JPH09323380A - 一方向性硝子繊維プリプレグ、その製造法及びそれを用いた積層板 - Google Patents

一方向性硝子繊維プリプレグ、その製造法及びそれを用いた積層板

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JPH09323380A
JPH09323380A JP16372896A JP16372896A JPH09323380A JP H09323380 A JPH09323380 A JP H09323380A JP 16372896 A JP16372896 A JP 16372896A JP 16372896 A JP16372896 A JP 16372896A JP H09323380 A JPH09323380 A JP H09323380A
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fiber bundle
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resin
prepreg
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JP16372896A
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Fumiyasu Funemi
文寧 船見
Kengo Ozaki
憲吾 尾崎
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Asahi Fiber Glass Co Ltd
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Asahi Fiber Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 樹脂の含浸性、積層板としたときの表面の平
滑性に優れた一方向性硝子繊維プリプレグ、その製造法
及びそれを用いた積層板を提供する。 【解決手段】 番手10〜3000tex の無撚り硝子繊維束1
2aを、平均流速10〜50m/秒で流れる気体中に、気体
の流れ方向に対してほぼ直交する方向から導入し、気体
流中を通過する際に通過方向に沿った長さ10mm当たりに
対して1〜50mmたるむようにたるみを与えて開繊処理を
施し、この開繊硝子繊維束12bを複数本引揃えてシー
ト状物とした後、樹脂を含浸させて一方向性硝子繊維プ
リプレグを得る。更に、この一方向性硝子繊維プリプレ
グを複数枚積層し、加熱加圧して積層板を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特にプリント配線
基板等として好適な積層板に用いられる一方向性硝子繊
維プリプレグ、その製造法、及び該一方向性硝子繊維プ
リプレグを用いた積層板に関する。
【0002】
【従来の技術】硝子繊維は、耐熱性、寸法安定性、電気
特性等に優れていることから、プリント配線基板等の積
層板の基材として使用されている。
【0003】すなわち、プリント配線基板用銅張積層板
は、一般的には、複数枚のガラス繊維シート状物等に樹
脂を含浸させて、積層し、積層物の少なくとも一方の面
に銅箔を載置した状態で加熱加圧して板状に成形するこ
とにより製造されている。
【0004】近年、エレクトロニクス分野における技術
の進歩にともなって、プリント配線基板用積層板に対す
る表面平滑性、ドリル加工性、寸法安定性、生産性等の
要求がより高度で、多様なものとなっている。
【0005】ところが、硝子繊維シート状物は、経糸と
緯糸との交絡部分の盛り上がりによって積層板表面に凹
凸が発生しやすく、繊維間への樹脂の含浸性が不足して
機械的強度や熱的安定性が不十分となりやすく、通常は
有撚糸を製織して製造されるので、糸のねじれのモーメ
ントによって積層板に反り等が発生しやすく、ドリル加
工したときに穴の位置ずれがしやすいという問題点があ
った。
【0006】このような問題点を解決する方法の一つと
して、硝子繊維シート状物を構成する硝子繊維束とし
て、開繊処理されたものを用いるという提案がなされて
いる。例えば、特開昭62-156945 号公報には、撚りヤー
ンを製織して硝子クロスとした後、ヤーンを機械的にほ
ぐして、通気度を5cc/cm2・secとし、樹脂ワニスを含浸
させ、所望枚数積層し、加熱加圧して製造される積層板
が開示されている。
【0007】また、特開昭63-34104号公報には、空気、
不活性ガス又は液体を吹き付けて開繊させることにより
通気度6cc/cm2・secとした硝子クロスを用い、これにエ
ポキシ樹脂を含浸させ、乾燥させたプリプレグを所望枚
数積層し、加熱加圧して得られるエポキシ樹脂積層板の
製造法が開示されている。
【0008】一方、上記問題点を解決する他の方法とし
て、特開平4-10487 号公報には、一方向にシート状に並
列された硝子繊維糸に、合成樹脂を含浸させたプリント
基板用プリプレグ、及びこのプリプレグを用いたプリン
ト基板が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
62-156945 号、特開昭63-34104号等に開示された開繊処
理された硝子繊維シート状物を用いる従来の技術では、
撚りのあるヤーンやストランドを開繊処理しているた
め、樹脂含浸性等を改善するのに十分な開繊がなされな
いという問題点があった。また、強く開繊した場合に
は、フィラメントが切断されて毛羽立ちが発生しやす
く、それによって積層板表面の平滑性が損なわれること
もあった。更に、開繊処理されているので多少軽減され
てはいるものの、シート状物であるので経糸と緯糸との
交絡部分は存在し、交絡部分の盛り上がりによって積層
板表面に凹凸が発生しやすく、交絡部分への樹脂の含浸
性が十分ではないという問題が完全には解決されなかっ
た。
【0010】また、特開平4-10487 号は、一方向性硝子
繊維プリプレグを用いているが、開繊処理をしていない
ので、樹脂の含浸性は十分とはいえず、また、所定の幅
にするためには多数本の硝子繊維糸を引揃えなければな
らず、作業性が悪いという問題点があった。
【0011】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、樹脂の含浸性、積層板としたときの表
面の平滑性に優れた一方向性硝子繊維プリプレグ、その
製造法及び該一方向性硝子繊維プリプレグを用いた積層
板を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第一の一方向性硝子繊維プリプレグは、番
手10〜3000tex の無撚り硝子繊維束の開繊処理物であっ
て、下記数式3で定義される開繊指数Fが0.1 〜2とさ
れたものを、複数本引揃えたシート状物に、樹脂が含浸
されていることを特徴とする。
【0013】
【数3】F=W/DN (数式中、Fは開繊指数、Wは硝子繊維束の幅(mm)、D
は硝子繊維モノフィラメントの径(mm)、Nは硝子繊維モ
ノフィラメントの本数を表し、硝子繊維束の幅は、巻糸
又はシート状物においては有姿の状態で測定し、開繊処
理直後のものは処理装置出口における状態で測定す
る。)
【0014】本発明において開繊指数Fとは、上記数式
3で定義するものであって、以下、開繊指数とのみ記載
する。
【0015】本発明の第二の一方向性硝子繊維プリプレ
グの製造法は、番手10〜3000tex の無撚り硝子繊維束に
開繊処理を施して、開繊指数が0.1 〜2とされた開繊硝
子繊維束を得、この開繊硝子繊維束を複数本引揃えてシ
ート状物とした後、このシート状物に樹脂を含浸させる
ことを特徴とする。
【0016】本発明の第三の一方向性硝子繊維プリプレ
グの製造法は、平均流速10〜50m/秒で流れる気体中
に、この気体の流れ方向に対してほぼ直交する方向から
前記硝子繊維束を導入し、前記気体流中を通過する際
に、通過方向に沿った長さ10mm当たりに対して1〜50mm
たるむようにたるみを与えて前記硝子繊維束を開繊処理
する。
【0017】本発明の第四の積層板は、本発明の第一の
一方向性硝子繊維プリプレグが複数枚積層され、これら
の一方向性硝子繊維プリプレグに含浸された樹脂によっ
て板状に成形されていることを特徴とする。
【0018】本発明の第一によれば、十分に開繊された
無撚り硝子繊維束を用いることにより、番手10〜3000te
x という広範囲の番手の糸に対して、繊維が平均して開
繊された状態とすることができ、それによって樹脂の含
浸性や、積層板としたときの表面の平滑性を良好にし、
積層板の強度を高めることができる。また、硝子繊維シ
ート状物を用いた場合のように、経糸と緯糸との交絡部
分がないので、樹脂の含浸性が良好であるだけでなく、
ドリルによる穴開けの際の位置ずれも少なくなる。更
に、開繊されて繊維が分散しているので、スターチ系の
集束剤を用いた場合の加熱処理による集束剤除去性や、
表面処理剤浸透性にも優れている。なお、樹脂の含浸性
に優れていると、硝子含有率を低くすることができ、コ
ストダウンにもつながる。また、樹脂の含浸性に優れ、
かつ、集束剤除去性や、表面処理剤浸透性に優れている
ので、はんだ耐熱性も向上する。
【0019】本発明の第二によれば、番手10〜3000tex
の無撚り硝子繊維束に開繊処理を施して開繊指数が0.1
〜2とされた開繊硝子繊維束を、複数本引揃えてシート
状にした後、樹脂を含浸させることにより、上記のよう
な効果を有する優れた一方向性硝子繊維プリプレグを製
造することができる。
【0020】本発明の第三によれば、硝子繊維束を、工
業的に作業性よく、本発明で規定する開繊指数となるよ
うに開繊することができる。この方法の原理は未だよく
わかっていないが、硝子繊維束の幅方向の中央部と両端
部とにおける気体の流速の違いから発生する圧力差によ
り、硝子繊維束が外側に広がって開繊するものと考えら
れる。
【0021】本発明の第四によれば、本発明の第一の一
方向性硝子繊維プリプレグを基材としたことにより、樹
脂が繊維間に十分に含浸され、強度が高く、低誘電率
で、表面平滑性、ドリル加工性、寸法安定性に優れ、反
りの少ない積層板が得られる。このため、例えばプリン
ト配線基板に用いた場合、高精度、高密度の回路を形成
することが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明においては、硝子繊維束と
して、実質的に無撚りのものを用いる。撚りがかかった
ものは、開繊処理を施した際に、十分に開繊しにくいの
で好ましくない。なお、硝子繊維の材質は特に限定され
ず、例えばE硝子、D硝子、S硝子等、通常積層板用と
して用いるものでよい。また、硝子繊維径は、特に限定
されないが、5〜25μmが好ましい。ストランドに集束
する際のサイジング剤も、スターチ系サイジング、プラ
スチック系サイジング等、通常のものを用いることがで
きる。なお、積層板にするために樹脂を含浸させる前に
除去の必要のないプラスチック系サイジングには、樹脂
との接着を強固にするためのカップリング剤を配合して
おくのがよい。
【0023】本発明において硝子繊維束の番手は10〜30
00tex のものを用いる。番手が10tex 未満の場合には、
シート状物にする際に多数本を引揃えなければならなく
なり、手が掛かり、したがって生産性が悪く、製造コス
トが高くなる。また、番手が3000tex を超えると、開繊
後の硝子繊維束の幅が広くなり過ぎて取り扱いにくくな
り、引揃えがしにくくなり、均一なシート状物を得がた
くなるので好ましくない。なお、本発明においては、こ
の番手の範囲内であれば、ストランドであっても、シン
グルエンドロービング等のロービングであってもよい。
【0024】硝子繊維束の開繊処理は、開繊指数が0.1
〜2となるようにすることができる方法であればどのよ
うな方法であってもよく、例えば、硝子繊維束を管状通
路へ送りながら、この通路へ圧縮空気を噴出させて、噴
出によって生じる高速空気流によって開繊する方法、硝
子繊維束を、複数個のテンションバーの間を湾曲させて
引っ張って開繊させる方法等、公知の方法を採用するこ
ともできるが、硝子繊維束に与えるダメージを少なくし
て十分開繊できることから、以下に示す方法が好まし
い。
【0025】図1、2には、硝子繊維束を開繊処理する
方法の好ましい一例が示されている。図1は平面図、図
2は側面図である。この方法によれば、硝子繊維束の回
巻体(ケーキ又はパッケージ)11を回転させつつ、そ
の外側から、硝子繊維束12aを図2中の矢印イの方向
に引き出し、駆動ロール13を経て、吸引開繊装置14
により平均流速10〜50m/秒で、矢印ロの方向に流れて
いる気体中に、この気体の流れ方向に対してほぼ直交す
る方向から導入し、気体流中を通過する際に、通過方向
に沿った長さ10mm当たりに対して1〜50mmたるむように
たるみAを与えることにより、開繊された硝子繊維束1
2bが得られる。なお、硝子繊維束12aを硝子繊維束
回巻体11を回転させつつ、その外側から引き出すの
は、硝子繊維束12aに撚りを与えないようにするため
である。
【0026】気体は、空気、不活性ガス等、安全なもの
でものであればいずれでもよいが、平均流速10〜50m/
秒で流れるようにする。気体の平均流速が10m/秒未満
の場合、硝子繊維束12aが十分開繊されるまでに時間
がかかるか、又は十分に開繊されず、50m/秒を超える
と、硝子繊維束12aを構成しているフィラメントが切
れやすくなるので好ましくない。
【0027】硝子繊維束12aのたるみAは、通過方向
に沿った長さ10mm当たりに対して1〜50mmたるむように
する。長さ10mm当たりに対するたるみ量が1mm未満の場
合、十分に開繊せず、50mmを超えると、硝子繊維束12
aに過剰な振動が生じるため、導入、引き取りの隣接部
分、あるいは、複数の硝子繊維束12a、12a…を同
時に並行して開繊処理している場合は隣の硝子繊維束1
2aに接触してダメージを受けやすくなるので好ましく
ない。
【0028】例えば上記のような方法により開繊処理さ
れた硝子繊維束の開繊指数は0.1 〜2とする。硝子繊維
束の開繊指数が0.1 未満の場合は、開繊が不十分で、樹
脂を十分含浸させることができず、2を超えると、開繊
後の硝子繊維束の幅が広くなり過ぎて取り扱いが困難に
なる。
【0029】本発明の一方向性硝子繊維プリプレグは、
上記のようにして得られた開繊硝子繊維束を、複数本引
揃えてシート状物とした後、このシート状物に樹脂を含
浸させて得られる。なお、開繊硝子繊維束を、複数本引
揃えてシート状物とする場合、図1、2に示すように、
複数の硝子繊維束を同時に並行して開繊処理し、そのま
ま引き出すと、容易にシート状物とすることができる。
また、開繊硝子繊維の開繊状態を保持してシート状物と
する際に、取扱性をよくするために、開繊硝子繊維を、
例えば硝子ペーパー、ボンデッドマット等の硝子繊維不
シート状物上に載置した状態として、シート状態を保持
し、硝子繊維不シート状物と共に樹脂を含浸してプリプ
レグとしてもよい。
【0030】なお、硝子繊維束を製造する際のサイジン
グ剤として、スターチ系サイジング剤を用いた場合、樹
脂を含浸させる前に、例えばヒートクリーニング等の方
法によりサイジング剤の除去を行うことが好ましい。ま
た、スターチ系サイジング剤を用いた場合のサイジング
剤除去後、あるいはカップリング剤を含まないプラスチ
ック系サイジング剤を用いた場合には、カップリング剤
を付与することが好ましい。カップリング剤としては、
例えばγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン
等、通常積層板を製造する際に用いるものを使用するこ
とができる。
【0031】樹脂は、特に限定されず、エポキシ樹脂、
ポリイミド樹脂等、通常積層板に用いられるものを使用
することができ、必要に応じて樹脂の種類に応じた硬化
剤、硬化促進剤、溶剤等を配合することができる。
【0032】本発明の積層板は、上記のようにして得ら
れた一方向性硝子繊維プリプレグを用いることを特徴と
し、積層板の製造法は、通常の方法を適用することがで
きる。すなわち、一方向性硝子繊維プリプレグを複数枚
積層し、加熱加圧して板状に成形する。複数枚積層する
場合、硝子繊維の方向を同一方向にして積層してもよ
く、互いに直交する方向に交互に積層してもよいが、積
層板としての特性をX方向とY方向とにおいて均一にす
るため、交互に積層することが好ましい。
【0033】樹脂を含浸させた一方向性硝子繊維プリプ
レグの積層枚数、加熱加圧条件等は、製造しようとして
いる積層板の種類に応じて選定され、また、例えば、積
層した一方向性硝子繊維プリプレグの最外側の少なくと
も一方の面に銅箔等の金属箔を積層した後、加熱加圧し
てプリント配線基板とすることもできる。
【0034】本発明の積層板は、プリント配線基板の
他、他の電気機器、バネ材、スポーツ用品等、広い分野
に適用することができる。
【0035】
【実施例】 実施例 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランカップリ
ング剤を含むエポキシ樹脂系サイジングを付与した、フ
ィラメント径が9μm、番手が1150tex の無撚り硝子繊
維ストランド100 本を並列し、それぞれ平均流速30m/
秒で流れる空気中へ、空気の流れ方向に対してほぼ直交
する方向から、空気流中を通過する際に通過方向に沿っ
た長さ10mm当たりに対して30mmたるむようにたるみを与
えながら導入して、開繊処理を施し、開繊指数が0.2 の
開繊硝子繊維ストランドが100 本引揃えられた単位面積
重量115 g/m2 のシート状物を得た。
【0036】このシート状物に、エポキシ樹脂である
「アラルダイト8011」(商品名、チバガイギー社製)10
0 重量部と、硬化剤であるジシアンジアミド4重量部
と、硬化促進剤2−エチル−4−メチルイミダゾール0.
1 重量部とを、溶剤40重量部に溶解させたワニスを含浸
させ、乾燥して、樹脂分40重量%、幅1mの一方向性硝
子繊維プリプレグを得た。
【0037】次いで、得られた一方向性硝子繊維プリプ
レグ8枚を、硝子繊維の方向が互いに直交するように交
互に積層して、最外層の両面に銅箔を重ね、常法によ
り、減圧雰囲気下に、温度160 ℃、圧力20kg/cm2で、90
分間加熱加圧成形してプリント配線基板を得た。
【0038】比較例 番手が66.1tex の、スターチ系サイジングを付与した硝
子繊維撚糸(ECG75 1/0 1.0Z)を、経糸及び緯糸に用
い、打込み本数を経、緯共22本/25mmとして製織して、
単位面積重量116 g/m2 の硝子クロスを得た。
【0039】得られた硝子クロスを、ヒートクリーニン
グしてサイジング剤を除去した後、実施例と同様のカッ
プリング剤を付与し、あとは実施例と同様にして、ワニ
スを含浸してプリプレグを得、このプリプレグを8枚積
層し、最外層の両面に銅箔を重ね、実施例と同様に加熱
加圧成形して、プリント配線基板を得た。
【0040】試験例 実施例、比較例で得られたプリント配線基板について、
ドリル加工性とはんだ耐熱性とを測定した。ドリル加工
性は、それぞれのプリント配線基板を3枚づつ重ね、ド
リル径0.3mm で穴開けした際の穴壁粗さと、穴位置ずれ
を測定することにより行った。また、はんだ耐熱性は、
JIS C 6481の規定に従い、260 ℃のはんだ中に20秒間浸
漬した後の膨れ及びはがれの有無を観察した。これらの
結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】表1の結果から、本発明の方法により開繊
処理を施した硝子繊維束を、複数本引揃えて樹脂を含浸
させた一方向性硝子繊維プリプレグを用いて製造した実
施例のプリント配線基板は、経糸、緯糸共開繊処理を施
さない硝子繊維糸を用いて製織した硝子クロスに樹脂を
含浸させたプリプレグを用いて製造した比較例のプリン
ト配線基板より、ドリル加工性、はんだ耐熱性に優れて
いることがわかる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
無撚り硝子繊維束を特定の開繊指数になるように開繊処
理し、この開繊処理物を複数本引揃えて樹脂を含浸させ
ることにより一方向性硝子繊維プリプレグを得、このプ
リプレグを用いて積層板を成形するので、樹脂含有率が
高く、表面平滑性、ドリル加工性、寸法安定性、はんだ
耐熱性、電気絶縁性、生産性に優れた積層板を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】硝子繊維束を開繊する装置の一例を示す平面図
である。
【図2】同装置の側面図である。
【符号の説明】
11 硝子繊維束の回巻体 12a 硝子繊維束 12b 開繊硝子繊維束 13 駆動ロール 14 吸引開繊装置 A 硝子繊維束のたわみ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 番手10〜3000tex の無撚り硝子繊維束の
    開繊処理物であって、下記数式1で定義される開繊指数
    Fが0.1 〜2とされたものを、複数本引揃えたシート状
    物に、樹脂が含浸されていることを特徴とする一方向性
    硝子繊維プリプレグ。 【数1】F=W/DN (数式中、Fは開繊指数、Wは硝子繊維束の幅(mm)、D
    は硝子繊維モノフィラメントの径(mm)、Nは硝子繊維モ
    ノフィラメントの本数を表し、硝子繊維束の幅は、巻糸
    又はシート状物においては有姿の状態で測定し、開繊処
    理直後のものは処理装置出口における状態で測定す
    る。)
  2. 【請求項2】 番手10〜3000tex の無撚り硝子繊維束に
    開繊処理を施して、下記数式2で定義される開繊指数F
    が0.1 〜2とされた開繊硝子繊維束を得、この開繊硝子
    繊維束を複数本引揃えてシート状物とした後、このシー
    ト状物に樹脂を含浸させることを特徴とする一方向性硝
    子繊維プリプレグの製造法。 【数2】F=W/DN (数式中、Fは開繊指数、Wは硝子繊維束の幅(mm)、D
    は硝子繊維モノフィラメントの径(mm)、Nは硝子繊維モ
    ノフィラメントの本数を表し、硝子繊維束の幅は、巻糸
    又はシート状物においては有姿の状態で測定し、開繊処
    理直後のものは処理装置出口における状態で測定す
    る。)
  3. 【請求項3】 平均流速10〜50m/秒で流れる気体中
    に、この気体の流れ方向に対してほぼ直交する方向から
    前記硝子繊維束を導入し、前記気体流中を通過する際
    に、通過方向に沿った長さ10mm当たりに対して1〜50mm
    たるむようにたるみを与えて前記硝子繊維束を開繊処理
    する請求項2記載の一方向性硝子繊維プリプレグの製造
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の一方向性硝子繊維プリプ
    レグが複数枚積層され、これらの一方向性硝子繊維プリ
    プレグに含浸された樹脂によって板状に成形されている
    ことを特徴とする積層板。
JP16372896A 1996-06-04 1996-06-04 一方向性硝子繊維プリプレグ、その製造法及びそれを用いた積層板 Pending JPH09323380A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019112067A1 (ja) * 2017-12-08 2019-06-13 日立化成株式会社 プリプレグ、積層板、プリント配線板及び半導体パッケージ

Cited By (15)

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