JPH09324340A - 積層板用硝子繊維織布、その製造法及びそれを用いた積層板 - Google Patents

積層板用硝子繊維織布、その製造法及びそれを用いた積層板

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JPH09324340A
JPH09324340A JP8163725A JP16372596A JPH09324340A JP H09324340 A JPH09324340 A JP H09324340A JP 8163725 A JP8163725 A JP 8163725A JP 16372596 A JP16372596 A JP 16372596A JP H09324340 A JPH09324340 A JP H09324340A
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glass fiber
woven fabric
opening
fiber strand
strand
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JP8163725A
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Kengo Ozaki
憲吾 尾崎
Takihei Tani
瀧平 谷
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Asahi Fiber Glass Co Ltd
Original Assignee
Asahi Fiber Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂の含浸性、積層板としたときの表面の平
滑性に優れた積層板用硝子繊維織布、その製造法及び該
硝子繊維織布を用いた積層板を提供する。 【解決手段】 番手240 〜2400tex の無撚り硝子繊維ス
トランドに開繊処理を施して、下記数式1でで定義され
る開繊指数Fが0.2 〜2とされた開繊硝子繊維ストラン
ドを得る。この開繊硝子繊維ストランドを、経糸と緯糸
の少なくとも一方に用いて製織して、織布状態における
開繊硝子繊維ストランドの開繊指数Fが0.12〜1とされ
た積層板用硝子繊維織布を得る。次いで、この硝子繊維
織布に樹脂を含浸させ、複数枚積層し、加熱加圧して積
層板を得る。 【数1】F=W/DN (数式中、Fは開繊指数、Wは硝子繊維ストランドの幅
(mm)、Dは硝子繊維モノフィラメントの径(mm)、Nは硝
子繊維モノフィラメントの本数を表し、硝子繊維ストラ
ンドの幅は、巻糸又は織布においては有姿の状態で測定
し、開繊処理直後のものは処理装置出口における状態で
測定する。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特にプリント配線
板等として好適な積層板の基材に用いられる硝子繊維織
布、その製造法及び該硝子繊維織布を用いた積層板に関
する。
【0002】
【従来の技術】硝子繊維は、耐熱性、寸法安定性、電気
特性等に優れていることから、プリント配線板等の積層
板の基材として使用されている。
【0003】すなわち、プリント配線板用銅張積層板
は、複数枚の硝子繊維織布、硝子ペーパー等に樹脂を含
浸させて、積層し、積層物の少なくとも一方の面に銅箔
を載置した状態で加熱加圧して板状に成形することによ
り製造されている。
【0004】近年、エレクトロニクス分野における技術
の進歩にともなって、プリント配線板用積層板に対する
表面平滑性、ドリル加工性、寸法安定性、生産性等の要
求がより高度で、多様なものとなっている。
【0005】ところが、硝子繊維織布は、経糸と緯糸と
の交絡部分の盛り上がりによって積層板表面に凹凸が発
生しやすく、繊維間への樹脂の含浸性が不足して機械的
強度や熱的安定性が不十分となりやすく、通常は有撚糸
を製織して製造されるので、糸のねじれのモーメントに
よって積層板に反り等が発生しやすく、ドリル加工した
ときに穴の位置ずれがしやすいという問題点があった。
【0006】また、硝子ペーパーは、分散剤を用いるこ
とから基板の電気絶縁性が十分に得られず、硝子繊維織
布に比べて薄いため機械的強度も十分に得られないとい
う問題点があった。
【0007】このような問題点を解決するため、積層板
用硝子繊維織布として、種々の提案がなされている。例
えば、特開昭62-156945 号公報には、撚りヤーンを製織
して硝子クロスとした後、ヤーンを機械的にほぐして、
通気度を5cc/cm2・secとし、樹脂ワニスを含浸させ、所
望枚数積層し、加熱加圧して製造される積層板が開示さ
れている。
【0008】また、特開昭63-34104号公報には、空気、
不活性ガス又は液体を吹き付けて開繊させることにより
通気度6cc/cm2・secとした硝子クロスを用い、これにエ
ポキシ樹脂を含浸させ、乾燥させたプリプレグを所望枚
数積層し、加熱加圧して得られるエポキシ樹脂積層板の
製造法が開示されている。
【0009】更に、特開平1-249333号公報には、硝子布
を構成する経糸、緯糸のうち、少なくとも一方を、2.5
〜240g/1000mの無撚り硝子糸とした積層板用硝子布が開
示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
62-156945 号、特開昭63-34104号等に開示された開繊処
理された硝子繊維織布を用いる従来の技術では、撚りの
あるヤーンやストランドを開繊処理しているため、樹脂
含浸性等を改善するのに十分な開繊がなされないという
問題点があった。また、強く開繊した場合には、フィラ
メントが切断されて毛羽立ちが発生しやすく、それによ
って積層板表面の平滑性が損なわれることもあった。
【0011】また、特開平1-249333号には、無撚り硝子
糸を用いることが開示されているが、2.5 〜240g/1000m
という細い番手の糸を用いるため、製織作業の生産性が
悪くなるという問題点があった。更に、無撚り硝子糸を
用いても開繊処理をしていないので、樹脂の含浸性は十
分とはいえなかった。
【0012】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、樹脂の含浸性、積層板としたときの表
面の平滑性に優れた積層板用硝子繊維織布、その製造法
及び該硝子繊維織布を用いた積層板を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第一の積層板用硝子繊維織布は、番手240
〜2400tex の無撚り硝子繊維ストランドの開繊処理物で
あって、下記数式3で定義される開繊指数Fが0.2 〜2
とされたものを、経糸と緯糸の少なくとも一方に用いて
製織して得られ、織布状態における前記開繊処理された
無撚り硝子繊維ストランドの開繊指数Fが0.12〜1とさ
れていることを特徴とする。
【0014】
【数3】F=W/DN (数式中、Fは開繊指数、Wは硝子繊維ストランドの幅
(mm)、Dは硝子繊維モノフィラメントの径(mm)、Nは硝
子繊維モノフィラメントの本数を表し、硝子繊維ストラ
ンドの幅は、巻糸又は織布においては有姿の状態で測定
し、開繊処理直後のものは処理装置出口における状態で
測定する。)
【0015】本発明において開繊指数Fとは、上記数式
3で定義するものであって、以下、開繊指数とのみ記載
する。
【0016】また、本発明の第二の積層板用硝子繊維織
布の製造法は、番手240 〜2400texの無撚り硝子繊維ス
トランドに開繊処理を施して、開繊指数が0.2 〜2とさ
れた開繊硝子繊維ストランドを得た後、この開繊硝子繊
維ストランドを、経糸と緯糸の少なくとも一方に用いて
製織することを特徴とする。
【0017】更に、本発明の第三の積層板用硝子繊維織
布の製造法は、織布状態における前記開繊処理された無
撚り硝子繊維ストランドの開繊指数が0.12〜1となるよ
うに製織する。
【0018】更にまた、本発明の第四の積層板用硝子繊
維織布の製造法は、平均流速10〜50m/秒で流れる気体
中に、この気体の流れ方向に対してほぼ直交する方向か
ら前記硝子繊維ストランドを導入し、前記気体流中を通
過する際に、通過方向に沿った長さ10mm当たりに対して
1〜50mmたるむようにたるみを与えて前記硝子繊維スト
ランドを開繊処理する。
【0019】そしてまた、本発明の第五の積層板は、本
発明の第一の積層板用硝子繊維織布が複数枚積層され、
これらの硝子繊維織布に含浸された樹脂によって板状に
成形されていることを特徴とする。
【0020】本発明の第一によれば、十分に開繊された
無撚り硝子繊維ストランドを用いることにより、番手24
0 〜2400tex という比較的太い糸を用いても、経糸と緯
糸との交絡点の厚さを薄くし、繊維が平均して開繊され
た状態とすることができ、それによって樹脂の含浸性
や、積層板としたときの表面の平滑性を良好にし、積層
板の強度を高めることができる。また、繊維が集まった
硬い交絡点等がなくなるので、ドリルによる穴開けの際
の位置ずれも少なくなる。更に、開繊されて繊維が分散
しているので、スターチ系の集束剤を用いた場合の加熱
処理による集束剤除去性や、表面処理剤浸透性にも優れ
ている。
【0021】本発明の第二によれば、番手240 〜2400te
x の無撚り硝子繊維ストランドに開繊処理を施して、開
繊指数が0.2 〜2とされた開繊硝子繊維ストランドを、
経糸又は緯糸の少なくとも一方に用いて製織することに
より、上記のような効果を有する優れた積層板用硝子繊
維織布を製造することができる。
【0022】本発明の第三によれば、硝子繊維織布にし
た状態でも硝子繊維ストランドの開繊状態が十分に維持
されるように製織することにより、樹脂の含浸性や、積
層板としたときの平滑性等を確実に得ることができる。
【0023】本発明の第四によれば、硝子繊維ストラン
ドを、工業的に作業性よく、本発明で規定する開繊指数
となるように開繊することができる。この方法の原理は
未だよくわかっていないが、硝子繊維ストランドの幅方
向の中央部と両端部とにおける気体の流速の違いから発
生する圧力差により、硝子繊維ストランドが外側に広が
って開繊するものと考えられる。
【0024】本発明の第五によれば、本発明の第一の積
層板用硝子繊維織布を基材としたことにより、樹脂が繊
維間に十分に含浸され、強度が高く、低誘電率で、表面
平滑性、ドリル加工性、寸法安定性に優れ、反りの少な
い積層板が得られる。このため、例えばプリント配線板
に用いた場合、高精度、高密度の回路を形成することが
可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明においては、硝子繊維スト
ランドとして、実質的に無撚りのものを用いる。撚りが
かかったものは、開繊処理を施した際に、十分に開繊し
にくいので好ましくない。なお、硝子繊維の材質は特に
限定されず、例えばE硝子、D硝子、S硝子等、通常積
層板用として用いるものでよい。また、硝子繊維径は、
特に限定されないが、5〜25μmが好ましい。ストラン
ドに集束する際のサイジング剤も、スターチ系サイジン
グ、プラスチック系サイジング等、通常のものを用いる
ことができる。なお、積層板にするために樹脂を含浸さ
せる前に除去の必要のないプラスチック系サイジングに
は、樹脂との接着を強固にするためのカップリング剤を
配合しておくのがよい。
【0026】本発明において硝子繊維ストランドの番手
は240 〜2400tex のものを用いる。番手が240 tex 未満
の場合には、織布にする際の打込み本数が多くなり、ま
た、特に経糸に使用した場合、多数本を取り扱わなけれ
ばならなくなり、手が掛かり、したがって生産性が悪
く、製造コストが高くなる。また、番手が2400tex を超
えると、開繊後のストランドの幅が広くなり過ぎて取り
扱いにくくなり、特に緯糸に使用した場合、織機での打
ち込みがしにくくなり、均一な織布が得がたくなるので
好ましくない。なお、本発明においては、この番手の範
囲内であれば、例えばシングルエンドロービング等のロ
ービングを用いてもよい。
【0027】硝子繊維ストランドの開繊処理は、開繊指
数が0.2 〜2となるようにすることができる方法であれ
ばどのような方法であってもよく、例えば、硝子繊維ス
トランドを管状通路へ送りながら、この通路へ圧縮空気
を噴出させて、噴出によって生じる高速空気流によって
開繊する方法、硝子繊維ストランドを、複数個のテンシ
ョンバーの間を湾曲させて引っ張って開繊させる方法
等、公知の方法を採用することもできるが、硝子繊維ス
トランドに与えるダメージを少なくして十分開繊できる
ことから、以下に示す方法が好ましい。
【0028】図1、2には、硝子繊維ストランドを開繊
処理する方法の好ましい一例が示されている。図1は平
面図、図2は側面図である。この方法によれば、硝子繊
維ストランドのケーキ(硝子繊維ロービングの場合はパ
ッケージ)11を回転させつつ、その外側から、硝子繊
維ストランド12aを図2中の矢印イの方向に引き出
し、駆動ロール13を経て、吸引開繊装置14により平
均流速10〜50m/秒で、矢印ロの方向に流れている気体
中に、この気体の流れ方向に対してほぼ直交する方向か
ら導入し、気体流中を通過する際に、通過方向に沿った
長さ10mm当たりに対して1〜50mmたるむようにたるみA
を与えることにより、開繊された硝子繊維ストランド1
2bが得られる。なお、硝子繊維ストランド12aを硝
子繊維ストランドケーキ11を回転させつつ、その外側
から引き出すのは、硝子繊維ストランド12aに撚りを
与えないようにするためである。
【0029】気体は、空気、不活性ガス等、安全なもの
でものであればいずれでもよいが、平均流速10〜50m/
秒で流れるようにする。気体の平均流速が10m/秒未満
の場合、硝子繊維ストランド12aが十分開繊されるま
でに時間がかかるか、又は十分に開繊されず、50m/秒
を超えると、硝子繊維ストランド12aを構成している
フィラメントが切れやすくなるので好ましくない。
【0030】硝子繊維ストランド12aのたるみAは、
通過方向に沿った長さ10mm当たりに対して1〜50mmたる
むようにする。長さ10mm当たりに対するたるみ量が1mm
未満の場合、十分に開繊せず、50mmを超えると、硝子繊
維ストランド12aに過剰な振動が生じるため、導入、
引き取りの隣接部分、あるいは、複数の硝子繊維ストラ
ンド12a、12a…を同時に並行して開繊処理してい
る場合は隣の硝子繊維ストランド12aに接触してダメ
ージを受けやすくなるので好ましくない。
【0031】例えば上記のような方法により開繊処理さ
れた硝子繊維ストランドの開繊指数は0.2 〜2とする。
硝子繊維ストランドの開繊指数が0.2 未満の場合は、開
繊が不十分で、製織後の開繊指数を0.12〜1にすること
ができず、2を超えると、開繊後の硝子繊維ストランド
の幅が広くなり過ぎて取り扱いが困難になる。
【0032】本発明においては、この開繊硝子繊維スト
ランドを、経糸と緯糸の少なくとも一方に用いて製織す
る。開繊硝子繊維ストランドを、経糸と緯糸のいずれか
一方に用いた場合、他方は、通常の硝子繊維ストランド
を用いることができ、撚りをかけたものであっても、無
撚りのものであってもよい。なお、織り方は、平織り、
からめ織り、朱子織り、綾織り等いずれであってもよい
が、平織りが好ましい。また、本発明の織布は、緯糸の
打ち込み本数が1本/25mm程度以下の一方向織りであっ
てもよい。
【0033】製織後の開繊硝子繊維ストランドの開繊指
数は0.12〜1となるようにする。開繊指数が0.12未満の
場合、積層板とする際の樹脂の含浸性を向上させるとい
う本発明の効果が十分に得られず、1を超えた場合、打
ち込み本数を均一にして製織することが困難であり、ま
た、織布の厚さが薄くなり過ぎてダメージを受けやすく
なり、取り扱いも困難になる。
【0034】本発明の積層板は、上記のようにして得ら
れた硝子繊維織布を用いることを特徴とし、積層板の製
造法は、通常の方法を適用することができる。すなわ
ち、硝子繊維織布に、樹脂を含浸させた後、複数枚を積
層し、加熱加圧して板状に成形する。
【0035】なお、硝子繊維ストランドを製造する際の
サイジング剤として、スターチ系サイジング剤を用いた
場合、樹脂を含浸させる前に、例えばヒートクリーニン
グ等の方法によりサイジング剤の除去を行うことが好ま
しい。また、スターチ系サイジング剤を用いた場合のサ
イジング剤除去後、あるいはカップリング剤を含まない
プラスチック系サイジング剤を用いた場合には、カップ
リング剤を付与することが好ましい。カップリング剤と
しては、例えばγ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン等、通常積層板を製造する際に用いるものを使用す
ることができる。
【0036】樹脂は、特に限定されず、エポキシ樹脂、
ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂等、通常積層板に用
いられるものを使用することができ、必要に応じて樹脂
の種類に応じた硬化剤、硬化促進剤、溶剤等を配合する
ことができる。
【0037】樹脂を含浸させた硝子繊維織布の積層枚
数、加熱加圧条件等は、製造しようとしている積層板の
種類に応じて選定され、また、例えば、積層した硝子繊
維織布の最外側の少なくとも一方の面に銅箔等の金属板
を積層した後、加熱加圧してプリント配線板とすること
もできる。
【0038】本発明の積層板は、プリント配線板の他、
他の電気機器、バネ材、スポーツ用品等、広い分野に適
用することができる。
【0039】
【実施例】
実施例1 番手が270texのスターチ系サイジングを付与した無撚り
硝子繊維ストランド(ECG18 1/0 )を、平均流速30m/
秒で流れる空気中へ、空気の流れ方向に対してほぼ直交
する方向から、空気流中を通過する際に、通過方向に沿
った長さ10mm当たりに対して10mmたるむようにたるみを
与えながら導入して開繊処理を施し、開繊指数が1.0 の
開繊硝子繊維ストランドを得た。
【0040】得られた開繊硝子繊維ストランドを経糸及
び緯糸として用い、打込み本数を経糸、緯糸とも10本/
25mmとして製織して、単位面積重量216 g/m2 の平織
り織布を得た。織布状態における経糸及び緯糸の開繊指
数は、共に0.17であった。
【0041】この織布を、常法により加熱してスターチ
系サイジングを除去した。次いで、γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシランカップリング剤を0.1 重量%
付着させた後、エポキシ樹脂である「アラルダイト801
1」(商品名、チバガイギー社製)100 重量部と、硬化
剤であるジシアンジアミド4重量部と、硬化促進剤2−
エチル−4−メチルイミダゾール0.1 重量部とを、溶剤
40重量部に溶解させたワニスを含浸させ、乾燥して、樹
脂分45重量%のプリプレグを得た。
【0042】次いで、得られたプリプレグ8枚を積層し
て、最外層に銅箔を重ね、常法により、温度165 ℃、圧
力40kg/cm2の条件下に、120 分間加熱加圧成形して、厚
さ1.6mm の銅張積層板を得た。
【0043】比較例1 番手が67.5tex のスターチ系サイジングを付与した硝子
繊維撚糸(ECG75 1/00.7Z)を、経糸及び緯糸に用い、
打込み本数を経44本/25mm、緯33本/25mmとして製織し
て、単位面積重量210 g/m2 の平織り織布を得た。織
布状態における開繊指数は、経糸0.08、緯糸0.11であっ
た。
【0044】得られた織布を、実施例1と同様にサイジ
ング剤除去、カップリング剤処理、樹脂含浸してプリプ
レグを得、積層し、加熱加圧成形して、厚さ1.6mm の銅
張積層板を得た。
【0045】実施例2 番手が528texの、実施例1と同様のカップリング剤を織
布に対して0.1 重量%となる量含むプラスチック系サイ
ジングを付与した無撚り硝子繊維ストランド(ECK9 1/
0)を、平均流速40m/秒で流れる空気中へ、空気の流
れ方向に対してほぼ直交する方向から、空気流中を通過
する際に、通過方向に沿った長さ10mm当たりに対して20
mmたるむようにたるみを与えながら導入して開繊処理を
施し、開繊指数が0.8 の開繊硝子繊維ストランドを得
た。
【0046】得られた開繊硝子繊維ストランドを経糸と
して用い、緯糸としては、経糸と同様のカップリング剤
を含むサイジング剤を付与した番手67.5tex の撚糸(EC
G751/0 0.5Z)を用い、打込み本数を経糸10本/25mm、
緯糸1本×2/25mmとして製織して、単位面積重量216
g/m2 のからめ織り織布を得た。織布状態における経
糸の開繊指数は0.12であった。
【0047】この織布を、サイジング剤除去及びカップ
リング剤付与の工程は行わず、あとは実施例1と同様に
して、樹脂分40重量%のプリプレグを得、次いで、積層
し、加熱加圧成形して、銅張積層板を得た。
【0048】試験例1 実施例1、比較例1、実施例2で得られた積層板につい
て、プリプレグ10cm角におけるボイドの数、積層板のド
リル加工性とはんだ耐熱性とを測定した。ドリル加工性
は、それぞれの積層板を3枚づつ重ね、ドリル径0.3mm
で穴開けした際の穴壁粗さと、穴位置ずれを測定するこ
とにより行った。また、はんだ耐熱性は、JIS C 6481の
規定に従い、260 ℃のはんだ中に20秒間浸漬した後の膨
れ及びはがれの有無を観察した。これらの結果を表1に
示す。
【0049】
【表1】
【0050】表1の結果から、本発明の方法により開繊
処理を施した硝子繊維ストランドを、経糸、緯糸の少な
くとも一方に用いて製織した織布を用いて製造した実施
例1、2の積層板は、経糸、緯糸共開繊処理を施さない
硝子繊維ストランドを用いて製織した織布を用いて製造
した比較例1の積層板より、10cm角プリプレグのボイド
の数が非常に少なく、したがって樹脂含浸性に優れ、ま
た、ドリル加工性、はんだ耐熱性に優れていることがわ
かる。
【0051】実施例3 番手が2220tex の、実施例1と同様のカップリング剤を
織布に対して0.2 重量%となる量含むプラスチック系サ
イジングを付与した硝子繊維ロービング(ER2220、繊維
径16μm)を、平均流速50m/秒で流れる空気中へ、空
気の流れ方向に対してほぼ直交する方向から、空気流中
を通過する際に、通過方向に沿った長さ10mm当たりに対
して30mmたるむようにたるみを与えながら導入して開繊
処理を施し、開繊指数が0.25の開繊硝子繊維ストランド
を得た。
【0052】得られた開繊硝子繊維ストランドを経糸及
び緯糸として用い、打込み本数を経糸、緯糸とも3.3 本
/25mmとして製織して、単位面積重量580 g/m2 の平
織りロービングクロスを得た。織布状態における経糸及
び緯糸の開繊指数は、共に0.12であった。
【0053】このロービングクロスを、エポキシ樹脂で
ある「エピコート828 」(商品名、油化シェルエポキシ
社製)100 重量部と、無水メチルハイミック酸80重量部
と、ジメチルベンジルアミン2重量部とを配合した樹脂
液に含浸させた後、4枚を積層し、温度130 ℃、圧力2k
g/cm2 の条件下に、60分間加熱加圧成形して、厚さ3mm
の積層板を得た。得られた積層板の樹脂含有率は52重量
%であった。
【0054】比較例2 番手が1150tex の、実施例1と同様のカップリング剤を
織布に対して0.2 重量%となる量含むプラスチック系サ
イジングを付与した硝子繊維ロービング(ER1150、繊維
径16μm)を、打込み本数を経糸、緯糸とも6.3 本/25
mmとして製織して、単位面積重量580 g/m2 の平織り
ロービングクロスを得た。織布状態における経糸及び緯
糸の開繊指数は、共に0.12であった。
【0055】このロービングクロスを、実施例3と同様
の樹脂液に含浸させた後、実施例3と同様にして積層板
を得た。得られた積層板の樹脂含有率は50重量%であっ
た。
【0056】試験例2 実施例3、比較例2の積層板の経方向、緯方向の曲げ強
さを、JIS K 6911の方法により測定した。その結果を表
2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】表2の結果から、本発明の方法により開繊
処理を施した硝子繊維ロービングを経糸、緯糸に用いて
製織したロービングクロスを使用して製造した実施例3
の積層板は、開繊処理を施こさない硝子繊維ロービング
を経糸、緯糸に用いて製織したロービングクロスを使用
して製造した比較例2の積層板より、硝子含有率が低い
にも拘らず、曲げ強さに優れていることがわかる。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
経糸、緯糸の少なくとも一方に特定番手の無撚り硝子繊
維ストランドの特定開繊指数の開繊処理物を用いて製織
して得られた硝子繊維織布を基材として積層板を成形す
るので、樹脂含有率が高く、表面平滑性、ドリル加工
性、寸法安定性、はんだ耐熱性、電気絶縁性、生産性に
優れた積層板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】硝子繊維ストランドを開繊する装置の一例を示
す平面図である。
【図2】同装置の側面図である。
【符号の説明】
11 硝子繊維ストランドのケーキ 12a 硝子繊維ストランド 12b 開繊硝子繊維ストランド 13 駆動ロール 14 吸引開繊装置 A 硝子繊維ストランドのたわみ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 番手240 〜2400tex の無撚り硝子繊維ス
    トランドの開繊処理物であって、下記数式1で定義され
    る開繊指数Fが0.2 〜2とされたものを、経糸と緯糸の
    少なくとも一方に用いて製織して得られ、織布状態にお
    ける前記開繊処理された無撚り硝子繊維ストランドの開
    繊指数Fが0.12〜1とされていることを特徴とする積層
    板用硝子繊維織布。 【数1】F=W/DN (数式中、Fは開繊指数、Wは硝子繊維ストランドの幅
    (mm)、Dは硝子繊維モノフィラメントの径(mm)、Nは硝
    子繊維モノフィラメントの本数を表し、硝子繊維ストラ
    ンドの幅は、巻糸又は織布においては有姿の状態で測定
    し、開繊処理直後のものは処理装置出口における状態で
    測定する。)
  2. 【請求項2】 番手240 〜2400tex の無撚り硝子繊維ス
    トランドに開繊処理を施して、下記数式2で定義される
    開繊指数Fが0.2 〜2とされた開繊硝子繊維ストランド
    を得た後、この開繊硝子繊維ストランドを、経糸と緯糸
    の少なくとも一方に用いて製織することを特徴とする積
    層板用硝子繊維織布の製造法。 【数2】F=W/DN (数式中、Fは開繊指数、Wは硝子繊維ストランドの幅
    (mm)、Dは硝子繊維モノフィラメントの径(mm)、Nは硝
    子繊維モノフィラメントの本数を表し、硝子繊維ストラ
    ンドの幅は、巻糸又は織布においては有姿の状態で測定
    し、開繊処理直後のものは処理装置出口における状態で
    測定する。)
  3. 【請求項3】 織布状態における前記開繊処理された無
    撚り硝子繊維ストランドの前記数式2で定義される開繊
    指数Fが0.12〜1となるように製織する請求項2記載の
    積層板用硝子繊維織布の製造法。
  4. 【請求項4】 平均流速10〜50m/秒で流れる気体中
    に、この気体の流れ方向に対してほぼ直交する方向から
    前記硝子繊維ストランドを導入し、前記気体流中を通過
    する際に、通過方向に沿った長さ10mm当たりに対して1
    〜50mmたるむようにたるみを与えて前記硝子繊維ストラ
    ンドを開繊処理する請求項2又は3記載の積層板用硝子
    繊維織布の製造法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の積層板用硝子繊維織布が
    複数枚積層され、これらの硝子繊維織布に含浸された樹
    脂によって板状に成形されていることを特徴とする積層
    板。
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