JP3313303B2 - 導電性フィルム - Google Patents

導電性フィルム

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JP3313303B2 JP11088697A JP11088697A JP3313303B2 JP 3313303 B2 JP3313303 B2 JP 3313303B2 JP 11088697 A JP11088697 A JP 11088697A JP 11088697 A JP11088697 A JP 11088697A JP 3313303 B2 JP3313303 B2 JP 3313303B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィルム液晶表示
装置に用いられる可とう性、エッチング性に優れた導電
性フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶用導電性フィルムとしては、特公昭
62−32101号公報、特公昭63−34018号公
報、特公平1−12666号公報等に記載のポリエステ
ル、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネート等の高
分子フィルム表面に酸化インジウム、酸化錫、あるいは
錫、インジウム合金の酸化膜等の半導体膜や金、銀、パ
ラジウムあるいはそれらの合金等の金属膜、半導体膜と
金属膜を組み合わせて形成されたもの等が知られてい
る。
【0003】しかしながら、プラスチック上に上記の透
明導電膜を形成する際、基板からのガスの影響や、結晶
化によりエッチングが難しい等の欠点があり、この為い
くつかの検討はされているが、確立、採用された技術は
未だ無い状況で有る。一例として酸に可溶な透明導電性
膜として特開平7−168196号公報では、In、Z
nから成る非晶質酸化物を一層を設けた導電性層が提案
されているが、余りにも可溶過ぎ、パタン加工ライン上
でのオーバエッチングが起こり、ロット間の安定性に欠
け、設計上も困難さを伴うという大きな問題があった。
又、比抵抗値としても5×10-4と高く、高精細パター
ンに求められる低抵抗にするためには膜厚が厚くなり可
とう性が少なくなるという問題があった。又、耐溶剤性
にも劣り、レジスト剥離剤や、セル化工程における洗浄
剤により表面抵抗値が上昇するという問題があった。
【0004】一方、ガスバリヤー層として、無機層を設
ける方法では、液晶用途以外では特公昭53−1295
3号公報、液晶用では特開昭50−142194号公報
等において、高分子フィルム上の少なくとも片面にSi
O2等を蒸着したもの、あるいは、高分子フィルム上に
塩化ビニリデン系ポリマーや特願昭59−207168
(特開昭61−86252号)公報記載のビニルアル
コール系ポリマーなど、更には、これらと無機層を併用
した特願昭59−201886号(特開昭61−796
45号)公報、特願昭59−201887号(特開昭6
1−79646号)公報等相対的にガスバリヤー性のあ
るポリマーのコーティン層を設けたものが知られてい
る。
【0005】しかし、液晶用途として使用するには、フ
ィルム液晶の最大の特徴である耐衝撃性が必要であり、
これは落下や外部押圧に対応するものである。一般的に
デュポン衝撃試験機(JIS−K−5400.6.13
B)に於いて、重り荷重100gで落下させ、落下距離
300mm以上の衝撃性を有する事が望ましいが、実際
は50mm程度と実用上の面より安心出来るレベルでは
無かった。
【0006】フィルム液晶の特徴である可とう性につい
ては、35mmΦのロールに巻き付けてもクラックが生
じない可とう性が必要であるが、特開昭55−1145
63号公報に記載されている加水分解による酸化物から
なる無機層を有すると一般的には膜厚は1μm程度と厚
くなるためクラックが生じ易くなると言う欠点が有り、
必ずしも無機バリヤーを設ければ良いと言った状況では
無かった。
【0007】以上の様に、フィルム液晶表示装置には、
ガスバリヤー性、透明導電性、耐衝撃性、可とう性を合
わせ持つ積層フィルムが不可欠な要素であり、更にパタ
ン加工性の歩留まりの点から重要である。しかし、これ
らの機能を有する各層をくみあわせて、加工性が良く、
透明導電性、ガスバリアー性を付与でき、液晶表示装置
材料として必要な耐久性のすべてが十分な透明導電性フ
ィルムは、いまだ工業的には生産されていない状況にあ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる現状
に鑑みなされたもので希酸に可溶な導電性を有し、ガス
バリヤー性、耐衝撃性、可とう性に優れた透明導電性を
有するフィルムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、高分子フィル
ムあるいはシートの少なくとも片側に有機層1、バリヤ
性を有する無機層、有機層2、希酸に対し容易に溶け、
InとZnの酸化物から成り、酸化物の組成Zn/In
+Znが0.15〜0.4の原子比の範囲である導電性
層1、耐溶剤性が高く、InとSnの酸化物から成り、
酸化物の組成In/In+Snが0.85〜0.93の
原子比であり、且つ膜厚が50〜300Åである導電性
層2を順次積層した導電性フィルムである。更に好まし
い態様は、有機層1及び有機層2が、融点50℃以上の
エポキシアクリレートプレポリマーあるいは融点50℃
以上のウレタンアクリレートプレポリマーの紫外線硬化
膜であり、0.3〜1.5μmの厚みであり、無機層の
全光線透過率が85%以上、30Hzの駆動周波数に於
ける表面抵抗率が1×1012Ω以上、酸素バリヤー性が
2cc/24hr・m2以下であり、35mmΦのロー
ルに巻き付けてもクラックが生じない可とう性を有する
導電性フィルムである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、例えば図1に示す様
に、高分子フィルムあるいはシート(以後フィルムとい
う)の少なくとも片側に有機層1、バリヤ性を有する無
機層、有機層2、希酸に対し容易に溶ける導電性層1、
耐溶剤性が高く比抵抗値の低い導電性層2を積層した、
耐衝撃性、可とう性、エッチング性に優れた積層フィル
ムであり、積層順としては上記の順が好ましい。また図
2に示す様に無機層を高分子フィルムを間にして導電性
層1とは反対側に位置するように形成するのも好まし
い。本発明に於ける高分子フィルムとは、ポリエステ
ル、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネート、ポリ
アリレート、ノルボルネン、紫外線硬化型樹脂、エポキ
シ樹脂に代表される熱硬化型樹脂等からなる全光線透過
率(JIS−K−7105.5.5)で80%以上の透
明性を有し、光学異方性が少ないフィルムであって、加
工性の点からは極力耐熱性があることが望ましい。この
意味から、223℃と最もTgが高いポリエーテルサル
ホンや紫外線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂がより好まし
い。又、厚みとしては、ガラスに対し軽い、割れない、
可とう性を有するために0.05〜0.5mmのもので
あり、必要に応じ複数のフィルムを屈折率を合わせた接
着剤等を介して積層した構成のものでも良い。尚、光学
異方性としては、出来るだけ0が望ましいが、リタゼー
ション値として15nm以下、角度依存性としては45
度で2倍以内が好ましい。これは、色差として2以下並
びに角度依存性に関しては色ずれ防止からの要求であ
る。
【0011】有機層1及び有機層2としては、融点50
℃以上のエポキシアクリレートプレポリマーあるいは融
点50℃以上のウレタンアクリレートプレポリマーの紫
外線硬化膜であり、液晶用途としての特性を満足出来れ
ば、熱的により安定な熱硬化型を用いても良い。しかし
ながら、生産性に優れた紫外線硬化型樹脂がより好まし
い。当然ながら、高分子フィルムや無機層との密着力は
不可欠であり、可とう性、耐薬品性が優れている事が必
要である。この目的のためには、通常行われているプラ
イマー層を設けても良い。有機層1及び2に用いられる
樹脂の融点が50℃未満であれば、無機層、導電層1、
2を形成する際に熱じわが発生するという問題が生じ
る。
【0012】ここで重要なのは、耐衝撃性保持の為、有
機層1及び有機層2の厚みを制限する必要がある。確か
に樹脂処方に依る処があるのは事実であるが、通常コー
ト樹脂の厚みとして用いられる2〜5μm程度の厚みを
塗布すると、本発明に述べた耐衝撃性試験を行うと一般
的に落下距離50mm程度でクラックが生じ易くなる為
である。従って液晶用途として実用上充分安定した領域
で使用するには落下距離として500mm以上が望まし
く、鋭意検討したところ有機層の厚みとして0.3〜
1.5μmの範囲であれば満足する事を見いだしたもの
である。これは、紫外線硬化型樹脂は硬化時に10〜2
0%程の硬化収縮が起こるため、潜在的な内部応力を持
っており、衝撃試験の様な局部的な外力が働くと一気に
クラックが入るためである。ここで有機層の厚みが0.
3μm未満では塗布ムラが生じ易くなり、1.5μmを
越えると密着力が低下しクラックが発生し易くなる。
【0013】有機層1及び有機層2を2.5μmに塗布
した際のベースフィルムとの密着力は200g/cmで
あるのに対し、0.5μm品では1000g/cmと5
倍まで向上できている。更に薄化する優位点として、液
晶用途では極力透明性を有することが望ましく、通常塗
布される最も薄い2μmに対しても、0.5μm低減す
る毎に0.5%の透過率の改善が認められ、この意味か
らも有効な手段になる。
【0014】無機層としては、全光線透過率85%以
上、表面抵抗率(JIS−K−6911)1×1012Ω
(10〜30Hz)以上、酸素バリヤー性として2cc
/24hr・m2以下を有し、35mmΦのロールに巻
き付けてもクラックが生じない可とう性を有するもので
あれば実用上問題ない。無機層としては、例えばSiO
x、SixNy、AlxOy等あるいはこれらの多層、
複合膜が考えられ、蒸着、スパッタリング、イオンプレ
ーティング、CVDに代表される気相成膜法や、金属ア
ルコキサイドを原料とした加水分解等による塗布法によ
り形成される。
【0015】全光線透過率としてはできるだけ高いこと
が望ましいが、高分子フィルム並びに導電性層の透過率
を考慮すれば実質上85%以上であれば使用可能とな
る。全光線透過率が85%未満であると透明性が不十分
となり本用途には使用出来ない。
【0016】液晶の駆動周波数である30Hzに於ける
表面抵抗率は1×1012Ω以上が必要である。これは、
無機層が有機層1をはさみ導電性層側に有る場合、通常
TN、STNモードで使用される液晶の抵抗率が1×1
10Ω程度であるため100倍以上の差を設ける必要が
有るからである。1×1012Ω以下であるとセルの消費
電流が著しく上昇し、セルの寿命の点から問題になるた
めである。このためには結晶光学的に理想に近いSiO
2、Si34、Al23が好ましい。又、セル寿命の上
からは、イオン性不純物は極力少ない方が望ましく通常
20ppm以下が望まれる。このためには材料の選定や
成膜中の不純物管理が重要になる。しかし、図2に示す
ように無機層が高分子フィルムをはさみ、導電性層1と
反対側にある場合は、上記項目は問題とならない。
【0017】酸素バリヤー性として、モコン法による測
定値で2cc/24hr・m2以下であることが重要で
ある。塩化ビニリデン系ポリマーやビニルアルコール系
ポリマーに代表される有機バリヤーに比べ、温湿度の変
化が無いことが最大の特徴であり、有機バリヤーの常温
常湿での2cc/24hr・m2の値以下であれば実用
上問題ない。又、必要に応じ本発明に記載した必要特性
を満足する範囲であれば、無機層と導電性層1の間の有
機層2を多層化し表面抵抗率特性を更に向上させても良
い。又、無機層の形成に先立ち該有機層1との密着力を
高めるために脱ガス処理、コロナ放電処理、火炎処理等
の表面処理やアクリル系エポキシ系等の公知のアンカー
コートが施されていてもよい。
【0018】導電性層1としては、In、Znから成
り、酸化物の組成はZn/In+Znが0.15〜0.
4の原子比の範囲であることが通常用いられるHCl濃
度15vol%をエッチング液とするパタン加工性に於
いてコントール可能で、且つ、導電性が良好な範囲であ
る。即ち、Zn/In+Znが0.15未満では比抵抗
が極端に上昇し、Znの効果が無くなりエッチング特性
が通常一般的に用いられるIn23、SnO2の酸化物
と差が無くなる。又、Zn/In+Znが0.4を越え
ると比抵抗が同様に上昇し、ZnO単独と同様にエッチ
ング性のコントロールが不可能になる。例えば原子比が
0.08になると最適組成である0.25の比抵抗5.
0×10-4Ω−cm(500Å)に対して1×10-2Ω
−cmとなり20倍以上の比抵抗になる。又、0.5で
は1×10-3Ω−cmとなり1.6倍以上の比抵抗にな
る。本発明において、導電層1の特性である「希酸に対
して容易に溶け」とは、HCl濃度15vol%をエッ
チング液とするパターン加工性において、40℃、40
秒のエッチング条件で残渣なくエッチング可能なことで
ある。
【0019】導電性層2としては、In23、SnO2
の酸化物から成るもので、最も比抵抗、透明性が良いた
めに通常広く用いられている。目的の抵抗値を得るため
に適宜製造条件を考慮して成膜される。酸化物の組成は
In/In+Snの原子比で0.85〜0.93であ
り、0.85未満あるいは0.93を越えると比抵抗が
増加するという問題がある。特に0.93を越えると耐
酸性が増しエッチング性が大幅に低下する。導電性層2
の厚みとしては50〜300Åが望ましい。300Åを
越えるとエッチング性が悪くパターン時に直線性が得ら
れない。又、50Å未満であると膜が不連続膜のため導
電層1の性質が出てしまい、エッチングコントロールが
不可能で、耐溶剤性が悪化し、セル化工程、例えばレジ
スト剥離、洗浄等で表面抵抗値が上昇する。本発明にお
いて、導電層2の特性である「耐溶剤性が高く」とは、
5%NaOH溶剤で、液温23℃中で60秒及び120
秒の処理をした場合、表面抵抗値が理論値の2倍未満で
あることを「耐溶剤性が高い」とする。
【0020】
【実施例】
《実施例1》高分子フィルムとして溶融押し出し法によ
り作製した厚み100μm、リタゼーション5nmのポ
リエーテルサルフォンフィルム(住友化学(株)製)を
用いた。高分子フィルム上に、分子量1540、融点7
0℃のエポキシアクリレートプレポリマー(昭和高分子
製、VR−60)100重量部、酢酸ブチル400重量
部、セロソルブアセテート100重量部、ベンゾインエ
チルエーテル2重量部を50℃にて攪拌、溶解して均一
な溶液としたものをグラビアロールコータで塗布し、8
0℃で10分間加熱して溶媒を除去し、80w/cmの
高圧水銀灯により15cmの距離で30秒間照射して樹
脂を硬化させ、0.5μm厚の有機層1を形成した。
【0021】次にこのフィルム上にDCマグネトロン法
により初期真空度3×10-4Paに引き、酸素/アルゴ
ンガス9%の混合ガスを導入、3×10-1Paの条件下
において無機層を成膜し500Å厚のSiO2を得た。
この無機膜の酸素バリヤー性はモコン法により測定した
ところ1.0cc/24hr・m2であり、30Hzの
周波数に於ける表面抵抗率(JIS−K−6911)を
測定したところ8.1×1012Ωであった。又、全光線
透過率(JIS−K−7105.5.5)は89%であ
った。更に35mmΦのロールに巻き付け、1000倍
の金属顕微鏡で観察したが、クラックは認められず可と
う性に優れたものであった。次に無機層の上に有機層1
と同様にして厚み0.5μm厚の有機層2を形成した。
【0022】導電性層1として、同じくDCマグネトロ
ン法により初期真空度3×10-4Paに引き、酸素/ア
ルゴンガス4%の混合ガスを導入し、1×10-1Paの
条件下において成膜し、Zn/In+Znの原子比が
0.20である導電性層1を得た。測定の結果、膜厚は
1000Å、比抵抗は5.5×10-4Ω−cmであっ
た。
【0023】次に、導電性層2として、導電性層1同じ
くDCマグネトロン法により初期真空度3×10-4Pa
に引き、酸素/アルゴンガス3%の混合ガスを導入、1
×10-1Paの条件下において成膜し、SnO2含有率
10wt%のIn23の複合酸化物(In/In+Sn
の原子比で0.91)200Åを得て導電性フィルムを
作製した。導電性層1、2の比抵抗は4.95×10-4
Ω−cm、全光線透過率83%であった。以上の条件で
得られた導電性フィルムにレジストを塗布し、プレベー
ク90℃×60分行い、露光し、アフターベーク90℃
×30分行い、現像液として5%NaOHを液温23℃
中で60秒の現像を行い、エッチング液としてHCl濃
度15vol%、液温40℃中でエッチングし、全面の
露光を行い、現像液として5%NaOHを液温23℃中
で120秒の全面の現像を行い、230μmピッチの回
路を作製した。ライン/スペースとしては、180/5
0μmである。エッチング時間は30秒で残査もなく良
好なストレートラインが得られた。
【0024】このパタンを作製したフィルムを用いて耐
衝撃性試験を行った。装置としてデュポン衝撃試験機
(JIS−K−5400.6.13B)に於いて、重り
荷重100gで落下させた処、落下距離900mmでよ
うやくクラックが認められ非常に良好であった。又、可
とう性試験として35mmΦのロールに巻き付け、10
00倍の金属顕微鏡で観察したが、前述の無機層だけと
同様にクラックは認められず、導電性層1、2の比抵抗
も変化しなかった。再度導電性層を全てエッチングし、
酸素バリヤーを確認したところ、0.8cc/24hr
・m2と変化は認められなかった。尚、各特性の評価は
同一条件で作製したもので行い、特に無機層、導電性層
1、2形成は同一装置で連続的に成膜した。
【0025】《実施例2》高分子フィルムとして溶融押
し出し法により作製した厚み250μm、リタゼーショ
ン5nmのポリエーテルサルフォンフィルム(住友化学
(株)製)を使用した以外は、実施例1と同様にして
0.5μm厚の有機層1を形成した。
【0026】次にこのフィルム上に実施例1と同様にし
て無機層を形成した。この無機膜の酸素バリヤー性はモ
コン法により測定したところ1.0cc/24hr・m
2であり、30Hzの周波数に於ける表面抵抗率(JI
S−K−6911)を測定したところ8.1×1012Ω
であった。又、全光線透過率(JIS−K−7105.
5.5)は90%であった。更に35mmΦのロールに
巻き付け、1000倍の金属顕微鏡で観察したが、クラ
ックは認められず可とう性に優れたものであった。次に
無機層の上に有機層1と同様にして厚み0.5μm厚の
有機層2を形成した。
【0027】導電性層1として、同じくDCマグネトロ
ン法により初期真空度3×10-4Paに引き、酸素/ア
ルゴンガス4%の混合ガスを導入し、1×10-1Paの
条件下において成膜し、Zn/In+Znの原子比が
0.35である導電性層1を得た。測定の結果、膜厚は
1000Å、比抵抗は6.0×10-4Ω−cmであっ
た。
【0028】次に、導電性層2として、導電性層1同じ
くDCマグネトロン法により初期真空度3×10-4Pa
に引き、酸素/アルゴンガス3%の混合ガスを導入、1
×10-1Paの条件下において成膜し、SnO2含有率
8wt%のIn23の複合酸化物(In/In+Snの
原子比で0.87)200Åを得て導電性フィルムを作
製した。導電性層1、2の比抵抗は5.15×10-4Ω
−cm、全光線透過率83%であった。以上の条件で得
られた導電性フィルムにレジストを塗布し、プレベーク
90℃×60分行い、露光し、アフターベーク90℃×
30分行い、現像液として5%NaOHを液温23℃中
で60秒の現像を行い、エッチング液としてHCl濃度
15vol%、液温40℃中でエッチングし、全面の露
光を行い、現像液として5%NaOHを液温23℃中で
120秒の全面の現像を行い、230μmピッチの回路
を作製した。ライン/スペースとしては、180/50
μmである。エッチング時間は40秒で残査もなく良好
なストレートラインが得られた。
【0029】このパタンを作製したフィルムを用いて耐
衝撃性試験を行った。装置としてデュポン衝撃試験機
(JIS−K−5400.6.13B)に於いて、重り
荷重100gで落下させた処、落下距離900mmでよ
うやくクラックが認められ非常に良好であった。又、可
とう性試験として35mmΦのロールに巻き付け、10
00倍の金属顕微鏡で観察したが、前述の無機層だけと
同様にクラックは認められず、導電性層1、2の比抵抗
も変化しなかった。再度導電性層を全てエッチングし、
酸素バリヤーを確認したところ、0.8cc/24hr
・m2と変化は認められなかった。尚、各特性の評価は
同一条件で作製したもので行い、特に無機層、導電性層
1、2形成は同一装置で連続的に成膜した。
【0030】《比較例1》導電性層1、2以外は実施例
1と同一フィルム、同一材料を用い、同一構成で形成し
た。導電性層1は実施例1と同様の組成とし厚み700
Åを成膜した。導電性層2については実施例1と同様の
組成とし、厚みは500Åとした。次に実施例1と同一
手法によりパタン化したフィルムを1000倍の金属顕
微鏡で観察した処、エッチング時間が3倍の150秒必
要であり、パタン残査も確認された。また、直線性も得
られなかった。
【0031】《比較例2》導電性層1、2以外は実施例
1と同一フィルム、同一材料を用い、同一構成で形成し
た。導電性層1は実施例1と同様の組成とし厚み120
0Åを成膜した。導電性層2については実施例1と同様
の組成とし、厚みは30Åとした。次に実施例1と同一
手法によりパタン化したフィルムを1000倍の金属顕
微鏡で観察した処、パタン設計値であるライン/スペー
スの180/50μmに対し、大幅にずれたオーバーエ
ッチングの仕上がりとなり、場所によっては断線する箇
所があるなどコントロールは全く困難な状況であった。
また、パターン後の表面抵抗値はバラツキが大きくな
り、絶対値も理論値の2倍以上となり、実用不可能なレ
ベルであった。
【0032】《比較例3》導電性層1、2以外は実施例
1と同一フィルム、同一材料を用い、同一構成で形成し
た。導電性層1については原材料であるターゲット材の
組成を換え、Zn/In+Znの原子比が0.5で厚み
1000Åとした。導電性層2については実施例1と同
様の組成とし、厚みは200Åとした。次に実施例1と
同一手法によりパタン化したフィルムを1000倍の金
属顕微鏡で観察した処、パタン残差は無く良好であった
が、パタン設計値であるライン/スペースの180/5
0μmに対し、140/90μmと大幅にずれたオーバ
ーエッチングの仕上がりとなった。又、場所による変動
が大きくコントロールは困難な状況であった。又導電性
層1、2の比抵抗は3.2×10-3Ω−cmと高く導電
膜としては満足出来るレベルではなかった。
【0033】《比較例4》導電性層1、2以外は実施例
1と同一フィルム、同一材料を用い、同一構成で形成し
た。導電性層1については原材料であるターゲット材の
組成を換えZn/In+Znの原子比が0.08で厚み
1000Åとした。導電性層2については実施例1と同
様の組成とし、厚みは200Åとした。実施例1と同一
手法によりパタン化したところエッチング時間が4倍の
120秒必要であり、また、フィルムを1000倍の金
属顕微鏡で観察した処パタン残差が認められた。
【0034】《比較例5》実施例1と同一フィルム、同
一材料を用い、有機層2まで同一構成で形成した。導電
性層として一層のみとし、厚みを1200Åに変更した
以外は実施例1と同様にして導電性層1を形成した。次
に実施例1と同一手法によりパタン化したフィルムを1
000倍の金属顕微鏡で観察した処、パタン設計値であ
るライン/スペースの180/50μmに対し、大幅に
ずれたオーバーエッチングの仕上がりとなり、場所によ
っては断線する箇所があるなどコントロールは全く困難
な状況であった。
【0035】
【発明の効果】本発明により、エッチング性が良好で耐
衝撃性に優れ、透明性、ガスバリヤー性、可とう性を満
足する透明導電性フィルムを提供することが可能となっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる積層フィルムの一部断面図を示
す。
【図2】本発明にかかる積層フィルムの一部断面図を示
し、無機層を導電性層1と反対側に形成した例を示す。
【符号の説明】
1:高分子フィルム 2:有機層1 3:無機層 4:有機層2 5:導電性層1 6:導電性層2
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01B 5/14 H01B 5/14 A (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 H01B 5/14

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子フィルムあるいはシートの少なく
    とも片側に有機層1、バリヤ性を有する無機層、有機層
    2、希酸に対し容易に溶け、InとZnの酸化物から成
    り、酸化物の組成Zn/In+Znが0.15〜0.4
    の原子比の範囲である導電性層1、耐溶剤性が高く、I
    nとSnの酸化物から成り、酸化物の組成In/In+
    Snが0.85〜0.93の原子比であり、且つ膜厚が
    50〜300Åである導電性層2を順次積層したことを
    特徴とする導電性フィルム。
  2. 【請求項2】 該有機層1及び有機層2が、融点50℃
    以上のエポキシアクリレートプレポリマーあるいは融点
    50℃以上のウレタンアクリレートプレポリマーの紫外
    線硬化膜であり、0.3〜1.5μmの厚みであること
    を特徴とする請求項1記載の導電性フィルム。
  3. 【請求項3】 該無機層の全光線透過率が85%以上、
    30Hzの駆動周波数に於ける表面抵抗率が1×1012
    Ω以上、酸素バリヤー性が2cc/24hr・m2以下
    であることを特徴とする請求項1または2記載の導電性
    フィルム。
  4. 【請求項4】 35mmΦのロールに巻き付けてもクラ
    ックが生じない可とう性を有することを特徴とする請求
    項1、2または3記載の導電性フィルム。
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