JP6866178B2 - ガラスクロス、プリプレグ、及びプリント配線板 - Google Patents
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Description
〔1〕
複数本のガラスフィラメントからなるガラス糸を経糸及び緯糸として製織してなるガラスクロスであって、
前記経糸及び前記緯糸を構成する前記ガラスフィラメントの平均フィラメント径が、各々独立して、3〜10μmであり、
前記経糸及び前記緯糸のフィラメント数が、各々独立して、20〜300本であり、
前記経糸及び前記緯糸の打ち込み密度が、各々独立して、20〜140本/inchであり、
前記経糸及び前記緯糸の一方が、SiO 2 組成量が98〜100質量%であるガラスフィラメントを含むガラス糸であり、
前記経糸及び前記緯糸の他方が、SiO 2 組成量が45〜60質量%であり、B 2 O 3 組成量が15〜30質量%であるガラスフィラメントを含むガラス糸であり、
前記ガラスクロスの誘電率が4.2以下であり、
前記ガラスクロスで構成されるプリント配線板の反りが、10mm以下である、
ガラスクロス。
〔2〕
前記ガラスクロスの誘電率が3.8超過4.2以下である、
〔1〕に記載のガラスクロス。
〔3〕
前記SiO2組成量が98〜100質量%である前記ガラスフィラメントの平均フィラ
メント径が、6〜9μmである、
〔1〕又は〔2〕に記載のガラスクロス。
〔4〕
厚さが、30〜90μmである、
〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のガラスクロス。
〔5〕
前記SiO2組成量が98〜100質量%である前記ガラスフィラメントからなるガラ
ス糸の引張弾性率が、70GPa以上であり、
前記SiO2組成量が45〜60質量%であり、前記B2O3組成量が15〜30質量%
である前記ガラスフィラメントからなるガラス糸の引張弾性率に対する、前記SiO2組
成量が98〜100質量%である前記ガラスフィラメントからなるガラス糸の引張弾性率
の比が、1.3以下である、
〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のガラスクロス。
〔6〕
前記経糸及び前記緯糸の一方が、前記SiO2組成量が98〜99.95質量%である
ガラスフィラメントを含むガラス糸である、
〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載のガラスクロス。
〔7〕
前記経糸及び前記緯糸の他方が、前記SiO2組成量が50〜60質量%であり、前記
B2O3組成量が20〜30質量%であるガラスフィラメントを含むガラス糸である、
〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載のガラスクロス。
〔8〕
前記ガラスクロスの強熱減量値が、0.2質量%以上1.0質量%以下である、
〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載のガラスクロス。
〔9〕
前記ガラスクロスの前記緯糸と前記経糸の斜行が、一方のガラス糸を垂直としたときに
1mあたり0〜20mmである、
〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載のガラスクロス。
〔10〕
シランカップリング剤で前記ガラス糸の表面が処理された、
〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載のガラスクロス。
〔11〕
〔1〕〜〔10〕のいずれか1項に記載のガラスクロスと、
該ガラスクロスに含浸されたマトリックス樹脂と、を含む、
プリプレグ。
〔12〕
〔11〕に記載のプリプレグを有する、
プリント配線板。
本実施形態のガラスクロスは、複数本のガラスフィラメントからなるガラス糸を経糸及び緯糸として製織してなるガラスクロスであって、前記経糸及び前記緯糸を構成する前記ガラスフィラメントの平均フィラメント径が、各々独立して、3〜10μmであり、前記経糸及び前記緯糸のフィラメント数が、各々独立して、20〜300本であり、前記経糸及び前記緯糸の打ち込み密度が、各々独立して、20〜140本/inchであり、前記ガラスクロスの誘電率が4.4以下であり、前記ガラスクロスで構成されるプリント配線板の反りが、10mm以下である。
本実施形態においては、経糸及び緯糸を構成するガラス糸の組成について特に限定されるものでは無いが、経糸及び緯糸の一方が、SiO2組成量が98〜100質量%であるガラスフィラメント(以下、「ガラスフィラメントA」ともいう。)を含むガラス糸であり、経糸及び緯糸の他方が、SiO2組成量が45〜60質量%であり、B2O3組成量が15〜30質量%であるガラスフィラメント(以下、「ガラスフィラメントB」ともいう。)を含むガラス糸であることが好ましい。当該態様においては、経糸及び緯糸の一方が、ガラスフィラメントAからなるガラス糸であり、経糸及び緯糸の他方が、ガラスフィラメントBからなるガラス糸である態様の他、経糸及び緯糸の一方が、ガラスフィラメントAとガラスフィラメントBとからなるガラス糸であり、経糸及び緯糸の他方が、ガラスフィラメントAからなるガラス糸又はガラスフィラメントBからなるガラス糸である態様、並びに、経糸及び緯糸の両方が、ガラスフィラメントAとガラスフィラメントBとからなるガラス糸である態様も含まれる。
ガラスフィラメントAのSiO2組成量は、98〜100質量%であり、好ましくは98〜99.95質量%であり、より好ましくは98〜99質量%である。SiO2組成量が98質量%以上であることにより、誘電率や誘電正接がより減少する傾向にある。また、SiO2組成量が98質量%以上であることにより、ガラス溶融紡糸の際の空気の混入が抑制され、中空糸の発生を抑制することができる。中空糸が減少することにより、基板の絶縁信頼性がより向上する傾向にある。また、SiO2組成量が99.95質量%以下であることにより、ガラス糸の耐屈曲性及び耐脆性がより向上する傾向にある。これにより、基板のドリル加工性がより向上し、また、ガラスクロスの処理加工後の開繊時及び水洗時等においてガラス糸切れが発生し難くなり、ガラスクロスの毛羽量が低下する傾向にある。このようなガラスクロスを用いることにより、誘電率がより低下する上、中空糸低減に由来する絶縁信頼性の向上や、基板のドリル加工性の向上に由来する絶縁信頼性の向上、毛羽立ち低減に由来する絶縁信頼性の向上(メッキ染み込み、突起不良、層間絶縁不良等の防止)を達成することができる。SiO2組成量は、ガラスフィラメント作製に用いる原料使用量に応じて調整することができる。
ガラスフィラメントBのSiO2組成量は、45〜60質量%であり、好ましくは50〜60質量%であり、より好ましくは51〜56質量%である。また、ガラスフィラメントBのB2O3組成量は、15〜30質量%であり、好ましくは20〜30質量%であり、より好ましくは21〜25質量%である。SiO2組成量が60%以下、かつB2O3組成量が15質量%以上であることにより、ガラス溶融粘度が下がり、ガラス糸を引き易くなるため、中空糸の発生を抑制することができ、また、誘電率が低下する。また、SiO2組成量が45%以上、かつB2O3組成量が30質量%以下であることにより、表面処理を施した場合において、耐吸湿性がより向上する。一方、B2O3組成量が15質量%未満であると、中空糸数が上昇し、それに伴って絶縁信頼性が低下する。また、B2O3組成量がさらにEガラス組成量まで減少すると、中空糸数は減少する傾向にあるが、誘電率は増加する。また、B2O3組成量が30質量%超過であると、吸湿量が増大するため、絶縁信頼性が低下する。B2O3組成量は、ガラスフィラメント作製に用いる原料使用量に応じて調整することができる。
経糸及び緯糸を構成するガラスフィラメントの平均フィラメント径は、各々独立して、3〜10μmであり、好ましくは6〜9μmである。ガラスフィラメントの平均フィラメント径が上記範囲内であることにより、得られる基板を、メカニカルドリルにより加工する際、加工性がより向上する傾向にある。特に、ガラスフィラメントの平均フィラメント径を6μm以上とすることにより、各フィラメントが切れにくくなり、毛羽立ち品質を改善することができる。また、ガラスフィラメントの平均フィラメント径を9μm以下とすることにより、メカニカルドリルにより加工する際、ドリルチップの折損性を改善することができる。なお、経糸又は緯糸が、ガラスフィラメントA又はBからなるガラス糸である場合には、上記平均フィラメント径はガラス糸を構成するガラスフィラメントA又はBの平均フィラメント径であり、経糸又は緯糸が、ガラスフィラメントA及びBからなるガラス糸である場合には、上記平均フィラメント径はガラス糸を構成するガラスフィラメントA及びBの平均フィラメント径である。
経糸及び緯糸を構成するガラスフィラメントのフィラメント数は、各々独立して、20〜300本であり、好ましくは20〜200本である。ガラスフィラメントのフィラメント数が上記範囲内であることにより、得られる基板を、メカニカルドリルにより加工する際、加工性がより向上する傾向にある。なお、経糸又は緯糸が、ガラスフィラメントA又はBからなるガラス糸である場合には、上記フィラメント数はガラス糸を構成するガラスフィラメントA又はBの本数であり、経糸又は緯糸が、ガラスフィラメントA及びBからなるガラス糸である場合には、上記フィラメント数はガラス糸を構成するガラスフィラメントA及びBの合計本数である。
ガラスクロスを構成する経糸及び緯糸の打ち込み密度は、各々独立して、20〜140本/inchであり、好ましくは30〜130本/inchであり、より好ましくは40〜120本/inchである。
ガラスフィラメントAからなるガラス糸の引張弾性率は、好ましくは70GPa以上であり、より好ましくは72GPa以上であり、さらに好ましくは75GPa以上である。また、ガラスフィラメントAからなるガラス糸の引張弾性率は、好ましくは100GPa以下であり、より好ましくは90GPa以下であり、さらに好ましくは80GPa以下である。ガラスフィラメントAからなるガラス糸の引張弾性率が70GPa以上であることにより、ガラスクロスのヨコ又はタテ方向の波打ち性を改善することができる傾向にある。
ガラスクロスの厚さは、好ましくは5μm〜100μmであり、より好ましくは20μm〜100μmであり、さらに好ましくは30〜90μmである。
ガラスクロスの布重量(目付け)は、好ましくは6〜100g/m2であり、より好ましくは7〜90g/m2である。
ガラスクロスの織り構造については、特に限定されないが、例えば、平織り、ななこ織り、朱子織り、綾織り等の織り構造が挙げられる。このなかでも、平織り構造がより好ましい。
ガラスクロスのガラス糸(ガラスフィラメントを含む)は、シランカップリング剤、好ましくは不飽和二重結合基を有するシランカップリング剤(以下、単に「シランカップリング剤」ともいう。)により表面処理されたものであることが好ましい。不飽和二重結合基を有するシランカップリング剤を用いることにより、マトリックス樹脂との反応性がより向上し、また、マトリックス樹脂と反応した後に親水性官能基が生じ難く絶縁信頼性がより向上する。
X(R)3-nSiYn ・・・(1)
(式中、Xは、アミノ基及び不飽和二重結合基の少なくともいずれかを1つ以上有する有機官能基であり、Yは、各々独立して、アルコキシ基であり、nは1以上3以下の整数であり、Rは、各々独立して、メチル基、エチル基、及びフェニル基からなる群より選ばれる基である。)
ガラスクロスの強熱減量値は、0.2質量%以上であり、好ましくは0.25質量%以上であり、より好ましくは0.3質量%以上である。また、ガラスクロスの強熱減量値の上限は、1.0質量%以下であり、好ましくは0.9質量%以下であり、より好ましくは0.8質量%以下である。ガラスクロスの強熱減量値が0.2質量%以上であることにより、ドリル加工後のメッキ液染込み性、絶縁信頼性、及び毛羽立ち品質を改善することができる。さらに、耐吸湿性がより向上し、吸湿に由来する絶縁信頼性の低下をより抑制することができる。また、ガラスクロスの強熱減量値が1.0質量%以下であることにより、ガラスクロスへの樹脂浸透性がより向上し、その結果として絶縁信頼性がより向上する。
ガラスクロスの誘電率は、4,4以下、好ましくは3.8超過4.4以下であり、更に好ましくは3.8超過4.2以下である。ガラスクロスの誘電率は実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態のガラスクロスの製造方法は、特に限定されないが、例えば、製織時の飛走到達標準偏差、織機及び加工機の張力、製造工程の全ロールと全芯管の平行度等の条件を調整して、得られるプリント配線板の反りが10mm以下となるように調整する工程を有する方法が挙げられる。また、シランカップリング剤によりガラス糸表面を表面処理する場合には、濃度0.1〜3.0質量%の処理液によってほぼ完全にガラスフィラメントの表面をシランカップリング剤で覆う被覆工程と、加熱乾燥によりシランカップリング剤をガラスフィラメントの表面に固着させる固着工程と、ガラスフィラメントの表面に固着したシランカップリング剤の少なくとも一部を高圧スプレー水等により洗浄することにより、強熱減量値が0.2〜1.0質量%になるように、シランカップリング剤の付着量を調整する調製工程と、を有する方法が挙げられる。
本実施形態のプリプレグは、上記ガラスクロスと、該ガラスクロスに含侵されたマトリックス樹脂と、を有する。これにより、薄くて、誘電率が低く、上記各理由に関連する絶縁信頼性の向上と耐吸湿性の向上による絶縁信頼性の向上が図られたプリプレグを提供することができる。
本実施形態のプリント配線板は、上記プリプレグを有する。これにより、誘電率が低く、絶縁信頼性の向上が図られたプリント配線板を提供することができる。
SiO2組成量99.9質量%のガラスフィラメントからなる緯糸(ガラスフィラメントの平均フィラメント径9μm、フィラメント数100本、打ち込み密度54本/inch)と、SiO2組成量53質量%、B2O3組成量23質量%のガラスフィラメントからなる経糸(ガラスフィラメントの平均フィラメント径6μm、フィラメント数200本、打ち込み密度61本/inch)を用いて、ガラスクロス(厚さ78μm、布重量70g/m2)を製織した。得られたガラスクロスを、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩(東レダウコーニング株式会社製;Z6032)、を水に分散させた処理液に浸漬し、加熱乾燥した。次にスプレーで高圧水開繊を実施し、加熱乾燥して製品を得た。ガラスクロスの強熱減量値は0.32質量%であった。ガラスクロスの緯糸の斜行は5mmあった。
SiO2組成量99.9質量%のガラスフィラメントからなる緯糸(ガラスフィラメントの平均フィラメント径9μm、フィラメント数100本、打ち込み密度54本/inch)と、SiO2組成量53質量%、B2O3組成量23質量%のガラスフィラメントからなる経糸(ガラスフィラメントの平均フィラメント径6μm、フィラメント数200本、打ち込み密度61本/inch)を用いて、ガラスクロス(厚さ78μm、布重量70g/m2)を製織した。得られたガラスクロスを、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩(東レダウコーニング株式会社製;Z6032)、を水に分散させた処理液に浸漬し、加熱乾燥した。次にスプレーで高圧水開繊を実施し、加熱乾燥して製品を得た。ガラスクロスの強熱減量値は0.32質量%であった。ガラスクロスの緯糸の斜行は10mmあった。
SiO2組成量99.9質量%のガラスフィラメントからなる緯糸(ガラスフィラメントの平均フィラメント径9μm、フィラメント数100本、打ち込み密度54本/inch)と、SiO2組成量53質量%、B2O3組成量23質量%のガラスフィラメントからなる経糸(ガラスフィラメントの平均フィラメント径6μm、フィラメント数200本、打ち込み密度61本/inch)を用いて、ガラスクロス(厚さ78μm、布重量70g/m2)を製織した。得られたガラスクロスを、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩(東レダウコーニング株式会社製;Z6032)、を水に分散させた処理液に浸漬し、加熱乾燥した。次にスプレーで高圧水開繊を実施し、加熱乾燥して製品を得た。ガラスクロスの強熱減量値は0.32質量%であった。ガラスクロスの緯糸の斜行は18mmあった。
SiO2組成量99.9質量%のガラスフィラメントからなる緯糸(ガラスフィラメントの平均フィラメント径9μm、フィラメント数100本、打ち込み密度54本/inch)と、SiO2組成量59質量%、B2O3組成量16質量%のガラスフィラメントからなる経糸(ガラスフィラメントの平均フィラメント径6μm、フィラメント数200本、打ち込み密度61本/inch)を用いて、ガラスクロス(厚さ78μm、布重量70g/m2)を製織した。得られたガラスクロスを、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩(東レダウコーニング株式会社製;Z6032)、を水に分散させた処理液に浸漬し、加熱乾燥した。次にスプレーで高圧水開繊を実施し、加熱乾燥して製品を得た。ガラスクロスの強熱減量値は0.32質量%であった。ガラスクロスの緯糸の斜行は10mmあった。
SiO2組成量99.9質量%のガラスフィラメントからなる緯糸(ガラスフィラメントの平均フィラメント径9μm、フィラメント数100本、打ち込み密度54本/inch)と、SiO2組成量99.9質量%のガラスフィラメントからなる経糸(ガラスフィラメントの平均フィラメント径9μm、フィラメント数100本、打ち込み密度54本/inch)を用いて、ガラスクロス(厚さ78μm、布重量69g/m2)を製織した。得られたガラスクロスを、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩(東レダウコーニング株式会社製;Z6032)、を水に分散させた処理液に浸漬し、加熱乾燥した。次にスプレーで高圧水開繊を実施し、加熱乾燥して製品を得た。ガラスクロスの強熱減量値は0.24質量%であった。ガラスクロスの緯糸の斜行は10mmあった。
SiO2組成量99.9質量%のガラスフィラメントからなる緯糸(ガラスフィラメントの平均フィラメント径9μm、フィラメント数100本、打ち込み密度54本/inch)と、SiO2組成量53質量%、B2O3組成量23質量%のガラスフィラメントからなる経糸(ガラスフィラメントの平均フィラメント径6μm、フィラメント数200本、打ち込み密度61本/inch)を用いて、ガラスクロス(厚さ78μm、布重量70g/m2)を製織した。得られたガラスクロスを、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩(東レダウコーニング株式会社製;Z6032)、を水に分散させた処理液に浸漬し、加熱乾燥した。次にスプレーで高圧水開繊を実施し、加熱乾燥して製品を得た。ガラスクロスの強熱減量値は0.32質量%であった。ガラスクロスの緯糸の斜行は22mmあった。
SiO2組成量99.9質量%のガラスフィラメントからなる緯糸(ガラスフィラメントの平均フィラメント径9μm、フィラメント数100本、打ち込み密度54本/inch)と、SiO2組成量53質量%、B2O3組成量23質量%のガラスフィラメントからなる経糸(ガラスフィラメントの平均フィラメント径6μm、フィラメント数200本、打ち込み密度61本/inch)を用いて、ガラスクロス(厚さ78μm、布重量70g/m2)を製織した。得られたガラスクロスを、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩(東レダウコーニング株式会社製;Z6032)、を水に分散させた処理液に浸漬し、加熱乾燥した。次にスプレーで高圧水開繊を実施し、加熱乾燥して製品を得た。ガラスクロスの強熱減量値は0.32質量%であった。ガラスクロスの緯糸の斜行は30mmあった。
SiO2組成量53質量%及びB2O3組成量23質量%のガラスフィラメントからなる緯糸(ガラスフィラメントの平均フィラメント径6μm、フィラメント数200本、打ち込み密度60本/inch)と、SiO2組成量53質量%及びB2O3組成量23質量%のガラスフィラメントからなる経糸(ガラスフィラメントの平均フィラメント径6μm、フィラメント数200本、打ち込み密度61本/inch)を用いて、ガラスクロス(厚さ78μm、布重量72g/m2)を製織した。得られたガラスクロスを、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩(東レダウコーニング株式会社製;Z6032)、を水に分散させた処理液に浸漬し、加熱乾燥した。次にスプレーで高圧水開繊を実施し、加熱乾燥して製品を得た。ガラスクロスの強熱減量値は0.32質量%であった。ガラスクロスの緯糸の斜行は22mmあった。
SiO2組成量99.9質量%のガラスフィラメントからなる緯糸(ガラスフィラメントの平均フィラメント径9μm、フィラメント数100本、打ち込み密度54本/inch)と、SiO2組成量99.9質量%のガラスフィラメントからなる経糸(ガラスフィラメントの平均フィラメント径9μm、フィラメント数100本、打ち込み密度54本/inch)を用いて、ガラスクロス(厚さ78μm、布重量69g/m2)を製織した。得られたガラスクロスを、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩(東レダウコーニング株式会社製;Z6032)、を水に分散させた処理液に浸漬し、加熱乾燥した。次にスプレーで高圧水開繊を実施し、加熱乾燥して製品を得た。ガラスクロスの強熱減量値は0.24質量%であった。ガラスクロスの緯糸の斜行は21mmあった。
JISR3420に記載されている方法に従って強熱減量値を測定した。具体的には、ガラスクロスを105℃±5℃の乾燥機の中に入れ、少なくとも30分間乾燥した。乾燥後、ガラスクロスをデシケータに移し、室温まで放冷した。放冷後、ガラスクロスの重さを0.1mg以下の単位で測定した。次に、ガラスクロスをマッフル炉で、約625℃で20分間加熱した。マッフル炉で加熱後、ガラスクロスをデシケータに移し、室温まで放冷した。放冷後、ガラスクロスの重さを0.1mg以下の単位で測定した。マッフル炉の加熱前後の重量変化を測定して、処理剤付着量として強熱減量値を計算した。
JISL1096に記載されている方法に従って緯糸と経糸の斜行を測定した。
JIS R 3420の7.10に準じて、マイクロメータを用いて、スピンドルを静かに回転させて測定面に平行に軽く接触させた。ラチェットが3回音をたてた後の目盛を読み取った。
上述の実施例及び比較例で得たガラスクロスに、ポリフェニレンエーテル樹脂ワニス(変性ポリフェニレンエーテル樹脂30質量部、トリアリルイソシアヌレート10質量部、トルエン60質量部、触媒0.1質量部の混合物)を含浸させ、120℃で2分間乾燥後プリプレグを得た。このプリプレグの樹脂含量を50質量%に調製した。次に任意箇所の100mm×100mmの小片サンプルを切り出し、目視にて突起箇所の数を求めた。
上記のようにしてプリプレグ100質量%あたりの樹脂含量が60質量%となるように基板を作製し、銅箔を除去して誘電率評価のための試料を得た。得られた試料の周波数1GHzにおける誘電率を、インピーダンスアナライザー(Agilent Technologies社製)を用いて測定した。得られた基板誘電率から、ガラスクロスの体積分率、及び樹脂誘電率2.5をもとに、ガラスクロスの誘電率を算出した。
上述の実施例及び比較例で得たガラスクロスに、エポキシ樹脂ワニス(低臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC社製、1121N−80M)40質量部、o−クレゾール型ノボラックエポキシ樹脂(DIC社製、N680−75M)10質量部、2−メトキシエタノール50質量部、ジシアンジアミド1質量部、及び2−エチル−4−メチルイミダゾール0.1質量部の混合物)を含浸させ、120℃で2分間乾燥後プリプレグを得た。このプリプレグを重ね、さらに上下に厚さ12μmの銅箔を重ね、200℃、40kg/cm2で60分間加熱加圧して基板を得た。
上記のようにしてプリプレグ100質量%あたりの樹脂含量が60質量%となるように基板を作製し、銅箔を除去して反り評価のための試料を得た。得られた試料を50mm×200mmの大きさにカットし、200℃で30分加熱し、平坦な机上に置いて室温まで冷まし、試料の4片の反り高さを計測した。4片の最大値を基板反りとして求めた。
上記のようにしてプリプレグ100質量%あたりの樹脂含量が60質量%となるように基板を作製し、350mm×350mmにカットし寸法評価のための試料を得た。得られた試料に、0.5mmΦのドリルで、100mm毎の貫通穴を9点加工し、3次元測定機(NIKON製;VM−500N)により位置(A)を測定した。さらに、試料の銅箔を除去し、200℃で30分加熱し、室温まで冷まし、貫通穴9点の位置(B)を測定した。位置(A)と位置(B)の変化率の最大値を基板寸法変化として求めた。
Claims (12)
- 複数本のガラスフィラメントからなるガラス糸を経糸及び緯糸として製織してなるガラスクロスであって、
前記経糸及び前記緯糸を構成する前記ガラスフィラメントの平均フィラメント径が、各々独立して、3〜10μmであり、
前記経糸及び前記緯糸のフィラメント数が、各々独立して、20〜300本であり、
前記経糸及び前記緯糸の打ち込み密度が、各々独立して、20〜140本/inchであり、
前記経糸及び前記緯糸の一方が、SiO 2 組成量が98〜100質量%であるガラスフィラメントを含むガラス糸であり、
前記経糸及び前記緯糸の他方が、SiO 2 組成量が45〜60質量%であり、B 2 O 3 組成量が15〜30質量%であるガラスフィラメントを含むガラス糸であり、
前記ガラスクロスの誘電率が4.2以下であり、
前記ガラスクロスで構成されるプリント配線板の反りが、10mm以下である、
ガラスクロス。 - 前記ガラスクロスの誘電率が3.8超過4.2以下である、
請求項1に記載のガラスクロス。 - 前記SiO2組成量が98〜100質量%である前記ガラスフィラメントの平均フィラメント径が、6〜9μmである、
請求項1又は2に記載のガラスクロス。 - 厚さが、30〜90μmである、
請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラスクロス。 - 前記SiO2組成量が98〜100質量%である前記ガラスフィラメントからなるガラス糸の引張弾性率が、70GPa以上であり、
前記SiO2組成量が45〜60質量%であり、前記B2O3組成量が15〜30質量%である前記ガラスフィラメントからなるガラス糸の引張弾性率に対する、前記SiO2組成量が98〜100質量%である前記ガラスフィラメントからなるガラス糸の引張弾性率の比が、1.3以下である、
請求項1〜4のいずれか1項に記載のガラスクロス。 - 前記経糸及び前記緯糸の一方が、前記SiO2組成量が98〜99.95質量%であるガラスフィラメントを含むガラス糸である、
請求項1〜5のいずれか1項に記載のガラスクロス。 - 前記経糸及び前記緯糸の他方が、前記SiO2組成量が50〜60質量%であり、前記B2O3組成量が20〜30質量%であるガラスフィラメントを含むガラス糸である、
請求項1〜6のいずれか1項に記載のガラスクロス。 - 前記ガラスクロスの強熱減量値が、0.2質量%以上1.0質量%以下である、
請求項1〜7のいずれか1項に記載のガラスクロス。 - 前記ガラスクロスの前記緯糸と前記経糸の斜行が、一方のガラス糸を垂直としたときに1mあたり0〜20mmである、
請求項1〜8のいずれか1項に記載のガラスクロス。 - シランカップリング剤で前記ガラス糸の表面が処理された、
請求項1〜9のいずれか1項に記載のガラスクロス。 - 請求項1〜10のいずれか1項に記載のガラスクロスと、
該ガラスクロスに含浸されたマトリックス樹脂と、を含む、
プリプレグ。 - 請求項11に記載のプリプレグを有する、
プリント配線板。
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