tm又はガラス転移点Tgを測定・観察したときに、当該溶融混合物のピークが1個以下観察されるものをいう。
本発明に係る機能性層の表面の突起形状は、長さ方向に周期を持たない不規則な形状の突起をしている。本発明の「長さ方向に周期を持たない不規則な形状の突起」とは、表面凹凸がフィルムの幅手方向にも形や大きさが定まらない不規則な形状であり、表面転写ロールにより形成された表面凹凸のようなフィルムの長さ方向に周期を持たない形状の突起をさす。これらに限定はされないが、例えば、幅も高さも異なる突起が、不規則に配置される。また、「不規則な配置」とは、突起が等間隔に配置されているのではなく、ランダムな間隔で配置され、等方的であっても、異方的であってもよい。なお、突起は、基材フィルムと接していない機能性層の表面上に現れる。
本発明に係る機能性層は、活性線硬化樹脂を含有する。すなわち、紫外線や電子線のような活性線(活性エネルギー線ともいう。)照射により、架橋反応を経て硬化する樹脂を主たる成分とする層である。活性線硬化樹脂としては、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーを含む成分が好ましく用いられ、紫外線や電子線のような活性線を照射することによって硬化させて活性線硬化樹脂層が形成される。活性線硬化樹脂としては紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂等が代表的なものとして挙げられるが、紫外線照射によって硬化する樹脂が機械的膜強度(耐擦傷性、鉛筆硬度)に優れる点から好ましい。紫外線硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化型アクリレート系樹脂、紫外線硬化型ウレタンアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、又は紫外線硬化型エポキシ樹脂等が好ましく用いられる。中でも紫外線硬化型アクリレート系樹脂が好ましい。
式中、Mwは親水基の分子量、Moは親油基の分子量を表し、Mw+Mo=M(化合物の分子量)である。あるいはグリフィン法によれば、HLB値=20×親水部の式量の総和/分子量(J.Soc.Cosmetic Chem.,5(1954),294)等が挙げられる。HLB値が3〜18の化合物の具体的化合物を下記に挙げるが、本発明はこれに限定されるものでない。( )内はHLB値を示す。
(ヘイズ)
光学フィルムの内部散乱に起因するヘイズ(以後、内部ヘイズとも記載する)は、0〜1%であることが好ましい。内部散乱を良好に抑性することで、本発明に係る光学フィルムを画像表示装置に用いた場合、優れた視認性が得られる。内部ヘイズは以下の手順で測定することができる。光学フィルムの表面及び裏面にシリコーンオイルを数滴滴下し、厚さ1mmのガラス板(ミクロスライドガラス品番S 9111、MATSUNAMI製)2枚で、裏表より挟む。表裏をガラスで挟み込んだ光学フィルムを、完全に2枚のガラス板と光学的に密着させ、この状態でヘイズ(Ha)をJIS−K7105及びJIS K7136に準じて測定する。次に、ガラス板2枚の間にシリコーンオイルのみ数滴滴下して挟み込んでガラスヘイズ(Hb)を測定する。そして、光学フィルムをガラスで挟み込んだヘイズ(Ha)から、ガラスヘイズ(Hb)を引くことで、内部ヘイズ(Hi)は算出できる。また、光学フィルムのヘイズは0.2〜20%であることが好ましい。
本発明での光学フィルムは、硬度の指標で有る鉛筆硬度がH以上、より好ましくは3H以上である。3H以上であれば、大型の表示装置や、デジタルサイネージ用表示装置にし、用いた際も優れた機械物性を示す。鉛筆硬度は、作製した光学性フィルムを温度23℃、相対湿度55%の条件で2時間以上調湿した後、加重500g条件でJIS S 6006が規定する試験用鉛筆を用いて、機能性層をJIS K5400が規定する鉛筆硬度評価方法に従い測定した値である。
基材フィルムは製造が容易であること、機能性層と接着し易いこと、光学的に等方性であることが好ましい。
次に基材フィルムとして好ましいセルロースエステルフィルムについて、より詳細に説明する。
式(II): 0≦X≦2.5
中でも1.9≦X≦2.5、0.1≦Y≦0.9であることが好ましい。セルロースエステルの数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw)は、高速液体クロマトグラフィーを用い測定できる。測定条件は以下の通りである。
カラム:Shodex K806、K805、K803G
(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:25℃
試料濃度:0.1質量%
検出器:RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ:L6000(日立製作所(株)製)
流量:1.0ml/min
校正曲線:標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1000000〜500までの13サンプルによる校正曲線を使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いることが好ましい。
基材フィルムは、アクリル樹脂とセルロースエステル樹脂とを含有し、アクリル樹脂とセルロースエステル樹脂の含有質量比が、アクリル樹脂:セルロースエステル樹脂=95:5〜50:50であるフィルムを用いても良い。
基材フィルムは、脆性の改善に優れる点から、アクリル粒子を含有しても良い。アクリル粒子とは、前記熱可塑性アクリル樹脂及びセルロースエステル樹脂を相溶状態で含有する基材フィルム中に粒子の状態(非相溶状態ともいう)で存在するアクリル成分を表す。
本実施形態に係る基材フィルムには、取扱い性を向上させるため、例えば二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム等の無機微粒子や架橋高分子などのマット剤を含有させることが好ましい。中でも二酸化ケイ素がフィルムのヘイズを小さくできるので好ましく用いられる。
基材フィルムには、組成物の流動性や柔軟性を向上するために、可塑剤を併用することもできる。可塑剤としては、フタル酸エステル系、脂肪酸エステル系、トリメリット酸エステル系、リン酸エステル系、ポリエステル系、糖エステル系、アクリル系ポリマー等が挙げられる。この中では、ポリエステル系、糖エステル系及びアクリル系ポリマーの可塑剤が好ましく用いられる。ポリエステル系可塑剤は、フタル酸ジオクチルなどのフタル酸エステル系の可塑剤に比べて非移行性や耐抽出性に優れる。用途に応じてこれらの可塑剤を選択、あるいは併用することによって、広範囲の用途に適用できる。アクリル系ポリマーとしては、アクリル酸又はメタクリル酸アルキルエステルのホモポリマー又はコポリマーが好ましい。アクリル酸エステルのモノマーとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル(i−、n−)、アクリル酸ブチル(n−、i−、s−、t−)、アクリル酸ペンチル(n−、i−、s−)、アクリル酸ヘキシル(n−、i−)、アクリル酸ヘプチル(n−、i−)、アクリル酸オクチル(n−、i−)、アクリル酸ノニル(n−、i−)、アクリル酸ミリスチル(n−、i−)、アクリル酸(2−エチルヘキシル)、アクリル酸(ε−カプロラクトン)、アクリル酸(2−ヒドロキシエチル)、アクリル酸(2−ヒドロキシプロピル)、アクリル酸(3−ヒドロキシプロピル)、アクリル酸(4−ヒドロキシブチル)、アクリル酸(2−ヒドロキシブチル)、アクリル酸(2−メトキシエチル)、アクリル酸(2−エトキシエチル)等、又は上記アクリル酸エステルをメタクリル酸エステルに変えたものを挙げることができる。アクリル系ポリマーは上記モノマーのホモポリマー又はコポリマーであるが、アクリル酸メチルエステルモノマー単位が30質量%以上を有していることが好ましく、またメタクリル酸メチルエステルモノマー単位が40質量%以上有することが好ましい。特にアクリル酸メチル又はメタクリル酸メチルのホモポリマーが好ましい。
以下に一般式(1)で示される化合物をより具体的(化合物1−1〜化合物1−23)に示すが、これらに限定はされない。
基材フィルムは、その全光線透過率が90%以上であることが好ましく、より好ましくは93%以上である。また、現実的な上限としては、99%程度である。ヘイズ値は2%以下が好ましく、より好ましくは1.5%以下である。全光線透過率、ヘイズ値はJIS K7361及びJIS K7136に準じて測定することができる。
式(IIa): Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
(式中、nxは基材フィルム面内の遅相軸方向の屈折率、nyは基材フィルム面内で遅相軸に直交する方向の屈折率、nzは基材フィルムの厚さ方向の屈折率、dは基材フィルムの厚さ(nm)をそれぞれ表す。)
上記リターデーションは、例えばKOBRA−21ADH(王子計測機器(株))を用いて、23℃、55%RHの環境下で、波長が590nmで求めることができる。
次に、基材フィルムの製膜方法の例を説明するが、これに限定されるものではない。基材フィルムの製膜方法としては、インフレーション法、T−ダイ法、カレンダー法、切削法、流延法、エマルジョン法、ホットプレス法等の製造法が使用できる。
基材フィルムを溶液流延法で製造する場合のドープを形成するのに有用な有機溶媒は、アクリル樹脂、セルロースエステル樹脂などの樹脂、その他の添加剤を同時に溶解するものであれば制限なく用いることができる。例えば、塩素系有機溶媒としては、塩化メチレン、非塩素系有機溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、ギ酸エチル、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタン等を挙げることが出来、塩化メチレン、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトンを好ましく使用し得る。ドープには、上記有機溶媒の他に、1〜40質量%の炭素原子数1〜4の直鎖又は分岐鎖状の脂肪族アルコールを含有させることが好ましい。
基材フィルムは、溶液流延法によって製造することができる。溶液流延法では、樹脂及び添加剤を溶剤に溶解させてドープを調製する工程、ドープをベルト状若しくはドラム状の金属支持体上に流延する工程、流延したドープをウェブとして乾燥する工程、金属支持体から剥離する工程、延伸又は幅保持する工程、更に乾燥する工程、仕上がったフィルムを巻き取る工程により行われる。
なお、Mはウェブ又はフィルムを製造中又は製造後の任意の時点で採取した試料の質量で、NはMを115℃で1時間の加熱後の質量である。
延伸工程では、フィルムの長手方向(MD方向)、及び幅手方向(TD方向)に対して、逐次又は同時に延伸することができる。互いに直交する2軸方向の延伸倍率は、それぞれ最終的にはMD方向に1.0〜2.0倍、TD方向に1.05〜2.0倍の範囲とすることが好ましく、MD方向に1.0〜1.5倍、TD方向に1.05〜2.0倍の範囲で行うことが好ましい。例えば、複数のロールに周速差をつけ、その間でロール周速差を利用してMD方向に延伸する方法、ウェブの両端をクリップやピンで固定し、クリップやピンの間隔を進行方向に広げてMD方向に延伸する方法、同様に横方向に広げてTD方向に延伸する方法、あるいはMD/TD方向同時に広げてMD/TD両方向に延伸する方法などが挙げられる。
基材フィルムは、溶融製膜法によって製膜しても良い。溶融製膜法は、樹脂及び可塑剤などの添加剤を含む組成物を、流動性を示す温度まで加熱溶融し、その後、流動性のセルロースエステルを含む溶融物を流延することをいう。
本実施形態における基材フィルムの膜厚は、特に限定はされないが10〜250μmが用いられる。特に膜厚は10〜100μmであることが特に好ましい。更に好ましくは20〜60μmである。前記範囲とすることで、基材フィルムの取り扱い性に優れる。本発明に係る基材フィルムは、幅1〜4mのものが用いられる。特に幅1.4〜4mのものが好ましく用いられ、特に好ましくは1.6〜3mである。4mを超えると搬送が困難となる。
本発明の光学フィルムには、機能性層上にクリアハードコート層、反射防止層や透明導電性薄層等、その他の層を設けることができる。
クリアハードコート層を形成する成分としては、機能性層の説明で記載した成分を用いることができる。また、膜厚も機能性層で前述した範囲が好ましい。クリアハードコート層は機能性層上に塗布、乾燥、硬化、更に必要に応じて熱処理する方法で、形成することができる。クリアハードコート層は算術平均粗さRaが、10nm未満が好ましい。Raが2nmであれば、クリア性に優れる。
本発明に係る光学フィルムは、機能性上層に反射防止層を塗設して、外光反射防止機能を有する反射防止フィルムとして用いることができる。
機能性層/基材フィルム/機能性層/クリアハードコート層/高屈折率層/低屈折率層
機能性層/基材フィルム/機能性層/クリアハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
機能性層/基材フィルム/機能性層/低屈折率層
機能性層/基材フィルム/機能性層/高屈折率層/低屈折率層
機能性層/基材フィルム/機能性層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
低屈折率層/機能性層/基材フィルム/機能性層/低屈折率層
<低屈折率層>
低屈折率層は、シリカ系微粒子を含有することが好ましく、その屈折率は、23℃、波長550nm測定で、1.30〜1.45の範囲であることが好ましい。
前記一般式で表される有機珪素化合物は、式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン等が好ましく用いられる。
高屈折率層の屈折率は、23℃、波長550nm測定で、屈折率を1.4〜2.2の範囲に調整することが好ましい。また、高屈折率層の厚さは5nm〜1μmが好ましく、10nm〜0.2μmであることが更に好ましく、30nm〜0.1μmであることが最も好ましい。屈折率を調整する手段は、金属酸化物微粒子等を添加することで達成できる。金属酸化また、用いる金属酸化物微粒子の屈折率は1.80〜2.60であるものが好ましく、1.85〜2.50であるものが更に好ましい。
本発明の光学フィルムには、機能性層の少なくとも一方の面に酸化錫又は酸化インジウム錫等の金属酸化物を主成分とした導電性膜が設けられて使用されることに適している。設けられる導電性膜は、一般的に広く知られた透明導電性材料を用いることができる。具体的には、前記した金属酸化物以外では、金、銀、パラジウム等の化合物を導電性物質として用いることができる。これら導電性物質を、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、溶液塗布法等により、機能性膜上に薄膜として形成する。また、前記π共役系導電性ポリマーである有機導電性材料を用いて、導電性薄膜を形成することも可能である。特に、透明性、導電性に優れ、比較的低コストのため、前記導電性物質の中でも酸化インジウム、酸化錫又は酸化インジウム錫のいずれかを主成分とした導電性材料が好適に使用される。導電性薄膜の厚さは、適用する材料によっても異なるため一概には言えないが、表面抵抗率で1000Ω以下、好ましくは500Ω以下になるような厚さであって、経済性をも考慮すると、10nm以上、好ましくは20nm以上、80nm以下、好ましくは70nm以下の範囲が好適である。このような薄膜においては導電性膜の厚さムラに起因する可視光の干渉縞は発生しにくい。導電性薄膜は、非晶質であっても結晶質であっても良いが、導電性膜に電極パターンを設ける場合には、非晶質の方が加工適性の点から好ましい。
図6に導電性膜を形成する蒸着装置の一例を示す。蒸着装置の真空槽11sには、光学フィルム巻出部12sと光学フィルム巻取部51sの他に金属酸化物の膜を成膜するロール14sから成る巻取部、成膜ロール14s上を光学フィルム基材1sが搬送する成膜室と呼ばれる薄膜形成部がある。それらを真空環境下に真空ポンプ10sが設けられている。薄膜形成部には、蒸発材料(金属酸化物)18sとるつぼ17sから成る蒸発源があり、電子ビーム19sによって蒸発材料(金属酸化物)を加熱蒸発し、薄膜を形成することができる。電子ビーム19sは、電子銃16sで生成し、電子銃16sは、熱電子放出型などの一般的な電子銃を用いることができる。また、図6に図示した装置により薄膜の導電性膜を形成する場合は、蒸発材料18sをるつぼ17sに収め、真空室が適度な圧力になるまで真空ポンプ10sで真空排気する。更に、電子ビーム19sが照射できる圧力になった時点で、電子銃16sを動作させ、蒸発材料18sを蒸発するまで加熱する。次いで、成膜ロール14s上に光学フィルム1sを搬送させながら蒸発材料(金属酸化物)18sを蒸着させることで、薄膜導電性膜を形成することができる。
本発明の光学フィルムは、画像表示装置に使用することもできる。画像表示装置としては、反射型、透過型、半透過型液晶表示装置又は、TN型、STN型、OCB型、VA型、IPS型、ECB型等の各種駆動方式の液晶表示装置、有機EL表示装置やプラズマディスプレイ等が挙がられる。これら画像表示装置の中でもタッチパネルを含む画像表示装置のタッチパネル用部材に本発明の光学フィルムを用いた場合、高い視認性、及びペン入力に対する耐久性(摺動による傷等)に優れる点で好ましい。
<基材フィルム1の作製>
(二酸化珪素分散液の調製)
アエロジルR812(日本アエロジル(株)製、一次粒子の平均径7nm)
10質量部
エタノール 90質量部
以上をディゾルバーで30分間撹拌混合した後、マントンゴーリンで分散を行った。二酸化珪素分散液に88質量部のメチレンクロライドを撹拌しながら投入し、ディゾルバーで30分間撹拌混合し、二酸化珪素分散希釈液を作製した。微粒子分散希釈液濾過器(アドバンテック東洋(株):ポリプロピレンワインドカートリッジフィルターTCW−PPS−1N)で濾過した。
セルローストリアセテート 90質量部
(リンター綿から合成されたセルローストリアセテート、アセチル基置換度2.88、
Mn=140000)
ポリエステル系可塑剤(AP−15) 10質量部
チヌビン928(BASFジャパン(株)製) 2.5質量部
二酸化珪素分散希釈液 4質量部
メチレンクロライド 432質量部
エタノール 38質量部
以上を密閉容器に投入し、加熱し、撹拌しながら、完全に溶解し、安積濾紙(株)製の安積濾紙No.24を使用して濾過し、ドープ液を調製した。
上記作製した基材フィルム1(セルローストリアセテートフィルム)のA面(流延ベルトに接していない面)上に、下記の機能性層組成物1を孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルターで濾過したものを、図8に概略図を示した装置を用いて、減圧押出しコーターで基材フィルム1上に塗布し、恒率乾燥区間温度100℃、減率乾燥区間温度100℃で乾燥の後、酸素濃度が1.0体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら、紫外線ランプを用い照射部の照度が100mW/cm2で、照射量を0.3J/cm2として塗布層を硬化させ、ドライ膜厚6.5μmの機能性層1Aを形成した。
下記材料を攪拌、混合し機能性層組成物1とした。
ペンタエリスリトールトリ/テトラアクリレート(NKエステルA−TMM−3L、
新中村化学工業(株)製) 80質量部
(光重合開始剤)
イルガキュア184(BASFジャパン(株)製) 5質量部
(レベリング剤)
ポリエーテル変性シリコーン(信越化学社製、商品名:KF−352) 1.5質量部
(溶剤)
プロピレングリコールモノメチルエーテル 40質量部
酢酸メチル 35質量部
メチルエチルケトン 35質量部
なお、表1の記載において、多官能アクリレートであるペンタエリスリトールトリ/テトラアクリレートはPETAと示した。
光学フィルム1の作製において、機能性組成物1を下記機能性組成物2に変更し、減率乾燥区間温度を100℃に変更した以外は同様にして、両面に機能性層が設けられた光学フィルム2を作製した。
下記材料を攪拌、混合し機能性層組成物2とした。
トリメチロールプロパントリアクリレート(A−TMPT、新中村化学工業(株)製) 60質量部
4−ヒドロキシブチルアクリレート(4−HBA、大阪有機化学工業(株)製)
20質量部
(光重合開始剤)
イルガキュア184(BASFジャパン(株)製) 5質量部
(レベリング剤)
ポリエーテル変性シリコーン(信越化学社製、商品名:KF−352) 1.5質量部
(溶剤)
プロピレングリコールモノメチルエーテル 40質量部
酢酸メチル 35質量部
メチルエチルケトン 35質量部
<光学フィルム3の作製>
光学フィルム1の作製において、機能性層組成物1を下記機能性層組成物3に変更し、減率乾燥区間温度を100℃に変更した以外は同様にして、両面に機能性層が設けられた光学フィルム3を作製した。
下記材料を攪拌、混合し機能性層組成物3とした。
エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート(NKエステルATM−4E、新中村化学工業(株)製) 80質量部
(光重合開始剤)
イルガキュア184(BASFジャパン(株)製) 5質量部
(レベリング剤)
ポリエーテル変性シリコーン(信越化学社製、商品名:KF−352) 1.5質量部
(溶剤)
プロピレングリコールモノメチルエーテル 40質量部
酢酸メチル 35質量部
メチルエチルケトン 35質量部
<光学フィルム4の作製>
光学フィルム1の作製において、機能性層組成物1を下記機能性層組成物4に変更し、減率乾燥区間温度を135℃に変更した以外は同様にして、両面に機能性層が設けられた光学フィルム4を作製した。
下記材料を攪拌、混合し機能性層組成物4とした。
ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート(NKエステルA−DPH、新中村化学工業(株)製) 80質量部
(光重合開始剤)
イルガキュア184(BASFジャパン(株)製) 5質量部
(レベリング剤)
ポリエーテル変性シリコーン(信越化学社製、商品名:KF−352) 1.5質量部
(溶剤)
プロピレングリコールモノメチルエーテル 40質量部
酢酸メチル 35質量部
メチルエチルケトン 35質量部
なお、表1の記載において、多官能アクリレートであるジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレートはDPHAと示した。
光学フィルム1の作製において、機能性層組成物1を下記機能性層組成物5に変更し、減率乾燥区間温度を120℃に変更した以外は同様にして、両面に機能性層が設けられた光学フィルム5を作製した。
下記材料を攪拌、混合し機能性層組成物5とした。
ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート(DPHA)(NKエステルA−DPH、新中村化学工業(株)製) 30質量部
ペンタエリスリトールトリ/テトラアクリレート(PETA)(NKエステルA−TMM−3L、新中村化学工業(株)製) 50質量部
(光重合開始剤)
イルガキュア184(BASFジャパン(株)製) 5質量部
(レベリング剤)
ポリエーテル変性シリコーン(信越化学社製、商品名:KF−352) 1.5質量部
(溶剤)
プロピレングリコールモノメチルエーテル 40質量部
酢酸メチル 35質量部
メチルエチルケトン 35質量部
<光学フィルム6の作製>
光学フィルム1の作製において、機能性層組成物1を下記機能性層組成物6に変更し、減率乾燥区間温度を95℃に変更した以外は、同様にして、両面に機能性層が設けられた光学フィルム6を作製した。
下記材料を攪拌、混合し機能性層組成物6とした。
エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート(NKエステルATM−4E、新中村化学工業(株)製) 40質量部
4−ヒドロキシブチルアクリレート(4−HBA、大阪有機化学工業(株)製)
40質量部
(光重合開始剤)
イルガキュア184(BASFジャパン(株)製) 5質量部
(レベリング剤)
ポリエーテル変性シリコーン(信越化学社製、商品名:KF−352) 1.5質量部
(溶剤)
プロピレングリコールモノメチルエーテル 40質量部
酢酸メチル 35質量部
メチルエチルケトン 35質量部
<光学フィルム7の作製>
光学フィルム1の作製において、機能性層組成物1を下記機能性層組成物7に変更し、減率乾燥区間温度を135℃に変更した以外は同様にして、両面に機能性層が設けられた光学フィルム7を作製した。
下記材料を攪拌、混合し機能性層組成物7とした。
ウレタンプレポリマーとペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物
(UA−306H、共栄社化学(株)製) 80質量部
(光重合開始剤)
イルガキュア184(BASFジャパン(株)製) 5質量部
(レベリング剤)
ポリエーテル変性シリコーン(信越化学社製、商品名:KF−352) 1.5質量部
(溶剤)
プロピレングリコールモノメチルエーテル 40質量部
酢酸メチル 35質量部
メチルエチルケトン 35質量部
<光学フィルム8の作製>
光学フィルム1の作製において、機能性層組成物1を特開2008−225195号公報の実施例1を参考にして調整した機能性層組成物8に変更し、更に乾燥温度を特開2008−225195号公報の実施例1と同じ70℃とした以外は同様にして、両面に機能性層が設けられた光学性フィルム8を作製した。
下記材料を攪拌、混合し機能性層組成物8とした。
サイクロマーP(ACA)Z320(不飽和基含有アクリル樹脂混合物、ダイセル化学工業(株)製) 5.7質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA、ダイセル・サイテック(株)製) 6.3質量部
(添加剤:非相溶性樹脂)
ポリメタクリル酸メチル(重量平均分子量480000;三菱レイヨン(株)製、
BR88) 0.9質量部
(光重合開始剤)
イルガキュア184(BASFジャパン(株)製) 0.5質量部
(溶剤)
メチルエチルケトン(MEK) 0.1質量部
1−ブタノール 5.4質量部
1−メトキシ−2−プロパノール 1.89質量部
なお、表1の記載において、サイクロマーP(ACA)Z320をACA、ポリメタクリル酸メチルをMMAと示した。
光学フィルム1の作製において、機能性層組成物1を特開2007−58204号公報の実施例3を参考にして調整した機能性層組成物9に変更し、更に乾燥温度を特開2007−58204号公報の実施例3と同じ80℃に変更した以外は同様にして、両面に機能性層が設けられた光学フィルム9を作製した。
下記材料を攪拌、混合し機能性層組成物9とした。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA、ダイセル・サイテック(株)製) 92質量部
(添加剤:非相溶性樹脂)
メタアクリレート共重合ポリマー(サフトマーST3600,三菱化学株式会社)
15質量部
(光重合開始剤)
イルガキュア184(BASFジャパン(株)製) 4質量部
(溶剤)
エタノール 45質量部
トルエン 15質量部
なお、表1の記載において、メタアクリレート共重合ポリマーをACPと示した。
光学フィルム1の作製において、機能性層組成物1を特開2007−182519号公報の実施例5を参考にして調製した機能性層組成物10に変更し、更に乾燥温度を特開2007−182519号公報の実施例5と同じ80℃に変更した以外は同様にして、両面に機能性層が設けられた光学フィルム10を作製した。
(不飽和二重結合含有アクリル共重合体の調製)
イソボロニルメタクリレート187.2g、メチルメタクリレート2.8g、メタクリル酸10.0gからなる混合物を混合した。この混合物を、攪拌羽根、窒素導入管、冷却管及び滴下漏斗を備えた1000ml反応容器中の、窒素雰囲気下で110℃に加温したプロピレングリコールモノメチルエーテル360gにターシャリーブチルペルオキシ−2−エチルヘキサエート2.0gを含むプロピレングリコールモノメチルエーテルの80.0g溶液と同時に3時間かけて等速滴下し、その後、1時間、110℃で反応させた。
ペンタエリスリトールトリ/テトラアクリレート(SP値:12.7)
98.5質量部
不飽和結合含有アクリル共重合体(SP値:9.7、Mw=18000)
1.5質量部
(添加剤:粒子)
オルガノシリカゾル(MIBK−ST:シリカ粒子径20nm、シリカ濃度30%、日産化学工業株式会社製) 10質量部
(光重合開始剤)
イルガキュア907(BASFジャパン(株)製) 7質量部
(溶剤)
メチルイソブチルケトン 114質量部
なお、表1の記載において、不飽和結合含有アクリル共重合体はACOPと示した。
特開2006−53371号公報の実施例1を参考にして凹凸付きロールを作製した。この凹凸つきロールを図8における乾燥ゾーン5と、活性光線照射ランプユニット6との間で、機能性層表面に押し当てる工程を設けた以外は、図8と同様の装置を用いた。具体的には、基材フィルム1上に機能性層組成物11を塗布後、恒率乾燥区間温度60℃、減率乾燥区間温度60℃で乾燥後、特開2006−53371号公報の実施例1を参考にして、機能性層表面にロールの凹凸を押し当て、機能性層とロールを密着させた。
特開2010−241937号公報の製造例1を参考にフッ素処理したシリカ微粒子分散液を調整した。前記調整したシリカ微粒子分散液と反応性基含有樹脂とを撹拌して混合し、機能性層組成物12を調整した。次に、機能性層組成物12を用いて、乾燥温度を特開2010−241937号公報の実施例3と同じ70℃に変更した以外は光学フィルム1の作製と同様にして、両面に機能性層が設けられた光学フィルム12を得た。
(フッ素処理したシリカ微粒子分散液の調製)
シリカ微粒子SP−03F(扶桑化学(株)製、粒径0.2〜0.3μm)3.00gにKBM7103(信越化学(株)製、フルオロアルキルアルコキシシラン) 0.15g、MIBK 26.85gを混合した。この混合成分と粒径0.1mmのジルコニアビーズとを混ぜて、3時間分散したのち、ジルコニアビーズを取り除き、更に分散液を50℃で1時間加熱処理することで、フッ素処理したシリカ微粒子分散液を得た。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(NKエステルA−DPH、新中村化学工業(株)製) 30質量部
(光重合開始剤)
イルガキュア184 0.02質量部
(添加剤:粒子)
アクリロイル基を有するシリカ微粒子(シリカ微粒子30質量部、MIBK分散液、
粒径40nm) 66質量部
フッ素処理したシリカ微粒子分散液(シリカ微粒子濃度10.9%) 5.5質量部
(溶剤)
メチルイソブチルケトン 5質量部
《評価》
上記作製した機能性層組成物、及び光学フィルム1〜12について下記の評価を行った。また、得られた評価結果については表1に示した。
機能性層組成物1〜12について、各組成物の樹脂だけをディスパーにて撹拌混合して、25℃の条件にてB型粘度計を用いて粘度測定を行った。
a.算術平均粗さRaの測定
上記作製した光学フィルム1〜12の各機能性層について、光学干渉式表面粗さ計(RST/PLUS、WYKO社製)を用いて10回測定し、その測定結果の平均から各機能性層の算術平均粗さRaを求めた。
上記作製したロール状光学フィルム1〜12を、アルミ防湿シートに包み、長期輸送を想定して80℃相対湿度80%の恒温槽で25日保存した。25日間保存後、アルミ防湿シートを剥がしてブロッキング性を表面からの目視観察にて、以下の基準で評価した。
○:くっつき面積が2%未満、僅かにブロッキングが発生している
△:くっつき面積が2%以上〜10%未満、ブロッキングが発生しているものの、
実用上問題ないレベル
×:くっつき面積が10%以上〜40%未満、ブロッキングが発生、実用上
極めて問題となる
c.耐ペン摺動性評価
上記作製した光学フィルム1〜12を、各10cm×10cmサイズで切り出し、屋外での使用を想定してサイクルサーモ(−40℃・30分放置、次いで85℃・30分放置を交互)に500サイクル投入後、85℃相対湿度90%の恒温槽で500時間保存し、更に耐光試験機(アイスーパーUVテスター、岩崎電気株式会社製)にて、168時間光照射した。次いで、耐久性試験後の各光学フィルム1〜13を23℃・55%RHの雰囲気下で12時間調湿後、光学フィルムの機能性層を先端部が0.08mmφのポリアセタール製のペンを使用し、荷重250g、ペン摺動速度100mm/秒で直線40mmを15万回往復し、往復後の機能性層の傷つき及び剥れを目視により以下の基準で評価した。
○:傷の本数が1〜2本/cm幅で、かつ剥がれ無し
△:傷の本数が2本/cm幅以上で、かつ剥がれ無し(実用上問題の有るレベル)
×:傷が2本/cm幅以上つき、剥がれも有り
d.搬送傷耐性評価
上記作製した光学フィルム1〜12について、図8に示す装置でライン搬送だけを実施し、ライン搬送後の光学フィルムの状態を、反射型CCDを用いて観察して搬送傷を評価した。搬送傷の長さ5mm以上のものが10m2につき7本以下を○、1本以下が◎、8本以上を×とした。8本以上あると実用上問題となる。
実施例1の光学フィルム1の作製において、機能性層1A及び1Bの減率乾燥区間温度を表2に記載したように変更した以外は同様にして、光学フィルム13〜17を作製した。
(耐候性試験)
光学フィルム1、及び光学フィルム13〜17を、各10cm×10cmサイズで切り出し、屋外での使用を想定してオゾン10ppm、30℃、60%RHの環境下に100時間保管後、サイクルサーモ(−40℃・45分放置、次いで110℃・45分放置を交互)で500サイクル投入し、更に耐光試験機(アイスーパーUVテスター、岩崎電気株式会社製)にて、200時間光照射した。
○:剥離された面積割合が5%未満であった
△:剥離された面積割合が10%未満であった。実用上問題無いレベルである
×:剥離された面積割合が10%以上であった。実用上問題となるレベルである
実施例1の基材フィルム1のドープ組成物1の調整において、ポリエステル系可塑剤(AP−15)の添加量を5質量部に変更し、更に以下に合成したアクリル系ポリマー1を13質量部添加した以外は同様にしてドープ組成物2を調整した。次いで、基材フィルム1の作製において、テンターによるTD方向の延伸条件を表3に記載したように変更した以外は、同様にして基材フィルム2〜5を作製した。
メチルアクリレート 10質量部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 1質量部
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN) 1質量部
トルエン 30質量部
上記組成物を四つ口フラスコ(投入口、温度計、環流冷却管、窒素導入口、攪拌機を装着)に投入し、徐々に80℃まで昇温し、攪拌しながら5時間重合を行い、重合終了後ポリマー溶液を多量のメタノールに投入して沈殿させ、更にメタノールで洗浄し、精製して乾燥し重量平均分子量5,000(GPCにて測定)のアクリル系ポリマー1を得た。
Rth=((nx+ny)/2−nz)×dである。
(式中、nxは基材フィルム面内の遅相軸方向の屈折率、nyは基材フィルム面内で遅相軸に直交する方向の屈折率、nzは基材フィルムの厚さ方向の屈折率、dは基材フィルムの厚さ(nm)をそれぞれ表す。)
また、前記作製した光学フィルム18〜21及び光学フィルム16について、以下の方法導電性薄膜を形成し、導電性光学フィルム1〜5を作製した。
○:タッチパネルの色味変化が無い
Δ:タッチパネルの色味変化が多少観察される
×:タッチパネルの色味変化が大きい
<導電性光学フィルム6〜17の作製>
光学フィルム1〜12の機能性層1Aの片面のみに表面抵抗率が約400Ωである酸化インジウム錫(ITO)の透明導電性薄膜を、スパッタリング法を用いて設け、導電性光学フィルム6〜17を作製した。
市販の抵抗膜方式タッチパネル液晶表示装置(型名:LCD−USB10XB−T、I−O DATA社製)の導電性フィルムを剥がし、上記作製した各導電性光学フィルム6〜17を図5のように機能性層1Bが視認側となるように貼合して、抵抗膜方式タッチパネル液晶表示装置1〜12を作製し、以下項目について評価を行い、表4に結果を示した。
視認性評価(文字ボケ・ムラ)
(文字ボケ)
天井部に、昼色光直管蛍光灯(FLR40S・D/M−X パナソニック(株)製)40W×2本を1セットとして、1.5m間隔で10セット配置した室内で、抵抗膜方式タッチパネル液晶表示装置を様々な角度から観察し、文字ボケを以下の基準で評価した。
×:蛍光灯の写り込みが気にならないが、フォントの大きさ8以下の文字がボケ、読むのが困難である
(ムラ評価)
上記作製した各抵抗膜方式タッチパネル液晶表示装置を、60℃、90%RHの条件で1000時間放置した後、23℃、55%RHに戻した。様々な角度から観察し、以下の基準でムラを評価した。
T11 光学フィルム
T12 透明導電性薄膜
T13 ガラス基板
T14 ドット・スペーサ
T15 透明導電性薄膜
T16 カラー液晶表示パネル
T20 抵抗膜方式のタッチパネルを具備する画像表示装置
A 導電性光学フィルム
1A 機能性層
1B 機能性層
1C 基材フィルム
1D 透明導電性薄膜(ITO層)
1E 液晶セル
1F 偏光板
1G 反射板
DS ドット・スペーサ
1s 光学フィルム
10s 真空ポンプ
11s 真空槽
12s 光学フィルム巻出部
13s 搬送ロール
14s 導電膜成膜ロール
15s 搬送ロール
16s 電子銃
17s ルツボ
18s 蒸発材料
19s 電子ビーム
21s 直流電源
22s 放電電極
51s 光学フィルム巻取部
Y 長尺フィルム
1 繰り出しロール(図8)
2 搬送ローラー(図8)
3 押出しコータ
4 対向ロール
5 乾燥ゾーン
6 活性光線照射ランプユニット
6a 空冷活性光線ランプ
6b 空冷用Air通風口
6c N2用供給チャンバー
7 加熱ゾーン
8 巻き取り室
9 巻き取りロール
10 温風吹き出し口
12 移動可能な台車
15 巻き取りコア
1 機能性層(図10)
2 突起(図10)
Claims (10)
- 基材フィルムの両面上に、活性線硬化型樹脂を含有する機能性層を有する光学フィルムであって、前記機能性層が、光学フィルムの長手方向に、不規則な形状の突起を有し、突起形状部分と非突起形状部分とが前記活性線硬化型樹脂と相容性の樹脂の連続相になっていることを特徴とする光学フィルム。
- 前記機能性層の突起を有する表面の算術平均粗さRaが、2〜180nmの範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。
- 前記機能性層の突起を有する表面の算術平均粗さRaが、10〜130nmの範囲内にあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光学フィルム。
- 前記活性線硬化型樹脂の粘度が、25℃において、20〜2000mPa・sの範囲内にあることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の光学フィルム。
- 前記機能性層における前記活性線硬化型樹脂に対し非相溶性である樹脂又は粒子の含有量が、機能性層の固形分に対し0.01質量%以下であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の光学フィルム。
- 温度23℃・相対湿度55%RHの環境下、光波長590nmで、前記基材フィルムのリターデーション値を測定したとき、面内リターデーション値Roが0〜10nmの範囲内にあり、厚さ方向のリターデーション値Rthが−10〜10nmの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の光学フィルム。
- 前記基材フィルムが、セルロースエステルを含有する樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の光学フィルム。
- 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の光学フィルムを製造する光学フィルムの製造方法であって、活性線硬化型樹脂を含有する機能性層を、少なくとも塗布工程、乾燥工程及び硬化工程を経由して形成し、かつ前記乾燥工程における減率乾燥区間の温度を85〜140℃の範囲内に維持した条件下で処理することを特徴とする光学フィルムの製造方法。
- 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の光学フィルムが、具備されていることを特徴とする画像表示装置。
- 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の光学フィルムが、タッチパネルの構成部材として、具備されていることを特徴とする画像表示装置。
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