JP2003050384A - 反射型液晶表示素子用プラスチック基板 - Google Patents

反射型液晶表示素子用プラスチック基板

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JP2003050384A
JP2003050384A JP2001239716A JP2001239716A JP2003050384A JP 2003050384 A JP2003050384 A JP 2003050384A JP 2001239716 A JP2001239716 A JP 2001239716A JP 2001239716 A JP2001239716 A JP 2001239716A JP 2003050384 A JP2003050384 A JP 2003050384A
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crystal display
plastic substrate
reflective liquid
resin
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JP2001239716A
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Sadafumi Furukawa
禎史 古川
Wataru Oka
渉 岡
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、耐薬品性に優れ、平均線膨張係数が
低く、かつ、表面平滑性が良好であることを特徴とする
反射型液晶表示素子用プラスチック基板を提供する。 【解決手段】 繊維布を含有する基材層と表面を平滑化
する平滑性改良層を少なくとも1層含み、表面平滑性が
500nm以下で有り、30〜200℃での平均線膨張
係数が−5〜70ppmである厚みが50〜1000μ
mの反射型液晶表示素子用プラスチック基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性、耐薬品
性、寸法安定性に優れた、反射型薄膜トランジスタ(以
下、TFTと称する)表示素子に好適な反射型液晶表示
素子用プラスチック基板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示素子は薄膜化、軽量化、
大型化、任意の形状化、曲面表示対応などの高度な要求
がある。特に、携帯機器については軽量化、高耐久性が
強く要求され、これらの利用が拡大されるにつれて、従
来のガラス基板に変わりプラスチックを基板とする液晶
表示パネルが検討され、一部で実用化され始めた。しか
し、最近になってさらに液晶のカラー動画化に伴い高速
応答性が要求され、TFTの需要が高まりつつあるが、
TFT用液晶表示基板には依然としてガラス基板が使
われており、軽量化、高耐久性の強い要求からプラスチ
ック化が望まれている。しかしながら、従来のプラスチ
ック表示素子用基板では、耐熱性が十分ではなく金属半
導体や絶縁膜をCVD(Chemical Vapor Deposition)
で形成する工程で反りや変形を起こす恐れがあった。ま
た、基板をなす樹脂層と電極との熱膨張率の差が大きい
ため、特に加工時に高い温度変化にさらされるTFT液
晶基板用途に於いては、透明電極に亀裂が生じ易く抵抗
値の増大が生じたり、時には断線といった事態に陥るこ
ともあり、その実用化にはまだ至っていない。一方、反
射型液晶表示素子は低消費電力の点から注目されてお
り、これら基板のプラスチック化の試みも行われてい
る。例えば、特開平11−2812号公報においてはガ
ラスエポキシ積層板等の樹脂を含浸させた繊維布を含む
積層板を反射型液晶表示基板に用いることが示されてい
る。しかしながら、ガラスエポキシ積層板では、ガラス
クロスの織りによる凹凸形状が基板表面にも現れ、特に
高精細な画像が要求される近年では、表面をさらに平滑
化する必要があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、 耐熱性、
耐薬品性に優れ、平均線膨張係数が低く、かつ、表面平
滑性が良好であることを特徴とする反射型液晶表示素子
用プラスチック基板を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、 (1)繊維布を含有する基材層と表面を平滑化する平滑
性改良層を少なくとも1層含み、表面平滑性が500n
m以下で有り、30〜200℃での平均線膨張係数が−
5〜70ppmである厚みが50〜1000μmの反射
型液晶表示素子用プラスチック基板。 (2)前記繊維布を含有する基材層が、繊維布に樹脂を
含浸・乾燥させたプリプレグを加熱成形させた硬化物で
あることを特徴とする(1)の反射型液晶表示素子用プ
ラスチック基板。 (3)基材層に用いる樹脂が少なくとも、シアネート樹
脂を含むことを特徴とする(1)、(2)の反射型液晶
表示素子用プラスチック基板。 (4)前記繊維布を含有する基材層が、繊維布に少なく
ともシアネート樹脂と無機充填材とを含む樹脂組成物を
含浸・乾燥させたプリプレグを加熱成形させた硬化物で
あることを特徴とする(1)の反射型液晶表示素子用プ
ラスチック基板。 (5)前記シアネート樹脂がノボラック型シアネート樹
脂および/またはそのプレポリマーであることを特徴と
する(3)、(4)の反射型液晶表示素子用プラスチッ
ク基板。 (6)無機充填材が平均粒径2μm以下の球状溶融シリ
カであることを特徴とする(4)、(5)の反射型液晶
表示素子用プラスチック基板。 (7)無機充填材の含有量が、樹脂成分100重量部に
対して10〜400重量部であることを特徴とする
(4)〜(6)の反射型液晶表示素子用プラスチック基
板。 (8)平滑性改良層に使用する樹脂と基材層との30〜
200℃での平均線膨張係数の差が、0〜100ppm
であることを特徴とする(1)〜(7)の反射型液晶表
示素子用プラスチック基板。 (9)平滑性改良層1層の厚みが、3〜50μmである
ことを特徴とする(1)〜(8)の反射型液晶表示素子
用プラスチック基板。 (10)平滑性改良層に用いる樹脂が少なくともシアネ
ート樹脂を含むことを特徴とする(1)〜(9)の反射
型液晶表示素子用プラスチック基板。 (11)表面平滑性が500nm以下であるガラス板ま
たは金属板または金属箔で、基材層と平滑性改良層とを
挟み込み加熱硬化させることにより製造する(1)〜
(9)の反射型液晶表示素子用プラスチック基板の製造
方法。である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のプラスチック基板は透過
光を使用しない反射型液晶表示基板として用いるため、
透明性は要求されない。このプラスチック基板の厚み
は、50〜1000μm、好ましくは70〜700μ
m、より好ましくは80〜600μm、さらに好ましく
は100〜500μmである。下限値未満では基板の剛
性が維持できないおそれがあり、上限値を超えると重量
が大きくなりすぎるため、軽量化を目的とするプラスチ
ック化のメリットが失われてしまうおそれがある。ま
た、30〜200℃での平均熱線膨張係数は−5〜70
ppm、好ましくは、−3〜30ppm、より好ましく
は0〜20ppmの範囲である。平均線膨張係数がこの
範囲をはずれると配線に用いられる金属の平均線膨張係
数との差が大きくなるため、高温にさらされたとき断線
を生じるおそれがある。また、表面平滑性は500nm
以下である必要がある。ここで言う表面平滑性とは、表
面構造解析顕微鏡New View 5032(Zygo Corporation製)
により視野:1.44mm×1.08mmで観察を行い、隣り合った
繊維布目の最高点と最低点との距離である。従って表面
平滑性は低い程良く、好ましくは、200nm以下であ
り、更に好ましくは100nm以下である。この距離が
前記上限値を越える場合には、断線を起こすことなく金
属半導体や絶縁膜をCVDで形成することが困難であ
る。
【0006】本発明の基材層に使用する樹脂のTgは特
に限定しないが、耐熱性の観点から250℃以上である
ことが好ましい。具体的にはシアネート樹脂、ビスマレ
イミドを構成成分として含む熱硬化型のポリイミド樹
脂、多官能エポキシ樹脂などを挙げることができる。な
かでも、シアネート樹脂を主成分として含むことが特に
好ましい。本発明に用いるシアネート樹脂としては、ビ
スフェノールジシアネート、ジ(4−シアネート−3,
5−ジメチルフェニル)メタン、4,4’−チオジフェ
ニルシアネート、2,2’−ジ(4−シアネートフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン、ビスフェノールEジシア
ネート、フェノール/ジシクロペンタジエン共重合体の
シアネート、フェノールノボラック型シアネート樹脂、
クレゾールノボラック型シアネート樹脂、及び/又はそ
のプレポリマーを用いることができる。中でも耐熱性が
高く線膨張係数が低いことからノボラック型シアネート
樹脂及び/又はそのプレポリマーが好ましい。ここでい
うノボラック型シアネート樹脂とは任意のノボラック樹
脂と、ハロゲン化シアン等のシアネート化試薬とを反応
させることで得られるもので、またこの得られた樹脂を
加熱することでプレポリマー化することが出来る。本発
明におけるノボラック型シアネート樹脂の数平均分子量
は、250未満であると、架橋密度が小さく、耐熱性や
線膨張係数に劣る場合があり、900を超えると、架橋
密度が上がりすぎて反応が完結できない場合があるた
め、260〜900であることが望ましく、より好まし
くは300〜600である。また、プレポリマーを用い
る際には、上記数平均分子量のノボラック型シアネート
樹脂をメチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、シ
クロヘキサノン等の溶媒に可溶な範囲でプレポリマー化
して用いることが望ましい。本発明で言うところの数平
均分子量は、東ソー株式会社製HLC−8120GPC
装置(使用カラム:SUPER H4000、SUPE
R H3000、SUPER H2000×2、溶離
液:THF)を用いて、ポリスチレン換算のゲルパーミ
エーションクロマトグラフィー報で測定した値である。
本発明の基材層に用いる樹脂組成物は、上記ノボラック
シアネート樹脂及び/又はそのプレポリマーに、エポキ
シ樹脂、フェノール樹脂等の他の熱硬化樹脂、フェノキ
シ樹脂、溶剤可溶性ポリイミド樹脂、ポリフェニレンオ
キシド、ポリエーテルスルホン等の一種類以上の熱可塑
性樹脂を併用しても良い。併用する量は樹脂組成物の1
〜40重量%が好ましい。1重量%未満であると添加効
果が発現されにくく、40重量%を超えるとノボラック
型シアネートの耐熱性、熱膨張等の特性が損なわれる場
合がある。
【0007】本発明の基材層に用いる樹脂組成物は、シ
アネート樹脂等の樹脂成分と共に無機充填材を併用する
ことが好ましい。無機充填材は弾性率を高め、線膨張係
数を低下させ、吸水性を低下させるために配合されるも
のである。無機充填材としては、例えばタルク、アルミ
ナ、ガラス、シリカ、マイカ等が挙げられるが、特に限
定はしない。これらの中では溶融シリカが低熱膨張性に
優れる点で好ましい。さらに溶融シリカの中でも平均粒
径2μm以下の球状溶融シリカを用いることが充填性向
上の点で好ましい。また、平均粒径は粘度制御の点で
0.2μm以上が好ましい。本発明で平均粒径は株式会
社堀場製作所粒度分布測定装置 LA920を用いて、
レーザ回折/散乱法で測定を行った。無機充填材の配合
量としては、シアネート樹脂等の樹脂成分100重量部
に対して、10〜400重量部が好ましく、より好まし
くは40〜300重量部である。10重量部より少ない
と無機充填材を添加することによる低熱膨張化の効果が
少なく、400重量部を超えると樹脂組成物中の無機充
填材の割合が大きすぎて、樹脂ワニスのガラス基材への
塗布、含浸などの操作が困難となる傾向がある。本発明
の基材層に用いる樹脂組成物には、カップリング剤を添
加することが好ましい。カップリング剤は樹脂と無機充
填材の界面との濡れ性を向上させることにより、ガラス
クロスに対して樹脂および充填材を均一に定着させ、耐
熱性や吸湿性を改良する効果が認められる。カップリン
グ剤としては通常用いられるものなら何でも使用できる
が、これらの中でもエポキシシランカップリング剤、チ
タネート系カップリング剤、アミノシランカップリング
剤及びシリコーンオイル型カップリング剤の中から選ば
れる1種以上のカップリング剤を使用することが無機充
填材界面との濡れ性が高く、耐熱性向上の点で好まし
い。本発明でカップリング剤は、無機充填材に対して
0.05重量%以上、3重量%以下が望ましい。本発明
でシアネート樹脂を用いる場合には、樹脂組成物に硬化
促進剤を添加することが好ましい。硬化促進剤として
は、公知のものを用いることができ、例としては、ナフ
テン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸スズ、オ
クチル酸コバルト等の有機金属塩、トリエチルアミン、
トリブチルアミン、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタ
ン等の3級アミン類、2−フェニル−4−メチルイミダ
ゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フ
ェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2
−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダ
ゾール等のイミダゾール類、フェノール、ビスフェノー
ルA、ノニルフェノール、フェノールノボラック樹脂等
のフェノール化合物および有機酸等、またはこれらの混
合物等が挙げられる。これらの中でもフェノールノボラ
ック樹脂が硬化性、イオン性不純物が少ない等の点で好
ましい。本発明で硬化促進剤の配合量は使用条件に応じ
て適宜変更することが可能であるが、ノボラック型シア
ネート樹脂および/またはそのプレポリマーを基準とし
て0.05重量%以上、10重量%以下であることが望
ましい。
【0008】本発明で基材層に用いられる繊維布は特に
限定されるものではなく、種々の無機系または有機系の
繊維布を用いることができる。 その具体例としては、
Eガラス(無アルカリガラス)、Sガラス、Dガラス、
クォーツ、高誘電率ガラス等のガラスクロス、ケブラー
(商品名:デュポン・東レ・ケブラー社製)、テクノー
ラ(商品名:帝人社製)、コーネックス(商品名:帝人
社製)に代表されるポリ -p-フェニレンフタルアミド、
ポリ -m-フェニレンフタルアミド、p-フェニレンフタル
アミドおよび3,4'- ジフェニルエーテルフタルアミドの
共重合体等からなる芳香族ポリアミド系繊維布やアラミ
ド系繊維布、ポリエステル繊維布、ナイロン繊維布、ポ
リベンザゾール繊維布、炭素繊維布等が挙げられる。
好ましくはガラスクロスである。織布フィラメントの織
り方についても特に限定されるものではなく、平織り、
ななこ織り、朱子織り、綾織り等の構造を有する織物で
も良く、好ましくは平織りである。 また、織布に限定
されるのではなく不織布であってもかまわない。繊維の
厚みも特に限定されるものではないが、30〜200μ
mであることが好ましく、より好ましくは40〜100
μmである。本発明で基材層に用いられる繊維布は、樹
脂成分との濡れ性を改善する目的で各種のシランカップ
リング剤、ボランカップリング剤、チタネート系カップ
リング剤、アルミニウム系カップリング剤等の表面処理
剤で処理されても良いが、特に限定はしない。
【0009】本発明の基材層に用いる樹脂組成物には、
必要に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲で、滑
剤、耐熱剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、顔料、光安定
剤等の成分を配合することができる。本発明の基材層
は、樹脂組成物を繊維布に含浸・乾燥することによりプ
リプレグとし、このプリプレグの1枚又は複数枚を加熱
成形して樹脂層のみの積層板としても良いし、あるい
は、銅箔等の金属板とともに加熱成形することにより、
金属層と樹脂層から成る積層体とすることもできる。金
属層は、水蒸気を透過させにくいため、樹脂層の吸湿に
よる寸法変化を抑える効果が期待でき、好ましい。ま
た、エッチング処理等により、金属層の一部または全て
を剥離して用いても良い。本発明の基材層に用いる樹脂
組成物を繊維布に含浸するには、アルコール類、エーテ
ル類、アセタール類、ケトン類、エステル類、アルコー
ルエステル類、ケトンアルコール類、エーテルアルコー
ル類、ケトンエーテル類、ケトンエステル類やエステル
エーテル類などの有機溶媒を用いてワニスにし、繊維布
に塗布・乾燥することによってプリプレグを得ることが
できる。また、本発明の樹脂組成物を無溶剤にて繊維布
に塗布・乾燥することでプリプレグを得ることもでき
る。
【0010】また、本発明で表面を平滑化する平滑性改
良層に使用する樹脂としては特に限定するものではない
が、基材層との30〜200℃での平均線膨張係数の差
が、0〜100ppmであることが好ましい。更に好ま
しくは、0〜70ppmであり、最も好ましくは0〜4
0ppmである。平均線膨張係数の差が100ppmを
越える場合には、基板加工時の高い温度変化により、層
間剥離を起こしたり、平滑性改良層に亀裂が生じたりす
る。本発明の平滑性改良層1層の厚みは、3〜50μm
であることが好ましい。更に好ましくは、5〜20μ
m、最も好ましくは、10〜15μmである。この範囲
内であれば、層間剥離を起こすことなく、十分な表面平
滑性を得ることができる。本発明で、基材層への平滑性
改良層の積層方法としては、様々な方法が利用できる。
例えば、加熱成形硬化させた基材層に平滑性改良層をコ
ートする方法、平滑性改良層をコートし表面平滑なガラ
ス板・金属板・金属箔などで挟み込む方法、基材層へ平
滑性改良層フィルムをラミネートする方法などが挙げら
れる。中でも、平滑性改良層をコートし表面平滑なガラ
ス板・金属板・金属箔などで挟み込み、平滑性改良層に
用いる樹脂を加熱硬化させる方法が好ましく使用され
る。ガラス板・金属板・金属箔の材質は特に限定される
ものではなく、市販のものが使用できる。この場合、表
面平滑なガラス板・金属板・金属箔の表面平滑性として
は、500nm以下のものが好ましく使用できる。更に好
ましくは、100nm以下であり、最も好ましくは50nm
以下である。表面平滑性が500nmを越える場合に
は、得られる基板の表面平滑性が不十分である。また、
本発明の反射型液晶表示素子用プラスチック基板は、必
要に応じて耐湿・耐ガス透過性等のバリア加工、ハード
コート加工および透明電極加工等が施されてもかまわな
い。
【0011】
【実施例】次に本発明について、実施例及び比較例を挙
げて詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限
り、以下の実施例に制限されるものではない。 (実施例1)ノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャ
パン株式会社製PT60)100重量部及びフェノール
ノボラック樹脂(住友デュレズ製PR−51714)2
重量部をメチルエチルケトンに常温で溶解し、エポキシ
シランカップリング剤(日本ユニカー製A−187)1
重量部、球状溶融シリカ(株式会社アドマテックス製S
O−25R 平均粒径0.5μm )150部を添加
し、高速攪拌機を用いて10分攪拌した。調製したワニ
スをガラスクロス(厚さ200μm、日東紡績製、WE
A−7628)に含浸し、120℃の加熱炉で2分乾燥
してワニス固形分(プリプレグ中に樹脂とシリカの占め
る成分)が約50%のプリプレグを得た。このプリプレ
グを2枚重ね、離型処理した鏡面のステンレス板を当て
板として、圧力4MPa、温度220℃で1時間加熱加
圧成形を行い、250℃の乾燥機で窒素雰囲気下1時間
後硬化することによって基材層を得た。ノボラック型シ
アネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製PT60)1
00重量部及びフェノールノボラック樹脂(住友デュレ
ズ製PR−51714)2重量部をメチルエチルケトン
に常温で溶解したものを基材層の両面にコートし、加熱
硬化させることによって片側8μmの平滑性改良層を形
成した基板を得た。
【0012】(実施例2)球状溶融シリカSO−25R
を50重量部、エポキシシランカップリング剤A−18
7を0.4重量部にした以外は、実施例1と同様にして
基材層を得た。ノボラック型シアネート樹脂(ロンザジ
ャパン株式会社製PT30)100重量部及びフェノー
ルノボラック樹脂(住友デュレズ製PR−51714)
2重量部を60℃で溶解したものを基材層の両面にコー
トし、離型処理したガラス板で挟み込み加熱硬化させる
ことによって片側10μmの平滑性改良層を形成した基
板を得た。 (実施例3)球状溶融シリカSO−25R及びエポキシ
シランカップリング剤A−187を用いていないこと以
外は、実施例1と同様にして基材層を得た。ノボラック
型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製PT3
0)100重量部及びフェノールノボラック樹脂(住友
デュレズ製PR−51714)2重量部を60℃で溶解
したものを基材層の両面にコートし、離型処理したガラ
ス板で挟み込み加熱硬化させることによって片側15μ
mの平滑性改良層を形成した基板を得た。
【0013】(比較例1)樹脂成分として臭素化エポキ
シ樹脂75重量部(ジャパンエポキシレジン製エピコー
ト5047)及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂
25重量部(ジャパンエポキシレジン製エピコート18
0)を用い、硬化剤してジシアンジアミド2.3重量部
(日本カーバイド製)及び2−メチルイミダゾール0.
2重量部(四国化成製2MZ)を用いた以外、実施例3
と同様にして基材層を得、平滑化改良を行わなかった。 (比較例2)比較例1の樹脂及び硬化剤を用いて、実施
例2と同様にして基材層を得、平滑化改良を行わなかっ
た。これらの基板を以下の評価方法で評価した。
【0014】<評価方法> 平均線膨張係数: セイコー電子製TMA/SS12
0C型熱応力歪測定装置を用いて、窒素の存在下、1分
間に5℃の割合で温度を室温から(熱変形温度−20
℃)まで上昇させて20分間保持した後、1分間に5℃
の割合で温度を室温まで冷却し5分間室温で保持させ
た。その後、再度、1分間に5℃の割合で温度を上昇さ
せて、30℃〜200℃の時の値を測定して求めた。
(熱変形温度から20℃を引いた温度が350℃以上の
ときは350℃とした。) 耐溶剤性: 40℃のジメチルスルホキシド(DMS
O)溶液に試料を浸漬して60分放置。試料を取り出し
た後、目視にて外観を観察した。 耐配向剤性: スピンコーター上に試料を設置。その
表面にCRD−8201(住友ベークライト製)を滴下
した後 2500rpmでスピンコートを実施。180
℃、60分乾燥処理後、目視にて外観を観察した。 耐液晶性: 基板の表面にメルク社製ZLI−479
2を1滴滴下する。120℃のオーブン内に投入して6
0分放置する。試料を取り出した後、目視にて外観を観
察する。 表面平滑性: 表面構造解析顕微鏡New View 5032(Zy
go Corporation製)により視野:1.44mm×1.08mmで観察
を行い、隣り合った繊維布目の最高点と最低点との距離
を測定した。
【0015】評価結果を表−1及び2に示す。
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】この結果から明らかなように、実施例1〜
3はいずれも比較例1、2に比べて、表面平滑性が良好
であり、平均線膨張係数が低く、また、耐薬品性も問題
が無かった。このような積層体を構成部材として用いる
ことにより、好適な反射型TFT用液晶表示基板を得る
ことができる。
【0018】
【発明の効果】本発明の反射型液晶表示素子用プラスチ
ック基板は以上詳述したように、高度の耐熱性、耐薬品
性を有し、かつ、平均線膨張係数が低く、さらに表面平
滑性が良好であり、反射型薄膜トランジスタ表示素子用
に好適である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/00 C08K 3/00 C08L 79/00 C08L 79/00 Z Fターム(参考) 2H090 JA09 JB03 JD14 JD17 4F072 AA04 AA05 AA07 AB28 AD11 AF01 AG03 AH21 AJ04 AL12 4F100 AA01A AA01H AA20A AB33C AG00C AK33 AK51A AK51B AR00B AT00A BA03 BA07 BA10A BA10B BA10C CA23 DE04A DG11A DH01A EH46 EH462 EJ08 EJ081 EJ42 EJ421 EJ82 EJ821 EJ86 EJ861 GB43 JB07 JJ03 JK14B JL04 YY00B 4J002 CM051 DE146 DJ016 DJ046 DJ056 DL006 FD016 FD150 FD200 GF00 GH00 GP00 GQ00 HA05

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維布を含有する基材層と表面を平滑化
    する平滑性改良層を少なくとも1層含み、表面平滑性が
    500nm以下で有り、30〜200℃での平均線膨張
    係数が−5〜70ppmである厚みが50〜1000μ
    mの反射型液晶表示素子用プラスチック基板。
  2. 【請求項2】 前記繊維布を含有する基材層が、繊維布
    に樹脂を含浸・乾燥させたプリプレグを加熱成形させた
    硬化物であることを特徴とする請求項1記載の反射型液
    晶表示素子用プラスチック基板。
  3. 【請求項3】 基材層に用いる樹脂が少なくとも、シア
    ネート樹脂を含むことを特徴とする請求項1または2記
    載の反射型液晶表示素子用プラスチック基板。
  4. 【請求項4】 前記繊維布を含有する基材層が、繊維布
    に少なくともシアネート樹脂と無機充填材とを含む樹脂
    組成物を含浸・乾燥させたプリプレグを加熱成形させた
    硬化物であることを特徴とする請求項1記載の反射型液
    晶表示素子用プラスチック基板。
  5. 【請求項5】 前記シアネート樹脂がノボラック型シア
    ネート樹脂および/またはそのプレポリマーであること
    を特徴とする請求項3または4記載の反射型液晶表示素
    子用プラスチック基板。
  6. 【請求項6】 無機充填材が平均粒径2μm以下の球状
    溶融シリカであることを特徴とする請求項4または5記
    載の反射型液晶表示素子用プラスチック基板。
  7. 【請求項7】 無機充填材の含有量が、樹脂成分100
    重量部に対して10〜400重量部であることを特徴と
    する請求項4〜6何れか1項記載の反射型液晶表示素子
    用プラスチック基板。
  8. 【請求項8】 平滑性改良層に使用する樹脂と基材層と
    の30〜200℃での平均線膨張係数の差が、0〜10
    0ppmであることを特徴とする請求項1〜7何れか1
    項記載の反射型液晶表示素子用プラスチック基板。
  9. 【請求項9】 平滑性改良層1層の厚みが、3〜50μ
    mであることを特徴とする請求項1〜8何れか1項記載
    の反射型液晶表示素子用プラスチック基板。
  10. 【請求項10】 平滑性改良層に用いる樹脂が少なくと
    もシアネート樹脂であることを特徴とする請求項1〜9
    何れか1項記載の反射型液晶表示素子用プラスチック基
    板。
  11. 【請求項11】 表面平滑性が500nm以下であるガ
    ラス板または金属板または金属箔で、基材層と平滑性改
    良層とを挟み込み加熱硬化させることにより製造する請
    求項1〜9何れか1項記載の反射型液晶表示素子用プラ
    スチック基板の製造方法。
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