JP2004307811A - 表示素子用プラスチック基板 - Google Patents

表示素子用プラスチック基板 Download PDF

Info

Publication number
JP2004307811A
JP2004307811A JP2003406859A JP2003406859A JP2004307811A JP 2004307811 A JP2004307811 A JP 2004307811A JP 2003406859 A JP2003406859 A JP 2003406859A JP 2003406859 A JP2003406859 A JP 2003406859A JP 2004307811 A JP2004307811 A JP 2004307811A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
display element
resin
plastic substrate
inorganic filler
element according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003406859A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideo Umeda
英雄 楳田
Yutaka Matsuda
豊 松田
Junji Tanaka
順二 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority to JP2003406859A priority Critical patent/JP2004307811A/ja
Publication of JP2004307811A publication Critical patent/JP2004307811A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】アクティブマトリックスタイプの表示素子用に好適な表示素子用プラスチック基板、詳細には耐熱性、耐薬品性、耐バリア性に優れ、かつ、平均線膨張係数が低く、高温時の貯蔵弾性率が高く、アクティブマトリックス表示素子基板の製造工程で反りや変形、配線の亀裂が生じにくく、且つ,酸素透過率・水蒸気透過率に優れる表示素子用プラスチック基板を提供する。
【解決手段】経糸、緯糸に用いて織り合わせて得られる繊維布で、経糸、緯糸により形成される空隙の面積と全体の面積の比が、空隙の面積(mm)/全体の面積(mm)<0.10である開繊処理されたガラスクロスと、無機充填材を含有した樹脂組成物とから成る繊維布/樹脂硬化複合体であって、厚みが80〜1000μm、水蒸気透過率が1g
/m2/day以下であり、50〜200℃での平均線膨張係数が−5〜30ppmであるこ
とを特徴とする表示素子用プラスチック基板。

Description

本発明は、耐熱性、耐薬品性、水蒸気バリア性優れた、アクティブマトリックスタイプの液晶表示素子や有機EL表示素子等に好適な表示素子用プラスチック基板に関する。
近年、液晶表示素子は薄膜化、軽量化、大型化、任意の形状化、曲面表示対応などの高度な要求がある。特に、携帯機器については軽量化、高耐久性が強く要求され、これらの利用が拡大されるにつれて、従来のガラス基板に変わりプラスチックを基板とする液晶表示パネルが検討され、一部で実用化され始めた。しかし、カラー動画化に伴い高速応答性が要求され、アクティブマトリックスタイプの表示素子が主流になりつつあり、また例えば有機EL素子等のEL素子においても、素子寿命の点からアクティブマトリックスタイプが有利とされている。しかしながら、アクティブマトリックスタイプの表示素子基板には依然としてガラス基板が使われているのが現状である。アクティブマトリックスタイプの表示素子基板においても軽量化、高耐久性の強い要求からプラスチック化が望まれているが、従来のプラスチック表示素子用基板では、耐熱性が十分ではなく金属半導体や絶縁膜をCVD(Chemical Vapor Deposition)で形成する工程で反りや変形を起こす恐れが
あった。また、基板をなす樹脂層と電極との熱膨張率の差が大きいため、特に加工時に高い温度変化にさらされるアクティブマトリックスタイプの表示素子基板用途に於いては、透明電極に亀裂が生じ易く抵抗値の増大や、時には断線といった事態に陥ることもあり、その実用化にはまだ至っていない。熱膨張率の低いプラスチック基板を適用する試みとしては、特許文献1において、ガラスエポキシ積層板等の樹脂を含浸させた繊維布を含む積層板を反射型液晶表示基板に用いることが示されている。しかしながら、ここで例示されているガラスエポキシ積層板ではアクティブマトリックスタイプの表示素子基板に用いるには耐熱性が十分ではなく、加工時の温度等により反りや変形を起こすおそれがあった。また、液晶表示素子基板では、水蒸気バリア性が劣る基材を用いると水蒸気が浸透し、例えば液晶セル内の液晶を劣化させ、表示欠陥となって表示品位を劣化させてしまう。このような問題を解決するために特許文献1では、基板上に金属酸化物薄膜を形成してガスバリア性を向上することが行われている。しかしながら、ガスバリア層の付加形成は基板コストの大幅増加を招く原因ともなり、ベース基板自体にガスバリア性を付与することは、技術的・コスト的に見ても重要な要求技術となる。
特開平11−2812号公報
本発明は、 耐熱性、耐薬品性に優れ、平均線膨張係数が低く、かつ、高温時の貯蔵弾
性率が高く、アクティブマトリックスタイプの表示素子基板の製造工程で反りや変形、配線の亀裂が生じにくく 且つ、酸素バリア性、水蒸気バリア性に優れる表示素子用プラスチック基板を提供することである。
すなわち、本発明は、
(1) 経糸、緯糸に用いて織り合わせて得られる繊維布で、経糸、緯糸により形成される空隙の面積と全体の面積の比が、空隙の面積(mm)/全体の面積(mm)<0.10である開繊処理された繊維布と、無機充填材を含有した樹脂組成物を主原料として成る繊維布/樹脂硬化複合体であって、厚みが50〜1000μm、水蒸気透過率が1g
/m2/day以下であり、50〜200℃での平均線膨張係数が−5〜30ppmである表
示素子用プラスチック基板。
(2)250℃での貯蔵弾性率が3GPa以上である請求項1記載の表示素子用プラスチック基板。
(3) 前記樹脂組成物がシアネート樹脂及び無機充填材を含有することを特徴とする(1)、(2)の表示素子用プラスチック基板。
(4) 前記樹脂組成物がシアネート樹脂、エポキシ樹脂及び無機充填材を含有することを特徴とする(3)の表示素子用プラスチック基板。
(5) シアネート樹脂がノボラック型シアネート樹脂及び/又はそのプレポリマーであることを特徴とする(3)、(4)の表示素子用プラスチック基板。
(6) 無機充填材が平均粒径2μm以下の球状溶融シリカであることを特徴とする(1)〜(5)の表示素子用プラスチック基板。
(7) 無機充填材の含有量が、樹脂成分100重量部に対して10〜400重量部であることを特徴とする(1)〜(6)の表示素子用プラスチック基板。
(8) 表示素子用プラスチック基板がアクティブマトリックス表示素子用基板であることを特徴とする(1)〜(7)の表示素子用プラスチック基板。
本発明の表示素子用プラスチック基板は、耐熱性、耐薬品性に優れ、かつ、平均線膨張係数が低く、高温時の貯蔵弾性率が高く、さらに水蒸気バリア性が良好であるため、特にアクティブマトリックスタイプの表示素子基板に好適である。
本発明は、経糸、緯糸に用いて織り合わせて得られる繊維布で、経糸、緯糸により形成される空隙の面積と全体の面積の比が、空隙の面積(mm)/全体の面積(mm)<0.10である開繊処理された繊維布と、無機充填材を含有した樹脂組成物を主原料として成る繊維布/樹脂硬化複合体であって、厚みが50〜1000μm、水蒸気透過率が1g/m2/day以下であり、50〜200℃での平均線膨張係数が−5〜30ppmであるプラスチック基板が表示素子用プラスチック基板として好適であることを見出し、完成するに至った。
本発明で用いる繊維布は、経糸、緯糸により形成される空隙の面積と全体の面積の比が、空隙の面積(mm)/全体の面積(mm)<0.10であることが好ましく、さらに好ましくは0.05以下 さらにより好ましくは0.01以下である。0.15以上であると、酸素バリア性や水蒸気バリア性が低下し、液晶表示用プラスチック基板に用いる場合、液晶の劣化、有機EL用プラスチック基板に用いる場合、有機EL素子の劣化に悪影響を及ぼすことがある。
本発明において、繊維布としてはガラスクロスが好ましいが、この他、合成繊維、金属繊維、カーボン繊維、鉱物繊維等からなる繊維布類等を挙げることができる。ガラスクロスに用いる場合、ガラスの種類としては、Eガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Dガラス、NEガラス、Tガラス、石英ガラスなどがあげられ、中でも一般的に使用されているEガラスが好ましい。また、フィラメントの織り方に限定はなく、平織り、ななこ織り、朱子織り、綾織りなどが適用でき、中でも平織りが好ましい。また、ガラスクロスに使用されるガラス繊維ヤーンは、特殊なものを用いる必要はない。そのフィラメントの直径は3〜20μmであり、より好ましくは5〜9μmである。さらにガラスクロスの厚みは、通常、30〜200μmであるのが好ましく、より好ましくは40〜150μmである。ガラスクロスは1枚だけでもよく、複数枚を重ねて用いてもよい。本発明に用いられる繊維布は、樹脂成分との濡れ性を改善する目的で各種のシランカップリング剤、ボランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等の表面処理剤で処理されても良く、これに限定されるものではない。
本発明で用いられる繊維布を含有する繊維布/樹脂硬化複合体は、透過光を使用しない反射型液晶表示素子基板やトップエミッションタイプの有機EL素子基板に用いる場合には、透明性は要求されない。この繊維布/樹脂硬化複合体の厚みは、80〜1000μm、好ましくは100〜700μm、さらに好ましくは120〜400μmである。80μm未満では基板の剛性が維持できないおそれがあり、1000μmを超えると重量が大きくなりすぎるため、軽量化を目的とするプラスチック化のメリットが失われてしまうおそれがある。また、50〜200℃での平均熱線膨張係数は−5〜30ppm、好ましくは、−5〜25ppm、より好ましくは0〜20ppmの範囲である。平均線膨張係数が−5ppm未満または30ppmを超える場合には配線に用いられる金属の平均線膨張係数との差が大きくなるため、高温にさらされたとき断線を生じるおそれがある。また、250℃での貯蔵弾性率は3GPa以上で、好ましくは4GPa以上、より好ましくは5GPa以上である。250℃での貯蔵弾性率が3GPa未満であると基板の剛性が不足して、製造過程で反りや撓みなどの変形を生じるおそれがある。
本発明の繊維布/樹脂硬化複合体は、50〜200℃での平均線膨張係数が−5〜30ppmで、かつ、250℃での貯蔵弾性率が3GPa以上であるという特性を示すものであれば特に限定されないが、耐熱性の観点から使用する樹脂のTgは250℃以上であることが好ましい。具体的にはシアネート樹脂、ビスマレイミドを構成成分として含む熱硬化型のポリイミド樹脂、多官能エポキシ樹脂などを挙げることができる。なかでも、シアネート樹脂が特に好ましい。
本発明に用いるシアネート樹脂としては、ビスフェノールジシアネート、ジ(4−シアネート−3,5−ジメチルフェニル)メタン、4,4’−チオジフェニルシアネート、2,2’−ジ(4−シアネートフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビスフェノールEジシアネート、フェノール/ジシクロペンタジエン共重合体のシアネート、フェノールノボラック型シアネート樹脂、クレゾールノボラック型シアネート樹脂、及び/又はそのプレポリマーを用いることができる。中でも耐熱性が高く線膨張係数が低いことからノボラック型シアネート樹脂及び/又はそのプレポリマーが好ましい。ここでいうノボラック型シアネート樹脂とは任意のノボラック樹脂と、ハロゲン化シアン等のシアネート化試薬とを反応させることで得られるもので、またこの得られた樹脂を加熱することでプレポリマー化することが出来る。
本発明におけるノボラック型シアネート樹脂の数平均分子量は、250未満であると、架橋密度が小さく、耐熱性や線膨張係数に劣る場合があり、900を超えると、架橋密度が上がりすぎて反応が完結できない場合があるため、260〜900であることが望ましく、より好ましくは300〜600である。また、プレポリマーを用いる際には、上記数平均分子量のノボラック型シアネート樹脂をメチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン等の溶媒に可溶な範囲でプレポリマー化して用いることが望ましい。本発明で言うところの数平均分子量は、東ソー株式会社製HLC−8120GPC装置(使用カラム:SUPER H4000、SUPER H3000、SUPER H2000×2、溶離液:THF)を用いて、ポリスチレン換算のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した値である。
本発明の樹脂組成物は、シアネート樹脂に、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の他の熱硬化樹脂、フェノキシ樹脂、溶剤可溶性ポリイミド樹脂、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルスルホン等の一種類以上の熱可塑性樹脂を併用しても良い。特にエポキシ樹脂の併用は、耐薬品性を悪化させずに吸水率を低減できるので好ましい。併用するエポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有エポキシ樹脂、ナ
フタレン型エポキシ樹脂、アリールアルキレン型エポキシ樹脂などが挙げられ、特にジシクロペンタジエン骨格エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アリールアルキレン型エポキシ樹脂が好ましい。ここでアリールアルキレン型エポキシ樹脂とは、繰り返し単位中に1つ以上のアリールアルキレン基を有するエポキシ樹脂をいい、キシリレン型エポキシ樹脂やビフェニレンジメチル型エポキシ樹脂などが挙げられる。
併用するエポキシ樹脂の量はシアネート樹脂100重量部に対して10〜200重量部が好ましい。10重量部未満であると添加効果が発現されにくく、200重量部を超えるとシアネート樹脂の耐熱性が損なわれる場合がある。
本発明の樹脂組成物は、シアネート樹脂等の樹脂成分と共に無機充填材を併用することが好ましい。無機充填材はガスバリア性を向上させるだけでなく、弾性率を高め、線膨張係数を低下させ、吸水性を低下させるために配合されるものである。無機充填材としては、例えばタルク、アルミナ、ガラス、シリカ、マイカ等が挙げられる。これらの中でも溶融シリカが低熱膨張性に優れる点で好ましい。さらに溶融シリカの中でも平均粒径2μm以下の球状溶融シリカを用いることが充填性を向上させる点で好ましい。平均粒径が2μmを超えるとプリプレグ作製時のガラスクロスへの含浸性低下、樹脂組成物中の無機充填材が沈降する等の現象が起こり、望ましくない。また、平均粒径は粘度制御の点で0.2μm以上が好ましい。本発明で平均粒径は株式会社堀場製作所粒度分布測定装置 LA920を用いて、レーザ回折/散乱法で測定を行った。
無機充填材の配合量としては、シアネート樹脂等の樹脂成分100重量部に対して、10〜400重量部が好ましく、より好ましくは40〜300重量部である。10重量部より少ないと無機充填材を添加することによる低熱膨張化の効果が少なく、400重量部を超えると樹脂組成物中の無機充填材の割合が大きすぎて、樹脂ワニスのガラス基材への塗布、含浸などの操作が困難となる傾向がある。
本発明の樹脂組成物には、カップリング剤を添加することが好ましい。カップリング剤は樹脂と無機充填材の界面の濡れ性を向上させることにより、ガラスクロスに対して樹脂および充填材を均一に定着させ、耐熱性や吸湿性を改良する効果が認められる。カップリング剤としては通常用いられるものなら何でも使用できるが、これらの中でもエポキシシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アミノシランカップリング剤及びシリコーンオイル型カップリング剤の中から選ばれる1種以上のカップリング剤を使用することが無機充填材界面との濡れ性が高く、耐熱性向上の点で好ましい。本発明でカップリング剤は、無機充填材に対して0.05重量%以上、3重量%以下が望ましい。これより少ないと充填材を十分に被覆できず、またこれより多いと機械特性等が低下するようになるためこの範囲で用いることが望ましい。
本発明でシアネート樹脂を用いる場合には、樹脂組成物に硬化促進剤を添加することが好ましい。硬化促進剤としては、公知のものを用いることができ、例としては、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト等の有機金属塩、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等の3級アミン類、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール類、フェノール、ビスフェノールA、ノニルフェノール、フェノール樹脂等のフェノール化合物および有機酸等、またはこれらの混合物等が挙げられる。これらの中でもフェノール樹脂が硬化性、イオン性不純物が少ない等の点で好ましい。本発明で硬化促進剤の配合量は使用条件に応じて適宜変更することが可能であるが、有機金属塩の場合はシアネート樹脂100重量部に対して0.001〜1重量部、イミダゾール類の場合は0.05〜10重量部、フェノール樹脂の場合は0.5〜50重量部の範囲であることが好ましい。これらの範囲より少ないと硬化が遅くなる傾向があり、これらの範囲より多いと硬化が促進されすぎることによる樹脂組成物お
よびプリプレグライフの低下、硬化促進剤に由来する揮発成分による周囲汚染等の悪影響がでる恐れがある。
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲で、滑剤、耐熱剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、顔料等、光安定剤等の成分を配合することができる。
本発明の繊維布/樹脂硬化複合体は、樹脂組成物を繊維布に含浸・乾燥することによりプリプレグとし、このプリプレグの1枚又は複数枚を加熱成形硬化して繊維布と樹脂層のみの積層板としても良いし、あるいは、銅箔等の金属板とともに加熱成形することにより、金属層と樹脂層から成る積層板とすることもできる。また、エッチング処理等により、金属板の一部または全てを剥離して用いても良い。
本発明の樹脂組成物を繊維布に含浸するには、アルコール類、エーテル類、アセタール類、ケトン類、エステル類、アルコールエステル類、ケトンアルコール類、エーテルアルコール類、ケトンエーテル類、ケトンエステル類やエステルエーテル類などの有機溶媒を用いてワニスにし、ガラスクロスに塗布・乾燥することによってプリプレグを得ることができる。また、本発明の樹脂組成物を無溶剤にて繊維布に塗布・乾燥することでプリプレグを得ることもできる。
本発明の表示素子用プラスチック基板は、平滑性を向上させるために繊維布/樹脂硬化複合体の両面に樹脂のコート層を設けることが好ましい。コートする樹脂としては、シアネート樹脂、多官能アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などTgが200℃以上で耐薬品性に優れた樹脂が好ましい。コートする樹脂の厚みとしては、0.1〜100μmが好ましく、0.5〜50μmがより好ましく、1〜30μmが最も好ましい。
また、本発明の表示素子用プラスチック基板は、必要に応じて耐湿・耐ガス透過性等のバリア加工、ハードコート加工および透明電極加工等が施されてもかまわない。
次に本発明について、実施例及び比較例を挙げて詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に制限されるものではない。
(実施例1)
ノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製PT60、数平均分子量560)100重量部及びフェノールノボラック樹脂(住友デュレズ製PR−51714)2重量部をメチルエチルケトンに常温で溶解し、エポキシシランカップリング剤(日本ユニカー製A−187)1重量部、球状溶融シリカ(株式会社アドマテックス製SO−E2 平均粒径0.5μm )150部を添加し、高速攪拌機を用いて10分攪拌した。調製し
たワニスをガラスクロス(厚さ42μm、日東紡績製、WEA−1078高開繊)に含浸し、120℃の加熱炉で2分乾燥してワニス固形分(プリプレグ中に樹脂とシリカの占める成分)が約50%のプリプレグを得た。このプリプレグを2枚重ね、離型処理した鏡面のステンレス板を当て板として、圧力4MPa、温度220℃で1時間加熱加圧成形を行い、250℃の乾燥機で窒素雰囲気下1時間後硬化することによってガラスクロス/樹脂硬化複合体を得た。
(実施例2)
実施例1のプリプレグを3枚重ねた以外は実施例1と同様に行った。
(実施例3)
ガラスクロス(厚さ173μm、日東防績製、WEA−7628開繊)を用い、プリプレグを1枚だけ成形した以外は実施例1と同様に行った。
(比較例1)
ワニス作製時に球状溶融シリカを添加せず、プリプレグを1枚だけ加熱成形した以外、
実施例1と同様に行った。
(比較例2)
プリプレグを1枚だけ加熱成形した以外は実施例1と同様に行った。
(比較例3)
ガラスクロス(厚さ42μm、日東紡績製、WEA−1078非開繊)を用いた以外は実施例1と同様に行った。
(比較例4)
比較例3で使用したガラスクロス(厚さ42μm、日東紡績製、WEA−1078非開繊)を用いたプリプレグを3枚重ねて加熱加圧成形した以外は実施例1と同様に行った。
<評価方法>
a)ガラスクロスの空隙率
ガラス糸の経糸、緯糸により形成される空隙の面積と空隙を含めた全体の面積を測定し、空隙の面積(mm)/全体の面積(mm)を算出した。
b)水蒸気透過率:モコン社製PERMATRAN−W3/31透湿度測定装置を用い、50cm□のサンプル表面に40℃・90%RHに調整した水蒸気を流し、サンプルを透過した水蒸気のみを10sccmでフローさせたキャリアドライN2により赤外検知管まで運び、その水蒸気量を測定した。
c)平均線膨張係数:セイコー電子社製TMA/SS120C型熱応力歪測定装置を用いて、窒素の存在下、1分間に5℃の割合で温度を室温から(熱変形温度−20℃)まで上昇させて20分間保持した後、1分間に5℃の割合で温度を室温まで冷却し5分間室温で保持させた。その後、再度、1分間に5℃の割合で温度を上昇させて、50℃〜200℃の時の値を測定して求めた。(熱変形温度から20℃を引いた温度が350℃以上のときは350℃とした。)
d)貯蔵弾性率:10mm×60mmのテストピースを切り出し、TAインスツルメント社製動的粘弾性測定装置DMA983を用いて3℃/分で昇温し、250℃での貯蔵弾性率を求めた。
e)耐溶剤性:60℃のKP−201(東京応化製)溶液に試料を浸漬して60分間放置。試料を取り出した後、目視にて外観を観察した。
f)耐配向剤性: スピンコーター上に試料を設置。その表面にCRD−8201(住友
ベークライト製)を滴下した後 2500rpmでスピンコートを実施。180℃60分乾燥処理後、目視にて外観を観察した。
g)耐液晶性: 基板の表面にメルク社製ZLI−4792を1滴滴下する。80℃のオーブン内に投入して60分放置する。試料を取り出した後、目視にて外観を観察した。
h)反り、撓み等の変形:基板上に、タンタルをスパッタリングにより3000Åの厚さで形成させ、フォトリソグラフ法により、幅3μm、長さ30mmの模擬配線パターンを形成させ、パターン両端5mmの部分に金2000Åをスパッタリングして5mm□の抵抗値測定用電極を形成させた。つづいて、10mm□の開口部を有するメタルマスクを配線パターンの中央部に配設し、SiN(2000Å)/アモルファスSi(500Å)/SiN(2000Å)の各層を連続CVDにより形成させた。さらに、180℃のオーブンに1時間入れ、常温に戻した後、目視にて外観を観察した。
なお、耐溶剤性および耐液晶性の評価においては、温度条件の多少の差違によって評価結果に差違のないことを確認している。
評価結果を表1に示す。
Figure 2004307811
この結果から明らかなように、実施例1〜3は、いずれも比較例1〜4に比べて、他の特性が損なわれずに、さらに水蒸気バリア性も良好であった。また、このようなガラスクロス/樹脂硬化複合体を構成部材として用いることにより、好適なアクティブマトリックスタイプの表示素子基板を得ることができた。
本発明の表示素子用プラスチック基板は、耐熱性、耐薬品性に優れ、かつ、平均線膨張係数が低く、高温時の貯蔵弾性率が高く、さらに水蒸気バリア性が良好であるため、特にアクティブマトリックスタイプの表示素子基板に好適である表示素子用プラスチック基板として好適である。

Claims (8)

  1. 経糸、緯糸に用いて織り合わせて得られる繊維布で、経糸、緯糸により形成される空隙の面積と全体の面積の比が、空隙の面積(mm)/全体の面積(mm)<0.10である開繊処理された繊維布と、無機充填材を含有した樹脂組成物を主原料として成る繊維布/樹脂硬化複合体であって、厚みが50〜1000μm、水蒸気透過率が1g/m2/day以下であり、50〜200℃での平均線膨張係数が−5〜30ppmである表示素子用プラスチック基板。
  2. 250℃での貯蔵弾性率が3GPa以上である請求項1記載の表示素子用プラスチック基板。
  3. 前記樹脂組成物がシアネート樹脂及び無機充填材を含有することを特徴とする請求項1または2記載の表示素子用プラスチック基板。
  4. 前記樹脂組成物がシアネート樹脂、エポキシ樹脂及び無機充填材を含有することを特徴とする請求項3記載の表示素子用プラスチック基板。
  5. シアネート樹脂がノボラック型シアネート樹脂及び/又はそのプレポリマーであることを特徴とする請求項3または4記載の表示素子用プラスチック基板。
  6. 無機充填材が平均粒径2μm以下の球状溶融シリカであることを特徴とする請求項1〜5何れか一項記載の表示素子用プラスチック基板。
  7. 無機充填材の含有量が、樹脂成分100重量部に対して10〜400重量部であることを特徴とする請求項1〜6何れか一項記載の表示素子用プラスチック基板。
  8. 表示素子用プラスチック基板がアクティブマトリックス表示素子用基板であることを特徴とする請求項1〜7何れか一項記載の表示素子用プラスチック基板。
JP2003406859A 2003-03-26 2003-12-05 表示素子用プラスチック基板 Pending JP2004307811A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003406859A JP2004307811A (ja) 2003-03-26 2003-12-05 表示素子用プラスチック基板

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003084653 2003-03-26
JP2003406859A JP2004307811A (ja) 2003-03-26 2003-12-05 表示素子用プラスチック基板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004307811A true JP2004307811A (ja) 2004-11-04

Family

ID=33478271

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003406859A Pending JP2004307811A (ja) 2003-03-26 2003-12-05 表示素子用プラスチック基板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004307811A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005052037A1 (ja) * 2003-11-25 2005-06-09 Nitto Denko Corporation 樹脂シート、液晶セル基板、液晶表示装置、エレクトロルミネッセンス表示装置用基板、エレクトロルミネッセンス表示装置および太陽電池用基板
KR20060112451A (ko) * 2005-04-27 2006-11-01 삼성전자주식회사 디스플레이 패널용 플라스틱 기판 및 그 제조방법
JP2007002071A (ja) * 2005-06-22 2007-01-11 Sumitomo Bakelite Co Ltd プリプレグ、回路基板および半導体装置
JP2007087982A (ja) * 2005-09-20 2007-04-05 Sumitomo Bakelite Co Ltd 樹脂組成物、基材付き絶縁シート、及び、多層プリント配線板
JP2009190378A (ja) * 2008-02-18 2009-08-27 Panasonic Electric Works Co Ltd 透明積層板
JP2012177877A (ja) * 2011-02-04 2012-09-13 Sekisui Chem Co Ltd 白色基板及び表示装置
WO2013046631A1 (ja) * 2011-09-29 2013-04-04 住友ベークライト株式会社 金属張積層板、プリント配線基板、半導体パッケージ、半導体装置および金属張積層板の製造方法
JP2013075948A (ja) * 2011-09-29 2013-04-25 Sekisui Chem Co Ltd 硬化物の製造方法、硬化物及び多層基板
JP2015224342A (ja) * 2014-05-30 2015-12-14 住友ベークライト株式会社 インプットデバイス装置用基板、装置およびその製造方法

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005156840A (ja) * 2003-11-25 2005-06-16 Nitto Denko Corp 樹脂シート、液晶セル基板、液晶表示装置、エレクトロルミネッセンス表示装置用基板、エレクトロルミネッセンス表示装置および太陽電池用基板
WO2005052037A1 (ja) * 2003-11-25 2005-06-09 Nitto Denko Corporation 樹脂シート、液晶セル基板、液晶表示装置、エレクトロルミネッセンス表示装置用基板、エレクトロルミネッセンス表示装置および太陽電池用基板
KR20060112451A (ko) * 2005-04-27 2006-11-01 삼성전자주식회사 디스플레이 패널용 플라스틱 기판 및 그 제조방법
JP2007002071A (ja) * 2005-06-22 2007-01-11 Sumitomo Bakelite Co Ltd プリプレグ、回路基板および半導体装置
JP2007087982A (ja) * 2005-09-20 2007-04-05 Sumitomo Bakelite Co Ltd 樹脂組成物、基材付き絶縁シート、及び、多層プリント配線板
US9062176B2 (en) 2008-02-18 2015-06-23 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Transparent film
JP2009190378A (ja) * 2008-02-18 2009-08-27 Panasonic Electric Works Co Ltd 透明積層板
KR101201380B1 (ko) 2008-02-18 2012-11-14 파나소닉 주식회사 투명 필름
TWI383010B (zh) * 2008-02-18 2013-01-21 Panasonic Corp 透明薄膜
JP2012177877A (ja) * 2011-02-04 2012-09-13 Sekisui Chem Co Ltd 白色基板及び表示装置
JP2013075948A (ja) * 2011-09-29 2013-04-25 Sekisui Chem Co Ltd 硬化物の製造方法、硬化物及び多層基板
JP2013082213A (ja) * 2011-09-29 2013-05-09 Sumitomo Bakelite Co Ltd 金属張積層板、プリント配線基板、半導体パッケージ、半導体装置および金属張積層板の製造方法
WO2013046631A1 (ja) * 2011-09-29 2013-04-04 住友ベークライト株式会社 金属張積層板、プリント配線基板、半導体パッケージ、半導体装置および金属張積層板の製造方法
JP2015224342A (ja) * 2014-05-30 2015-12-14 住友ベークライト株式会社 インプットデバイス装置用基板、装置およびその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI737649B (zh) 樹脂組成物
CN101605653B (zh) 层叠体、包含该层叠体的电路板、半导体封装件及制造层叠体的方法
JP2004182851A (ja) 樹脂組成物、プリプレグおよびそれを用いたプリント配線板
TWI690248B (zh) 預浸體及使用此的層合板以及印刷配線板
JP6286820B2 (ja) プリプレグ、積層板、多層プリント配線板、および半導体装置
JP6477941B2 (ja) 硬化体、積層体、プリント配線板及び半導体装置
JP2004307811A (ja) 表示素子用プラスチック基板
JP4393077B2 (ja) 透明基板
JP4060116B2 (ja) 表示素子用プラスチック基板
JP2003050384A (ja) 反射型液晶表示素子用プラスチック基板
JP2003253018A (ja) プリプレグ及びそれを用いたプリント配線板
TWI750790B (zh) 一種絕緣介質膠膜及其製備方法和多層印刷線路板
JP2008244189A (ja) 回路基板および半導体装置
JP6398824B2 (ja) 樹脂シート
JP2003268136A (ja) プリプレグおよび積層板
JP4132755B2 (ja) 樹脂組成物、プリプレグ及びそれを用いたプリント配線板
JP3818638B2 (ja) 表示素子用プラスチック基板および表示素子用プラスチック基板の製造方法
JP2004277671A (ja) プリプレグおよびそれを用いたプリント配線板
JP2004151291A (ja) 表示素子用プラスチック基板
JP4150178B2 (ja) 樹脂組成物、プリプレグ及びそれを用いたプリント配線板
CN112679912B (zh) 一种树脂组合物及使用其制备的预浸料、层压板以及印刷线路板
JP2003084264A (ja) 反射型液晶表示素子用プラスチック基板。
JP6056387B2 (ja) 離型フィルム、接着フィルム、及びプリント配線板の製造方法
JP2003098512A (ja) 反射型液晶表示素子用プラスチック基板。
EP3744788B1 (en) Resin composition, prepreg, laminate, and metal foil-coated laminate

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20060530

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080806

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20080812

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20081008

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090127