JP2004307811A - 表示素子用プラスチック基板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】経糸、緯糸に用いて織り合わせて得られる繊維布で、経糸、緯糸により形成される空隙の面積と全体の面積の比が、空隙の面積(mm2)/全体の面積(mm2)<0.10である開繊処理されたガラスクロスと、無機充填材を含有した樹脂組成物とから成る繊維布/樹脂硬化複合体であって、厚みが80〜1000μm、水蒸気透過率が1g
/m2/day以下であり、50〜200℃での平均線膨張係数が−5〜30ppmであるこ
とを特徴とする表示素子用プラスチック基板。
Description
あった。また、基板をなす樹脂層と電極との熱膨張率の差が大きいため、特に加工時に高い温度変化にさらされるアクティブマトリックスタイプの表示素子基板用途に於いては、透明電極に亀裂が生じ易く抵抗値の増大や、時には断線といった事態に陥ることもあり、その実用化にはまだ至っていない。熱膨張率の低いプラスチック基板を適用する試みとしては、特許文献1において、ガラスエポキシ積層板等の樹脂を含浸させた繊維布を含む積層板を反射型液晶表示基板に用いることが示されている。しかしながら、ここで例示されているガラスエポキシ積層板ではアクティブマトリックスタイプの表示素子基板に用いるには耐熱性が十分ではなく、加工時の温度等により反りや変形を起こすおそれがあった。また、液晶表示素子基板では、水蒸気バリア性が劣る基材を用いると水蒸気が浸透し、例えば液晶セル内の液晶を劣化させ、表示欠陥となって表示品位を劣化させてしまう。このような問題を解決するために特許文献1では、基板上に金属酸化物薄膜を形成してガスバリア性を向上することが行われている。しかしながら、ガスバリア層の付加形成は基板コストの大幅増加を招く原因ともなり、ベース基板自体にガスバリア性を付与することは、技術的・コスト的に見ても重要な要求技術となる。
性率が高く、アクティブマトリックスタイプの表示素子基板の製造工程で反りや変形、配線の亀裂が生じにくく 且つ、酸素バリア性、水蒸気バリア性に優れる表示素子用プラスチック基板を提供することである。
(1) 経糸、緯糸に用いて織り合わせて得られる繊維布で、経糸、緯糸により形成される空隙の面積と全体の面積の比が、空隙の面積(mm2)/全体の面積(mm2)<0.10である開繊処理された繊維布と、無機充填材を含有した樹脂組成物を主原料として成る繊維布/樹脂硬化複合体であって、厚みが50〜1000μm、水蒸気透過率が1g
/m2/day以下であり、50〜200℃での平均線膨張係数が−5〜30ppmである表
示素子用プラスチック基板。
(2)250℃での貯蔵弾性率が3GPa以上である請求項1記載の表示素子用プラスチック基板。
(3) 前記樹脂組成物がシアネート樹脂及び無機充填材を含有することを特徴とする(1)、(2)の表示素子用プラスチック基板。
(4) 前記樹脂組成物がシアネート樹脂、エポキシ樹脂及び無機充填材を含有することを特徴とする(3)の表示素子用プラスチック基板。
(5) シアネート樹脂がノボラック型シアネート樹脂及び/又はそのプレポリマーであることを特徴とする(3)、(4)の表示素子用プラスチック基板。
(6) 無機充填材が平均粒径2μm以下の球状溶融シリカであることを特徴とする(1)〜(5)の表示素子用プラスチック基板。
(7) 無機充填材の含有量が、樹脂成分100重量部に対して10〜400重量部であることを特徴とする(1)〜(6)の表示素子用プラスチック基板。
(8) 表示素子用プラスチック基板がアクティブマトリックス表示素子用基板であることを特徴とする(1)〜(7)の表示素子用プラスチック基板。
フタレン型エポキシ樹脂、アリールアルキレン型エポキシ樹脂などが挙げられ、特にジシクロペンタジエン骨格エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アリールアルキレン型エポキシ樹脂が好ましい。ここでアリールアルキレン型エポキシ樹脂とは、繰り返し単位中に1つ以上のアリールアルキレン基を有するエポキシ樹脂をいい、キシリレン型エポキシ樹脂やビフェニレンジメチル型エポキシ樹脂などが挙げられる。
併用するエポキシ樹脂の量はシアネート樹脂100重量部に対して10〜200重量部が好ましい。10重量部未満であると添加効果が発現されにくく、200重量部を超えるとシアネート樹脂の耐熱性が損なわれる場合がある。
無機充填材の配合量としては、シアネート樹脂等の樹脂成分100重量部に対して、10〜400重量部が好ましく、より好ましくは40〜300重量部である。10重量部より少ないと無機充填材を添加することによる低熱膨張化の効果が少なく、400重量部を超えると樹脂組成物中の無機充填材の割合が大きすぎて、樹脂ワニスのガラス基材への塗布、含浸などの操作が困難となる傾向がある。
よびプリプレグライフの低下、硬化促進剤に由来する揮発成分による周囲汚染等の悪影響がでる恐れがある。
また、本発明の表示素子用プラスチック基板は、必要に応じて耐湿・耐ガス透過性等のバリア加工、ハードコート加工および透明電極加工等が施されてもかまわない。
(実施例1)
ノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製PT60、数平均分子量560)100重量部及びフェノールノボラック樹脂(住友デュレズ製PR−51714)2重量部をメチルエチルケトンに常温で溶解し、エポキシシランカップリング剤(日本ユニカー製A−187)1重量部、球状溶融シリカ(株式会社アドマテックス製SO−E2 平均粒径0.5μm )150部を添加し、高速攪拌機を用いて10分攪拌した。調製し
たワニスをガラスクロス(厚さ42μm、日東紡績製、WEA−1078高開繊)に含浸し、120℃の加熱炉で2分乾燥してワニス固形分(プリプレグ中に樹脂とシリカの占める成分)が約50%のプリプレグを得た。このプリプレグを2枚重ね、離型処理した鏡面のステンレス板を当て板として、圧力4MPa、温度220℃で1時間加熱加圧成形を行い、250℃の乾燥機で窒素雰囲気下1時間後硬化することによってガラスクロス/樹脂硬化複合体を得た。
(実施例2)
実施例1のプリプレグを3枚重ねた以外は実施例1と同様に行った。
(実施例3)
ガラスクロス(厚さ173μm、日東防績製、WEA−7628開繊)を用い、プリプレグを1枚だけ成形した以外は実施例1と同様に行った。
ワニス作製時に球状溶融シリカを添加せず、プリプレグを1枚だけ加熱成形した以外、
実施例1と同様に行った。
(比較例2)
プリプレグを1枚だけ加熱成形した以外は実施例1と同様に行った。
(比較例3)
ガラスクロス(厚さ42μm、日東紡績製、WEA−1078非開繊)を用いた以外は実施例1と同様に行った。
(比較例4)
比較例3で使用したガラスクロス(厚さ42μm、日東紡績製、WEA−1078非開繊)を用いたプリプレグを3枚重ねて加熱加圧成形した以外は実施例1と同様に行った。
a)ガラスクロスの空隙率
ガラス糸の経糸、緯糸により形成される空隙の面積と空隙を含めた全体の面積を測定し、空隙の面積(mm2)/全体の面積(mm2)を算出した。
b)水蒸気透過率:モコン社製PERMATRAN−W3/31透湿度測定装置を用い、50cm□のサンプル表面に40℃・90%RHに調整した水蒸気を流し、サンプルを透過した水蒸気のみを10sccmでフローさせたキャリアドライN2により赤外検知管まで運び、その水蒸気量を測定した。
c)平均線膨張係数:セイコー電子社製TMA/SS120C型熱応力歪測定装置を用いて、窒素の存在下、1分間に5℃の割合で温度を室温から(熱変形温度−20℃)まで上昇させて20分間保持した後、1分間に5℃の割合で温度を室温まで冷却し5分間室温で保持させた。その後、再度、1分間に5℃の割合で温度を上昇させて、50℃〜200℃の時の値を測定して求めた。(熱変形温度から20℃を引いた温度が350℃以上のときは350℃とした。)
d)貯蔵弾性率:10mm×60mmのテストピースを切り出し、TAインスツルメント社製動的粘弾性測定装置DMA983を用いて3℃/分で昇温し、250℃での貯蔵弾性率を求めた。
e)耐溶剤性:60℃のKP−201(東京応化製)溶液に試料を浸漬して60分間放置。試料を取り出した後、目視にて外観を観察した。
f)耐配向剤性: スピンコーター上に試料を設置。その表面にCRD−8201(住友
ベークライト製)を滴下した後 2500rpmでスピンコートを実施。180℃60分乾燥処理後、目視にて外観を観察した。
g)耐液晶性: 基板の表面にメルク社製ZLI−4792を1滴滴下する。80℃のオーブン内に投入して60分放置する。試料を取り出した後、目視にて外観を観察した。
h)反り、撓み等の変形:基板上に、タンタルをスパッタリングにより3000Åの厚さで形成させ、フォトリソグラフ法により、幅3μm、長さ30mmの模擬配線パターンを形成させ、パターン両端5mmの部分に金2000Åをスパッタリングして5mm□の抵抗値測定用電極を形成させた。つづいて、10mm□の開口部を有するメタルマスクを配線パターンの中央部に配設し、SiN(2000Å)/アモルファスSi(500Å)/SiN(2000Å)の各層を連続CVDにより形成させた。さらに、180℃のオーブンに1時間入れ、常温に戻した後、目視にて外観を観察した。
なお、耐溶剤性および耐液晶性の評価においては、温度条件の多少の差違によって評価結果に差違のないことを確認している。
Claims (8)
- 経糸、緯糸に用いて織り合わせて得られる繊維布で、経糸、緯糸により形成される空隙の面積と全体の面積の比が、空隙の面積(mm2)/全体の面積(mm2)<0.10である開繊処理された繊維布と、無機充填材を含有した樹脂組成物を主原料として成る繊維布/樹脂硬化複合体であって、厚みが50〜1000μm、水蒸気透過率が1g/m2/day以下であり、50〜200℃での平均線膨張係数が−5〜30ppmである表示素子用プラスチック基板。
- 250℃での貯蔵弾性率が3GPa以上である請求項1記載の表示素子用プラスチック基板。
- 前記樹脂組成物がシアネート樹脂及び無機充填材を含有することを特徴とする請求項1または2記載の表示素子用プラスチック基板。
- 前記樹脂組成物がシアネート樹脂、エポキシ樹脂及び無機充填材を含有することを特徴とする請求項3記載の表示素子用プラスチック基板。
- シアネート樹脂がノボラック型シアネート樹脂及び/又はそのプレポリマーであることを特徴とする請求項3または4記載の表示素子用プラスチック基板。
- 無機充填材が平均粒径2μm以下の球状溶融シリカであることを特徴とする請求項1〜5何れか一項記載の表示素子用プラスチック基板。
- 無機充填材の含有量が、樹脂成分100重量部に対して10〜400重量部であることを特徴とする請求項1〜6何れか一項記載の表示素子用プラスチック基板。
- 表示素子用プラスチック基板がアクティブマトリックス表示素子用基板であることを特徴とする請求項1〜7何れか一項記載の表示素子用プラスチック基板。
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